(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132375
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】ペプチド送達のための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 38/02 20060101AFI20220901BHJP
A61K 38/28 20060101ALI20220901BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20220901BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20220901BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220901BHJP
A61K 47/08 20060101ALI20220901BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220901BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20220901BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20220901BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220901BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20220901BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220901BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220901BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
A61K38/02
A61K38/28
A61K38/08
A61K38/16
A61K47/02
A61K47/08
A61K47/10
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/26
A61K47/42
A61K9/48
A61K9/08
A61K9/20
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111628
(22)【出願日】2022-07-12
(62)【分割の表示】P 2019528818の分割
【原出願日】2018-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】519187414
【氏名又は名称】アニヤ バイオファーム インク.
(71)【出願人】
【識別番号】519187425
【氏名又は名称】グシュリエッサー ジーグフリート
(71)【出願人】
【識別番号】519187436
【氏名又は名称】デサイ ブシャン ドゥルブクマール
(74)【代理人】
【識別番号】100124431
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 順也
(74)【代理人】
【識別番号】100174160
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 馨也
(74)【代理人】
【識別番号】100175651
【弁理士】
【氏名又は名称】迫田 恭子
(72)【発明者】
【氏名】グシュリエッサー ジーグフリート
(72)【発明者】
【氏名】デサイ ブシャン ドゥルブクマール
(57)【要約】
【課題】 本発明はペプチド送達のための医薬組成物を提供する。
【解決手段】 本発明は、薬学的に有効な用量の少なくとも1種類のペプチド、及び薬学的に許容可能な用量の、(a)塩及び錯体のいずれか又はそれらの組み合わせの形態である少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1種類の金属は、バナジウム、クロム及びマンガンのいずれか又はそれらの組み合わせから選択され、且つ前記(a)塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせは、前記少なくとも1種類のペプチドを、摂取の際に、タンパク質的分解から少なくとも部分的に保護することができる医薬組成物に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に有効な用量の少なくとも1種類のペプチド、及び
薬学的に許容可能な用量の、(a)塩及び錯体のいずれか又はそれらの組み合わせの形態である少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせを含み、
前記少なくとも1種類の金属は、バナジウム、クロム及びマンガンのいずれか又はそれらの組み合わせから選択され、且つ前記(a)塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせは、前記少なくとも1種類のペプチドを、摂取の際に、タンパク質的分解から少なくとも部分的に保護することができる、医薬組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種類の金属はバナジウムであり、前記医薬組成物はバナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.01mg~約15mgの範囲の量で含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記バナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれかは、酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジウムビグアナイド、ビス(マルトラト)オキソバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、ピコリン酸バナジル及びクエン酸バナジルを含む群から独立して選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種類の金属はクロムであり、前記医薬組成物はクロムの塩及びクロムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.02mg~約0.5mgの範囲の量で含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記クロムの塩及びクロムの錯体のいずれかは、ピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロム及び酢酸クロムを含む群から独立して選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種類の金属はマンガンであり、前記医薬組成物はマンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.1mg~約10mgの範囲の量で含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記マンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれかは、グルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウム及び塩化マンガンを含む群から独立して選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種類のペプチドは60kDaまたはそれ以下の分子量を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種類のペプチドは、インスリン、インスリンアナログ、インスリンリスプロ、インスリンペグリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリジン、インスリングラルギン、インスリンデテミル、プロタミン含有中間型(NPH)インスリン、インスリンデグルデク、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 hu
man insulin、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、GLP-1、GLP-1アナログ、アシル化GLP-1アナログ、ジアシル化GLP-1アナログ、セマグルチド、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、 GLP-1受容体及びグルカゴン受容体のデュアルアゴニスト、アミリン、アミリンアナログ、プラムリンチド、ソマトスタチンアナログ、オクトレオチド、ランレオチド、パシレオチド、ゴセレリン、ブセレリン、レプチン、レプチンアナログ、メトレレプチン、ペプチドYY、ペプチドYYアナログ、グラチラマー、リュープロレリン、テリパラチド、デスモプレシン、ヒト成長ホルモン、ヒト成長ホルモンアナログ、グリコペプチド系抗生物質、グリコシル化の環状又は多環非リボソームペプチド系抗生物質、バンコマイシン、テイコプラニン、テラバンシン、ブレオマイシン、ラモプラニン、デカプラニン、ボルテゾミブ、コシントロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン、セルモレリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ソマトロピン、カルシトニン、サケカルシトニン、ペンタガストリン、オキシトシン、ネシリチド、アナキンラ、エンフビルチド、ペグビソマント、ドルナーゼアルファ、レピルジン、アニデュラフンギン、エプチフィバチド、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ-1b、ペグインターフェロンα-2a、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンβ-1a、フィブリノリジン、バソプレシン、アルデスロイキン、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンゼータ、フィルグラスチム、インターロイキン-11、シクロスポリン、グルカゴン、ウロキナーゼ、バイオマイシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、ロイシンエンケファリン、メチオニンエンケファリン、サブスタンスP、副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を含む群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属とは、医薬組成物中で物理的に分けられた状態で存在している、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属は、分けられた区画に存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記医薬組成物はカプセルインカプセル(capsule-in-capsule)の剤型又はタブレットインカプセル(tablet-in-capsule)の剤型で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種類の還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマー、及びそれらの薬学的に許容可能な塩のいずれか又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記医薬組成物は、少なくとも1種類の還元剤を単位用量あたり約1mg~約1000
mgの範囲の量で含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記医薬組成物は、さらに少なくとも1種類の吸収促進剤を含み、前記吸収促進剤は単位用量あたり約10mg~約1000mgの範囲の量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物は、経口固体剤又は経口液体剤のいずれかの形態に調製され、且つ前記医薬組成物が経口液体剤の形態に調製されている場合には、前記医薬組成物は水分を約5%未満(v/v)の量で含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的には薬剤分野に関し、具体的には、本発明はペプチドと金属塩/錯体及び還元剤の組み合わせを含み、少なくとも部分的に、ペプチドを摂取の際にタンパク質的分解から保護できるようにする医薬組成物である。
【背景技術】
【0002】
本明細書の背景資料には本発明を理解するために助けとなる情報が含まれている。但し、本明細書の背景資料は、本発明が周知技術であると断言するものではないか、又は本発明の保護範囲とは関連性がないものである。また、本明細書の背景資料で開示する何らかの資料又は文献は、明示的であれ暗示的であれ、その内容のいずれも本発明が周知技術であることを表すものではない。
【0003】
タンパク質及びペプチドは、長い間治療薬、診断薬などの薬剤に用いられてきた。また関連技術は現在に至るまで迅速に発展を続けている。しかし、タンパク質及びペプチドの発展可能性は未だ完全には理解されていないため、応用においては非経口注射での使用に留まっている。
【0004】
経口は、簡単で便利な最良の投与経路である。しかし、ペプチドは消化管で消化後に分解されるため、完全に吸収することは難しい。よって、タンパク質及びペプチドの経口での生物学的利用能の低さは、消化管中の酵素分解及び上皮細胞の低浸透圧性が主な要因である。
【0005】
タンパク質及びペプチドの経口での生物学的利用能の低さという問題を如何に改善するかに関して、これまで多くの方法が提出されてきており、例えば大豆トリプシンインヒビター、アプロチニン、ボウマン・バーク(Bowman-Birk)型トリプシンインヒビター、バシトラシン、 カモスタットメシル酸塩(camosstate mesilate)、阻害剤アマスタチン(amastatin)(Renukuntla J et
al.,Int J Pharm.2013,447,75~93;米国出願公開特許US20070087957A1)などがあり、いずれにおいても各種様々な吸収促進薬及びプロテアーゼインヒビターが使用されている。しかし、毒性及び多くの副作用の要因を有するため、ペプチド送達用としてプロテアーゼインヒビターをポリペプチド薬中で用いることが可能な添加剤は、商業的な応用において今のところ存在しない。
【0006】
以下はペプチド送達に用いることが可能なプロテアーゼインヒビターの数少ない具体例である。(a)大豆(即ち大豆トリプシンインヒビター):アレルゲンの1つと広く見なされており、1980年以降、大豆アレルギーに悩まされる人々が徐々に増加し、利用が制限されている(Moroz LA et al.,N Engl J Med.1980,302,1126~8;Foucard T et al., Allergy,1999,54,261~5;Ramesh S,Clin Rev Allergy Immunol.2008,34,217~30)。大豆によって生じる急性アレルギー反応には、咳、くしゃみ、鼻水、蕁麻疹、下痢、顔面腫脹、呼吸促迫、舌腫脹、嚥下障害、血圧降下、発汗過多、失神、アナフィラキシーショックを含み、死に至る場合もある。(b)Bowman(即ちBowman-Birk型トリプシンインヒビター):経口で高い生物学的利用能を有する大豆誘導体であり、吸収促進薬なしでも経口で高い生物学的利用能を有することができる。但し、Bowmanを内服後、時に不必要な全身性のプロテアーゼ阻害作用(例えばプラスミンなど、全身性のセリンプロテアーゼ阻害により血栓形成リスクが増加する可能性がある)を生じると報告されている。また、Bowmanは自己に対する抗体を形成する可能性もある(Wan XS et al.,Nutr Cancer,2002,43,167~73)。(c)アプロチニン(aprotinin):初回に1:200の割合で使用した場合、アレルギー反応を引き起こすことが知られており(Mahdy AM et al.,2004,93,842~58)、且つアプロチニンは心臓病/手術患者に急性腎不全、心筋梗塞、心不全、脳卒中及び脳症を生じるリスク関連性が報告されている(Mangano DT et al.,N Engl J Med,2006,354,353~65)。
【0007】
プロテアーゼインヒビターが有する上記の潜在的な健康危害リスクにより、通常ではプロテアーゼインヒビターの使用が避けられている。上述の制限以外にも、プロテアーゼインヒビターには製造コストの高さ、異質性、規制面での障壁、選択的阻害における難しさといった課題に加え、投与量を多くしてなければ有効な活性が得られないといった問題が広範な応用を難しくしている(Renukuntla J et al.,Int J Pharm.2013,447)。またバシトラシン(抗生物質活性)、カモスタットメシル酸塩(膵炎の治療に有効)又は阻害剤アマスタチン(抗菌活性)(Renukuntla J et al.,Int J Pharm.2013,447,75~93;米国出願公開特許US20070087957A1)などの他のプロテアーゼインヒビターについても、上述と類似の副作用がある。
【0008】
欧州登録特許EP 3006045B1は微量元素(銅や亜鉛など)及び医薬的に許容可能な還元剤の組成物を開示しているが、それには選択的に経粘膜吸収促進薬を添加することができ、その組成物は意外にも様々なペプチド又はタンパク質性医薬に対し、経口での有益且つ高い生物学的利用能を有することが分かっている。しかし、銅又は亜鉛と哺乳動物の代謝経路には関連性があるため、長期治療においてこの組成物を使用した場合には、マイナスの相互作用を招く可能性がある。
【0009】
従って、本技術分野では、ペプチドの摂取の際に、少なくとも部分的に、タンパク質的分解から保護しながらペプチドを送達できる、簡単、安全、有効且つ費用対効果のある医薬組成物の研究開発が必要とされている。本開示は、現状及びその他のニーズに適合し、従来の医薬組成物及びその送達における技術的欠点を低減させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示は、背景技術で報告されている組成物の関係する欠点を克服できる医薬組成物を提供することを目的としている。
【0011】
本開示の別の目的は、効果的にペプチドを送達する医薬組成物を提供することである。
【0012】
本開示の別の目的は、経口でペプチドを送達する医薬組成物を提供することである。
【0013】
本開示の別の目的は、少なくとも部分的に、摂取されるペプチドをタンパク質的分解から保護する医薬組成物を提供することである。
【0014】
本開示の別の目的は、ペプチドの経口での生物学的利用能を増加させる医薬組成物を提供することである。
【0015】
本開示の別の目的は、安全な医薬組成物を提供することである。
【0016】
本開示の別の目的は、製造において経済効率を備えた医薬組成物を提供することである。
【0017】
本開示の別の目的は、調製が容易な医薬組成物を提供することである。
【0018】
本開示の別の目的は、保存期間が長い医薬組成物を提供することである。
【0019】
本開示は一般的には薬剤分野に関し、具体的には、本発明はペプチドと金属塩/錯体(complex)及び還元剤の組み合わせを含み、少なくとも部分的に、摂取の際にペプチドをタンパク質的分解から保護する医薬組成物に関する。
【0020】
本開示の一面として、
薬学的に有効な用量の少なくとも1種類のペプチド、及び
薬学的に許容可能な用量の、(a)塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせを含み、
前記少なくとも1種類の金属は、バナジウム、クロム及びマンガンのいずれか又はそれらの組み合わせから選択され、且つ前記(a)塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせは、前記少なくとも1種類のペプチドを、摂取の際に、タンパク質的分解から少なくとも部分的に保護することができる、医薬組成物を提供する。
【0021】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の金属はバナジウムであり、前記医薬組成物はバナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.01mg~約15mgの範囲の量で含有する。1つの実施形態では、前記バナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれかは、酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジウムビグアナイド、ビス(マルトラト)オキソバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、ピコリン酸バナジル及びクエン酸バナジルを含む群から独立して選択される。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の金属はクロムであり、前記医薬組成物はクロムの塩及びクロムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.02mg~約0.5mgの範囲の量で含有する。1つの実施形態では、前記クロムの塩及びクロムの錯体のいずれかは、ピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロム及び酢酸クロムを含む群から独立して選択される。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の金属はマンガンであり、前記医薬組成物はマンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.1mg~約10mgの範囲の量で含有する。1つの実施形態では、前記マンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれかは、グルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウム及び塩化マンガンを含む群から独立して選択される。
【0022】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドは60kDaまたはそれ以下の分子量を有する。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドは、インスリン、インスリンアナログ、インスリンリスプロ、インスリンペグリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリジン、インスリングラルギン、インスリンデテミル、プロタミン含有中間型(NPH)インスリン、インスリンデグルデク、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 human insulin、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、GLP-1、GLP-1アナログ、アシル化GLP-1アナログ、ジアシル化GLP-1アナログ、セマグルチド、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、 GLP-1受容体及びグルカゴン受容体のデュアルアゴニスト、アミリン、アミリンアナログ、プラムリンチド、ソマトスタチンアナログ、オクトレオチド、ランレオチド、パシレオチド、ゴセレリン、ブセレリン、レプチン、レプチンアナログ、メトレレプチン、ペプチドYY、ペプチドYYアナログ、グラチラマー、リュープロレリン、テリパラチド、デスモプレシン、ヒト成長ホルモン、ヒト成長ホルモンアナログ、グリコペプチド系抗生物質、グリコシル化の環状又は多環非リボソームペプチド系抗生物質、バンコマイシン、テイコプラニン、テラバンシン、ブレオマイシン、ラモプラニン、デカプラニン、ボルテゾミブ、コシントロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン、セルモレリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ソマトロピン、カルシトニン、サケカルシトニン、ペンタガストリン、オキシトシン、ネシリチド、アナキンラ、エンフビルチド、ペグビソマント、ドルナーゼアルファ、レピルジン、アニデュラフンギン、エプチフィバチド、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ-1b、ペグインターフェロンα-2a、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンβ-1a、フィブリノリジン、バソプレシン、アルデスロイキン、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンゼータ、フィルグラスチム、インターロイキン-11、シクロスポリン、グルカゴン、ウロキナーゼ、バイオマイシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、ロイシンエンケファリン、メチオニンエンケファリン、サブスタンスP、副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を含む群から選択される。
【0023】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属とは、医薬組成物中で物理的に分けられた状態で存在している。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属は、分けられた区画に存在する。1つの実施形態では、前記医薬組成物はカプセルインカプセル(capsule-in-capsule)の剤型又はタブレットインカプセル(tablet-in-capsule)の剤型で存在する。
【0024】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマー、及びそれらの薬学的に許容可能な塩のいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、前記医薬組成物は、少なくとも1種類の還元剤を単位用量あたり約1mg~約1000mgの範囲の量で含む。
【0025】
1つの実施形態では、前記医薬組成物は、さらに少なくとも1種類の吸収促進剤を含み、前記吸収促進剤は単位用量あたり約10mg~約1000mgの範囲の量で存在する。1つの実施形態では、前記医薬組成物は、経口固体剤又は経口液体剤のいずれかの形態に調製され、且つ前記医薬組成物が経口液体剤の形態に調製されている場合には、前記医薬組成物は水分を約5%未満(v/v)の量で含む。
【0026】
以下、本開示の好ましい実施形態と図に基づいて本開示の内容を詳細に説明し、本開示の各種部材、技術特徴、側面及び利点を明確に開示するが、図中で部材符号が同じ部材は同一部材である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】明細書の実施形態に基づき、異なる製剤からのインスリングラルギン(mU/L)の濃度と時間の比較を表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示を詳細に説明するため、図と合わせて本開示の具体的な実施形態を詳細且つ明確に説明する。実施形態は、本開示を明確に伝達するように詳細に記載されている。但し、提供される詳細な量は実施形態の予測される変形に限定することを意図していない。反対に、その意図は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の主旨及び範囲に含まれるすべての変形形態、均等物、及び代替物を包含するものである。
【0029】
添付の特許請求の範囲それぞれは、本発明それぞれを定義し、侵害目的は特許請求の範囲に特定された様々な要素又は限定の均等物を含むとして認識される。以下の明細書の文脈に応じ、本明細書で述べる「本発明」という用語は、ある場合では本開示の特定の実施形態のみを指すことができ、他の場合では「本発明」という用語は、特許請求の範囲に記載された、必ずしも全てではないが、1又は複数の主題を指すことができる。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲中、文脈で別段の明確な定義がない限り、「a」、「an」及び「the」は複数を含むことを指す。同様に、本明細書で用いられるように、文脈で別段の明確な定義がない限り、「~の中(in)」という用語には「~の中(in)」及び「~の上(on)」という意味を含む。
【0031】
本明細書で別段の説明又は文脈の内容に明らかな矛盾がない限り、本開示が述べる方法は何らかの適切な順序方式で行うことができる。本明細書が提供する何らかの若しくは全ての実施例における例示又は例示的用語、即ち「例えば」という用語は、本開示の良好な方案を記述しているに過ぎず、本開示の保護範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、特許請求の範囲に記載されていないあらゆる要素を本開示の実施に必須と解釈されるべきではない。
【0032】
以下で使用される様々な用語については以下に示す。特許請求の範囲中で使用されている用語が以下に定義されていない限り、関連分野の当業者が出願時に印刷出版物および発行された特許に反映されているようにその用語を解釈する最も最も広義の意味に解釈するものとする。
【0033】
本開示は一般的には薬剤分野に関し、具体的には、本発明はペプチドと金属塩/錯体及び還元剤の組み合わせを含み、摂取の際に少なくとも部分的にペプチドをタンパク質的分解から保護する医薬組成物である。
【0034】
セリンプロテアーゼは真核生物中に普遍的に存在してペプチド結合を切断するが、その主な触媒三残基はセリン、ヒスチジン、アスパラギン酸である。本開示で特定されるセリンプロテアーゼには、トリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼB及びアミノペプチダーゼMを含む。セリンプロテアーゼは体の生理機能、とりわけ消化(タンパク質的分解)つまりペプチド結合及びアミノ酸の加水分解において役割を果たしている。本開示は、ペプチドと金属塩/錯体及び還元剤の組み合わせを含むことで、摂取の際に少なくとも部分的にペプチドをタンパク質的分解から保護することができる医薬組成物を提供することを目的としている。
【0035】
これに基づき、本開示の一面として、薬学的に有効な用量の少なくとも1種類のペプチド、及び薬学的に許容可能な用量の、(a)塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1種類の金属は、バナジウム、クロム及びマンガンのいずれか又はそれらの組み合わせから選択され、且つ前記(a)塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、及び(b)少なくとも1種類の還元剤との組み合わせは、前記少なくとも1種類のペプチドを、摂取の際に、タンパク質的分解から少なくとも部分的に保護することができる、医薬組成物を提供する。
【0036】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の金属はバナジウムであり、前記医薬組成物はバナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.01mg~約15mgの範囲の量で含有する。1つの実施形態では、前記バナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれかは、酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジウムビグアナイド、ビス(マルトラト)オキソバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、ピコリン酸バナジル及びクエン酸バナジルを含む群から独立して選択される。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の金属はクロムであり、前記医薬組成物はクロムの塩及びクロムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.02mg~約0.5mgの範囲の量で含有する。1つの実施形態では、前記クロムの塩及びクロムの錯体のいずれかは、ピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロム及び酢酸クロムを含む群から独立して選択される。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の金属はマンガンであり、前記医薬組成物はマンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.1mg~約10mgの範囲の量で含有する。1つの実施形態では、前記マンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれかは、グルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウム及び塩化マンガンを含む群から独立して選択される。
【0037】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドは60kDaまたはそれ以下の分子量を有する。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドは、インスリン、インスリンアナログ、インスリンリスプロ、インスリンペグリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリジン、インスリングラルギン、インスリンデテミル、プロタミン含有中間型(NPH)インスリン、インスリンデグルデク、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 human insulin、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、GLP-1、GLP-1アナログ、アシル化GLP-1アナログ、ジアシル化GLP-1アナログ、セマグルチド、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、 GLP-1受容体及びグルカゴン受容体のデュアルアゴニスト、アミリン、アミリンアナログ、プラムリンチド、ソマトスタチンアナログ、オクトレオチド、ランレオチド、パシレオチド、ゴセレリン、ブセレリン、レプチン、レプチンアナログ、メトレレプチン、ペプチドYY、ペプチドYYアナログ、グラチラマー、リュープロレリン、テリパラチド、デスモプレシン、ヒト成長ホルモン、ヒト成長ホルモンアナログ、グリコペプチド系抗生物質、グリコシル化の環状又は多環非リボソームペプチド系抗生物質、バンコマイシン、テイコプラニン、テラバンシン、ブレオマイシン、ラモプラニン、デカプラニン、ボルテゾミブ、コシントロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン、セルモレリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ソマトロピン、カルシトニン、サケカルシトニン、ペンタガストリン、オキシトシン、ネシリチド、アナキンラ、エンフビルチド、ペグビソマント、ドルナーゼアルファ、レピルジン、アニデュラフンギン、エプチフィバチド、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ-1b、ペグインターフェロンα-2a、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンβ-1a、フィブリノリジン、バソプレシン、アルデスロイキン、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンゼータ、フィルグラスチム、インターロイキン-11、シクロスポリン、グルカゴン、ウロキナーゼ、バイオマイシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、ロイシンエンケファリン、メチオニンエンケファリン、サブスタンスP、副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を含む群から選択される。
【0038】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属とは、医薬組成物中で物理的に分けられた状態で存在している。1つの実施形態では、前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属は、分けられた区画に存在する。1つの実施形態では、前記医薬組成物はカプセルインカプセル(capsule-in-capsule)の剤型又はタブレットインカプセル(tablet-in-capsule)の剤型で存在する。
【0039】
1つの実施形態では、前記少なくとも1種類の還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマー、及びそれらの薬学的に許容可能な塩のいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、前記医薬組成物は、少なくとも1種類の還元剤を単位用量あたり約1mg~約1000mgの範囲の量で含む。
【0040】
1つの実施形態では、前記医薬組成物は、さらに少なくとも1種類の吸収促進剤を含み、前記吸収促進剤は単位用量あたり約10mg~約1000mgの範囲の量で存在する。1つの実施形態では、前記医薬組成物は、経口固体剤又は経口液体剤のいずれかの形態に調製され、且つ前記医薬組成物が経口液体剤の形態に調製されている場合には、前記医薬組成物は水分を約5%未満(v/v)の量で含む。
【0041】
1つの実施形態では、ペプチドは、治療薬、診断薬として使用されるのに適したペプチド又はタンパク質のいかなるものでもある。1つの実施形態では、ペプチドは直鎖状ペプチド又は環状ペプチドである。1つの実施形態では、ペプチドはPEG化ペプチド、脂肪酸アシル化ペプチド若しくは二脂肪酸アシル化ペプチドなどの修飾又は誘導体化ペプチドである。ペプチドは、ヒスチジン残基を含まない、及び/又はシステイン残基を含まないことができる。通常、ペプチドは水溶性であるのが好ましく、特に中性pH(即ちpH約7)において少なくとも1つのセリンプロテアーゼ切断部位を有するのが好ましく、即ちそのペプチドはセリンプロテアーゼ(特にトリプシン、キモトリプシン、アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、エラスターゼ及び/又はジペプチジルペプチダーゼ4などの腸由来セリンプロテアーゼ)によって切断されるのに適するか又は切断されやすい1又は複数のアミノ酸残基などを含んでいる。
【0042】
1つの実施形態では、ペプチドはインスリン(好ましくはヒトインスリン)、限定されないが持効型基礎インスリンアナログ、安定化プロテアーゼ持効型基礎インスリンアナログ、インスリンリスプロ、インスリンペグリスプロ、A14E B25H B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)のようなインスリン誘導体、desB30ヒトインスリン、インスリンアスパルト、インスリングルリジン、インスリングラルギン、インスリンデテミル、プロタミン含有中間型(NPH)インスリン、インスリンデグルデク、及び米国出願公開特許US20140056953A1が開示するインスリンアナログ/誘導体などのインスリン誘導体、GLP-1、GLP-1アナログ(アシル化GLP-1アナログ又はジアシル化GLP-1アナログ)、セマグルチド、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、 GLP-1受容体及びグルカゴン受容体のデュアルアゴニスト、アミリン、アミリンアナログ、プラムリンチド、ソマトスタチンアナログ(オクトレオチド、ランレオチド又はパシレオチド)、ゴセレリン、ブセレリン、レプチン、レプチンアナログ(メトレレプチン)、ペプチドYY(PYY)、PYYアナログ、グラチラマー(グラチラマー酢酸塩)、リュープロレリン、テリパラチド、アバロパラチド、テトラコサクチド、コルチコレリン、エテルカルセチド、エルカトニン、デスモプレシン、ヒト成長ホルモン(hGH)、ヒト成長ホルモンアナログ、グリコペプチド系抗生物質(バンコマイシン、テイコプラニン、テラバンシン、ブレオマイシン、ラモプラニン、デカプラニンなど、グリコシル化の環状又は多環非リボソームペプチド系抗生物質)、ボルテゾミブ、コシントロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン、セルモレリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH、性腺刺激ホルモン放出ホルモンとも呼ばれる)、ソマトロピン、カルシトニン(サケカルシトニン)、ペンタガストリン、オキシトシン、ネシリチド、アナキンラ、エンフビルチド、ペグビソマント、ドルナーゼアルファ、レピルジン、アニデュラフンギン、エプチフィバチド、インターフェロンアルファコン(alfacon)-1、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ-1b、ペグインターフェロンα-2a(pegylated interferon alfa-2a)、ペグインターフェロンα-2b(pegylated interferon alfa-2b)、ペグインターフェロンβ-1a(pegylated interferon beta-1a)、フィブリノリジン、バソプレシン、アルデスロイキン、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンゼータ、フィルグラスチム、インターロイキン-11、シクロスポリン、グルカゴン、ウロキナーゼ、バイオマイシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、ロイシンエンケファリン、メチオニンエンケファリン、サブスタンスP(CAS番号33507-63-0)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、副甲状腺ホルモン(PTH)などのインスリンアナログ、又はそれらの薬学的に許容可能な塩のいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。但し、当業者に知られている又は認識されているいかなる他のペプチド分子も、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用することができる。
【0043】
1つの実施形態では、ヒト対象ペプチドは、インスリン又はグルカゴンなどの内生ペプチドのいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。好ましい実施形態では、組み換え発現又は化学合成によって得たペプチド対応するヒトアイソフォームを使用する。但し、しかし、当業者に公知であるかまたは当業者によって認識されるようないかなる他のヒトアイソフォームペプチドも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用され得る。
【0044】
1つの実施形態では、ペプチドはインスリンアナログである。1つの実施形態では、インスリンアナログは、インスリンデテミル、インスリングラルギン、インスリンデグルデク、及びその他のヒト、ブタ、魚由来のインスリンアナログのいずれか又はそれらの組み合わせから選択する。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる他のインスリン類似体/誘導体も、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0045】
1つの実施形態では、2種類以上のペプチドの混合物を使用することができる。1つの実施形態では、ヒトインスリン及びGLP-1アゴニスト(例えばリラグルチド、セマグルチド、エキセナチド又はリキシセナチド)の混合物を使用することができる。但し、しかし、当業者に知られているかまたは認識されているいかなる2つ以上のペプチド(上記のペプチドを含む)の混合物も、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0046】
1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチドは60kDaまたはそれ以下の分子量を有する。1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチドは40kDaまたはそれ以下の分子量を有する。1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチドは30kDaまたはそれ以下の分子量を有する。1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチドは20kDaまたはそれ以下の分子量を有する。1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチドは10kDaまたはそれ以下の分子量を有する。1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチドは300Daまたはそれ以上~50kDaまたはそれ以下の分子量を有する。但し、しかしながら、当業者に知られているかまたは認識されているいかなる範囲の分子量を有するペプチドも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0047】
1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチドの分子量は、例えば質量分析法(例えばエレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)又はマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MA))、ゲル電気泳動法(例えばドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE))、流体力学的方法(例えばゲルろ過クロマトグラフィー又は勾配沈降(gradient sedimentation))又は静的光散乱法(例えば多角度光散乱検出器(MALS))、当業者に知られているかまたは認識されている方法など、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすため如何なる方法でも測定することができる。
【0048】
1つの実施形態では、少なくとも1種類の金属はバナジウムであり、医薬組成物はバナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを含む。1つの実施形態では、バナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせは、バナジウム(IV)、バナジル(V02)塩錯体のようなバナジウム(V)、及びバナジン酸塩/錯体におけるアニオンとしてのバナジウムを含む群から独立して選択される。1つの実施形態では、バナジウム塩及びバナジウム錯体は、酸化バナジウム(V)、五酸化バナジウム、二酸化バナジウム、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、メタバナジン酸ナトリウム、四塩化バナジウム、オキシ塩化バナジウム(V)、オキシ三塩化バナジウム、塩化バナジル、三塩化酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウム、酸化アンモニウムバナジウム、一硫化バナジウム、硫化バナジウム、塩化バナジウム(IV)、バナジウムビグアナイド、ビス(マルトラト)オキソバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、バナジルピコリン酸、バナジルクエン酸などのいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、バナジウムの塩及びバナジウムの錯体はバナジウム(V)である。バナジウム(V)の塩および錯体を使用することは、それらの良好な水溶性及びより良好な酸化状態安定性のため、バナジウム(IV)の塩及び錯体と比較して有利である。1つの実施形態では、バナジウムの塩及び錯体は、バナジウムがバナジン酸塩(vanadate)としてのアニオンの一部、またはバナジル(vanadyl)としてのカチオンの一部である、バナジウム(IV)塩及び/又は錯体である。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなるバナジウムの塩及び錯体またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0049】
1つの実施形態では、医薬組成物はバナジウムの塩及びバナジウムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.01mg~約15mgの範囲の量で含有する。
【0050】
1つの実施形態では、クロムの塩及びクロムの錯体は、クロム(III)の塩及び/又は錯体から選択されるのが好ましい。1つの実施形態では、クロムの塩及びクロムの錯体のいずれか又はその組み合わせは、ピコリン酸クロム、塩化クロム、ニコチン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、酢酸クロム、三価クロム、高クロム酵母、ピリジン-2-カルボン酸クロム、トリピコリン酸クロム、2-ピリジンカルボン酸クロム塩、トリス(ピコリ
ナト)クロムなどから選択される。1つの実施形態では、クロムの塩及びクロムの錯体は
、ピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロム、酢酸クロムなどから選択されるのがより好ましい。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなるクロムの塩および錯体またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0051】
1つの実施形態では、医薬組成物はクロムの塩及びクロムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.02mg~約0.5mgの範囲の量で含有する。
【0052】
1つの実施形態では、マンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせは、マンガン(II)塩及び/又は錯体、マンガン(III)塩及び/又は錯体、過マンガン酸塩(V02)としてのマンガン塩及び/又は錯体から選択される。1つの実施形態では、マンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれか及びそれらの組み合わせは、硫酸マンガン(II)(MnSO4)、塩化マンガン(II)(MnCl2)、酢酸マンガン(III)、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、グルコン酸マンガンなどから選択される。1つの実施形態では、マンガンの塩のいずれか及びマンガンの錯体は、マンガン(III)塩及び/又は錯体から選択されるのがより好ましい。1つの実施形態では、マンガン(III)塩及び/又は錯体は、グルコン酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガンなどのいずれか又はそれらの組み合わせである。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなるクロムの塩および錯体またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0053】
1つの実施形態では、医薬組成物はマンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれか又はその組み合わせを、単位用量あたり約0.01mg~約50mg、好ましくは約0.1mg~約10mgの範囲の量で含有する。
【0054】
1つの実施形態では、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなるバナジウム、クロム、マンガンの塩及び錯体も、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0055】
1つの実施形態では、バナジウムの塩及び錯体がペプチドの経口での生物学的利用能を有意に増加させることができるため、バナジウムの塩及び錯体は、クロム及びマンガンの塩及び錯体よりも好ましい。1つの実施形態では、クロムの塩及びクロムの錯体は、マンガンの塩並びに錯体よりも好ましい。1つの実施形態では、クロムの塩及び錯体の使用は、毒性が低いという点で有利である。1つの実施形態では、マンガンの塩及びマンガンの錯体の使用は、マンガンの塩及び複合物は投与量が多くても人に安全であるという点でバナジウム及びクロムの塩及び錯体よりも優れている。
【0056】
1つの実施形態では、還元剤は、アスコルビン酸(好ましくはアスコルビン酸ナトリウムなどのアスコルビン酸塩)、還元型グルタチオン(GSH)、システイン、尿酸、還元糖(グルコース、グリセルアルデヒド若しくはガラクトースなどの還元性単糖又はラクトース若しくはマルトースなどの還元性二糖)、マンニトール、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸(DHLA)、チオール含有化合物、チオマー(Laffleur F et al.,Future Med Chem,2012,4,2205~16の文献が開示するチオマーを含む)などのいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、2種類以上の還元剤の混合物を使用することができ、アスコルビン酸塩及び還元型グルタチオンが好ましい。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる還元剤またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0057】
1つの実施形態では、医薬組成物は、還元剤を、単位用量あたり約1.0mg~約1000mg、好ましくは約50mg~約500mgの範囲の量で含有する。
【0058】
1つの実施形態では、医薬組成物はさらに少なくとも1種類の吸収促進剤(又は透過促進剤)を含む。注意すべき点として、本開示中、交換可能且つ同義で用いられる用語「吸収促進剤」及び「透過促進剤」は、当業者に知られているかまたは認識されている吸収促進剤及び透過促進剤の意味を含む。1つの実施形態では、少なくとも1種類の吸収促進剤又は透過促進剤の投与は、特にペプチドのサイズが大きい場合に消化管中のペプチドの粘膜吸収率を改善又は促進する。1つの実施形態では、少なくとも1種類の吸収促進剤又は透過促進剤は、双性イオン性の吸収促進剤又は非イオン性の吸収促進剤のいずれか又はおそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、少なくとも1種類の促進剤は、C8~C20のアルカノイルカルニチン(好ましくは例えばラウロイルカルニチン塩化物、ミリストイルカルニチン塩化物又はパルミトイルカルニチン塩化物などのラウロイルカルニチン、ミリストイルカルニチン又はパルミトイルカルニチン)、サリチル酸(好ましくは例えばサリチル酸ナトリウムなどのサリチル酸塩)、サリチル酸誘導体(例えば3-メトキシサリチル酸、5-メトキシサリチル酸又はホモバニール酸)、C8~C20のアルカノン酸(好ましくはC8~C20のアルカノエート、より好ましくは例えばカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム又はステアリン酸ナトリウムなどのカプリン酸塩、カプリル酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩又はステアリン酸塩)、クエン酸(好ましくはクエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩)、脂肪酸アシル化アミノ酸(米国出願公開特許US20140056953A1が開示する脂肪酸アシル化アミノ酸の、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイル-L-アラニン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイルL-システイン、ナトリウムラウロイルグルタミン酸、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイル-L-グリシン、ナトリウムラウロイルヒスチジネート、N-ドデカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイルL-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイルL-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイルL-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイルL-プロリン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイルL-セリン、ナトリウムラウロイルトレオニネート、N-ドデカノイル-L-トレオニン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイル-L-チロシン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイルL-バリン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、N-ドデカノイル-L-サルコシン、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、カプリックグルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックヒスチジネート、N-デカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムカプリックイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックトレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックチロシネート、N-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネート、N-デカノイル-L-サルコシン、ナトリウムオレオイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、ナトリウムステアロイルグルタメート(Amisoft HS-11 P)、ナトリウムミリストイルグルタメート(Amisoft MS-11)、ナトリウムラウロイルグルタメート(Amisoft LS-11)、ナトリウムココイルグルタメート(Amisoft CS-11)、ナトリウムココイルグリシネート(Amilite GCS-11)、ナトリウムN-デシルロイシン、ナトリウムココイルグリシン、ナトリウムココイルグルタメート、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイルL-アラニン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイルL-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイルL-システイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-グルタミン酸、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイルL-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイルL-グリシン、ナトリウムラウロイルヒスチジネート、N-ドデカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイルL-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイルL-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイルL-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイルL-プロリン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイルL-セリン、ナトリウムラウロイルトレオニネート、N-ドデカノイル-L-トレオニン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイル-L-チロシン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイルL-バリン、N-ドデカノイル-L-サルコシン、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、カプリックグルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックヒスチジネート、N-デカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムカプリックイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックトレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックチロシネート、N-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、及びC8~C20のアルカノイルサルコシネート(ナトリウムラウロイルサルコシネートなどのラウロイルサルコシネート)など上述の化合物の薬学的に許容可能な塩、又はタンパク質を構成する20種類の標準的なα-アミノ酸のうち1つのアミノ酸がC8~C20のアルカノン酸とアシル化した化合物のいずれか、但しこれらに限らない)、アルキルサッカライド(例えばC8~C10のアルキルポリサッカライド、具体的にはMultitropeTM1620-LQ-(MV)、n-オクチル-β-D-グルコピラノシド又はn-ドデシル-β-D-マルトシドなどのC1~C20のアルキルサッカライド)、シクロデキストリン(α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン又はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)、N-[8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カプリル酸ナトリウム(SNAC)、チオマー(Laffleur F et.al.,Future Med Chem.2012,4,2205~16が開示するチオマーを含む)、カルシウムキレート剤化合物(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)、クエン酸ナトリウム及びポリアクリル酸)、クレモフォールEL(Kolliphor EL; CASno.61791-12-6)、キトサン、N,N,N-トリメチルキトサン、塩化ベンザルコニウム、ベスタチン、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、C2~C20のアルカノール(エタノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、又はパルミチルアルコールなど)、C8~C20のアルケノール(オレイルアルコールなど)、C8~C20のアルケン酸(オレイン酸など)、デキストラン硫酸、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(transcutol)、1-ドデシルアザシクロ-ヘプタン-2-オン(AzoneR)、カプリル酸エチル、グリセリルモノラウレート、リソホスファ
チジルコリン、メントール、C8~C20のアルキルアミン、C8~C20のアルケニルアミン(オレイルアミンなど)、ホスファチジルコリン、ポロキサマー、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレン、モノラウリン酸ポリプロピレングリコール、ポリソルベート(ポリソルベート80)、デオキシコール酸(デオキシコール酸ナトリウム)、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、タウロコール酸(タウロコール酸ナトリウムなど)、タウロデオキシコール酸(タウロデオキシコール酸ナトリウムなど)、スクロースラウレート、スルホキシド(デシルメチルスルホキシド又はジメチルスルホキシドなどのC1~C10のアルキル-C1~C10のアルキル-スルホキシド)、シクロペンタデカラクトン、8-(N-2-ヒドロキシ-5-クロロ-ベンゾイル)-アミノ-カプリル酸(5-CNAC)、ドデシル-2-N、N-ジメチルアミノプロピオン酸(DDAIP)、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート(TPGS)、及び上述の化合物の薬学的に許容可能な塩などのいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、上述の吸収促進剤を含む任意の2種類以上の吸収促進剤の混合物を使用することができる。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる吸収促進剤またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0059】
1つの実施形態では、医薬組成物が、選択的に、単位用量あたり約10mg~約1000mg、好ましくは約50mg~約500mgの範囲の量で吸収促進剤又は透過促進剤を含む。
【0060】
1つの実施形態では、医薬組成物の組成は、医薬組成物が5%の塩酸溶液10ミリリットルに添加された場合、酸は中和されて約6より高いpHをもたらすように構成される。1つの実施形態では、医薬組成物の組成は、医薬組成物が水溶液10ミリリットルに添加された場合、6~9の範囲のpHをもたらすように構成される。
【0061】
1つの実施形態では、薬学的に有効な用量の50kDaまたはそれ以下の分子量を有する少なくとも1種類のペプチド、バナジウム塩及びバナジウム錯体の少なくともいずれか又はそれらの組成物、少なくとも1種類の還元剤、場合により吸収促進剤を含む医薬組成物は、経口投与され、少なくとも1種類のペプチドを、摂取する際に、少なくとも部分的に、タンパク質的分解から保護することができる。
【0062】
1つの実施形態では、薬学的に有効な用量の分子量が50kDaまたはそれ以下である少なくとも1種類のペプチド、クロム塩及びクロム錯体の少なくともいずれか又はそれらの組み合わせ、少なくとも1種類の還元剤、場合により吸収促進剤を含む医薬組成物は、経口投与され、少なくとも1種類のペプチドを、摂取する際に、少なくとも部分的に、タンパク質的分解から保護することができる。
【0063】
1つの実施形態では、薬学的に有効な用量の分子量が50kDaまたはそれ以下である少なくとも1種類のペプチド、マンガン塩及びマンガン錯体の少なくともいずれか又はそれらの組み合わせ、少なくとも1種類の還元剤、場合により吸収促進剤を含む医薬組成物は、経口投与され、少なくとも1種類のペプチドを、摂取する際に、少なくとも部分的に、タンパク質的分解から保護することができる。
【0064】
1つの実施形態では、医薬組成物は、場合により、更に、担体、希釈剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、結合剤、着色剤、顔料、安定剤、防腐剤、酸化防止剤及び/又は溶解性増強剤などの薬学的に許容可能な賦形剤のいずれか又は1以上の組み合わせを含む。1つの実施形態では、医薬組成物は、場合により、更に、ビタミンE、ヒスチジン、微結晶セルロース(MCC)、マンニトール、澱粉、ソルビトール及び/又はラクトースなどの薬学的に許容可能な添加剤の1以上を含む。1つの実施形態では、医薬組成物は、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる技術によっても、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために調整されることができる。
【0065】
1つの実施形態では、少なくとも1種類の溶解性増強剤は、有する分子量の範囲が約200~5,000Daのポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、マクロゴール-15-ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、シクロデキストリン、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン、ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム又はジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる溶解促進剤またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0066】
1つの実施形態では、医薬組成物は経口投与(oral administration)用、好ましくは経口投与(peroral administration)用に調製されるのが好ましい。1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチド、金属の塩の形態及び金属の錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせの少なくとも1種類の金属、少なくとも1種類の還元剤、及び場合により吸収促進剤は、経口投与される。
【0067】
1つの実施形態では、経口(oral)医薬組成物の剤形は、錠剤(コーティングを備えるか又はコーティングを備えていない錠剤)、カプセル(ソフトゼラチンカプセル、ハードゼラチンカプセル、HPMCカプセル又はHPMCPカプセル)、カプセルインカプセル(capsule-in-capsule)、タブレットインカプセル(tablet-in-capsule)、トローチ剤(lozenges/troches)、腔坐剤、溶液、乳液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、再溶解用粉末及び顆粒、分散性粉末及び顆粒、薬用ガム、チュアブル錠、発泡性錠剤、マルチ粒子剤形などのいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる医薬組成物の剤形またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0068】
1つの実施形態では、錠剤は、限定されないが、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、グリシン、崩壊剤(例えば澱粉であり、トウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカの澱粉が好ましい)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム並びに特定複合ケイ酸塩、及び造粒促進材(ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン、アカシアゴムなど)、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリン、タルク粉など)などの賦形剤のいずれか又はそれらの組み合わせを含むことができる。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる賦形剤またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0069】
1つの実施形態では、カプセルは、限定されないが、ラクトース、澱粉、セルロース又は高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤のいずれか又はそれらの組み合わせを含むことができる。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる賦形剤またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0070】
1つの実施形態では、水性懸濁液及び/又はエリキシル剤は、限定されないが、甘味料又は調味料、着色剤又は染料、乳化剤及び/又は懸濁剤、及び希釈剤(水、エタノール、プロピレングリコール及びグリセリンなど)などの賦形剤のいずれか又はそれらの組み合わせを含むことができる。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる賦形剤またはそれらの組み合わせも、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱することなくその意図する目的を果たすために利用できる。
【0071】
1つの実施形態では、医薬組成物は経口固体剤形又は経口液体剤形のいずれかの形態に調製され、且つ医薬組成物が経口液体剤形の形態に調製されている場合には、その医薬組成物が水分を約5%未満(v/v)、好ましくは3%未満(v/v)、より好ましくは1%未満(v/v)、さらにより好ましくは0.5%未満(v/v)、さらにより好ましくは0.1%未満(v/v)の量で含み、さらにより好ましくは水を含まない。1つの実施形態では、経口液体剤形は保存安定性を増強可能である点で特に有利である。1つの代替的な実施形態では、経口液体剤形は服用前に素早く調製されることができ、且つ長期保存は避けるべきである。
【0072】
本開示の実施形態に基づいて利用されるバナジウム、クロム及び/又はマンガンの量は、これらの微量元素の1日当たりの推奨摂取量よりもはるかに低いため、安全であると見なすことができる。また、バナジウム、クロム及び/又はマンガンと還元剤との組み合わせは、消化管内のセリンプロテアーゼの作用を阻害する効果を発揮するだけでなく、全身性の作用が生じないため、上記背景技術で述べたプロテアーゼインヒビターと比較すると、安全性の一層の改善をもたらす。さらに、上記背景技術で述べたペプチド又はタンパク質薬物の経口送達について提案されているプロテアーゼインヒビターと比較すると、バナジウム、クロム及び/又はマンガン、並びに、アスコルビン酸又は還元型グルタチオンなどの還元剤は、かなり低い製造コストで提供することができる。
【0073】
通常、医師は患者個体別に実際の最適な用量を決定する。いかなる患者個体の薬剤の具体的な用量及び服薬回数も、違いがあり、使用する特定のペプチド又はタンパク質の活性、特定のペプチド又はタンパク質の化合物の代謝安定性及び反応時間、さらには患者個体の年齢、体重、健康状態、性別、飲食、投与方法及び時間、排泄率、医薬組成方法、特殊な状況における重症度及び患者個体の治療状況を含め、様々な要素に依存する。精確な用量は、最終的に、主治医又は獣医師の裁量による。治療又は予防を必要とする個体又は患者などの治療されるべき個体又は患者は、動物(非ヒト動物など)、脊椎動物、哺乳動物、齧歯動物(モルモット、ハムスター、ラット又はマウスなど)、ネズミ科(マウスなど)、イヌ科(犬など)、ネコ科(猫など)、イノシシ科(豚など)、ウマ科(馬など)、霊長類動物、猿類(サル又は類人猿など)、サル(ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザルなど)又は人間でよい。本発明では、の経済的又は農業的に重要な動物を治療することも考えられる。農業的に重要な動物の非限定的な例は、ヒツジ、ウシおよびブタであるが、例えば、ネコおよびイヌは経済的に重要な動物として考慮され得る。個体/患者は好ましくは哺乳類であり、より好ましくは個体/患者は人間又は非ヒトの哺乳類(モルモット、ハムスター、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、サル、類人猿、マーモセット、ヒヒ、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル、ヒツジ、ウシ又はブタなど)であり、さらに好ましくは患者/個体は人間である。
【0074】
1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチド、金属の塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、少なくとも1種類の還元剤、及び場合による吸収促進剤は、同時(simultaneously)投与、併用(concomitantly)投与又は逐次(sequentially)投与が可能である。1つの実施形態では、逐次(sequentially)投与は、金属の塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、少なくとも1種類の還元剤を最初に投与し、次に少なくとも1種類のペプチド及び場合による吸収促進剤を投与する(例えば、最初の投与から少なくとも約5分後であり、好ましくは最初の投与から約5分~約3時間後であり、より好ましくは最初の投与から約10分~1約時間後である)が、これは、ペプチドがインスリン(ヒトインスリン)である場合に特に有利である。1つの実施形態では、金属の塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属、少なくとも1種類の還元剤、及び場合による吸収促進剤を投与し、次にペプチドを投与する(例えば最初の投与から少なくとも約5分後であり、好ましくは最初の投与から約5分~3時間後であり、より好ましくは最初の投与から約10分~1時間後である)が、これは、ペプチドがインスリン(ヒトインスリン)である場合、同様に有利である。1つの実施形態では、少なくとも1種類の金属は、バナジウム、クロム及びマンガンのいずれか1つ又はそれらの組み合わせから選択される。
【0075】
1つの実施形態では、同時(simultaneously)投与においては、同じ医薬組成物か、又は2つ以上の異なる/分かれた医薬組成物か、又は同じ医薬剤形の2つ以上の異なる/分かれた区画(compartment)において、金属の塩及び錯体のいずれか又はそれらの組み合わせの形態の少なくとも1種類の金属、少なくとも1種類の還元剤を最初に投与し、次に少なくとも1種類のペプチド及び場合による吸収促進剤を投与することができる。1つの実施形態では、少なくとも1種類の金属はバナジウム、クロム及びマンガンのいずれか又はそれらの組み合わせである。
【0076】
1つの実施形態では、少なくとも1種類のペプチド及び塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属は、医薬組成物中で物理的に隔たれて存在している。
【0077】
1つの実施形態では、医薬剤形は少なくとも2つの分かれた、互いに物理的に分かれている(例えば物理学的分離層を介するなど)区画を含む。1つの実施形態では、医薬剤形は、少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属との間に存在する物理的分離層を含む。1つの実施形態では、医薬剤形中、少なくとも1種類のペプチドは第1区画だけに存在し、金属の塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属は第2区画だけに存在する。1つの実施形態では、医薬剤形中、還元剤はいずれも第1区画内、又は第2区画内、又は第1区画内及び第2区画内の両方に存在するか、又は第3区画内に存在することができる。1つの実施形態では、少なくとも1種類の金属はバナジウム、クロム及びマンガンのいずれか又はそれらの組み合わせから選択される。
【0078】
1つの実施形態では、医薬組成物はカプセルインカプセル(capsule-in-capsule)の剤型又はタブレットインカプセル(tablet-in-capsule)の剤型であり、医薬組成物は、医薬剤形の第1区画に存在する、分子量は50kDaまたはそれ以下の分子量を有する少なくとも1種類のペプチド;剤形の第2区画に存在する金属の塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属;剤形の第1区画及び/又は第2区画に存在する還元剤を含む。
【0079】
1つの実施形態では、本発明は、医薬剤形の第1区画に存在する、60kDaまたはそれ以下の分子量を有する少なくとも1種類のペプチド;剤形の第2区画に存在する少なくとも1種類の還元剤;及び剤形の第3区画に存在する金属の塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属を含む医薬剤形(例えば、マルチ粒子医薬剤形など)を提供する。1つの実施形態では、医薬剤形はカプセルインカプセル(capsule-in-capsule)の剤型又はタブレットインカプセル(tablet-in-capsule)の剤型である。1つの実施形態では、医薬剤形がカプセルインカプセル(capsule-in-capsule)の剤型である場合、より大きい外側カプセル(この内容物が先に放出される)には金属の塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである少なくとも1種類の金属と還元剤とが含まれ、小さい内側カプセル(この内容物が遅れて放出される)にはペプチドが含まれる。1つの実施形態では、少なくとも1種類の金属はバナジウム、クロム及びマンガンのいずれか1またはそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、医薬剤形は、修飾放出剤形(腸溶性コーティングを有する剤形(カプセル、マルチ粒子又は錠剤など)など)、Eudragit L30D55又はEudragit FS30Dがコーティングされた剤形(カプセル、マルチ粒子又は錠剤など)、HPMCPカプセル(商業的にAR Cap(R)として知られている)などの耐酸性カプセルなどのいずれか又はそれらの組み
合わせから選択される。但し、当業者に知られているかまたは認識されているようないかなる他の剤も、本開示で提示されているように、本発明の範囲および主旨から逸脱する
【実施例0080】
セリンプロテアーゼ:トリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼB及びアミノペプチダーゼM。セリンプロテアーゼはペプチド結合及びアミノ酸のタンパク質的分解を担っている。本実験は、異なる金属イオン及び還元剤の組み合わせの下で、セリンプロテアーゼの酸化的不活性化(oxidative inactivation)をテストした。
【0081】
酵素活性試験:特定波長下で紫外分光器を使用し、特定の基質中において異なる種類の酵素の酵素活性を測定した。この試験結果を陰性対照(negative control)とした。酵素活性の計算式は以下の通りである。
【数1】
【0082】
酵素阻害試験:各酵素の阻害剤の存在下でインキュベートを行い、この試験結果を陽性対照(positive control)とした。
【0083】
金属イオン及び還元剤の存在下におけるインキュベーション:96ウェルマイクロタイタープレートで、酵素、金属塩及び還元剤の組み合わせを酵素と一定時間インキュベートし、基質の存在下における酵素の酸化的不活性化をテストした。金属イオン及び還元剤の存在下における酵素の不活性化について、基質の存在下で陰性対照とした元の酵素活性と、阻害剤の存在下での陽性対照との比較を行った。
【0084】
pH測定:ハンナコンビネーションpH電極(Hanna combination pH electrode)を使用し、金属イオン及び還元剤の組み合わせにおいて酵素をインキュベートした後のpH値の変化を観察した。
【0085】
ザイモグラフィー:テストした酵素のザイモグラフィーを行った。ザイモグラフィーは電気泳動技術の1つで、酵素の基質のレパートリーに基づき加水分解酵素の検出を行うものであり、即ちアクリルアミドゲルを調製した場合、分析する層のゲル中に酵素の基質が組み込まれることで酵素による基質の消化を観察するというものである。
【0086】
キットによる分析:プロテアーゼ蛍光測定キット及びトリプシン活性測定キットを使用し、酵素の不活性化を検証した。
【0087】
材料:
【0088】
下記表1Aは異なる金属及び金属錯体(場合によって、1つ以上の還元剤を組み合わせ
ることができる)のセリンプロテアーゼ活性に対する阻害効果を評価するための試験材料である。
【表1A】
【0089】
下記表1Bは異なる金属塩/金属錯体及び還元剤の組み合わせであり、セリンプロテアーゼに対する阻害効果を評価したものである。
【表1B】
【0090】
Nα-ベンゾイル-L-アルギニンエチルエステル(BAEE)を使用したトリプシン酵素活性の測定
【0091】
200単位/mLのトリプシンの冷たいHCl溶液と0.25mMのBAEE基質溶液をそれぞれ調製し、インキュベートした。上記の調製溶液を倒置攪拌して反応混合物を形成した。ブランク溶液(酵素なし)及び試験溶液(反応混合物)のA
253での吸光の増加
を測定且つ記録した(1分間に最低4つのデータポイントを使用)。最大線形速度(ma
ximum linear rate)を用いてブランク溶液及び試験溶液の両者のA
253/分を得た。
トリプシン3ml試験の計算式は以下の通りである。
【数2】
式中、dfは希釈係数であり、3は測定したトリプシンの総容積(ml)であり、0.1は酵素の総容積(ml)であり、0.808は253nm下におけるNα-ベンゾイル-L-アルギニンエチルエステル(BAEE)の吸光係数である。
【0092】
阻害剤の存在下におけるトリプシン不活性化の測定:トリプシン1mM/Lを特定(既知)の阻害剤(表1Aに記載)、及び金属塩/還元剤の組み合わせ(下記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤による不活性化を陽性対照とした。
【表2】
【0093】
金属イオンと還元剤の組合せの存在下でのトリプシンの酸化的不活性化(活性及びpH)の決定
【0094】
200μlの反応混合物について、約10μlのトリプシンを96ウェルマイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。pHは、Hanna Combination pH電極(酵素との反応は3回行った)により測定した。下記表4は、評価中の金属塩/錯体と還元剤との組み合わせで処理した後、特定の期間が経過した後のトリプシンの酵素活性を示す。
【表3】
【表4】
【0095】
下記表5A~5Cはトリプシンを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表5A】
【表5B】
【表5C】
【0096】
Ala-Ala-Phe-7-アミド-4-メチルクマリンを使用したキモトリプシンの酵素活性測定
【0097】
約2単位のキモトリプシンの冷たいHCl溶液、1.18mMの基質溶液、2Mの塩化カルシウム及び80mMのTris HCl緩衝液をそれぞれ調製した。3mLの緩衝液中に基質溶液及び塩化カルシウム溶液を添加し、約25℃下で混合物を倒置攪拌し、ブランク反応混合物及び試験反応混合物(表6)を調製した。さらに、ブランク反応混合物中にHCl溶液を添加し、試験反応混合物中に酵素溶液を添加し、すぐに倒置攪拌して、A
256での増加した吸光度を3~5分間記録した。1分間超の間隔での少なくとも4つの吸
光度の最大線形速度(maximum linear rate)を用いてブランク反応混合物及び試験反応混合物両方のA
256/分を得た。
【表6】
【数3】
式中、3は反応混合物の容積(ml)である。dfは希釈係数である。83.4は256nmにおける基質のミリモル吸光係数である。0.10は試験試料の容積(ml)である。
【0098】
阻害剤の存在下におけるキモトリプシン不活性化の測定:キモトリプシン1mM/Lを特定の既知の阻害剤(上記表1に記載)、及び金属塩及び還元剤の組み合わせ(上記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤で不活性化したものを陽性対照とした。
【0099】
金属イオン及び還元剤の組み合わせの存在下におけるキモトリプシンの酸化的不活性化(活性及びpH)の測定
【0100】
200μlの反応混合物について、約10μlのキモトリプシンを96ウェルマイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。pHは、Hanna Combination pH電極(酵素との反応は3回行った)により測定した。下記表7は、評価中の金属塩/錯体と還元剤との組み合わせで処理した後、特定の期間が経過した後のキモトリプシンの酵素活性を示す。
【表7】
【0101】
下記表8A~8Cはキモトリプシンを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表8A】
【表8B】
【表8C】
【0102】
ヒプリルアルギニンを使用したカルボキシペプチダーゼBの酵素活性
【0103】
約4単位のカルボキシペプチダーゼBの冷たい脱イオン水溶液、及び塩化ナトリウム100nmを含む25nMのTris HCl緩衝液(pHは7.65)中の1mmヒプリルアルギニン溶液をそれぞれ約25℃で調製した。表9に従って、上記で調製された溶液を用いて、25℃下で3mLの反応混合物(試験及びブランク混合物)を調製した。
計算式:
【数4】
式中、3は反応混合物の容積(ml)である。dfは希釈係数である。0.36は波長254nmにおける基質のミリモル吸光係数である。0.10は分析した試験試料の容積(ml)である。
【表9】
【0104】
阻害剤の存在下におけるカルボキシペプチダーゼB不活性化の測定:カルボキシペプチダーゼB(1mM/L)を特定の既知の阻害剤(上記表1Aに記載)、及び金属塩/還元剤の組み合わせ(上記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤で不活性化したものを陽性対照とした。
【0105】
金属イオン及び還元剤の組み合わせの存在下におけるカルボキシペプチダーゼBの酸化的不活性化(活性及びpH)の測定
【0106】
200μlの反応混合物について、約10μlのカルボキシペプチダーゼを96ウェル
マイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。 pHは、Hanna Combination pH電
極(酵素との反応は3回行った)により測定した。以下の表10は、評価中の金属塩/錯体および還元剤の組み合わせでの処理後の特定の期間経過後のカルボキシペプチダーゼの酵素活性を示す。
【表10】
【0107】
下記表11A~11Cはカルボキシペプチダーゼを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表11A】
【表11B】
【表11C】
【0108】
L-ロイシン-P-ニトロアニリドを使用したアミノペプチダーゼMの酵素活性
【0109】
1mMのトリシン溶液(100mLの脱イオン水中で調製、試薬A)、及び50mMのL-ロイシン-P-ニトロアニリドの純メタノール溶液(試薬B)をそれぞれ調製した。約10mMのL-ロイシン-P-ニトロアニリド溶液(試薬C)を、0.1mLの試薬Bを4.9mLの試薬A中に添加して調製した。脱イオン水中200mMのトリシン緩衝液(試薬D)及び0.05%(w/v)のBSAが含まれた200mMのトリシン緩衝液、25℃でのpH8.0(試薬E)をそれぞれ調製した。試薬E中の0.04単位/mLのアミノペプチダーゼ(酵素溶液、試薬F)を調製した。試薬C、(Leu -NA、2.
0ml)、試薬D(200mMトリシン緩衝液、1.0ml)および脱イオン水(7.0ml)をピペットでとり、容器内で旋回混合して反応カクテル(試薬G)を得た。試薬G、試薬E及び試薬Fをすぐに倒置攪拌し、表12の通り試験溶液及びブランク溶液を調製し、攪拌混合してから約5分間ΔA
405nmを記録した。且つ最大線形速度(maxim
um linear rate)を用いてブランク溶液及び試験溶液のA405/分を得た。
計算式:
【数5】
式中、1は測定溶液の総容積(ml)である。dfは希釈係数である。10.8はA405nmにおけるP-ニトロアニリドのミリモル吸光係数である。0.1は酵素の容積(ml)である。
【表12】
【0110】
阻害剤の存在下におけるアミノペプチダーゼ不活性化の測定:1mM/Lのアミノペプチダーゼを特定の既知の阻害剤(上記表1に記載)、及び金属塩/還元剤の組み合わせ(上記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤で不活性化したものを陽性対照とした。
【0111】
金属イオン及び還元剤の組み合わせの存在下におけるアミノペプチダーゼの酸化的不活性化(活性及びpH)の測定
【0112】
200μlの反応混合物について、約10μlのアミノペプチダーゼを96ウェルマイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。pHは、Hanna Combination pH電極(酵素との反応は3回行った)により測定した。下記表13に、評価中の金属塩/錯体と還元剤との組み合わせで処理後の特定期間経過後のアミノペプチダーゼの酵素活性を示す。
【表13】
【0113】
下記表14A~14Cはアミノペプチダーゼを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表14A】
【表14B】
【表14C】
【0114】
実施した実験および上記の実験に基づいて、酵素活性の最高レベルの阻害(タンパク質分解)は、以下の還元剤および金属塩の組み合わせを利用することによって観察されたと結論付けることができた。アスコルビン酸ナトリウム-酸化バナジウム、ベンゾヒドロキサム酸-硫酸バナジウム、マンニトール-硫酸バナジウム、尿酸-グルコン酸マンガン、還元型グルタチオン-塩化クロム、及び還元型グルタチオン-酸化バナジウム。
【0115】
生物学的利用能試験
【0116】
胃部の酸性pH環境からプロテアーゼ分解に対して保護できるようにするため、腸溶性コーティングカプセルはペプチドを胃部環境から保護することができ、外側に存在するMIRA顆粒はタンパク質的分解酵素を不活性化させることができ、透過促進薬はペプチドの腸透過による上皮膜への吸収を促進/増加させることができる、カプセルインカプセルの製剤を調製した。
【0117】
カプセルインカプセルの剤形製剤の調製
【0118】
還元剤及び金属塩が含まれた顆粒の調製
【0119】
下記表15A~15Fは、生物学的利用能を試験するために調製された、異なる還元剤及び金属塩が含まれた顆粒製剤(ここではMIRA顆粒と称する)を示す。
【表15A】
【表15B】
【表15C】
【表15D】
【表15E】
【表15F】
【0120】
MIRA顆粒の調製方法
【0121】
以下はMIRA顆粒の調製工程である。
【0122】
A)結合剤溶液の調製:75.0mgのHPMC E-5を25.0mLの脱イオン(D.I.)水に溶解することで、0.3% w/vのHPMC E-5溶液を調製した。B)粉末混合物の調製:すべての成分を適切な容器に一つ一つ入れ、ポリ袋を使用して十分に混合し、混合物の均一性を確保した。C)顆粒の調製:2.0mLの結合剤溶液を少しずつ滴下し、手作業で造粒して顆粒を調製した(粉末混合物2.5gmの造粒に2mLの結合剤を要した)。D)顆粒の乾燥:上記の顆粒を熱風炉内に入れ、40℃で12時間乾燥させた。(E)顆粒の篩い分け:ステンレス金網の40#メッシュを使用して乾燥させた顆粒を篩過し、篩過後の顆粒を適切なガラス容器に収集して室温下で保存した。(全造粒工程において、温度は23℃、湿度は39%RHであることに注意した)
【0123】
ペプチドが含まれた顆粒の調製
【0124】
下記表16A~16Iは生物学的利用能を試験するために調製された異なるペプチドが含まれた顆粒製剤(ここではPA顆粒と称する)を示す。
【表16A】
【表16B】
【表16C】
【表16D】
【表16E】
【表16F】
【表16G】
【表16H】
【表16I】
【0125】
ペプチド顆粒の造粒方法
【0126】
A.結合剤溶液の調製:75.0mgのHPMC E-5を25mLの脱イオン(D.I.)水中に溶解することで、0.3%w/vのHPMC E-5溶液を調製した。B.粉末混合物の調製:液体賦形剤以外のすべての成分を正確に秤量し、ポリ袋を使用して5分間混合した。C.結合剤の添加:秤量した液体賦形剤及びペプチドを0.3%w/vのHPMC E-5結合剤溶液に添加た。得られた混合物を少しずつ滴下して湿式造粒を行った。D.顆粒の乾燥:造粒により調製した顆粒を真空デシケーターのシリカゲル床の上に置き、一晩乾燥させた。E.顆粒の篩い分け:ステンレス金網の40#メッシュを使用して乾燥させた顆粒を篩過し、篩過後の顆粒を適切なガラス容器に収集して室温下で保存した。(全造粒工程において、温度は22℃、湿度は35%RHであるよう注意した)
【0127】
カプセル充填
【0128】
MIRAおよびペプチド顆粒を、秤量天秤を使用して手動でカプセルに充填した。下記の表17Aおよび17Bは、それぞれラット研究およびイヌ研究用のカプセル充填に使用したカプセルのサイズを示す。
【表17A】
【表17B】
【0129】
カプセルの包装及び保存
【0130】
ポリ袋でカプセルを包装した後に、包装したカプセルを、湿度制御のためのシリカ袋を備えたHDPE(高密度ポリエチレン)容器内に移した。
【0131】
バッチ試験用プラセボ顆粒の調製
【0132】
カプセルからの顆粒の崩壊および放出を(視覚的に)理解するために、プラセボバッチをサンセットイエローおよび青色を用いて調製した。乾燥させた顆粒をカプセルサイズが3のカプセル中に充填し、且つ崩壊試験器(Electrolab)のガイドディスクを用いて崩壊時間を測定した。測定の結果、37±0.2℃の水及びリン酸緩衝液(pHは6.8)中での崩壊時間は3±1分であった。
【0133】
プラセボ顆粒の溶出試験(カプセルインカプセル)
【0134】
外側カプセル:カプセルサイズは0、黄色顆粒。
【0135】
内側カプセル:カプセルサイズは4、青色顆粒。
【0136】
37±0.5℃で、900mLの0.1N HCl溶液中(2時間)及びpH6.8のリン酸緩衝液中で、壊試験装置(Electrolab Mumbai)を使用して溶出試験を行った。
【0137】
外側の腸溶性コーティングカプセルは0.1N HCl溶液中で完全に保たれていた(即ち胃基質中で安定可能)が、pH6.8のリン酸緩衝液に入れてから3分後に崩壊が始まったのを視覚的に観察した。
【0138】
内側カプセルは8分で崩壊が始まり、且つ13分以内に完全に溶解した。同様の方法で、MIRA顆粒はアルカリ性リン酸緩衝液に暴露してから3分後に溶出が始まり、且つ13分以内にペプチドが完全に溶出された。
【0139】
カプセルの評価
【0140】
インスリングラルギン、酢酸オクトレオチド及びテリパラチドのラット試験測定-50mg/30mgの顆粒(1つのカプセル中から取り出した)を正確に秤量した後、移動相へ溶解した。分散液を5分間超音波処理した後に0.22μmのシリンジフィルターを使用して濾過し、且つHPLCに注入した。すべてのAPIの検量線は、USP2017で推奨されているそれぞれの移動相で複数の希釈液を使用してプロットした。アッセイを行
い、薬物含有率を、検量線を用いて計算した。
【表18】
【0141】
インスリングラルギンカプセルの安定性試験
【表19】
【0142】
カプセル充填-モード:手作業充填;カプセルサイズ:2;顆粒充填重量:上記が示す各処方と同様。
【0143】
カプセル及び顆粒の保存-温度:25±3℃。湿度:35±5%RH。容器:カプセル用HDPE 60 cc /顆粒用ゴム栓付き透明ガラスバイアル。
【0144】
分析結果:式(HPLCデータから得られたy = 30.977x - 292.26)から、製剤中に存在するインスリングラルギンの含有量は、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ105.2%および115.8%であることがわかった。
【0145】
75日間の安定性試験:両バッチを25℃下で85日間保存した後に再び分析を行った。
【0146】
分析結果:式(HPLCデータから得られたy = 30.977x - 292.26)から、製剤中に存在するインスリングラルギンの含有量は、下記の表20から分かるように、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ97.25%および91.63%であることがわかった。
【表20】
【0147】
【0148】
カプセル充填-モード:手作業充填;カプセルサイズ:2;顆粒充填重量:上記が示す各処方と同様。
【0149】
カプセル及び顆粒の保存-温度:25±3℃。湿度:35±5%RH。容器:カプセル用HDPE 60 cc /顆粒用ゴム栓付き透明ガラスバイアル
【0150】
分析結果:式(HPLCデータから得られたy = 18.924x - 22.539)から、配合物中に存在する酢酸テリパラチドの含有量は、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ98.02%および106%であることがわかった。
【0151】
75日間の安定性試験:2つのバッチを25℃下で75日間保存した後に再び分析を行った。
【0152】
式(HPLCデータから得られたy = 18.924x -22.539)から、配合
物中に存在する酢酸テリパラチドの含有量は、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ92.88%および89.76%であることがわかった。
【表22】
【0153】
酢酸リュープロレリンのラット試験測定
【0154】
酢酸リュープロレリンHPLC検量線の作成-約112mg及び104mgの顆粒(100μgに相当)を精確に秤量し、且つ1mLの移動相を用いて希釈を行った;この分散液における酢酸リュープロレリンの理論濃度は100μg/mLであることが分かった。分散液を2分間ボルテックスした後、0.2μmのシリンジでフィルタリングした。20.0μLの濾過液をHPLCシステムに注射してペプチド含有量を測定した。分析結果:ペプチドについてのHPLCから得られた公式y=42.67x-76.447から、酢酸リュープロレリンの含有量%ペプチド量は、(A)酢酸リュープロレリン+ラブラソールALF顆粒(PA2):97.45%、及び(B)酢酸リュープロレリン+ラブラソールALF+ピペリン顆粒(PA2+3):105.11%であった。
【0155】
酢酸リュープロレリンカプセルの溶出試験
【0156】
分析結果に基づき、ラブラソールALF及び酢酸リュープロレリンが含まれた顆粒(PA2)製剤の溶解試験を行った。
【0157】
設定1:透析膜の使用-基質:pH6.80のリン酸塩緩衝液;容積:10mL;排出容積:400μl;攪拌速度:100RPM;充填顆粒:140mg(1つのカプセルに相当);透析膜規格:HIMEDIA LM395-30MT;ポアサイズ:25nm;平均平面幅:29.31mm;平均直径:17.5mm。
【表23】
【0158】
設定2:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)-基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:25mL;排出体積:400μl;攪拌速度:100RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mg。
【表24】
【0159】
設定3:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)
【0160】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:400μl;攪拌速度:500RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mg。
【表25】
【0161】
設定4:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)
【0162】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:400μl;攪拌速度:500RPM;充填顆粒:ヒプロメロースカプセル(サイズは0)に140mgを含む。
【表26】
【0163】
設定5:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)
【0164】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:100RPM;充填顆粒:カプセルに調製せず、顆粒140mgを回転バスケット内に直接入れた。
【表27】
【0165】
設定6:マグネチックスターラーの使用
【0166】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:200RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mgを調製(カプセルサイズは2)。
【表28】
【0167】
設定7:マグネチックスターラーの使用
【0168】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:200RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mgを調製(カプセルサイズは2)。
【表29】
【0169】
表24~29のデータによると、酢酸リュープロレリンは顆粒から溶出して透析膜を通過することがなかった点に注目できた(設定1)。設定2では回転バスケット(USP TYPE 1)を使用し、バスケットの回転が材料を基質中で移動/回転させるのに十分な回転力を生み出すことができなかったため、材料がゼラチンと共に沈降し、最終的には溶出に影響が出た。設定3ではバスケットのRPMを増加させて(100から500まで)行ったが、バスケットのrpmが増加してもCDR%は24.75%であった。設定4では回転バスケットのRPMを増加させさらにゼラチンカプセルの代わりにヒプロメロースカプセルを使用し、CDR%は29.97%であった;設定5ではカプセルを無くして回転バスケットで行い、CDR%は90%であり、材料(ゼラチン/ヒプロメロース)が粘度を増加させ、且つ顆粒からの酢酸リュープロレリンの溶出を遅延し得ることが証明できたことが確認された;設定6及び7では分析を通じて基質を良好に回転させるためマグネチックスターラーを使用して試験を行い、CDR%はそれぞれ108.8%及び102.6%であった;実験はすべて37℃の設定下で行ったが、温度が変化した場合にはカプセルの崩壊に影響する。25℃での崩壊時間は12分であり、37℃での崩壊時間は2分未満であった。
【0170】
HPLCを用いたリラグルチドナトリウムの測定
【0171】
試験1:手順:顆粒PA2(表16F)及び顆粒PA3+4(表16G)約10.0mgを10.0mLのHPLC希釈剤中で希釈した(D.I.水中10%ACN)。この分散液が有するリラグルチドナトリウムの理論濃度は74μg/mLであることが分かった。超音波浴を使用して分散液を5.0分間超音波処理した後、0.2μmのシリンジでフィルタリングし、20.0μLの濾過液をHPLCシステムに注射してペプチド含有量を測定した。分析結果:ペプチドに関するHPLCから得られた公式y=79.283x-571.72から、ラブラソールALFを有するリラグルチドナトリウム製剤(PA2)の含有量は44.4%であり、ピペリン及びソルトールHS15を有するリラグルチドナトリウム製剤(PA3+4)の含有量は25.4%であった。(a)2分間のボルテックスにおいて、ピペリン及びソルトールHS15を有するリラグルチドナトリウム製剤の分析結果は67.39%であった;(b)2分間のボルテックスにおいて、ラブラソールALFを有するリラグルチドナトリウム顆粒製剤の分析結果は80.43%であった;(c)5分間のボルテックスにおいて、ピペリン及びソルトールHS15を有するリラグルチドナトリウム製剤の分析結果は95.66%であった;(d)5分間のボルテックスにおいて、ラブラソールALFを有するリラグルチドナトリウムの顆粒の分析結果は96.99%であった。
【0172】
リラグルチド溶解試験
【0173】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:200RPM;
【表30】
【表31】
【0174】
分析結果:リラグルチド顆粒PA及びPA3+4のCDR%はそれぞれ112.85%及び93.64%であった。50%を上回るリラグルチドナトリウムが5~7分の間に溶出した。
【0175】
STZ誘発糖尿病ラット血漿中のグルコース及びインスリングラルギン含有量の定量分析
【0176】
STZ誘発糖尿病ラットの空腸中部にインスリングラルギン製剤を投与した後、その血漿中のグルコース及びインスリングラルギン含有量を定量した。
【0177】
試験製剤I:インスリングラルギン(Lantus(R))-外観:予備充填用のペン型注
射器(prefilled pen)中の注射溶液;濃度:100IU/ml;保存条件:2~8℃;用量:0.2U/kg;投与経路:SC.。
【0178】
試験製剤II:インスリングラルギン製剤-顆粒MIRA1(表15Aの還元型グルタチオン/ピコリン酸クロム)+透過促進薬1(表1のPA1)(TRIS緩衝液中の経口液)-用量:1.7U/動物;投与経路:空腸中部。
【0179】
試験製剤III:インスリングラルギン製剤-PA2(表16Bの通り)及びMIRA2(表15Bのアスコルビン酸ナトリウム/酸化バナジウム)(緩衝液中の経口液)-用量:1.7U/動物;投与経路:空腸中部。
【0180】
試験結果:皮下注射及び空腸中部投薬のいずれにおいてもラットの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。サンプリング時点に関して、投薬中、採血時点は投与後0、20、40、60、120および150分であった。後眼窩洞穿刺から、約100μlの血液を予め充填されたNa-EDTAエッペンドルフに集めた。血液を5000rpm、5分間、4℃で遠心分離して血漿を得た。採血直後に血糖計を用いて測定した。
【表32】
【表33】
【0181】
ELISA試験
【0182】
試験材料:インスリングラルギンELISAキット(Invitron Ltd,Cat.No.MBS495369)。
【0183】
原理:このグラルギンELISAはtwo-siteイムノアッセイであり、微量滴定プレートのウェルに固定されたモノクローナル抗体、及びホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識された可溶性抗体を用いて測定を行うものである。血漿試料をマイクロタイタープレートのウェル中で一緒にインキュベートし、洗浄した後にHRP共役抗体液を添加した。測定前に未結合のHRP共役抗体を洗浄除去してから二次インキュベートを行った。マイクロタイタープレートの各ウェル中に酵素基質を添加し、しばらくインキュベートしてからさらなる試薬を添加して反応を停止させた。各ウェルで発色した色の強度は、450nmの波長の透過光を記録するように設定されたマイクロタイタープレートリーダーで定量される(キットプロトコル:製造業者が推奨するカタログ番号MBS495369のプロトコルを用いた)。
【0184】
手順:使用前にすべてのキット内容及び試料を室温下で放置する。必要な数量のコーティングされたストリップをプレートホルダーに固定した。すぐに使用しないストリップはすべてシリカゲル乾燥剤を入れたポリエチレン製密封バッグに保存する。プレートホルダー上の残りのスペースがコーティングされていないストリップで埋まっていることを確認して、インキュベート時に熱が均一に伝わることを確保する。100μlの試料緩衝液を各ウェル中にピペッティングする。25μlの標準品又は試料をそれぞれのウェル中にピペッティングする。標準品及び試料の各試験は重複して行うことを推奨する。プレートホルダーのカバーを被せてから、室温(18~22℃)下で2時間インキュベートする。プレートホルダーカバーを取り外し、自動プレートホルダー洗浄機を使用し、作動強度に冷却*したworking strength洗浄緩衝液(各サイクルで300μl)を組み合わせて洗浄サイクルを3回行う。working strength共役抗体100μlを各ウェル中にピペッティングする。プレートシーラーを被せてから、4℃(2~8℃)で4時間インキュベートする。プレートシーラーを除去し、自動プレートホルダー洗浄機を使用し、冷却*したworking strength洗浄緩衝液で洗浄サイクルを3回行う。次に、100μlの基質溶液を各ウェル中に添加し、室温(18~22℃)下の暗所で15分インキュベートする。100μlの停止液を各ウェル中に添加する。450nmに設定されたマイクロタイタープレートリーダーで、可能であれば、620 / 650nmのODで測定されたバックグラウンド減算を用いて、光透過率を測定する。
図1は、異なる製剤からのインスリングラルギン(mU/L)の濃度対時間のプロファイルを描いたグラフを示す。
【0185】
試験製剤インスリングラルギン-MIRA1(還元型グルタチオン/ピコリン酸クロム)+透過促進剤1(PA1)は9.25%の相対バイオアベイラビリティーを示し、試験製剤インスリングラルギン-PA2およびMIRA2(アスコルベートナトリウム/酸化バナジウム) )は28.86%の相対バイオアベイラビリティーを示すことがわかった
。
【0186】
ELISAキットによるイヌ血漿中の酢酸リュープロレリン含有量の定量分析
【0187】
標準試験製剤:酢酸リュープロレリン:LUPRODEX;Depot)-濃度:バイアル毎に3.75mgの酢酸リュープロレリンを含有;製造日:2017年11月;有効期限:2020年10月;保存環境:室温(25℃未満)で保存し、冷凍しないこと;バイアル数:希釈剤付き1バイアル。
【0188】
試験製剤FB:MIRA5(表15E)+PA2(表16H)-外観:白色のカプセルキャップ及び白色のカプセルボディーを有するハードゼラチンカプセル;濃度:各カプセルは300mg、且つ1.25mgの酢酸リュープロレリンを含有;製造日:2018年4月21日;有効期限:提供なし;保存環境:室温(25℃未満)で保存;試験項目カプセル数:1容器70カプセル。
【0189】
試験製剤H:MIRA2(表15F)+PA2+3(表16I)-外観:白色のキャップ及び白色のカプセルボディーを有するハードゼラチンカプセル;濃度:各カプセルは300mg、且つ1.25mgの酢酸リュープロレリンを含有;製造日:2018年4月19日;有効期限:なし;保存環境:室温(25℃未満)で保存;試験項目カプセル数:1容器70カプセル。
【表34】
【0190】
投薬期間中、イヌ(イヌ科;犬種;ビーグル)は投薬の12時間前から投薬の4時間後の間夜間絶食した(水は許容した)。投薬の720時間後、イヌの有害事象の有無を観察した。各イヌの体重は投与前に測定し記録した。
【0191】
試料のサンプリング時間
【0192】
0時間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、240時間、312時間、360時間、480時間及び720時間後(計15のサンプリング時間ポイント)に、皮下及び経口投与した各イヌの頚静脈から約2mLの血液試料をK2EDTAコーティングとラベリングされた試料採取管に採取した。
【0193】
ELISA試験条件
【0194】
試験材料:カタログ番号S -1174(Des-Gly10、D-Leu6、Pro-NHEt9)-LHRH(ロイプロリド)。キットプロトコル:使用されている製造元が推奨するプロトコル(カタログ番号S1174)
【0195】
試験結果:試験製剤FBが有する相対的生物学的利用能は56.53%であり、試験製剤Hが有する相対的生物学的利用能は16%であった。
【0196】
ELISAキットを使用したイヌ血漿中のリラグルチド含有量の定量
【0197】
試験製剤I:リラグルチド-外観:ペン型注射器(prefilled pen)中に予備充填された注射溶液;濃度:6mg/ml;製造日:2017年2月;有効期限:2019年7月;保存環境:2~8℃;用量:イヌ毎に0.6mg;投与経路:SC
【0198】
試験製剤II(FA):MIRA5(表15E)+PA2(表16F)-用量:12mg(1カプセル)/イヌ;投与経路:経口。
【0199】
試験製剤III(G):MIRA5(表15E)+PA3+4(表16G)-用量:12mg(1カプセル)/イヌ;投与経路:経口。
【表35】
【0200】
皮下及び経口にリラグルチドを投与後、イヌの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。各イヌの体重は試験前に測定し記録した。投薬期間中、イヌ(イヌ科;犬種;ビーグル)は投薬の12時間前から投薬の4時間後の間夜間絶食した(水は許容した)。投与期間中、イヌの血液試料の収集時間ポイントは投薬してから0分、20分、30分、60分、120分、180分、240分及び480分後とし、頚静脈から2mLの血液試料をK2EDTAコーティングとラベリングされた試料採取管に採取した。グルコースは血液試料のサンプリング後すぐに血糖計で測定した。
【0201】
ELISA試験条件
【0202】
試験材料:ELISAキット(Krishgen BioSystems,Cat.No.KBI5020 Ver2.0)。
【0203】
キットプロトコル:製造会社推奨のプロトコルを使用した(Cat.No.KBI5020 Ver2.0)。(1)希釈した標準品、ブランク対照及び試料のウェルを定め、5つのウェルを標準品、1つのウェルをブランク対照用として準備する。50μLの標準品(読み取り試薬調製)、ブランク対照及び試料をそれぞれ適切なウェル中に添加する。すぐに50μLのリラグルチド-ビオチンを上述の各ウェル中にそれぞれ添加した。プレートを軽く振る(プレートシェーカーの使用が推奨される)。プレートカバーを被せた。37℃下で1時間インキュベートする。リラグルチド-ビオチンは混濁状を呈することがある。室温で放置した後、溶液が均一となるまでゆっくりと混合する。(2)マイクロプレート中の溶液を吸引してから、スプレーボトル、マルチチャンネルピペット、マニホールドディスペンサー及び自動洗浄機を使用し、350μLの1×洗浄液で各ウェルを洗浄し、1~2分静置する。プレートを吸水紙に倒置して圧印し、残った液体を除去する。3回繰り返す。最後の洗浄後、液体を吸引又は注ぎ出す方法で残りの洗浄液をすべて除去し、マイクロプレートを吸水紙に倒置する。(3)各ウェル中に100μLのストレプトアビジンHRP試料を添加する。プレートシーラーを被せたのち37℃で30分インキュベートする。(4)手順(2)で行ったように吸引/洗浄手順を全5回繰り返す。(5)各ウェル中に90μLの基質溶液を添加する。新しいプレートシーラーでカバーする。37℃で10~20分インキュベートする(30分を超えない)。光から保護する。基質溶液を添加することで溶液は青色に変化する。(6)各ウェル中に50μLの停止液を添加する。停止液を添加することで溶液は黄色に変化する。プレートの側面を叩いて混合液を混合させる。溶液の色変化が不均一であった場合は、マイクロプレートを軽く叩いて溶液の十分な混合を確保する。(7)マイクロプレート底部の水滴又は指紋を除去し、且つウェル内の液体表面に気泡がないことを確保する。マイクロプレートリーダーを用いて450nmで測定を行う。
【0204】
試験製剤FA(Mira5及びリラグルチド+ラブラソール)の相対的生物学的利用能は3.82%であり、試験製剤G(Mira5及びリラグルチド+ソルトールHS15+ピペリン)の相対的生物学的利用能は3.57%であることが分かった。
【0205】
ELISAによるラット血漿中のオクトレオチド含有量の定量分析
【0206】
試験製剤I:オクトレオチド-外観:注射溶液;濃度:0.1mg/ml;保存条件:2~8℃;用量:10μg/kg;投与経路:SC
【0207】
試験製剤II:MIRA3(表15C)+PA1(表16C)を麻酔後のS.D.ラットの遠位小腸(回腸);用量:144μg/動物;投与経路:遠位小腸(回腸)注射。試験時、ラットは非絶食である。
【表36】
【0208】
皮下及び遠位小腸(回腸)にオクトレオチドを投与後、ラットの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。投与期間中、イヌの血液試料の収集時間ポイントは投薬してから0分、7分、15分、30分、45分、60分及び90分後とした。血液試料は後眼窩静脈叢穿刺により採取し、約100μlの血液をNa-EDTAを予備充填したエッペンドルフに収集した。血液試料を4℃、5000rpmで5分間遠心分離にかけて血漿を得た。
【0209】
ELISA試験
【0210】
試験器材:ELISAキット(PeninsulaLaboratories International,Inc,Cat.No.S-1341.0001)。
【0211】
キットプロトコル:製造会社が推奨するプロトコルを使用した(Cat.No.S-1341.0001)-イムノプレートの各ウェル中に抗血清25μl(EIA緩衝液中)を添加する。ブランクのウェルには25μlのEIA緩衝液を添加し;室温で1時間インキュベートを行う。;標準品又は試料(希釈剤中)をそれぞれ50μl添加する。添加前にプレートを洗浄してはならない。50μlの希釈剤をブランクのウェルに添加し;室温で2時間インキュベートする。短い予備インキュベートの場合、感度が低くなることがある;Bt-トレーサー(EIA緩衝液中)をリハイドレートし各ウェル中に25μl添加し;且つ4℃で一晩インキュベートする。良好な結果を得たい場合には、操作前にRTに戻しておく;イムノプレートの洗浄を300μl/ウェルのEIA緩衝液で5回繰り返す。1回目の洗浄/分注時には、ウェル間でのクロスコンタミネーションに十分注意する。各洗浄サイクルにおいて、手首を素早く軽く動かしながらプレートの内容物を空にしてから、プレートの上部をペーパータオル上で静かに吸い取って乾かす。各ウェル中に300μlのEIA緩衝液を分注した後、マイクロプレートを少なくとも何秒間か軽く揺らす。洗浄手順は必要不可欠である。各ウェル中に100μlのストレプトアビジンHRPを添加する。SAHRP管を叩くか遠心分離にかけて底部のすべての液体成分を収集し、その内部の液体をEIA緩衝液中に1/200(60μl/12mL)に希釈し、ボルテックスする。ブランクを含む全ウェル中100μlを添加する。室温で1時間インキュベートする。イムノプレートを5回洗浄する(手順(7)参照)。TMB溶液を100μl/ウェル添加する。ブランクを含む全ウェル中に添加する。室温で(時間は通常30~60分)インキュベートする。650nmにおいて青色の発生を読み取り、且つデータを用いて計算を行う。各ウェル中に100μlの2N HClを添加して反応を停止させる。10分以内に450nm下の吸光度を読み取る。
【0212】
試験製剤MIRA3(尿酸:バナジン酸ナトリウム)+PA1が有する生物学的利用能は0.41%であった。
【0213】
ELISAによるラット血漿中のテリパラチド含有量の定量
【0214】
試験製剤I:テリパラチド;外観:注射用溶液;濃度:600μg/2.4ml;保存条件:2~8℃;用量:10μg/動物;投与経路:SC
【0215】
試験製剤II:MIRA4(表15D)及びPA1(表16D)を麻酔後のラットの遠位小腸(回腸)に240μg/動物の用量で投与した;用量:240μg/動物;投与経路:遠位小腸(回腸)。
【0216】
試験製剤III:MIRA1(表15A)及びPA3(表16E)を麻酔後のS.D.ラットの遠位小腸(回腸)に240μg/動物の用量で投与した;用量:240μg/動物;投与経路:遠位小腸(回腸)。
【表37】
【0217】
実験期間中、動物は非絶食である。皮下及び遠位小腸(回腸)にテリパラチドを投与後、ラットの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。投与期間中、イヌの血液試料の収集時間ポイントは投薬してから0分、7分、15分、30分、45分、60分及び90分後とした。血液試料は後眼窩静脈叢穿刺により採取し、約100μlの血液をNa-EDTAを予備充填したエッペンドルフに収集した。血液試料を4℃下において5000rpmで5分間遠心分離にかけてから血漿を得た。
【0218】
ELISA試験
【0219】
試験材料:ELISAキット(Immutopics Cat.No.60-3900.)
【0220】
キットプロトコル:製造会社が推奨するプロトコルを使用した(Cat.No.60-3900)-十分な数のストレプトアビジンコーティングを有するストリップをホルダーに入れ、副甲状腺ホルモン(PTH)標準品、コントロール及び未知の試料の試験を行う;150μlの標準品、コントロール及び試料をそれぞれ指定又はマッピングされたウェル中にピペッティングする。標準品及びコントロール試料は使用後すぐに冷凍する。1部のHRP抗体及び1部のビオチン化抗体からなるワーキング抗体希釈液50μlを各ウェル中にピペッティングし;プレートシーラーでカバーし、アルミ箔でカバーして遮光し;180~200rpmに設定した水平ローターで、室温でプレートを3時間インキュベートする。アルミ箔及びプレートシーラーを取り除き、自動マイクロプレート洗浄機で各ウェル中の内容物を吸引する。350μLのワーキング洗浄用希釈液を分注しながら各ウェルの洗浄を5回繰り返し、各ウェル中の内容物を完全に吸引する。適切な吸引装置を用いることができる;200μlのELISA HRP基質を各ウェル中にピペッティングし;プレートシーラー及びアルミ箔でプレートを再びカバーする。180~200rpmに設定した水平ローターで、室温で3時間インキュベートし;アルミ箔及びプレートシーラーを取り除く。5分以内にマイクロプレートリーダーで、0pg/mLの標準ウェルをブランクとして620nm(注着参照)の吸光度を読み取り;すぐに50μLのELISA停止液を各ウェル中にピペッティングする。水平ローターで1分間の混合を行い;10分以内に、マイクロプレートリーダーを使用し、200μLの基質及び50μLの停止溶液を試薬ブランクとして波長450nmの吸光度を読み取る;二重波長補正が可能な場合は、測定波長を450nmに、参照波長を手順#9で用いた吸光度に設定する。
【0221】
MIRA4(アスコルビン酸ナトリウム:グルコン酸マンガン)及びPA1の試験製剤が有する相対的生物学的利用能は0.89%であった。MIRA1(還元型グルタチオン/ピコリン酸クロム)及びPA3の試験製剤が有する生物学的利用能は0.89%であった。
【0222】
以上、本発明の様々な実施形態について説明を記したが、本発明の他の及びさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなくなされ得る。本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定される。本発明は、記載された実施形態、変形例または実施例に限定されず、当業者に利用可能な情報および知識と組み合わせたときに、当業者が本発明を製造および使用することを可能にするものも含まれる。
【0223】
本開示は、背景技術で報告されている組成物の関係する欠点を克服することができる医薬組成物を提供する。
【0224】
本開示は効果的にペプチドを送達するための医薬組成物を提供する。
【0225】
本開示は、経口でペプチドを送達するための医薬組成物を提供する。
【0226】
本開示は、経口摂取の際に、少なくとも部分的に、ペプチドをタンパク質的分解から保護する医薬組成物を提供する。
【0227】
本開示は、ペプチドの生物学的利用能を増加させる医薬組成物を提供する。
【0228】
本開示は、安全性を備えた医薬組成物を提供する。
【0229】
本開示は、費用対効果があり、調製容易で、保存期間が長い医薬組成物を提供する。
前記少なくとも1種類の金属はクロムであり、前記医薬組成物はクロムの塩及びクロムの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.02mg~約0.5mgの範囲の量で含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
前記クロムの塩及びクロムの錯体のいずれかは、ピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロム及び酢酸クロムを含む群から独立して選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
前記少なくとも1種類の金属はマンガンであり、前記医薬組成物はマンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれか又はそれらの組み合わせを、単位用量あたり約0.1mg~約10mgの範囲の量で含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
前記マンガンの塩及びマンガンの錯体のいずれかは、グルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウム及び塩化マンガンを含む群から独立して選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
前記少なくとも1種類のペプチドは、インスリン、インスリンアナログ、インスリンリスプロ、インスリンペグリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリジン、インスリングラルギン、インスリンデテミル、プロタミン含有中間型(NPH)インスリン、インスリンデグルデク、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 human insulin、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30 ヒトインスリン、B29K(N(ε)オクタデカンジオイル) A14E B25H desB30 ヒトインスリン、GLP-1、GLP-1アナログ、アシル化GLP-1アナログ、ジアシル化GLP-1アナログ、セマグルチド、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、 GLP-1受容体及びグルカゴン受容体のデュアルアゴニスト、アミリン、アミリンアナログ、プラムリンチド、ソマトスタチンアナログ、オクトレオチド、ランレオチド、パシレオチド、ゴセレリン、ブセレリン、レプチン、レプチンアナログ、メトレレプチン、ペプチドYY、ペプチドYYアナログ、グラチラマー、リュープロレリン、テリパラチド、デスモプレシン、ヒト成長ホルモン、ヒト成長ホルモンアナログ、グリコペプチド系抗生物質、グリコシル化の環状又は多環非リボソームペプチド系抗生物質、バンコマイシン、テイコプラニン、テラバンシン、ブレオマイシン、ラモプラニン、デカプラニン、ボルテゾミブ、コシントロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン、セルモレリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ソマトロピン、カルシトニン、サケカルシトニン、ペンタガストリン、オキシトシン、ネシリチド、アナキンラ、エンフビルチド、ペグビソマント、ドルナーゼアルファ、レピルジン、アニデュラフンギン、エプチフィバチド、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ-1b、ペグインターフェロンα-2a、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンβ-1a、フィブリノリジン、バソプレシン、アルデスロイキン、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンゼータ、フィルグラスチム、インターロイキン-11、シクロスポリン、グルカゴン、ウロキナーゼ、バイオマイシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、ロイシンエンケファリン、メチオニンエンケファリン、サブスタンスP、副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を含む群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属とは、医薬組成物中で物理的に分けられた状態で存在している、請求項1に記載の医薬組成物。
前記少なくとも1種類のペプチドと、塩の形態及び錯体の形態のいずれか又はそれらの組み合わせである前記少なくとも1種類の金属は、分けられた区画に存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
前記医薬組成物はカプセルインカプセル(capsule-in-capsule)の剤型又はタブレットインカプセル(tablet-in-capsule)の剤型で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
前記少なくとも1種類の還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマー、及びそれらの薬学的に許容可能な塩のいずれか又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
前記医薬組成物は、さらに少なくとも1種類の吸収促進剤を含み、前記吸収促進剤は単位用量あたり約10mg~約1000mgの範囲の量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
前記医薬組成物は、経口固体剤又は経口液体剤のいずれかの形態に調製され、且つ前記医薬組成物が経口液体剤の形態に調製されている場合には、前記医薬組成物は水分を約5%未満(v/v)の量で含む、請求項1に記載の医薬組成物。