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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132732
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】焼却炉
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/00 20060101AFI20220906BHJP
   F23G 5/44 20060101ALI20220906BHJP
   F23L 1/00 20060101ALI20220906BHJP
   F23L 1/02 20060101ALI20220906BHJP
   F23B 30/06 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F23G5/00 108B
F23G5/44 G
F23L1/00 B
F23L1/02
F23B30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031349
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】河合 卓也
【テーマコード(参考)】
3K023
3K046
3K065
【Fターム(参考)】
3K023BA05
3K023BA07
3K023BA13
3K046AD05
3K046BA01
3K046BA07
3K065AA23
3K065AB01
3K065BA01
3K065GA12
3K065GA22
3K065GA33
(57)【要約】
【課題】炉内において燃焼空気を十分に撹拌することを可能とする焼却炉を提供する。
【解決手段】被焼却物を焼却する炉体と、複数の穴から空気を炉体内に供給する長軸周りに回転自在な管を備え、管は、管の回転に伴って被焼却物と被焼却物を焼却することによって発生した焼却物とのうちの少なくとも1つを撹拌する複数の羽根板を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被焼却物を焼却する炉体と、
複数の穴から空気を前記炉体内に供給する長軸周りに回転自在な管を備え、
前記管は、前記管の回転に伴って前記被焼却物と前記被焼却物を焼却することによって発生した焼却物とのうちの少なくとも1つを撹拌する複数の羽根板を備える、焼却炉。
【請求項2】
前記複数の羽根板のそれぞれは、前記管の外周に取り付けられて前記管の半径方向に向けて延びる、請求項1に記載の焼却炉。
【請求項3】
前記複数の羽根板のそれぞれは、1以上のプロペラ翼、1以上のパドル翼または1以上のリボン翼である、請求項1に記載の焼却炉。
【請求項4】
前記複数の穴のそれぞれは、前記複数の羽根板のいずれかが配置されている方向に向けて前記空気を噴出する、請求項1に記載の焼却炉。
【請求項5】
前記複数の羽根板のそれぞれは、前記管の外周に取り付けられて前記管の半径方向に向けて延びる基端面と、前記基端面の先端部から延びる中間面と、前記中間面の先端部から延びる第1湾曲面とを有し、前記基端面から前記中間面にかけて前記管の周方向に向けて湾曲し、前記中間面から前記第1湾曲面にかけて前記管の長軸方向に向けて湾曲する、請求項1に記載の焼却炉。
【請求項6】
前記複数の羽根板のそれぞれは、さらに、前記第1湾曲面の先端部から延びる第2湾曲面を有し、前記第1湾曲面から前記第2湾曲面にかけて前記管の半径方向に向けて湾曲する、請求項5に記載の焼却炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却炉に関する。
【背景技術】
【0002】
下水汚泥(以下、単に汚泥とも呼ぶ)を焼却する焼却炉が様々提案されている(特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-181311号公報
【特許文献2】特開平8-261427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、汚泥焼却時において、燃焼場の不均一が発生することによる、局所高温場や未燃の汚泥の増加が発生する可能性を抑制することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記抑制を実現するため、本発明における焼却炉は、被焼却物を焼却する炉体と、複数の穴から空気を前記炉体内に供給する長軸周りに回転自在な管を備え、前記管は、前記管の回転に伴って前記被焼却物と前記被焼却物を焼却することによって発生した焼却物とのうちの少なくとも1つを撹拌する複数の羽根板を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明における焼却炉によれば、燃焼場の不均一が発生し、局所高温場や未燃の汚泥の増加が発生する可能性を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施の形態における焼却炉100を正面視した際の垂直断面図である。
図2図2は、第1の実施の形態における焼却炉100のA-A断面図である。
図3図3は、第1の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
図4図4は、第2の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
図5図5は、第3の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
図6図6は、第4の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
図7図7は、第4の実施の形態における撹拌羽根14eの正面図及び底面図である。
図8図8は、第5の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
図9図9は、第5の実施の形態における撹拌羽根14fの正面図及び底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0009】
[第1の実施の形態]
初めに、第1の実施の形態について説明を行う。図1は、第1の実施の形態における焼却炉100を正面視した際の垂直断面図である。また、図2は、第1の実施の形態における焼却炉100のA-A断面図である。さらに、図3は、第1の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
【0010】
焼却炉100は、図1に示すように、例えば、炉体10を有する固定床式焼却炉である。
【0011】
炉体10は、図1及び図2に示すように、内部において燃焼室11と灰排出室21とを有する。灰排出室21は、例えば、燃焼室11の下方に位置する空間である。
【0012】
初めに、燃焼室11の構成について説明を行う。
【0013】
燃焼室11は、図1に示すように、汚泥投入口12と、排ガス排出口13と、散気管14とを有する。そして、燃焼室11は、例えば、炉体10の上端部に位置する汚泥投入口12から投入された汚泥1(以下、被焼却物1とも呼ぶ)を堆積する。
【0014】
散気管14は、炉体10の外部に配置された燃焼空気供給装置(図示せず)から供給された燃焼空気を通す管本体14aと、管本体14aの外周に取り付けられた複数の撹拌羽根14b(以下、複数の羽根板14bとも呼ぶ)とを有する。そして、散気管14は、燃焼室11に堆積された汚泥1に対して燃焼空気を供給(噴出)することによって汚泥1を燃焼させる。なお、例えば、汚泥1の燃焼を促進する目的で、燃料供給装置(図示せず)から補助燃料を供給しても良い。
【0015】
管本体14aは、例えば、一端部が炉体10の外部に導出されて支持部材(図示せず)によって回転自在に支持される。そして、管本体14aは、例えば、炉体10の外部に導出した一端部と接続したモータ15の駆動によって長軸周りに回転する。
【0016】
また、管本体14aは、図3に示すように、外周に設けられた複数の空気噴出穴14c(以下、単に複数の穴14cとも呼ぶ)から燃焼空気を噴出する。複数の空気噴出穴14cは、例えば、管本体14aの長軸に沿って設けられる。
【0017】
複数の撹拌羽根14bのそれぞれは、例えば、管本体14aの半径方向に向けて延びる形状を有する。具体的に、複数の撹拌羽根14bのそれぞれは、図3に示すように、例えば、プロペラ翼と呼ばれる形状を有する。また、複数の撹拌羽根14bのそれぞれは、例えば、管本体14aの外周または長軸に沿って取り付けられる。
【0018】
なお、燃焼室11には、複数の散気管14が配置されるものであってよい。この場合、複数の散気管14のそれぞれは、回転時において互いの撹拌羽根14bが接触しない位置に配置される。
【0019】
具体的に、燃焼室11には、図2に示すように、例えば、管本体141aと複数の撹拌羽根141bとを有する散気管141と、管本体142aと複数の撹拌羽根142bとを有する散気管142とが配置されるものであってよい。管本体141a及び管本体142aのそれぞれは、例えば、それぞれの一端部が炉体10の反対方向の外部に導出されて回転自在に支持される。そして、管本体141aは、例えば、炉体10の外部に導出した一端部と接続したモータ151の駆動によって長軸周りに回転する。また、管本体142aは、例えば、炉体10の外部に導出した一端部と接続したモータ152の駆動によって長軸周りに回転する。
【0020】
このように、本実施の形態における散気管14は、複数の空気噴出穴14cから汚泥1に対して燃焼空気の供給を行う場合、管本体14aの長軸周りに回転しながら燃焼空気の供給を行う。
【0021】
これにより、本実施の形態における散気管14は、燃焼室11の内部において燃焼空気を十分に拡散させることが可能になる。
【0022】
さらに、本実施の形態における散気管14は、複数の撹拌羽根14bが管本体14aの外周に取り付けられているため、管本体14aの回転に伴って複数の撹拌羽根14bも共に回転する。
【0023】
これにより、本実施の形態における散気管14は、燃焼室11の汚泥1を撹拌し、撹拌時に形成される空間に燃焼空気を供給することで、燃焼空気を十分に拡散することが可能になる。さらに、散気管14は、複数の空気噴出穴14cから噴出した燃焼空気の流れを乱すことが可能になり、燃焼室11の内部において燃焼空気を十分に拡散させることが可能になる。そのため、焼却炉100は、燃焼場を均一にすることが可能になり、局所高温場や未燃の汚泥の発生を抑制することが可能になる。
【0024】
なお、複数の空気噴出穴14cそれぞれは、複数の撹拌羽根14bのいずれかが配置されている方向に向けて燃焼空気を噴出することが好ましい。言い換えれば、複数の撹拌羽根14bのそれぞれは、複数の空気噴出穴14cのいずれかからの燃焼空気の噴出方向に取り付けられることが好ましい。
【0025】
これにより、散気管14は、複数の空気噴出穴14cから噴出した燃焼空気の流れをより乱すことが可能になり、燃焼室11の内部における燃焼空気の拡散をより促進させることが可能になる。
【0026】
次に、灰排出室21の構成について説明を行う。
【0027】
灰排出室21は、図1に示すように、スクリュー22と、灰排出口23と、灰排出口24とを有する。そして、灰排出室21は、燃焼室11において汚泥1が焼却することによって発生した焼却灰1a(以下、焼却物1aとも呼ぶ)を炉体10の外部に排出する。以下、灰排出室21に2つの灰排出口(灰排出口23及び灰排出口24)が設けられる場合について説明を行うが、灰排出室21には、灰排出口が1つのみ設けられるものであってもよく、また、3つ以上の灰排出口が設けられるものであってもよい。
【0028】
灰排出室21の上端部は、図1に示すように、例えば、燃焼室11に対して開口している。すなわち、燃焼室11及び灰排出室21のそれぞれは、内部において連通している。そして、燃焼室11及び灰排出室21の内部では、灰排出室21の底部から燃焼室11における汚泥1の焼却位置の近傍までの間に焼却灰1aが堆積され、さらに、その上に焼却中または焼却前の汚泥1が堆積される。そのため、灰排出室21に堆積されていた焼却灰1aを灰排出口23及び灰排出口24から外部に排出した場合、堆積されている焼却灰1a及び汚泥1は、焼却灰1aの排出に伴って下方に移動する。
【0029】
スクリュー22は、スクリュー軸22aと、第1スクリュー羽根22bと、第2スクリュー羽根22cとを有し、灰排出室21に堆積された焼却灰1aを灰排出口23及び灰排出口24の近傍に移送する。すなわち、スクリュー22は、焼却灰1aを炉体10の外部に排出可能な位置まで移送する。
【0030】
スクリュー軸22aは、例えば、一端部が炉体10の外部に導出されて支持部材(図示せず)によって回転自在に支持される。そして、スクリュー軸22aは、炉体10の外部に導出した一端部と接続したモータ26の駆動によって長軸周りに回転する。
【0031】
第1スクリュー羽根22bは、スクリュー軸22aの外周に取り付けられ、スクリュー軸22aの灰排出口23側の端部に向けて螺旋状に延在する。
【0032】
第2スクリュー羽根22cは、スクリュー軸22aの外周に取り付けられ、スクリュー軸22aの灰排出口24側の端部に向けて螺旋状に延在する。すなわち、第2スクリュー羽根22cは、例えば、灰排出室21の水平方向における中央位置を中心として第1スクリュー羽根22bと左右対称の形状を有する。
【0033】
このように、本実施の形態におけるスクリュー22は、例えば、第1スクリュー羽根22bを有することで、スクリュー軸22aの回転に伴って灰排出室21の水平方向における中央位置よりも灰排出口23側に堆積された焼却灰1aを灰排出口23の近傍に移送させることが可能になり、焼却灰1aを灰排出口23から炉体10の外部に排出することが可能になる。
【0034】
また、本実施の形態におけるスクリュー22は、例えば、第2スクリュー羽根22cを有することで、スクリュー軸22aの回転に伴って灰排出室21の水平方向における中央位置よりも灰排出口24側に堆積された焼却灰1aを灰排出口24の近傍に移送させることが可能になり、焼却灰1aを灰排出口24から炉体10の外部に排出することが可能になる。
【0035】
そのため、スクリュー22は、第1スクリュー羽根22b及び第2スクリュー羽根22cを有することで、灰排出室21の底部における各位置に堆積された焼却灰1aを均等に排出することが可能になる。
【0036】
これにより、スクリュー22は、燃焼室11において汚泥1を水平に堆積させることが可能になり、燃焼室11における汚泥1の燃焼効率を高めることが可能になる。
【0037】
なお、汚泥1の燃焼によって発生した排ガスは、排ガス排出口13を介して排ガス処理施設(図示せず)に排出されるものであってよい。
【0038】
具体的に、汚泥1の焼却によって発生した排ガス(以下、単に排ガスとも呼ぶ)は、例えば、排ガス中の水蒸気が白煙として見えることを防止する加熱空気(白煙防止空気)を生成する白煙防止空気予熱器、及び、水と接触させることによって排ガス中のSOやHCl等の成分を除去する洗煙処理塔等に向けて順に移送される。
【0039】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明を行う。図4は、第2の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
【0040】
第2の実施の形態における散気管14は、図4に示すように、図3で説明したプロペラ翼と呼ばれる複数の撹拌羽根14bの代わりに、パドル翼と呼ばれる複数の撹拌羽根14dを有する。
【0041】
これにより、第2の実施の形態における散気管14は、複数の空気噴出穴14cから噴出した燃焼空気の流れを図3で説明した場合と異なる流れに乱すことが可能になり、燃焼室11の内部において燃焼空気を拡散させることが可能になる。そのため、第2の実施の形態における散気管14は、図3で説明した場合と異なる方法によって燃焼場を均一にすることが可能になり、局所高温場や未燃の汚泥の発生を抑制することが可能になる。
【0042】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明を行う。図5は、第3の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。
【0043】
第3の実施の形態における散気管14は、図5に示すように、図3で説明したプロペラ翼と呼ばれる複数の撹拌羽根14bの代わりに、リボン翼と呼ばれる複数の撹拌羽根14eを有する。
【0044】
これにより、第3の実施の形態における散気管14は、図3で説明した場合と異なる方法によって燃焼場を均一にすることが可能になり、局所高温場や未燃の汚泥の発生を抑制することが可能になる。
【0045】
なお、図4に示す例において、管本体14aは、管本体14aに対する複数の撹拌羽根14eの位置を固定する1以上の固定部(図示せず)を有する。
【0046】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について説明を行う。図6は、第4の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。また、図7は、第4の実施の形態における撹拌羽根14eの正面図及び底面図である。具体的に、図7(A)は、第4の実施の形態における撹拌羽根14eの正面図であり、図7(B)は、第4の実施の形態における撹拌羽根14eの底面図である。
【0047】
第4の実施の形態における散気管14は、図6及び図7に示すように、図3で説明したプロペラ翼と呼ばれる複数の撹拌羽根14bの代わりに、複数の撹拌羽根14eを有する。
【0048】
複数の撹拌羽根14eのそれぞれは、管本体14aの外周に取り付けられて管本体14aの半径方向に向けて延びる基端面14e1と、基端面の先端部から延びる中間面14e2と、中間面14e2の先端部から延びる湾曲面14e3(以下、第1湾曲面14e3とも呼ぶ)とを有する。そして、複数の撹拌羽根14eのそれぞれは、基端面14e1から中間面14e2にかけて管本体14aの周方向に向けて湾曲し、中間面14e2から湾曲面14e3にかけて管本体14aの長軸方向に向けて湾曲している。なお、図7(A)おける線L1は、中間面14e2と湾曲面14e3との境界線を示している。
【0049】
すなわち、第4の実施の形態における散気管14は、湾曲面14e3を有することで、汚泥1を捕捉しながら撹拌を行うことが可能になる。
【0050】
これにより、第4の実施の形態における散気管14は、図3で説明した場合と異なる方法によって燃焼場を均一にすることが可能になり、局所高温場や未燃の汚泥の発生を抑制することが可能になる。
【0051】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態について説明を行う。図8は、第5の実施の形態における散気管14の断面斜視図である。また、図9は、第5の実施の形態における撹拌羽根14fの正面図及び底面図である。具体的に、図9(A)は、第5の実施の形態における撹拌羽根14fの正面図であり、図9(B)は、第5の実施の形態における撹拌羽根14fの底面図である。
【0052】
第5の実施の形態における散気管14は、図8及び図9に示すように、図3で説明したプロペラ翼と呼ばれる複数の撹拌羽根14bの代わりに、複数の撹拌羽根14fを有する。
【0053】
複数の撹拌羽根14fのそれぞれは、管本体14aの外周に取り付けられて管本体14aの半径方向に向けて延びる基端面14f1と、基端面の先端部から延びる中間面14f2と、中間面14f2の先端部から延びる湾曲面14f3(以下、第1湾曲面14f3とも呼ぶ)と、湾曲面14f3の先端部から延びる湾曲面14f4(以下、第2湾曲面14f4とも呼ぶ)を有する。そして、複数の撹拌羽根14fのそれぞれは、基端面14f1から中間面14f2にかけて管本体14aの周方向に向けて湾曲し、中間面14f2から湾曲面14f3にかけて管本体14aの長軸方向(以下、第1の長軸方向とも呼ぶ)に向けて湾曲し、湾曲面14f3から湾曲面14f4にかけて管本体14aの半径方向(または、第1の長軸方向の反対方向)に向けて湾曲している。なお、図9(A)おける線L2は、中間面14f2と湾曲面14f3との境界線を示しており、線L3は、湾曲面14f3と湾曲面14f4との境界線を示している。
【0054】
すなわち、複数の撹拌羽根14fのそれぞれは、図6等で説明した撹拌羽根14eが有する構成に加え、湾曲面14f3と反対方向にさらに湾曲した湾曲面14f4を有する。言い換えれば、湾曲面14f3と反対方向にさらに湾曲した湾曲面14f4において、湾曲面14f3及び湾曲面14f4の垂直断面構造は、略S字構造である。
【0055】
これにより、第5の実施の形態における散気管14は、汚泥1の撹拌時において湾曲面14f3によって捕捉された汚泥1の抜けを良くすることが可能になり、汚泥1の撹拌をより促進させることが可能になる。そのため、第5の実施の形態における散気管14は、図3で説明した場合と異なる方法によって燃焼場を均一にすることが可能になり、局所高温場や未燃の汚泥の発生を抑制することが可能になる。
【0056】
なお、図3から図9で説明した各撹拌羽根は、一例であり、これ以外の形状を有する撹拌羽根が管本体14aに取り付けられるものであってもよい。具体的に、管本体14aには、例えば、タービン翼やアンカー翼を構成する複数の撹拌羽根が取り付けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1:汚泥 1a:焼却灰
10:炉体 101:燃焼室
12:汚泥投入口 13:排ガス排出口
14:散気管 14a:管本体
14b:撹拌羽根 14c:空気噴出穴
14d:撹拌羽根 14e:撹拌羽根
14e1:基端面 14e2:中間面
14e3:湾曲面 14f:撹拌羽根
14f1:基端面 14f2:中間面
14f3:湾曲面 14f4:湾曲面
15:モータ 21:灰排出室
22:スクリュー 22a:スクリュー軸
22b:第1スクリュー羽根 23c:第2スクリュー羽根
24:灰排出口 25:灰排出口
26:モータ 100:焼却炉
141:散気管 141a:管本体
141b:撹拌羽根 142:散気管
142a:管本体 142b:撹拌羽根
151:モータ 152:モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9