(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132451
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】各台装置及び遊技媒体数管理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220901BHJP
【FI】
A63F7/02 352F
A63F7/02 301C
A63F7/02 352L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113145
(22)【出願日】2022-07-14
(62)【分割の表示】P 2018167506の分割
【原出願日】2018-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 挙忠
(57)【要約】
【課題】簡易な操作で持遊技媒体数を遊技客の所望の値に合わせること。
【解決手段】封入式の遊技機20に併設された台間カード処理機10は、持玉の目標値を設定し、持玉が目標値を超過する場合に、超過分の持玉を遊技機20の遊技可能数に移行させることができる。
図1では、台間カード処理機10は、遊技客の操作により持玉の目標値を「500」に設定している(S1)。このときの持玉が「2000」であるならば、台間カード処理機10は、超過分の「1500」を遊技機20の遊技可能数に移行させ(S2)、台間カード処理機10の持玉を目標値である「500」に調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に対応付けて設置され、前記遊技媒体に係る処理を行う各台装置であって、
遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数を持遊技媒体数として記憶する持遊技媒体数記憶部と、
前記持遊技媒体数の目標値を設定する目標値設定部と、
前記目標値が設定されない場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数のうちの所定数の持遊技媒体数を前記遊技機により管理される遊技媒体数である遊技機管理媒体数に移行させる第1の移行処理部と、
前記目標値が設定された場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値を超過するならば、超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させる第2の移行処理部と
を備えたことを特徴とする各台装置。
【請求項2】
前記第2の移行処理部は、
前記目標値が設定された場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値を超過するならば、前記持遊技媒体数の再プレイ操作を伴うことなく超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させることを特徴とする請求項1に記載の各台装置。
【請求項3】
前記第2の移行処理部は、
前記遊技機管理媒体数を前記持遊技媒体数に移行させる計数処理を行った結果、前記持遊技媒体数が前記目標値を超過した場合に、超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の各台装置。
【請求項4】
前記第2の移行処理部は、
前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値に満たない場合に、前記計数処理が行われるまで待機することを特徴とする請求項1又は2に記載の各台装置。
【請求項5】
前記第2の移行処理部は、
前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値に満たない場合に、前記計数処理を促す報知を実行することを特徴とする請求項4に記載の各台装置。
【請求項6】
前記第2の移行処理部は、
所定の解除操作を受け付けるか、又は、前記持遊技媒体数を所定の記憶媒体に関連付けて排出した場合に、前記目標値の設定を解除することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の各台装置。
【請求項7】
前記第2の移行処理部は、
前記持遊技媒体数記憶部が記憶する持遊技媒体数が前記目標値と一致した場合に、前記目標値の設定を解除することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の各台装置。
【請求項8】
内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に対応付けて設置され、前記遊技媒体に係る処理を行う各台装置による遊技媒体数管理方法であって、
遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数を持遊技媒体数として持遊技媒体数記憶部に格納する持遊技媒体数格納ステップと、
前記持遊技媒体数の目標値を設定する目標値設定ステップと、
前記目標値が設定されない場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数のうちの所定数の持遊技媒体数を前記遊技機により管理される遊技媒体数である遊技機管理媒体数に移行させ、前記目標値が設定された場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値を超過するならば、超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させる移行処理ステップと
を含むことを特徴とする遊技媒体数管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に対応付けて設置され、前記遊技媒体に係る処理を行う各台装置及び遊技媒体数管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技店では、遊技媒体を介在させた遊技を提供している。例えば、パチンコ遊技では、遊技玉を遊技媒体として用い、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。このように、遊技の結果によって遊技媒体の数が増減し、遊技客は獲得した遊技媒体を賞品と交換する
ことができる。
【0003】
獲得した遊技媒体の取扱いを簡便にするため、遊技機に併設された各台装置に遊技媒体の計数機能を持たせ、計数した遊技媒体の数を持遊技媒体数としてカードに関連付けることが行われている。遊技客は、このカードを賞品カウンタで提示することにより、関連付けられた持遊技媒体数に応じた賞品と交換することができる。
【0004】
ここで、カードに関連付ける持遊技媒体数を所望の値にしたいという要望がある。例えば、希望の賞品との交換に必要となる持遊技媒体数を残し、余りを遊技で使い切りたい場合や、自身の遊技の結果を管理したい場合などに、このような要望が発生する。このため、特許文献1が開示する各台装置では、持遊技媒体数と目標値を比較して遊技客への報知を行うこととしている。具体的には、持遊技媒体数が目標値を超えていれば持遊技媒体の払出操作を促す報知を行い、持遊技媒体数が目標値に満たなければ計数を促す報知を行い、持遊技媒体数が目標値と一致した場合にその旨を報知する。
【0005】
また、最近になって、他店からの持込玉や異なる貸出レート間の持込玉の問題が顕在化してきたため、かかる持込玉が発生しない封入式の遊技機が注目されている。封入式の遊技機では、遊技客が遊技媒体に触れない構造となっており、遊技媒体を発射可能な数(以下、遊技可能数と言う)はデータとして管理されている(例えば特許文献2参照。)。
【0006】
このような封入式の遊技機に併設される各台装置では、遊技媒体の現物を自装置や遊技機が払い出すよう制御するのではなく、遊技媒体数をデータとして遊技機に送信することとなる。また、遊技を終了する際には、各台装置が遊技機から遊技可能数を取得し、持遊技媒体数に加算することになる。各台装置が遊技機から遊技可能数を取得し、持遊技媒体に加算する操作は、遊技媒体を計数する操作に対応するため、以降、本明細書では計数操作という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-093933号公報
【特許文献2】特開2002-233635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に代表される従来の技術では、遊技客が持遊技媒体数を所望の値にするための操作が煩雑であるという問題点があった。具体的には、従来の技術では、持遊技媒体数が目標値を超えている場合には、所定数の持遊技媒体を払い出す持玉再プレイ操作を繰り返すことで持遊技媒体数を目標値に合わせる必要があった。また、遊技機の上皿に保持できる遊技媒体の数には限界があるため、持遊技媒体数と目標値との差によっては持遊技媒体を充分に払い出すことができず、持遊技媒体数を目標値に合わせることができないという事態も発生していた。
【0009】
これらのことから、いかにして簡易な操作で持遊技媒体数を遊技客の所望の値に合わせるかが重要な課題となっていた。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、簡易な操作で持遊技媒体数を遊技客の所望の値に合わせることのできる各台装置及び遊技媒体数管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に対応付けて設置され、前記遊技媒体に係る処理を行う各台装置であって、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数を持遊技媒体数として記憶する持遊技媒体数記憶部と、前記持遊技媒体数の目標値を設定する目標値設定部と、前記目標値が設定されない場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数のうちの所定数の持遊技媒体数を前記遊技機により管理される遊技媒体数である遊技機管理媒体数に移行させる第1の移行処理部と、前記目標値が設定された場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値を超過するならば、超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させる第2の移行処理部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記第2の移行処理部は、前記目標値が設定された場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値を超過するならば、前記持遊技媒体数の再プレイ操作を伴うことなく超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記第2の移行処理部は、前記遊技機管理媒体数を前記持遊技媒体数に移行させる計数処理を行った結果、前記持遊技媒体数が前記目標値を超過した場合に、超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記第2の移行処理部は、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値に満たない場合に、前記計数処理が行われるまで待機することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記第2の移行処理部は、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値に満たない場合に、前記計数処理を促す報知を実行することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記第2の移行処理部は、所定の解除操作を受け付けるか、又は、前記持遊技媒体数を所定の記憶媒体に関連付けて排出した場合に、前記目標値の設定を解除することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記第2の移行手段は、前記持遊技媒体数記憶部が記憶する持遊技媒体数が前記目標値と一致した場合に、前記目標値の設定を解除することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に対応付けて設置され、前記遊技媒体に係る処理を行う各台装置による遊技媒体数管理方法であって、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数を持遊技媒体数として持遊技媒体数記憶部に格納する持遊技媒体数格納ステップと、前記持遊技媒体数の目標値を設定する目標値設定ステップと、前記目標値が設定されない場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数のうちの所定数の持遊技媒体数を前記遊技機により管理される遊技媒体数である遊技機管理媒体数に移行させ、前記目標値が設定された場合に、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された持遊技媒体数が前記目標値を超過するならば、超過分の持遊技媒体数を前記遊技機管理媒体数に移行させる移行処理ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な操作で持遊技媒体数を遊技客の所望の値に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施例に係る各台装置の概念の説明図である。
【
図2】
図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、台間カード処理機及び遊技機の外観を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した台間カード処理機及び遊技機の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、台間カード処理機の記憶部に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
【
図6】
図6は、台間カード処理機によるぴったり持玉モードの処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、ぴったり持玉モードの動作の具体例についての説明図である。
【
図8】
図8は、貯玉の調整と自動払出についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る各台装置及び遊技媒体数管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。
【0021】
本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
【実施例0022】
まず、本実施例に係る各台装置の概念について説明する。
図1は、本実施例に係る各台装置の概念の説明図である。遊技店には複数の遊技機20が設置されており、各遊技機20には各台装置である台間カード処理機10が併設される。
【0023】
遊技機20は、遊技客が遊技媒体である遊技玉に触れない構造となっている封入式の遊技機であり、遊技玉を発射可能な数を遊技可能数として管理する。遊技機20の遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技盤面から排出された遊技玉は、遊技機20の内部で搬送され、再び発射に用いられる。
【0024】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸出などの処理を実行する各台装置である。遊技玉の貸出は、遊技玉を現物で払い出すのではなく、遊技機20の遊技可能数を加算させることで行う。同様に、台間カード処理機10は、遊技客が持玉再プレイ操作を行った場合に、持玉を所定数減算し、遊技可能数に所定数を加算させる。また、台間カード処理機10は、遊技機20が管理する遊技可能数を自装置が管理する持玉に移行させることで、遊技玉の計数を行うことができる。
【0025】
さらに、台間カード処理機10は、持玉の目標値を設定し、持玉が目標値を超過する場合に、超過分の持玉を遊技可能数に移行させることができる。
図1では、台間カード処理機10は、遊技客の操作により持玉の目標値を「500」に設定している(S1)。このときの持玉が「2000」であるならば、台間カード処理機10は、超過分の「1500」を遊技機20の遊技可能数に移行させ(S2)、台間カード処理機10の持玉を目標値である「500」に調整する。
【0026】
このように、台間カード処理機10は、封入式の遊技機20に対応付けて設置され、遊技客が遊技により獲得した遊技玉を持玉として記憶し、持玉の目標値を設定して、持玉が目標値を超過する場合には超過分の持玉を遊技機20の遊技可能数に移行させることができる。このため遊技客は所望の目標値を設定するのみで、持玉を所望の値に合わせることができる。
【0027】
次に、遊技店のシステム構成について説明する。
図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。
【0028】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域を設けることもできる。
【0029】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するための入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに賞玉として付与する遊技玉の個数を記憶する賞玉メモリと、遊技客が投出可能な玉数を示す遊技可能数メモリを有している。
【0030】
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数とから、付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の払出処理を行うことができる。
【0031】
封入式の遊技機20では、賞玉数の払出処理は、賞玉数を遊技可能数メモリにおいて記憶していた遊技可能数に加算して記憶内容を更新することで行う。また、遊技可能数を台間カード処理機10の持玉数として移行させる場合には、遊技可能数メモリに保持している遊技可能数を台間カード処理機10に通知して、遊技可能数をゼロにクリアする。さらに、台間カード処理機10から玉貸操作等による遊技可能数加算の通知を受けた場合には、通知された玉数を遊技可能数に加算して記憶内容を更新する。
【0032】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信、並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
【0033】
封入式の遊技機20では、玉貸に基づく遊技玉の払出処理は、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技可能数に加算させることで行う。
【0034】
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉数、貯玉数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持玉数、貯玉数を記憶する。そして、持玉数を記憶したならば、台間カード処理機10は、カード管理装置40に対して持玉減算要求データを送信することで、カード管理装置40が管理する持玉数をゼロにクリアする。
【0035】
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持玉数から所定数を減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求データを送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数から所定数を減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。持玉再プレイ及び貯玉再プレイに基づく遊技玉の払出処理についても、対応する数を遊技機20に通知し、遊技可能数に加算させることで行う。
【0036】
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。なお、カードの排出制御は、遊技機20の遊技可能数がゼロであることを条件とすることが望ましい。
【0037】
また、台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、カード管理装置40から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
【0038】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。
【0039】
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する装置である。カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード管理装置40は、カード挿入通知データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0040】
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数をゼロクリアする。また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数をカード管理装置40が管理する持玉数に加算する。
【0041】
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力したならば、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0042】
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
【0043】
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
【0044】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連付けて、貯玉数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0045】
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられた貯玉数及び暗証番号を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、貯玉再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯玉数から所定数を減算し、減算後の貯玉数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
【0046】
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉数を賞品管理装置60に通知する。
【0047】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉数及び持玉数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又は会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉数を要求する。また、貯玉数を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
【0048】
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。
【0049】
次に、
図2に示した遊技システムの玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40に玉貸要求データを送信する。この玉貸要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データを含む。
【0050】
カード管理装置40は、玉貸要求データを受信すると、玉貸要求データのカードIDに関連付けられたプリペイド価値から所定値を減算する。そして、カード管理装置40は玉貸許可データを送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可データを受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する遊技玉数の払出処理を行う。
【0051】
次に、
図2に示した遊技システムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
【0052】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉数を台間カード処理機10に通知する。
【0053】
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉数を記憶する。そして、カードID、レートを特定するデータ及び持玉数をゼロクリアする旨を示す持玉減算要求データをカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求データを受信したならば、カードIDにより特定される各レートの持玉数をゼロクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けて持玉再プレイを行う場合には、記憶した持玉数から所定数を減算し、対応する遊技玉数の払出処理を行う。ここで、台間カード処理機10は、自機のレート以外の持玉数が存在する場合であって、自機のレート以外の持玉数を使用しての持玉再プレイが許可される設定がされている場合には、遊技客の操作に応じて、自機のレート以外の持玉数を自機のレートの持玉数に換算して持玉再プレイを行うことができる。ここで、他のレートの遊技媒体1個あたりの単価A、自機のレートの単価をBとすると、他のレートの持玉X個を減算してX×(A/B)個の払出処理を行うことができる。
【0054】
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技可能数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求データを遊技機20から受信したならば、管理移行要求データに示された遊技可能数を自装置の持玉数に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、台間カード処理機10は、カード管理装置40に対して持玉加算要求データを送信する。この持玉加算要求データは、カード返却の対象となるカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、各レートの持玉数とを含む。
【0055】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉加算要求データを送信する。この持玉加算要求データは、カード返却の対象となるカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、各レートの持玉数とを含む。
【0056】
カード管理装置40は、持玉加算要求データを受け付けたならば、カードIDに関連付けられた各レートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知データを送信する。
【0057】
次に、
図2に示した遊技システムでの貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カード又は会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDを読み取ったならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
【0058】
カード管理装置40は、台間カード処理機10から受信したカード挿入通知データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該カード挿入通知データにより特定されたレートの貯玉数と、貯玉再プレイの可能数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイを行うことのできる回数を示し、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数で貯玉数を除算した商にあたる。ただし、貯玉再プレイに上限が設定されている場合には、この上限により貯玉再プレイの可能数は制限される。
【0059】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
【0060】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するか否かを判定する。
【0061】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40に貯玉再プレイ要求データを送信する。この貯玉再プレイ要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
【0062】
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0063】
台間カード処理機10は、記憶する貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数分の遊技玉数の払出処理を行う。ここで、台間カード処理機10は、自機のレート以外の貯玉数が存在する場合であって、自機のレート以外の貯玉数を使用しての貯玉再プレイが許可される設定がされている場合には、持玉再プレイの場合と同様、遊技客の操作に応じて、自機のレート以外の貯玉数を自機のレートの貯玉数に換算して貯玉再プレイを行うことができる。また、台間カード処理機10は、払出処理の後、更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であるかを判定する。貯玉再プレイの可能数が0であれば、貯玉再プレイ操作を受付不可とする。更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受付可能とする。2回目以降の貯玉再プレイでは、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行うようにしてもよい。また、ここでは会員管理装置50が貯玉の残高を減算した後、台間カード処理機10が遊技玉の払出処理を行う場合を例示したが、貯玉再プレイ要求に基づいて遊技玉の払出処理を行った後に、貯玉の残高を減算してもよい。貯玉再プレイ要求前の貯玉再プレイデータに、貯玉再プレイの可能数が示されており、貯玉再プレイ要求を受け付けた後に残高不足が判明する事態とはならないためである。
【0064】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉数を確認し、ゼロより大きい持玉数が関連付けられたレコードが存在する場合には、該レコードの持玉数をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉数にカード管理装置40から通知された持玉数を加算する。その後、カード管理装置40は、該持玉数をゼロクリアする。
【0065】
次に、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観について説明する。
図3は、台間カード処理機10及び遊技機20の外観を示す図である。また、
図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
【0066】
図3に示すように台間カード処理機10は、状態表示部11、紙幣挿入口12a、表示操作部13、表示操作部22、カード挿入口14a及びかざし部14bを有する。
【0067】
状態表示部11は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する。紙幣挿入口12aは、遊技玉の貸出に必要な各種紙幣の挿入口である。表示操作部13は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等の操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作を受け付けるデバイスである。
【0068】
カード挿入口14aは、遊技客の所持するカードの挿入口である。かざし部14bは、会員登録に用いられた携帯端末をかざす部位であり、かざし部14bに携帯端末がかざされると、携帯端末から携帯端末の固有ID(例えばIDm)等のデータが読み取られる。
【0069】
表示操作部22は、タッチパネルディスプレイ等の表示装置であり、遊技機20の前面に位置しているものの、その入出力の制御は台間カード処理機10によって行われる。表示操作部22は、持玉の残高等の各種情報の表示、表示切替操作等の各種操作の受付などに用いられる。
【0070】
遊技機20には、遊技盤面と、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21と、計数ボタン23とが設けられている。
【0071】
計数ボタン23は、遊技機20の遊技可能数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
【0072】
次に、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の構成について説明する。
図4は、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、遊技管理部18と、記憶部16と、制御部17と、表示操作部22とを有する。
【0073】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、玉貸に使用可能なプリペイド価値、持玉数、貯玉数等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受付を行なうタッチパネル式の液晶ディスプレイ等の入出力装置である。
【0074】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る装置である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信により携帯端末の固有ID(例えばIDm)等の各種情報を読み取るインタフェース部であり、遊技客が所持する携帯端末に関連付けられた貯玉数の再プレイ等に利用される。また、リーダライタ14は、遊技客の返却操作に応じて、カード収納部に収納されたカードにカードデータ16bに示される持玉やプリペイド価値等の有価価値を関連付けて新たなカードとして発行する機能も有している。ただし、カードデータ16bに示されるプリペイド価値が0であって、持玉数が一定数に満たない場合には、返却操作があってもカードを返却しないように制御する。これは、少量の持玉を関連付けたカードが破棄されることにより、遊技店に損失が生じるのを抑止するための制御である。一定数としては、例えば持玉数に玉1個あたりの貸出単価を乗算した値がカードの価額あるいは遊技店内の最低価格の賞品となるように設定することができるが、これに限らず、遊技店の方針によって自由に設定できる。また、返却操作があってもカードを返却しないように制御する場合に、記憶している持玉を遊技機20に遊技可能数として送信することもできるが、カードが返却できない旨と持玉の再プレイを促す表示を行ってもよい。
【0075】
通信部15は、島コントローラ30を介してカード管理装置40などとの間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0076】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、カードデータ16b及び目標値データ16cを記憶する。
【0077】
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機の装置IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機の装置IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別データである。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」、0.5円レートの遊技玉に「玉4」というように、レート毎に遊技種名を設定して管理する。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。
【0078】
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bは、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉、貯玉再プレイの可能数等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。目標値データ16cは、持玉の目標値について遊技客から指定された値を示す。
【0079】
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この、遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。
【0080】
認証処理部18aは、カード管理装置40から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信するが、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止する。認証処理部18aは、認証の成否などの認証の結果をカード管理装置40に送信すると共に、表示操作部13に適宜表示制御する。
【0081】
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、カード管理装置40を介して認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
【0082】
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技可能数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技可能数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技可能数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技可能数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の遊技可能数を参考値として定期的に取得する。遊技機状態管理部18cが取得した遊技可能数は、表示操作部13などに表示制御することができる。なお、台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いてもよい。
【0083】
なお、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技可能数、「大当り」などの遊技に設定された状態、ハンドル21の操作状態をさらに取得することとしてもよい。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。
【0084】
制御部17は、台間カード処理機10の全体を制御する制御部であり、データ管理部17a、遊技設定処理部17b、目標値設定部17c及び持玉調整部17dを有する。
【0085】
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの装置IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知データをカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉数及び貯玉数の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに示されたプリペイド価値、持玉数及び貯玉数を適宜表示操作部13に表示制御する。
【0086】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知データをカード管理装置40に送信する。
【0087】
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求データをカード管理装置40に送信する。この玉貸要求データへの応答として玉貸許可データを受信したならば、データ管理部17aは、所定数の玉数を遊技機20の遊技可能数に加算させるよう遊技管理部18に指示することで払出処理を行う。
【0088】
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードデータ16bに示された持玉数から所定数を減算し、対応する玉数を遊技機20の遊技可能数に加算させるよう遊技管理部18に指示することで払出処理を行う。
【0089】
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受付可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求データへの応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数を遊技機20の遊技可能数に加算させるよう遊技管理部18に指示することで払出処理を行う。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを条件に貯玉再プレイ要求データを送信する。
【0090】
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
【0091】
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID、装置ID並びに持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信して、カードデータ16bの持玉数をゼロクリアした後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
【0092】
遊技設定処理部17bは、表示操作部13又は表示操作部22に対し、自装置状態データ16aの遊技設定に設定された現在の遊技種に対応するレートを表示するとともに、遊技客によるレートの選択を受け付ける設定がされている場合は、表示操作部13又は表示操作部22に対して選択可能なレートを表示する。遊技客が所望のレートを選択すると、遊技設定処理部17bは、選択されたレートに対応する遊技種により自装置状態データ16aの遊技設定を更新する。一方、遊技客によるレートの選択を受け付ける設定がされていない場合は、遊技中には選択可能なレートは表示されない。この場合、従業員によるリモコン操作等を受け付け、認証を行ったことを条件として、選択可能なレートが表示される。従業員がレートを選択すると、遊技設定処理部17bは、選択されたレートに対応する遊技種により自装置状態データ16aの遊技設定を更新する。また、この場合、カード管理装置40等の上位装置から遊技種の選択を指示する信号があった場合には、選択可能なレートを表示することなく、指示された遊技種により自装置状態データ16aの遊技設定を更新する。
【0093】
目標値設定部17cは、持玉の目標値を設定する処理部である。具体的には、目標値設定部17cは、表示操作部13などにより持玉の目標値を指定する入力を受け付け、受け付けた目標値を目標値データ16cとして記憶部16に格納する。
【0094】
ここで、目標値を指定する入力は、数字ボタン等による任意の数値の入力であってよいし、予め用意された複数の候補値から目標値を選択する入力であってもよい。また、目標値は、単一である必要はなく、複数設定することもできる。さらに、入力された値を目標値の基準値とし、この基準値の整数倍を全て目標値としてもよい。
【0095】
持玉調整部17dは、持玉と目標値とを比較し、持玉の値を調整する処理部である。具体的には、持玉調整部17dは、遊技客の操作に基づいて、「ぴったり持玉モード」を開始し、目標値設定部17cに目標値の設定を行わせる。
【0096】
目標値が設定されたならば、持玉調整部17dは、持玉と目標値との大小関係を判定し、判定の結果に応じた処理を行う。この判定に用いられる持玉は、カードデータ16bに示された自レートの持玉である。また、判定に用いられる目標値は、目標値データ16cに示された目標値である。
【0097】
持玉調整部17dは、持玉が目標値を超過する場合に、超過分の持玉を遊技可能数に移行させる。言い換えれば、持玉調整部17dは、変則的な玉数の持玉再プレイを自動的に実行する。遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合には、所定数の持玉が遊技可能数に移行されるが、持玉調整部17dによる持玉再プレイでは、「持玉-目標値」が持玉再プレイの玉数となる。
【0098】
また、持玉調整部17dは、持玉が目標値に満たない場合には、計数処理が行われるまで待機する。もしくは、計数処理を促す報知を行う。そして、計数処理の結果、持玉が目標値を超過したならば、超過分の持玉を遊技可能数に移行させる。
【0099】
持玉調整部17dは、持玉が目標値と一致したならば、その旨を遊技客に報知する。報知を受けた遊技客は、カード返却操作を行うことで、自身が指定した設定値分の持玉を関連付けたカードを得ることができる。
【0100】
持玉調整部17dは、カード返却を行った場合に、ぴったり持玉モードを終了する。また、解除操作を受け付けた場合にも「ぴったり持玉モード」を終了する。この他、持玉が目標値と一致した時点で「ぴったり持玉モード」を終了する構成とすることもできる。
【0101】
持玉調整部17dは、「ぴったり持玉モード」を終了した場合に、カードデータ16bの目標値を消去する。もしくは、目標値に「有効」又は「無効」を示す目標値設定フラグを設けておき、「ぴったり持玉モード」を終了した場合に、目標値設定フラグを「無効」としてもよい。この構成では、「ぴったり持玉モード」の終了後も目標値を保持し、次回以降の「ぴったり持玉モード」で用いる目標値の候補として用いることができる。
【0102】
次に、遊技機20の内部構成について説明する。遊技機20は、通信制御部24、演出制御部25、遊技制御部26及び遊技玉制御部27を有する。通信制御部24は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いてもよい。
【0103】
通信制御部24は、遊技機20の起動時に、遊技制御部26及び/又は遊技玉制御部27に設けられる制御CPUから識別情報を読出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部25、遊技制御部26及び遊技玉制御部27を起動し、遊技可能な状態とする。
【0104】
遊技制御部26は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。具体的には、遊技制御部26は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0~65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検知した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
【0105】
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
【0106】
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
【0107】
遊技制御部26は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体獲得数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
【0108】
演出制御部25は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部25a及び演出抽選部25bを有する。演出図柄抽選部25aは、遊技制御部26での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
【0109】
演出抽選部25bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
【0110】
演出制御部25は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部25は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
【0111】
遊技玉制御部27は、遊技可能数を制御する制御部である。具体的には、遊技可能数を遊技可能数メモリ27aに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技可能数を「1」減算し、入賞により付与される賞玉数を遊技可能数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技可能数メモリ27aが記憶する遊技可能数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技可能数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部27は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
【0112】
また、遊技玉制御部27は、遊技可能数メモリ27aに記憶された遊技可能数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部27は、遊技可能数メモリ27aの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技可能数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技可能数の送信を行う。
【0113】
また、遊技機20には、計数ボタン23が設けられており、この計数ボタン23が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部27に入力される。遊技玉制御部27は、計数ボタン23の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満であると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技可能数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技可能数から減算(無効化)する。また、計数ボタン23の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技可能数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技可能数から減算(無効化)する。遊技可能数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
【0114】
遊技制御部26と遊技玉制御部27とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部26が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部27が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
【0115】
次に、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例について説明する。
図5は、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
【0116】
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の装置IDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉3」が設定された状態を示している。
【0117】
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」である状態を示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「2000度数」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉数が「0玉」、玉2の持玉数が「0玉」、玉3の持玉数が「875玉」、玉4の持玉数が「500玉」である状態を示している。
【0118】
また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、貯玉再プレイの可能数が「1」であり、玉1の貯玉数が「250玉」であり、玉2の貯玉数が「0玉」であり、玉3の貯玉数が「50玉」であり、玉4の貯玉数が「0玉」である状態を示している。また、図示していないが、カード管理装置40では、カードIDに対応付けて、持玉、貯玉、プリペイド価値以外にカードの有効/無効を示す「ロック」フラグのON/OFFも記憶しており、カードの盗難が発覚した場合に従業員操作によってONにされる。これらのデータもカードデータ16bに含まれて記憶されている。さらに、この「ロック」フラグは機能(「貯玉使用」、「乗入」等)別にも設定できるようになっており、例えば遊技客の要望により「乗入」の機能だけを「ロック」の対象として、誤操作を防ぐことに用いることもできる。
【0119】
図5(c)に示す目標値データ16cは、目標値設定部17cにより設定された持玉の目標値と目標値設定のフラグを対応付けたデータである。
図5(c)では、目標値が「500」であり、目標値設定のフラグが「有効」である状態を示している。
【0120】
次に、台間カード処理機10によるぴったり持玉モードの処理手順について説明する。
図6は、台間カード処理機10によるぴったり持玉モードの処理手順を示すフローチャートである。まず、持玉調整部17dは、所定の操作(例えば「ぴったり持玉」ボタンの操作)を受け付けた場合に、「ぴったり持玉モード」を開始する(ステップS101)。
【0121】
そして、目標値設定部17cが目標値の入力用の画面を表示操作部13に表示させ、遊技客の入力に基づいて目標値を設定する(ステップS102)。設定した目標値は、目標値データ16cとして記憶部16に格納される。
【0122】
目標値設定部17cは、持玉数と目標値との大小関係を判定する持玉判定処理を行う(ステップS103)。持玉判定処理の結果、持玉が目標値よりも大きければ(ステップS104;Yes)、持玉調整部17dは、超過分の持玉を持玉払出処理により遊技可能数に移行させる(ステップS105)。この持玉払出処理により、持玉は目標値と一致する。
【0123】
持玉数が目標値以下であれば(ステップS104;No)、持玉調整部17dは、持玉が目標値未満であるか否かを判定する(ステップS106)。ここで、持玉が目標値未満でなければ、持玉と目標値が一致している。
【0124】
持玉が目標値未満でなく目標値と一致している場合(ステップS106;No)、もしくはステップS105の超過分の持玉払出処理により持玉が目標値と一致したあと、持玉調整部17dは、持玉と目標値とが一致した旨の報知を行う(ステップS108)。そして、返却操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS109)、返却操作を受け付けた場合には(ステップS109;Yes)、持玉をカードに関連付けてカードを返却する(ステップS110)。
【0125】
持玉が目標値未満である場合(ステップS106;Yes)、計数処理を促す報知を行う(ステップS107)。
【0126】
ステップS107の後、またはカードの返却操作を受け付けていない場合(ステップS109;No)、持玉調整部17dは、解除操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS112)。解除操作を受け付けていなければ(ステップS112;No)、持玉調整部17dは、ステップS103に移行して持玉判定処理を行う。計数処理などによって持玉の数が変動すれば、持玉判定処理の結果は前回と異なる場合があるからである。
【0127】
ステップS110でカード返却を行うか、解除操作を受け付けたならば(ステップS112;Yes)、持玉調整部17dは、「ぴったり持玉モード」を解除して(ステップS111)、処理を終了する。なお、持玉調整部17dは、「ぴったり持玉モード」を解除した場合に、カードデータ16bの目標値を消去するか、目標値設定フラグを「無効」とする。
【0128】
次に、ぴったり持玉モードの動作の具体例について説明する。
図7は、ぴったり持玉モードの動作の具体例についての説明図である。
図7(a)は、台間カード処理機10が、表示操作部13に表示するメニュー画面の具体例である。このメニュー画面では、「会員情報」ボタン、「持玉情報」ボタン、「持玉分割」ボタン、「ぴったり持玉」ボタン及び「戻る」ボタンが表示されている。
【0129】
「会員情報」ボタンは、遊技客が遊技店に会員登録している場合に、遊技店で管理している当該会員についての情報を表示させるための操作ボタンである。「持玉情報」ボタンは、現時点での持玉に関する情報を表示させるための操作ボタンである。「持玉分割」ボタンは、持玉を複数のカードに分割して関連付けるための操作ボタンである。「戻る」ボタンは、以前の表示画面に戻すための操作ボタンである。
【0130】
「ぴったり持玉」ボタンは、ぴったり持玉モードを開始するための操作ボタンである。「ぴったり持玉」ボタンに対する操作を受け付けると、台間カード処理機10は、「ぴったり持玉モード」を開始し、
図7(b)に示すように、持玉の目標値を指定する入力を受け付ける。
図7(b)では、数字ボタン、取消ボタン及び確定ボタンが表示され、これらのボタンの操作により500玉が目標値として設定された状態を示している。
【0131】
目標値が設定されると、台間カード処理機10は、持玉数と目標値との大小関係を判定し、判定結果に対応した処理を行う。
【0132】
持玉が目標値より大きければ、台間カード処理機10は、超過分の持玉を遊技可能数に移行させる持玉払出処理を実行する。このとき、表示操作部13は、
図7(c1)に示すように、持玉の払出中であることを示す表示を行う。
図7(c1)では、「払出中 250/1500」との表示を行っている。そして、払出が終了すれば、持玉が目標値と一致する。
【0133】
持玉が目標値と一致するならば、台間カード処理機10は、
図7(c2)に示すようにその旨を報知する。
図7(c2)では、「持玉が目標値になりました」との表示を行っている。また、持玉と目標値とを表示するとともに、解除ボタンを表示している。
図7(c2)では、持玉と目標値はともに「500」である。そして、解除ボタンが操作されたならば、台間カード処理機10はぴったり持玉モードを解除して、待機画面に戻る。また、カード返却操作が行われた場合には、目標値に等しくなった持玉をカードに関連付けてカード返却を行い、ぴったり持玉モードを解除する。
【0134】
持玉が目標値に満たない場合には、台間カード処理機10は、
図7(c3)に示すように計数処理を促す報知を行う。
図7(c3)では、「不足分を計数して下さい」との表示を行っている。また、持玉と目標値とを表示するとともに、解除ボタンを表示している。
図7(c3)では、持玉は「400」であり、目標値は「500」である。そして、解除ボタンが操作されたならば、台間カード処理機10はぴったり持玉モードを解除して、待機画面に戻る。また、計数操作が行われた場合には、持玉が加算されるので、再び持玉数と目標値との大小関係を判定し、判定結果に対応した処理を行う。
【0135】
これまでの説明では、持玉を遊技客の所望の値に合わせる場合について説明したが、貯玉を遊技客の所望の値に合わせることも可能である。また、遊技可能数が指定玉数を下回った場合に持玉や貯玉を自動的に遊技可能数に移行させる自動払出と組み合わせることもできる。
【0136】
図8は、貯玉の調整と自動払出についての説明図である。
図8(a)は、自動払出の設定を示している。まず、表示操作部13に表示されたメニューで「自動払出」ボタンの操作を受け付けると、台間カード処理機10は、「持玉」又は「貯玉」の選択を受け付ける。ここで、持玉が選択されたならば、台間カード処理機10は、自レートの持玉から自動払出を行う。一方、貯玉が選択されたならば、台間カード処理機10は、自動払出に用いるレートの設定を受け付け、設定されたレートの貯玉から自動払出を行う。
図8(a)では、「4円」、「2円」、「1円」のうち、「4円」が選択されているので、このレートの貯玉から自動払出が行われることになる。
【0137】
図8(b)は、貯玉の調整についての説明図である。
図8(b)では、台間カード処理機10が表示操作部13に表示されたメニューで「ぴったり貯玉設定」の選択を受け付け、各レートの貯玉について残すべき玉数を設定した状態を示している。具体的には、4円貯玉を1000玉残し、2円貯玉を2000玉残す設定を行っており、1円貯玉については残すべき玉数を設定していない状態である。
【0138】
図8(c)に示すように、自動払出で設定した貯玉が設定した玉数に到達したならば、台間カード処理機10は、次に自動払出に用いるレートの選択を受け付ける。
図8(c)では、「4円貯玉が残り1000玉になりました。次に使用するレートを選んでください。」とのメッセージを表示し、2円貯玉と1円貯玉のいずれかを選択可能としている。
【0139】
このように、自動払出、持玉の調整、貯玉の調整を行うことで、遊技客の利便性を向上することができる。なお、
図8で貯玉が自動払出によって設定した玉数になった後には確認画面を表示しているが、予め貯玉の使用順序を設定し、使用する貯玉を自動的に切り替える構成としてもよい。持玉と貯玉との間で自動払出の使用対象を切り替え可能に構成してもよい。
【0140】
上述してきたように、本実施例では、台間カード処理機10は、封入式の遊技機20に対応付けて設置され、遊技客が遊技により獲得した遊技玉を持玉として記憶し、持玉の目標値を設定して、持玉が目標値を超過する場合には超過分の持玉を遊技機20の遊技可能数に移行させることができる。このため遊技客は所望の目標値を設定するのみで、持玉を所望の値に合わせることができる。
【0141】
また、目標値の設定時点に限らず、計数により持玉が目標値を超過した場合にも、超過分の持玉を遊技機20の遊技可能数に移行させることができる。したがって、持玉が目標値に満たない場合には、台間カード処理機10は、計数処理が行われるまで待機する。もしくは、計数処理を促す報知を実行する。
【0142】
また、台間カード処理機10は、所定の解除操作を受付けるか、持玉をカードに関連付けて排出した場合に、目標値の設定を解除する。この他、持玉が目標値と一致した場合に、目標値の設定を解除することも可能である。
【0143】
なお、本実施例では計数処理が行われた場合に、目標値を超過するまで持玉が増加した後に超過分を持玉払出処理で遊技可能数に戻す場合を例示したが、計数処理において持玉が目標値となった場合に計数処理を停止させる構成としてもよい。
【0144】
また、本実施例では、目標値を数値で指定する構成を例示したが、目標値の候補から選択可能としても良い。目標値の候補は、遊技客による利用実績から決定しても良いし、賞品との交換に使用しやすい値としてもよい。
【0145】
また、上述の実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。
【0146】
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。