(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132384
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20220901BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20220901BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111843
(22)【出願日】2022-07-12
(62)【分割の表示】P 2020543589の分割
【原出願日】2020-04-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0047522
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チ、キョン ムン
(57)【要約】
【課題】カートリッジを提供する。
【解決手段】
カートリッジは、エアロゾル生成物質を保存する保存部と、前記エアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成する加熱要素と、前記エアロゾルを一方向に沿って排出するエアロゾル排出通路と、前記保存部の一端に結合して前記保存部を密封する栓と、前記栓に形成され、前記エアロゾル排出通路の延長線上に位置して、エアロゾルから形成された液滴を収容する液滴収容部と、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を保存する保存部と、
前記エアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成する加熱要素と、
前記エアロゾルを一方向に沿って排出するエアロゾル排出通路と、
前記保存部の一端に結合して前記保存部を密封する栓と、
前記栓に形成され、前記エアロゾル排出通路の延長線上に位置して、エアロゾルから形成された液滴を収容する液滴収容部と、を含むカートリッジ。
【請求項2】
前記栓は、少なくとも1つの流入口を介して外部空気を前記カートリッジ内部に流入させる空気流入通路を含み、
前記少なくとも1つの流入口は、前記エアロゾル排出通路の延長線から離隔された請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記空気流入通路は、
前記一方向に沿って前記外部空気を流入させる第1経路及び前記第1経路に流入された前記外部空気を前記一方向と異なる方向に沿って流入させる第2経路を含む、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記液滴収容部は、側壁及び底壁を含み、
前記カートリッジ内部に延びる前記第1経路の一端部は、前記底壁から前記一方向に離隔された、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの流入口は、前記延長線を基準に両側に複数の流入口が配置される、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記液滴収容部は、前記液滴を収容するように前記一方向に第1深さほど陥入された第1陥入部を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記液滴収容部は、前記液滴を収容するように前記一方向に前記第1深さよりも深い第2深さほど陥入された第2陥入部を含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第2陥入部は、
前記液滴収容部の中央に形成される、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
エアロゾル生成物質を保存する保存部、前記エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを生成する加熱要素、前記エアロゾルを一方向に沿って排出するエアロゾル排出通路、前記保存部を密封する栓及び前記栓に形成され、液滴を収容するように前記エアロゾル排出通路の延長線上に位置する液滴収容部を含むカートリッジと、
前記カートリッジに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリを通じて前記カートリッジに供給される電力を制御する制御部と、を含むエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記栓は、流入口を介して外部空気を前記カートリッジ内部に流入させる空気流入通路を含み、
前記流入口は、前記エアロゾル排出通路の延長線から離隔された、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記液滴収容部は、前記一方向に第1深さほど陥入された第1陥入部と、
前記一方向に前記第1深さよりも深い第2深さほど陥入された第2陥入部と、を含む、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近来に一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、エアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法への需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
一般的に、エアロゾル生成物質は、液体なので、エアロゾル生成物質及びエアロゾルから形成された液滴は、気化過程で液漏れが生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、液漏れに対する効果的な解決策が要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例によれば、エアロゾル生成物質を保存する保存部、前記エアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成する加熱要素、前記エアロゾルを一方向に沿って排出するエアロゾル排出通路、前記保存部の一端に結合して前記保存部を密封する栓、及び前記栓に形成され、前記エアロゾル排出通路の延長線上に位置して、エアロゾルから形成された液滴を収容する液滴収容部を含むカートリッジが提供される。
【発明の効果】
【0006】
実施例によれば、液滴が液滴収容部によって収集され、カートリッジ外部への漏出が防止される。
【0007】
実施例による効果が上述した効果によって制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付された図面から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保持する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置との結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【
図3】
図2に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【
図4】
図2に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【
図5】実施例によるエアロゾル生成装置のカートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施例によれば、エアロゾル生成物質を保存する保存部、前記エアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成する加熱要素、前記エアロゾルを一方向に沿って排出するエアロゾル排出通路、前記保存部の一端に結合して前記保存部を密封する栓及び前記栓に形成され、前記エアロゾル排出通路の延長線上に位置して、エアロゾルから形成された液滴を収容する液滴収容部を含むカートリッジが提供される。
【0010】
また、前記栓は、少なくとも1つの流入口を介して外部空気を前記カートリッジ内部に流入させる空気流入通路を含み、前記少なくとも1つの流入口は、前記エアロゾル排出通路の延長線から離隔されうる。
【0011】
また、前記空気流入通路は、前記一方向に沿って前記外部空気を流入させる第1経路及び前記第1経路に流入された前記外部空気を前記一方向と異なる方向に沿って流入させる第2経路を含んでもよい。
【0012】
また、前記液滴収容部は、側壁及び底壁を含み、前記カートリッジ内部に延びる前記第1経路の一端部は、前記底壁から前記一方向に離隔されうる。
【0013】
また、前記少なくとも1つの流入口は、前記延長線を基準に両側に前記複数の流入口が配置される。
【0014】
また、前記液滴収容部は、前記液滴を収容するように前記一方向に第1深さほど陥入された第1陥入部を含んでもよい。
【0015】
また、前記液滴収容部は、前記液滴を収容するように前記一方向に前記第1深さよりも深い第2深さほど陥入された第2陥入部を含んでもよい。
【0016】
また、前記第2陥入部は、前記液滴収容部の中央に形成される。
【0017】
他の実施例によれば、エアロゾル生成物質を保存する保存部、前記エアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成する加熱要素、前記エアロゾルを一方向に沿って排出するエアロゾル排出通路、前記保存部を密封する栓、及び前記栓に形成され、液滴を収容するように前記エアロゾル排出通路の延長線上に位置する液滴収容部を含むカートリッジ、前記カートリッジに電力を供給するバッテリ及び前記バッテリを通じて前記カートリッジに供給される電力を制御する制御部を含むエアロゾル生成装置が提供される。
【0018】
また、前記栓は、流入口を介して外部空気を前記カートリッジ内部に流入させる空気流入通路を含み、前記流入口は、前記エアロゾル排出通路の延長線から離隔されうる。
【0019】
また、前記液滴収容部は、前記一方向に第1深さほど陥入された第1陥入部及び前記一方向に前記第1深さよりも深い第2深さほど陥入された第2陥入部を含んでもよい。
【0020】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野の技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されねばならない。
【0021】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0022】
本明細書で使用されたように、要素のリストの前にあるとき、「少なくとも1つ」のような表現は、全体要素リストを修正してリストの個別要素を修正しない。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b、及びcをいずれも含むものと理解されねばならない。
【0023】
要素または層が他の要素または層が「上部に」、「上に」、「連結されて」、または「結合されて」いると記載された場合、それは、他の要素または層の直ぐ上部に、上に、連結されて、または結合されているか、または介入された要素または層が存在するものでもある。反対に、ある要素が異なる要素または層に「直接に上部に」、「直上に」、「直接に連結されて」、「直接に結合されて」いると記載された場合、介入された要素または層は存在しない。同じ参照番号は、全体にわたって同じ要素を指称する。
【0024】
明細書全体で「エアロゾル発生物品」は、タバコ(シガレット)、シガーのように、エアロゾルを発生させる物質を意味する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物質またはエアロゾル形成基質を含んでもよい。また、エアロゾル発生物品は、板状葉タバコ、刻みタバコ、再構成タバコなどタバコ原料に基づく固体物質を含んでもよい。エアロゾルは、揮発性化合物を含んでもよい。
【0025】
また、明細書全体で「上流」または「前方」は、エアロゾル発生物品を喫煙するユーザの口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」または「後方」は、エアロゾル発生物品を喫煙するユーザの口部に近づく方向を意味する。
【0026】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態としても具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0027】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0028】
図1は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0029】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1000は、バッテリ1100、ヒータ1200、センサー1300、ユーザインターフェース1400、メモリ1500及び制御部1600を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置1000の内部構造は、
図4の図示に限定されない。エアロゾル生成装置1000の設計によって、
図1に図示されたハードウェア構成の一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されるということを、当該実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0030】
一実施例において、エアロゾル生成装置1000は、本体だけでも構成され、その場合、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア構成は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置1000は、本体及びカートリッジで構成され、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア構成は、本体及び/またはカートリッジに分けて位置する。
【0031】
バッテリ1100は、エアロゾル生成装置1000の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ1100は、ヒータ1200が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ1100は、エアロゾル生成装置1000内に備えられた他のハードウェア構成、すなわち、センサー1300、ユーザインターフェース1400、メモリ1500及び制御部1600の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ1100は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ1100は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0032】
ヒータ1200は、制御部1600の制御によってバッテリ1100から電力を供給される。ヒータ1200は、バッテリ1100から電力を供給されてエアロゾル生成装置1000に挿入されたシガレットを加熱するか、エアロゾル生成装置1000に装着されたカートリッジを加熱することができる。
【0033】
ヒータ1200は、エアロゾル生成装置1000の本体に位置する。または、ヒータ1200は、カートリッジに位置する。ヒータ1200がカートリッジに位置する場合、ヒータ1200は、本体及び/またはカートリッジに位置したバッテリ1100から電力を供給される。
【0034】
ヒータ1200は、任意の適した電気抵抗性物質によって形成される。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ1200は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0035】
一実施例において、ヒータ1200は、カートリッジに含まれる。カートリッジは、ヒータ1200、液体伝達手段及び保存部を含んでもよい。保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に吸収され、ヒータ1200は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ1200は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置される。
【0036】
一方、ヒータ1200は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ1200は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタが含まれてもよい。
【0037】
エアロゾル生成装置1000は、少なくとも1つのセンサー1300を含んでもよい。少なくとも1つのセンサー1300でセンシングされた結果は、制御部1600に伝達され、センシング結果によって、制御部1600は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入有無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が行われるようにエアロゾル生成装置1000を制御することができる。
【0038】
例えば、少なくとも1つのセンサー1300は、パフ感知センサーを含んでもよい。パフ感知センサーは、温度変化、流量(flow) 変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0039】
センサー1300は、温度感知センサーを含んでもよい。温度感知センサーは、ヒータ1200(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知する。エアロゾル生成装置1000は、ヒータ1200の温度を感知する別途の温度感知センサーを含むか、別途の温度感知センサーを含む代わりに、ヒータ1200自体が温度感知センサーの役割を行うことができる。または、ヒータ1200が温度感知センサーの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置1000に別途の温度感知センサーがさらに含まれてもよい。
【0040】
また、少なくとも1つのセンサー1300は、位置変化感知センサーを含んでもよい。位置変化感知センサーは、本体に対して移動自在に結合されたスライダの位置変化を感知することができる。
【0041】
ユーザインターフェース1400は、ユーザにエアロゾル生成装置1000の状態についての情報を提供する。例えば、ユーザインターフェース1400は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)やデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0042】
メモリ1500は、制御部1600で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ1500は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によって具現される。
【0043】
メモリ1500には、エアロゾル生成装置1000の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存される。
【0044】
制御部1600は、エアロゾル生成装置1000の全般的な動作を制御するハードウェアである。制御部1600は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアとしても具現されるということを、当該実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0045】
制御部1600は、センサー1300によってセンシングされた結果を分析し、後続して行われる処理を制御する。
【0046】
制御部1600は、センサー1300によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ1200の動作が開始または終了されるように、ヒータ1200に供給される電力を制御することができる。また、制御部1600は、少なくとも1つのセンサー1300によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ1200が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように、ヒータ1200に供給される電力の量、及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0047】
一実施例において、制御部1600は、エアロゾル生成装置1000に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ1200の動作を開始するために、ヒータ1200のモードを予熱モードとして設定することができる。また、制御部1600は、パフ感知センサーを用いてユーザのパフを感知した後、ヒータ1200のモードを予熱モードから動作モードに切り換えることができる。また、制御部1600は、パフ感知センサーを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、ヒータ1200への電力供給を中断することができる。
【0048】
制御部1600は、少なくとも1つのセンサー1300によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース1400を制御することができる。例えば、パフ感知センサーを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、制御部1600は、ユーザインターフェース1400(例えば、ランプ、モータ及びスピーカなど)を用いてユーザにエアロゾル生成装置1000の終了を予告する。
【0049】
一方、
図1には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1000は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1000のバッテリ1100を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置1000は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置1000のバッテリ1100を充電することができる。
【0050】
図2は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保持する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0051】
図2に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置1000は、エアロゾル生成物質を保持するカートリッジ200と、カートリッジ200を支持する本体10と、を含む。
【0052】
カートリッジ200は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ200の一部が本体10の収容空間19に挿入されることでカートリッジ200が本体10に装着される。
【0053】
カートリッジ200は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保持することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0054】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうちいずれか1つの成分や、それらの成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0055】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれてもよい。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成される。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンとして、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0056】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置1000の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、ベンゾ酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ホルム酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、タルタル酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸または、リンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または、前記群から選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されない。
【0057】
カートリッジ200は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することでカートリッジ200の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気体の相に変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気が混合された状態の気体を意味することができる。
【0058】
例えば、カートリッジ200は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることでエアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ200が自体の電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ200に伝達する電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ200が作動することでエアロゾルを発生させうる。
【0059】
カートリッジ200は、内部にエアロゾル生成物質を収容する保存部210と、保存部210のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を行う霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0060】
保存部210が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、保存部210が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に収容する機能を行うことと、保存部210の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことを意味する。
【0061】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(wick;ウィック;芯)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。明細書全般にわたって液体伝達手段は、ウィックまたは芯とも称される。
【0062】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つを含んでもよい。
【0063】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントによって具現されるか、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されてもよい。
【0064】
また、霧化器は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能と、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能とを共に行うメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によって具現される。
【0065】
カートリッジ200の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部で視覚的に確認するように、カートリッジ200の保存部210は、少なくとも一部が透明素材を含んでもよい。保存部210は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように保存部210から突出する突出窓210aを含む。マウスピース220及び保存部210の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によって作製され、保存部210の一部にあたる突出窓210aだけが透明素材によって作製される。
【0066】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ200の保存部210が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを介してカートリッジ200に電力を提供するか、カートリッジ200の作動に係わる信号をカートリッジ200に供給することができる。
【0067】
カートリッジ200の保存部210の一側端部には、マウスピース220が結合される。マウスピース220は、エアロゾル生成装置1000のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース220は、保存部210内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔220aを含む。
【0068】
エアロゾル生成装置1000は、外部空気を流入させる少なくとも1つの空気通路を含んでもよい。例えば、空気通路は、本体10の収容空間19と本体10に結合するカートリッジ200の一側端部との間に形成される空間である。空気通路を通じて流入された空気は、カートリッジ200を通過した後、マウスピースを通じて排出される。例えば、エアロゾル生成装置1000に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。
【0069】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動自在に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ200のマウスピース220の少なくとも一部を覆うか、マウスピース220の少なくとも一部を外部に露出させる機能を行う。スライダ7は、カートリッジ200の突出窓210aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0070】
スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有する。スライダ7の構造は、図示されたように、筒状に制限されるものではなく、本体10の縁部に結合された状態を保持しつつ、本体10に対して移動自在なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板の構造や、湾曲された円弧状の断面形状を有する折り曲げられた半円筒状などの構造を有することができる。
【0071】
スライダ7は、本体10とカートリッジ200に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は、永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0072】
磁性体は、互いに対向する2つの第1磁性体8aと、互いに対向する2つの第2磁性体8bとを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向である本体10の長手方向(例えば、本体10が延びる方向)に沿って互いに離隔して配置されてもよい。
【0073】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間に、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を挟んで互いに対向するように2つが設けられてもよい。
【0074】
スライダ7の位置によって、固定磁性体9と第1磁性体8a、または固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によってスライダ7は、マウスピース220の端部を覆うか、露出させる位置に安定して保持される。
【0075】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間に、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bの移動する経路上に配置される位置変化感知センサー3を含む。位置変化感知センサー3は、例えば、磁場の変化を感知して信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサー(hall IC)を含んでもよい。
【0076】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置1000において、本体10、カートリッジ200、及びスライダ7は、長手方向を横切る方向での断面形状が略長方形であるが、実施例は、そのようなエアロゾル生成装置1000の形状に限定されない。エアロゾル生成装置1000は、例えば、円形や楕円形や正方形やさまざまな形態の多角形の断面形状を有する。また、エアロゾル生成装置1000が必ずしも直線状に延びる構造に制限されるものではなく、ユーザが把持しやすく、例えば、流線形に湾曲されるか、既定の角度に折り曲げられる。
【0077】
図3は、
図2に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0078】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース220の端部を覆う位置に配置される。その状態では、マウスピース220が外部の異物から安全に保護され、清潔な状態に保持される。
【0079】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを介してカートリッジの突出窓210aを視覚的に確認することで、カートリッジが保持するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置1000を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0080】
図4は、
図2に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0081】
図4では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース220の端部を外部に露出させる位置に配置される。その状態で、ユーザが自分の口腔にマウスピース220を挿入してマウスピース220の排出孔220aを通じて排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0082】
スライダ7がマウスピース220の端部を外部に露出させる位置に配置された状態でも、スライダ7の長孔7aを介してカートリッジの突出窓210aが外部に露出されるので、ユーザがカートリッジが保持するエアロゾル生成物質の残量を視覚的に確認することができる。
【0083】
図5は、実施例によるエアロゾル生成装置のカートリッジの断面図であり、
図6は、
図5の一部を拡大した図面であり、
図7は、
図5のカートリッジの分離斜視図である。
【0084】
図5及び
図6を参照すれば、カートリッジ200は、保存部210、芯230、エアロゾル排出通路270及び栓240を含んでもよい。保存部210は、エアロゾル生成物質を保存することができる。栓240は、保存部210の一端部に結合されることで、エアロゾル生成物質を密封することができる。芯230は、保存部210と連結されて、保存部210に保存されたエアロゾル生成物質を加熱要素235に伝達することができる。加熱要素235は、芯230のエアロゾル生成物質を加熱することで気化されたエアロゾルを生成することができる。気化されたエアロゾルは、エアロゾル排出通路270を通じて排出される。
【0085】
明細書全般において、y軸方向は、エアロゾル排出通路270が延びる一方向であり、エアロゾルがエアロゾル排出通路270によって排出される方向である。一般的にy軸方向は、ユーザに近くなる近位方向と一致する。y軸方向の反対方向は、重力方向と一致してもよいが、エアロゾル生成装置の利用形態によってエアロゾル生成装置が傾いた場合、重力方向と必ずしも一致するものではない。明細書において、y軸方向は、上方、y軸方向の反対方向は、下方とも称される。
【0086】
x軸の延長方向は、y軸の延長方向を横切る方向であり、x軸の延長方向とy軸の延長方向は、垂直方向でもある。
【0087】
保存部210は、外壁及び外壁で取り囲まれた空き空間を含む。保存部210の空き空間には、エアロゾル生成物質が保存される。保存部210の外壁は、カートリッジ200の外観を形成するハウジングでもある。
【0088】
保存部210の下端には、開口が形成される。保存部210下端の開口には、栓240が結合され、保存部210及び栓240は、エアロゾル生成物質を保存する空間を形成することができる。保存部210が栓240と分離された状態で開口を介してエアロゾル生成物質が保存部210に注入された後、栓240が結合して開口を密封することができる。保存部210が密封されることで、エアロゾル生成物質が保存部210の外部に漏出されることが防止される。
【0089】
一実施例によれば、保存部210の上端には、開口が形成される。保存部210上端の開口には、栓240が結合され、保存部210及び栓240は、エアロゾル生成物質を保存する空間を形成することができる。
【0090】
保存部210は、多様な形状によって作製され、一実施例によれば、保存部210は、y軸に沿って延びる円筒状または直方体などの形状を有することができる。
【0091】
保存部210は、エアロゾル排出通路270を取り囲みながら包囲する形状でもある。その場合、保存部210の高さ(例えば、y軸方向の長さ)は、エアロゾル排出通路270の長さに対応するだけ上下方に延びる。
【0092】
芯230は、保存部210と連結され、保存部210からエアロゾル生成物質を運んで加熱要素235に伝達することができる。芯230は、液体またはゲルのエアロゾル生成物質を吸収する吸湿性繊維でもある。芯230は、保存部210と連結された端部を通じてエアロゾル生成物質を吸収することで、エアロゾル生成物質を運搬することができる。または、一実施例によれば、芯230は、細管状であり、毛細管現象を用いて管内部を通じてエアロゾル生成物質を運搬することができる。
【0093】
芯230の形態は、様々であり、例えば、芯230は、x軸方向に延びる細長形でもある。
【0094】
芯230の両端部または一端部は、保存部210と連結される。芯230と保存部210が連結されることは、エアロゾル生成物質が芯230に沿って保存部210から排出されることを意味する。保存部210内のエアロゾル生成物質は、芯230を介さず、保存部210外部への漏出が防止される。
【0095】
加熱要素235は、芯230を介して運搬されたエアロゾル生成物質を加熱し、加熱温度がエアロゾル生成物質の気化温度以上になれば、エアロゾル生成物質が気化されてエアロゾルが生成される。
【0096】
加熱要素235は、芯230の一領域に配置される。加熱要素235は、エアロゾル排出通路270の延長線上に位置する。例えば、
図5に図示されたように、加熱要素235は、細長形芯230の中央領域に配置される。すなわち、加熱要素235は、エアロゾル排出通路270の2脚272-1、272-2の間に位置する。これにより、加熱要素235は、エアロゾル排出通路270及び芯230によって形成される気化チャンバに位置しうる。
【0097】
加熱要素235は、芯230を取り囲むコイル状でもある。または、加熱要素235は、芯230から離隔配置された状態で、芯230に熱を伝達することもできる。
【0098】
エアロゾル排出通路270は、加熱によって気化されたエアロゾルが排出される経路を提供する。エアロゾル排出通路270は、y軸方向に延び、エアロゾルは、エアロゾル排出通路270に沿ってy軸方向に移動することができる。エアロゾル排出通路270の一応(one end)には、マウスピースが位置し、エアロゾル排出通路270の他端(the other end)には、芯230及び栓240が位置する。
【0099】
エアロゾル排出通路270は、保存部210によって取り囲まれる。エアロゾル生成物質は、保存部210の外壁と、エアロゾル排出通路270の外壁との間に形成された空間に保存される。
【0100】
B-B’延長線は、エアロゾル排出通路270の中央線である。すなわち、B-B’延長線は、エアロゾル排出通路270の幅(例えば、x軸方向の長さ)を半分に分ける。この際、B-B’延長線は、保存部210の中央に位置する。一実施例によれば、保存部210及びカートリッジ200は、B-B’延長線を基準に対称でもある。
【0101】
エアロゾル排出通路270の下端部は、芯230と接触して芯230を固定させることができる。エアロゾル排出通路270の下端部は、多様な形状でもあり、例えば、エアロゾル排出通路270の下端部は、互いに異なる方向に延びる第1脚272-1及び第2脚272-2を含んでもよい。
【0102】
エアロゾル排出通路270の上端部は、マウスピース220と連結される。マウスピース220の幅(例えば、x軸方向の長さ)は、エアロゾル排出通路270の幅より広い。一実施例によれば、エアロゾル排出通路270の上端部は、液溢れ防止部280と連結され、液溢れ防止部280は、マウスピース220と連結される。液溢れ防止部280の幅は、エアロゾル排出通路270の幅より広い。これにより、エアロゾルは、エアロゾル排出通路270の上端部からマウスピース220に移動し、エアロゾルが冷却されて生成された液滴は、液溢れ防止部280の底に落下して収集される。
【0103】
気化チャンバは、エアロゾル生成物質が気化されてエアロゾルが生成される領域である。例えば、気化チャンバは、エアロゾル排出通路270の下端部と接触し、エアロゾル排出通路270の下端部及び芯230によって取り囲まれた空間である。気化チャンバには、加熱要素235が配置される。加熱要素235から発生した熱は、気化チャンバ内に留まり、これにより、気化チャンバ内の加熱効率が向上する。気化チャンバで気化されたエアロゾルは、エアロゾル排出通路270に沿って上側に移動する。エアロゾルの一部は、排出通路に沿って移動しながら冷却して再び液化し、液滴(droplet)が形成される。液滴は、落下して栓240の液滴収容部250に収集される。
【0104】
栓240は、保存部210の開口に結合してエアロゾル生成物質が保存される空間を形成し、開口を密封することができる。
【0105】
実施例によれば、栓240は、保存部210の開口に緩い嵌合方式で結合しつつ、開口の内壁に密着される密封部を含むこともできる。または、実施例によれば、栓240は、保存部210の開口としまり嵌合方式で結合してもよい。
【0106】
液滴収容部250は、栓240に形成される陥入部であって、陥入された空間に液滴を収容する。液滴収容部250は、栓240の上部表面から下側に陥入された空間である。液滴収容部250は、側壁252d及び底壁252b、254bを含み、底壁252b、254bは、下方に陥入される。すなわち、底壁252b、254bは、マウスピースから遠ざかり、栓240の下端部に近くなる方向に陥入される。
【0107】
液滴収容部250は、エアロゾル排出通路270のB-B’延長線上に位置する。これにより、エアロゾル排出通路270で生成された液滴がB-B’延長線に沿って落下すれば、液滴収容部250に到逹する。これにより、液滴は、他の構成要素を経ず、直ちに液滴収容部250に到逹するので、液滴収容部250は、液滴を効果的に収集することができる。
【0108】
液滴収容部250は、複数の陥入部を含んでもよい。例えば、液滴収容部250は、第1深さほど陥入された第1陥入部252及び第1深さよりも深い第2深さほど陥入された第2陥入部254を含んでもよい。第1陥入部252は、第1深さほど延びる側壁252d及び底壁252bを含み、第2陥入部254は、第2深さほど延びる側壁254d及び底壁254bを含む。
【0109】
第1陥入部252の幅(例えば、x軸方向の長さ)は、エアロゾル排出通路270の下端部の幅に対応する。第1陥入部252の幅は、気化チャンバの幅より大きいか、実質的に一致する。これにより、第1陥入部252は、気化チャンバから落下する液滴を効果的に収集することができる。例えば、第1陥入部252は、保存部210と芯230との間で漏れるか、エアロゾル排出チャンバから落下する液滴を収集することができる。
【0110】
第2陥入部254は、液滴収容部250がエアロゾル排出通路270のB-B’延長線と合う所(例えば、液滴収容部250の中央)に位置する。したがって、エアロゾル排出通路270からB-B’延長線に沿って落下する液滴は、第2陥入部254に到逹する。
【0111】
第2陥入部254の幅は、第1陥入部252の幅よりも短い。第2陥入部254の幅は、エアロゾル排出通路270の幅に対応する。例えば、第2陥入部254の幅は、エアロゾル排出通路270の幅は、実質的に一致することができる。これにより、第2陥入部254は、エアロゾル排出通路270からB-B’延長線に沿って落下する液滴を効果的に収集することができる。
【0112】
第2陥入部254のy軸への深さは、第1陥入部252のy軸への深さよりさらに深い。すなわち、第2陥入部254は、第1陥入部252よりマウスピースからさらに遠く離隔されて位置する。気化チャンバ内でエアロゾル排出通路270のB-B’延長線上で液滴の分布量が最も多いので、第2陥入部254は、第2深さほど陥入されて多量の液滴を収容する空間を確保する。したがって、液滴収容部250は、B-B’延長線上で第2陥入部254を通じて効果的に液滴を収集して多量の液滴を収容し、第1陥入部252を通じて気化チャンバの全体領域で生成された液滴を収容することができる。
【0113】
また、第1陥入部252が下方に第1深さ以上陥入されるようになれば、栓240の剛性が弱化される。したがって、液滴収容部250は、栓240の剛性が保持される程度に陥入される。
【0114】
栓240には、外部空気が流入される空気流入通路260が形成される。空気流入通路260は、栓240に形成される空き空間の流路である。
【0115】
空気流入通路260は、外部空気が流入される流入口262h、外部空気が栓240から排出されて気化チャンバ内部に進入する流出口264h、流入口262hと流出口264hとを連結する第1経路262及び第2経路264を含んでもよい。
【0116】
流入口262hは、栓240の下側面に形成される。流入口262hは、B-B’延長線から離隔して位置することができる。これにより、エアロゾル排出通路270から落下する液滴が流入口262hに侵透することと、流入口262hを通じて入ってくる外部空気と液滴とが混合することが防止される。
【0117】
第1経路262は、y軸方向に外部空気を流入させることができる。
【0118】
第1陥入部252は、第1深さほど陥入されているので、第1経路262の出口より下側に位置する。したがって、第1経路262は、第1陥入部252の底壁252bより上側に外部空気を流入させることができる。すなわち、第1経路262は、第1陥入部252の底壁254bよりy軸方向に離隔された地点で外部空気を流入させることができる。カートリッジ200内部に延びる第1経路262の一端部は、底壁252bからエアロゾル排出通路270の延長方向に離隔されうる。これにより、第1深さの段差によって第1陥入部252に収容された液滴が第1経路262に流入されることが防止される。
【0119】
第2経路264は、第1経路262を通過した外部空気をx軸に沿って流入することができる。すなわち、第2経路264は、第1経路262と異なる方向に沿って流入することができる。第2経路264によって流入口262hがB-B’延長線から離隔されうる。例えば、流入口262hは、第2経路264の長さだけB-B’延長線から離隔されうる。
【0120】
一実施例において、複数の流入口262hが提供され、複数の第2経路264に連結される。また、複数の第2経路264が複数の第1経路262に連結される。
【0121】
複数の流入口262hは、B-B’延長線を基準に両側に配置される。流入口262hは、第1流入口262h及び第2流入口262h-2を含み、第1流入口262h及び第2流入口262h-2は、B-B’延長線を基準に反対側に位置する。この際、液滴収容部250は、第1流入口262hと第2流入口262h-2との間に配置される。
【0122】
第1流入口262hを通じて流入された外部空気は、上述したように第1経路262及び第2経路264を通過することができる。第2流入口262h-2を通じて流入された外部空気は、第3経路262-2を通じてy軸方向に移動し、第4経路264-2を通じてx軸方向に移動することができる。
【0123】
第2経路264を通過した外部空気及び第4経路264-2を通過した外部空気は、併合され、流出口264hを通じて栓240から排出されて気化チャンバ内部に進入することができる。
【0124】
図7を参照すれば、栓240は、栓上部244及び栓下部242を含んでもよい。栓上部244及び栓下部242は、互いに結合され、分離される。栓上部244及び栓下部242が結合されることにより、栓240の内部に空気流入通路260が形成される。
【0125】
栓上部244は、栓下部242と結合されて第2経路264及び第4経路264-2を形成することができる。栓上部244は、加熱要素235の端部と連結される。栓上部244には、加熱要素235の端部が固定される突出部246が形成される。
【0126】
栓下部242は、流入口262h、第1経路262、及び第3経路262-2を含んでもよい。第1経路262及び第3経路262-2は、栓上部244の上面まで延びる。
【0127】
カートリッジ200は、バッテリ1100から加熱要素235に電力を伝達する端子290を含んでもよい。カートリッジ200がバッテリ1100に結合されるとき、端子290は、バッテリ1100と電気的に連結される。加熱要素235の両端部は延びて端子290に電気的に連結される。
【0128】
端子290は、カートリッジ200の下端部に配置される。例えば、端子290は、栓下部242に配置される。端子290は、第1陥入部252の下側に配置される。加熱要素235の両端部は、栓上部244及び第1陥入部252を通過して端子290に連結される。この際、第1陥入部252の液滴が加熱要素235の両端部に接触しないように、加熱要素235の両端部は、絶縁体によって取り囲まれる。または、液滴が非伝導性である場合、加熱要素235の両端部が絶縁される必要はない。
【0129】
図1の制御部1600及びユーザインターフェース1400のように、図面においてブロックで表現される構成要素、エレメント、モジュールまたはユニット(この段落では、総じて「構成要素」と称する)のうち、少なくとも1つは、一実施例によって、前述した個別的な機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウエア構造によっても具現される。例えば、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御を通じて個別的な機能を行うメモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような直接回路構造を用いてもよい。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、特定論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令語を含むモジュール、プログラム、またはコードの一部によっても具体的に具現され、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置によって実行される。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、個別的な機能を処理する中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、プロセッサによっても具現される。そのような構成要素の2つ以上は、全ての動作、または結合された2つ以上の構成要素の機能を行う1つの単一構成要素に結合される。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つの機能の少なくとも一部は、そのような構成要素のうち、他の1つによって行われる。また、前述したブロック図にバスが図示されていなくても、構成要素間の連結は、バスを通じて行われる。前述した例示的な実施例の機能的側面は、1つ以上のプロセッサを行うアルゴリズムによっても具現される。それに付け加えて、ブロックまたは処理段階によって表現される構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理などのための任意の数の関連技術を用いてもよい。
【0130】
この実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態によって具現される可能性があるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。