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特開2022-132413帯電による水の即時ライン上炭酸化の方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132413
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】帯電による水の即時ライン上炭酸化の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 21/00 20220101AFI20220901BHJP
   B01F 23/2326 20220101ALI20220901BHJP
   B01F 23/236 20220101ALI20220901BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20220901BHJP
   B01F 101/14 20220101ALN20220901BHJP
【FI】
B01F21/00 101
B01F23/2326
B01F23/236
B01F35/71
B01F101:14
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112437
(22)【出願日】2022-07-13
(62)【分割の表示】P 2019535204の分割
【原出願日】2017-09-12
(31)【優先権主張番号】62/393,604
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500073814
【氏名又は名称】ペプシコ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッピエ、ジャンカルロ
(72)【発明者】
【氏名】カマリ、ファルシャド
(72)【発明者】
【氏名】マクレリーノ、ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】ミヤモト、ジョーイ
(57)【要約】
【課題】加圧及び冷却した二酸化炭素と水との混合入力流を炭酸化するための炭酸化装置を提供する。
【解決手段】第1のカートリッジが炭酸化チャンバ内に配置され、入力流と流体連通する多孔質マイクロメッシュネットと、炭酸化チャンバ出力ポートと流体連通する中央空隙とを画定する。マイクロメッシュネットは、ネットを通過する水分子の鎖を破壊して、カートリッジ内の水分子と二酸化炭素分子との間の結合を強化するように構成されている。また、ネットは、水分子に分極作用を及ぼす受動分極場を発生させることによって、ネットに衝突して通過する水分子及び二酸化炭素分子の流れに応答して結合をさらに強化する。二酸化炭素分子を捕捉し安定化させるためにカートリッジ内にビーズを設けて、水分子と二酸化炭素分子との間の結合をさらに強化してもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載した装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水及び飲用飲料の炭酸化を促進して炭酸水及び(炭酸水とシロップを混合して)炭酸飲料を生成する方法及び装置に関する。一般に、炭酸水及び他の炭酸飲料は、金属チャンバ内で加圧冷水(HO)と二酸化炭素(CO)とを混合するか、場合によっては、分注時にライン上でそれらを即時に混合して生成される。
【背景技術】
【0002】
飲料製造施設で炭酸飲料を製造する場合、得られた炭酸飲料は、ボトル、缶、又は他の配布用容器に分注される。一部の飲料は、他の飲料よりも高い炭酸化レベルで製造される。炭酸化レベルは、飲料毎に異なる。炭酸化レベルは、消費者の好みに応じて異なる。炭酸化レベルは、炭酸化をある期間に一定レベルで維持するとの要望に影響される。飲料中のCOの寿命を考慮すると、特定のPET(ポリエチレンテレフタレート)容器(例えば、炭酸飲料を入れたプラスチックボトル)では、時間の経過と共に容器の壁から二酸化炭素が漏れ出すと、飲料中の炭酸化を維持することが急にできなくなる。これは、最初は炭酸飲料に圧力が作用しているが、ボトルや缶が開けられると、二酸化炭素の泡が大気圧及び周囲温度下で飲料から急速に消散し、炭酸化が低下し始めるためである。同じことが、高圧下で二酸化炭素と冷却水とを組み合わせて強炭酸水を生成し、分注ノズル(例えばポストミックスディスペンサ)内で強炭酸水とシロップとを混合するディスペンサの使用場所(例えば、ソーダファウンテン)でも起こる。
【0003】
水中での二酸化炭素ガスの溶解度は25℃及び大気圧下で固定されることが周知である。これらの境界条件下では、水中のわずかな割合のCOのみが炭酸として存在し、水中の大部分のCOは酸に変換されずにCO(aq)として残る。すなわち、CO(aq)は水に結合せず、水から急速に解放される。水に溶解するCOの量を増やすため(発泡水を生成しなければならない場合)、食品飲料業界は、低温で冷却された水を使用し高圧下でガスと混合するプロセスを開発した。実際、水の凍結に近い温度(0℃/32°F)で水と二酸化炭素を混合すると、(冷えた)水中に保持される二酸化炭素(COaq)の量が大幅に増加する。二酸化炭素と高圧(冷却)水とを混合しながら二酸化炭素ガス圧を高めることは、飲料中の炭酸化レベルを高めるために食品飲料業界がよく使用する追加工程である。したがって、炭酸水を製造する場合、液体及び気体の両方の低温(水の凍結に近い温度、0℃)と高圧(400ポンド/平方インチ(psi)(2757kPa)超)とが、飲料製造工場でも、ポストミックス式飲料ディスペンサの使用場所でも、解決策として現在利用されている。
【0004】
一般的な炭酸飲料では、飲料が分注されるときに気泡が急速に形成される。大気圧下及び室温では、気泡(CO)が水溶液内部で成長して飲料の表面から急速に放出され、比較的短時間で「気の抜けた」飲料になる。開放されたグラスで飲むのに適した強炭酸水を製造するには、大量の二酸化炭素ガスを水に溶解させ、ガスが大気中に急速に溶解するのを防ぐ必要がある。
【0005】
水(HO)分子と二酸化炭素(CO)分子との間の電気的結合は、(炭酸の形で)水中の二酸化炭素の量を維持するための主要な要因である。この電気的結合によって、発泡水が分注された後も長い期間に亘って炭酸化レベルを維持することができる。しかしながら、HO分子とCO分子との結合は非常に弱いことが知られている(すなわち、水分子同士の結合は、二酸化炭素分子との結合よりも強い)。一般に、化学反応(CO/HO結合)及びその逆反応(CO/HO分離)が等しい速度で起こるときには、平衡条件が成立している。通常、平衡状態は、水上でのCO(ガス)の分圧によって決まる。
【0006】
水分子も二酸化炭素分子もいずれも分極分子である。後述するように、本発明は、炭酸化を提供するための従来の(低)温度及び(高)圧力の使用に加えて、水分子の伸びきり鎖が分解され、水分子と二酸化炭素分子の自然分極も促進されて水(HO)分子と二酸化炭素(CO)分子の結合を強化する方法及び装置に関する。これにより、さらに強炭酸化された水が生成され、その炭酸化レベルがより長期間にわたって維持される。
【0007】
水分子と二酸化炭素分子の分極特性を向上させることによって、特に、結合活性を促進するために分子(特に二酸化炭素分子)を捕獲することができる基板を設けることと組み合わせて、結合を強化するように分子をより容易に配向することができる。次いで、水溶液をより高いレベルまで炭酸化することができ、分注後により長期間にわたって高いレベルに炭酸化を維持することができる。
【0008】
水分子、及び程度は小さいが二酸化炭素分子を帯電させて分極を配向させることによって、2つの分子間に多数の化学結合が生成される結果、高濃度の炭酸(HCO濃度)が水中で生成されてから、得られる発泡水の低レベルのpHに変換される。例えば、純水中では、ビエルム図は大気条件下で5.7のpHを示す。分極分子の配向を向上させることによって、水分子と二酸化炭素分子との間により多くの双極子結合が形成される結果、大気圧(pCO=1気圧)下で3.6pH以下に達することができるpHの発泡水が生成される。この低いpH値のレベルは、通常、はるかに高いCO圧力レベル、すなわち、ビエルム図において5バール(500kPa)を超えるpCOレベルに相当する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
後述するように、本発明は、特に、水分子間の結合を緩和し、水分子を分極し、次いで二酸化炭素分子がより多くの水分子と結合する可能性を高めるように水分子を配向させることによって、二酸化炭素分子と水分子との間の結合を促進する方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
加圧及び冷却した二酸化炭素と水との混合入力流を炭酸化するための炭酸化装置が提供される。第1のカートリッジが炭酸化チャンバ内に配置され、入力流と流体連通する多孔質マイクロメッシュネットと、炭酸化チャンバ出力ポートと流体連通する中央空隙とを画定する。マイクロメッシュネットは、ネットを通過する水分子の鎖を破壊して、カートリッジ内の水分子と二酸化炭素分子との間の結合を強化するように構成されている。また、ネットは、水分子に分極作用を及ぼす受動分極場を発生させることによって、ネットに衝突して通過する水分子及び二酸化炭素分子の流れに応答して結合をさらに強化する。二酸化炭素分子を捕捉し安定化させるためにカートリッジ内にビーズを設けて、水分子と二酸化炭素分子との間の結合をさらに強化してもよい。
【0011】
複数の炭酸化チャンバを概して直列配置で利用してもよい。
一実施形態では、炭酸化装置は一対の炭酸化チャンバとして実装され、第1の炭酸化チャンバは円筒形のマイクロメッシュネットを含み、第2の炭酸化チャンバは複数のビーズを内部に配置する。
【0012】
別の実施形態では、炭酸化チャンバは両方とも炭酸化チャンバ内に関連マイクロメッシュネットを含み、複数のビーズがマイクロメッシュネットによって画定される領域に配置される。ネット及びビーズは、類似又は異なるサイズのものであってよい。
【0013】
一実施形態では、炭酸化チャンバは、2~400cmの内部容積を画定する。
マイクロメッシュネットは、直径2~100μで5~800μの開放メッシュ面積を画定するステンレス鋼撚り線から形成され得る。
【0014】
一実施形態では、第1の炭酸化チャンバは、直径5mmのビーズを収容する100μのマイクロメッシュネットを画定するカートリッジを含み、第2の炭酸化チャンバは、400μのメッシュネットを画定するカートリッジ及び0.5~3mmの直径を有するビーズを含む。
【0015】
炭酸化装置への入力流は、約160psi(1103kPa)の圧力及び1.5ガロン/分(GPM)(6.8l/min)の流量であると予想される。第2の炭酸化チャンバへの入力は、より低い圧力65psi(448kPa)及びより低い流量1.1GPM(5.0l/min)であってもよい。
【0016】
炭酸化チャンバからの圧力及び流量を分注に適した圧力、例えば15psi(103kPa)の圧力及び0.5~1GPM(2.3~4.5l/min)の流量に低減させるため、炭酸化チャンバの出口に流体流補償装置を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に開示される各種実施形態のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の説明及び全体を通して同じ番号が同じ部分を指す図面を参照することでよりよく理解されるであろう。
図1】本発明の一実施形態による例示的な水炭酸化工程及びシステムを示すブロック図。
図2図1のブロック図を繰り返し、システム及びプロセス全体にわたる例示的な圧力及び流量レベルを示す図。
図3】例示的なHO及びCO混合装置を示す図。
図4a】炭酸化チャンバの一実施形態を示す図。
図4b】炭酸化チャンバの第2の実施形態を示す図。
図5】炭酸化チャンバの分解図。
図6a】炭酸化チャンバの分解斜視図。
図6b】マイクロメッシュネットと共に配置されたビーズを有する炭酸化チャンバの分解斜視図。
図7a】炭酸化チャンバで使用されるメッシュフィルタを示す図。
図7b】炭酸化チャンバで使用されるメッシュフィルタを示す図。
図8】流補償装置の第1の実施形態を示す図。
図9図8に示す流補償装置の断面図。
図10図8に示す流補償装置の端面図。
図11a】本発明の一実施形態に関する測定炭酸化パラメータと、現代の炭酸化システム及びボトル入り炭酸水との比較を示す表。
図11b】本発明の一実施形態に関する測定炭酸化パラメータと、現代の炭酸化システム及びボトル入り炭酸水との比較を示す表。
図12】流補償装置の第2の代替的実施形態の斜視図。
図13図12に示す流量補償装置の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概して、本発明は、水又は他の飲料の炭酸化を向上させる(すなわち、低温及び高圧を利用する)既存の技術及び装置を、後述する技術及び装置によって改良する。このような改良された技術及び装置は、以下より詳細に記載されるように、二酸化炭素分子と水分子との結合を増強及び増幅させるため、水と二酸化炭素の分極分子を配向させながら、水化合物の分子構造を分解することに向けられる。記載される実施形態では、技術及び装置は主に、ユースポイントソーダ水/発泡水ディスペンサと組み合わせて使用するように設計及び最適化されている。
【0019】
本発明によれば、水は、図1及び図2に概略的に示す工程及びシステムを用いて炭酸化される。飲料水は外部の供給源(水源)から持ち込まれ、溶存固形分の総量を最小限に抑えるために精製される。溶解固形分の低減は、二酸化炭素の泡を合体させ、炭酸濃度を減少させるのにも有効である。供給水の精製は、水分子と二酸化炭素分子との間の結合の緩和をさらに支援する。次に、精製水は(水ポンプで)加圧され、ほぼ凍結温度まで(冷蔵庫内で)冷却される。本実施形態では、水ポンプは、0.2~5GPM(0.9~22l/min)の流量で水を供給する。
【0020】
図1図3に示す炭酸化装置10では、次に、加圧下(40~100psi)(275~689kPa)で液体の冷却水と気体の二酸化炭素の流れを混合装置40(図3に示す)で合体させて、好ましくは、流れの交点で干渉を発生させて、合流点に隣接した低圧領域を生成する。その結果、ベンチュリ効果がもたらされる。ベンチュリ効果は、混合装置40への二酸化炭素分子の流れを促進する。図3に示すように、流れる水への二酸化炭素ガスの吸収を高めるため、1つ以上の(インライン)流量制限装置41を使用してベンチュリ効果をもたらすことができる。
【0021】
二酸化炭素ノズル43、47及び水ノズル45、49は、流れの交点に設けられ、相互に略垂直に配向されて、二酸化炭素と水が合流する地点から下流に低圧領域を発生させる。上述したように、低圧領域はベンチュリ効果をもたらし、二酸化炭素と水の流れを増加させ、炭酸化チャンバに入る前に、二酸化炭素分子と水分子を初期炭酸化レベルまで混合しやすくする。
【0022】
水と二酸化炭素の増加した混合物は、第1の炭酸化チャンバ内への流れを安定化させ、第1の炭酸化チャンバ内での水分子と二酸化炭素分子の結合を軽減する可能性がある複数の層流を防止することによって、炭酸化チャンバの機能を高める。
【0023】
他の代替的実施形態では、給水ノズル45、49及び二酸化炭素供給ノズル43、47は、1つ以上のノズル(例えば、二酸化炭素ノズル43、47)が、関連付けられる水ノズル45、49からの流れ軸と略一致する前縁部を有するように配向される。前縁部をさらに丸めて加圧水の流れから傾斜させることで、傾斜した二酸化炭素ノズルの面をわたる流を増加させ、より明確な低圧領域を得ることができる。これにより、傾斜二酸化炭素ノズルに衝突する水の圧力調節に応答して、ベンチュリ、ひいては、流れのより高度な調節が可能になる。
【0024】
図1図3にさらに示すように、次いで、混合チャンバから流出する水とガスの混合物は、1つ以上の炭酸化チャンバ20を通過する。より詳細に図4a~図7a及び図7bに示す炭酸化チャンバの各種実施形態において、炭酸化チャンバは、水分子の鎖を分解し、炭酸化チャンバを通る流に対する分子の配向を向上させ、他の分子との結合により利用され得るとき分子をより安定的な位置で捕捉する機能を果たす。以下さらに詳述するように、水分子は、より配向されるように分極することができ、例えば、水素原子が、捕捉された二酸化炭素分子に向かって流方向に配向される。これにより、水分子と二酸化炭素分子との結合が強化されて、水中で高レベルの炭酸化を実現する。
【0025】
図4a~図7a及び図7bに示すように、炭酸化チャンバ20のうちの1つ以上に金属マイクロメッシュネット31、33が設けられ、マイクロメッシュネットは、マイクロネッシュ(micro-nesh)ネットへの物理的衝撃により、水分子などの分子の伸びきり鎖を破壊するような構成とサイズを有する。破壊により、流れる過程で二酸化炭素分子との結合に利用可能なより多くの水分子が生成され、水分子と二酸化炭素分子との結合をさらに強化する。分子はさらに、ガラスビーズの本体又はアレイに向けられてもよく(図4b)、図4b及び図6bに示すように、マイクロメッシュネットを有する炭酸化チャンバ31、33内、又は図4aに示すように、別個のチャンバに配置されてもよい。ビーズは微小な凹凸を含み、分子、具体的には、より大きな二酸化炭素分子を凹凸内に捕捉することができる。次いで、ビーズの不規則表面上で安定化した二酸化炭素分子は、より小さな水分子にとって略より静止した標的であり、水分子は二酸化炭素と結合して炭酸を生成し、生成された炭酸は炭酸化チャンバから流に放出される。その結果、水と安定化炭酸化分子間の結合レベルは通常、単に加圧冷却水中に二酸化炭素を圧送することによって水と二酸化炭素分子が結合される場合よりも実質上高いことが判明した。さらに、そのような圧送だけでは、より緩やかな形態の炭酸化が生じることが分かっており、多くの二酸化炭素が水性混合物中に存在する、すなわち、水分子と有効に結合していないため、炭酸が時間の経過と共に消散しやすい。
【0026】
上述したように、本発明によれば、炭素分子と水分子との結合が、分子の分極によってさらに強化される結果、分子が結合にとってより適切に配向される。そのような配向はさまざまな方法で行うことができる。本発明の一実施形態では、分子の配向は、水素分子及び二酸化炭素分子が衝突し、分解し、マイクロメッシュネットを通過する際の活動の結果として、マイクロメッシュグリッド上に受動的に生成された分極磁場によって実現される。マイクロメッシュネットのこのような受動分極は、マイクロメッシュネット(例えば、ステンレス鋼で作製されていてもよい)の上流面から電子を除去し、ネットの上流表面にわずかな一時的正電荷を、ネットの下流側により大きな負電荷を生じさせると理解される。上記の誘電分極は、ガラス棒を絹布で擦り、ガラス棒の表面からいくらかの電子を除去し、ガラス棒に一時的に正電荷を与えるときに発生するのと同じように発生すると考えられる。
【0027】
水分子がマイクロメッシュネットを通過するとき、ネット上の電荷は、水分子を流れの中の二酸化炭素分子と結合させる、及び/又はビーズの表面上で二酸化炭素分子を捕捉し安定化させるため、より正電荷を帯びた酸素原子をネットに向かって配向させ、さほど正電荷を帯びていない水素原子をネットから離れるように配向させるように水分子に影響を及ぼすと考えられる。これにより、分子とネットとの相互作用の結果として生じる上記受動分極は、水と二酸化炭素分子との双極子結合を強化する。
【0028】
あるいは、マイクロメッシュネットは、電圧源に接続された一対の同心ネットとして実装されてネットの能動的分極を提供し、ネットを通過する水分子の配向を向上させることができる。当業者には明らかなように、ネットを流れる電流の特定の配向は、水分子がネットを通過するときの水分子の所望の分極に応じて実行することができる。
【0029】
上述したように、第1の炭酸化チャンバは、流入する水とガスとの混合物を通過させるマイクロメッシュネットを含み、このネットは、好ましくは、ステンレス鋼などのマイクロメッシュ金属の1つ以上の独立したリングで形成される。炭酸水がマイクロメッシュネットを通過すると、短時間(1秒未満)で、多くの分極分子の高速通過によって弱い静電場を生成しながら水の長分子化合物を破壊し、流体混合物(水及び二酸化炭素)の分極分子が増え、水分子の短い(破壊された)鎖が二酸化炭素分子との双極子-双極子静電接続を形成する可能性が高くなる。本実施形態では、静電場は、分極分子の通過によって自己誘導され、電気誘導を生成する。同じ装置の他の実施形態は、共通のDC電源又は複数のDC電源を介して外部から電場を人工的に発生させる結果、高度に分極化された水及び気体分子は、ネット上で生成された電場に応じて即時に配向されるプロセスを利用してもよい。採用される解決策(誘導電場又は人工的に生成された電場)がいずれであっても、液体分子及び気体分子は高度に分極及び配向される。受動的に誘導された電場の場合、誘導静電場は内部を通過する分子の分極に寄与するだけでなく、分極自体が生成される電場を修正する。
【0030】
分極分子の通過によって発生する静電場は比較的弱いと予想されるが、結果的に水分子の分極が進むため、水分子と二酸化炭素分子との結合の可能性が高まる。これは、各水分子の分極度が高まるにつれて、分極度の高い水分子の総数が増加するためである。分子の長鎖を破壊し、徐々に配向させることによって、電場に応答して、水中での炭酸の(一時的)形成が増加し、その結果、水がさらに強炭酸化されることが分かった。また、水分子は、二酸化炭素分子の分散(すなわち、分注中に炭酸水が空気に曝されるときの泡立ち)を軽減する二酸化炭素分子との結合を保持することが分かった。結合が増加するにつれて、炭酸水が開放されたグラスやボトルに入れられたとき、水中での炭酸化がより高く、時間の経過に対してより耐えられるようになる。
【0031】
金属メッシュによって生成された静電場は、水分子の双極性のために、静電場に対して水分子を整列させる傾向がある。この整列が縦方向の電気歪みを引き起こすことで水分子が高密度化し、断面の膨張を含む可能性がある。縦方向電歪み及び断面膨張により、部分的に負電荷を帯びた水分子が、部分的に正電荷を帯びた系中に存在し得る炭素部分を有する二酸化炭素分子と相互作用し、安定した炭酸分子を形成する確率が高まる。
【0032】
図示される実施形態では、マイクロメッシュネットは、直径が約2~100μで、約5~800μの開放メッシュ面積を有する薄ステンレス鋼撚り線から形成される。しかしながら、マイクロメッシュネットは他の材料から形成されてもよく、撚り線/開放メッシュ面積のサイズは、特定の圧力レベル、流量、所望の炭酸化レベル、及びその他の要因に適するように変更してもよいと予想される。
【0033】
炭酸水が第1の炭酸化チャンバから排出されると、出力は第2の炭酸化チャンバに伝達され、そこで炭酸化レベルがさらに高められる。上述したように、図3に示すように、第1の炭酸化チャンバはビーズを含んでも含まなくてもよく、第2の炭酸化チャンバは、水分子及び二酸化炭素分子(まだCOaqの形状)を捕捉することができる微細な表面凹凸を有するガラスビーズをさらに含んでもよい。こうした捕捉は、炭酸水中の分子、特に、より大きな二酸化炭素分子の活動を軽減することによって、他の分子が捕捉された分子と結合するのを簡易化する。
【0034】
ガラスビーズの凹凸面上に捕捉された高活性水分子は、遊離二酸化炭素分子との結合に利用しやすくなり、水分子が炭酸水中で自由に流動する場合がそれにあたる。その工程によると、特定の直径(0.5mm~5mm)を有するガラスビーズは、結合しやすくするように正しく配向される分子衝突の割合を増加させることによって作用する表面触媒として機能する。
【0035】
衝突の10%が最初に好ましい分子配向を有する場合、表面触媒を流に添加することでそれを30%に増加させることができると予想される。つまり、水分子と二酸化炭素分子との結合形成の速度が3倍になる(他の全ての条件が同じである場合)ことを意味する。また、水分子と二酸化炭素分子が、両者が自由に動くときではなく、一方が他方よりも静止しているときに、結合する可能性が実質的に高くなることを意味する。
【0036】
水及び二酸化炭素分子と比較して、表面触媒は、水及び二酸化炭素分子の大きさよりもかなり大きな表面積を有する。一見滑らかなガラスビーズの表面は、原子規模ではかなりの凹凸を有する。その凹凸又は表面凹凸は、水分子を捕捉し安定化させる役目を果たす。これにより、水相溶性分子が捕捉された水分子に結合する能力が高める。
【0037】
ガラスビーズの表面凹凸は、二酸化炭素分子及び/又は水分子の形状又は間隔と一致する、又はそれ以外の形で適合し得る。よって、例えば、二酸化炭素分子がガラスビーズの表面に衝突して付着する場合がある。二酸化炭素が自由に動けなくなると、水分子とよく配向された衝突をする、すなわち分子が結合する可能性が劇的に高まる。このようにして、表面触媒は、炭酸を多く、遊離二酸化炭素分子を少なく生成するのを支援する結果、炭酸化がはるかに長期間持続する。
【0038】
いったん結合されると、他の衝突分子の衝撃は、捕捉された炭酸分子をガラスビーズ表面から叩き落とすことができる。捕捉されているが拘束されていない水分子又は二酸化炭素分子は、同様に放出する、又は叩き落とすことができる。しかしながら、炭酸化分子の放出は、他の受動性分子が迅速に捕捉される可能性があるため、最小限の意味しか持たないと予想される。いったん水分子と二酸化炭素分子が水素結合して炭酸を形成すると、炭酸水により容易に保持される。この結果、長期間炭酸化され、好適な味プロファイルを維持する炭酸飲料が得られる。
【0039】
好適な実施形態では、炭酸化装置10は、図1及び図2に示すように、2つの炭酸化チャンバ20を含む。しかしながら、他の実施形態は、異なる数、例えば3つ以上の炭酸化チャンバを含んでもよい。炭酸化チャンバはさまざまな寸法を有することができる。好適な一実施形態では、各炭酸化チャンバは、2~400立方センチメートルの内部容積を有する。
【0040】
図4a及び図4bは、炭酸化チャンバ21及び23を含む炭酸化装置20を示す。炭酸化チャンバ21は、円筒形のマイクロメッシュネットを有する内部を画定する。炭酸化チャンバ23は、ネット内に複数のガラスビーズを有する内部を画定する。炭酸化チャンバ21を通る入力流は、入力ポート22を通過し、出力ポート24から出る。炭酸化チャンバ番号2を通る流れは、入力ポート26を通過し、出力ポート28から出る。
【0041】
図4bに示す炭酸化装置20は炭酸化チャンバ31及び33を含む。炭酸化チャンバ31は、炭酸化チャンバ31内に配置された100μmのマイクロメッシュ35と複数の5mmガラスビーズとを有する内部を画定する。炭酸化チャンバ33は、複数の1~3mmのガラスビーズを含む400μmのマイクロメッシュネットを画定する。
【0042】
図5図6bは、キャップ部25、ベース部29、及びキャップ部25とベース部29とによって画定されるチャンバ内に配置されたカートリッジ27を有する例示的な炭酸化チャンバ23の分解図である。
【0043】
カートリッジ27は、内部チャンバ33の周りにマイクロメッシュネット34を画定し、中にガラスビーズを配置することができる。カートリッジ27は、シール部材35とキャップ25の側壁57との係合によって、キャップ25と流体封止係合するように配置されている。図6bに示すように、カートリッジ27の内部と炭酸化チャンバの入力ポートとの間の流体の流れを容易にして、ビーズ内とビーズの周囲の流体流を促進するため、開放格子39をカートリッジ27の一端に設けることができる。
【0044】
図6a及び図6bの流路の比較によって示されるように、炭酸化チャンバに出入りする流体の流れは、上部ポート又は側部ポートを通ってカートリッジに出入りするように変更することができる。
【0045】
好適な実施形態では、各炭酸化チャンバは、図4a~図7bに示すように、略円筒形状である。各炭酸化チャンバは、中空の円筒形領域を画定し、そこに金属材料製の円筒形マイクロメッシュネットが配置される。第1の炭酸化チャンバに入る水は、マイクロメッシュネットを通過した後、次の(第2の)炭酸化チャンバに送られる。図4a、図4b、及び図6bに示すように、第1の炭酸化チャンバはガラスビーズを含んでも含まなくてもよく、第2の炭酸塩化チャンバはガラスビーズを含むと予想される。ガラスビーズは、マイクロメッシュネットの内側の炭酸化チャンバ内で自由に浮遊することが好ましい。第2の炭酸化チャンバは、第1の炭酸化チャンバと同様のネットを含み得るが、図4bに示されるように、より微細なマイクロメッシュネット及びより小さな直径のビーズを有することが好ましい。炭酸化チャンバ及び流補償装置の構成及び機能を、以下より詳細に説明する。
【0046】
第2の炭酸化チャンバから排出された炭酸水は、後述する流補償器に連通させることができる。適切な流補償装置の異なる実施形態を、図8図9図10及び図12図13に示す。あるいは、流補償装置は、Everpure EV312493流補償装置又はCM Beckerインライン流制御補償器(型番D1235)などの市販の装置によって実現することができる。
【0047】
分子流はほぼ区別不能であるが、第2の炭酸化チャンバから出る炭酸水は通常、第1の炭酸化チャンバからの出るものよりも高レベルの炭酸化のものである。流補償装置は、乱流を減少させ、強炭酸水の半層流を増加させて、混合物の圧力を瞬間的に大気圧まで低下させる。さらに、流補償装置は、炭酸水の圧力及び流量をユースポイントディスペンサへの投入に適したレベル、例えば15psi(103kPa)の圧力及び0.5~1.6GPM(2.3~7.3l/min)の流量に調整するように規制する。本発明と関連して有用な流補償装置のさまざまな実施形態を、図8図10及び図12図13に示す。
【0048】
図8図10に示す実施形態では、流補償装置80は、3つの特有の要素(i)第1の流制限領域81、それに直接続く(ii)膨張領域83、ほとんどの場合、(iii)通気要素85を有する細長本体85からなる。流補償装置は、更に、細長本体(調整装置)が挿入される外側シェル87を含む。炭酸水は、流補償装置の外側シェル87に入り、延長体82と外側シェル87との間を補償装置80の出口86に向かって延びる流路を通って、延長体82の周りを周方向に流れる。延長体82の外側シェル87内への回転は、可変流制限装置として機能する。
【0049】
他の実施形態は、同じ物理的原理(圧力を下げ、流れを安定させる)を使用するが、異なる幾何学的形状で機能する補償装置を含んでよい。図12図13に示す実施形態は、流制限装置91が、炭酸化チャンバの下流に配置され、膨張チャンバ93及び通気装置95がその後に続く流補償装置90を含む。発泡水92、シロップ94及び/又は温水96を安定的に分注し、それらを大気圧で分注するため、流補償装置90を分注装置に実装することができる。
【0050】
流補償装置から出力される炭酸水の炭酸化レベル及びその他の特性を、図11a及び図11bに示す表に記載する。これらの図は、本発明の炭酸水の出力を他の市販の分注システム、並びに選択された炭酸水製品のボトルの炭酸水から測定された出力と比較したものである。
【0051】
図11a及び図11bに示すように、本発明により製造された炭酸水は、大気圧下でpH3.6を示し、他の試験された市販製品の特性として見出された期間よりも長い期間にわたって強炭酸化を維持する。よって、本発明の炭酸化レベルは、長期間にわたって高レベルの炭酸化安定性を有する強炭酸水を生成することが分かった。
【0052】
本明細書に示す詳細は例であり、単に例示的説明を目的とする。詳細は、最も有用であり、安定化した強炭酸飲料を提供する方法及び装置の各種実施形態の原理及び概念的態様に関する記載を容易に理解すると考えられるものを提供するために提示されている。この点に関して、当業者に自明となるように、各種実施形態のさまざまな特徴に関する基本的な理解及び図面と共に提示される説明を提供するうえで、必要以上の詳細、及びそれらを実際に実装する方法は示していない。
【0053】
よって、上記の説明は例示であり、限定ではない。上記の開示を前提として、当業者であれば、本明細書に開示される本発明の範囲及び精神の範囲内にある変形を考案することができると考えられる。これには、水の二酸化炭素レベルを高めて安定させる各種方法を含む。さらに、本明細書に開示される実施形態の各種特徴は、単独で、又はさまざまに組み合わせて使用することができ、本明細書に記載される特定の組み合わせに限定されることを意図しない。したがって、特許請求の範囲は、例示された実施形態に限定されるものではない。
【0054】
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
[付記1]
加圧及び冷却された二酸化炭素分子と水分子の混合入力流を炭酸化するための炭酸化装置であって、
(a)入力ポートと、出力ポートと、中央チャンバとを画定する第1の炭酸化チャンバであって、第1の炭酸化チャンバの入力ポートが入力流と流体連通している第1の炭酸化チャンバと、
(b)中央チャンバ内に配置される第1のカートリッジであって、第1の炭酸化チャンバの入力ポートと流体連通する第1のマイクロメッシュネットの多孔質外面と、前記第1の炭酸化チャンバの出力ポートと流体連通する第1のカートリッジ中央空隙とを画定する第1のカートリッジと、
(c)第1のマイクロメッシュネットの材料が、前記第1のマイクロメッシュネットを通過する水分子の鎖を破壊して第1のカートリッジの中央チャンバ内の水分子と二酸化炭素分子との結合を強化するようなサイズ及び構成を有することと、
(d)前記第1のマイクロメッシュネットが、更に、前記第1のマイクロメッシュネットを通過する水分子へ分極影響を及ぼす受動分極場を生成することによって、前記第1のマイクロメッシュネットに衝突して通過する水分子及び二酸化炭素分子の流れに応答する外面を画定し、前記中央チャンバ内の前記水分子と前記二酸化炭素分子との結合をさらに強化するように形成及び構成されることと、
(e)入力ポートと、出力ポートと、中央チャンバとを画定する第2の炭酸化チャンバであって、第2の炭酸化チャンバの入力ポートは前記第1の炭酸化チャンバの出力ポートと流体連通している第2の炭酸化チャンバと、
(f)前記中央チャンバ内に配置される第2のカートリッジであって、前記第2の炭酸化チャンバの入力ポートと流体連通する第2のマイクロメッシュネットの多孔質外面と、第2の炭酸化チャンバの出力ポートと流体連通する第2のカートリッジの中央空隙とを画定する第2のカートリッジと、
(g)前記第2のマイクロメッシュネットが、前記第2のマイクロメッシュネットを通過する水分子の鎖を破壊して前記第2のカートリッジの中央チャンバ内の水分子と二酸化炭素分子との結合を強化するようなサイズ及び構成を有することと、
(h)前記第2のマイクロメッシュネットが、更に、前記第2のマイクロメッシュネットを通過する水分子へ分極作用を及ぼす受動分極場を生成することによって、前記第2のマイクロメッシュネットに衝突して通過する水分子及び二酸化炭素分子の流れに応答する外面を画定し、前記中央チャンバ内の水分子と二酸化炭素分子との結合をさらに強化するように形成及び構成されることと
を備える、炭酸化装置。
[付記2]
付記1に記載の装置は、更に、
(i)第1のカートリッジの中央チャンバ内に配置された複数の第1のビーズを備え、第1の極性の第1のビーズが外面を画定し、前記外面の特徴は、前記外面上で二酸化炭素分子を捕捉し安定化させることで前記中央チャンバ内での水分子と二酸化炭素分子との結合をさらに強化するように形成された分子捕捉凹凸である、装置。
[付記3]
付記2に記載の装置は、更に、
(j)前記カートリッジの中央チャンバ内に配置された複数の第2のビーズであって、複数の第2のビーズが外面を画定し、前記外面の特徴は、前記第2のビーズの外面上で二酸化炭素分子を捕捉し安定化させることで前記中央チャンバ内での水分子と二酸化炭素分子との結合をさらに強化するための分子捕捉凹凸である第2のビーズを備える、装置。
[付記4]
付記3に記載の装置において、
前記第1及び第2の炭酸化チャンバが、2~400cm3の内部容積を画定する、装置。
[付記5]
付記4に記載の装置において、
前記第1及び第2のマイクロメッシュネットが、直径2~100μmのステンレス鋼撚り線から形成される、装置。
[付記6]
付記5に記載の装置において、
前記第1のマイクロメッシュネットが、5~500μmの開放メッシュ面積を画定する、装置。
[付記7]
付記6に記載の装置において、
前記第2のマイクロメッシュネットが、100~800μmの開放メッシュ面積を画定する、装置。
[付記8]
付記7に記載の装置において、
前記第1及び第2のビーズが0.5~5mmの直径を有する、装置。
[付記9]
付記7に記載の装置において、
前記第1のビーズが5mmの直径を有する、装置。
[付記10]
付記9に記載の装置において、
前記第2のビーズが0.5~3mmの直径を有する、装置。
[付記11]
付記3に記載の装置において、
前記第1のカートリッジがメッシュ数100のマイクロメッシュネットを画定し、前記第1のビーズが5mmの直径を画定し、前記第2のカートリッジがメッシュ数400のマイクロメッシュネットを画定し、前記第2のビーズが0.5~3mmの直径を画定する、装置。
[付記12]
付記3に記載の装置において、
前記入力流が160ポンド/平方インチ(psi)(1103kPa)の圧力及び1.5ガロン/分(GPM)(6.8l/min)の流速を有する、装置。
[付記13]
付記12に記載の装置において、
前記第2の炭酸化チャンバの出力ポートにおける炭酸水が、65psi(448kPa)の圧力及び1.1GPM(5.0l/min)の流速を有する、装置。
[付記14]
付記13に記載の装置は、更に、
前記第2の炭酸化チャンバの出力ポートと流体連通する流補償装置を備え、前記流補償装置が、前記第2の炭酸化チャンバからの圧力及び流速を15psi(103kPa)の圧力及び0.5~1.0GPM(2.3~4.5l/min)の流速に低減するように構成される、装置。
[付記15]
付記3に記載の装置は、更に、
前記第1の炭酸化チャンバの入力ポートと流体連通する混合装置を備え、前記混合装置が、加圧冷却水の供給源と連通する第1の入力ポートと、二酸化炭素の供給源と連通する第2の入力ポートとを有し、水と二酸化炭素とを混合して入力流を形成するように構成され、前記入力流が水溶液中に遊離水分子と二酸化炭素分子とを有する、装置。
[付記16]
付記15に記載の装置において、
前記加圧冷却水が、90psi(620kPa)の圧力及び1.8GPM(8.2l/min)の流速で前記混合装置の第1の入力ポートに供給される、装置。
[付記17]
付記16に記載の装置において、
前記二酸化炭素が75psi(517kPa)の圧力で前記混合装置の第2の入力ポートに供給される、装置。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸化装置であって、
入力ポートと出力ポートとを備える炭酸化チャンバであって、前記入力ポートは加圧及び冷却した水と二酸化炭素との混合流を受けるように構成されている、炭酸化チャンバと、
前記炭酸化チャンバ内に配置され、前記炭酸化チャンバの前記入力ポートと流体連通するカートリッジであって、前記カートリッジは多孔質外面を有する金属マイクロメッシュネットを備え、前記金属マイクロメッシュネットは、前記金属マイクロメッシュネットを通過する水分子の鎖を分解し、前記水分子を分極して、前記水分子と二酸化炭素分子との間の結合を促進するように構成されている、カートリッジと
を備える、炭酸化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の炭酸化装置において、
前記金属マイクロメッシュネットはステンレス鋼からなる、炭酸化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の炭酸化装置において、
前記金属マイクロメッシュネットは円筒形の構成を備える、炭酸化装置。
【請求項4】
請求項1に記載の炭酸化装置において、
前記金属マイクロメッシュネットの開放面積のサイズは5~800μmである、炭酸化装置。
【請求項5】
請求項1に記載の炭酸化装置において、
前記カートリッジは複数のビーズを含む空隙を画定する、炭酸化装置。
【請求項6】
請求項5に記載の炭酸化装置において、
前記複数のビーズのうちの少なくとも1つのビーズはガラスからなる、炭酸化装置。
【請求項7】
請求項5に記載の炭酸化装置において、
前記複数のビーズのうちの少なくとも1つのビーズは前記二酸化炭素分子を捕捉するように構成される凹凸を有する外面を含む、炭酸化装置。
【請求項8】
請求項1に記載の炭酸化装置において、
前記炭酸化チャンバはベース部に固定されるキャップ部を備える、炭酸化装置。
【請求項9】
請求項8に記載の炭酸化装置において、
前記カートリッジは前記キャップ部に固定される、炭酸化装置。
【請求項10】
炭酸化装置を用いて水を炭酸化する方法であって、
前記炭酸化装置の炭酸化チャンバの入力ポートに、加圧及び冷却した二酸化炭素と水との混合流を受けることと、
前記炭酸化チャンバ内に配置されるカートリッジの金属マイクロメッシュネットの多孔質外面を通過させて前記混合流を流し、水分子の鎖を分解し、前記水分子を分極することと、
前記分極した水分子を前記炭酸化チャンバ内の二酸化炭素分子と結合させ、炭酸水を生成することと
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記炭酸化チャンバの前記入力ポートと連通する混合装置内で、液体の水を二酸化炭素ガスと結合することによって前記混合流を形成することをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法において、
前記炭酸化チャンバの出力ポートに配置される流補償装置によって、前記混合流の圧力及び流速を低減することをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法において、
前記金属マイクロメッシュネットによって画定される空隙内に配置される複数のビーズに前記二酸化炭素分子を捕捉することをさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法において、
前記金属マイクロメッシュネットは円筒形の構成を備える、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法において、
前記金属マイクロメッシュネットの開放面積のサイズは5~800μmである、方法。