(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013264
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ゲームコントローラ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/24 20140101AFI20220111BHJP
【FI】
A63F13/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020115698
(22)【出願日】2020-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】岡村 考師
(72)【発明者】
【氏名】武井 誠也
(57)【要約】
【課題】内部構造体をコンパクトにすることができる、ゲームコントローラを提供する。
【解決手段】本開示に係るゲームコントローラは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に収容される内部構造体と、を備え、前記内部構造体は、少なくとも、設置面、及び前記設置面に隣接する凹部を有する内部フレームと、前記内部フレームの凹部に収容され、前記凹部の底面と対向する第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する、バッテリと、前記内部フレームの設置面に設置され、導電パターンを含むフレキシブル基板と、を備え、前記フレキシブル基板は、前記凹部に収容された前記バッテリの前記第2面の少なくとも一部を覆うように設置され、前記凹部の底面から前記設置面までの高さである第1高さは、前記バッテリが前記凹部に収容されたときの前記底面から前記第2面までの高さである第2高さよりも大きい。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容される内部構造体と、
を備え、
前記内部構造体は、少なくとも、
設置面、及び前記設置面に隣接する凹部を有する内部フレームと、
前記内部フレームの凹部に収容され、前記凹部の底面と対向する第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する、バッテリと、
前記内部フレームの設置面に設置され、導電パターンを含むフレキシブル基板と、
を備え、
前記フレキシブル基板は、前記凹部に収容された前記バッテリの前記第2面の少なくとも一部を覆うように設置され、
前記凹部の底面から前記設置面までの高さである第1高さは、前記バッテリが前記凹部に収容されたときの前記底面から前記第2面までの高さである第2高さよりも大きい、ゲームコントローラ。
【請求項2】
前記フレキシブル基板は、前記バッテリの前記第2面の一部のみを覆うように構成されている、請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項3】
前記フレキシブル基板は、前記バッテリの前記第2面の中央を覆わないように構成されている、請求項2に記載のゲームコントローラ。
【請求項4】
前記内部フレームは、
前記バッテリの前記第2面において前記フレキシブル基板によって覆われている部位とは異なる部位の少なくとも一部を覆う抜け止め部材を備えている、請求項2または3に記載のゲームコントローラ。
【請求項5】
前記抜け止め部材は、前記開口の周縁から当該開口の内側へ突出するように構成されており、
前記フレキシブル基板は、前記開口において、前記抜け止め部材が設けられている側とは反対側に配置されている、請求項4に記載のゲームコントローラ。
【請求項6】
複数の操作部材をさらに備え、
前記設置面は、前記凹部を挟むように配置される第1支持面及び第2支持面を有し、
前記フレキシブル基板は、一体的に構成され、少なくとも前記第1支持面及び第2支持面上に設置され、
前記操作部材は、前記フレキシブル基板において前記第1支持面と対応する位置、及び前記第2支持面と対応する位置にそれぞれ配置されている、請求項1から5のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項7】
前記フレキシブル基板において、前記凹部を覆う部分には撓みが設けられている、請求項1から6のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項8】
前記ハウジングに収容される振動子をさらに備え、
前記振動子は、前記ハウジングにおいて、前記内部フレームを挟んで前記バッテリとは反対側に配置されている、請求項1から7のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項9】
前記設置面は、前記凹部の開口の周縁に沿って延びる面方向に対し、斜めに延びる傾斜面を有しており、
前記フレキシブル基板の一部は、前記傾斜面を覆うように設置されている、請求項1から8のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲームコントローラが開示されている。このゲームコントローラは、ハウジングと、このハウジングに収容される内部構造体と、を備えている。内部構造体は、内部フレームと、複数の基板と、バッテリと、を備えており、基板とハウジングの内壁面との間にバッテリが配置されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ゲームコントローラの内部構造体をさらにコンパクトにすることができる、ゲームコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係るゲームコントローラは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に収容される内部構造体と、を備え、前記内部構造体は、少なくとも、設置面、及び前記設置面に隣接する凹部を有する内部フレームと、前記内部フレームの凹部に収容され、前記凹部の底面と対向する第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する、バッテリと、前記内部フレームの設置面に設置され、導電パターンを含むフレキシブル基板と、を備え、前記フレキシブル基板は、前記凹部に収容された前記バッテリの前記第2面の少なくとも一部を覆うように設置され、前記凹部の底面から前記設置面までの高さである第1高さは、前記バッテリが前記凹部に収容されたときの前記底面から前記第2面までの高さである第2高さよりも大きい。
【0006】
この構成によれば、内部フレームにバッテリを収容できる凹部が形成されており、バッテリを配置する領域を内部構造体に別途設けなくてよいため、内部構造体をコンパクトにすることができる。また、フレキシブル基板は、バッテリの第2面の少なくとも一部を覆うように配置されているが、フレキシブル基板が一般的に薄いシート状であることにより、バッテリと重なるように配置されても嵩が増すことがない。したがって、このことも内部構造体をコンパクト化することに寄与している。
【0007】
また、凹部の底面から設置面までの高さである第1高さが、凹部に収容されたバッテリの第1面から第2面までの高さである第2高さよりも大きいため、バッテリとフレキシブル基板との間に隙間が形成され、両者が接触するのを抑制することができる。
【0008】
なお、内部フレームにおいて、凹部は設置面に隣接しているが、これは凹部と設置面とが直接、接している場合のみならず、両者の間に他の部材や隙間等を介在して隣接する場合も含む。
【0009】
上記ゲームコントローラにおいて、前記フレキシブル基板は、前記凹部の開口の一部を覆い、且つ前記バッテリの前記第2面の一部を覆うように構成することができる。
【0010】
この構成によれば、フレキシブル基板はバッテリの一部を覆っているため、バッテリが膨らんだときには、膨らんだバッテリとフレキシブル基板とが接触する箇所を少なくすることができる。すなわち、バッテリとフレキシブル基板との接触の可能性を低減することができる。
【0011】
上記ゲームコントローラにおいて、前記フレキシブル基板は、前記バッテリの前記第2面の中央を覆わないように構成することができる。
【0012】
バッテリが膨らむときには、その中央部分が他の部分に比べて膨らむ可能性がある。したがって、フレキシブル基板が、バッテリの第2面の中央を覆わないようにすると、バッテリとフレキシブル基板との接触の可能性をさらに抑制することができる。
【0013】
上記ゲームコントローラにおいて、前記内部フレームは、前記バッテリの第2面において前記フレキシブル基板によって覆われている部位とは異なる部位の少なくとも一部を覆う抜け止め部材を備えることができる。
【0014】
この構成によれば、バッテリにおいて、フレキシブル基板で覆われていない部分が、抜け止め部材によって覆われるため、バッテリが凹部から離脱するのを抑制することができる。また、抜け止め部材は、バッテリの第2面の一部を覆うように構成されているため、例えば、バッテリを、凹部において、抜け止め部材が設けられていない側から、抜け止め部材の下方へ差し込んで、凹部に収容することができる。したがって、抜け止め部材が設けられていても、バッテリの収容が容易である。その一方で、バッテリの第2面において、抜け止め部材で覆われていない部位は、フレキシブル基板によって覆われているため、バッテリの離脱をより抑制することができる。
【0015】
前記抜け止め部材の形態は特には限定されないが、前記開口の周縁から当該開口の内側へ突出するように構成することができ、前記フレキシブル基板は、前記開口において、前記抜け止め部材が設けられている側とは反対側に配置することができる。これにより、バッテリの第2面が、互いに反対側に配置された抜け止め部材及びフレキシブル基板によって覆われるため、バッテリの凹部からの離脱をさらに抑制することができる。
【0016】
上記ゲームコントローラにおいては、複数の操作部材をさらに備えることができ、前記設置面は、前記凹部を挟むように配置される第1支持面及び第2支持面を有し、前記フレキシブル基板は、少なくとも前記第1支持面及び第2支持面上に設置され、前記操作部材は、前記フレキシブル基板において前記第1支持面と対応する位置、及び前記第2支持面と対応する位置にそれぞれ配置されるように構成することができる。
【0017】
この構成によれば、内部フレームの設置面が、凹部を挟む第1支持面及び第2支持面を有している。ここで、フレキシブル基板は、変形可能であるため、第1支持面から凹部を通過し、第2支持面まで延びるように配置することができる。すなわち、1枚のフレキシブル基板により、操作部材がそれぞれ配置される第1支持面と第2支持面を覆うことができるため、内部構造体の設計の自由度を高くすることができる。また、1枚のフレキシブル基板を用いることで、コストの低減にも寄与する。
【0018】
上記ゲームコントローラでは、前記フレキシブル基板において、前記凹部を覆う部分に撓みを設けることができる。
【0019】
この構成によれば、フレキシブル基板において、凹部を覆う部分に撓みが設けられているため、例えば、バッテリが膨らんだときに、フレキシブル基板と接触したとしても、フレキシブル基板に張力が作用するのを抑制することができる。
【0020】
上記ゲームコントローラにおいては、前記ハウジングに収容される振動子をさらに備えることができ、前記振動子は、前記ハウジングにおいて、前記内部フレームを挟んで前記バッテリとは反対側に配置することができる。
【0021】
この構成によれば、振動子をバッテリと対応する位置に配置できるため、全体として内部構造体をコンパクトにすることができる。
【0022】
上記ゲームコントローラにおいて、前記設置面は、前記凹部の開口の周縁に沿って延びる面方向に対し、斜めに延びる傾斜面を有することができ、前記フレキシブル基板の一部は、前記傾斜面を覆うように設置することができる。
【0023】
この構成によれば、設置面が、凹部の開口の周縁に沿って延びる面方向に対し、斜めに延びる傾斜面を有している。このように、設置面に、多様なボタン配置に対応可能な傾斜面が設けられていたとしても、フレキシブル基板は変形可能であるため、凹部及び凹部から傾斜している傾斜面の両方を覆うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るゲームコントローラによれば、内部構造体をさらにコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示に係るゲームコントローラの一実施形態を示す斜視図である。
【
図7】バッテリを収容した内部フレームの斜視図の一部斜視図である。
【
図10】メイン基板が取付けられた上カバーを下側から見た斜視図である。
【
図11】ゲームコントローラの左側の一部断面を示す概略図である。
【
図12】ゲームコントローラの組み立てを説明する斜視図である。
【
図13】ゲームコントローラの組み立てを説明する斜視図である。
【
図14】凹部とバッテリの高さの関係を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るゲームコントローラの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下では、説明の便宜のため、各図に示す方向にしたがって、説明を行うこととする。但し、本開示に係るゲームコントローラは、この方向に限定されて作製されるものではない。
【0027】
<1.ゲームコントローラの概要>
図1は本実施形態に係るゲームコントローラの斜視図、
図2は上カバーの斜視図、
図3は下カバーの斜視図、
図4は内部構造体の斜視図である。
図1~
図4に示すように、本実施形態に係るゲームコントローラは、ハウジング1と、このハウジング1に収容される内部構造体2と、を備えている。さらに、このハウジング1にはハウジング1に振動を付与するための振動子31が収容されている(
図5参照)。ハウジング1は、上カバー11と下カバー12とで構成され、これら上カバー11と下カバー12とで囲まれる内部空間に内部構造体2と振動子31が収容されている。その他、上カバー11には、メイン基板(
図10参照)と複数の操作ボタン41~45等(操作部材)が取り付けられ、下カバー12には、振動子31を収容する延在部122が設けられている。以下、各部材について、詳細に説明する。
【0028】
<2.内部構造体>
まず、内部構造体について、
図5も参照しつつ説明する。
図5は内部構造体の分解斜視図である。
図4及び
図5に示すように、内部構造体2は、内部フレーム5と、この内部フレーム5に取り付けられるフレキシブル基板7と、内部フレーム5に収容されるバッテリ9と、を有している。また、内部フレーム5の前部の右端部及び左端部には、それぞれRボタン41及びLボタン42がそれぞれ取り付けられている。さらに、Rボタン41及びLボタン42には、それぞれ導電ラバー411,421が取り付けられる。以下、各部材について説明する。なお、以下は、内部構造体2の一例であり、以下に示す部材以外の部品等を適宜設けることができる。
【0029】
<2-1.内部フレーム>
次に、内部フレームについて、
図6~
図8も参照しつつ説明する。
図6は内部フレームの斜視図、
図7はバッテリを収容した内部フレームの一部斜視図、
図8は
図7のA-A線断面図である。
図6及び
図7に示すように、内部フレーム5は、中央部位51と、この中央部位51の右側に配置されている右部位52と、中央部位51の左側に配置される左部位53とを有しており、主として、これらの上面でフレキシブル基板7を支持する。さらに、中央部位51の下面側には、振動子31を支持する支持部位54が設けられている。中央部位51は、平面視矩形状の収容部511と、この収容部511の後端から突出する平面視矩形状の突出部512と、を備えている。収容部511の上面には、ほぼ全体に亘って矩形状の凹部55が形成されており、この凹部55に扁平状のバッテリ9が収容される。バッテリ9は、略直方体状に形成されており、前端面91と後端面92とは、外部に向かって凸となるように断面円弧状に形成されている。また、
図5に示すように、バッテリ9の右側面には、後述するメイン基板32と接続するためのケーブル98が設けられている。
【0030】
図6~
図8に示すように、凹部55は矩形状の平坦な底壁部(底面)551と、この底壁部551の周縁から起立する側壁部552とで構成されている。側壁部552を構成する4つの面のうち前側の面553と底壁部551との連結部分は、バッテリ9の前端面91と対応するように断面円弧状に形成されている。同様に、側壁部552のうち後側の面554と底壁部551との連結部分は、バッテリ9の後端面92と対応するように断面円弧状に形成されている。
【0031】
また、側壁部552には、凹部55の前側の左右の角部付近を覆うように、矩形状の抜け止め部555が設けられている。各抜け止め部555は板状に形成されており、その上面が収容部511の上面と面一になっている。そして、各抜け止め部555と底壁部551との隙間に、バッテリ9の前端部が収容される。
【0032】
凹部55の前後方向の長さ及び左右方向の長さは、それぞれ、バッテリ9の前後方向の長さ及び左右方向の長さよりもやや大きく形成されており、バッテリ9を凹部55に収容したときには、バッテリ9と側壁部552との間にわずかなクリアランスが形成される(例えば、1mm以内)。一方、
図8に示すように、バッテリ9の高さは、上述した抜け止め部555と底壁部551との距離とほぼ同じである。したがって、凹部55の深さ、つまり側壁部552の高さ(第1高さ)H1は、概ね、抜け止め部555の厚みだけ、バッテリ9の高さよりも高くなっている。そのため、凹部55にバッテリ9を収容したときには、バッテリ9の上面93は、側壁部552の上端部よりもやや下方に位置するようになっている。すなわち、底壁部551から収容されたバッテリ9の上面93(第2面)までの高さH2(第2高さ)は、側壁部552の高さH1(第1高さ)よりも小さくなっている。さらに、
図6に示すように、底壁部551には両面テープ50が配置されており、この両面テープ50によって底壁部551とバッテリ9の下面(第1面)とが固定されるようになっている。
【0033】
また、
図4及び
図6に示すように、中央部位51の前端面513の右端部には、Rボタン41が取り付けられている。Rボタン41は左右方向に延びるボタンであり、その左端部が前端面513の右端部に揺動可能に連結されている。一方、前端面513の左端部には、Lボタン42が取り付けられている。Lボタン42も左右方向に延びるボタンであり、その右端部が前端面513の左端部に揺動可能に連結されている。
【0034】
突出部512の左右方向の幅は、収容部511の幅よりも狭くなっており、収容部511の後端の中央付近から後方に突出している。突出部512の上面には、円形の突部514が形成されており、フレキシブル基板7を内部フレーム5に取り付けるときの位置決めに用いられる。
【0035】
次に、右部位52について説明する。
図6に示すように、右部位52は、概ね平面視矩形状の板状に形成された本体部521と、この本体部521の前端から下方へ延びるように連結される板状の前面部522と、を備えている。この本体部521の前端は、中央部位51の前端面513よりもやや後側に位置しており、本体部521の後端は、突出部512の後端よりもさらに後方に位置している。そして、左右方向において、本体部521と突出部512との間には隙間が形成されている。また、本体部521の上面(設置面、第1支持面)は、収容部511の上面の右端部から連続するように延びており、2つの上面は概ね面一になっている。さらに、本体部521の上面には、複数の円形の突部523が形成されており、フレキシブル基板7を内部フレーム5に取り付けるときの位置決めに用いられる。
【0036】
前面部522は、本体部521の前端の左右方向の概ね全体に亘って延びている。前面部522は、中央部位51の前端面513よりも後側に位置しているため、中央部位51と前面部522との間には段差が形成されており、この段差を埋めるように、Rボタン41が配置される。より詳細に説明すると、
図4に示すように、右部位52の前端面522には、導電ラバー411を介してRボタン41が取り付けられる。
【0037】
続いて、左部位53について説明する。
図6に示すように、左部位53は、概ね平面視矩形状の板状に形成された本体部531と、この本体部531の前端から下方へ延びるように連結される板状の前面部532と、を備えている。この本体部531の前端は、中央部位51の前端面513よりもやや後側に位置しており、本体部531の後端は、突出部512の後端よりもさらに後方に位置している。そして、左右方向において、本体部531と突出部512との間には隙間が形成されている。また、本体部531の上面(設置面、第2支持面)は、収容部511の上面の左端部から連続するように延びているが、左側に行くにしたがって下方にやや傾斜するように、斜めに連結されている。さらに、本体部531の上面には、円形の突部533が形成されており、フレキシブル基板7を内部フレーム5に取り付けるときの位置決めに用いられる。
【0038】
前面部532は、本体部531の前端の左右方向の概ね全体に亘って延びている。前面部532は、中央部位51の前端面513よりも後側に位置しているため、収容部511と前面部532との間には段差が形成されており、この段差を埋めるように、Lボタン42が配置される。より詳細に説明すると、
図4に示すように、左部位53の前端面532には、導電ラバー421を介してLボタン42が取り付けられる。
【0039】
次に、支持部位54について説明する。
図6に示すように、支持部位54は、下側に向かって開口する凹部が形成されており、この凹部の内部には、下端部が上側に凸の円弧状に形成された複数の支持板(図示省略)が配置されている。そして、この凹部には、円柱状の振動子31が収容される。すなわち、振動子31の外周面が各支持板に接するように、振動子31の約半分が凹部に収容される。したがって、振動子31の約半分は支持部位54から外部に露出している。
【0040】
振動子31の構成は特には限定されないが、例えば、振動モータを有し、これによって、所定の振動を生じるようにすることができる。例えば、入力される電圧の波形に応じた振幅及び周波数で振動モータを振動させることができる。
【0041】
<2-2.フレキシブル基板>
次に、フレキシブル基板7について、
図9も参照しつつ説明する。
図9はフレキシブル基板の斜視図である。
図9に示すように、フレキシブル基板7は、ベースフィルム上に所定の配線が施された公知のフレキシブルプリント回路基板(FPC)であり、中央部71、後部72、右部73、左部74、右前部75、及び左前部76を備えており、これらが一体的に形成されている。以下、各部位について説明する。
【0042】
中央部71は、内部フレーム5の収容部511の上面に左右方法の全体に亘って配置される部分であり、左右方向に延びる帯状に形成されている。より詳細に説明すると、中央部71は、収容部511の凹部55に収容されたバッテリ9の上面を覆うように配置される。上記のように、バッテリ9の上面93と、側壁部552の上端との間には隙間が形成されるため、中央部71とバッテリ9との間にも隙間が形成されている。また、本実施形態においては一例として、中央部71は、バッテリ9の全体を覆うのではなく、バッテリ9の上面93の中央よりも後側の半分を覆うように配置されてよい。なお、中央部71の左右方向の長さは、収容部511よりもやや長くなっている。
【0043】
後部72は、中央部71の後端に連結される矩形状の部分であり、内部フレーム5の突出部512の上面に配置される。後部72には円形の貫通孔721が形成されており、突出部512の突部514が嵌まるようになっている。
【0044】
次に、右部73について説明する。右部73は、中央部71の右側に連結され、内部フレーム5の右部位52の上面に配置される。右部73には、複数の貫通孔731が形成されており、右部位52の上面に形成された突部523が嵌まるようになっている。また、右部73の上面には、複数の接点(図示省略)が配置されており、これらの接点は、後述する上カバー11の右側に配置された4つの操作ボタン用の導電ラバー115(
図10参照)によって、それぞれ導通されるようになっている。
【0045】
続いて、右前部75について説明する。右前部75は、右部73の前端に連結される部位であり、内部フレーム5の右部位52の本体部521と前面部522との連結部分に沿って折り曲げられ、前面部522上に配置される。右前部75には、Rボタン41用の接点(図示省略)が配置されており、この接点を覆うように、導電ラバー411が配置されている。導電ラバー411は、前面部522の形成された突部(図示省略)に固定されており、導電ラバー411が、Rボタン41によって押されると、導電ラバー411が右前部75の接点を導通させるようになっている。
【0046】
次に、左前部76について説明する。左前部76は、中央部71の左前端部から前方に延びる部位であり、内部フレーム5の左部位53の本体部531上に配置される第1部位761と、本体部531と前面部532との連結部分に沿って折り曲げられ、前面部532上に配置される第2部位762とを備えている。第2部位762には、Lボタン42用の接点(図示省略)が配置されており、この接点を覆うように、導電ラバー421が配置されている。導電ラバー421は、前面部532の形成された突部(図示省略)に固定されており、導電ラバー421が、Lボタン42によって押されると、導電ラバー421が第2部位762の接点を導通させるようになっている。
【0047】
続いて、左部74について説明する。左部74は、中央部71の左側に連結され、内部フレーム5の左部位53の上面に配置される。左部74の中央付近には、貫通孔741が形成されており、左部位53の上面に形成された突部533が嵌まるようになっている。また、上述したように、内部フレーム5の左部位53は中央部位51に対して傾斜するように連結されているため、左部74は中央部71に対してやや斜めに折り曲げられ、左部位53の上面に沿うように配置される。さらに、左部74の上面には、複数の接点(図示省略)が配置されており、これらの接点は、後述する上カバー11の左側に配置された十字キー49用の導電ラバー116(
図10参照)によって、それぞれ導通されるようになっている。
【0048】
<3.上カバー及びメイン基板>
次に、上カバーについて、
図10及び
図11も参照しつつ説明する。
図10は、メイン基板及び導電ラバーが取付けられた上カバーを下側から見た斜視図、
図11はコントローラの左側の一部断面を示す概略図である。
図2に示すように、上カバー11は、内部構造体2の上側を覆うようにカップ状に形成されており、左右方向に延びる平面視楕円状に形成されている。上カバー11の右側には4個の操作ボタン41~44が配置されており、左側には十字キー45が配置されている。上カバー11の右側は、フレキシブル基板7の右部73と対応する部分であり、4個の円形の貫通孔が形成されており、これら貫通孔にそれぞれ操作ボタン41~44が上下動可能に嵌め込まれている。そして、各操作ボタン41~44の下端部には、上カバー11の内部に収容される導電ラバー115が取り付けられており、各操作ボタン41~44が押し込まれると、上述したように、導電ラバー115がフレキシブル基板7の右部73の各接点を導通させるようになっている。
【0049】
図11に示すように、上カバー11の左側は、フレキシブル基板7の左部74と対応する部分であり、中央付近からやや斜めに延びるように形成されている。これによって、上カバー11の左側部113とフレキシブル基板7の左部74とは概ね平行になっている。左側部113には、十字型の貫通孔が形成されており、この貫通孔に十字キー45が嵌め込まれている。したがって、十字キー45もフレキシブル基板7の左部74とほぼ平行に配置される。なお、
図11では、上カバー11等の傾斜を分かりやすくするため、誇張して記載している。
【0050】
十字キー45は、その中心に対し4つの端部が揺動するように構成されており、各端部の下端部に導電部116a~116dを有する導通ラバー116が取り付けられている。そして、十字キー45のいずれかの端部を押し込むと、上述したように、導電部116a~116dが左部74の各接点を導通させるようになっている。なお、十字キー45の4つの端部のうち、隣接するいずれか2つの端部を同時に押し込んで、2つの接点を同時に導通させることもできる。
【0051】
上カバー11の前端の両側には切り欠き117,118がそれぞれ形成されており、これら切り欠き117,118が、それぞれ、後述する下カバー12の切り欠き125,126と組み合わさって貫通孔が形成される。そして、これら貫通孔からRボタン41及びLボタン42がそれぞれ露出するようになっている。
【0052】
図10に示すように、上カバー11の中央付近の下面には、メイン基板32が固定されている。このメイン基板32は、硬質のプリント基板によって構成されており、図示を省略する、操作制御回路、通信モジュール、NFC回路、電源制御回路、複数の端子等の電子部品が実装されている。操作制御回路は、各種の操作ボタン等が押下されると、それに応じた操作データを生成する。こうして生成された操作データは、通信モジュールによってゲーム機本体に送信される。NFC回路は、NFCの規格に基づく近距離無線通信を行うものであり、このゲームコントローラとゲーム機本体との間で無線通信により操作データ等の送受信を行う。電源制御回路は、バッテリの駆動制御を行う。さらに、このメイン基板32の端子には、バッテリ9、フレキシブル基板7、及び振動子31からそれぞれ延びるケーブル(図示省略)が接続されるようになっている。なお、上カバー11に内部構造体2が取り付けられたときには、メイン基板32とフレキシブル基板7との間には隙間が形成され、両者が接触しないようになっている。
【0053】
<4.下カバー>
図3に示すように、下カバー12は、内部構造体2の下側を覆うように形成されており、上カバー11と対応するように左右方向に延び平面視楕円状に形成されたカップ状のカバー本体121と、このカバー本体121の前端の中央付近から下方に延びる延在部122とを有し、これらが一体的に形成されている。延在部122は、内部フレーム5の支持部位54及び振動子31を収容するものであり、直方体状に形成されている。
【0054】
カバー本体121において延在部122の両側には切り欠き125,126がそれぞれ形成されており、上述したように、上カバー11の切り欠き117,118と組み合わさって貫通孔が形成される。
【0055】
<5.ゲームコントローラの組立方法>
次に、上記のように構成されたゲームコントローラのうち、本願発明に関連する部品の組立方法の一例について、
図12及び
図13も参照しつつ説明する。
図12及び
図13はゲームコントローラの組み立てを説明する斜視図である。
【0056】
まず、
図6に示すように、内部フレーム5の収容部511の凹部55に両面テープ61を固定する。続いて、バッテリ9を凹部55に収容する。まず、
図12に示すように、バッテリ9の前端面91を内部フレーム5に向けて下方に傾けた状態で、その前端面91を凹部55の底壁部551と抜け止め部555との間に差し込む。この状態で、バッテリ9の前端面91を中心として、バッテリ9の後部を下方に旋回させ、バッテリ9を凹部55に収容する。バッテリ9のケーブル98は、凹部55の右側に形成された溝556に通し、この溝556から内部フレーム5の下面を介して、突出部512と右部位52との間の隙間から上方に引き出しておく。こうして、バッテリ9の下面が両面テープ50によって凹部55の底壁部551に固定される。
【0057】
次に、
図13に示すように、フレキシブル基板7を内部フレーム5に複数の両面テープ(図示省略)によって固定する。まず、後部72の貫通孔721に突出部512の突部514を嵌め込むとともに、後部72を両面テープによって突出部512の上面に固定する。これにより、中央部71がバッテリ9の後部を覆うように配置される。次に、右部73の貫通孔731に、右部位52の突部523を嵌め込むとともに、右部73を両面テープによって右部位52の上面に固定する。続いて、右前部75を、右部位52の前面部522に両面テープによって固定する。これに続いて、左部74の貫通孔に、左部位53の突部533を嵌め込むとともに、左部74を両面テープによって左部位53の上面に固定する。最後に、左前部76を、左部位53の前面部532に両面テープによって固定する。
【0058】
こうして、フレキシブル基板7が内部フレーム5に固定される。ここで、上述したように、中央部71の左右方向の長さは、収容部511よりもやや長くなっている。そして、収容部511を挟む左右部分に設けられた位置決め用の突部523,533の間の長さに対して、そこに位置決めされるフレキシブル基板7の貫通孔731,741の間の長さの方が長くなっている。したがって、右部73及び左部74を内部フレーム5に固定したときには、これらの間で中央部71は、張力が作用した状態ではなく、やや撓んだ状態で配置される。
【0059】
続いて、
図4に示すように、右前部75に導電ラバー411を取り付けるとともに、内部フレーム5にRボタン41を取り付ける。同様に、左前部76に導電ラバー421を取り付けるとともに、内部フレーム5にLボタン42を取り付ける。また、支持部位54の凹部に振動子31をクッション部材(図示省略)を介して固定する。
【0060】
次に、
図2に示すように、上カバー11にメイン基板32を固定するとともに、4つの操作ボタン41~44及び十字キー45を導電ラバー115,116とともに取り付ける。これに続いて、バッテリ9のケーブル98、振動子31のケーブル、及びフレキシブル基板7のケーブルをそれぞれ、メイン基板32の端子に接続する。最後に、上カバー11と下カバー12との間に内部構造体2を挟んだ状態で、上カバー11と下カバー12とをネジによって固定する。こうして、
図1に示すように、ゲームコントローラの組立が完了する。
【0061】
<6.特徴>
本実施形態に係るゲームコントローラによれば、以下の効果を奏することができる。
【0062】
(1)内部フレーム5にバッテリ9を収容できる凹部55が形成されているため、バッテリ9を配置する領域を内部構造体2に別途設けなくてよいため、内部構造体2をコンパクトにすることができる。また、フレキシブル基板7は、バッテリ9の上面の一部を覆うように配置されているが、メインフレキシブル基板7は一般的に薄いシート状であるため、バッテリ9と重なるように配置されても嵩が増すことがない。したがって、このことも内部構造体2をコンパクト化することに寄与している。さらに、フレキシブル基板7は、バッテリ9を覆う蓋としても機能する。
【0063】
(2)
図14に示すように、凹部55の底壁部551から側壁部552の上端までの高さH1が、凹部55に収容されたバッテリ9の上面93から底壁部551までの高さH2よりも大きいため、バッテリ9とフレキシブル基板7との間に隙間が形成され、両者が接触するのを抑制することができる。その一方で、例えば、バッテリ9が膨らんだとしても、バッテリ9の膨らみを上記隙間により吸収することができる。したがって、例えば、膨らんだバッテリ9によりフレキシブル基板7が押圧されるのを抑制することができる。
【0064】
(3)フレキシブル基板7はバッテリ9の一部を覆っているため、バッテリ9が膨らんだときには、膨らんだバッテリ9とフレキシブル基板7とが接触する箇所を少なくすることができる。すなわち、バッテリ9とフレキシブル基板7との接触の可能性を低減することができる。
【0065】
(4)バッテリ9が膨らむときには、その中央部分が最も膨らむ可能性がある。これに対して、本実施形態では、フレキシブル基板7が、バッテリ9の上面93の後部を覆い、中央付近を覆わないように配置されているため、バッテリ9とフレキシブル基板7との接触の可能性をさらに抑制することができる。すなわち、この観点からは、フレキシブル基板7は、バッテリ9の上面93の中央よりも下方のみを覆うことが好ましい。なお、バッテリ9の上面93の中央付近とは、例えば、バッテリ9の4つの角に対して仮想的に形成される対角線の交点(本発明に係るバッテリの第2面の中央に相当する)を含む領域とすることができる。
【0066】
(5)内部フレーム5が、凹部55を挟む右部位52及び左部位53を有している。ここで、フレキシブル基板7は、右部位52から凹部55を通過し、左部位53まで延びるように配置することができる。すなわち、1枚のフレキシブル基板7により、操作ボタン41~44、十字キー45がそれぞれ配置される右部位52と左部位53を覆っており、さらには、フレキシブル基板7を折り曲げ、前面部522、532を覆うように配置している。したがって、内部構造体2の設計の自由度を高くすることができる。また、1枚のフレキシブル基板7を用いることで、コストの低減にも寄与する。
【0067】
(6)凹部55の前側の角部にバッテリ9の前端部付近を覆う抜け止め部555が設けられているため、例えば、バッテリ9を、抜け止め部555が設けられていない凹部55の後側から抜け止め部555の下方へ差し込み、後端部側を旋回させることで、凹部55に収容することができる。したがって、バッテリ9の収容が容易である。その一方で、抜け止め部555が設けられていない後側は、フレキシブル基板7によって覆われているため、凹部55の後側では、このフレキシブル基板7により、バッテリ9の抜けを抑制することができる。
【0068】
(7)フレキシブル基板7を内部フレーム5に固定したとき、凹部55を覆う中央部71には撓みが設けられている。そのため、例えば、バッテリ9が膨らんだときに、フレキシブル基板7と接触したとしても、フレキシブル基板7に張力が作用するのを抑制することができる。
【0069】
(8)内部フレーム5の左部位53が、中央部位51に対して、斜めに延びるように連結され、これと対応するように上カバー11の左側も傾斜している。そのため、十字キー45を傾斜するように配置できるため、ハウジング1の左側を把持する左手の指によって十字キー45を押しやすくなっている。したがって、内部フレーム5に、このようなボタン配置に対応可能な傾斜面が設けられていたとしても、フレキシブル基板7は変形可能であるため、凹部55が形成された収容部511、及び収容部511から傾斜している左部位53の両方を覆うことができる。
【0070】
<7.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、適宜組み合わせることができる。
【0071】
(1)上記実施形態におけるハウジング1の形状、内部フレーム5の形状、フレキシブル基板7の形状、凹部55の形状、バッテリ9の形状は、一例であり、種々の変更が可能である。例えば、ハウジング1に、ユーザが把持するための複数の把持部を別途設けることもできる。また、例えば、バッテリ9及び凹部55の平面形状は、矩形状でなくてもよく、他の形状であってもよい。また、上記実施形態では、バッテリ9の前端面91及び後端面92が円弧状に形成されているが、平坦な面であってもよく、側面の形状も適宜変更することができる。したがって、バッテリ9が収容される凹部55の形状もバッテリ9の形状に合わせて適宜変更することができる。
【0072】
(2)抜け止め部555の位置、数は特には限定されず、抜け止め部555は凹部55の前端部以外に設けることもできる。上記実施形態では、凹部55の深さが、抜け止め部555の厚みだけ、バッテリ9の高さよりも高くなっているが、これに限定されるものではなく、上述した高さH1と高さH2の差と抜け止め部555の厚みとが一致していなくてもよく、この差よりも抜け止め部555の厚みが小さくてもよい。但し、抜け止め部555は、凹部55において、フレキシブル基板7で覆われる部分とは、反対側に設けることが好ましい。また、抜け止め部555は、必須ではなく、必要に応じて設ければよい。
【0073】
さらに、抜け止め部555は、バッテリ9が凹部55から離脱するのを規制するための規制部材であるが、そのような目的からすると、規制部材は、凹部55の底面551との間に、バッテリ9の一部が配置されるような隙間を開けて設けられる部材であれば、その形状、位置は特には限定されない。したがって、例えば、凹部55を構成する壁面の一部が規制部材を構成したり、凹部55の外側から凹部55の内部へと延び、凹部55の一部を塞ぐように規制部材を設けることもできる。
【0074】
(3)フレキシブル基板7は、凹部55に収容されたバッテリ9の後側を覆うように配置されているが、フレキシブル基板7の配置によっては、バッテリ9の上面の他の部分を覆うようにしてもよい。あるいは、バッテリ9を覆う面積を増やしてもよく、例えば、バッテリ9の上面93全体を覆ってもよい。但し、膨らんだバッテリ9との接触の可能性を考慮すると、バッテリ9の上面93の一部を覆うように構成することが好ましい。
【0075】
(4)内部フレーム5は、凹部55が形成された中央部位51と、その両側にフレキシブル基板7が配置される右部位52及び左部位53とを有しているが、内部フレーム5の形状は、これに限定されるものではない。すなわち、中央部位51のほかの部位は、操作ボタン等の種類、数などに応じて適宜変更することができる。但し、中央部位51も、少なくとも凹部を有する収容部511が設けられていればよく、突出部512は必ずしも必要ではない。したがって、内部フレーム5における、中央部位51のほかの部位(例えば、本開示の設置面、支持面等)の数、位置、形状等は適宜変更することができる。例えば、フレキシブル基板7が配置される、中央部位51以外の部位の数を1個、または3個以上にすることもできる。したがって、フレキシブル基板7も、この内部フレーム5の形態に応じて、例えば、少なくとも、中央部71と、内部フレーム5の中央部位51以外の部位に対応する部分が設けられていればよい。
【0076】
(5)上記実施形態では、フレキシブル基板7のほか、メイン基板32を設けているが、少なくともフレキシブル基板7が設けられていればよく、他の基板は必要に応じて設ければよい。
【0077】
(6)振動子31を設ける位置は特には限定されず、内部フレーム5におけるバッテリ9と対応する位置以外に設けることもできる。また、振動子31は、必須ではなく、必要に応じて設ければよい。したがって、支持部位54も振動子31を設けなければ、省略することもできる。
【0078】
(7)操作ボタン41~44、十字キー45、Rボタン41、Lボタン42は、操作部材の一例であり、その種類、数、位置は適宜変更することができる。
【0079】
(8)上記実施形態では、バッテリ9の下面が凹部55の底壁部551に接しており、底壁部551からバッテリ9の上面までの高さH2が、凹部の深さH1よりも小さくなっている。つまり、上記実施形態では、バッテリ9の上面と下面との間の距離(バッテリ9の高さ)が、H2と一致しているが、例えば、バッテリ9の下面に脚部等の部材が配置されていてもよい。この場合、バッテリ9の高さとH2とは一致しないが、本発明においては、底壁部551からバッテリ9の上面までの高さH2が、凹部の深さH1よりも小さくなっていればよい。
【0080】
(9)上記実施形態では、内部フレーム5にフレキシブル基板7を配置しているが、このようなフィルム状のフレキシブル基板の代わりに、硬質の板状に形成された基板を用いることもできる。このような基板であっても、一般的に厚みが薄いため、バッテリ9を覆うように配置しても、内部構造体2の嵩が大きくなることはない。また、上述したようなバッテリ9と凹部55の高さの関係が充足されていれば、硬質の基板であっても、バッテリ9が膨らんだときに接触することは抑制される。
【符号の説明】
【0081】
1 :ハウジング
2 :内部構造体
5 :内部フレーム
7 :フレキシブル基板
9 :バッテリ
31 :振動子
55 :凹部
555 :抜け止め部
H1 :第1高さ
H2 :第2高さ