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特開2022-132648磁気泳動書き込み媒体における閾下アドレシングおよび消去
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132648
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】磁気泳動書き込み媒体における閾下アドレシングおよび消去
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1673 20190101AFI20220901BHJP
   G02F 1/167 20190101ALN20220901BHJP
【FI】
G02F1/1673
G02F1/167
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022117862
(22)【出願日】2022-07-25
(62)【分割の表示】P 2021531719の分割
【原出願日】2019-12-19
(31)【優先権主張番号】62/784,301
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/789,239
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】クリスタル グエン
(72)【発明者】
【氏名】エバン グリフィス
(72)【発明者】
【氏名】セス ジェイ. ビショップ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイ. テルファー
(72)【発明者】
【氏名】コスタ ラダバック
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー エー. ドレイベック
(72)【発明者】
【氏名】スニル クリシュナ サイニス
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ. パオリニ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】サマンサ モリル
(57)【要約】
【課題】好適な磁気泳動書き込み媒体における閾下アドレシングおよび消去を提供すること。
【解決手段】大域的かつ局所的にアドレシングおよび消去され得る磁気泳動媒体。媒体は、知覚可能な遅れを伴わず、最小限の電力要件のみを伴って、書き込み、消去する能力を伴う書き込み可能ディスプレイを提供する。特に、磁気泳動媒体は、閾下電気刺激を提供し、書き込まれた状態を破壊し、磁気泳動粒子がその元の状態に戻ることを可能にする第2の非電気刺激を補完することによって、消去されることができる。
【選択図】図18C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2018年12月21日に出願された米国仮特許出願第62/784,301号、および2019年1月7日に出願された米国仮特許出願第62/789,239号の優先権を主張する。開示される全ての特許、特許出願、および参考文献は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に説明される技術は、磁気的にアドレス可能なディスプレイ、および関連装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
数十年にわたって、紙上への書き込みまたはより大きいフォーマットにおける書き込みの体験を黒板またはホワイトボード上への描画の感覚および外観を模倣するようにすることが、電子ペーパー研究の目標とされてきた。A. Henzen,J. van de Kamer,“The present and future of electronic paper,”Journal of the S.I.D.14/5,437-442(2006)を参照されたい。電気泳動ディスプレイは、屋内および直接太陽光下の両方において優れたコントラスト比を伴う周囲光のランバート反射体であるので、それらは、紙状読み取りおよび視認体験を提供する。しかしながら、書き込み可能電気泳動デバイスの現在の商業用実施形態は、各電気画像リフレッシュのために数十ミリ秒を要求する。したがって、スタイラスが、タッチセンサを介して、ディスプレイ媒体と相互作用するとき、ディスプレイコントローラによってレンダリングされるべき線についての情報を伝達することにおいて、追加の遅延が存在する。結果として、約50~100ミリ秒であり得る待ち時間が書き込みの作用とディスプレイ上への画像の出現との間に生じる。例えば、書き込み可能タブレット(E Ink Corporationによって製造された電気泳動ディスプレイを含む)であるSONY DPT-RP1を参照されたい。
【0004】
活性層に非常に近接して位置できるスタイラスを用いて、電子/再書き込み可能インク上に直接書き込むための方法を有することが好ましいであろう(それによって、スタイラスを移動させ、下方に作成される画像が見えることの自然なフィードバックを増加させる)。そのような応答を伴う単純デバイスが、しばらく前から、公知であるが、しかしながら、それらは、より典型的に、玩具の中に組み込まれている。例えば、磁気ペンまたは磁気スタンプによってアドレスされる強磁性粒子の懸濁液を含む磁気描画ボード。この技術を含む基本的製品は、1970年代にPilot Corporationによって開発されたものであり、それは、子供用玩具MAGNA DOODLE(現在は、Cra-Z-Art(Randolph,NJ)によって生産されている)となって改良された。米国特許第4,143,472号(特許文献1)を参照されたい。
【0005】
この時点以降、E Ink Corporation、SiPix Imaging Inc.およびSeiko Epsonの全ては、磁気的にアドレス可能な電気泳動ディスプレイ設計を開示しており、設計において、従来の電子紙ディスプレイにおいて使用される荷電顔料粒子の少なくとも一部は、帯電させられた強磁性粒子によって置換されている。米国特許第6,583,780号(特許文献2)、第6,831,771号、第6,870,661号、および第7,352,353号を参照されたい。開示される構造は、電場および磁場の両方に応答する反射性(太陽光読み取り可能)ディスプレイ媒体を生産している。したがって、これらの磁気泳動ディスプレイは、磁気スタイラスを用いて、または電場を用いて、アドレスされ得る。加えて、電子ディスプレイは、例えば、デジタイザを使用して、スタイラスが通過したそれらに対応するピクセルをアクティブにするように同期させられ得る。
【0006】
磁気泳動媒体が状態安定(持続的双安定等)である事例において、単純スタイラスまたはイレーザのみを使用して、「局所的」消去を達成することは、不可能である。むしろ、ディスプレイ全体が、好適なクリアにする波形を用いて、電気泳動粒子をそれらの開始位置に戻るように駆動することによってクリアされることができるか(「大域的」消去として知られる)、または、より小さいエリアが、例えば、米国特許第10,037,089号に説明されるように、局所化された回転電場を用いて、消去されることができる。しかしながら、単に、鉛筆の使用のように、スタイラスをひっくり返し、描かれたものを消去すること、または黒板またはホワイトボードのように、イレーザを取り上げ、誤った線を除去することは、可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,143,472号明細書
【特許文献2】米国特許第6,583,780号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】A. Henzen,J. van de Kamer,“The present and future of electronic paper,”Journal of the S.I.D.14/5,437-442(2006)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電場および磁場の両方を用いてアドレスされ、大域的および局所的消去の両方を提供し得る電気光学ディスプレイを含む。特に、本発明のディスプレイは、例えば、磁気スタイラス、スタンプ等を用いて、アドレスされることができ、それらは、電場の切り替えを用いて、大域的に消去されることができる、またはそれらは、電場と、異なる磁場等の追加の刺激の組み合わせを用いて、局所的に消去されることができる。電気光学ディスプレイは、非常に薄く、スタイラス先端は、活性層の非常に近傍にあるので、スタイラスの先端と書き込まれた線との間に無視可能な視差オフセットが存在する。さらに、構造の材料は、可撓性であり、それによって、紙のように丸められ、または非平面表面の輪郭に適合するように曲げられ得る再書き込み可能ディスプレイを可能にする。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、剪断またはレーザ切断を用いて、所望の形状に合致するように切断されることができる。
【0010】
概して、磁気泳動ディスプレイは、正面電極と、背面電極と正面と背面電極との間に挟まれた磁気泳動媒体とを含む。磁気泳動媒体は、帯電させられた磁気(または磁化可能)粒子を含む流体を備え、したがって、磁気泳動粒子は、磁場および電場の両方および電気と磁場の組み合わせに応答する。いくつかの実施形態において、ディスプレイシステムは、電場の印加に応答して移動するように構成される第2のセットの電気泳動粒子を含み、第1および第2のセットの粒子は、反対電荷および対比色を有する。いくつかの実施形態において、流体は、第1のセットの磁気泳動粒子の色とは対照的である色である。いくつかの実施形態において、正面電極は、光透過性である。いくつかの実施形態において、正面および背面電極の両方は、光透過性である。いくつかの実施形態において、ディスプレイ層内の流体は、カプセル化される。例えば、流体は、コラーゲンマイクロカプセルまたは事前に加工されたマイクロセル(例えば、熱成形またはリソグラフ加工される)内にカプセル化され得る。コントローラが、典型的に、好適な電圧を正面電極と背面電極との間に提供するために使用される。電圧は、波形として知られる時間依存性であり得、磁気泳動粒子を正面電極に向かってまたはそれから離れるように移動させ得、または、磁気泳動粒子を互いに一緒により近づけ、またはより遠く離されるように移動させ得る。
【0011】
磁気泳動ディスプレイは、第1の磁気端部と、第2の磁気端部とを伴う本体を有するスタイラスを用いて、局所的にアドレスされ、局所的に消去され得る。スタイラスは、第1の端部の近位にあり、500ガウス~5,000ガウスの第1の磁場を第1の端部に提供する第1の磁石と、第2の端部の近位にあり、10ガウス~500ガウスの第2の磁場を第2の端部に提供する第2の磁石と、スタイラス本体内の無線送信機と、無線送信機に動作可能に接続されたスタイラスの本体上のスイッチとを含む。第1または第2の磁石は、ネオジムから成り得る。無線送信機は、BLUETOOTH(登録商標)またはZIGBEE(登録商標)送信機であり得る。スタイラスは、加えて、無線受信機または送受信機を含み得る。
【0012】
一般に、局所的アドレッシングのために使用される磁気スタイラス(例えば、第1の磁気端部)の磁気強度は、局所的消去のために使用されるスタイラス/イレーザ(例えば、第2の磁気端部)より強くあるべきである。局所的消去は、電場および磁気スタイラスの組み合わせを同時に使用する。多くの実施形態において、局所的消去のために使用される電場は、媒体を大域的に消去するために使用される場より小さい。電気パルスは、より高い周波数(AC)とより低い周波数(DC)の組み合わせを含み、局所的消去パルスシーケンスとともに現れ得る切り替え過渡電圧の抑制を補助し得る。
【0013】
例えば、磁気スタイラスを使用して、磁気泳動ディスプレイが、加えて、大域的消去モードおよび局所的消去モードの両方を提供するように構成される電圧コントローラを含む書き込みシステムの中に組み込まれ得る。そのようなシステムは、したがって、光透過性である第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に配置された磁気泳動媒体であって、帯電させられた磁気粒子を備えている磁気泳動媒体と、磁気先端を備えているスタイラスと、電圧を第1の電極と第2の電極との間に供給するように構成される電圧コントローラとを含む磁気泳動ディスプレイを含むであろう。電圧コントローラは、少なくとも2つのモード、すなわち、電圧コントローラが、帯電させられた磁気粒子を第1の電極における視認表面に向かって駆動するために十分な第1の電圧を提供する第1の(大域的消去)モードと、電圧コントローラが、ゼロより大きいが、帯電させられた磁気粒子第1の電極における視認表面に向かってを駆動するために不十分であるが、補完的磁場が供給されると、帯電させられた磁気粒子を第1の電極における視認表面に向かって駆動するために十分である第2の電圧を提供する第2の(局所的消去)モードとを有する。本開示の目的のために、帯電させられた磁気粒子を第1の電極における視認表面に向かって「駆動するために不十分である」とは、電場が、単独において、ディスプレイに状態を切り替えさせないこと、すなわち、関連時間量、例えば、10秒未満、例えば、5秒未満、例えば、2秒未満に、反射性状態の観察可能な変化、すなわち、10Lを上回る変化をディスプレイが引き起こさないことを意味する。
【0014】
故に、コントローラは、粒子を含む磁気泳動媒体を消去する方法を促進し、方法は、電場刺激を磁気泳動媒体に提供することであって、電場刺激は、ゼロより大きいが、磁気泳動媒体を第1の状態から第2の状態に切り替えるために不十分である、ことと、非電場刺激を磁気泳動媒体に提供し、それによって、磁気泳動媒体に第1の状態から第2の状態に切り替わらせることとを含む。非電場刺激は、磁気、超音波、圧力、振動、光、または熱であり得る。非電場刺激が磁気である事例において、消去は、10~1,000ガウスの場強度をスタイラスの表面に提供する磁石を含むスタイラスを用いて、達成され得る。代替として、磁気刺激は、縞状極磁気材料によって提供され得る。典型的に、局所的消去の間に使用される電場刺激は、同一期間にわたって磁気泳動媒体に第1の状態から第2の状態に切り替わらせるために要求される電圧(すなわち、大域的消去)の2分の1未満である。例えば、局所的消去の間に使用される電場刺激は、大域的消去の間に使用される電場刺激の大きさの3分の1であり得る。いくつかの実施形態において、電場刺激は、時変波形を備えている。方法は、残留電圧管理をさらに含み得、それは、ユーザのための全体的消去体験を改良する。典型的に、残留電圧管理は、磁気泳動媒体における残留電圧を決定することと、時変波形を修正し、磁気泳動媒体における残留電圧を減少させることとを含む。残留電圧を決定することは、残留電圧を測定すること、残留電圧を計算すること、またはそれらのある組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、時変波形は、時変波形のオフセットを変化させること、または時変波形のデューティサイクルを変化させること、または時変波形の振幅を変化させることによって修正される。いくつかの実施形態において、電場刺激は、50%未満のデューティサイクルを伴う時変波形を備えている。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
粒子を含む磁気泳動媒体を消去する方法であって、前記方法は、
電場刺激を前記磁気泳動媒体に提供することであって、前記電場刺激は、ゼロより大きいが、前記磁気泳動媒体に第1の状態から第2の状態に5秒以内に切り替わらせるために不十分であり、前記第1の状態と前記第2の状態とは、少なくとも10L 異なる、ことと、
非電場刺激を前記磁気泳動媒体に提供し、それによって、前記磁気泳動媒体に前記第1の状態から前記第2の状態に切り替わらせることと
を含む、方法。
(項目2)
前記非電場刺激は、磁気、超音波、圧力、振動、光、または熱である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記非電場刺激は、磁気であり、前記磁気刺激は、スタイラスによって提供される、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記スタイラスは、10~1,000ガウスの場強度を前記スタイラスの表面に提供する磁石を備えている、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記非電場刺激は、磁気であり、前記磁気刺激は、縞状極磁気材料によって提供される、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記磁気泳動媒体は、帯電させられた強磁性粒子を備えている、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記電場刺激は、同一期間にわたって前記磁気泳動媒体に前記第1の状態から前記第2の状態に切り替わらせるために要求される電圧の2分の1より小さい、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記電場刺激は、時変波形を備えている、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記磁気泳動媒体における残留電圧を決定することと、
前記時変波形を修正し、前記磁気泳動媒体における前記残留電圧を減少させることと
をさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記残留電圧を決定することは、前記残留電圧を測定することを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記残留電圧を決定することは、前記残留電圧を計算することを含む、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記時変波形は、前記時変波形のオフセットを変化させること、または前記時変波形のデューティサイクルを変化させること、または前記時変波形の振幅を変化させることによって修正される、項目9に記載の方法。
(項目13)
第1の端部および第2の端部を伴う本体を有するスタイラスであって、前記スタイラスは、
前記第1の端部の近位にあり、500ガウス~5,000ガウスの第1の磁場を前記第1の端部に提供する第1の磁石と、
前記第2の端部の近位にあり、10ガウス~500ガウスの第2の磁場を前記第2の端部に提供する第2の磁石と、
前記本体内の無線送信機と、
前記無線送信機に動作可能に接続された前記スタイラスの前記本体上のスイッチと
を備えている、スタイラス。
(項目14)
書き込みシステムであって、前記書き込みシステムは、
磁気泳動ディスプレイであって、前記磁気泳動ディスプレイは、
光透過性である第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された磁気泳動媒体と
を含み、前記磁気泳動媒体は、帯電させられた磁気粒子を備えている、磁気泳動ディスプレイと、
磁気先端を備えているスタイラスと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を供給するように構成された電圧コントローラと
を備え、
前記電圧コントローラは、2つのモードを有し、
第1の(大域的消去)モードにおいて、前記電圧コントローラは、前記帯電させられた磁気粒子を前記第1の電極における視認表面に向かって駆動するために十分な第1の電圧を提供し、
第2の(局所的消去)モードにおいて、前記電圧コントローラは、ゼロより大きいが、前記帯電させられた磁気粒子を前記第1の電極における前記視認表面に5秒以内に駆動するために不十分であるが、補完的磁場が供給されると、前記帯電させられた磁気粒子を前記第1の電極における前記視認表面に駆動するために十分である第2の電圧を提供する、
書き込みシステム。
(項目15)
前記帯電させられた磁気粒子は、強磁性である、項目14に記載の書き込みシステム。
(項目16)
前記帯電させられた磁気粒子は、黒色である、項目15に記載の書き込みシステム。
(項目17)
前記磁気泳動媒体は、前記磁気粒子と反対の電荷を有する非磁気白色粒子をさらに備えている、項目16に記載の書き込みシステム。
(項目18)
前記磁気泳動媒体は、着色されている、項目16に記載の書き込みシステム。
(項目19)
前記帯電させられた磁気粒子は、白色である、項目15に記載の書き込みシステム。
(項目20)
前記磁気泳動媒体は、前記磁気粒子と反対の電荷を有する非磁気暗着色粒子をさらに備えている、項目19に記載の書き込みシステム。
(項目21)
前記磁気泳動媒体は、着色されている、項目20に記載の書き込みシステム。
(項目22)
前記スタイラスおよび前記電圧コントローラは、互いに無線で通信するように構成されている、項目14に記載の書き込みシステム。
(項目23)
前記第1の電圧は、20Vより大きい、項目14に記載の書き込みシステム。
(項目24)
前記第2の電圧は、20Vより小さい、項目14に記載の書き込みシステム。
(項目25)
前記第2の電圧は、50%未満のデューティサイクルを有する波形として提供される、項目24に記載の書き込みシステム。
(項目26)
前記第2の電極は、光透過性である、項目14に記載の書き込みシステム。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の種々の側面および実施形態が、以下の図を参照して説明される。図は、必ずしも、正確な縮尺で描かれていないことを理解されたい。複数の図中に現れる項目は、それらが現れる全図において、同一参照番号によって示される。
【0016】
図1図1は、黒色磁気泳動粒子と、白色非磁気電気泳動粒子とを含む磁気泳動ディスプレイを描写する概略図である。黒色および白色粒子は、反対電荷を有する。
【0017】
図2図2は、黒色磁気泳動粒子を含む磁気泳動ディスプレイを描写する概略図である。
【0018】
図3図3は、いくつかの実施形態による、ディスプレイの光学状態の局所的変化を引き起こす磁気スタイラスを示す概略図である。
【0019】
図4A図4Aは、カプセル化された磁気泳動媒体内の磁気泳動粒子の鎖を示す可視光顕微鏡写真である。磁気泳動粒子は、概ね、アドレシング磁気スタイラスの磁場線に追従する。
【0020】
図4B図4Bは、図4Aの可視光顕微鏡写真の拡大図である。
【0021】
図5A図5Aは、黒色粒子が電場を用いて正面光透過性電極に駆動されているときの黒色磁気泳動粒子と白色非磁気電気泳動粒子とを備えているカプセル化された磁気泳動媒体の可視光顕微鏡写真である。
【0022】
図5B図5Bは、白色粒子が電場を用いて正面光透過性電極に駆動されているときの黒色磁気泳動粒子と白色非磁気電気泳動粒子とを備えているカプセル化された磁気泳動媒体の可視光顕微鏡写真である。
【0023】
図5C図5Cは、黒色磁気泳動粒子と白色非磁気電気泳動粒子とを備えているカプセル化された磁気泳動媒体の可視光顕微鏡写真であり、黒色粒子は、電場を用いて正面光透過性電極に駆動され、次いで、磁場を用いて一緒に凝集されている。
【0024】
図5D図5Dは、黒色磁気泳動粒子と白色非磁気電気泳動粒子とを備えているカプセル化された磁気泳動媒体の可視光顕微鏡写真であり、白色粒子は、電場を用いて正面光透過性電極に駆動され、次いで、黒色粒子は、磁場を用いて一緒に凝集されている。
【0025】
図6図6は、閾下アドレシングおよび消去の一般的原理を図示する。
【0026】
図7図7は、黒色磁気泳動粒子と白色非磁気電気泳動粒子とを備えているカプセル化された磁気泳動媒体の鎖でつながれた磁気状態の局所的消去を描写する概略図である。閾下電場が、変化させられる状態が非電気刺激、例えば、磁場、熱、光、または超音波によって破壊される間、印加される。
【0027】
図8図8は、黒色顔料を視認表面に駆動するであろう大域的消去波形の実施形態である。
【0028】
図9図9は、追加の非電気刺激が磁気泳動媒体に提示されるとき、黒色顔料を視認表面に駆動するであろう(閾下)局所的消去波形の実施形態である。
【0029】
図10図10は、追加の非電気刺激が磁気泳動媒体に提示されるとき、黒色顔料を視認表面に駆動するであろう(閾下)局所的消去波形の実施形態である。図10の波形は、約50%のデューティサイクルを有する。
【0030】
図11図11は、追加の非電気刺激が磁気泳動媒体に提示されるとき、黒色顔料を視認表面に駆動するであろう(閾下)局所的消去波形の実施形態である。図11の波形は、50%未満のデューティサイクルを有し、ディスプレイ媒体にわたってより少ない残留電圧蓄積をもたらす。
【0031】
図12図12は、磁気泳動ディスプレイとの使用のために好適な平衡大域的消去波形を示す。いくつかの実施形態において、ボックスで囲まれたエリア内の波形の部分は、残留電圧を減少させるように調節されるであろう。
【0032】
図13図13は、磁気泳動ディスプレイとの使用のために好適な電圧オフセットを伴う局所的消去波形を示す。電圧オフセットは、残留電圧を低減させることに役立ち得る。
【0033】
図14A図14Aおよび14Bは、消去されるべきディスプレイの量および磁気泳動媒体上に存在する残留電圧の量に応じて磁気泳動ディスプレイを駆動するための好ましい波形を決定するためのフローチャートを図示する。
図14B図14Aおよび14Bは、消去されるべきディスプレイの量および磁気泳動媒体上に存在する残留電圧の量に応じて磁気泳動ディスプレイを駆動するための好ましい波形を決定するためのフローチャートを図示する。
【0034】
図15図15は、消去されるべきディスプレイの量および磁気泳動媒体上に存在する残留電圧の量に応じて磁気泳動ディスプレイを駆動するための好ましい波形を決定するためのフローチャートを図示する。
【0035】
図16図16は、所望の色および電荷の磁気泳動粒子を作成する方法の概略図である。
【0036】
図17A図17Aは、第1の磁気端部と第2の磁気端部とを有する磁気スタイラスを図示し、第1の磁気端部の磁場は、第2の磁気端部の磁場より強い。
【0037】
図17B図17Bは、磁気泳動ディスプレイをアドレスするための図17Aのスタイラスの使用を図示する。
【0038】
図17C図17Cは、磁気泳動ディスプレイを消去するための図17Aのスタイラスの使用を図示する。スタイラス上のボタンを押すことによって、ユーザは、コントローラに、磁気泳動媒体を横断して閾下電場を提供するように命令する。
【0039】
図18A図18Aは、磁気泳動ディスプレイと使用され得る磁気イレーザを図示する。
【0040】
図18B図18Bは、磁気泳動ディスプレイをアドレスするための図17Aのスタイラスの使用を図示する。
【0041】
図18C図18Cは、磁気泳動ディスプレイを消去するための図18Aのスタイラスの使用を図示する。
【0042】
図19図19は、図17Aにおけるような磁気スタイラスと、局所的および大域的消去の二重モードを提供する電圧コントローラとの間の無線通信を図示する。
【0043】
図20図20は、黒色上への灰色書き込みのために最適化されている磁気泳動ディスプレイ内の暗状態とグレー状態との間および明状態とグレー状態との間のコントラスト比を示す。磁気スタイラスを用いた通常書き込み速度(陰影付きボックス)において、優れたコントラストが存在し、知覚可能な遅れはない。
【0044】
図21A図21Aは、可変周波数電磁石(背後からアドレスされる)を用いた磁気泳動媒体のアドレッシングの可視光顕微鏡写真である。
【0045】
図21B図21Bは、図21Aの可視光顕微鏡写真の拡大図であり、可変周波数電磁石を用いて磁気泳動媒体をアドレスし、約1マイクロカプセル幅の線幅を達成することが可能であることを示す。
【0046】
図21C図21Cは、可変周波数電磁石を用いて磁気泳動媒体を書き込むときの線幅の変動性を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本明細書に説明されるように、磁気応答性ディスプレイは、ユーザが、判別可能な遅れを伴わずに、アクティブマトリクスバックプレーンの必要なく、大域的および局所的スケールで、書き込み、消去する能力を有することを可能にするように構築されることができる[しかしながら、本明細書に説明される磁気泳動媒体は、アクティブマトリクスバックプレーン、およびWACOMによって販売されるもの等の電子デジタイザと使用されることもできる]。磁気泳動媒体は、例えば、灰色の安定中間状態を達成する能力も伴って、白色状態と黒色状態との間で、従来の電気泳動ディスプレイと同一方法において電気的に切り替えられ得る磁気粒子を含む。磁気スタイラスを用いてアドレスされると、磁気泳動媒体流体は、グレー状態を示し、グレー状態は、極端な電気泳動白色状態と黒色状態との間の光学密度の中間である。したがって、白色状態から開始すると、磁気スタイラスは、比較的に暗画像を生産することができる一方、黒色状態から開始すると、より明るい画像が、形成されることができる。磁気泳動媒体ディスプレイは、分割された電極と組み合わせられ、非常に大きい面積の書き込み可能表面を生産するか(すなわち、磁気的にアドレス可能な書き込みボード)、または、TFTバックプレーンと使用され、電気的にアドレスされるが、可視待ち時間を伴わずに、磁気スタイラスを用いて書き込み可能な追加の能力を有し得るグラフィック対応ディスプレイを作製することができる。所望に応じて、最初に生産された、磁気的に書き込まれた画像は、続いて、電気アドレッシングによってリフレッシュされ、より高いコントラスト、より直線の線、デジタル化された文字等を提供することができる。
【0048】
本明細書に説明されるスタイラスと使用されると、磁気書き込みスタイラスによって直接接触されない領域内に、顔料運動を引き起こすための十分な強磁場が存在せず、したがって、書き込みと画像の出現との間に、可視の遅れが存在しない。スタイラスを活性層から分離するための比較的に厚いガラス層が存在する必要もないので、スタイラスの先端と書き込まれた線との間に無視可能な視差オフセットしか存在しない。これらの両方の理由から、磁気スタイラスを用いたE INKの感磁性インク上への書き込みの体験は、ペンまたは鉛筆を用いた紙上への書き込みのものに非常に類似する。用語「書き込み具」または「スタイラス」は、本明細書で使用されるように、鉛筆、ペン、またはマーカのように成形されるもの等の任意の好適なハンドヘルドデバイスを含む。例えば、磁気マーカは、磁場を発生させ得、磁化可能材料の領域を磁化させるために使用され得る。
【0049】
用語「電気光学」は、材料またはディスプレイに適用されるように、画像化技術分野におけるその従来的な意味で使用され、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する材料を指すために本明細書で使用され、材料は、材料への電場の印加によって、その第1からその第2の表示状態に変化させられる。光学特性は、典型的に、ヒトの眼に知覚可能な色であるが、光学透過率、反射率、ルミネッセンス、または機械読み取りのために意図されるディスプレイの場合、可視範囲外の電磁波長の反射の変化の意味における擬似色等の別の光学特性であり得る。
【0050】
用語「グレー状態」は、画像化技術分野におけるその従来的な意味で本明細書で使用され、2つの極限ピクセルの光学的状態の中間の状態を指し、必ずしもこれらの2つの極限状態の間の黒色と白色の遷移を意味するわけではない。例えば、上で参照されるいくつかの電気泳動インクに関する特許および公開された出願は、極限状態が白色および濃青色であり、中間の「グレー状態」が実際には薄青である電気泳動ディスプレイを説明している。実際、既述のように、光学的状態の変化は、色の変化では全くないこともある。用語「黒色」および「白色」は、ディスプレイの2つの極限光学的状態を指すように以降で使用され得、例えば、前述の白色および濃青色状態等の厳密には黒色および白色ではない極限光学的状態を通常含むものとして理解されるべきである。用語「単色」は、以降、介在グレー状態を伴わず、ピクセルをその2つの極限光学状態のみに駆動する駆動スキームを指すために使用され得る。さらに、本明細書で使用されるように、極限状態は、ディスプレイを磁気的に駆動することから結果として生じる暗および明状態を含み、それは、典型的に、極限黒色および白色状態を達成しないが、暗灰色(ほぼ黒色)および明灰色(ほぼ白色)状態を達成する。
【0051】
いくつかの電気光学材料は、材料が固体外部表面を有するという意味において、固体であるが、材料は、内部液体またはガス充填空間を有し得、多くの場合、有する。固体電気光学材料を使用するそのようなディスプレイは、以降、便宜上、「固体電気光学ディスプレイ」と称され得る。したがって、用語「固体電気光学ディスプレイ」は、回転二色部材ディスプレイ、カプセル化された電気泳動ディスプレイ、マイクロセル電気泳動ディスプレイ、およびカプセル化された液晶ディスプレイを含む。
【0052】
用語「双安定」および「双安定性」は、当技術分野におけるそれらの従来の意味で、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する表示要素を備えているディスプレイを指すために本明細書で使用され、ディスプレイは、第1または第2の表示状態のうちのいずれか一方を示すように、有限持続時間のアドレシングパルスを用いて所与の要素が駆動されてから、アドレシングパルスが終了した後、表示要素の状態を変化させるために必要とされるアドレシングパルスの最小持続時間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍、その状態が続く。米国特許第7,170,670号において、グレースケール対応のいくつかの粒子ベースの電気泳動ディスプレイが、それらの極限黒色および白色状態においてのみならず、その中間グレー状態においても、安定しており、同じことは、いくつかの他のタイプの電気光学ディスプレイにも当てはまることが示されている。このタイプのディスプレイは、適切に、双安定性ではなく、「多安定性」と呼ばれるが、便宜上、用語「双安定性」が、本明細書において、双安定性および多安定性ディスプレイの両方を網羅するために使用され得る。
【0053】
本明細書で使用されるように、「画像」は、空間表現を指し、少なくともいくつかの実施形態において、それから画像が導出さ得るデータ(例えば、デジタル1および0)と区別されるべきである。下でさらに説明されるであろうように、本願の実施形態による、画像は、写真、テキスト、形状、または任意の他のパターンを含み得、いくつかの実施形態において、磁気応答性ディスプレイ上に転写または再現され得る磁気記録層の磁化された領域の任意の配列またはパターンとして具現化され得る。画像は、例えば、説明されたように、ディスプレイ上に生産されると、可視であり得る。しかしながら、「画像」は、本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態において、少なくとも裸眼において、不可視であり得る。例えば、本明細書に説明されるように、画像は、磁気記録層の磁化された領域として具現化され得る。磁化された領域の空間表現は、裸眼では不可視であるが、それにもかかわらず、画像、例えば、写真、テキスト、および/または形状を表し得る。
【0054】
Massachusetts Institute of Technology(MIT)およびE Ink Corporationに譲渡された、またはそれらの名義の多数の特許および出願は、カプセル化された電気泳動および他の電気光学媒体に使用される種々の技術を説明している。そのようなカプセル化された媒体は、多数の小型カプセルを含み、それらの各々が、それ自体、電気泳動により移動可能な粒子を流体媒体中に含む内相と、内相を包囲するカプセル壁とを含む。典型的に、カプセルは、それら自体が、ポリマー接着剤内に保持され、2つの電極間に位置付けられる密着した層を形成する。これらの特許および出願に説明される技術としては、以下が挙げられる。
(a)電気泳動粒子、流体、および流体添加物(例えば、米国特許第6,870,661号、第7,002,728号、および第7,679,814号参照)
(b)カプセル、結合剤、およびカプセル化プロセス(例えば、米国特許第6,922,276号および第7,411,719号参照)
(c)電気光学材料を含むフィルムおよびサブアセンブリ(例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号参照)
(d)バックプレーン、接着層、および他の補助層、およびディスプレイにおいて使用される方法(例えば、米国特許第7,116,318号および第7,535,624号参照)
(e)色形成および色調節(例えば、米国特許第7,075,502号および第7,839,564号参照)
(f)ディスプレイを駆動する方法(例えば、米国特許第7,012,600号、第7,304,787号、および第7,453,445号参照)
(g)ディスプレイの適用(例えば、米国特許第7,312,784号および第8,009,348号参照)
(h)非電気泳動ディスプレイ(米国特許第6,241,921号、第6,950,220号、第7,420,549号、第8,319,759号、および第8,994,705号、および米国特許出願第公開第2012/0293858号参照)
【0055】
前述の特許および出願の多くは、カプセル化電気泳動媒体内の別々のマイクロカプセルを包囲する壁が連続相と置換され得ることを認識し、したがって、いわゆる高分子分散電気泳動ディスプレイを生産し、ディスプレイにおいて、電気泳動媒体は、電気泳動流体の複数の別々の液滴と、高分子材料の連続相とを備え、そのような高分子分散電気泳動ディスプレイ内の電気泳動流体の別々の液滴が、別々のカプセル膜が各個々の液滴に関連付けられない場合でも、カプセルまたはマイクロカプセルと見なされ得ることを認識する。例えば、前述の米国特許第6,866,760号を参照されたい。故に、本願の目的のために、そのような高分子分散電気泳動媒体は、カプセル化電気泳動媒体の亜種と見なされる。
【0056】
関連タイプの電気泳動ディスプレイは、いわゆる「マイクロセル電気泳動ディスプレイ」である。マイクロセル電気泳動ディスプレイにおいて、荷電粒子および流体は、マイクロカプセル内にカプセル化されないが、代わりに、キャリア媒体、典型的に、高分子フィルム内に形成される複数の空洞内に保持される。例えば、現E Ink California,Inc.の名称であるSipix Imaging,Incの名称下の米国特許第6,672,921号および第6,788,449号を参照されたい。
【0057】
多くの場合、電気泳動媒体は不透明であり(例えば、多くの電気泳動媒体において、粒子は、ディスプレイを通る可視光の透過を実質的に遮断するため)、反射モードで動作するが、多くの電気泳動ディスプレイは、1つのディスプレイ状態が実質的に不透明であり、1つは、光透過性であるいわゆる「シャッタ」モードで動作するように作製され得る。例えば、米国特許第5,872,552号、第6,130,774号、第6,144,361号、第6,172,798号、第6,271,823号、第6,225,971号、第6,184,856号、第7,304,787号、および第7,999,787号を参照されたい。他の種類の電気光学ディスプレイも、シャッタモードで動作することが可能である。シャッタモードで動作する電気光学媒体は、フルカラーディスプレイ用の多層構造で使用され得、そのような構造において、ディスプレイの視認表面に隣接する少なくとも1つの層は、シャッタモードで動作し、視認表面からより遠くにある第2の層を露出させ、またはそれを隠す。
【0058】
2つの粒子、例えば、黒色および白色粒子を有する磁気的にアドレス可能なディスプレイにおいて、磁気アドレシングは、可変明度または暗度のグレー状態のみを発生させる。磁場は、所望のグレー状態に調整され得る。電気切り替え、すなわち、電気光学ディスプレイが、完全黒色および白色光学状態を達成するために、粒子を駆動するために要求される。磁気的にアドレス可能なディスプレイにおいて、黒色状態は、完全に黒色であるように要求されず、単に、暗色である。同様に、白色状態は、完全に白色であるように要求されず、単に、明色である。画像を表示するために、背景と磁気的にアドレスされるエリアとの間の差異に焦点が当てられる。本明細書で使用されるように、黒色状態は、電気アドレシングに関連付けられる完全に黒色状態を含む暗状態を指し、白色状態は、電気アドレシングに関連付けられる完全に白色状態を含む明状態を指す。光学状態(暗または明)のいずれかから、磁気スタイラスは、顔料粒子をグレー状態に向かって駆動する。黒色または暗状態から、磁気スタイラスは、光学状態をより明るいグレー状態に向かって切り替える。白色状態または明状態から、磁気スタイラスは、光学状態をより暗いグレー状態に向かって切り替える。
【0059】
磁気スタイラスまたは印刷ヘッドを用いたアドレッシングの代替として、記録層(例えば、磁気泳動媒体を含む)内の磁化可能材料の領域が、固定された磁気書き込み具を介して、磁化され得る。記録層は、続いて、磁気応答性のディスプレイ層と近接させられ、それによって、書き込み具によって以前に磁化された磁化可能材料の領域の複写を生産し得る。いくつかの実施形態において、磁化可能材料の領域は、磁気書き込み具によって、磁気応答性のディスプレイ層に近接している間、磁化され得、それによって、書き込み具は、磁化可能材料の磁化領域に加え、ディスプレイ層の光学状態の変化の両方を引き起こす。記録層は、ディスプレイ層から分離され、続いて、同一または異なるディスプレイ層と接近させられ得る。
【0060】
いくつかの実施形態によると、電子ディスプレイシステム内の磁気応答性のディスプレイ層は、粒子ベースのディスプレイ層であり得る。ある場合、粒子は、1つ以上のタイプの顔料を含み得る。単一顔料ディスプレイにおいて、顔料は、電気的および磁気的の両方において制御可能である。多顔料ディスプレイにおいて、顔料タイプのうちの少なくとも1つは、電気的および磁気的の両方において制御可能であり得る。多顔料ディスプレイの一例は、白色顔料粒子および黒色顔料粒子を含むディスプレイである。黒色顔料粒子は、例として、電気的および磁気的の両方で制御可能であり得る。いくつかの実施形態によると、磁気応答性(非電子)のディスプレイシステム内の磁気応答性ディスプレイ層は、粒子ベースのディスプレイ層であり得る。ある場合、粒子は、1つ以上のタイプの顔料を含み得る。単一顔料ディスプレイにおいて、顔料は、電気的および磁気的の両方で制御可能であり得る。多顔料ディスプレイにおいて、顔料タイプのうちの少なくとも1つが、電気的および磁気的の両方で制御可能であり得る。多顔料ディスプレイの一例は、白色顔料粒子と、黒色顔料粒子とを含むディスプレイである。黒色顔料粒子は、例として、電気的および磁気的の両方で制御可能であり得る。多顔料ディスプレイにおいて、顔料色は、黒色および白色以外の色であり得る。多顔料ディスプレイにおいて、カラー上層は、特に、白色顔料粒子が含まれるとき、顔料粒子の知覚された色を変化させるために使用され得る。
【0061】
いくつかの実施形態によると、粒子ベースのディスプレイ層は、白色および黒色顔料粒子を含み得、黒色顔料粒子は、いくつかの状態において、入射光が、主として、黒色粒子によって吸収されるように、ディスプレイの正面に向かって位置し得る。アドレシング磁石(例えば、磁気スタイラス)によって生産される磁場は、ディスプレイの光学状態を変化させ得、それによって、黒色粒子は、一緒に群がり、集まり、または鎖し、それによって、入射光が黒色粒子の下層の白色粒子によって反射されることを可能にする。光学状態の変化は、加えて、ディスプレイ内の白色および/または黒色粒子の移動を含み得る。代替として、多顔料ディスプレイは、代わりに、入射光が、主として、白色粒子によって反射されるように、白色顔料粒子をディスプレイの正面に向かって位置させるように構成され得る。スタイラスによって生産される磁場は、次いで、入射光のより多くが黒色粒子によって吸収されるように、ディスプレイの光学状態を変化させ得る。そのような実施形態において、黒色粒子が、磁場を使用して、ディスプレイの正面に向かって移動させられると、極限黒色状態ではなく、暗グレー状態が、生じる。同様に、白色磁気泳動粒子が、磁場を使用して、ディスプレイの正面に向かって移動させられると、明グレーまたは白色グレー状態が、生じる。
【0062】
粒子ベースの電気光学ディスプレイは、1つ以上の顔料タイプを含み得る。多顔料ディスプレイにおいて、顔料タイプのうちの少なくとも1つは、電気的および磁気的の両方で制御可能であり得る。多顔料ディスプレイの例は、白色顔料粒子と、黒色顔料粒子とを含むディスプレイである。黒色顔料粒子は、例として、電気的および磁気的の両方で制御可能であり得る。黒色または白色顔料は、強磁性または常磁性であり得る。黒色顔料粒子は、例として、電気的および磁気的の両方において制御可能であり得る。Bayferrox8600、8610;Northern Pigments604、608;Magnox104、TMB-100;Columbian Mapico Black;Pfizer CX6368およびCB5600等の市販の磁気粒子が、単独で、または他の公知の顔料と組み合わせて使用され、電気的および磁気的の両方において制御可能な顔料を生成し得る。一般に、磁化率50~100、保磁性40~120エルステッド(Oe)、飽和磁化20~120emu/g、および残留磁気7~20emu/gを有する磁気粒子が、好ましい。加えて、粒子は、直径100~1000ナノメートル(nm)を有することが有益であり得る。具体的であるが、非限定的例として、電気光学ディスプレイの顔料は、いくつかの実施形態において、磁鉄鉱(Bayferrox318M等の酸化鉄)、酸化ネオジム(Sigma Aldrich634611酸化ネオジム(III)等)、酸化鉄および銅(Sigma Aldrich銅フェライト等)、または鉄およびコバルトまたは鉄およびニッケルの合金(Sigma Aldrich鉄-ニッケル合金粉末およびAmerican Elemnets鉄-コバルト合金ナノ粉末等)の形態であり得る。
【0063】
書き込み具によって生産される磁場の強度は、電気光学ディスプレイの有益な動作を提供するために選択されたレベルでもあり得る。例えば、書き込み具(例えば、スタイラス)によって生産される磁場は、少なくとも1ミリテスラ(mT)(10ガウス)であり得る。実践において、インクの内側における1T(10,000ガウス)を超える磁場の発生は、技術的および経済的に手が出ないこともある。したがって、いくつかの実施形態において、印加される磁場は、1mT~1T、例えば、10ガウス~10,000ガウス、例えば、100ガウス~1000ガウスであり得る。
【0064】
磁気泳動粒子ベースのディスプレイ層は、いくつかの実施形態によると、ディスプレイが光の実質的部分を透過させ得るように、磁気スタイラスによって生産される磁場にさらされると、鎖または柱を形成するように構成され得る単一タイプの磁気応答性の黒色顔料粒子を含み得る。そのような場合において、磁場に対する黒色顔料粒子の応答は、「シャッタ」のように作用し、事実上、入射光が黒色粒子によって主として吸収される「シャッタ閉鎖」状態から、黒色顔料粒子が、ディスプレイに入射する光を実質的にもはや吸収しない「シャッタ開放」状態にその状態を改変する。加えて、そのようなシャッタモードデバイスは、光透過性状態と閉鎖状態との間で電気的に駆動され得る。そのようなシャッタ式ディスプレイは、シャッタ式効果が暗化状態と背面表面の視認との間に起こるように、反射性および/または着色バッキングと対にされ得る。代替として、磁気泳動媒体を含むシャッタモードディスプレイは、媒体が、磁気泳動粒子の色に応じて、暗状態と着色状態との間または明状態と着色状態との間で切り替わるように、着色流体を媒体中に含み得る。
【0065】
前述の側面および実施形態および追加の側面および実施形態は、以下にさらに説明される。これらの側面および/または実施形態は、個々に、全てともに、または2つまたはそれを上回るものの任意の組み合わせにおいて、使用され得、本願は、この観点において限定されない。
【0066】
図1は、いくつかの実施形態による、磁気泳動ディスプレイ層を描写する。ディスプレイ100は、正面電極101および背面電極102を含む。正面電極101は、光透過性である一方、背面電極102も、随意に、光透過性である。正面電極は、典型的に、PET-ITOまたはPEDOT等の透明伝導性ポリマー媒体から形成されるが、しかしながら、伝導性添加剤(金属、ナノ粒子、フラーレン、グラフェン、塩、伝導性モノマー)でドープされた代替光透過性ポリマー(ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン)も、使用のために好適である。背面電極102は、正面電極101に関して列挙された構成要素のいずれかを備え得るが、しかしながら、背面電極は、金属箔、黒鉛電極、またはある他の伝導性材料であることもできる。分割またはTFTバックプレーンも、背面電極102の代わりに使用され、印刷およびグラフィック情報を表示することにおいて、より多用途性を追加することができる。多くの実施形態において、正面電極101および背面電極102の両方は、可撓性であり、したがって、ディスプレイ100全体も、可撓性である。ディスプレイ100は、多くの場合、基板130によって支持され、それも、光透過性および/または可撓性であり得る。図1に示されないが、1つ以上の接着性層が、構造完全性と同様、ロールツーロール処理を促進するために、構造内に含まれることを理解されたい。マイクロカプセル110間の間隙を充填するために使用される結合剤も、図1に示されない。ディスプレイ100は、加えて、上部保護シート(図示せず)を含み、正面電極101がスタイラスまたは他の機械的相互作用によって損傷されることを保護し得る。色を変化させるため、または媒体をUV暴露から保護するためのフィルタ層(図示せず)も、含まれ得る。
【0067】
ディスプレイ100は、ディスプレイ層105を含み、それは、電極101と102との間の粒子ベースのディスプレイ媒体であり、ディスプレイ媒体は、電気泳動媒体の部分を分離するための複数のコンテナを含む。図1の事例において、コンテナは、マイクロカプセル110であり、マイクロカプセル110内に、液体媒体と、1つ以上のタイプの着色顔料粒子とがあり、少なくとも1つのタイプの粒子は、磁気応答性である。図1に示されるように、これは、白色顔料粒子111と、黒色顔料粒子112とを含む。顔料111および112の一方または両方は、磁場内を移動するか、または、それに応答し得る。例えば、一方または両方のタイプの顔料粒子は、磁場線に沿って整列し得、および/または、粒子の鎖を形成し得る(図3参照)。そのような場合、顔料111および112の一方または両方は、帯電させられ得る。顔料粒子111および/または112は、(例えば電極101-102によって生産される)電場を用いて、制御(変位)され、したがって、アドレスされると、ディスプレイ100を電気泳動ディスプレイとして動作させ得る。加えて、図1-3に描写されるように、黒色顔料粒子112は、磁気応答性である。カプセル110は、上記の特許および特許出願に議論されるように、マイクロセルまたはポリマー分散液滴と置換され得ることを理解されたい。
【0068】
いくつかの使用例において、顔料111および112の両方は、電場内で変位させられるように構成され得る。例えば、カプセル110を横断して印加される電場が、顔料粒子をカプセルの反対側に分離させるように、顔料111および112のうちの1つは、正に帯電させられ得、他の顔料は、負に帯電させられ得る。電場の方向を調節することによって、ディスプレイ100の視認側上に位置する顔料が、選択され、それによって、ディスプレイのユーザによって視認されるような白色または黒色状態のいずれかを生産し得る。
【0069】
代替実施形態において、ディスプレイ200は、単一タイプの磁気泳動粒子212のみを備え得、ディスプレイ200は、例えば、複数の帯電させられた粒子と、粒子が分散された液体と、電荷制御剤(「CCA」)であって、オリゴアミン終端ポリオレフィンと、少なくとも約8個の炭素原子を含む分岐鎖脂肪酸とを備えている電荷制御剤とを備えている例えば、米国特許公開第2018/0364542号に説明される材料を使用して、粒子212の運動を通して、「開放」と「閉鎖」との間で動作する。いくつかの事例において、カプセル210は、魚ゼラチンおよびアカシアのコアセルベートから形成され、それらは、非極性溶媒と帯電させられた磁気泳動粒子212の混合物を備えている、内相をカプセル化する。ディスプレイ200において、正面電極201および背面電極202の両方が光透過性であることがより典型的であり、存在するとき、基板230も、光透過性である。ディスプレイ200も、可撓性であるように構築され得る。ディスプレイ100およびディスプレイ200の両方が積層のための基本であり得、積層において、基板130/230が、ディスプレイ100/200をプラスチック、金属、またはガラス等の新しい基板に添着させることに先立って除去される剥離シートであり得ることも理解されたい。
【0070】
図3は、いくつかの実施形態による、ディスプレイ300の光学状態の変化を引き起こすスタイラス308を描写する。ディスプレイ300は、磁場に応答しない白色反射性顔料粒子321と、磁場の存在下で鎖を形成する黒色顔料粒子322とを含む図1に示されるディスプレイ100のタイプの例である。図3の例において、スタイラス308は、黒色顔料粒子322に鎖を形成させる場線310によって部分的に描写される磁場を生産する。黒色顔料粒子の鎖の形状および構造に起因して、視認側からディスプレイ300に進入する光は、主として、黒色顔料鎖322の傍を通過し、白色顔料粒子321から反射され得る。故に、図3に示される構成において、カプセル326および327は、ディスプレイ300の視認側上において、白色(すなわち、明灰色)に見えるであろう一方、カプセル325および328は、黒色(すなわち、暗灰色)に見えるであろう。故に、スタイラス308が、顔料粒子322の鎖をカプセル326および327内等に引き起こす場合、スタイラス308の運動を表す描かれる画像の複写が、ディスプレイ300の視認表面で可視となるであろう。
【0071】
図3は、磁気スタイラスによって、黒色状態から白色状態に改変されるディスプレイの例を図示するが、ディスプレイは同様に、磁気スタイラスによって、白色状態から黒色状態に改変されるように生産され得、図3は、それとともに本明細書に説明されるような磁気泳動ディスプレイが使用され得るディスプレイの1つの例証的例にすぎないことを理解されたい。さらに、スタイラス308は、ディスプレイ300に対して正確な縮尺で示されておらず、実践において、書き込み具は、概して、カプセル325-328よりはるかに大きいであろうことを理解されたい。例えば、スタイラス308は、単に、図3に示される2つの例証的カプセル326および327内にではなく、ディスプレイ300の多数のカプセル内の黒色顔料粒子の状態の変化を生じさせ得る。
【0072】
スタイラス308は、磁気要素326を含み、それは、例えば、磁場強度1,000~2,000ガウスを有する強ネオジム磁石(N50またはN52;K&J Magnetics(Pipersville,PA))である。そのような場強度は、電子タッチスクリーン界面を利用する他の電子書き込みデバイスに関して認知可能なスタイラス遅れのいずれも伴わずに、1m/秒超の速度で、10:1超のコントラストで、高速の自然な手書きを可能にする(また、図20参照)。明らかに、スタイラス308と磁気泳動ディスプレイ層305の近接度は、ディスプレイ300内の光学状態間の時間および変化率に影響を及ぼすであろう。しかしながら、一般に、光学状態の変化を引き起こすために十分であり得る距離250は、0.1mm~5mm、例えば、1~2mm等の0.5mm~3mmであり得る。
【0073】
以下の技術的解説は、限定することを意図するものではなく、それは、磁気泳動媒体がそれを通して局所的にアドレスされ、局所的に消去されるプロセスを理解するために有用であり得る。図3に描写される鎖機構に関する証拠は、図4Aおよび4Bに示され、それらは、溶媒と、電荷制御界面活性剤と、磁気黒色顔料粒子とを含むが、白色粒子を含有しない、マイクロカプセルに見られるように、鎖でつながれた磁気粒子の透過光学顕微鏡写真である(図2参照)。図4Aおよび4Bの両方に見られるように、磁石408は、活性エリアの左側に位置するが、それは、当然ながら、書き込みにおいて使用されるスタイラスの向きではない。図4Bにおいて、特に、磁気黒色粒子が、カプセルを通して視認可能であるように、整列させられ、一緒に群がる(すなわち、鎖でつながれる)ことが明白である。磁気泳動媒体のコロイド状安定性により、この鎖でつながれた状態は、磁石が除去された後も安定する。実践において、磁気スタイラスを用いて書き込むとき、鎖でつながれた顔料の最終状態は、概ね線形であり、電極層の平面と平行である。何故なら、経験される最後の場線が、スタイラスがディスプレイの表面の上を側方に移動するので、電極層の平面にほぼ沿っているからである。
【0074】
黒色磁気泳動顔料322および白色非磁気顔料321が、図1および3におけるように組み合わせられると、鎖効果の結果は、図5A-5Cに証明されるように、かなり顕著となる。図5Aにおいて、ディスプレイ層305は、電場を上部電極301と底部電極302との間に提供し、それによって、黒色顔料の全てを視認表面に駆動することによって、完全に暗状態に駆動されている(図1参照)。ディスプレイ300は、同一の大きさであるが、反対極性を有する電場を提供することによって、図5Bに示されるように、白色状態にひっくり返されることができる。黒色状態における媒体305へのN50磁石の印加を用いることで、黒色磁気泳動顔料322は、一緒に鎖でつながれ、視認者が、図5Cに示されるように、鎖でつながれた黒色磁気泳動顔料322を通して、白色顔料321を見ることを可能にする。図5A図5Bとの間のコントラスト比は、明確により良好であるが、図5A図5Cとの間のコントラスト比は、10を上回り、確実に、書き込み媒体のために十分である。また、同一磁気泳動媒体を使用して、磁気スタイラス308を用いて、図5Bの状態(白色状態)から書き込むことも可能であるが、結果として生じるグレー状態は、図5Dに示されるように、図5Cと異なって見えることに留意されたい。図5Cと5Dとの間の差異は、黒色磁気泳動顔料322が、磁場によって、一緒に鎖でつながれ、視認表面に向かって移動させられた後の、視認表面に向かう白色顔料321の増加させられた量に起因する可能性が高い。
【0075】
しかしながら、局所化された消去を磁気泳動媒体内に提供することは、黒色磁気泳動顔料322が、単に、反対極性を有する磁石を用いて鎖を解かれることができないので、局所化されたアドレシングを提供することほど簡単ではない。むしろ、閾下電場と第2の非電気刺激の組み合わせが、図6に図示されるように、媒体305をその元の状態に戻すために要求される。すなわち、図3のディスプレイを図1のディスプレイ状態に戻るように戻すことは、2つ(またはそれを上回る)刺激の組み合わせを要求する。図6に示されるように、黒色磁気泳動顔料322の電気泳動切り替えプロファイルは、電気閾値Vth(206)に到達するまで、視認表面に向かって移動しないという点で、暗黒色線(208)に類似する。これは、大域的消去波形が鎖でつながれた黒色磁気泳動顔料322をその鎖を解かれた状態に戻す機構である。さらに、ディスプレイ300がアクティブマトリクスアレイ内等に局所化された背面電極を含む場合、電場のみを用いて、黒色磁気泳動顔料322をその鎖を解かれた状態に局所的に戻すことが可能であろう。
【0076】
しかしながら、単純デバイスが連続正面および背面電極を用いて構築されるとき、近傍の書き込みの鎖でつながれた状態を妨害せず、黒色磁気泳動顔料322をその鎖を解かれた状態に局所的に戻すための唯一の方法は、第2の刺激(より低い強度の磁場、超音波、熱、または光等)を用いて、鎖でつながれた粒子の破壊を刺激しながら、閾下電圧Vsubth(205)を提供することである。
【0077】
閾下消去に加え、磁石、熱、光、超音波等の第2の刺激と組み合わせて、閾下電気刺激を提供することによって磁気泳動媒体を閾下アドレスすることも可能である。例えば、反対に帯電させられた顔料は、安定顔料分散が第2の刺激によって破壊されると、閾下場によって、視認表面に移動させられ得る。加えて、いくつかの実施形態において、以前に白色非磁気顔料の下方に位置付けられていた黒色磁気泳動顔料は、閾下電場と磁気刺激との組み合わせを用いて、視認表面に持って来られ得る。そのようなシステムは、改良された白色上黒色磁気書き込みを提供する。
【0078】
第2の刺激は、スタイラス、印刷ヘッド、または他の類似デバイスを使用して、外部から印加され得る。外部から印加される第2の刺激は、単一源、例えば、限定ではないが、熱のための赤外線ダイオード、光のためのレーザダイオード、圧力のための接触パッド、または磁気のための永久磁石から発生され得る。本発明の別の側面において、第2の刺激は、限定ではないが、熱または光を発生させるためのダイオードのアレイ、圧力のための複数の接触パッド、または複数の磁石を含む複数の源から発生され得る。代替として、第2の刺激は、内部から発生または印加され得る。内部から印加されるとき、ディスプレイは、材料の別の層に第2の刺激を発生させ得る。第2の刺激発生層は、電気的に制御可能な源のアレイ、例えば、熱のための加熱器、光のためのLED、および圧力のための圧電から成り得る。第2の刺激発生層は、追加の層としてディスプレイの中に組み込まれ得るか、または、バックプレーン等の既存の層の中に組み込まれ得る。第2の刺激発生層が光透過性である場合、この層は、電気光学層と視認表面との間に配置され得る。第2の刺激発生層が、光透過性ではない場合、この層は、視認表面から離れ、電気光学層の背後に配置されるであろう。
【0079】
感光材料層は、材料特性に固有の特定の波長および/または強度の光にさらされるとき、より伝導性となる任意の好適な材料であり得、材料は、適宜、選択される。材料は、閾下電圧が光を伴わずに印加されると、ディスプレイが光学的に応答性ではないように十分な抵抗率を有するべきであり、かつ、閾下電場が光と併せて印加されると、ディスプレイが光学的に応答性であるように十分な伝導性を有するべきである。光導体の抵抗が高い場合でも、高電圧(すなわち、閾値を上回る電圧)を印加することは、十分な場がインク層を横断して発達し、デバイスが全体として切り替わること、または光学的に応答することを確実にする。したがって、ディスプレイは、それを横断して大電圧(すなわち、閾値を上回る電圧)を印加することによって、大域的にアドレスされ得る。
【0080】
レーザ印刷において使用され、商業的に製造される有機光導体フィルム等、これらの特性を伴う感光材料が、当技術分野において公知である。光応答性材料が、光透過性である場合、正面電極に隣接し、視認表面により近い電気光学層の正面に位置し得る。光応答性材料が光透過性ではない場合、背面電極により近い電気光学層の下方に位置し得る。感熱材料層は、熱にさらされると、より伝導性となる任意の好適な材料であり得る。材料は、閾下電圧が熱を伴わずに印加されると、ディスプレイが光学的に非応答性であるように熱を伴わずに十分な抵抗率を有するが、閾下電場が熱の存在下で印加されると、ディスプレイが光学的に応答性であるように熱を伴って十分な伝導性を有するべきである。そのような材料は、それらの遷移ガラス温度に結び付けられた伝導性を有するポリマー、または、ポリウレタン等の設定温度を上回ってより容易に移行し得る伝導性材料を含むポリマーを含む。
【0081】
第2の刺激を提供するための好ましい方法は、媒体をアドレスするために要求される磁場より小さい第2の磁場を提供することである。そのような場は、例えば、10ガウス~500ガウス、例えば、20ガウス~100ガウスであり得る。これは、例えば、磁気アップリケおよび冷蔵庫用磁石(Magnum Mgnetics(Marietta,OH))において使用するために市販されるようなフェライト磁石、ネオジム磁石、または縞状極磁石によって提供されることができる。そのような場強度は、木材またはプラスチック等の介在非磁気材料を用いて強磁石を磁気泳動媒体から物理的に分離することによっても提供されることができ、それによって、磁気泳動媒体における場は、媒体をアドレスするために不十分であるが、閾下電場の存在下で、鎖でつながれた粒子を妨害するために十分である。
【0082】
図7は、閾下電場と第2の刺激との組み合わせを用いて、鎖でつながれた黒色磁気泳動顔料722を局所的に消去するプロセスを図示する。上で記載されるように、ディスプレイ700は、磁場に応答しない白色反射性顔料粒子721と、磁場の存在下で鎖を形成する黒色顔料粒子722とを含む(図3参照)。図7に示されるように、磁気イレーザ709は、鎖でつながれた黒色磁気泳動顔料粒子722を破壊する磁場を生産し、それによって、黒色磁気泳動顔料粒子722が、コントローラ740によって提供される閾下場によって、視認表面に向かって移動させられることを可能にする。図7に示されるように、磁気イレーザ709は、縞状極磁石を含み、それは、典型的極磁石の広磁場とは対照的に、緊密なループ状磁場を生産する。磁気イレーザ709が、往復して移動させられるにつれて、場線は、鎖でつながれた黒色顔料粒子722を破壊し、したがって、帯電させられた黒色顔料粒子722が視認表面に向かって移動することを可能にする。磁気イレーザ709は、長方形、三角形、円形、またはディスプレイの幅に等しい細長い細片を含む任意のサイズまたは形状であり得る。磁気イレーザ709のサイズおよび形状は、消去されるべきエリアに基づいて、異なる。磁気イレーザ709は、図7に示されるように、縞状極磁石に限定されず、従来の分極磁石、U字形磁石、電磁石等であり得る。代替実施形態において、磁気イレーザ709は、超音波イレーザ759または熱イレーザ769と置換されることができる。超音波消去は、音波を用いて、直接、鎖でつながれた黒色磁気泳動顔料粒子722を刺激する一方、熱イレーザ769は、磁気泳動流体またはディスプレイ700の結合性または接着性層の粘度および/または伝導性を改変する。したがって、図7に示されるように、カプセル726および727は、元の暗状態に戻されており、周囲カプセル(725および728)は、それらの「書き込まれた」状態を保持している。
【0083】
図7に示されるように、消去されるべき局所化されたエリアへの弱磁場を使用する追加の刺激は、より低い電場が、約1秒の合理的時間以内に、状態を黒色背景状態に戻るように駆動することを可能にするために十分に顔料構造を破壊する。このタイプの局所的消去を達成するために、磁気イレーザ709は、スタイラスでアドレスされていないエリアをより明るく(灰色/白色)著しく変化させず、背景を黒色に留めなければならない。磁気書き込みスタイラス(例えば、1,000~2,000ガウス)が使用された場合、より強い磁場は、黒色磁気泳動顔料722を鎖でつなぎ、低電場の印加を伴っても、「スタイラス灰色」は、磁石イレーザ709が磁気泳動媒体に近接近していたどの場所にも残されるであろう。故に、消去スタイラスは、はるかに弱い、例えば、10~500ガウス、例えば、50~200ガウスである必要がある。そのような磁場は、可撓性の冷蔵庫用磁石等の縞状N/S分極磁石を用いて容易に達成される。
【0084】
大域的更新波形(図8)と局所的消去のための閾下波形(図9)との間の差異は、図8および9を比較することによって理解され得る。図8に示される単純大域的更新パルスは、典型的に、白色および黒色粒子をカプセル壁の極限に駆動し、良好な分離を反対に帯電させられた顔料間に生産するために、+/-30ボルト(時として、+/-15ボルト)である。大域的アドレス電圧Vは、30ボルトより大きいことも、より小さいこともあり、ゼロボルトからある量ΔVだけオフセットされ得る。対照的に、閾下パルス電圧Vは、典型的に、大域的アドレス電圧Vの1/3のみの大きさである。そのVは、典型的に、V/3以下である。非常に単純な閾下波形が、図9に示される。大域的アドレス電圧の1/3を上回る局所的アドレス(閾下)電圧を使用することは、電気信号がオフにされた後、自己消去および自己アドレシング等の切り替え過渡電圧を引き起こし得る。典型的に、2.2~3V大きさ程度の低いDC電圧が、局所的消去の成功のために、磁気イレーザスタイラスと使用されることができる。図9の閾下アドレスパルスは、単に、一定電気電位を提供し、例えば、黒色磁気泳動粒子を視認表面に向かって押し、したがって、鎖でつながれた粒子が第2の刺激によって妨害された後、それらは、その元の位置に向かって移動し始めるであろう。
【0085】
図9の代替として、より複雑な低電圧パルスシーケンスが、図10および11に図示されるように、閾下アドレシングを提供するために使用されることができる。図10および11の波形は、それらが、完全黒色背景色を磁気イレーザがタッチしたエリア内に維持しながら、以前に書き込まれた画像を磁気イレーザがタッチしていないエリア内に保存するという点で、より良好な消去性能を提供する。加えて、非常にわずかな自己アドレシング(以前にアドレスされた画像の予期しない再出現または画像のランダム出現)が存在する。いくつかの実施形態において、これらの(閾下)局所的消去波形は、DCを含む。いくつかの実施形態において、これらの(閾下)局所的消去波形は、ACシーケンスを含む。図10に図示されるようないくつかの実施形態において、オフ/オンデューティサイクルは、50%である。他の実施形態において、デューティサイクルは、50%未満である。他の実施形態において、デューティサイクルは、50%を上回る。例えば、4Vピーク/ピーク(2V振幅)および-8V DCオフセットを伴う低電圧AC(100Hz)方形波は、200ガウス磁石と併せて、良好な消去性能を提供することができる。一般に、30~500Hzの周波数は、最良閾下アドレシング、例えば、50~300Hz、例えば、75~200Hz、例えば、90~120Hzを提供する。閾下波形の振幅は、典型的に、1ボルトを上回り、10ボルト未満、例えば、2V、3V、4V、5V、6V、または7Vである。使用されるとき、オフセットは、典型的に、+10未満で-10Vを上回る、例えば、+8V未満、+5V未満、+4V未満、+3V未満、+2V未満である。例えば、オフセットは、-8Vを上回る、-5Vを上回る、-4Vを上回る、-3Vを上回る、-2Vを上回り得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、閾下パルスの持続時間は、磁気泳動媒体が数秒を上回って閾下アドレスされる場合、磁気泳動媒体が、蓄積された電圧(残留電圧としても知られる)に起因して、状態を変化させ始めるため、短い。故に、場のみでインクをアドレスし始めるリスクを伴わずに、より低い電圧振幅を使用して、より長い消去時間を提供することが有利であり得る。パルスシーケンスが、局所的消去を生産し得る電圧の下限を見出すように開発された。そのようなアドレシングパルスは、例えば、100Hzで3Vピーク/ピーク(1.5V振幅)および-1.5V DCオフセットであり得る。いくつかの実施形態において、50%未満のデューティサイクル(オフ/オン)が、総インパルスおよび残留電圧蓄積を低減させるために有利であり得る。消去磁気スタイラスと組み合わせて、局所的消去のために機能するこのタイプの駆動シーケンスの例は、以下の通りである:100Hz、1.5Ampl、-6Vオフセット、20%デューティサイクル。他の例は、100Hzで3Vピーク/ピーク(1.5V振幅)波形および+1.0V DCオフセットを含む。
【0087】
実験を通して、磁気泳動媒体が過剰な蓄積された電圧(例えば、0.01V超の残留電圧、例えば、0.03V超の残留電圧、例えば、0.1V超の残留電圧、例えば0.3V超の残留電圧、例えば、0.5V超の残留電圧、例えば、1.0V超の残留電圧)を有するとき、磁気泳動ディスプレイの局所的消去機能性が減少させられることが発見されている。特に、過剰残留電圧の存在下において、ディスプレイの局所的に消去されるエリアが、基本状態に完全に戻らず、それによって、前の線、テキスト等の陰影を残す。定義するわけではないが、電気泳動スタックから生じる過剰電圧が、「通常」切り替え波形の印加中、コンデンサとして、すなわち、上で説明されるように作用することが理論化される。媒体が、短時間量にわたって、繰り返し切り替えられる事例において、この過剰電圧蓄積は、磁気泳動媒体の通常閾下消去性能に干渉するために十分に大きくなり得る。残留電圧管理として知られる過剰電圧を制御すること、すなわち、省くこと、減少させることは、ユーザ体験を大幅に改良し、残りの図、テキスト等を無傷に残したまま、磁気イレーザを用いて消去されるべきエリアが、その初期状態に戻る真の「局所的消去」体験を可能にする。さらに、適切な残留電圧管理は、忠実性を損失せずに、大域的消去事象間で多くの局所的消去事象、例えば、3回以上、例えば、5回以上、例えば、10回以上の後続局所的消去事象を可能にする。残留電圧管理の追加の利点は、制御電子機器が漏れ電流を受けないので(磁気泳動材料が長期非使用期間中残留電圧を減衰させるので)、磁気泳動デバイス自体が、より長い寿命を有する傾向にあることである。
【0088】
用語「残留電圧」は、本明細書において、アドレシングパルス(電気光学媒体の光学状態を変化させるために使用される電圧パルス)が終了された後、磁気泳動ディスプレイ内に留まり得る持続的または減衰電圧(開回路電気電位とも称され得、典型的に、ボルトまたはミリボルト単位で測定される)を指すために使用される。
【0089】
残留電圧は、長期間(例えば、数時間または数日)にわたって切り替えられていないサンプルから開始することによって、磁気泳動ディスプレイにおいて測定され得る。電圧計が、上部および底部電極を横断して適用され、「基本電圧」読み取り値が測定される。例えば、切り替え波形である電場が、次いで、ピクセルに印加される。波形終了直後、電圧計が、一連の期間にわたって、開回路電位を測定するために使用され、測定された読み取り値と元の基本電圧との間の差異は、「残留電圧」であり得る。実際に、別個の電圧検出回路が、磁気泳動スタックの中に組み込まれ、残留電圧の規則的測定を提供する。当然ながら、残留電圧を管理することは、残留電圧を測定するための電子機器を要求し、供給されるべき波形を修正するための追加の電子機器も要求する。トランジスタアーキテクチャを使用して、残留電圧を測定し、波形を低減させるための方法は、米国特許第8,558,783号および10,475,396号(参照することによってその全体として組み込まれる)に見出されることができる。
【0090】
代替として、残留電圧は、磁気泳動媒体上の総インパルス電圧を追跡し、最後の波形印加以降の時間を監視し、媒体を通した残留電圧の自然減衰を考慮することによって、確実に計算されることができる。波形が、磁気泳動媒体に印加される度、経時的電圧の積分(すなわち、インパルス)が、計算および記録される。各後続波形を用いることで、新しい総残留電圧が、計算される。いくつかの実施形態において、具体的機能、すなわち、大域的または局所的消去のために印加される波形は、蓄積された残留電圧に適応するように、オフセットを用いて調節される。オフセットは、単に、波形を予期される応答が達成される領域に調節することができるか、または、オフセットは、磁気泳動媒体が、波形が印加された後、最小限の残留電圧を有するであろうように、残留電圧を打ち消すことができる(すなわち、「平衡した」波形)。
【0091】
磁気泳動媒体内の残留電圧は、大域的消去波形または局所的消去波形または両方を修正することによって、補正されることができる。例えば、残留と反対の先行パルスが、大域的消去波形に印加され、測定される残留電圧を低減させ得る。代替として、図12に示されるように、平衡大域的消去波形の一部が、残留電圧を「引き下げる」または「引き上げる」ように修正されることができる。図12に示されるように、0.3Vの既知の残留電圧に関して、ボックスで囲まれたエリア内のインパルスを修正し、-30Vパルスを240msより長くすることは、実際に、残留電圧をゼロにするであろう。代替として、+30Vパルスのうちの1つは、240msより短くされ得る。方法は、正および負の残留電圧に関して機能する。
【0092】
大域的消去波形を修正する代替として、またはそれに加え、局所的消去波形が、図13に示されるように、残留電圧を補償するために、ある量だけオフセットされることができる。図13において、測定された残留電圧(-0.3V)は、破線によって表される。最適局所的消去は、+1Vオフセットおよび3V振幅を伴う100Hz波形であり得るが、波形は、磁気泳動媒体が、事実上、最適波形を経験するように、0.7Vまでオフセットされるであろう。方法は、正および負の残留電圧に関して機能する。
【0093】
デバイスの動作中、比較的に低電圧の長波形を提供し、測定された残留電圧に対抗することによって、残留電圧を固定することも可能である。適切に選定されると、この長波形は、ユーザによって殆ど気づかれない。しかしながら、この解決策は、デバイスによるより大きい電力消費をもたらし得る。
【0094】
大域的および局所的消去のための容量を有する磁気泳動ディスプレイ内の残留電圧管理を例示する包括的フローチャートが、図14Aおよび図14Bに示される。図14Aおよび14Bは、明確にするために分岐されている単一フローチャートを形成することに留意されたい。特に、図14Aの局所的消去(LE)ステップは、図14Bにフローする一方、図14Bのエラー状態は、図14Aにおける大域的消去のバイアス印加ステップにフローバックする。図14Aおよび14Bのフローチャートは、残留電圧を補正するための多くの代替方法が存在するので、単に、例示的と見なされるべきである。さらに、0.03Vおよび1.0Vの残留電圧閾値は、例示的であり、磁気泳動媒体の性能を改良するために、必要に応じて調節されることができる。加えて、フローチャートのいくつかの部分は、ユーザ体験に殆ど影響を及ぼさずに除去され得る。
【0095】
着目すべきこととして、図14Aおよび14Bのフローチャートは、大域的消去更新中および局所的消去更新中の両方において、残留電圧を減少させる機会を提供することによって、残留電圧を最小化することを試みる。残留電圧の絶対値が所定の大きさ(例えば、1V)を超える場合にのみ、ユーザは、大域的消去をバイアスと使用し、残留電圧をゼロに戻すようにさせられる。最高限度は、例示的であり、例えば、2Vまたは5V等であるようにされ得ることを理解されたい。
【0096】
残留電圧管理のための簡略化されたフローチャートは、図15に示される。図14Aおよび14Bと対照的に、図15の方法は、各局所的消去ステップにおいて生じる残留電圧を能動的に管理せず、むしろ、残留電圧が各局所的消去ステップに伴って蓄積することを可能にする。すなわち、各後続の局所的消去事象に関して、オフセットの大きさは、適切な局所的消去機能性を達成するために、増加させられる。総残留電圧が、各局所的消去ステップにおいて追跡され、大域的消去が実施されるときにクリアされる。残留電圧の決定は、直接測定または計算またはそれらのある組み合わせを通して行われることができる。高度な実施形態において、残留電圧の計算は、磁気泳動スタックのインピーダンスおよび残留電圧の減衰に関する時間定数等の入力を含むモデルを組み込む。
【0097】
これまで説明された磁気泳動粒子は、Bayferrox318M(Lanxess(Pittsburg,PA))等の黒色強磁性材料であるが、異なって着色された磁気泳動粒子が所望されるまたは複数のタイプの磁気泳動粒子が所望される用途に関して、所望の電荷および色性質を有するように磁気顔料をエンジニアリングすることが簡単である。図16を参照されたい。例えば、複合粒子は、強磁気粒子/顔料および非磁気粒子/顔料の両方を含み得る。非磁気粒子は、極度に低飽和磁化および/または極度に低磁化率を有する。複合粒子が、光学および磁気性質を最適化するために構築され得る。磁気粒子は、複合粒子の小部分であり得る。非磁気部分は、散乱または吸収性であり得る。
【0098】
複合顔料は、当技術分野において公知の以下の方法、すなわち、焼結、熱分解、懸濁重合、分散重合、エマルション、またはミニエマルション重合のいずれかを介して合成され得る。磁化の標的化レベルの複合粒子は、不完全ミニエマルション重合方法を介して、2つの顔料、1つの磁気、および他の非磁気から作製され得る。方法において、図16に示されるように、磁気および非磁気顔料が、第1のフラスコ内で水性分散物と混合され、モノマー分散物が、第2のフラスコ内で作製される。2つのフラスコの内容物は、混合され、超音波処理される。結果として生じる混合物は、加熱によって重合される。結果として生じる複合重合粒子は、シラン処置され、次いで、疎水性ポリマーでコーティングされる。表面官能化磁気複合材が、磁気移行を介して分離され、磁化の所望のレベルの複合粒子を取得する。磁気泳動媒体の磁気応答は、3つ以上の顔料粒子を含み得る。例えば、第1の顔料粒子は、磁気であり得る一方、第2および第3の(反対に帯電させられた)顔料粒子は、非磁気である。第1および第2の顔料粒子は、同一電気泳動応答を有し得る一方、第3の顔料粒子は、第1および第2の顔料粒子と比較して、異なる電気泳動応答を有する。第1および第2の顔料粒子は、異なる色であり得るが、それらは、同一色であり得、第3の顔料粒子は、第1および第2の顔料粒子と比較して、異なる色を有する。
【0099】
上で記載されるように、磁気泳動媒体は、図17Aに描写されるように、磁気スタイラス1308を用いて、アドレスされ得る。スタイラス1308は、本体1310と、500~5000ガウス、例えば、1000~2000ガウスの磁場強度を有する強ネオジム磁石であり得る第1の端部1320の近位の第1の磁石とを含む。そのような場強度は、10:1超のコントラスト比で、1m/秒超の速度で、電子タッチスクリーン界面を利用する他の電子書き込みデバイスに関して認知可能なスタイラス遅れのいずれも伴わずに、高速の自然な手書きを可能にする。スタイラス1308は、加えて、第2の端部1330の近位の第2の磁石を含み得、それは、フェライト磁石または縞状極磁石であり、10~500ガウス、例えば、50~200ガウスの磁場強度を有し得る。磁気スタイラス1308は、無線送信機(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、またはWIFI)と、無線送信機(図17Aに示されない)に動作可能に接続されたスタイラス1308の本体1310上のスイッチ1340とも含み得る。
【0100】
磁気泳動ディスプレイ1375をアドレスするために使用されるとき、スタイラス1308は、鉛筆またはペンに類似する様式で使用され、スタイラスが設置された場所にテキストの線、図面等を作成し得る。図17Bを参照されたい。この「書き込み」モードにあるとき、電力を磁気泳動ディスプレイに供給する必要はなく、書き込みは、さらなる電力消費を伴わずに、その外観を無限に維持するであろう。書き込みの一部を局所的に消去することが所望されるとき、ユーザは、ボタン、タッチセンサ等であり得るスイッチ1340と相互作用することによって、閾下局所的アドレシング(「消去」として知られる)モードをアクティブにするであろう。代替として(または加えて)、磁気泳動ディスプレイ1375は、大域的消去スイッチ1390および/または局所的消去スイッチ1395を含み、それによって、上で説明されるように、コントローラに好適な波形を提供させ得る。大域的消去は、スタイラス上の別個のスイッチ(図示せず)を用いても、アクティブにされ得る。無線送信機が信号を電圧コントローラに送信すると、電圧コントローラは、上で議論されるように、閾下電圧波形をディスプレイ1375全体に提供するであろう。図19も参照されたい。ユーザは、次いで、図17Cに図示されるように、第1の端部1320の近位の第1の磁石より弱い第2の端部1330の近位の第2の磁石を用いて、画像を局所的に消去することができる。
【0101】
代替実施形態において、別個のイレーザ1450が、図18Aに示されるように、磁気泳動ディスプレイ1475と使用され得る。イレーザ1450は、例えば、縞状極磁石1430を伴う木材のブロックであり得る。そのような磁石1430は、10~500ガウス、例えば、50~200ガウスの磁場強度を書き込み表面に提供する。イレーザ1450は、代替として、超音波等の非磁気刺激のための源を格納し得る。故に、好適な閾下局所的アドレス場が磁気泳動媒体に提供されると、イレーザ1450は、図18Cに示されるように、イレーザ1450に近接するエリア内の画像のみをその初期状態に戻らせるであろう。図17Aのスタイラス1308のように、イレーザ1450も、消去波形が開始されるように、電圧コントローラに無線で接続するスイッチ(図示せず)を含み得る。当然ながら、イレーザ1450(またはスタイラス1308)が、直接、電圧コントローラに配線されることも可能である。直接配線は、無線周波数干渉の源を低減させることが望ましい病院等の敏感な環境のためにより好適であり得る。
【0102】
磁気泳動ディスプレイにおいてアクティブマトリクスバックプレーンに関する要件が存在しないので、図19に示されるような大フォーマット磁気泳動ディスプレイ1575を生産することは、非常に簡単である。そのようなディスプレイは、面積1mを上回る、例えば、面積10mを上回る、例えば、面積20mを上回る、例えば、面積50mを上回る、例えば、面積100mを上回り得る。キロメートルの長さの磁気泳動ディスプレイを生産することは、理論的に可能であるが、大フォーマット磁気泳動ディスプレイは、典型的に、200mより小さい。単純構造および最小限の電力要件により、4m磁気泳動ディスプレイは、再充電可能バッテリを用いて給電されることができ、したがって、非常に可搬性であり、公共設備を伴わない設定内に据え付けるために好適であることを可能にする。大フォーマット磁気泳動ディスプレイ1575は、典型的に、スタイラス1508と通信し、それによって、ユーザが、単に、局所的消去波形モードに切り替えることを可能にする無線受信機1580を含むであろう。大フォーマット磁気泳動ディスプレイ1575は、大域的消去ボタン1590も含み、したがって、ユーザが、クリーン図面表面を迅速に再発生させることを可能にし得る。大フォーマット磁気泳動ディスプレイ1575は、可撓性材料から構築され得るので、大フォーマット磁気泳動ディスプレイ1575は、柱、パイプ、およびダクト等の非平面表面上に据え付けられることができる。
【0103】
教室サイズの描画ボード等の大フォーマットディスプレイにおいて、性能は、区画から、局所的消去のために励磁されるべきバックプレーンの部分を制御するであろう一連のスイッチまでの個々のトレースで分割されたバックプレーンを採用することによって、改良され得る。いくつかの実施形態において、スタイラス1508は、加えて、スタイラス1508が、無線受信機1580に局所的消去をアクティブにするボタンが押されたときにスタイラス1508が位置していた場所を伝えるであろうように、場所感知機能性を含み得る。そのような場所感知は、IRセンサ1560を用いて、またはディスプレイの表面上のミクロドットのパターンを認識することによってディスプレイ上の場所を感知するスタイラス1508上の光学センサを用いて、または磁気スタイラス1508の場所を感知する書き込み表面の背後のデジタル化グリッドを用いて、達成されることができる。
(実施例1)書き込み速度の関数としてのコントラスト比
【0104】
磁気泳動ディスプレイシステムが、下で説明されるように構築された。図3および7も参照されたい。導電性の光透過正面基板が、5ミルPET/ITO OC300(St.Gobain)から形成された。コンパートメント化された磁気書き込み可能インク媒体の層が、黒色および白色マイクロカプセル化された磁気媒体を含み、磁気内相が、Z6032シラン表面処置を伴うBayferrox318M磁気黒色であり、LMA(ラウリルメタクリレート)重合が、正に帯電させられた磁気黒色顔料をもたらすように調製された。非磁気白色顔料は、Solsperse19000荷電剤を用いて、Isopar E内相流体内で負に帯電させられる二酸化チタンを含む。マイクロカプセル化後、マイクロカプセルは、直接、クリア導体上の第1の基板上にコーティングされ、乾燥されたカチオン性PVOHポリマーCM-318結合剤材料と混成された。マイクロカプセル結合剤スラリーをバックプレーンには積層するために使用される接着剤は、分割されたVRA接着剤である。試験のために、バックプレーンが、ディスプレイエリア全体を被覆する単一切り替えピクセルを作成するように、スクリーン印刷炭素導体でコーティングされた5ミルPET基板(MELINEX ST504、Tekra(New Berlin,WI))から構築された(所望に応じて、光透過性バックプレーンを作成するために、バックプレーンはまた、上で説明されるように、PET/ITO OC300からも作製され得る)。スタックは、機械的保護層を受容し、正面導体およびカプセル層への損傷を防止した(薄ガラスも、利用されており、それは、スタイラスからのはるかに多くの機械的保護を提供するが、その追加される厚さは、スタイラスの性能を妨げる)。2つのトレース電気テールが、電子機器への接続のために作成され、1つのトレースは、連続バックプレーン電極に接続し、もう1つは、連続正面電極に接続する。電圧ドライバが、電気テール間に結合され、+/-30Vの大域的消去パルスおよび局所的消去のための低電圧の複雑なシーケンスを提供した。ドライバは、マイクロコントローラを含み、シーケンスを制御し、駆動パルスの終了時、波形をフロートまたは接地させるように構成された。
【0105】
磁気書き込みスタイラスが、シャープペンシルに類似するように作製されたプラスチックホルダ内に2mm幅N50円筒形磁石を伴うペンのように成形されたホルダ内の永久磁石から構築された(磁石の筆強度は、磁石表面において1,000~2,000ガウスである)。磁気イレーザ/スタイラスが、磁石の表面で80~200ガウスと測定された、より弱いフェライト磁石から作製された。イレーザは、約7cmの接触表面を有し、極間に約1~2mm間隔を伴って、縞状N/S極を含んでいた。
【0106】
コントラスト比に及ぼす書き込み速度の影響が、電気的に駆動される白色および暗状態が、それぞれ、78.4Lおよび15.6Lであり、それによって、27:1の大域的消去モダリティのためのコントラスト比を提供する図5A-5Cに図示されるものに類似する磁気インクに関して測定された。前述で解説されるように、「書き込み」グレー状態コントラスト比は、開始状態(白色または黒色)に依存し、典型的に、5~17のコントラスト比を有する。
【0107】
コントラスト比と書き込み速度との間の関係を体系的に評価するために、50ガウスの磁石を有する磁気スタイラスが、所望の率で線形移動のためにプログラムされ得るコンピュータインターフェース付きトラベラに結合された。トラベラが、スタイラスを500mmシートの磁気泳動ディスプレイにわたって所与の率で移動させ、結果として生じるグレー書き込み状態が、較正された光源と、標準化された反射性表面とを有する光学系ベンチを使用して、Lに関して評価された。種々の速度における磁気スタイラスを用いた書き込みのコントラスト比に及ぼされる影響が、図20に示される。図20に示されるように、通常書き込み速度の2倍においても、磁気泳動ディスプレイを書き込みデバイスとして使用するために十分なコントラストが存在する。非常に高磁気スタイラス速度において、コントラスト比は、減少するが、これらは、通常書き込みのために要求されるものより高い速度においてである。異なるグレー陰影が、異なるスタイラス設計によって、または、例えば、スタイラス先端から活性エリアまでの距離を変化させることにより(好適なスタイラス設計を使用して書き込み圧力を変化させることによって達成され得る)、磁場強度を調節することによって、または可変電流を伴う電磁石を使用して(下記参照)、形成されることができる。
【0108】
磁気泳動フィルムの応答時間は、少なくとも約30ガウスの磁場を最大200mm/秒の速度でディスプレイ表面に生産するスタイラスを用いて書き込むとき、待ち時間が知覚されないほど、非常に高速である。より低い磁場またはより高速の書き込み速度が、使用される場合、書き込まれた画像のコントラスト比は、低減されるが、時間的遅れは、存在しない。通常の手書きにおいて、60~120mm/秒の範囲内の速度が、一般に、遭遇されるが、描画および陰影に関しては、より高速の速度が、要求され得る。
(実施例2)電磁石周波数の関数としての可変線幅
【0109】
上で説明される磁気泳動ディスプレイが、関数発生器に接続される電磁スタイラスと組み合わせられ、それによって、電場の振幅および周波数が変動されることを可能にした。個々において、ディスプレイを切り替えるために要求される閾値を下回るであろう電場と磁場の組み合わせが、局所的光学状態を変化させるために使用されることができる。したがって、図5A-5Cに図示される単純に磁気的に書き込まれた光学状態は、黒色粒子の鎖によって生産されるグレー状態であるが、交流磁場成分を追加することは、図21A-21Cに示されるように、より極限の光学コントラストを局所的に書き込まれるエリア内に生産することができる。電磁スタイラスの使用は、印加される磁場を動的に変化させる機会を与える。例えば、電磁石を用いて、磁気泳動媒体を背後からアドレスすることによって、100μMまたはより小さい黒色上白色の線幅を作成することが可能である。図21Bを参照されたい。さらに、電磁書き込みヘッドに供給される交流電流の周波数を変化させることは、画像外観を変化させることができる。図21Cは、書き込み可能フィルムの下面に隣接して位置し、関数発生器を介して給電される電磁書き込みヘッドを使用して、この効果を示す。併せて、図21A-21Cは、線形または2次元マルチピクセルアレイ磁気印刷ヘッドが、TFTまたは多分割されたバックプレーンのコストを追加する必要なく、高分解能画像を磁気泳動フィルム上に書き込むために使用され得ることを示唆する。磁気泳動顔料の電荷を慎重に調整することによって、特定の周波数の電磁石のみを用いて、媒体をアドレスすることも可能であり、それによって、適切な周波数の書き込みヘッドを伴わずに、媒体が書き込まれ、さらに改変から「ロック」されることを可能にすることが可能である。
(実施例3)赤色複合磁気粒子の調製
【0110】
Paliotan Red6475顔料(BASF)と50nm磁鉄鉱(Sigma Aldrich)が、1:1(重量:重量)の比率で混合され、50g総顔料予混合物を作製した。結果として生じる混合物は、12.5%重量で、3.46μM SDSと1.66μM KHCOとを伴う脱イオン水中に分散された。結果として生じる分散物は、0.50gの2.21mmolヘキサデカンと、3.46μMSDSと、1.66μM KHCOとを伴う3.0gの40kDa PVPとともに、4.25gのモノマー混合物(76:4:5(重量:重量:重量)メチルメタクリレート:メタクリル酸:ジビニルベンゼン)を伴う脱イオン水中の2.83%(重量:重量)分散物と混合された。総顔料と総モノマーの結果として生じる比率は、11.76:1(重量:重量)であった。分散物は、1時間にわたって、ロールされ、1時間にわたって、超音波浴処理された。最終混合モノマーおよび二重顔料分散物は、次いで、オーバーヘッド攪拌器を装備する外被付き1L反応器に添加され、激しく攪拌され、1時間にわたって、75℃まで加熱された。加熱中、分散物は、最初の45分にわたって、N(g)を散布され、次いで、反応の残りにわたって、Nのブランケット下に保たれた。次に、50mLの14.1μM過硫酸カリウム(KPS)溶液が、30分にわたって、1.67mL/分で反応物に添加された。反応物は、次いで、75℃で18時間にわたって攪拌された。顔料は、脱イオン水中で800mLまで希釈され、7000xgで45分にわたって遠心分離された。顔料ペレットが、次いで、800mLのエタノール中に再分散され、強磁石が、残りの着色エタノールが傾瀉される間、磁気粒子をフラスコの床に対して不動化させるために使用された。結果として生じる顔料ケーキが、次いで、真空オーブン内で、18~24時間にわたって、70℃で乾燥された。結果として生じる赤色磁気顔料は、例1に説明されるように、磁気泳動ディスプレイの中に組み込まれた。ディスプレイは、磁気スタイラスを用いてアドレス可能であったが、しかしながら、開始状態が白色であったため(図5B参照)、スタイラス書き込みは、図5Dの書き込み状態と同様、桃色(白色と赤色であった「暗」状態との間の中間)として現れた。
【0111】
本願の技術のいくつかの側面および実施形態をこのように説明したが、種々の改変、修正、および改良が、当業者に容易に想起されるであろうことを理解されたい。そのような改変、修正、および改良は、本願に説明される技術の精神および範囲内であることが意図される。例えば、当業者は、本明細書に説明される機能を実施する、および/または結果および/または利点のうちの1つ以上のものを取得するための種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形例および/または修正はそれぞれ、本明細書に説明される実施形態の範囲内であると見なされる。当業者は、本明細書に説明される具体的実施形態の多くの均等物を認識する、またはルーチン実験のみを使用してそれらを確認することが可能であろう。したがって、前述の実施形態は、例としてのみ提示され、添付される請求項およびその均等物の範囲内で、発明的実施形態が、具体的に説明されるものと別様に実践され得ることを理解されたい。加えて、本明細書に説明される2つ以上の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに一貫する場合、本開示の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21A
図21B
図21C
【外国語明細書】