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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132826
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】真空封止弁の接続機構
(51)【国際特許分類】
   F16K 51/02 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
F16K51/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031508
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】522193547
【氏名又は名称】株式会社エー・アンド・デイ
(74)【代理人】
【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100139745
【弁理士】
【氏名又は名称】丹波 真也
(74)【代理人】
【識別番号】100168088
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100187182
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 由希
(74)【代理人】
【識別番号】100207642
【弁理士】
【氏名又は名称】簾内 里子
(72)【発明者】
【氏名】芳川 明夫
(72)【発明者】
【氏名】市村 亮
【テーマコード(参考)】
3H066
【Fターム(参考)】
3H066AA01
3H066BA18
(57)【要約】
【課題】接続長さが調整可能であり、回動やねじりによる不具合を抑制した真空封止弁の接続機構を提供する。
【解決手段】駆動機構に連結されて駆動される第1シャフト部材と、開口部を封止する弁体に連結されて前記第1シャフト部材の駆動を伝える第2シャフト部材とを接続する真空封止弁の接続機構であって、前記第1シャフト部材の端部に固定され、前記第2シャフト部材へ対向する端部に、第1係合孔が形成された第1接続部材と、前記第2シャフト部材の端部に固定されて前記第1接続部材とネジ係合し、前記第1シャフト部材へ対向する端部に前記第1係合孔に直列可能な位置に第2係合孔が形成された第2接続部材と、前記第1係合孔または前記第2係合孔の一方の係合孔に係合し、係合した状態で他方の係合孔内に突出する突出部を有する係合部材とを備え、前記突出部は、前記他方の係合孔の内径よりも外形が小さくなるように構成した。係合部材が係合すると、第2シャフトが回転止めされつつ、僅かに回動する余地が残る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動機構に連結されて駆動される第1シャフト部材と、開口部を封止する弁体に連結されて前記第1シャフト部材の駆動を伝える第2シャフト部材とを接続する真空封止弁の接続機構であって、
前記第1シャフト部材の端部に固定され、前記第2シャフト部材へ対向する端部に、第1係合孔が形成された第1接続部材と、
前記第2シャフト部材の端部に固定され、前記第1接続部材とネジ係合し、前記第1シャフト部材へ対向する端部に、前記第1係合孔に直列可能な位置に第2係合孔が形成された第2接続部材と、
前記第1係合孔または前記第2係合孔の一方の係合孔に係合し、係合した状態で他方の係合孔内に突出する突出部を有する係合部材と、
を備え、
前記突出部は、前記他方の係合孔の内径よりも外径が小さい、
ことを特徴とする真空封止弁の接続機構。
【請求項2】
前記係合部材と係合する前記一方の係合孔はネジ穴であり、
前記係合部材は、無頭ボルト、または前記他方の係合孔の内径よりも頭径が小さいボルトである、
ことを特徴とする請求項1に記載の真空封止弁の接続機構。
【請求項3】
前記第1係合孔と前記第2係合孔の少なくとも一方の係合孔は、
前記第1接続部材と前記第2接続部材のネジ係合の軸を中心として、同心円上に、等間隔または不等間隔に複数個設けられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空封止弁の接続機構。
【請求項4】
前記第1シャフト部材は、前記駆動機構と、連結機構を介して連結され、
前記第1シャフト部材は、前記連結機構ともネジ係合で接続される、
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかの請求項に記載の真空封止弁の接続機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空封止弁の接続機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡等、真空室を有する装置には、真空室内を仕切るための仕切壁と、その仕切り壁に設けられた開口部を封止する真空封止弁とが設けられている。開口部と真空封止弁との位置合わせを行うために、真空封止弁には、駆動力を伝えるシャフトと封止を行う弁体との間に位置調整を行う接続機構が設けられている場合がある。
【0003】
例えば特許文献1では、シャフトの一部が回転可能に構成され、これによりシャフトの先端部に固定された弁体の高さを調整することができる接続機構が公開されている。回転部分の上下にはロックナットが設けられ、ロックナットにより、シャフトが弁体とベローズに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-66684号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の接続機構では、高さ(接続長さ)は調整可能であるが、シャフトと弁体とがロックナットにより完全に固定されており、弁体やシャフトの捻じれや回動がそのままシャフトに接続されたベローズにも伝達されるため、回動負荷に弱いベローズが破壊される懸念がある。
【0006】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、接続長さが調整可能であり、回動やねじりによる不具合を抑制した真空封止弁の接続機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するため、本開示のある態様では、駆動機構に連結されて駆動される第1シャフト部材と、開口部を封止する弁体に連結されて前記第1シャフト部材の駆動を伝える第2シャフト部材とを接続する真空封止弁の接続機構であって、前記第1シャフト部材の端部に固定され、前記第2シャフト部材へ対向する端部に、第1係合孔が形成された第1接続部材と、前記第2シャフト部材の端部に固定され、前記第1接続部材とネジ係合し、前記第1シャフト部材へ対向する端部に前記第1係合孔に直列可能な位置に第2係合孔が形成された第2接続部材と、前記第1係合孔または前記第2係合孔の一方の係合孔に係合し、係合した状態で他方の係合孔内に突出する突出部を有する係合部材と、を備え、前記突出部は、前記他方の係合孔の内径よりも外径が小さくなるように構成した。
【0008】
この態様によれば、第1接続部材と第2接続部材のネジ係合により、両シャフトを、接続長を調整して接続した後に、直列した二つの係合孔に係合部材を係合させることで、両シャフト部材に対して、回転止めしつつ、係合した係合部材と、係合していない他方の係合孔との直径差分だけ両シャフトが相対的に回動することを可能にした。従来のように、接続長を調整した後に、ナットなどの固定部材を用いて両シャフトを完全固定した場合、ねじれや傾きが修正されることがない。この場合、完全に回動不可であるため、正位置から傾いて固定されると、是正されずに傾いたまま開口部を弁体が封止することとなり、シール性能が落ちる。また、シャフト移動による僅かな回動がそのままベローズに伝わり、ベローズにダメージを与える。これに対し、本形態では僅かに回動可能な遊びをもって両シャフトを接続させることで、回動やねじりによる不具合を抑制した。
【0009】
また、ある態様では、前記係合部材と係合する前記一方の係合孔はネジ穴であり、前記係合部材は、無頭ボルト、または前記他方の係合孔の内径よりも頭径が小さいボルトであるように構成した。この態様によれば、ネジ係合により、係合部材を容易に係合させることができる。また、一度分解した後にも、係合部材やシャフトをほぼ同じ位置に配置できるため、再位置合わせが非常に容易となる。
【0010】
また、ある態様では、前記第1係合孔と前記第2係合孔の少なくとも一方の係合孔は、前記第1接続部材と前記第2接続部材のネジ係合の軸を中心として、同円上に、等間隔または不等間隔に複数個設けられているように構成した。この態様によれば、接続可能位置を同円上に複数個設けることで、より精密に接続長の微調整を行うことができる。
【0011】
また、ある態様では、前記第1シャフト部材は、前記駆動機構と、連結機構を介して連結され、
前記第1シャフト部材は、前記連結機構ともネジ係合で接続されるように構成した。ネジ係合されることで、第1シャフトの両端で長さ調整を可能とした。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によれば、接続長さが調整可能であり、回動やねじりによる不具合を抑制した真空封止弁の接続機構を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る真空封止弁を備えた電子顕微鏡の概略図である。
図2】同真空封止弁の斜視図である。
図3】同真空封止弁の側面図である(説明のため一部構成要素を不図示)。
図4】同真空封止弁の縦断面図である。
図5】接続機構の分解斜視図である。
図6】接続機構の効果を説明するための説明図である。
図7】接続機構の効果を説明するための説明図である。
図8】開閉機構の縦断面図である。
図9】開閉機構の開閉状態の説明図であり、(A)が開状態(封止解除状態)、(B)が閉状態(封止状態)を示す。
図10】変形例である。図5に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(電子顕微鏡100)
以下、本開示の構成に係る好ましい実施形態を図面に従って説明する。図1は、実施形態に係る真空封止弁1を備えた電子顕微鏡100の概略図である。
【0015】
図1に示すように、電子顕微鏡100は、電子銃101と、電子銃101から出射された電子線EBを試料Wの所定部位に収束させるレンズ機構および電子線EBを走査させるための走査機構などからなる電子線制御機構102と、電子銃101および電子線制御機構102を内部に有する鏡筒103を備える。
【0016】
電子顕微鏡100は、電子銃101から出射した電子線EBによって試料Wを照射することにより発生した二次電子などを検出し、この検出信号に基づき試料W上の電子線EBの二次元走査に同期して、試料像を表示する走査型電子顕微鏡(SEM)である。本開示の構成は、電子顕微鏡100の適用に限られず、試料Wに電子線EBをあて、それを透過してきた電子を拡大して観察する透過型電子顕微鏡(TEM)や、電線描画装置、電子線露光装置などにも好適である。また、電子銃101の代わりにイオン銃を用いて、イオンビームを照射しても良い。
【0017】
鏡筒103は、その内部に、電子銃101を収容する電子銃室104と、電子線制御機構102を収容する制御機構室105と、これを仕切る仕切壁106とを有する。仕切壁106には、電子銃室104と制御機構室105とを連通する開口部107が設けられている。電子顕微鏡100の特性上、電子銃室104は真空排気機構108Aにより真空(10-5Pa以下の超高真空、または10-8Pa以下の極高真空)にされている。また、制御機構室105も同様に、真空排気機構108Bにより真空にされている。
【0018】
電子顕微鏡100は、開口部107を封止/封止解除(以下、開閉と表現)を行う機構として真空封止弁1を備えている。真空封止弁1は、仕切壁106とほぼ垂直な鏡筒103の側壁103aに設けられた貫通孔109に貫通して支持される。電子顕微鏡100の真空引きには時間を要することから、電子銃101の修理や試料Wの交換時には、真空封止弁1を用いて、電子銃室104または制御機構室105を真空に保った状態で作業が行われる。また、電子顕微鏡100輸送の際は、真空封止弁1にて開口部107を封止して輸送する。
【0019】
(真空封止弁1)
真空封止弁1を図2図4を用いて詳細に説明する。図2は真空封止弁1の斜視図である。図3は真空封止弁1の側面図である。図4は真空封止弁1の縦断面図である。図3においては、説明のため、一部の構成を省略している。
【0020】
図2図4に示すように、真空封止弁1は、先端部に、開口部107を開閉する開閉機構2を備える。開閉機構2は、移動側機構7と仕切壁106に固定される固定側機構8から構成される。開閉機構2の移動側機構7は接続機構3を介して、ベローズ4に接続され、ベローズ4は固定部5を介してアクチュエータ6に接続される。
【0021】
アクチュエータ6は真空封止弁1の駆動源である。アクチュエータ6が仕切壁106と略平行に進退移動すると、この移動が開閉機構2に伝達され、開閉機構2はアクチュエータ6の進退移動を、開口部107を開閉するための運動に変換して、開口部107を開閉する。
【0022】
本実施形態においては、アクチュエータ6には複動式エアシリンダが用いられている。引込型の単動式エアシリンダを用いて、電子銃101不使用時には、圧縮バネなどの付勢によりシリンダの前進状態を維持して開閉機構2の閉状態を保ち、電子銃101使用時にのみ、エア圧力によりシリンダを後進状態にして、開閉機構2を開状態とするように構成してもよい。圧縮バネの付勢により、開閉機構2の閉状態の維持が容易となる。アクチュエータ6は、これに限らず、既知の駆動機構を用いてもよい。
【0023】
図4に示すように、ベローズ4は、内部に配置される伝達シャフト41の周囲を覆うように設けられている。伝達シャフト41は、接続シャフト42を介してアクチュエータ6に接続される。ベローズ4の端部は固定部5の表面に固定され、ベローズ4の内部空間と固定部5に設けられた内部空間51が連通する。この連通した内部空間で、伝達シャフト41はアクチュエータ6と一体化して進退移動を行う。ベローズ4を用いることで、電子銃室104の真空雰囲気を保持したまま、電子銃室104外(大気側)にあるアクチュエータ6から動力を得て伝達シャフト41を進退移動させることができる。
【0024】
伝達シャフト41は、接続機構3を介して開閉機構2の移動側機構7を構成するメインシャフト71と接続されており、これらが一体となって移動することにより、開閉機構2にアクチュエータ6の進退運動が伝達される。
【0025】
(接続機構3)
伝達シャフト41とメインシャフト71とを接続する接続機構3について、詳しく説明する。図5は接続機構3の分解斜視図である。伝達シャフト41が配置される方向を後方、メインシャフト71が配置される方向を前方として説明する。
【0026】
図5に示すように、接続機構3は、接続される伝達シャフト41、メインシャフト71の他に、第1接続部材31、第2接続部材32、無頭ボルト34を備える。
【0027】
前方から、メインシャフト71、第2接続部材32、第1接続部材31、伝達シャフト41の順で、前後方にその軸を一致させて配置される。
【0028】
伝達シャフト41は細長い棒状体であり、メインシャフト71に接続される前方側には、円盤状の第1フランジ部41aが設けられている。第1フランジ部41aの後面にはベローズ4が溶接されている(図4参照)。
【0029】
第1フランジ部41aから前方へ向かって柱体41bが突出しており、柱体41bの先端には、さらに円盤状の第2フランジ部41cが設けられている。第2フランジ部41cにはこれを貫通する貫通孔41dが二か所に設けられており、ボルト33がこれに挿通し、第1接続部材31に設けられたネジ穴31bに螺合することで、伝達シャフト41は第1接続部材31に締結される。
【0030】
第2フランジ部41cの前面の中央には、円形凹部41eが設けられており、第1接続部材31の後面中央に突設された円形凸部31aがこれに係合して、締結に助する。
【0031】
円柱形状を有する第1接続部材31の前面中央には、ネジ穴として雌ネジ部31dが設けられている。これに第2接続部材32の背面中央に突出して設けられた雄ネジ部32aが螺合する。雌ネジ部31dと雄ネジ部32aは、メインシャフト71の前後方向の配置位置の調整を行うためのものであり、雄ネジ部32aのネジ長さ分だけ、メインシャフト71は前後方向に配置調整可能となっている。
【0032】
第1接続部材31に第2接続部材32が螺合して、メインシャフト71のための前後方向の配置調整が行われた後に、無頭ボルト34が第2接続部材32に設けられた挿通孔32cに挿通して、第1接続部材31に設けられたネジ穴31cに螺合する。これにより、無頭ボルト34の先端部34aが第1接続部材31に固定され、後端部34bが第1接続部材31の表面から突出して、第2接続部材32の挿通孔32c内に配置される。無頭ボルト34、詳しくは後端部34bと挿通孔32c内壁とは多少のスキを持つようにその大きさが設定されている。
【0033】
挿通孔32cはネジ穴31cに連通する位置に形成されており、第2接続部材32には、雌ネジ部31dと雄ネジ部32aの螺合軸を中心とした同円上に、挿通孔32cが複数個設けられている。
【0034】
一方、メインシャフト71の後端部にもフランジ部71aが形成されており、ボルト35が、フランジ部71aに形成された二つの挿通孔71bを挿通して、第2接続部材32の前面に設けられたネジ穴32bに螺合することで、メインシャフト71は第2接続部材32に締結される。これにより、メインシャフト71と伝達シャフト41とが、接続機構3を介して接続される。
【0035】
(接続機構3の作用効果)
このような構成をもつ接続機構3は、三つの作用効果を持つ。一つ目は、前述の通り、メインシャフト71の配置調整である。
【0036】
詳しくは後述するが、メインシャフト71には、電子線EB線を通すための貫通孔71cが設けられており、開閉機構2が開状態において、電子線EBの行路(ビームパス)を確保するために、この貫通孔71cが開口部107と略同一の鉛直線上に配置されている必要がある。そのような高精度な配置要求を、接続機構3による接続長調整により満たすことができる。螺合によって接続長が調節されることから、雄ネジ部と雌ネジ部とが逆に設けられた形態でも構わない。
【0037】
挿通孔32cは対向位置二か所に設けられており、長さ調整後に無頭ボルト34を螺合させる際には、どちらの挿通孔32cを使用しても良い。第2接続部材32が、半周ごとに無頭ボルト34で回転止め可能な構成であるため、接続長の調整は、雄ネジ部32aのネジ山半個分の長さ単位で微調整が可能である。
【0038】
二つ目は、ベローズ4の周方向の動きによるダメージの吸収である。無頭ボルト34は、第1接続部材31から突出して、挿通孔32c内に配置される。挿通孔32cの直径は無頭ボルト34の直径よりもわずかに大きく、無頭ボルト34には止めナットなどは使用されていないため、第2接続部材32はこの直径の差分だけ回動可能となる。即ち、メインシャフト71と伝達シャフト41は、長さを調整されて接続された後も、僅かに周方向に回動可能となっている。
【0039】
ベローズ4は金属板を溶接して作られた、一種のバネ構造体であり、固定された伝達シャフト41の軸方向の移動に対しては収縮してこれに追従する。しかし、周方向へは全く移動することができず、ベローズ4に固定された伝達シャフト41がわずかでも回転運動を行うと、無理な応力がベローズ4にかかり、ベローズ4の破壊原因となる。例えば、開閉機構2による開閉運動の際に、わずかに周方向にねじれが生じて、メインシャフト71に回転運動として伝達されても、第2接続部材32が回転してこれを吸収してベローズ4への回転負荷を低減する。
【0040】
従来の構成のように、ネジの螺合により位置調整が行われた後に、止めナット等を使用して、メインシャフトと伝達シャフトとが完全に固定されると、開閉機構の僅かな回動も伝達シャフトに直接伝達されてしまうため、伝達シャフトに接続されたベローズが回動負荷により破壊されるという問題がある。一方で、螺合により位置調整が行われただけで、まったく回転止めがなければ、開閉時の摺動により螺合がゆるんで連結長や連結角度が変わってきてしまうという問題がある。
【0041】
本実施形態においては、無頭ボルト34を用いて回転止めを行いつつ、無頭ボルト34が挿通される挿通孔32cにスキを設けることで、僅かに第1接続部材31が回動できる余地を残した。これにより、メインシャフト71の回動がこのスキ分だけ吸収され、ベローズ4へ伝わる回動は減少する。接続機構3を上記のように構成することで、ベローズ4の周方向の動きによるダメージが吸収される。なおかつ、メインシャフト71が回動することで、シール力の不均衡を抑えることができる。
【0042】
本実施形態では、第2接続部材32にはステンレス鋼などの鋼鉄類を用いており、第1接続部材31にはベリリウム銅などの第2接続部材32の構成部材よりも柔らかい金属を用いている。異なる金属を使用することで、螺合部の摺動面の摩擦を減らし、両者が滑りやすく(回動しやすく)なるようにしている。また、雌ネジ部31dを雄ネジ部32aよりも柔らかい金属で構成することで、滑り時には雌ネジ部31dが削られる構成として、滑り時の摩擦を軽減させた。これにより、より第2接続部材32と第1接続部材31は回動しやすくなり、よりベローズ4への回動負荷を低減できる。
【0043】
三つ目の作用効果は、固定部5が鏡筒103に固定される際に生じる、メインシャフト71の正位置からの周方向のズレの是正である。これを、図6および図7を用いて説明する。図6は、固定部5と鏡筒103との締結状態を示し、図3の矢印A方向から見た図である。鏡筒103と固定部5の相互配置を示す概略図であり、固定ボルトは省略している。図6(A)および図6(B)は固定部5が正位置で鏡筒103に固定された状態を示す。図6(C)は固定部5が正位置から反時計回りに傾いて鏡筒103に締結された状態を示す。図6(D)は固定部5が正位置から時計回りに傾いて鏡筒103に締結された状態を示す。
【0044】
真空封止弁1は、固定部5で貫通孔109のフランジ部にネジ固定される(図3参照)。図6に示すように、鏡筒103には、固定部5を締結するための六個のネジ穴103bが、円環状に等角度に並んで設けられている。固定される固定部5には、ネジ穴103bに対応して、6個のネジ挿通孔52が、円環状に等間隔に設けられている。しかし、ネジ穴103bの形成誤差を吸収して確実に固定部5を締結させるために、ネジ挿通孔52の孔径をネジ穴103bの径より大きくする必要があり、その直径差分だけ、固定部5は正位置から周方向に僅かに傾いて取り付けられる可能性がある。
【0045】
図6(C)に示すように、固定部5は正位置から、固定部5の取り付け中心Oを中心として、反時計回りには最大で角度-αだけ傾いて取り付けられる可能性がある。また、図6(D)に示すように、取り付け中心Oを中心として、時計回りには最大で角度+αだけ傾いて取り付けられる可能性がある。ここで角度±αは、ネジ穴103bとネジ挿通孔52との直径差分から計算される取付け遊び角度である。
【0046】
仮に固定部5が角度αだけ傾いて取り付けられても、接続機構3が回動することで、連結されるメインシャフト71は正位置である水平となりこれを保つ。このように、無頭ボルト34と挿通孔32cは、長さ調整を行った後の第2接続部材32の回転止めとしての役割のみならず、周方向の微調整の役割も担っている。無頭ボルト34と挿通孔32cの配置と直径により、メインシャフト71と伝達シャフト41との相対的な回転可能角度が決定される。この回転可能角度は角度2α以上とすることが好ましい。
【0047】
従来の構成のように、接続機構3がなく、メインシャフトと伝達シャフトとが完全に固定されている場合、鏡筒に真空封止弁が角度αだけ傾いて取り付けられると、メインシャフトも水平状態から角度αだけ傾いた状態となり、弁体は開口部に対して角度αだけ傾いた状態でこれを封止することとなる。
【0048】
本実施形態と従来の構成との違いを、図7を用いて説明する。図7は開閉機構2を前方から見た図である。固定部5が正位置で固定された状態を示す。Oリング76は開口部107を封止するシール材である。二点鎖線の仮想線で示すOリング176は、比較のために示した、接続機構3がない従来構成でのシール材であり、固定部の取り付け中心Oを中心として、角度αだけ傾いて取り付けられた状態を示している。
【0049】
従来の構成のように、開閉機構からアクチュエータまで周方向には完全に一体化している真空封止弁では、筐体に角度αだけ周方向に傾いて取り付けられると、開閉機構も周方向に角度αだけ傾くこととなる。即ち、開口部を封止するOリング176も、取り付け中心を軸として、角度αだけ傾いた状態となる。この傾いた状態のOリング176の高低差Hだけ、Oリング176の潰れ量が減少するため、Oリング176のシール力が減少する。
【0050】
例えば、本実施形態を例とすると、角度α=1.2度であり、これは開口部107上では、高低差H=0.2mmとなる。即ち、固定部5が取り付け中心Oを軸として鏡筒103に1.2度だけ傾いて取り付けられると、メインシャフト71も取り付け中心Oを軸として1.2度傾き、シール材の潰れ量は一部で最大0.2mm減少する。開口部107を封止するシール材の潰れ量は0.5mm程度であるため、シール力は約40%の損失となる。気密に開口部107を封止するには、シール材が開口部107を水平に封止する必要があり、接続機構3による周方向のズレの是正は重要である。
【0051】
また、伝達シャフト41と接続シャフト42との接続機構である接続部43について図4に戻り説明する。伝達シャフト41の後端部には雄ネジ部41fが設けられている。これに接続される接続シャフト42の前端部には雌ネジ部42aが設けられており、両者が螺合することで、伝達シャフト41と接続シャフト42は接続されている。ガタのある状態のため、ベローズに回転が伝わらない構造となっている。これにより、組み立て時にベローズ4に負担がかかることが防止される。
【0052】
(開閉機構2)
開閉機構2について、図8および図9を用いて詳しく説明する。図8は開状態の開閉機構2の断面図である。図9は開閉機構2による開口部107の開閉状態を説明するための説明図であり、(A)が開状態、(B)が閉状態を示す。
【0053】
開閉機構2は、前述のように、仕切壁106に固定される固定側機構8および、アクチュエータ6の進退移動に伴って移動する移動側機構7から構成される。
【0054】
固定側機構8は、支持部材81、上ローラ82,83、下ローラ84を備える。移動側機構7は、メインシャフト71、補助部材72、スプリング73、一対のリンク74、弁体75、Oリング76、ボルト77を備える。
【0055】
支持部材81は、一対のL型ブラケットであり、電子線EBや移動側機構7の動きを阻害しない位置で正対して、水平面で仕切壁106に固定され、垂直面で上ローラ82,83および下ローラ84を回動可能に支持する(図2参照)。なお、説明のため、図9では紙面手前側に配置される一方の支持部材81を省略している。
【0056】
上ローラ82,83は、メインシャフト71の変形を抑えるため、即ち、弁体75を開口部107に押し付けることによって生じる反力で、メインシャフト71が上方向に反り返ることを抑えるための回転体である。メインシャフト71の進退方向に平行して並列して配置されて、その回転軸はメインシャフト71の進退方向と直行するが、メインシャフト71の進退移動を案内するコンベア的な役割ではないため、逆に開状態ではメインシャフト71とは至近接するも当接しないことが望ましい。
【0057】
上ローラ82,83は、上下方向には、下方にある開口部107に対して、メインシャフト71を挟んで対向する位置として、メインシャフト71の上方に配置される。また、メインシャフト71の進退方向(前後方向)に対して、開口部107を基準として、上ローラ83がメインシャフト71の先端側、上ローラ82がメインシャフト71の基端側に配置される。二つの上ローラ82,83が開口部107を挟んで配置されることで、安定して強固にメインシャフト71の変形を抑えることができる。
【0058】
弁体75は、略直方体形状で、一対のリンク74によりメインシャフト71とリンク接続され、メインシャフト71の進退移動に伴って上下方向へ移動することで開口部107を直接開閉する。
【0059】
スプリング73は、弁体75を開状態に維持する方向へ付勢するための弾性体である。スプリング73による前方への付勢は、リンク74により上方向へ変換され、開状態では、弁体75は仕切壁106とは離間した状態で保持される。
【0060】
下ローラ84は、メインシャフト71を挟んで、上ローラ83と略正対して、弁体75の前方に配置される。弁体75の前面には、傾斜面75bが形成されており、メインシャフト71の進退移動の際に、下ローラ84は傾斜面75bに当接して、弁体75を上下方向へ移動させる。
【0061】
傾斜面75bは、非常に急勾配となっている。弁体75が下ローラ84に当接した後は、傾斜面75bの勾配方向に移動することとなるため、弁体75を略鉛直に移動させるために勾配を大きくしている。傾斜面75bが緩勾配であると、Oリング76がシール面に接してから完全にシールするまでの間に、弁体75の上下方向の移動とともに前後方向への移動量も増加し、Oリング76がシール面である仕切壁106に接してから完全にシールするまでの間に、Oリング76が仕切壁106と摺動することとなる。高真空度の雰囲気中では、滑り力が働かず、捻じれと高摩擦摺動により、Oリング76に大きな負荷がかかる。Oリング76にかかるダメージを減少させ、その耐久性を向上させるために、傾斜面75bは急勾配となっている。具体的には、傾斜角度70度以上が好ましい。
【0062】
補助部材72は、スプリング73を保持するための補助部材であり、スプリング73を保持するための深く窪んだ凹部72aが形成されている。スプリング73が弁体75を効率良く付勢できるように、補助部材72は弁体75の背面に配置されて、メインシャフト71の底面にボルト77で固定されて一体化している。補助部材72を用いず、メインシャフト71でスプリング73を直接保持する構成であっても構わない。
【0063】
Oリング76は、開口部107を気密に封止するためのシール部材である。弁体75の下面には、アリ溝75aが環状に設けられており、Oリング76がここに嵌ることで、弁体75の下面に取り付けられる。
【0064】
また、弁体75は、リンク74との段差をなくしてリンク74と滑らかに接続されるように、側面が削られた薄肉部75dでリンク74と接続されている。これにより、移動側機構7の幅を小さくした。
【0065】
弁体75およびメインシャフト71にはそれぞれ、電子線EBを通すための貫通孔75c,71cが設けられている。開閉機構2が組み立てられた状態で、貫通孔75c,71cは連通するように構成されている。前述の通り、接続機構3により、メインシャフト71の前後方向の配置は微調整が可能であり、開閉機構2の開状態においては、開口部107および貫通孔75c,71cが上下方向に直線状に並ぶよう、配置が調整されている。これにより電子線EBの行路が確保される。
【0066】
もちろん、電子線EBへ悪影響を与えぬよう、弁体75およびメインシャフト71は、非磁性体で構成されている。弁体75とメインシャフト71内に電子線EBの行路となる孔を設けることで、開状態でも弁体75を開口部107上方に配置でき、開口部107の開閉に必要なメインシャフト71の進退移動量を減少させて、金属摺動によるパーティクルの発生を極力抑制している。
【0067】
本実施形態においては、弁体75とメインシャフト71とを変位可能に接続するリンク機構は、一対のリンク74から構成される。一対のリンク74は、弁体75の両側面で対向して、弁体75とメインシャフト71とをリンク接続している。このため、リンク74と弁体75との回転軸74aは、水平となっている(図8参照。回転軸74aは紙面奥行き方向に延びる)。弁体75はこの回転軸74aを中心として上下方向に回転可能に支持される。リンク機構をこのように構成することで、固定部5が鏡筒103に固定される際に生じる、弁体75の前後方向の傾きが是正される。弁体75の前後方向の傾きとは、メインシャフト71の進退方向に直行する水平軸を中心軸とした水平からの傾きを示す。
【0068】
例えば、側壁103aに形成される固定部5の取付け面が、鉛直から角度β傾いていると、固定部5も鉛直から角度βだけ傾くため、メインシャフト71は角度βだけ先首を下げた(または上げた)状態となる。このため、取付状態では、弁体の前後方向の傾きも角度βとなる。仮にリンクが四本使用されたリンク機構(一対のリンクが二組)によって弁体が支持された場合、弁体は回転できないため、傾いた状態を解消できず、傾いた状態そのままに開口部を封止する。これに対し、本実施形態では、弁体75は一対のリンク74により回転軸74aで回転可能に支持されているため、取付けられた状態で角度βだけ傾いていても、傾斜面75bが受ける上下方向へ移動させる力により弁体75は回転軸74aで回転して後首を下げて(または上げて)水平状態となり、開口部107を均一に封止する。前述の通り、本実施形態では、メインシャフトが1.2度傾いた場合、シール力は約40%の損失となり、影響が大きい。気密に開口部107を封止するには、Oリング76の取付けられた弁体75が開口部107を水平に封止する必要がある。また、固定部5取付時のわずかなガタや、固定面の凹凸なども弁体75の傾きの要因となる。一対のリンク74のみをリンク機構として用いて、弁体75を回転可能に支持することで、このような個体差や誤差などを吸収して、弁体75の前後方向の傾きが是正される。
【0069】
弁体75においては、水平方向の二つの軸(メインシャフト71の進退方向の水平軸とこれに直行する水平軸)を中心軸とした傾きが是正されるため、Oリング76が水平状態で開口部107をシールするため、気密に開口部107が封止される。
【0070】
またOリング76のシール面となる開口部107周辺の仕切壁106の表面も鏡面仕上げを施されており、シール性能を向上させている。
【0071】
さらに、図8および図9に示すように、開口部107周辺の仕切壁106は僅かに高い段差部106aとして構成されている。これは、開閉機構2の動きによって、金属同士の摺動からパーティクルが発生した場合でも、シール箇所に少しでもパーティクルが落ちる可能性を減少させるためである。なおかつ、段差部106aから落ちたパーティクルは、再び段差部106a、即ちシール箇所に乗り上げにくくなるため、シール性能の減少を抑制できる。
【0072】
(開閉機構2の作用効果)
開閉機構2が開状態では、弁体75はスプリング73の付勢により、仕切壁106から離間して配置されている(図9(A)参照)。メインシャフト71が前進移動して、傾斜面75bが下ローラ84に当接すると、弁体75は下方へ移動して、開口部107を封止する(図9(B)参照)。
【0073】
メインシャフト71の前進運動が下ローラ84により弁体75の下方移動へと変換され、弁体75は下方へ向かって移動して、Oリング76が仕切壁106を押圧するが、仕切壁106からは上方への反力をうける(図9(B)矢印DR1)。この上方への反力を受けて反ろうとするメインシャフト71に上ローラ82,83が当接して、メインシャフト71の変形を抑制する(図9(B)矢印DR2,DR3)
従来の構成のように、上ローラ82,83が存在しない場合、弁体を開口部へ移動させても、仕切壁からの反力によってメインシャフトがアーチ状に反ってしまう。このため、Oリングが斜めに押し付けられて、一様な押付圧が得られず、高いシール効果を保持することができないという問題があった。
【0074】
これに対して、本実施形態のように、メインシャフト71の上部に上ローラ82,83が配置されることで、上ローラ82,83が反力を受け止め、メインシャフト71が反ることを抑制して、Oリング76が一様な押付圧を得て、気密に開口部107を封止することができる。
【0075】
さらに、反力として弁体75の押圧力が開口部107とは反対の方向に逃げてしまい、弁体75の押圧力が減少してしまうことが抑制され、メインシャフト71の前進運動を高効率に弁体75の押圧力に変換できる。これにより、弁体75は気密に開口部107を封止する。
【0076】
開口部107を開閉するためのメインシャフト71の進退方向の移動量も少ないため、金属摺動もその分だけ抑えることができ、パーティクルの発生を抑えることができる。
【0077】
また、従来の真空封止弁では、開閉機構が大きいために真空室から取り出すことが出来ない、あるいは真空封止弁を取り出すためには鏡筒と真空封止弁の両者を分解する必要があり、Oリングの交換が困難であった。また真空室の高真空度を保つためにも、鏡筒外にある駆動源と鏡筒内の封止弁とを挿通させる鏡筒の貫通孔は、小さい方が好ましい。本実施形態では、上ローラ82,83および下ローラ84が固定側機構8として仕切壁106に固定され、移動側機構7はコンパクトに構成されて、貫通孔109から移動側機構7を取り出すことができる。このため、故障時の修理やOリング76の交換が容易である。特に高真空度が要求される電子顕微鏡100では、開口部107を気密に封止するためにも、劣化しやすいOリング76の交換が容易であることは重要である。
【0078】
(変形例)
本開示の構成は、上記形態に限られない。変形例を図10に示す。同等の構成をもつものは、同じ符号を付して説明を省略する。図10に示すように、第1接続部材31には、その前面中央に突出して雄ネジ部131dが設けられており、これが第2接続部材32の背面中央に設けられた雌ネジ部132aに螺合することで、第1接続部材31と第2接続部材32とが接続長を調整可能に接続される。このように、第1接続部材31と第2接続部材32のネジ結合は、雄雌の構成が逆であってもよい。
【0079】
また、第1接続部材31および第2接続部材32に連続して係合する係合部材は、無頭ボルト34に限られない。図10に示すように、ピン134やビス等を用いても良い。ピン134は円柱体であり、ピン134の形状に対応して、第2接続部材32には係合孔132cが貫通孔として形成されている。第1接続部材31には、係合孔132cに直列可能な位置に、挿通孔131cが形成されている。
【0080】
第1接続部材31に第2接続部材32がネジ結合して、メインシャフト71のための前後方向の配置調整が行われた後に、ピン134が係合孔132cに前面側から挿通して係合すると、先端部134aが第2接続部材32の背面から突出して、挿通孔131cまで挿通する。挿通孔131cの内径は、ピン134の先端部134aの外径よりも僅かに大きくなるように設定されており、先端部134aが多少のスキをもって挿通孔131c内に配置される。挿通孔131cは貫通孔であり、ピン134を取り外しする際には、そのまま押し込み、第1接続部材31の背面側から取り出す。
【0081】
無頭ボルト34が、第1接続部材31に係合されて、一部を第2接続部材32の挿通孔32cに突出されたと同様に、ピン134は、第2接続部材32に係合されて、一部を第1接続部材31の挿通孔131cに突出させた。このように、係合の構成が逆であってもよい。係合部材は、第1接続部材31または第2接続部材32に係合した状態で、その一部が他方の接続部材の孔に突出して配置され、かつその最大外径を他方の接続部材の孔の内径よりも小さくして、孔の内壁とは多少のスキを持つように構成されればよい。
【0082】
ピン134が内部に配置される係合孔132c,挿通孔131cは、直列可能なように、ネジ係合の軸を中心とした同径円上に設けられる。雄ネジ部131d,雌ネジ部132aの螺合軸を中心として、係合孔132cは対向位置に二か所、挿通孔131cは、ネジ穴31bを避けて不等角に六ケ所設けられている。このように、係合部材が配置される孔が、ネジ係合の軸を中心として等間隔または不等間隔に複数個所に設けられると、より精密にメインシャフト71の配置を調整可能であり好ましい。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施形態及を述べたが、当業者の知識に基づいて変形させることも可能であり、そのような形態は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1:真空封止弁
3:接続機構
6:アクチュエータ
31:第1接続部材
31c:ネジ穴
32:第2接続部材
32:第2接続部材
32c:挿通孔
34:無頭ボルト
34a:先端部
41:伝達シャフト
41f:雄ネジ部
42:接続シャフト
43:接続部
71:メインシャフト
75:弁体
107:開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10