(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132668
(43)【公開日】2022-09-09
(54)【発明の名称】非接触通信のためのプラスチックパッケージに入れたRFIDトランスポンダ
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/02 20060101AFI20220902BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20220902BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20220902BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
H01Q19/02
H01Q9/16
H01Q7/00
G06K19/077 280
G06K19/077 296
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022069238
(22)【出願日】2022-04-20
(62)【分割の表示】P 2018128660の分割
【原出願日】2018-07-06
(31)【優先権主張番号】10 2017 006 450.4
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】514049759
【氏名又は名称】エスイーエス アールエフアイデー ソリューションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】SES RFID Solutions GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】スキャッターグッド,マーチン
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020BA02
5J020BA03
5J020BC09
5J020BC10
5J020BD03
5J020DA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い機械的ストレスに曝露される、ブースターアンテナの接続のために性能が改善された、非接触でアクティベートされるRFIDトランスポンダを提供する。
【解決手段】チップを包含し、非接触通信のためにチップが接続されるアンテナを有し、これらのトランスポンダ構成要素を統合された構成要素として収容するプラスチックパッケージ1を有するRFIDトランスポンダであって、プラスチックパッケージ1は、その外表面上にコイル芯2を形成し、そこで少なくとも1つのコイル巻線4を有するブースターアンテナ3が配列される。コイル巻線4は、誘導結合を形成するために統合されたアンテナを完全に囲み、コイル巻線4の2つの端5、6は、UHFレンジのための双極子アンテナのアンテナワイヤを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップを包含し、非接触通信のためにチップが接続されるアンテナを有し、および、これらのトランスポンダ構成要素を統合された構成要素として収容するプラスチックパッケージ(1)を有するRFIDトランスポンダであって、プラスチックパッケージ(1)は、その外表面上にコイル芯(2)を形成し、そこで少なくとも1つのコイル巻線(4)を有するブースターアンテナ(3)が配列されることを特徴とし、ここで、コイル巻線(4)は、誘導結合を形成するために、統合されたアンテナを完全に囲み、および、コイル巻線(4)の2つの端(5、6)は、UHFレンジのための双極子アンテナのアンテナワイヤを形成する、前記RFIDトランスポンダ。
【請求項2】
プラスチックパッケージ(1)および少なくとも1つのコイル巻線(4)が、主ハウジング(7)中へ統合されることを特徴とする、請求項1に記載のRFIDトランスポンダ。
【請求項3】
主ハウジング(7)が筒形であることを特徴とする、請求項2に記載のRFIDトランスポンダ。
【請求項4】
チップに接続され、および、プラスチックパッケージ(1)中へ統合されるアンテナ、ならびに、ブースターアンテナ(3)の少なくとも1つのコイル巻線(4)が、互いに関して配列される導体ループを形成することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のRFIDトランスポンダ。
【請求項5】
コイル芯(2)が、チップに接続され、および巻きコイルとして形成されるアンテナに関して同心円状に配列されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のRFIDトランスポンダ。
【請求項6】
チップが巻きコイルの中心において配列されることを特徴とする、請求項5に記載のRFIDトランスポンダ。
【請求項7】
コイル芯(2)が丸いまたは角のある断面を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のRFIDトランスポンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、請求項1のプリアンブルに記載のトランスポンダ構成要素を収容するプラスチックパッケージにおいて、非接触でアクティベートされるRFIDトランスポンダに関する。
【0002】
トランスポンダが高い機械的ストレスにさらされる場合、プラスチックパッケージ(PP)は、しばしば、トランスポンダ構成要素を保護するために使用される。かかるタイプのトランスポンダは、他の物体、構成要素、ラベル、販売パッケージ、織物などの中へ統合されてもよく、より大きなチップおよびより長いコイルの収容を可能にする。それによって、機能範囲が増加する。
【0003】
WO 2009/080607 A2に記載されているとおり、HF周波数(13.56MHz)およびUHF周波数(860~960MHz)の2つの周波数が、RFID技術において使用される。結合機構は、2つの周波数レンジで異なる。HFシステムは、誘導結合システムと共に機能し、結合のためのコイルアンテナを要する。他方で、UHFシステムは、電磁波を使用して機能し、一般的に双極子アンテナを要する。UHFトランスポンダは、近い距離で使用されてもよく、ここで結合は、遠い距離におけるのと同様に電界および/または磁界および/または電磁場を介して達成され、ここで結合は、電磁波を介して生じる。加えて、RFIDトランスポンダの伝送および読み取り性能を増幅させるために使用される、より大きなブースターアンテナ中へ、RFIDトランスポンダを結合することが知られている。この目的のために、アンテナおよびアンテナ接点上に据え付けられたチップで構成される、紙またはポリマー基板上の小さなミニタグが使用される。ミニタグおよびブースターアンテナは、電気導電体を介して接触しておらず、むしろ電界、磁界、または電磁場を介してのみ結合される。かかるブースターアンテナは、印刷された内容物と同時に、印刷されたパッケージ上へ印刷されてもよい。ここで位置決め精度は、直接接触の場合におけるよりも著しく低い。印刷プロセスが、この位置決め精度で十分であることを確実にする。
【0004】
非接触通信の性能を改善するために、DE 10 2006 051 379 A1もまた、RFIDチップモジュールへのブースターアンテナの誘導結合を開示する。この目的のために、これらの構成要素は、織布基板に適用され、および固定される。
【0005】
したがって、RFIDチップモジュールアンテナとブースターアンテナとの間の電気接続無しにされることは、有利である;しかしながら、誘導結合領域がブースターアンテナとRFIDチップモジュールアンテナとの間に形成されることは、確実にしなければならない。この目的のために、十分な位置決め精度が維持されなければならず、チップモジュールに関して正確にブースターアンテナを固定することを要する。
【0006】
本願発明の目的は、高い機械的ストレスに曝露され得る、ブースターアンテナの接続のために性能が改善されたRFIDトランスポンダを提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1の特質を介して達成される。
【0008】
これによってRFIDトランスポンダが提供され、ここでトランスポンダ構成要素は、その保護のためにプラスチックパッケージ中へ統合される。さらにプラスチックパッケージは、少なくとも1つのコイル巻線ブースターアンテナが配列されるコイル芯を形成する。コイル巻線は、ブースターアンテナとチップアンテナとの間の結合領域を提供し、したがって、チップアンテナへのブースターアンテナの最適な結合のための、機械的に固定された位置決め精度を確実にする。したがって、プラスチックパッケージは、誘導ブースターアンテナとチップアンテナとの間の結合領域の空間配列のための、固定および配列補助としての追加的な機能性を想定する。
【0009】
それによって、UHFレンジのためのRFIDトランスポンダの自動製作は、特に製作がRFIDトランスポンダの間隔が空いた包装とともにアンテナワイヤの撚り線上で実行されてもよい場合、著しく単純化される。長さに切ることによって、取り付け済のブースターアンテナを有するRFIDトランスポンダの個別のモジュールが生成されてもよい。
【0010】
本願発明の追加的な態様および利点は、以下の記載および従属請求項において見られてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願発明は、添付されたイメージに描かれる例示の態様に基づいて、より詳細に記載されるだろう。
【0012】
【
図1】
図1は、好適に提供される主ハウジングの取り付け前の、ブースターアンテナを有するRFIDトランスポンダの斜視図を模式的に描く。
【
図2】
図2は、固定された主ハウジングを有する、
図1によるRFIDトランスポンダの斜視図を模式的に描く。
【
図3】
図3は、ブースターアンテナのコイル巻線を備えるワイヤガイドを模式的に描く。
【0013】
図1は、RFIDトランスポンダを示し、ここでトランスポンダ構成要素は、プラスチックパッケージ1中へ統合される。ここで、RFIDトランスポンダは、既知の仕方において、チップ(描かれていない)および非接触通信のためにチップに接続されるアンテナ(描かれていない)を含む。プラスチックパッケージ1は、これらのトランスポンダ構成要素を、統合された構成要素として収容する。プラスチックパッケージ1(PP)は、所謂PPトランスポンダを形成し、増加した機能範囲のためのより大きなマイクロチップおよびより長いコイルを収容することができる。プラスチックパッケージ1のための材料は、適用に基づいて選択されてもよい。プラスチック材料はまた、硬化性樹脂で構成される複合材料を包含すべきである。
【0014】
プラスチックパッケージ1は、さらにその外表面上にコイル芯2を形成する。少なくとも1つのコイル巻線4を有するブースターアンテナ3は、コイル芯2上に配列され、ここでコイル巻線4は、誘導結合を形成するために、チップの統合されたアンテナを完全に囲む。コイル巻線4の2つの端5、6は、UHFレンジのための双極子アンテナのアンテナワイヤを形成する。
【0015】
プラスチックパッケージ1および少なくとも1つのコイル巻線4は、好適には、例えば組み立てられ得る二等分で構成された主ハウジング7中へ統合される。主ハウジング7は、例えば、筒形である。
【0016】
チップに接続され、プラスチックパッケージ1中へ統合されるアンテナ(描かれない)、および、ブースターアンテナ3の少なくとも1つのコイル巻線4は、好適には、互いに関して配列される導体ループを形成する。好適には、コイル芯2は、チップに接続され、好適には巻きコイルとして構成されるアンテナに関して同心円状に配列される。そしてまたチップは、好適には、この巻きコイルの中心において配列される。
【0017】
コイル芯2は、丸いまたは角のある断面を有してもよい。コイル芯2を形成するために、プラスチックパッケージ1の外表面の周りに形成される、または据え付けられる溝、凹み、または他の路が提供されてもよい。しかしながら、プラスチックパッケージ1の周面さえも、少なくとも1つのコイル巻線4のための位置決め表面として十分である。
【0018】
好適に提供される主ハウジング7によって、プラスチックパッケージ1および少なくとも1つのコイル巻線4は、例えば接着、溶接などを使用して、互いに関して固定されてもよい。
【0019】
トランスポンダ構成要素は、既知の仕方において、非接触通信のためにチップアンテナの端に接続されるマイクロチップを含む。一緒に、これらのトランスポンダ構成要素は、PP RFIDトランスポンダを構成するために、プラスチックパッケージ1中へ統合される。したがって、チップアンテナは、プラスチックパッケージ1の空間構造に関して特定の配向を有し、それに対向してコイル巻線4は、位置決め表面としてのプラスチックパッケージ1の使用のために特定の位置を想定する。好適には、チップアンテナは、チップアンテナとブースターアンテナ3との間の最適な結合を形成するために、ブースターアンテナ3の配列に用いられ得る巻線平面を有するフラットコイルである。
【0020】
ブースターアンテナ3の形成に使用されるアンテナワイヤは、いくつかのデバイスを鎖状に有するために、自動生成において延伸され得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【外国語明細書】