(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132276
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】焼結処理されたプリントヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20220901BHJP
B22F 3/24 20060101ALI20220901BHJP
B22F 3/10 20060101ALI20220901BHJP
B22F 5/00 20060101ALI20220901BHJP
B22F 3/26 20060101ALI20220901BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
B41J2/175 119
B22F3/24 D
B22F3/24 H
B22F3/10 C
B22F5/00 Z
B22F3/26 A
B41J2/01 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027614
(22)【出願日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】17/187,745
(32)【優先日】2021-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】ピング・ジー. アラン
【テーマコード(参考)】
2C056
4K018
【Fターム(参考)】
2C056FC01
2C056KC01
4K018AA03
4K018AA24
4K018AA33
4K018BA02
4K018BA13
4K018BA17
4K018BA20
4K018CA09
4K018CA34
4K018DA03
4K018FA01
4K018FA14
4K018FA32
4K018KA45
4K018KA58
4K018KA70
(57)【要約】
【課題】成形された焼結金属カートリッジ本体を有する流体吐出用カートリッジシステムを提供する。
【解決手段】流体吐出カートリッジは、上部、下部、側壁、および底部を有する焼結金属により単一一体形成された本体を有し、底部は、ノーズピースを有し、本体は、リザーバからなる。本体は、銅、銅合金、鋼鉄、炭素鋼、鉄-銅鋼、銅溶浸鋼、銅鋼、鉄-ニッケル鋼、ニッケル鋼、低合金鋼、硬化鋼、拡散合金鋼、300シリーズステンレス鋼、400シリーズステンレス鋼、および軟磁性合金のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態は、本体の上部の上に配置され、且つそれに密封された焼結金属の蓋を含む。いくつかの実施形態は、リザーバと流体流連通するチップを含む。いくつかの実施形態は、本体の下部にあるリザーバ内に配置されたフィルタを含む。いくつかの実施形態は、リザーバ内に配置された特定のボリュームの吐出可能な流体を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部、下部、側壁、および底部を有する焼結金属により単一一体形成された本体を含み、前記底部がノーズピースを有し、前記本体がリザーバからなる流体吐出カートリッジ。
【請求項2】
前記本体が、銅、銅合金、鋼鉄、炭素鋼、鉄-銅鋼、銅溶浸鋼、銅鋼、鉄-ニッケル鋼、ニッケル鋼、低合金鋼、硬化鋼、拡散合金鋼、300シリーズステンレス鋼、400シリーズステンレス鋼、および軟磁性合金のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記本体の前記上部の上に配置され、且つそれに密封された前記焼結金属の蓋をさらに含む請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記リザーバと流体流連通するチップをさらに含む請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記本体の前記下部にある前記リザーバ内に配置されたフィルタをさらに含む請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記リザーバ内に配置された特定のボリュームの吐出可能な流体をさらに含む請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記吐出可能な流体が、アルコール、アセテート、ケトン、炭化水素溶剤、ハロゲン化溶剤、およびラクトンから本質的になる群より選択され、水性溶媒ではない少なくとも1つの有機溶媒を含む請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記吐出可能な流体が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、エチルアセテート、ブチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、石油、クロロホルム、ジヨードメタン、N-エチル-2-ピロリドン、N-メチル-ピロリドン、およびγ-ブチロラクトンからなる群より選択され、水性溶媒ではない少なくとも1つの有機溶媒を含む請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記吐出可能な流体が、印刷用インクであり、さらに、顔料または染料を含む請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項10】
焼結金属カートリッジを製造する方法であって、
金属およびバインダーで構成された前駆体材料を、側壁およびノーズピースを有する底部を有するカートリッジの形状に形成するステップと、
前記前駆体材料を加熱して、前記前駆体材料を焼結金属部品に変えるステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記加熱ステップが、さらに、前記前駆体材料内の前記金属から前記バインダーを除去する初期加熱ステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記加熱ステップが、さらに、前記金属を前記焼結金属部品に流し入れる最終加熱ステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
洗浄、不動態化、研磨、バリ取り、マーキング、および彫刻のうちの少なくとも1つによって前記焼結金属部品を後処理するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
フィルタを前記焼結金属カートリッジに設置するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
流体吸収ブロックを前記焼結金属カートリッジに挿入するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項16】
フレキシブル回路およびチップを前記焼結金属カートリッジに取り付けるステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記焼結金属カートリッジを吐出可能な流体で充填するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項18】
蓋を前記焼結金属カートリッジに取り付けるステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記焼結金属で形成された蓋を前記焼結金属カートリッジに取り付けるステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体吐出用カートリッジの分野に関するものであり、特に、成形された焼結金属カートリッジ本体を有する流体吐出用カートリッジシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体吐出カートリッジは、従来のインクジェット印刷等の様々な異なる用途において、流体を吐出する、または送り出すために使用される。これらの印刷システムにおいて使用されるインクは、大部分が水性であり、紙や他の一般的な基板に印刷される。このような用途に用いるカートリッジは、プラスチック等の様々な安い材料で形成することができるため、比較的作業しやすく、このような低需要の用途に適している。
【0003】
しかしながら、標準の消費者向けの印刷操作よりもより要求がなされ、またはより規制される環境において、水以外の溶媒を利用し、標準のインク顔料以外の材料を送り出す、吐出アプリケーションが存在している。例えば、あるアプリケーションは、非水溶媒系材料を送り出す必要があり、あるアプリケーションは、食品サービスや薬物送達アプリケーションのように、使用できる機種に応じて規制される。
【0004】
残念ながら、従来のインクジェット印刷用カートリッジにおいて使用されるプラスチックは、これらのアプリケーションのいくつかに必要な非水溶媒に対して化学的耐性を有さない可能性があり、あるいはこのようなアプリケーションの規制基準を満たすまで十分に洗浄することができない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述した問題を少なくともある程度軽減することのできる流体吐出カートリッジおよびその製造プロセスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記および他の要求は、上部、下部、側壁、および底部を有する焼結金属により単一一体形成された本体を有し、底部がノーズピースを有し、本体がリザーバからなる流体吐出カートリッジによって満たされる。
【0007】
本発明の本態様に基づく様々な実施形態において、本体は、銅、銅合金、鋼鉄、炭素鋼、鉄-銅鋼、銅溶浸鋼、銅鋼、鉄-ニッケル鋼、ニッケル鋼、低合金鋼、硬化鋼、拡散合金鋼、300シリーズステンレス鋼、400シリーズステンレス鋼、および軟磁性合金のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態は、本体の上部の上に配置され、且つそれに密封された焼結金属の蓋を含む。いくつかの実施形態は、リザーバと流体流連通するチップを含む。いくつかの実施形態は、本体の下部にあるリザーバ内に配置されたフィルタを含む。いくつかの実施形態は、リザーバ内に配置された特定のボリュームの吐出可能な流体を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、吐出可能な流体は、アルコール、アセテート、ケトン、炭化水素溶剤、ハロゲン化溶剤、およびラクトンから本質的になる群より選択され、水性溶媒ではない少なくとも1つの有機溶媒を含む。いくつかの実施形態において、吐出可能な流体は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、エチルアセテート、ブチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、石油、クロロホルム、ジヨードメタン、N-エチル-2-ピロリドン、N-メチル-ピロリドン、およびγ-ブチロラクトンからなる群より選択され、水性溶媒ではない少なくとも1つの有機溶媒を含む。いくつかの実施形態において、吐出可能な流体は、印刷用インクであり、さらに、顔料または染料を含む。
【0009】
本発明の別の態様に基づき、金属およびバインダーで構成された前駆体材料を、側壁およびノーズピースを有する底部を有するカートリッジの形状に形成し、前駆体材料を加熱して前駆体材料を焼結金属部品に変えることによって、焼結金属カートリッジを製造する方法を説明する。
【0010】
本発明の本態様に基づく様々な実施形態は、前駆体材料内の金属からバインダーを除去する初期加熱ステップを含む。いくつかの実施形態は、金属を焼結金属部品に流し入れる最終加熱ステップを含む。いくつかの実施形態は、洗浄、不動態化(passivating)、研磨、バリ取り、マーキング、および彫刻のうちの少なくとも1つによって焼結金属部品を後処理することを含む。いくつかの実施形態は、フィルタを焼結金属カートリッジに設置することを含む。いくつかの実施形態は、流体吸収ブロックを焼結金属カートリッジに挿入することを含む。いくつかの実施形態は、フレキシブル回路およびチップを焼結金属カートリッジに取り付けることを含む。いくつかの実施形態は、焼結金属カートリッジを吐出可能な流体で充填することを含む。いくつかの実施形態は、蓋を焼結金属カートリッジに取り付けることを含む。いくつかの実施形態は、焼結金属で形成された蓋を焼結金属カートリッジに取り付けることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る流体吐出カートリッジである。
【
図2】本発明の1つの実施形態に係る流体吐出カートリッジの形成方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、水性とは対照的に、有機溶媒系の混合流体と一緒に使用するのに適した流体吐出カートリッジについて説明する。ここで説明するカートリッジは、後で詳しく説明するが、食品サービスや薬剤送達アプリケーションにも使用可能である。カートリッジの製造方法についても説明する。
【0013】
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態に基づくカートリッジ10が示され、カートリッジ10は、上部14、下部16、側壁18、および底部26を有する本体12を有し、底部26は、カートリッジ本体12の下部16の下に配置され、且つそれに一体形成される。中空キャビティ20は、側壁18および底部26によって本体12内に作成され、キャビティ20は、リザーバ22からなる。本実施形態において説明するカートリッジ10は、蓋24も含む。蓋24は、分離して形成された部品であり、本体12の上部14の上に配置され、且つそれに密閉される。
【0014】
特に、本発明の1つの実施形態に基づき、本体12および蓋24は、いずれも焼結金属材料で作られる。本明細書で使用する時、焼結金属は、有機バインダー材料と混合され粉末金属前駆体から形成する金属を含む。その金属を所望の形状にプレス加工した後、加熱することにより、バインダー材料を除去して、金属を所望の形状を有する固体無孔部品に溶融させる。このような金属の例は、銅および銅合金、鉄および炭素鋼、鉄-銅鋼、銅溶浸鋼、銅鋼、鉄-ニッケルおよびニッケル鋼、低合金鋼、硬化鋼、拡散合金鋼、300シリーズステンレス鋼、400シリーズステンレス鋼、および軟磁性合金を含む。
【0015】
上述したように、蓋24は、本体12の上部14に密封される。蓋24は、様々な実施形態において、接着剤、焼結金属、圧入、または溶接を使用して、本体12に密封することができる。
【0016】
カートリッジ10は、ノーズピース28も含み、ノーズピース28は、底部26の一部であり、ノーズピース28内の穴を介して、流体リザーバ22と流体流連通する少なくとも1つの流体吐出チップ30を支える特殊機能を有する。吐出チップ30は、リザーバ22から流体を吐出するための複数のノズルを含む。ある実施形態において、カートリッジ10は、流体リザーバ22内に配置された吸収ブロック32、および流体リザーバ22と流体吐出チップ30の間に配置された流体フィルタ素子34も含む。
【0017】
また、カートリッジ10の多くの実施形態は、側壁18に取り付けられ、且つ流体吐出チップ30に電気接続されたフレキシブル相互接続回路36を含み、吐出チップ30の電子制御を提供する。
【0018】
カートリッジ10の本体12を焼結金属から形成することによって、本体12のたわみ量および本体12の熱膨張収縮の度合いは、同様の環境条件下で典型的なプラスチック本体12によって経験されるものよりも、減少する傾向にある。これは、流体吐出チップ30に付与される圧力を減らす傾向にあるため、チップ30に亀裂が生じて、本体12からチップ30が分離する頻度を減らす傾向にある。
【0019】
カートリッジ10は、流体リザーバ22内に配置され、且ついくつかの実施形態において、吸収ブロック32に浸透する特定のボリュームの吐出可能な流体を含む。いくつかの実施形態において、吐出可能な流体は、水性混合物である。別の実施形態において、吐出可能な流体は、非水有機系溶媒である。例えば、吐出可能な流体は、アルコール、アセテート、ケトン、油、炭化水素溶剤、ハロゲン化溶剤、およびラクトンのうちの少なくとも1つを含む有機溶媒である。いくつかのより具体的な実施形態において、吐出可能な流体は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、エチルアセテート、ブチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、石油、クロロホルム、ジヨードメタン、N-エチル-2-ピロリドン、N-メチル-ピロリドン、およびγ-ブチロラクトンのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、流体吐出カートリッジ10は、インクジェット印刷用カートリッジとして使用される。いくつかの実施形態において、カートリッジ10内の吐出可能な流体は、適切な印刷用インクであり、溶媒内に分散した固体の色素粒子を含む。いくつかの実施形態において、カートリッジ10は、例えば、クッキーやケーキのように、食用着色料や他の食材を食品の表面に吐出することによって、食品調理産業において使用される。
【0021】
別の実施形態において、流体吐出カートリッジ10は、印刷以外の目的で使用される。例えば、本発明の流体吐出カートリッジ10は、香水またはエッセンシャルオイルの流体を制御放出するために、流体量の薬物を送達するために、あるいは電子たばこデバイス(electronic vaping device)の流体を送達するために使用される。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明の流体吐出カートリッジ10は、無孔質基体に印刷するために使用される。例えば、カートリッジ10は、ドロップ・オン・デマンド(drop-on-demand)の印刷システムにおいて、プラスチック、金属、ガラス、およびプラスチック被覆紙等の基板に所望の証印を印刷するために使用することができる。別の実施形態において、カートリッジ10は、非塗工紙等のより多孔質基板に印刷するために使用される。
【0023】
プラスチック、ガラス、および金属等の無孔質基体の印刷において、従来のポリマーではなく、焼結金属を使用するカートリッジ10の構造がさらに幅広い溶媒を使用できるため、カートリッジ10は特に有利である。一般的に、プラスチックまたはポリマー材料から作られる従来のインクジェットカートリッジは、有機溶媒系ではなく、水性溶媒系のインクを使用する必要がある。このようなカートリッジ10に有機溶媒系のインクを使用した場合、インク溶媒は、カートリッジ10に使用したプラスチックに浸透する傾向にあるため、カートリッジ10の部分的な分解や、損傷を引き起こす。
【0024】
本発明に基づき、本体12および蓋24は、焼結金属から形成されるため、アルコール、アセテート、ケトン、油、炭化水素溶剤、ハロゲン化溶剤、およびラクトン等の有機溶媒を通さない。そのため、これらの有機物を流体製剤の溶媒として使用することができる。この種の有機溶媒系流体は、印刷される無孔質基板への浸透性および粘着性が良いことがわかっているため、無孔質基板に印刷する時に、特に利点がある。
【0025】
図2を参照すると、本発明の1つの実施形態に基づくカートリッジ10の形成方法のフローチャート200が示されている。ブロック202に示すように、金属前駆体を準備する202。前駆体材料の金属部分は、本明細書中の他の場所に説明されている材料のうちの任意の1つまたはそれ以上であってもよい。金属部分は、いくつかの実施形態において、前駆体材料が所望の形状にプレス加工された時に、その形状を維持することのできる有機バインダーと混合することができる。
【0026】
ブロック204に示すように、前駆体材料を本体12の側壁18および底部24の所望の形状に形成する。1つの実施形態において、これは、粉末状または微細粒状の前駆体材料を本体12の外殻の形状の金型に流し入れ、その後、本体12の内側形状の内型を前駆体材料および外型にプレス加工して、前駆体材料を内型と外型の間の空間にわたって均一に分散させることによって達成される。いくつかの実施形態において、まず、内型と外型を配置してから、それらの間の空間に前駆体材料を流し入れて、プレス加工する。
【0027】
形成された前駆体材料を金型から除去する前に、金型の形状を保持するために、前駆体材料に対して、ある種の処理が必要とされる。この処理は、使用される前駆体材料の種類によって決めることができる。いくつかの実施形態において、ブロック206に示すように、初期加熱のステップは、この初期処理を含む。いくつかの実施形態において、初期処理は、酸素等の酸化剤がない場合に、前駆体材料内の有機物を揮発して除去し、それらを前駆体材料内の金属から追い出す加熱処理である。これは、形成された形状から金型を除去する前または後のどちらで行ってもよい。
【0028】
ブロック208に示すように、最終加熱ステップを行い、形成された形状に残った金属粒子は、これらの粒子を一緒に流して、側壁18と底部26を含む固体の単一化された焼結金属本体12を作成するのに十分な条件で、加熱される。これは、様々な実施形態において、形成された本体12を金型から取り外す前または後のどちらで行ってもよい。いくつかの実施形態において、最終加熱ステップ208は、空気等の酸化剤がない場合にも行われる。ブロック210に示すように、いくつかの実施形態において、後処理ステップを行い、洗浄、不動態化、研磨、バリ取り、マーキング、または彫刻のうちの1つ以上を形成された本体12に対して要望通りに行う。
【0029】
ブロック212に示すように、ノーズピース28の中、またはその付近に、フィルタ34を選択的に挿入し、いくつかの実施形態において、フィルタ34は、チップ30のビアおよびノズルを通過するには大き過ぎる粒子の通路を妨げるために使用される。要望通り、カートリッジ10の用途に応じて、ブロック214に示すように、発泡体または吸収ブロック32を本体12内のリザーバ22に入れる。吸収ブロック32は、制御された方法でカートリッジ10によって分配される特定のボリュームの流体を放出するのに役立つ。
【0030】
ブロック216に示すように、フレキシブル回路36およびチップ30を本体12に取り付ける。これらは、両方の素子を含む予備形成された部品として取り付けてもよく、あるいは最初に1つを取り付けた後に、もう1つを取り付けてもよい。ブロック218に示すように、最終的に、リザーバ22を充填し、ブロック220に示すように、蓋24を取り付ける。様々な実施形態において、蓋24は、同じ材料で、且つ本体12と同じ方法で形成され、本明細書中の他の場所に説明されているように、様々な異なる方法で本体12に取り付けることができる。
【0031】
本明細書で使用する時、用語「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、およびCそれぞれの実施形態なしあるいは複数の実施形態の全ての可能な組み合わせであるが、少なくとも1つのA、または1つのB、または1つのCを意味する。例えば、無制限に、Ax1、Ax2+Bx1、Cx2、Ax1+Bx1+Cx1、Ax7+Bx12+Cx113であり、Ax0+Bx0+Cx0を意味しない。
【0032】
前述した本発明の実施形態の説明は、例示および説明を目的として示されてきた。本発明を、網羅的とする、または開示された形態に限定する意図はない。上記の教示を考慮すると、自明の修正または変更が可能となろう。実施形態は、本発明の原理およびそのこれの実用的な用途を最も良く表わすために、また、それによって、考えられる特定の用途に適するように、様々な実施形態で、および様々な修正とともに、当業者が本発明を用いることが可能となるよう、選択され、説明された。公正に、合法的に、かつ公平に権限を与えられた広がりに従って解釈される場合に、このような修正および変更の全てが添付の特許請求の範囲により決定された本発明の範囲内にある。