(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132793
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ガス-ガス熱交換器
(51)【国際特許分類】
F23J 15/06 20060101AFI20220906BHJP
F28F 19/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F23J15/06 ZAB
F28F19/00 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031446
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】清水 努
(72)【発明者】
【氏名】松井 岬
【テーマコード(参考)】
3K070
【Fターム(参考)】
3K070DA07
3K070DA09
3K070DA48
3K070DA53
3K070DA77
(57)【要約】
【課題】本発明は、熱交換効率の低下を抑止しつつ、摩耗による伝熱管の損傷を抑止できるガス-ガス熱交換器の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るガス-ガス熱交換器は、排ガスを冷却又は昇温するガス-ガス熱交換器であって、上記排ガスが流入する入口ダクトと、上記入口ダクトを介して上記排ガスが導入される熱交換部とを備え、上記熱交換部が、上記排ガスの流入方向に対し垂直方向に延びる複数の伝熱管と、上記複数の伝熱管を支持する支持部と、上記支持部に接続され、上記伝熱管の外周面の少なくとも一部を保護する保護カバーとを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスを冷却又は昇温するガス-ガス熱交換器であって、
上記排ガスが流入する入口ダクトと、
上記入口ダクトを介して上記排ガスが導入される熱交換部と
を備え、
上記熱交換部が、
上記排ガスの流入方向に対し垂直方向に延びる複数の伝熱管と、
上記複数の伝熱管を支持する支持部と、
上記支持部に接続され、上記伝熱管の外周面の少なくとも一部を保護する保護カバーと
を有するガス-ガス熱交換器。
【請求項2】
上記支持部が、上記伝熱管が貫通する貫通孔を有する板状部材を備え、
上記伝熱管の外周面のうち少なくとも上記排ガスの流入方向に対し上流側を保護するように、上記保護カバーが上記板状部材の少なくとも片面から突出している請求項1に記載のガス-ガス熱交換器。
【請求項3】
上記保護カバーが、少なくとも一部に曲面を有する樋状又は筒状である請求項1又は請求項2に記載のガス-ガス熱交換器。
【請求項4】
上記保護カバーが、少なくとも一部に平面を有する樋状又は筒状である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガス-ガス熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス-ガス熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭火力発電プラント等から排出される燃焼排ガスを、内部に設置された鋼製の伝熱管群で熱交換することにより冷却又は昇温するための装置として、ガス-ガス熱交換器が知られている。上記排ガスは直径40μm程度のフライアッシュ(飛灰)を含有している。このフライアッシュにより上記伝熱管群の管表面が損傷を受けると、その伝熱管は交換する必要が生じる。
【0003】
この伝熱管の損傷を抑止できるガス-ガス熱交換器として、伝熱管の外表面を覆う耐腐食性の被膜(コーティング)と、上記伝熱管の内部側端部を保護する保護部材と、上記伝熱管端部の外面を囲む耐腐食性の囲み部材とを備えたガス-ガス熱交換器が提案されている(特開2020-26939号公報参照)。
【0004】
上記ガス-ガス熱交換器では、伝熱管の端部を保護部材で保護するとともに、耐腐食性
の囲み部材で伝熱管の端部外面を囲むことで、被膜を施す精度、製造誤差及び組立誤差に起因する対策費用を抑制しつつ、伝熱管の腐食を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
伝熱管は、上記フライアッシュ中の石炭灰等の粒子群による衝突を定常的に受け、エロージョン(摩耗)を生じることが知られている。このエロージョンにより伝熱管が損傷を受けると熱媒水漏洩のリスクがあることから、近年、重要な問題となっている。上述のガス-ガス熱交換器では、主にコーティングにより伝熱管の腐食を抑制するものであり、このエロージョンに対して十分に耐性があるとは言えない。
【0007】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、熱交換効率の低下を抑止しつつ、摩耗による伝熱管の損傷を抑止できるガス-ガス熱交換器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
摩耗による伝熱管の損傷には保護カバーを設けて、粒子群による伝熱管への衝突を抑止する方法が考えられる。しかし、伝熱管を保護カバーで覆うと、摩耗は抑止できるものの、熱交換効率の低下を免れない。そこで、本発明者らが、ガス-ガス熱交換器の伝熱管の摩耗についてさらに鋭意検討した結果、伝熱管の長手方向に離間して設置された支持部近傍で局所的に摩耗が大きくなる傾向があることを知得した。そして、伝熱管の摩耗の大きい部分が早期に損傷し易いことから、この支持部近傍を保護することで、熱交換効率の低下を抑止しつつ、伝熱管の摩耗による損傷が発生するまでの期間を延ばすことができるという結論に至った。
【0009】
すなわち、本発明の一実施形態に係るガス-ガス熱交換器は、排ガスを冷却又は昇温するガス-ガス熱交換器であって、上記排ガスが流入する入口ダクトと、上記入口ダクトを介して上記排ガスが導入される熱交換部とを備え、上記熱交換部が、上記排ガスの流入方向に対し垂直方向に延びる複数の伝熱管と、上記複数の伝熱管を支持する支持部と、上記支持部に接続され、上記伝熱管の外周面の少なくとも一部を保護する保護カバーとを有する。
【0010】
当該ガス-ガス熱交換器は、支持部に接続される保護カバーを有しているので、伝熱管の摩耗による損傷が発生し易い支持部近傍を効果的に保護することができる。また、上記保護カバーは伝熱管全体を覆う必要がないため、熱交換効率の低下を抑止することができる。
【0011】
上記支持部が、上記伝熱管が貫通する貫通孔を有する板状部材を備え、上記伝熱管の外周面のうち少なくとも上記排ガスの流入方向に対し上流側を保護するように、上記保護カバーが上記板状部材の少なくとも片面から突出しているとよい。伝熱管へ衝突する粒子群は排ガスの流入方向に対し上流側から伝熱管に衝突し易い。このため、上流側を保護するように保護カバーを配設することで、効果的に伝熱管の摩耗による損傷を抑止することができる。また、板状部材の両面で摩耗による損傷の発生に差異が生じる場合が多いことから、例えば少なくとも摩耗が生じ易い面側に保護カバーを設けることで、効果的に伝熱管の摩耗による損傷を抑止することができる。
【0012】
上記保護カバーが、少なくとも一部に曲面を有する樋状又は筒状であるとよい。このように上記保護カバーを少なくとも一部に曲面を有する樋状又は筒状とすることで、伝熱管の周囲の排ガスの流れを阻害して偏流が発生することを抑止することができる。従って、上記熱交換部の熱交換効率の低下を抑止することができる。
【0013】
上記保護カバーが、少なくとも一部に平面を有する樋状又は筒状であるとよい。このように上記保護カバーを少なくとも一部に平面を有する樋状又は筒状とすることで、保護カバーの加工を容易化できるので、保護カバーを設けることによる製造コストの上昇を抑止することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明のガス-ガス熱交換器は、熱交換効率の低下を抑止しつつ、摩耗による伝熱管の損傷を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るガス-ガス熱交換器の内部を示す模式的平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の第1熱交換部及びその近傍を示す模式的部分平面図である。
【
図3】
図3は、
図2の支持部を貫通する伝熱管を示す模式的部分拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3とは異なる形態の保護カバーの形状を示す模式的部分拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3及び
図4とは異なる形態の保護カバーの形状を示す模式的部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係るガス-ガス熱交換器について、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書に記載の数値においては、記載された上限値と下限値とを任意に組み合わせることが可能である。そして、本明細書では、組み合わせ可能な上限値から下限値までの数値範囲が好適な範囲として全て記載されているものとする。
【0017】
本発明のガス-ガス熱交換器は、排ガスを冷却又は昇温する。具体的には、当該ガス-ガス熱交換器は、高温の排ガスを冷却する熱交換器と、その冷却された排ガスを、上記高温の排ガスから回収した熱を利用して昇温させる熱交換器とを含む。
図1に、当該ガス-ガス熱交換器1において、排ガスGを冷却する熱交換器を示す。なお、便宜上、
図1のガス-ガス熱交換器1において、高温の排ガスGから回収した熱を利用して昇温させる熱交換器に関しては、図示を省略している。
図1に示すガス-ガス熱交換器1における排ガスGを冷却する熱交換器は、排ガスGが流入する入口ダクト10と、排ガスGが流入する方向に垂直な断面積が入口ダクト10より大きいケーシング20と、入口ダクト10及びケーシング20を接続する拡大ダクト30と、ケーシング20内に配設され、入口ダクト10を介して排ガスGが導入される熱交換部40とを備える。
【0018】
<排ガス>
排ガスGは、例えば、プラントのボイラで発生する燃焼排ガスを脱硝装置等で処理したガスである。排ガスGは、具体的には、入口ダクト10から流入して拡大ダクト30を介してケーシング20内の熱交換部40に運搬される。排ガスGは、熱交換部40と熱交換することで冷却される。
【0019】
<熱交換部>
熱交換部40には、排ガスGを冷却するための熱媒水が連続して供給及び排出される。
【0020】
熱交換部40は、例えばケーシング20内で複数備えられる。排ガスGを冷却する場合を例にとると、ケーシング20内の上流側から、高温の排ガスG用の第1熱交換部40aと、第1熱交換部40aで冷却された排ガスG用の第2熱交換部40bと、第2熱交換部40bでさらに冷却された排ガスG用の第3熱交換部40cとを有するものとすることができる。
【0021】
また、ケーシング20内には第1熱交換部40a、第2熱交換部40b及び第3熱交換部40cそれぞれの上流側に熱交換部40の表面に堆積する粉塵等を定期的に除去するためのスートブロワ(不図示)が配置される。
【0022】
熱交換部40は、
図2に示すように、それぞれ排ガスGの流入方向に対し交差方向(例えば垂直方向)に延びる複数の伝熱管41と、複数の伝熱管41を支持する支持部42と、支持部42に接続され、伝熱管41の外周面の少なくとも一部を保護する保護カバー43とを有する。
【0023】
(伝熱管)
複数の伝熱管41は、
図2に示すように、排ガスGの流入方向に離間して平行に整列している。また、隣接する伝熱管41は、端部で直列に連結されており、ケーシング20内で折り返されている。複数の伝熱管41は、例えば、延伸方向及びガスの流入方向に共に垂直な高さ方向に対して異なる高さに設けられてもよい。
【0024】
複数の伝熱管41は、排ガスGとの接触面積を増大するためのフィンを有するものとしてもよい。
【0025】
(支持部)
熱交換部40は、通常、
図2に示すように、複数の支持部42を有する。複数の支持部42は、伝熱管41の長手方向に並列して配置される。なお、
図2では、支持部42の配設数は3であるが、支持部42の配設数は3に限定されるものではなく、支持する複数の伝熱管41の規模に応じて適宜決定される。
【0026】
1つの支持部42は、複数の伝熱管41を支持する板状部材42aと、板状部材42aをケーシング20に固定する1又は複数の支持ポール42bとを備える。
【0027】
板状部材42aは、
図3に示すように、伝熱管41が貫通する貫通孔42cを有する。
図3では1本の伝熱管41付近を示しているが、他の伝熱管41についても同様である。つまり、板状部材42aは、複数の貫通孔42cを有しており、複数の伝熱管41が1対1対応で貫通孔42cを貫通する。この貫通孔42cの孔径は、伝熱管41が貫通可能であり、かつ伝熱管41を固定可能な大きさとされ、具体的には、伝熱管41の外径より若干大きい値とされる。
【0028】
支持ポール42bは、例えば板状部材42aの前後に一対設けられている。つまり、一対の支持ポール42bとその間に挟まれる板状部材42aとは、排ガスGの流入方向に対して一列に並ぶように配置されている。このように配置することで、排ガスGの流れが阻害され難いので、熱交換効率の低下を抑止することができる。一方、一対の支持ポール42bで十分に板状部材42aを支持できない場合は、例えば板状部材42aの側面に当接するように支持ポール42bをさらに設けてもよい。逆に、1本の支持ポール42bで板状部材42aを支持できる場合は、支持ポール42bを1本とすることもできる。この場合、例えば板状部材42aの排ガスGの流入方向に対して上流側にのみ支持ポール42bを設ける構成とするとよい。排ガスGの流入方向に対して上流側に支持ポール42bを配置することで、安定して板状部材42aを支持することができる。
【0029】
(保護カバー)
保護カバー43の材質としては、伝熱管41に摩耗を生じさせる粒子群の衝突に対し十分な耐性があるものが好ましく、SUS、カーボンスチール、Cu-Ni、アルミニウム、銅又はチタン等を挙げることができる。中でも耐摩耗性及び耐腐食性に優れるSUSが好ましい。
【0030】
保護カバー43は、
図2に示すように、板状部材42aの少なくとも片面から突出している。板状部材42aの両面で摩耗による損傷の発生に差異が生じる場合が多いことから、例えば少なくとも摩耗が生じ易い面側に保護カバー43を設けることで、効果的に伝熱管41の摩耗による損傷を抑止することができる。
【0031】
板状部材42aの両面ともに摩耗による損傷の発生が生じ易い場合は、
図2に示すように、両面から突出して保護カバー43を設けてもよい。板状部材42aの両面から突出して設ける場合、板状部材42aのそれぞれの面に保護カバー43を独立して設けてもよいし、板状部材42aを貫通させて1つの保護カバー43を設けてもよい。
【0032】
逆に板状部材42aの両面ともに摩耗による損傷の発生が難い場合は、保護カバー43を設けなくともよい。
【0033】
また、
図2では、図面上で右側に位置する支持部42のみに保護カバー43が設けられているが、中央あるいは左側の支持部42に保護カバー43を設けてもよいし、逆に右側の支持部42に保護カバー43を設けなくともよい。保護カバー43を設けるか否かは、摩耗による損傷の発生し易さに応じて、適宜決定することができる。
【0034】
保護カバー43は、伝熱管41の外周面全面を覆うように設けることもできるが、
図2及び
図3に示すように、伝熱管41の外周面のうち少なくとも排ガスGの流入方向に対し上流側を保護するように設けることが好ましい。伝熱管41へ衝突する粒子群は排ガスGの流入方向に対し上流側から伝熱管41に衝突し易い。このため、上流側を保護するように保護カバー43を配設することで、効果的に伝熱管41の摩耗による損傷を抑止することができる。
【0035】
保護カバー43は、
図3に示すように、少なくとも一部に曲面を有する樋状又は筒状であるとよい。
図3では保護カバー43は、曲面で構成された半筒状である。このように保護カバー43を少なくとも一部に曲面を有する樋状又は筒状とすることで、伝熱管41の周囲の排ガスGの流れを阻害して偏流が発生することを抑止することができる。従って、熱交換部40の熱交換効率の低下を抑止することができる。
【0036】
保護カバー43の形状として、少なくとも一部に平面を有する樋状又は筒状を採用することもできる。このように保護カバー43を少なくとも一部に平面を有する樋状又は筒状とすることで、保護カバー43の加工を容易化できるので、保護カバー43を設けることによる製造コストの上昇を抑止することができる。例えば、
図4に示す保護カバー43aは、平面のみで構成された樋状である。このように構成することで、排ガスGの偏流を抑止しつつ、保護カバー43aの加工を容易化できる。
【0037】
また、
図5に示すように、平面板状の保護カバー43bを採用することもできる。このように構成することで、保護カバー43bの加工がさらに容易化できる。
図3から
図5に示した保護カバーの形状は、いずれも曲面のみあるいは平面のみで構成されているが、上記保護カバーは、曲面及び平面が混在した形状とすることもできる。
【0038】
保護カバー43の板状部材42aからの突出長さの下限としては、保護カバー43を設ける伝熱管41の外径の2倍が好ましく、3倍がより好ましい。一方、上記突出長さの上限としては、伝熱管41の外径の10倍が好ましく、5倍がより好ましい。上記突出長さが上記下限未満であると、伝熱管41の摩耗による損傷の抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記突出長さが上記上限を超えると、熱交換部40の熱交換効率が低下するおそれがある。
【0039】
保護カバー43の平均肉厚の下限としては、伝熱管41の平均肉厚の1倍が好ましく、2倍がより好ましい。一方、保護カバー43の平均肉厚の上限としては、伝熱管41の平均肉厚の10倍が好ましく、7倍がより好ましい。保護カバー43の平均肉厚が上記下限未満であると、伝熱管41の摩耗による損傷の抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、保護カバー43の平均肉厚が上記上限を超えると、熱交換部40の伝熱管41間への保護カバー43の設置が困難となるおそれがある。ここで、「平均肉厚」とは、任意の10点の肉厚を測定した結果を平均した値を指す。
【0040】
<利点>
当該ガス-ガス熱交換器1は、支持部42に接続される保護カバー43を有しているので、伝熱管41の摩耗による損傷が発生し易い支持部42近傍を効果的に保護することができる。また、保護カバー43は伝熱管41全体を覆う必要がないため、熱交換効率の低下を抑止することができる。
【0041】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0042】
上記実施形態では、ガス-ガス熱交換器にあって、高温の排ガスを冷却する熱交換器を挙げて説明してきたが、これだけに限定されるものではない。例えば、ガス-ガス熱交換器にあって、冷却された排ガスを、高温の排ガスから回収した熱を利用して昇温させる熱交換器も、高温の排ガスを冷却する熱交換器同様に、排ガスを受け入れる入口ダクト、および熱交換部等を備える。従って、この冷却された排ガスを、高温の排ガスから回収した熱を利用して昇温させる熱交換器にあっても、保護カバーが取り付けられていても構わない。また、高温の排ガスを冷却する熱交換器と、その冷却された排ガスを高温の排ガスから回収した熱を利用して昇温させる熱交換器との両方においても、保護カバーが取り付けられていても構わない。
【0043】
上記実施形態では、支持部が支持ポールと板状部材とを備える場合を説明したが、支持部の構成は、複数の伝熱管を支持できる限り、この構成に限定されるものではない。例えば複数の支持ポールのみを備え、この支持ポールで伝熱管を直接支持する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のガス-ガス熱交換器は、熱交換効率の低下を抑止しつつ、摩耗による伝熱管の損傷を抑止できる。
【符号の説明】
【0045】
1 ガス-ガス熱交換器
10 入口ダクト
20 ケーシング
30 拡大ダクト
40 熱交換部
40a 第1熱交換部
40b 第2熱交換部
40c 第3熱交換部
41 伝熱管
42 支持部
42a 板状部材
42b 支持ポール
42c 貫通孔
43、43a、43b 保護カバー
G 排ガス