(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013268
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】マイク装着用の飛沫感染防止シールド及び飛沫感染防止方法、並びに飛沫感染防止シールドの製造方法
(51)【国際特許分類】
H04R 1/12 20060101AFI20220111BHJP
A62B 29/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H04R1/12
A62B29/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020115705
(22)【出願日】2020-07-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年5月29日放送 群馬テレビ「NEWS JUST6」 令和2年5月31日掲載 読売新聞群馬版朝刊 令和2年6月2日放送 千葉テレビ放送「NEWSチバ930」 令和2年6月12日掲載 千葉日報オンライン ウェブページ (https://www.chibanippo.co.jp/newspack/20200612/697795) 令和2年6月12日掲載 読売新聞全国版朝刊 令和2年6月15日公開 株式会社コシダカ ウェブページ (https://www.koshidaka.co.jp/corporate.html)
(71)【出願人】
【識別番号】511043437
【氏名又は名称】株式会社コシダカホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】520244924
【氏名又は名称】有限会社坂本抜型
(74)【代理人】
【識別番号】100147326
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 純一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 康市朗
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185AA10
2E185BA20
2E185CA03
(57)【要約】
【課題】マイクの利用時に飛沫が飛散することによる汚染を防止可能な飛沫感染防止用シールド、飛沫感染防止方法、及び飛沫感染防止シールドの製造方法を提供する。
【解決手段】シート形状のシールドで、マイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、遮蔽部本体の両側にゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する左右サイド遮蔽部を設けており、遮蔽部本体と左右サイド遮蔽部の下方部には遮蔽部本体用マイク支持アームと左右のサイド用マイク支持アームが設けられ、該遮蔽部本体用マイク支持マイク支持アーム及び左右のサイド用マイク支持アームの中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該夫々のマイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アームと左右のマイク支持アームを根元部よりゆるやかに谷折りをしてマイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、そのマイク装着孔にマイクを挿入して装着することを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設けており、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面上で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には左右夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成したことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止シールド。
【請求項2】
前記透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体でその遮蔽部に設けられる左右夫々の切欠部の上部には、遮蔽部本体用マイク支持アーム及び両側に設けられたサイド用マイク支持アームをゆるやかに谷折りしてアール形状の曲げを容易にするため、右切欠部には斜線形状の最奥部を設け、左切欠部には逆斜線形状の最奥部を設けたことを特徴とする請求項1に記載されたマイク装着用の飛沫感染防止シールド。
【請求項3】
前記透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体でその遮蔽部の下部に設けられる遮蔽部本体用マイク支持アームと両側に設けられる二つのサイド用マイク支持アームに夫々穿設されるマイク挿入孔にはマイクの取手部に挿入し安定した装着できるように夫々のマイク挿入孔の縁部から適宜な放射状切込みを複数個設けること、及びマイクスイッチ凸部に対応した切欠部を設けたことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載されたマイク装着用の飛沫感染防止シールド。
【請求項4】
透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体でその遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設けており、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面形状で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成することを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止方法。
【請求項5】
透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体でその遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設け、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面形状で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられ、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成したマイク装着用の飛沫感染防止シールドの製造方法であって、前記遮蔽部本体とその遮蔽部本体の左右両側に設けられる右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は1枚の樹脂製薄膜シートを裁断加工することにより形成されることを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止用シールドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ店、ライブハウス、講演、集会、イベント等において使用される新型コロナウイルスや新型インフルエンザの感染予防対策用機材及び方法に関するものであり、具体的には、マイク装着用の飛沫感染防止シールド、及び飛沫感染防止方法、並びに飛沫感染防止シールドの製造方法を提供するものである。
【0002】
本発明は、カラオケ店やライブハウス、講演や集会、イベント等においてマイクを利用した際に、利用者の飛沫が飛散して室内等の使用場所が汚染されることを防止可能な新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の飛沫感染防止シールドに関するものであり、本発明の飛沫感染防止シールドは、マイクに装着して使用する透明樹脂系シートから成るシールドタイプの遮蔽板であり、使用するハンドマイクに対して簡単、且つ容易に着脱可能な構成を有しており、安価で使い捨てが可能である上、使用前の保管形状がシート状であることから重ねて保管することができるので、保管スペースが小さくても大量に保管が可能である。また、マイクに装着された本発明の飛沫感染防止シールドは、シールド材の前面に折り曲げ箇所の線が生じることがなく、他部材によるフレームや縁部が全くないことから、非常に透明感があり、観客やカラオケモニターの画面等、シールドの反対側に位置する人や物をシールドを通して見ることができると云う特徴を有する。
【背景技術】
【0003】
従来の発明において、湾曲形状を有しプラスチック製で透明性のある面材を用いたフェイスガードの発明が、特開2009-189543号 公開特許公報(以下、特許文献1と称する)にて開示されている。この発明は、首部や頭部に取付け可能な湾曲体を設け、この湾曲体の前面にプラスチック性で透明性のある面材を係止したたものであり、食品工場や家庭内において揚げ物を調理する場合等に油等の液体や粉塵から顔面を保護するフェイスガードの構成が開示されている。
【0004】
また、意匠登録第1580503号 意匠公報(以下、特許文献2と称する)には、医師、看護師、介護士などの医療又は介護従事者が、手術や治療などの医療行為時又は介護時に使用する医療用フェイスガードの意匠が開示されている。特許文献2の目的は、血液や体液、排泄物などの飛散から顔面を保護するためのもので、その構成は金属製のフレームに透明なシールドをつけたものである。
【0005】
そして、意匠登録第1431026号 意匠公報(以下、特許文献3と称する)には、飛散物から顔面を保護するために歯科医療従事者が着用する顔面保護具(樹脂製フェイスシールド)の意匠が開示されている。特許文献の構成は、参考図に示すように、アームの両端屈折部に突出したピンにシールドの取り付け孔を埋め込むことで、シールドが交換可能にアームに取り付けられるもので、前記アームは、アーム支持ブロックに挟持され、アーム支持ブロックと一体となったアダプターをメガネや双眼ルーペのフレームに嵌めて使用するとしている。
【0006】
上述した引用文献1乃至引用文献3の発明や意匠は、フェイスガードやフェイスシールドに関するものであり、作業者や医療従事者の顔面を外部からの飛散物から保護するための物で、共通の要件として、透明な樹脂製のシールド材を顔面に保持部材を介して取付ける具体的な構造や形状が発明や意匠の要件となっており、今般のコロナ感染症対策では、上述したフェイスガードやフェイスシールドが着用者自身の顔面を外部からの飛散物より保護する目的と、着用者と対面する患者やお客様への飛沫飛散による感染症の拡大を防止する二つの目的で利用されてきている。
【0007】
斯くして、従来例に示すフェイスガードやフェイスシールドの利用方法において、フェイスガードやフェイスシールドの外側にマイクを設定してカラオケ店やライブスタジオ、講演や集会、イベント等が行われる屋内にて使用する方法も考えられるが、この方法では、歌唱者の音をマイクがきれいに拾わず大変不都合である他、歌唱者により夫々マイクの保持位置が異なり、シールドの下部より飛沫が飛散してカラオケルーム等の使用場所を汚染する危険性があった。
【0008】
本発明は、上述の欠点を解消し、カラオケ店やライブハウス、講演や集会、イベント等において実施される新型コロナウイルスや新型インフルエンザの感染予防対策用機材として、マイクに装着され、マイク支承位置と一緒にシールドのガード位置が変わる形状を有した飛沫感染防止用シールド、及び飛沫感染防止方法、並びに飛沫感染防止シールドの製造方法を提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009-189543号 公開特許公報
【特許文献2】意匠登録第1580503号 意匠公報
【特許文献3】意匠登録第1431026号 意匠公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
コロナ感染症の流行以来、人々は日常生活において密閉・密集・密接の所謂三密の状態を避けてコロナウイルス感染症と共存していくと云うライフスタイルを模索しており、カラオケ店やライブハウス、講演や集会、イベント等においても、新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の感染症の流行を防止するための種々の工夫がなされてきている。
【0011】
而して、本発明の解決しようとする課題は、マイクの利用時に利用者の飛沫が飛散してカラオケルーム等の使用場所が汚染されることを防止可能な新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の飛沫感染防止用シールドに関するものであり、マイクに装着して使用する透明樹脂系シートから成るシールドタイプの遮蔽板であり、使用するマイクに対して簡単、且つ容易に着脱可能な構成を有しており、安価で使い捨てが可能であり、使用前の保管形状がシート状であることから保管スペースが小さくても大量に保管可能であり、さらには歌唱者の声をマイクがきれいに拾えるとともにシールドに声が反響することにより歌唱者は自身の声を直接確認し音程をとりやすくなる飛沫感染防止用シールドを提供する点にある。
【0012】
また、シールド材の前面に折り曲げ箇所の線が生じることがなく、他部材によるフレームや縁部が全くないことから、非常に透明感があり観客やカラオケモニター等の利用者から見てシールドの反対側に位置するものが見やすいと云う大きな特徴を有しているマイク装着用の飛沫感染防止シールド、及び飛沫感染防止方法、並びに飛沫感染防止シールドの製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設けており、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面上で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成したことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止シールドを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部に設けられる二つの切欠部の上部は、遮蔽部本体用マイク支持アーム及び両側に設けられたサイド用マイク支持アームをゆるやかに谷折りしてアール形状の曲げを容易にするとともに、マイクへの装着時に組み合わせた遮蔽部間に生じる隙間を抑えて遮蔽性を高め該隙間からの飛沫の漏れを避けるため、斜線形状及び逆斜線形状の最奥部を設けたことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止シールドを提供するものである。
【0015】
更に、本発明は、前記透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部の下部に設けられる遮蔽部本体用マイク支持アームと両側に設けられる二つのサイド用マイク支持アームに夫々穿設されるマイク挿入孔にはマイクの取手部に挿入し安定した装着できるように夫々のマイク挿入孔の縁部から適宜な放射状切込みを複数個設けること、及びマイクスイッチ凸部に対応した切欠部を設けたことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止シールドを提供するものである。
【0016】
そして、本発明は、透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設けており、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面形状で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成することを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止方法を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設け、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面形状で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられ、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成したマイク装着用の飛沫感染防止シールドの製造方法であって、前記遮蔽部本体とその遮蔽部本体の左右両側に設けられる右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は1枚の樹脂製薄膜シートを裁断加工することにより形成されることを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止用シールドの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
斯くして、本発明は、マイクの利用時にマイクの利用者の飛沫が飛散してカラオケルーム等の使用場所が汚染されることを防止可能な新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の飛沫感染防止用シールドを提供するものであり、本発明の飛沫感染防止シールドは、マイクに装着して使用する弾性の透明樹脂系シートから成るシールドタイプの遮蔽板であり、使用するマイクに対して、誰もが簡単、且つ容易にその着脱方法を理解して組立し、マイクに装着できるシンプルな構成を有しており、安価で使い捨てが可能である事、そして使用前の保管形状がシート状であることから保管スペースが小さくても大量に保管可能である。
【0019】
また、本発明において、マイク装着用の飛沫感染防止シールドは、シールド材の前面において、折り曲げ箇所の線が生じることがなく、他部材によるフレームや縁部が全くないことから、非常に鮮明な透明感を有し観客やカラオケモニター等のシールドの利用者からみて反対側に位置するものが見やすいと云う大きな特徴を具備するマイク装着用の飛沫感染防止シールドでマイク使用者が持ちやすい飛沫感染防止シールドを提供することが可能である。
【0020】
更に、本発明は、透明で弾性のある樹脂系シートを使用しており、マイクシールド使用時には、シールドがおでこ等に当たらないようにシールド全面が少し前かがみに倒れ込む形状や、シールドの縁部に角部や突出部を形成しない形状に構成する事が可能であり、また、樹脂系シートの弾性(折り曲げ部の反発力)を利用して、歌唱時にマイクとシールド本体にぐら付きが起きないように遮蔽部本体用マイク支持アーム、左右二本のサイド用マイク支持アームに夫々穿設された三個のマイク挿入孔部分においてマイクが支持されており、そのマイク挿入孔には夫々のマイク支持アームの折り曲げ時による反発力が付加されていることから、簡単な構成でマイクにシールド本体が、しっかりと固定されている構成のマイクに装着されるタイプの飛沫感染防止シールド及び飛沫感染防止方法、並びに飛沫感染防止シールドの製造方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明のシールド本体の形状を説明する展開図である。
【
図2】本発明のゆるやかな谷折り部を示す説明図である。
【
図3】本発明におけるシールド本体の組立図である。
【
図4】本発明において
図3の組立図にマイクを装着した状態を示す使用状態説明図である。
【
図5】本発明における大きなサイズのシールド本体形状を示す展開図である。
【
図6】
図5にかかるゆるやかな谷折り部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、透明で弾性のある樹脂系薄膜シート、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の0.25mm厚シートを切り抜いて形成したシールド本体で、切り抜いたシールド本体は、縦258mm、横260mm程度の大きさを有して通常サイズとなし、他に大きなサイズとして、両サイドの遮蔽部を幅広にした縦260mm、横380mm程度のサイズが実用化されているが、どちらのサイズも加工のしやすさや、遮蔽性能を考えて設定されている。そして、シールド本体が形成する遮蔽部は、組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側には、ゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設けており、前記遮蔽部本体と右サイド遮蔽部、左サイド遮蔽部の下方部には二本の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持マイク支持アーム及び二つのサイド用マイク支持アームの中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該夫々のマイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームを根元部よりゆるやかに90度の谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入して装着することでマイク前面にゆるやかなアール形状の遮蔽部を形成したことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止シールドを提供する。
【0023】
また、本発明は、前記透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部に設けられる二つの切欠部の上部は遮蔽部本体用マイク支持マイク支持アーム及び両側に設けられたサイド用マイク支持アームをゆるやかに谷折りしてアール形状の曲げを容易にするとともに、マイクへの装着時に組み合わせた遮蔽部間に生じる隙間を抑えて遮蔽性を高め該隙間からの飛沫の漏れを避けるため、右切欠部には斜線形状の最奥部を設け、左切欠部には逆斜線形状の最奥部を設けたことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止用シールドを提供する。
【0024】
更に、本発明は、前記透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部の下部に設けられる遮蔽部本体用マイク支持アームと両側に設けられる二つのサイド用マイク支持アームに夫々穿設されるマイク挿入孔にはマイクの取手部に挿入し安定した装着できるように夫々のマイク挿入孔の縁部から適宜な放射状切込みを複数個設けること、及びマイクスイッチ凸部に対応した切欠部を設けたことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止用シールドを提供する。
【0025】
そして、本発明は、透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設けており、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面形状で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成したことを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止方法を提供する。
【0026】
また、本発明は、透明で弾性のある樹脂系薄膜シートから成るシールド本体で、その遮蔽部は組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体と、該遮蔽部本体の両側にはゆるやかに谷折りされて両側のサイド遮蔽部を形成する右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部を設け、前記遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は平断面形状で略ヨの字に配されており、該遮蔽部本体、右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部の下方部には夫々の切欠部を介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アームと二つのサイド用マイク支持アームが設けられ、該遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用マイク支持アームの各中心部には夫々マイク挿入孔が穿設されており、該マイク挿入孔を有する遮蔽部本体用マイク支持アーム、右サイド用マイク支持アーム及び左サイド用支持アームは根元部より谷折りをして前記マイク挿入孔を重ね合わせることで一つのマイク装着孔を形成し、該マイク装着孔にマイクの取手部を挿入してマイクを装着することでマイク前面、右面、左面に略コの字になるシールド本体の遮蔽部を形成したマイク装着用の飛沫感染防止シールドの製造方法であって、前記遮蔽部本体とその遮蔽部本体の左右両側に設けられる右サイド遮蔽部と左サイド遮蔽部は1枚の樹脂製薄膜シートを裁断加工することにより形成されることを特徴とするマイク装着用の飛沫感染防止用シールドの製造方法を提供する。
【0027】
斯くして、本発明は、マイクの利用時にマイクを介して利用者の飛沫が飛散してカラオケルーム内等の利用場所が汚染されることを防止可能な新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の飛沫感染防止シールドを提供するものであり、本発明の飛沫感染防止シールドは、マイクに装着して使用する弾性の透明樹脂系シートから成るシールドタイプの遮蔽板であり、使用するマイクに対して、誰もが簡単、且つ容易にその着脱方法を理解して組立し、マイクに装着できるシンプルな構成を有しており、安価で使い捨てが可能である事、そして使用前の保管形状がシート状であることから保管スペースが小さくても大量に保管可能である。
【0028】
また、本発明において、マイクに装着される飛沫感染防止シールドは、シールド材の前面において、折り曲げ箇所の線が生じることがなく、他部材によるフレームや縁部が全くないことから、非常に鮮明な透明感を有し観客やカラオケモニター等の利用者から見てシールドの反対側に位置するものが見やすいと云う大きな特徴を有するマイクに装着されるタイプの飛沫感染防止シールドを提供可能である。
【0029】
更に、本発明は、透明で弾性のある樹脂系シートを使用しており、マイクシールド使用時には、シールドがおでこ等に当たらないようにシールド全面が少し前かがみに倒れ込む形状や、シールドの縁部に角部や突出部を形成しない形状に構成し、また、樹脂系シートの弾性(折り曲げ部の反発力)を利用して歌唱時にマイクとシールド本体にぐら付きが起きないように遮蔽部本体用マイク支持アーム、二本のサイド用マイク支持アームに夫々穿設された三個のマイク挿入孔部分においてマイクが挟持されており、そのマイク挿入孔には夫々の支持アームの折り曲げ時による反発力が付加されていることから、簡単な構成でマイクにシールド本体が、しっかりと固定されている構成のマイク装着用の飛沫感染防止シールド及び飛沫感染防止方法、並びに飛沫感染防止シールドの製造方法を提供することが可能である。
【実施例0030】
本発明において、
図1は本発明の通常サイズのシールド本体の形状を説明する展開図、
図2は本発明の通常サイズのシールド本体のゆるやかな谷折り部を示す説明図、
図3は本発明におけるシールド本体の組立図、
図4は
図3の組立図にマイクを装着した状態を示す使用状態説明図である。
図5は本発明の大きなサイズのシールド本体の形状を説明する展開図、
図6は本発明の大きなサイズのシールド本体のゆるやかな谷折り部を示す説明図である。
【0031】
図1において、1は透明で弾性のある樹脂系薄膜シートを切り抜いて形成したシールド本体、2はシールド本体が形成する遮蔽部で、該遮蔽部2は、
図1に示すように組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体3とその遮蔽部本体3の両側に設けられる右サイド遮蔽部4aと左サイト遮蔽部4bから形成されている。そして、前記遮蔽部本体3と右サイド遮蔽部4a、左サイド遮蔽部4bの下方部には、夫々の切欠部5a、5bを介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アーム6とサイド用マイク支持アーム7a、7bが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持マイク支持アーム6及びサイド用マイク支持アーム7a、7bの中心部には、夫々マイク挿入孔8、マイク挿入孔9a、9bが穿設されている。
【0032】
また、前記切欠部5a、5bの上部には遮蔽部本体用マイク支持アーム6及びサイド用マイク支持アーム7a、7bをゆるやかに谷折りしてアール形状の曲げを容易にするために右切欠部5aの上部には斜線形状の最奥部13aが設けられ、左切欠部5bの上部には逆斜線形状の最奥部13bを設けられており、更には、前記遮蔽部本体用マイク支持アーム6と左右に位置しサイド用マイク支持アーム7a、7bに穿設されるマイク挿入孔8、マイク挿入孔9a、9bにはマイク11(
図4に示す)の取手部12(
図4に示す)に挿入し安定した装着できるように各マイク挿入孔8、マイク挿入孔9a、9bの縁部から適宜な放射状切込み14a、14b、14c・・・と、マイクスイッチ凸部15に対応した切欠部16が適宜に設けられている。
【0033】
図2は、本発明におけるゆるやかな谷折り部を示す説明図で、遮蔽部本体3の両側に設けられた右サイド遮蔽部4aと左サイド遮蔽部4bを谷折り線O位置でゆるやかにアール状に谷折りして右サイド遮蔽部4aと左サイド遮蔽部4bを形成する。また、谷折り線Pは前記マイク挿入孔8、9a、9bを有する遮蔽部本体用マイク支持アーム6と左右サイド用マイク支持アーム7a、7bを根元部よりゆるやかに90度のアール状に谷折りをしてマイク挿入孔8、9a、9b、を重ね合わせることで一つのマイク装着孔10を形成し、
図3に示す如くシート状の遮蔽部2を一部曲面体形状のマイク用シールドに組み立てることが可能である。
【0034】
而して、
図4は、前記マイク装着孔10にマイクの取手部12を挿入することでマイクにシールド本体1を設置可能で、該シールド本体1はマイクに装着して使用する弾性の透明樹脂系シートから成るシールドタイプの遮蔽板であり、使用するマイクに対して簡単、且つ容易に着脱可能な構成を有しており、安価で使い捨てが可能である事、そして使用前の保管形状がシート状であることから保管スペースが小さくても大量に保管可能である。また、本実施例において、マイクに装着される飛沫感染防止シールドは、シールド材の前面において、折り曲げ箇所の線が生じることがなく、他部材によるフレームや縁部が全くないことから、透明で観客やカラオケモニター等の利用者から見てシールドの反対側に位置するものが見やすいと云う大きな特徴を有するマイク装着用の飛沫感染防止シールドを提供可能である。
【0035】
実施例1は、透明で弾性のある樹脂系シートを使用しており、シールド本体1の使用時には、遮蔽対2がおでこ等に当たらないようにシールド本体1全面が少し前かがみに倒れ込む形状や、シールド本体1の縁部等に角部や突出部を形成しない形状に構成して危険防止策を講じている。更に、本発明は、シールド本体1において樹脂系シートの弾性(折り曲げ部の反発力)を利用して歌唱時にマイク11とシールド本体1にぐら付きが起きないように遮蔽部本体用マイク支持アーム6、左右のサイド用マイク支持アーム7a、7bに夫々穿設された三個のマイク挿入孔8、9a、9b部分においてマイク11が支持されており、そのマイク挿入孔10には夫々の支持アーム6、左右のサイド用マイク支持アーム7a、7bの折り曲げ時による反発力が付加されていることから、簡単な構成でマイク11にシールド本体1が、しっかりと固定されている構成のマイク装着用の飛沫感染防止シールドを提供可能である。
【0036】
なお、上述した実施例1は、
図1及び
図2に示す通常サイズのシールドによる実施形態に限定されるものではなく、例えば通常サイズよりも大きな、例えば
図5及び
図6に示すような大きなサイズのシールドによっても実施することが可能である。
【0037】
この点、
図5は、大きなサイズのシールドにつき、1は透明で弾性のある樹脂系薄膜シートを切り抜いて形成したシールド本体、2はシールド本体が形成する遮蔽部で、該遮蔽部2は、
図1に示すように組立前のシート形状時においてマイク正面に対向して立てられる遮蔽部本体3とその遮蔽部本体3の両側に設けられる右サイド遮蔽部4aと左サイト遮蔽部4bから形成されている。そして、前記遮蔽部本体3と右サイド遮蔽部4a、左サイド遮蔽部4bの下方部には、夫々の切欠部5a、5bを介して分離された形状の遮蔽部本体用マイク支持アーム6とサイド用マイク支持アーム7a、7bが設けられており、該遮蔽部本体用マイク支持マイク支持アーム6及びサイド用マイク支持アーム7a、7bの中心部には、夫々マイク挿入孔8、マイク挿入孔9a、9bが穿設されていることを示すものである。
【0038】
また、
図6は、大きなサイズのシールドにつき、本発明におけるゆるやかな谷折り部を示す説明図で、遮蔽部本体3の両側に設けられた右サイド遮蔽部4aと左サイド遮蔽部4bを谷折り線O位置でゆるやかにアール状に谷折りして右サイド遮蔽部4aと左サイド遮蔽部4bを形成する。また、谷折り線Pは前記マイク挿入孔8、9a、9bを有する遮蔽部本体用マイク支持アーム6と左右サイド用マイク支持アーム7a、7bを根元部よりゆるやかに90度のアール状に谷折りをしてマイク挿入孔8、9a、9b、を重ね合わせることで一つのマイク装着孔10を形成し、
図3に示す如くシート状の遮蔽部2を一部曲面体形状のマイク用シールドに組み立てることが可能であることを示すものである。