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特開2022-132530商品販売データ処理システム、登録装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132530
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム、登録装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20220901BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 321K
G07G1/12 321Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114909
(22)【出願日】2022-07-19
(62)【分割の表示】P 2020212604の分割
【原出願日】2016-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
(72)【発明者】
【氏名】福田 哲也
(57)【要約】
【課題】登録装置と精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて、精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが効率的に行われるようにする。
【解決手段】商品の登録が行われる登録装置と、登録装置により登録された商品に関する登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムとして、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段と、使用中標示に対する操作に応じて、使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段とを備えて構成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の登録が行われる登録装置と、前記登録装置により登録された商品に関する登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムであって、
取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段と、
前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段と
を備える商品販売データ処理システム。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記使用中標示として、前記使用中状態にある精算装置を示すボタンを表示する
請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項3】
前記ボタンは、
精算処理を実行させる精算装置を指定する精算装置指定操作が行われる精算装置指定ボタンであって、
前記表示手段は、
前記精算装置指定操作が行われた前記精算装置指定ボタンを前記使用中状態にあることを示す態様に変更する
請求項2に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記使用中標示として、一取引ごとに対応するシートを含む商品登録画面において、シートに対応する見出し領域について、対応の取引の登録データにより使用中状態の精算装置が示されるようにする
請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項5】
前記表示手段は、
精算装置ごとに対応させた見出し領域が対応付けられたシートを含む商品登録画面において、精算処理を指示する精算指示操作が行われたことに応じて、精算指示操作が行われた見出し領域を、対応の精算装置が使用中状態にあることを示す態様に変更し、
前記呼び戻し制御手段は、
前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する
請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項6】
登録された商品に関する登録データを、前記登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置に出力する登録データ出力手段と、
取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段と、
前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段と
を備える登録装置。
【請求項7】
商品の登録が行われる登録装置として第1コンピュータを機能させ、前記登録装置により登録された商品に関する登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置として第2コンピュータを機能させる、商品販売データ処理システムのプログラムであって、
前記第1コンピュータを、
取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段、
前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段として機能させ、
前記第2コンピュータを、
呼び戻し制御手段の制御に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置に登録データを出力させる登録データ出力手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
商品の登録が行われる登録装置としてのコンピュータを、
登録された商品に関する登録データを、前記登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置に出力する登録データ出力手段、
取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段、
前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システム、登録装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の登録を行う登録装置と、登録装置により登録された商品について精算を行う精算装置とを備えるPOS(Point Of Sales)システムが知られている。
また、上記のPOSシステムにおいて、呼び戻しと呼ばれる処理が可能なものが知られている。一例として、呼び戻しは以下のようにして行われる。或る1つの取引について、登録装置から精算装置に登録データを出力した後に、商品の追加などの登録内容の変更を客から依頼される場合がある。このような場合、登録装置を操作する店員は、登録装置に対して該当の取引に対応する登録データの呼び戻しを指示する呼び戻し操作を行う。
【0003】
呼び戻し操作に応じて、精算装置における該当の取引に対応する登録データに基づく精算処理が一時的に取り消され、該当の取引に対応する登録データが精算装置から登録装置に呼び戻される。このようにして登録データが登録装置に呼び戻されることで、店員は、呼び戻された登録データについて、商品の追加登録あるいは商品の取り消しなどの訂正を行うことができる。
【0004】
上記の呼び戻し操作は、例えば以下のように行われる。登録装置を操作する店員は、まず、精算装置に出力した登録データに対応する取引のうちで精算処理が未済の取引の一覧を示す未精算一覧画面を表示させる。店員は、表示された未精算一覧画面において示される取引の一覧のうちから呼び戻し対象の登録データに対応する取引を選択する操作を行ったうえで、呼び戻しの実行を指示する操作(例えば、ボタンを押下する操作)を行う。呼び戻しの実行を指示する操作に応じて、選択された取引に対応する登録データが精算装置から戻されるようにして登録装置に出力される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-91185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現状において、精算装置が1つの登録データを使用して精算処理中の状況であっても、後続の精算処理のために精算装置が受け付け可能な登録データの数について特に制限を設けない、あるいは精算装置が受け付け可能な登録データの上限数を緩くし、比較的多めに設定するようにされたPOSシステムがある。このようなPOSシステムでは、登録装置から精算装置に送信された未精算の登録データの数が相当に多くなる。このような場合、上記のような呼び戻し操作は、未精算一覧画面に示される多数の未精算の取引のうちから訂正対象の取引を容易に特定できるため有効である。
【0007】
しかしながら、POSシステムの運用の経験上から、例えば精算装置が登録装置から受け付けることのできる登録データの数を少なく制限するほうが、会計が円滑に行われるとの認識が得られるようになってきている。このため、現状においては、精算装置が登録装置から受け付けることのできる登録データの数を例えば1つとするといったように、少なくする傾向がある。
一般に、1つの登録装置が対応する精算装置は多くとも3つ程度である。この場合において、精算装置が登録装置から受け付けることのできる登録データの上限数を1つとすれば、1つの登録装置に対応して精算装置側で未処理となる登録データの数も最大で3つとなる。未処理の登録データ数がこの程度に少なければ、店員としては、どの取引の登録データをどの精算装置に出力させたのかを覚えていることができる。
上記のようなことを考慮すると、未精算一覧画面を表示させて訂正対象の取引を選択するという呼び戻し操作は、精算装置が登録装置から受け付け可能な登録データの数を少なく制限しているPOSシステムでは、無駄な手順が生じていることになる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、登録装置と精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて、精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが効率的に行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、商品の登録が行われる登録装置と、前記登録装置により登録された商品に関する登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムであって、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段と、前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段とを備える商品販売データ処理システムである。
【0010】
また、本発明の一態様は、登録された商品に関する登録データを、前記登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置に出力する登録データ出力手段と、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段と、前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段とを備える登録装置である。
【0011】
また、本発明の一態様は、商品の登録が行われる登録装置として第1コンピュータを機能させ、前記登録装置により登録された商品に関する登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置として第2コンピュータを機能させる、商品販売データ処理システムのプログラムであって、前記第1コンピュータを、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段、前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段として機能させ、前記第2コンピュータを、呼び戻し制御手段の制御に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置に登録データを出力させる登録データ出力手段として機能させるためのプログラムである。
【0012】
また、本発明の一態様は、商品の登録が行われる登録装置としてのコンピュータを、登録された商品に関する登録データを、前記登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置に出力する登録データ出力手段、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段、前記使用中標示に対する操作に応じて、前記使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、登録装置と精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて、精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが効率的に行われるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態における登録装置と精算装置の外観例を示す図である。
図3】第1実施形態における登録装置の構成例を示す図である。
図4】第1実施形態における精算装置の構成例を示す図である。
図5】第1実施形態における商品登録画面の一態様例を示す図である。
図6】第1実施形態における登録装置が呼び戻しに関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態における精算タブの表示の一態様例を示す図である。
図8】第2実施形態における登録装置が精算タブの表示に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態における登録装置が登録データの呼び戻しに関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図10】第8変形例における訂正後の登録データに対応する商品登録画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1(商品販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図に示すPOSシステム1は、管理装置10と、1台の登録装置20と、2台の精算装置30-1、30-2とを含んで構成されている。
なお、以降の説明にあたり、精算装置30-1、30-2について特に区別しない場合には、精算装置30と記載する。
管理装置10と登録装置20と精算装置30とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に接続されている。
【0016】
なお、同図に示したPOSシステム1の構成は一例である。例えば、POSシステム1は、2台以上の登録装置20を含む構成としてもよいし、1台または3台以上の精算装置30を含む構成としてもよい。また、本実施形態のPOSシステム1は、管理装置10を含まない構成としてもよい。
なお、POSシステム1の構成として、管理装置10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、登録装置20が複数である場合には代表となる1台の登録装置20)に、管理装置10としての機能を兼用させてもよい。
【0017】
管理装置10は、POSシステム1を管理する情報処理装置であり、POSシステム1において登録装置20や精算装置30などを管理し、商品マスタなどの種々の情報を管理する。管理装置10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。
管理装置10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。
【0018】
登録装置20は、購入対象の商品を登録する商品登録処理を実行する。商品の登録は、例えば、スキャナを用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、商品登録画面に表示されたプリセットボタン等を操作することにより行われる。
また、登録装置20は、登録された商品に関するデータであって精算に用いられる情報(以下、登録データという)を生成し、記憶する。
【0019】
登録データは、当該登録データを識別するための登録データ識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、登録データは、当該登録データを生成した登録装置20(すなわち、当該登録データに係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。
登録装置識別情報は、POSシステム1における登録装置20が複数である場合には、例えば精算装置30が通信先の登録装置20を識別する場合などに利用される。
【0020】
登録データは、精算装置30において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0021】
本実施の形態では、複数の精算装置30が存在するが、複数のうちのいずれか1台が、登録装置20において生成された商品登録データを用いて精算処理を実行する。複数の精算装置30のうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様としては、下記の第1の指定態様と第2の指定態様が挙げられる。
【0022】
第1の指定態様は、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様である。
すなわち、店員が、精算装置30を指定する操作を登録装置20に対して行うことによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
なお、登録装置20において、各精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が精算装置30を指定する際に、各精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0023】
店員が精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された商品登録データを含む登録データが、指定された精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、商品登録処理に続いて精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該商品登録処理に基づく商品登録データを含む登録データを送信する。
なお、本実施の形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に登録データを送信するが、管理装置10を経由して、精算装置30に登録データを送信してもよい。
【0024】
また、第2の指定態様は、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様である。
すなわち、客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置30に読み取らせることによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
お会計券には、発行元の登録装置20を示す登録装置IDと登録データとが、バーコード(一次元コード)または2次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。精算装置30は、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される登録データから商品登録データを取得する。
【0025】
以降においては、本実施形態におけるPOSシステム1として、第1の指定態様により精算処理を実行させるべき精算装置30を指定するようにされている場合を例に挙げて説明する。
【0026】
精算装置30は、客の操作に応じて精算処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理を終了した場合には、登録装置20に精算処理の終了を通知する。
【0027】
次に、図2図4を参照して、登録装置20及び精算装置30の構成例について説明する。
図2は、登録装置20と精算装置30との外観例を示す斜視図である。図3は、登録装置20の構成例を示すブロック図である。図4は、精算装置30の構成例を示すブロック図である。
【0028】
登録装置20は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、記憶部202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、カードリーダ210を備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0029】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0030】
RAM203は、CPU201の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、管理装置10から取得した商品マスタや、商品登録処理後に生成された登録データなどを記憶する。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0031】
店員用表示部205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。
例えば、店員用表示部205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
【0032】
客用表示部205aは、客用の種々の情報を表示する。例えば、客用表示部205aは、登録した商品の価格等を表示する。客用表示部205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。
【0033】
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0034】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、お会計券を印刷して発行することができる。
【0035】
カードリーダ210は、例えばIC(Integra Circuit)カード形式のRFID(Radio Frequency Identifier)タグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0036】
図2においては、スキャナ部204、店員用表示部205、操作部206、印刷部209及びカードリーダ210を含む登録装置20の外観例が示される。
【0037】
精算装置30は、図4に示すように、CPU301と、記憶部302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312と、カードリーダ313とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0038】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
記憶部302は、CPU301の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0039】
RAM303は、CPU301の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、管理装置10から取得した商品マスタや、登録装置20から取得した登録データを記憶する。
スキャナ部304は、例えば、お会計券に印刷されたコード(バーコードまたは2次元コード)や、会員カード等に付されているコード(会員コード)を光学的に読み取る。
【0040】
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される精算画面を表示する。
【0041】
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0042】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、精算処理(すなわち、商品の買上金額の決済)が終了した場合、客が持ち帰る精算済みレシートを印刷して発行する。
【0043】
決済部310は、決済(精算)に関する処理を行う。本実施形態における決済部310が対応可能な決済の種別としては、現金による決済と、クレジットカードの使用による決済と、電子マネーの使用による決済とのうちの少なくともいずれか1つである場合を例に挙げる。
現金による決済に対応するため、決済部310は、釣銭機を備える。釣銭機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。決済部310は、釣銭機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。
また、クレジットカードの使用による決済に対応する場合、決済部310は、クレジットカードリーダを備え、クレジットカードリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
また、電子マネーの使用による決済に対応する場合、決済部310は、電子マネーリーダを備え、電子マネーリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
【0044】
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、精算装置30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ312は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(客)がいることを検知するセンサである。
【0045】
カードリーダ313は、例えばICカード形式のRFIDタグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0046】
図2においては、スキャナ部304、表示部305、操作部306、印刷部309、決済部310、サインポール311及びカードリーダ313などを含む精算装置30の外観構成が示される。
【0047】
上記のような登録装置20と精算装置30とを備える本実施形態のPOSシステム1は、登録データの呼び戻しが可能なように構成される。登録データの呼び戻しとは、精算装置30に登録データを送信した後に、登録データに基づいて精算装置30が実行すべき精算処理を保留、あるいは中止させ、送信された登録データを登録装置20に戻すことである。呼び戻しは、一般には、例えば登録装置20により登録した商品をキャンセルする場合や、買い足しのために商品を追加登録する場合などに対応して行われる。
【0048】
以下、本実施形態において登録データの呼び戻しを行わせるために店員が行う呼び戻し操作について説明する。
図5は、登録装置20の店員用表示部205に表示される商品登録画面の一態様例を示している。なお、同図に示される精算機一覧ボタンBT2と、直前呼び戻しボタンBT3とについては、後述の変形例に対応して配置されるものであることから、本実施形態のもとでの説明は省略する。
同図の商品登録画面は、1取引ごとに対応する商品登録内容を示すシート(商品登録シート)が重ねられた構造を有する。各商品登録シートにはタブ(商品登録タブ:見出し領域の一例)が付されている。同図においては、3つの商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3が表示されている。同図の商品登録画面は、これら3つの商品登録シートが重ねられた状態の構造を有する。
商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3には、登録順番号を示す数字が表示されている。登録順番号は、商品の登録が開始された順番を示す。同図においては、商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3のそれぞれに登録順番号「1」、「2」、「3」が表示されている。これは、商品の登録が開始された順番が、商品登録タブTAB1-1に対応する取引、商品登録タブTAB1-2に対応する取引、商品登録タブTAB1-3に対応する取引の順であることを示す。
なお、以降の説明にあたり、個々の商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3等について特に区別しない場合には、商品登録タブTAB1と記載する。
【0049】
本実施形態において、同図のように3つの商品登録タブTAB1が表示されているということは、登録装置30にてまだ商品登録が完了していない(商品登録中の)取引が3つあることを示している。店員は、これら3つの商品登録シートのうちで、最前面に配置される商品登録シートに対する操作を行って対応の取引についての商品登録を行うことができる。最前面よりも下に配置される商品登録シートが対応する取引については、商品登録が保留された状態である。
店員は、商品登録タブTAB1に対する操作(タッチ操作)を行うことで、操作された商品登録タブTAB1の付された商品登録シートを最前面に移動させ、最前面に移動された商品登録シートに対応する取引の商品登録を行うことができる。つまり、店員は、商品登録タブTAB1に対する操作によって複数の商品登録中の取引のうちから任意の1つの取引に対応する商品登録シートをアクティブとなるように選択し、アクティブの商品登録シートに対応する取引における商品登録操作を行うことができる。
【0050】
同図においては、商品登録タブTAB1-1の付された商品登録シートがアクティブとされた状態が示されている。アクティブとされた商品登録シートにおいては、商品ボタンエリアAR10が配置されている。商品ボタンエリアAR10においては、商品ごとに対応する商品ボタンが配置される。商品ボタンには、例えば対応の商品を示す商品名が表示されている。
店員は、商品登録操作において、商品ボタンに対する操作を行うことで、登録対象の商品の指定を行うことができる。具体的に、「商品B」との商品名の商品を登録対象として指定したい場合、店員は、商品ボタンエリアAR10において配置される商品ボタンのうち、「商品B」と表示された商品ボタンに対する操作を行えばよい。「商品B」の商品ボタンに対する操作により、「商品B」が登録対象として指定される。続けて、店員は、例えば「商品B」についての数量などを入力する操作を行うことができる。店員は、買上商品ごとに上記のような操作を行っていくことで、順次、商品の登録を行っていくことができる。
【0051】
同図の商品登録シートにおいては、現段階において2つの商品が登録されていることが示されている。具体的には、同図の商品登録シートにおける登録商品リスト領域AR11には、「商品A」、「商品B」の順で2つの商品が登録されたことが示されている。また、登録商品領域AR12には、最後に登録された「商品B」についての情報が示されている。また、合計金額領域AR13においては、これまでに登録された商品の総数が「2」であり、これら2つの商品の合計金額が1900円であることが示されている。
【0052】
また、商品登録画面においては、精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2が配置される。精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2は、それぞれ、精算装置30-1、30-2に対応し、精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作(精算装置指定操作)が行われるボタンである。
なお、精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2について特に区別しない場合には、精算装置指定ボタンBT1と記載する。
【0053】
精算装置指定ボタンBT1においては、対応の精算装置30についての現在の状態が示される。同図においては、精算装置指定ボタンBT1-1において「待機」と表示されたバッジが配置されている。この精算装置指定ボタンBT1-1の状態は、精算装置30-1が、精算処理の開始を待機している状態にあることを示す。つまり、この際の精算装置30-1は、処理が未済の登録データを記憶しておらず、新規に登録データが受信されるのを待機している状態である。
また、精算装置指定ボタンBT1-2においては、「使用中」と表示されたバッジが配置されるとともに、精算装置指定ボタンBT1-2における「精算機2」の文字に対して車線が引かれた状態となっている。この精算装置指定ボタンBT1-2の状態は、精算装置30-2が、取得された登録データに基づく精算処理が未済の状態(使用中状態の一例)であることを示す。精算処理が未済の状態とは、取得した登録データを処理対象として精算処理を開始したが、まだ精算処理が完了していない状態、あるいは、登録装置20から登録データを取得したが、取得した登録データを処理対象とする精算処理を開始していない状態である。
なお、上記のような精算装置30の状態ごとに応じて、例えば精算装置指定ボタンBT1自体の色、柄などが変更されるように表示されてもよい。
【0054】
例えば、同図の商品登録タブTAB1-1の付された商品登録シートに対応する取引についての全ての商品を登録する操作が完了すると、店員は、当該取引に対応する登録データに基づく精算処理を実行させる精算装置30を選ぶことになる。この際、店員は、精算装置指定ボタンBT1を見ることで、精算装置30-1が待機中の状態であり、精算装置30-2が使用中の状態であると把握できる。
【0055】
本実施形態においては、精算装置30が受け付け可能な登録データの上限数が「1」である場合を例に挙げる。従って、精算装置30が登録装置20から受信した1つの登録データに基づく精算処理を実行している途中において、新たに登録装置20から登録データが送信されてきたとしても、精算装置30は、送信されてきた登録データを、処理対象として受け付けないようにされる。
【0056】
この場合、精算装置30-1が使用中の状態であるから、精算装置30-1に登録データを送ることはできない。一方、精算装置30-2は待機中の状態である。待機中の状態では、精算装置30-2は、送信されてきた登録データを受け付けることができる。そこで、この場合の店員は、精算処理を実行させる精算装置30として、精算装置30-2を選ぶ。そして、店員は、精算装置指定操作として、精算装置30-2に対応する精算装置指定ボタンBT1-2に対する操作を行う。
【0057】
精算装置指定操作として精算装置指定ボタンBT1-2に対する操作が行われたことに応じて、登録装置20は、商品登録タブTAB1-1の付された商品登録シートに対応する取引についての登録データを精算装置30-2に対して送信し、精算処理を指示する。
上記のように精算装置30-2に対して登録データを送信したことに応じて、登録装置20にてこれまで表示されていた商品登録タブTAB1-1の付された商品登録シートは、商品登録画面から消去されればよい。そして、代わりに、例えば商品登録タブTAB1-2の付された商品登録シートが最前面となるように表示される。
また、このように商品登録タブTAB1-2の付された商品登録シートが最前面となるように表示された際、商品登録タブTAB1-2において表示されている登録順番号は「2」から「1」に繰り上がり、商品登録タブTAB1-2において表示されている登録順番号は「3」から「2」に繰り上がる。
【0058】
本実施形態における呼び戻し操作は、上記の商品登録画面において配置される精算装置指定ボタンBT1に対する操作を含む。つまり、本実施形態における精算装置指定ボタンBT1は、上述の精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作に加え、呼び戻し対象の登録データの送信先の精算装置30を選択する操作が行われる。
【0059】
同図の商品登録画面の状態のもとでの呼び戻し操作の具体例は以下のようになる。
同図の商品登録画面の状況のもとでは、精算装置30-2は、登録装置20から送信された登録データを処理対象とする精算処理が未済の状態(精算処理中、あるいは精算処理開始前)にある。そして、現在において精算装置30-2が処理対象としている登録データに対応する取引の客から、商品の追加登録、あるいは登録された商品の一部取り消しなどの申し出を店員が受けた。
上記の申し出を受けた店員は、対応の登録データを訂正するために、登録データの送信先である精算装置30-2に対応する精算装置指定ボタンBT1-2に対する操作を行う。
ここで、同図の精算装置指定ボタンBT1-2は、「使用中」の状態にあることが示されている。本実施形態においては、「使用中」の状態にある精算装置指定ボタンBT1に対する操作は、呼び戻し操作に含まれる1つの操作であり、呼び戻し対象の登録データの出力先の精算装置30を選択する操作(呼び戻し対象選択操作)である。同図の例の場合には、精算装置指定ボタンBT1-1は「待機」(待機中)を示し、精算装置指定ボタンBT1-2は「使用中」を示している。このため、呼び戻し対象選択操作としては、精算装置指定ボタンBT1-2のみが選択肢となる状況である。しかしながら、例えば、精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2のいずれもが「使用中」を示している場合には、精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2のいずれもが呼び戻し対象選択操作の選択肢となる。
【0060】
上記のように精算装置指定ボタンBT1-2に対する呼び戻し対象選択操作が行われたことに応じて、呼び戻し確認ダイアログボックスが、商品登録画面に重畳されるように表示される。
呼び戻し確認ダイアログボックスは、店員に呼び戻し処理の実行の可否を確認するためのダイアログボックスである。図示は省略するが、呼び戻し確認ダイアログボックスにおいては、店員が呼び戻し対象選択操作により選択した精算装置30からの登録データの呼び戻しを実行してよいか否かの確認を店員に促すメッセージが表示される。
また、呼び戻し確認ダイアログボックスにおいては、例えば「はい」ボタンと「いいえ」ボタンとが配置されている。「はい」ボタンは、店員が登録データの呼び戻しの実行を指示する際に操作するボタンである。「いいえ」ボタンは、店員が登録データの呼び戻しの実行をキャンセルする際に操作するボタンである。
【0061】
店員は、呼び戻し確認ダイアログボックスが表示された状態のもとで、呼び戻し対象選択操作により選択した精算装置30に間違いが無く、呼び戻しを行ってよいと判断したのであれば、「はい」ボタンに対する操作(呼び戻し指示操作)を行う。
上記の呼び戻し指示操作が行われたことに応じて、登録装置20は、呼び戻し処理を実行する。つまり、この場合の登録装置20は、呼び戻し対象選択操作が行われた精算装置指定ボタンBT1-2に対応する精算装置30-2に対して、登録データの戻し要求を送信する。精算装置30-2は、戻し要求の受信に応答して、処理が未済の登録データを、戻し要求送信元の登録装置20に送信する。精算装置30-2は、戻し要求に応じて送信した登録データを削除する、あるいは精算処理の対象から除外する。このように精算装置30から戻すように送信された登録データが登録装置20にて受信されることで呼び戻しが行われる。
【0062】
上記のように精算装置30から呼び戻した登録データを取得した登録装置20は、呼び戻した登録データを利用して取引訂正画面を表示させる。店員は、取引訂正画面に対する操作によって、商品の追加登録や商品の一部取り消しなどの訂正を行うことができる。訂正が完了すると、登録装置20は、訂正後の内容が反映された登録データを、呼び戻された登録データの送信元の精算装置30に送信する。精算装置30は、新たに受信された登録データに基づいて精算処理を開始する。
なお、ここでの登録データの精算装置30への送信は、登録装置20によって自動で行われてもよいし、店員の送信指示操作に応じて行われるようにされてもよい。また、送信先の精算装置30は、呼び戻された登録データの送信元となった精算装置30であってもよいし、店員の精算装置の指示操作や、精算装置30の状態などに応じて登録装置20が判断してもよい。
【0063】
一方、例えば操作ミスなどで、店員が誤って呼び戻し対象選択操作(「使用中」の精算装置指定ボタンBT1に対する操作)を行ってしまったような場合、あるいは、呼び戻し確認ダイアログボックスが表示されている段階において、客が取引の訂正の申し出を取り下げたような場合、店員は、呼び戻し確認ダイアログボックスにおける「いいえ」ボタンに対する操作を行えばよい。
「いいえ」ボタンに対する操作が行われたことに応じて、登録装置20は、呼び戻し確認ダイアログボックスを消去し、呼び戻し確認ダイアログボックスが表示される前の商品登録画面の状態に戻す。
【0064】
上記のような呼び戻し操作では、店員は、「使用中」の状態を示す精算装置指定ボタンBT1に対する操作により、登録データを呼び戻す先の精算装置30の指定を行うことができる。つまり、本実施形態の呼び戻し操作は、「使用中」の状態を示す精算装置指定ボタンBT1に対する操作により、登録データの呼び戻しの宣言とともに呼び戻す登録データの指定を行える。
これにより、店員は、呼び戻し操作として、例えば処理が未済の登録データに対応する取引の一覧を示す未精算一覧画面を表示させる操作と、表示された未精算一覧画面から訂正対象の取引を選択する操作とを行わなくともよい。即ち、本実施形態においては、呼び戻し操作として店員が行う操作手順が簡略化され、呼び戻し操作が効率的に行われる。
【0065】
図6のフローチャートを参照して、本実施形態における登録装置20が呼び戻しに関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:登録装置20は、商品登録画面が表示されている状態のもと、「使用中」の状態を示している精算装置指定ボタンBT1に対する操作が行われるのと待機する。つまり、登録装置20は、呼び戻し対象選択操作が行われるのを待機する。
ステップS102:呼び戻し対象選択操作が行われたことに応じて、登録装置20は、店員用表示部205にて、呼び戻し確認ダイアログボックスが商品登録画面に重畳して表示されるように制御する。
ステップS103:呼び戻し確認ダイアログボックスが表示されている状態のもとで、登録装置20は、呼び戻し確認ダイアログボックスにて配置されている「はい」ボタンに対する操作、即ち呼び戻し指示操作が行われたか否かについて判定する。
【0066】
ステップS104:呼び戻し指示操作が行われた場合、登録装置20は、登録データの呼び戻し処理を行う。
つまり、登録装置20は、ステップS101による呼び戻し対象選択操作により選択された精算装置30に対して、登録データの戻し要求を送信し、戻し要求に応答して精算装置30から送信された登録データを受信する。
ステップS105:ステップS104の呼び戻し処理により登録データを取得した登録装置20は、ステップS102により表示された呼び戻し確認ダイアログボックスを消去する。
ステップS106:また、登録装置20は、呼び戻された登録データを利用して取引訂正画面を表示する。取引訂正画面を表示して以降において、登録装置20は、取引訂正画面に対して行われる取引の訂正(商品の追加登録や商品の一部取り消しなど)のための操作に応じて呼び戻された登録データの内容を変更し、変更後の登録データを精算装置30に送信して精算処理を指示することができる。
【0067】
ステップS107:一方、呼び戻し確認ダイアログボックスにて配置されている「いいえ」ボタンに対する操作が行われて呼び戻しの宣言がキャンセルされた場合、登録装置20は、ステップS103にて呼び戻し指示操作が行われなかったと判定する。この場合、登録装置20は、ステップS102により表示された呼び戻し確認ダイアログボックスを消去し、店員用表示部205における表示を、呼び戻し確認ダイアログボックスが表示される前の内容の商品登録画面の状態に戻す。
【0068】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。図7を参照して、本実施形態における呼び戻し操作の例について説明する。同図は、本実施形態の商品登録画面において商品登録タブTAB1が表示される部位を抜き出して示している。なお、本実施形態の商品登録画面において同図に示される以外の部分は図5と同様でよい。
【0069】
本実施形態の登録装置20において、1取引に対応して商品を登録する操作と、1取引における商品の登録の完了に応じて行われる精算装置指定操作(「待機」の状態を示す精算装置指定ボタンBT1に対する操作)は、先の第1実施形態と同様でよい。
そのうえで、本実施形態においては、精算装置指定操作が行われたことに応じて、精算装置指定操作により指定が行われた精算装置30が使用中であることを示す精算タブ(見出し領域の一例)が商品登録画面にて表示される。
【0070】
図7においては、精算タブの表示の一態様例が示されている。同図には、1つの商品登録タブTAB1-1と、2つの精算タブTAB2-1、TAB2-2が表示された状態が示されている。
商品登録タブTAB1-1は、先の第1実施形態にて説明したように、登録装置20にて商品登録中の取引に対応する商品登録シートに付されたタブである。同図の例では、商品登録タブTAB1-1が選択されていることで、商品登録タブTAB1-1が付された商品登録シートが最前面に表示された状態にある。
例えば、同図の状態から、商品登録タブTAB1-1に対応する取引の商品登録を保留として、他の取引の商品を登録する操作を行った場合には、同図に示される商品登録タブTAB1-1、精算タブTAB2-1、TAB2-2に加えて、さらに他の取引に対応する商品登録タブTAB1が表示される。
【0071】
精算タブTAB2-1は、精算装置30-1を示す「精算機1」とのガイド表示GDが行われていることで、精算装置30-1が使用中であることを示している。また、精算タブTAB2-2は、精算装置30-2を示す「精算機2」とのガイド表示GDが行われていることで、精算装置30-2が使用中であることを示している。即ち、同図の例では、現在において、精算装置30-1と精算装置30-2とのいずれもが使用中である状態が表されている。
なお、以降の説明にあたり、個々の精算タブTAB2-1、TAB2-2等について特に区別しない場合には、精算タブTAB2と記載する。
【0072】
上記のように表示された精算タブTAB2は、対応の精算装置30における精算処理が完了することに応じて消去される。
【0073】
本実施形態において、登録データの呼び戻しを行わせるための呼び戻し操作にあたり、店員は、まず、呼び戻し対象の登録データの送信先となった精算装置30に対応する精算タブTAB2に対する操作を行う。具体的に、同図の例の場合、店員は、精算装置30-1から登録データを呼び戻そうとする場合には、精算装置30-1に対応する精算タブTAB2-1に対する操作を行う。また、店員は、精算装置30-2から登録データを呼び戻そうとする場合には、精算装置30-2に対応する精算タブTAB2-2に対する操作を行う。
つまり、本実施形態においては、精算タブTAB2に対する操作により、呼び戻し対象選択操作(登録データの呼び戻しの宣言及び呼び戻す登録データの指定)が行われる。
【0074】
精算タブTAB2に対する操作が行われたことに応じて、店員用表示部205にて、呼び戻し確認ダイアログボックスが、商品登録画面に重畳されるように表示される。呼び戻し確認ダイアログボックスの表示態様は、先の第1実施形態と同様でよい。従って、本実施形態の呼び戻し確認ダイアログボックスにおいても、確認のメッセージが表示され、「はい」ボタンと「いいえ」ボタンとが配置されている。
店員は、このまま登録データの呼び戻しを行ってもよい場合には、「はい」ボタンに対する操作(呼び戻し指示操作)を行う。呼び戻し指示操作が行われたことに応じて、登録装置20は、第1実施形態と同様に、呼び戻し処理を実行し、呼び戻された登録データを利用して取引訂正画面を表示させ、取引の訂正に対応する。
一方、店員は、登録データの呼び戻しをキャンセルする場合には、「いいえ」ボタンに対する操作を行う。登録装置20は、呼び戻し確認ダイアログボックスを消去し、呼び戻し確認ダイアログボックスが表示される前の商品登録画面の状態に戻す。
【0075】
このような呼び戻し操作によっても、先の第1実施形態と同様に、店員は、処理が未済の登録データに対応する取引の一覧を示す未精算一覧画面を表示させる操作と、表示された未精算一覧画面から訂正対象の取引を選択する操作とを行わなくともよい。これにより、呼び戻し操作として店員が行う操作手順が簡略化され、呼び戻し操作が効率的に行われる。
【0076】
上記の説明によれば、本実施形態において、精算タブTAB2の付されたシートが商品登録画面にて最前面に移動して表示される必要性は特にない。このため、精算タブTAB2の付されたシートについては、商品登録シートのような有意な情報は含まれなくともよい。具体的には、精算タブTAB2は、例えば背景のみのシートが付されればよい。あるいは、精算タブTAB2のみを配置するように表示し、精算タブTAB2にシートを付さないようにしてもよい。
【0077】
あるいは、本実施形態の変形例として、精算タブTAB2の付されたシートには、対応の精算装置30からの登録データが呼び戻されたことに応じて、呼び戻された登録データに基づく取引訂正画面が表示されるようにしてもよい。
この場合、精算タブTAB2に対する操作(呼び戻し対象選択操作)に続き、呼び戻し確認ダイアログボックスにおける「はい」ボタンに対する操作(呼び戻し指示操作)が行われたことに応じて、以下のような表示が行われるようにすればよい。つまり、精算タブTAB2の付されたシートが最前面に移動し、最前面のシートにおいて呼び戻された登録データに基づく取引訂正画面が表示されるようにすればよい。
【0078】
図8のフローチャートを参照して、本実施形態の登録装置20が精算タブの表示に関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、登録装置20が精算タブTAB2の表示の開始に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:登録装置20は、精算装置指定操作(「待機」を示す精算装置指定ボタンBT1に対する操作)が行われるのを待機している。
ステップS202:1取引に対応する商品の登録が完了したことに応じて店員により精算装置指定操作が行われたことに応じて、登録装置20は、精算装置指定操作により指定された精算装置30に対して、商品の登録が完了した1取引に対応する登録データを送信する。
ステップS203:また、登録装置20は、ステップS202による登録データの送信先の精算装置30が「使用中」であることを示す精算タブTAB2を商品登録画面に表示させる。
【0079】
次に、同図を参照して、登録装置20が、表示された精算タブTAB2の消去に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS301:登録装置20は、精算装置30において1取引に対応する精算処理が完了するのを待機している。精算装置30は、1取引に応じた精算処理が完了するごとに、その旨の通知(精算処理完了通知)を登録装置20に送信する。登録装置20は、精算処理完了通知が受信されると、受信された精算処理完了通知の送信先の精算装置30にて精算処理が完了したと判定できる。
ステップS302:登録装置20は、精算装置30にて精算処理の完了したことを判定すると、精算処理が終了した精算装置30に対応する精算タブTAB2を商品登録画面から消去する。
【0080】
次に、図9のフローチャートを参照して、登録装置20が登録データの呼び戻しに関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS401:登録装置20は、商品登録画面において表示されている精算タブTAB2のうちのいずれかに対する操作、即ち呼び戻し対象選択操作が行われるのを待機している。
ステップS402:呼び戻し対象選択操作が行われたことに応じて、登録装置20は、呼び戻し確認ダイアログボックスが商品登録画面に重畳して表示されるように制御する。
ステップS403:呼び戻し確認ダイアログボックスが表示されている状態のもとで、登録装置20は、呼び戻し確認ダイアログボックスにて配置されている「はい」ボタンに対する操作(呼び戻し指示操作)が行われたか否かについて判定する。
【0081】
ステップS404:呼び戻し指示操作が行われた場合、登録装置20は、登録データの呼び戻し処理を行う。
ステップS405:ステップS404の呼び戻し処理により登録データを取得した登録装置20は、ステップS402により表示された呼び戻し確認ダイアログボックスを消去する。また、登録データが呼び戻されたことで、呼び戻し対象の登録データを送信した精算装置30は、「使用中」の状態から、精算処理保留または「待機」の状態となる。そこで、登録装置20は、ステップS401に対応して操作が行われた精算タブTAB2についても消去する。
ステップS406:登録装置20は、呼び戻された登録データを利用して取引訂正画面を表示する。
【0082】
ステップS407:一方、呼び戻し確認ダイアログボックスにて配置されている「いいえ」ボタンに対する操作が行われた場合、登録装置20は、ステップS403にて呼び戻し指示操作が行われなかったと判定し、ステップS402により表示された呼び戻し確認ダイアログボックスを消去する。
【0083】
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態について説明する。以下の本実施形態の説明にあたっては、第2実施形態と同様に、図7を参照する。
本実施形態の商品登録画面においては、精算装置30-1、30-2ごとに対応する精算タブTAB2-1、精算タブTAB2-2が定常的に表示される。
本実施形態の精算タブTAB2は、対応の精算装置の状態に応じて表示の態様が変更される。つまり、精算タブTAB2は、対応の精算装置30が「待機」の状態のときには、この状態に対応する所定の態様で表示され、待機「使用中」の状態には、この状態に対応する所定の態様で表示される。このように表示の態様が変更されることで、精算タブTAB2により、対応の精算装置30が待機中であるのか、使用中であるのか、といったように現在の状態を示すことができる。
【0084】
そのうえで、本実施形態においては、商品登録の完了に応じて行う精算装置指定操作として、「待機」の状態を示す精算タブTAB2に対する操作を行う。具体例として、店員は、1取引に応じた商品の登録を完了すると、精算タブTAB2の態様を確認して「待機」の状態の精算装置30を確認する。ここでは、精算装置30-1に対応する精算タブTAB2-1が待機の状態であったことから、店員は、精算処理を実行させる精算装置30を精算装置30-1と決定した。この場合、店員は、精算タブTAB2のうち精算装置30-1に対応する精算タブTAB2-1に対する操作を行う。
このように、「待機」の状態の精算タブTAB2-1に対する操作による精算装置指定操作が行われたことに応じて、登録装置20は、操作された精算タブTAB2-1に対応する精算装置30-1に対して、今回の取引の商品登録に応じた登録データを送信する。
また、登録データの送信に応じて、精算装置指定操作としての操作が行われた精算タブTAB2-1は、これまでの「待機」の状態を示す態様から「使用中」を示す態様に変化する。
【0085】
上記説明によれば、本実施形態では精算タブTAB2に対する操作によって精算装置指定操作が可能とされている。また、本実施形態では精算装置30ごとの状態についても精算タブTAB2の表示の態様によって示される。このため、本実施形態においては、例えば図5の商品登録画面において配置される精算装置指定ボタンBT1については省略されてよい。
【0086】
そのうえで、本実施形態においては、登録データの呼び戻しを、「使用中」の状態を示す精算タブTAB2に対する操作により行えるようにされている。
具体例として、現在において精算装置30-1が処理対象としている登録データに対応する取引の客から、商品の追加登録、あるいは登録された商品の一部取り消しなどの商品登録内容の訂正の申し出を受けた場合には以下のようになる。
登録内容の訂正の申し出を受けた際、精算装置30-1に対応する精算タブTAB2-1は、「使用中」の状態を示しており、呼び戻し対象選択操作を受け付け可能な状態にある。そこで、この場合の店員は、商品登録内容の訂正を申し出た客に対応する登録データの呼び戻しのため、精算タブTAB2-1に対する操作を行う。
本実施形態においても、精算タブTAB2-1に対する操作に応じて、第2実施形態と同様に呼び戻し確認ダイアログボックスが表示される。店員は、呼び戻し確認ダイアログボックスにおける「はい」ボタンに対する操作により呼び戻し指示操作を行い、登録装置20に、精算装置30-1からの登録データの呼び戻しを実行させる。登録データが呼び戻されると取引訂正画面が表示され、店員は、商品の登録内容を変更する操作を行うことができる。
【0087】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
上記各実施形態の商品登録画面において、タブが付されたシートが複数である場合には重ねられるように配置される例を示した。しかしながら、例えば複数のシートは、画面において同時に一覧できるように平面方向に1枚ずつ配置されてもよい。
【0088】
[第2変形例]
精算装置指定操作に応じた登録装置20から精算装置30への登録データの送信は、管理装置10などの他の情報処理装置を経由して行われてもよい。同様に、登録データの呼び戻しに関する登録装置20と精算装置30との間での情報の送受信も、他の情報処理装置を経由して行われてもよい。
【0089】
[第3変形例]
上記各実施形態において、呼び戻し操作は、登録装置20が対応する登録データを対象として呼び戻すようにされていた。つまり、1つの登録装置20が呼び戻し可能な登録データは、自己が商品登録処理を行って精算装置30に送信した登録データであり、他の登録装置20が商品登録処理を行って精算装置30に送信した登録データを呼び戻すようにはされていなかった。
しかしながら、1つの登録装置20に対する呼び戻し操作により、当該1つの登録装置が精算装置30に送信した登録データだけでなく、他の登録装置20により精算装置30に送信された登録データも、当該1つの登録装置に呼び戻せるようにされてよい。これにより、店員は、自分が操作する登録装置20以外で商品の登録を受けた客からの申し出にも対応して、その場で登録データの呼び戻しを行って登録データの訂正を行える。
【0090】
このような本変形例のもとでは、図5に示すように、商品登録画面において精算機一覧ボタンBT2が配置されてよい。店員は、自分が操作している登録装置20以外の他の登録装置20に対応する登録データを呼び戻そうとする場合には、精算機一覧ボタンBT2に対する操作を行う。
精算機一覧ボタンBT2に対する操作が行われたことに応じて、登録装置20は、他の登録装置20ごとに対応する精算装置指定ボタンの一覧(精算機一覧画面)を表示させる。精算機一覧画面に表示される精算装置指定ボタンにおいても、それぞれ、現在における対応の精算装置30の状態が示されている。つまり、待機中であれば「待機」のバッジが表示され、登録データは受信しているが精算処理が未済の状態であれば「使用中」のバッジが表示される。このような精算機一覧画面を見て、店員は、訂正が必要な登録データに対応する精算装置指定ボタンを操作する。精算装置指定ボタンの操作に応じて、指定の精算装置20から店員の操作する登録装置20に対して対応の登録データが送信される。登録装置20は、受信された登録データにより取引訂正画面を表示する。店員は、表示された取引訂正画面に対する操作により登録データを訂正することができる。このようにして、1つの登録装置20により、他の登録装置20が対応する登録データも呼び戻しを行って訂正することができる。
【0091】
上記の例は、本変形例を第1実施形態に適用させた場合に対応する。これに対して、本変形例を第2実施形態あるいは第3実施形態に適用する場合には、精算機一覧ボタンBT2に対する操作に応じて、他の登録装置20ごとに対応する精算タブTAB2が表示されるようにすればよい。店員は、表示された精算タブTAB2のうちから訂正が必要な登録データに対応する精算タブTAB2を操作することで、訂正が必要な登録データの取引訂正画面を自分が操作する登録装置20に表示させ、登録データを訂正することができる。
【0092】
[第4変形例]
なお、商品登録画面において、登録機一覧ボタン(図示省略)が配置されてよい。店員が登録機一覧ボタンを操作すると、他の登録装置20の一覧を示す登録機一覧画面が表示される。店員は、表示された登録機一覧画面において提示される他の登録装置20に対応する登録装置指定ボタンのうち、訂正対象の登録データに対応する商品登録を行った登録装置指定ボタンを操作する。登録装置指定ボタンの操作に応じて、例えば先の第3変形例と同様に、他の登録装置20ごとに対応する精算機一覧画面が表示される。店員は、精算機一覧画面において提示される精算装置指定ボタンのうちから、訂正対象の登録データに対応する精算装置指定ボタンを操作し、取引訂正画面を表示させ、取引訂正画面に対して訂正の操作を行うことができる。
【0093】
[第5変形例]
なお、店員が、他の登録装置20を操作している他の店員(オペレータ)を選択する操作を行うことで、選択された他の店員が操作する他の登録装置20により精算装置30に送信された登録データを、店員が操作する登録装置20に呼び戻し、訂正できるようにしてもよい。
【0094】
[第6変形例]
また、商品登録画面において、登録装置20にて最後に商品登録が完了しているが精算装置30での精算が完了していない取引(直前取引)に対応して、登録データを呼び戻すためのボタンが配置されてもよい。このようなボタンとして、図5には直前呼び戻しボタンBT3を配置した例が示されている。店員は、訂正の申し出を受けた取引が、自分が操作する登録装置20に対応する直前取引であった場合、直前呼び戻しボタンBT3を操作する。直前呼び戻しボタンBT3が操作されたことに応じて、登録装置20は、直前取引に対応する登録データを呼び戻して取引訂正画面を表示させる。
呼び戻しは、登録装置20から精算装置30に送信された登録データであって、精算装置30にて未処理の登録データが対象となる。このために、呼び戻しは、登録装置20にて最後に商品登録が完了した取引、即ち直前取引について行われることが多い。そこで、本変形例のように、直前取引に対応する登録データの呼び戻しを、1回のボタン操作で行えるようにすることで、呼び戻しの操作の効率化が図られる。
【0095】
[第7変形例]
なお、呼び戻しの操作は、訂正対象の登録データの精算装置30の送信後において、新規の取引に対応する商品登録中の状態(例えば、商品の登録が開始されてから小計操作が未だ行われていない状態)である場合には、禁止されるようにしてもよい。これにより、新規の取引の商品登録について中断されることがなくなるため、新規の取引の商品登録における店員の操作ミスが生じる可能性を抑えることができる。
【0096】
[第8変形例]
なお、例えば客が買上商品を2カゴに入れて商品登録を受けているような場合、店員が1カゴ目で1取引分の商品登録が完了したものと勘違いして、1カゴ目の商品の登録を完了させた段階で精算装置指定操作を行ってしまい、その後に2カゴ目が有ったことに気付くといった場合がある。このような場合に対応して、例えば呼び戻しを行った場合に、現在において商品登録中の取引を、訂正対象の登録データに対応する取引と合算させるか否かについての選択操作を店員が行えるようにしてもよい。
この場合において、合算させることを選択する操作が行われれば、登録装置20は、呼び戻された登録データに対して、現在における商品登録処理の結果を統合するようにして訂正を実行する。つまり、この場合には例えば1カゴ目の取引と2カゴ目の取引とを1つの取引として統合することができる。
一例として、同じ客が2カゴで買い物をして商品登録を受けた場合において、1カゴ目には商品A、商品Bの2つの商品が入っていた。店員は、1カゴ目に対応して、図5の例と同様に商品A、商品Bの2つの商品の登録を完了させて店員が精算装置指定操作を行い、登録データを精算装置30に送信した。この後に、店員は、同じ客について2カゴ目に入っていた商品のうち、商品C、商品Dの登録を済ませた段階で、現在商品登録を行っている取引が、直前に商品登録を完了させた取引と同じ客についての取引であったことに気付いた。この場合、店員は、1カゴ目に対応する登録データを精算装置30から呼び戻す操作を行う。登録装置20には、呼び戻された登録データについての訂正画面が表示される。店員は、訂正画面に対して、現在登録中の2カゴ目の取引に応じた登録内容を、訂正対象の登録データ(即ち、1カゴ目に対応の取引)に統合することを選択する操作を行う。当該操作に応じて、登録装置20は、取引の訂正処理として、訂正対象の登録データに現在登録中の取引に対応して現在までに登録されている商品に関する情報を統合して、1つの取引に対応する商品登録データとする処理を実行する。このような訂正処理を実行した後、登録装置20は、統合後の商品登録データが反映された商品登録画面を表示する。
【0097】
図10は、上記の例のもとでの統合後の商品登録データが反映された商品登録画面を示している。同図の商品登録画面においては、統合後の商品登録データが以下のように反映されている。即ち、登録商品リスト領域AR11には、これまでの商品の登録結果として、1カゴ目に対応する1つ目の「商品A」と2つ目の「商品B」とに続けて、2カゴ目に対応して、「商品C」が3つ目の商品として登録され、さらに「商品D」が4つ目の商品として登録されたことが示されている。
そのうえで、登録商品リスト領域AR11については、同図にも示されるように、精算装置30から呼び戻した訂正対象の登録データに対応する商品(即ち、1カゴ目に対応して登録された商品)の項目と、商品登録中の取引のもとで登録された商品(即ち、2カゴ目に対応して登録された商品)の項目とで、例えば背景色を異ならせるなどして表示の態様を変更してもよい。このように表示の態様を変更することで、店員は、精算装置30から呼び戻した登録データに対応する商品と、商品登録中の取引のもとでこれまでに登録された商品とを容易に区別することができる。
なお、同図の例では、登録商品リスト領域AR11における商品の項目の配列順は、1カゴ目に対応して登録された商品、2カゴ目に対応して登録された商品、の順序となっており、商品登録が行われた取引の時系列(古い順)に従っている。しかしながら、登録商品リスト領域AR11における商品の項目の配列順は、上記とは逆に、2カゴ目に対応して登録された商品、1カゴ目に対応して登録された商品、のように商品登録が行われた取引の新しい順に従ってもよい。この場合、1カゴ目と2カゴ目とを通じた商品の登録順がそのまま逆となるように商品の項目が配置されてもよいし、1カゴ目に対応して登録された商品のグループと2カゴ目に対応して登録された商品のグループとの順序が逆となるようにされたうえで、各グループにおける商品の項目の配列順については登録順に従うようにされてもよい。
また、登録商品領域AR12には、最後に登録された「商品D」についての情報が示されている。合計金額領域AR13においては、これまでに登録された商品の総数が「4」であり、これら4つの商品の合計金額が3000円であることが示されている。
店員は、同図の商品登録画面が表示された状態から、さらに2カゴ目に入っている未登録の商品を登録する操作を行っていくことができる。この結果、2カゴ目の商品の登録を終えた段階では、1カゴ目の商品と2カゴ目の商品とが1取引としてまとめられた状態の商品登録データが得られる。そして、この商品登録データを含む登録データが精算装置30にて処理されることで、客は、1カゴ目と2カゴ目との買上商品を1取引として精算操作を行うことができる。
【0098】
[第9変形例]
なお、上記各実施形態において、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する態様としては、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされる精算利用レシートを登録装置20から発行させ、店員から手渡しされた精算利用レシートを、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様(第2の指定態様)とを挙げている。しかながら、精算装置30を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下のように精算装置30を指定する態様であってもよい。
1つの態様として、商品登録の完了に応じて店員用表示部205に表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置20が、例えば精算装置30に状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)精算装置30を認識し、使用中でない精算装置30のうちから所定の規則(例えば精算装置番号順)に従って、1つの精算装置30を決定する。そして、登録装置20は、決定した精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
また、もう1つの態様として、予め精算装置30について精算処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、店員用表示部205に精算装置30への精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置20は、設定された優先順位に従った順で精算装置30の精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の精算装置30について確認するようにする。そのうえで、登録装置20は、最初に精算処理が可能であることが確認された精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0099】
<実施形態の総括>
以上説明したように、本実施形態の一態様は、商品の登録が行われる登録装置20と、登録装置20により登録された商品に関する登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置30とを備える商品販売データ処理システム(例えば、POSシステム1)であって、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置30を示す使用中標示(例えば、精算装置指定ボタンBT1または精算タブTAB2)を表示する表示手段と、使用中標示に対する操作に応じて、使用中状態にある精算装置30から登録装置20への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段とを備える。
上記構成によれば、登録データの呼び戻しにあたり、例えば未精算一覧画面を表示させる操作と、未精算一覧画面から訂正対象の取引を選択する操作を行わなくともよくなり、呼び戻し操作として店員が行う操作手順が簡略化される。これにより、登録データの呼び戻しが効率的に行われる。
【0100】
また、本実施形態の一態様は、上記の商品販売データ処理システムであって、表示手段は、使用中標示として、使用中状態にある精算装置を示すボタン(例えば、精算装置指定ボタンBT1)を表示する。
上記構成によれば、使用中状態にある精算装置を示すように表示されたボタンに対して呼び戻しのための操作を行うようにできるので、呼び戻し操作がしやすくなる。
【0101】
また、本実施形態の一態様は、上記の商品販売データ処理システムであって、上記のボタンは、精算処理を実行させる精算装置30を指定する精算装置指定操作が行われる精算装置指定ボタンBT1であって、表示手段は、精算装置指定操作が行われた精算装置指定ボタンBT1を使用中状態にあることを示す態様に変更する。
上記構成によれば、精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作のために用意された精算装置指定ボタンBT1を呼び戻しのための操作にも共用できる。これにより、操作しやすい操作画面を提供できる。
【0102】
また、本実施形態の一態様は、上記の商品販売データ処理システムであって、表示手段は、使用中標示として、一取引ごとに対応するシートを含む商品登録画面において、シートに対応する見出し領域(例えば、精算タブTAB2)について、対応の取引の登録データにより使用中状態の精算装置30が示されるようにする。
上記構成によれば、商品登録画面において取引ごとに対応して配置されるシートに付されたタブに対して、登録データの呼び戻しための操作を行うようにすることができる。
【0103】
また、本実施形態の一態様は、上記の商品販売データ処理システムであって、表示手段は、精算装置30ごとに対応させた見出し領域が対応付けられたシートを含む商品登録画面において、精算処理を指示する精算指示操作(例えば、精算装置指定操作)が行われたことに応じて、精算指示操作が行われた見出し領域を、対応の精算装置30が使用中状態にあることを示す態様に変更し、呼び戻し制御手段は、使用中標示に対する操作に応じて、使用中の状態にある精算装置30から登録装置20への登録データの呼び戻しが行われるように制御する。
上記構成によれば、精算装置ごとに対応する精算タブTAB2を表示させ、精算タブTAB2により、精算装置30のそれぞれについて使用中の状態であるか否かを店員に識別させることができる。そのうえで、精算タブTAB2に対する操作によって、登録データの呼び戻しのための操作も行えるようにすることができる。
【0104】
本実施形態の一態様は、登録された商品に関する登録データを、登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置30に出力する登録データ出力手段と、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段と、使用中標示に対する操作に応じて、使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段とを備える登録装置である。
【0105】
本実施形態の一態様は、商品の登録が行われる登録装置20と、登録装置20により登録された商品に関する登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置30とを備える商品販売データ処理システムが有するコンピュータを、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段、使用中標示に対する操作に応じて、使用中状態にある精算装置30から登録装置20への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0106】
本実施形態の一態様は、商品の登録が行われる登録装置としてのコンピュータを、登録された商品に関する登録データを、登録データに基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置に出力する登録データ出力手段、取得された登録データに基づく精算処理が未済の使用中状態にある精算装置を示す使用中標示を表示する表示手段、使用中標示に対する操作に応じて、使用中状態にある精算装置から登録装置への登録データの呼び戻しが行われるように制御する呼び戻し制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0107】
なお、上述の登録装置20または精算装置30としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の登録装置20または精算装置30としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 POSシステム、10 管理装置、11 LAN、20 登録装置、30(30-1、30-2) 精算装置301 CPU、202 記憶部、203 RAM、204 スキャナ部、205 店員用表示部、205a 客用表示部、206 操作部、207 通信部、208 ブザー、209 印刷部、210 カードリーダ、301 CPU、302 記憶部、303 RAM、304 スキャナ部、305 表示部、306 操作部、307 通信部、308 ブザー、309 印刷部、310 決済部、311 サインポール、312 人感知センサ、313 カードリーダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10