(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132892
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】養生テープ
(51)【国際特許分類】
C09J 7/38 20180101AFI20220906BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20220906BHJP
B32B 3/04 20060101ALI20220906BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J201/00
B32B3/04
B32B27/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031612
(22)【出願日】2021-03-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】305042415
【氏名又は名称】川端 幸子
(72)【発明者】
【氏名】川端 幸子
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AB10C
4F100AK04A
4F100AK04C
4F100AK07C
4F100AT00A
4F100BA03
4F100CB05B
4F100DB13C
4F100DG10A
4F100DG10C
4F100DG12A
4F100GB07
4F100GB90
4F100JL13B
4J004AB01
4J004FA08
4J040JB09
4J040NA02
4J040NA05
4J040NA06
4J040NA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】よれたりずれたり皺になったりせず、簡単に真っすぐ正確な位置に貼る事が出来る養生テープを提供する。
【解決手段】基材4と、該基材の少なくとも一方の面に粘着剤層3を備えたテープであって、テープの延長方向に向かって、テープの左右いずれかの片端に沿って直線性を保つ素材2を設けた事を特徴とする養生テープ20。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を備えたテープであって、テープの延長方向に向かって、テープの左右いずれかの片端に沿って直線性を保つ素材を設けた事を特徴とする養生テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養生テープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の養生テープは、一般的にポリエチレンクロスや紙、布等からなり、手で簡単に切れ、工事や梱包、文具又は医療用等幅広く利用されている。近年ではDIY人気が高まり、素人でも簡単な作業をする様になった事から養生テープの需要は益々高まった。
【0003】
しかしながら一般的に多数販売されている従来の養生テープは、直線性を保つ素材が設けられていない為、貼った時養生テープがよれたり皺になったりして、正確な位置にぴったり貼る事が難しかった。
【0004】
梱包等特に正確な位置に貼る必要が無い場合は問題ないが、塗装作業等では真っすぐ正確な位置に養生テープを貼らなければならない。例えばある面の境界線を境として片側だけを塗装する場合、境界線に沿って養生テープを貼るのだが、境界線とテープの端を真っすぐ正確に合わせる事が難しく、テープの端が境界線の上下又は左右にずれてしまう事がよくあった。その為ずれた部分が塗り残しになったり、はみ出して塗ってしまうなど正確に綺麗に塗り分ける事が難しかった。
【0005】
又、壁と柱の様な凹凸部のいずれかに塗装する場合や、部屋の正面と側面とを塗り分ける場合など、その境界線が直角の角となる為、その角にテープを押し当てて貼ると、角でテープが団子になったり、直角の角の上下又は左右にずれてしまい大変貼りにくいという欠点があった。
【0006】
従来は殆どの塗装や作業等を専門技術者が施工していたので、長年の経験と技術で養生テープを境界線に真っすぐ正確に貼る事など何の問題もなかった。
又、技術者でも境界線にテープを貼りにくい時や、細かく正確に塗分けなければならない時は、最初から境界線の上下又は左右に跨る様に養生テープを覆いかぶせて貼ってしまい、その後境界線の上をカッターナイフで切り、塗装する側の養生テープだけを剥がすという方法をとっていた。
【0007】
しかしながらカッターナイフを使うという方法は、技術者には簡単だが素人には大変難しく、カッターナイフで手を切る危険性があるとともに、更に手間がかかってしまうという問題点があった。
【0008】
特許文献1は、粘着テープを多数重ね合わせるというものであるが、その方法ではテープ本体が分厚くなってしまい、塗装した時その厚み部分が塗り残しとなる欠点がある。
【0009】
特許文献2は、テープ本体の長手方向に目盛を設けたものであり、直線性を保つ素材は設けられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開昭61-98566
【特許文献2】特開2013-139505
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はそれら問題を解決する為、養生テープの延長方向に向かって、テープの左右いずれかの片端に沿って直線性を保つ素材を設ける事により、素人でもよれたりずれたり、皺になったりせず、真っすぐ正確な位置に貼る事が出来る養生テープを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
基材と、該基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を備えたテープであって、テープの延長方向に向かって、テープの左右いずれかの片端に沿って直線性を保つ素材を設けた事を特徴とする養生テープである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の養生テープは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を備えたテープの延長方向に向かって、テープの左右いずれかの片端に沿って設けた直線性を保つ素材が、定規の様な役目を果たすというものである。
【0014】
例えば従来技術で示した様に、境界線を境として、ある面の上下又は左右いずれかに塗装する場合、硬質となる本発明の養生テープの直線性を保つ素材の直線と、境界線の直線とを簡単に一致させる事が出来る。よって従来の養生テープのようなずれや歪みによって生じるペンキのはみ出しや、塗り残しが無い。
【0015】
又壁と柱の様な凹凸部のいずれかに塗装する場合や、部屋の正面と側面とを塗り分ける場合、その境界線は直角の角となる。その直角の角に従来の養生テープを押し当てて貼ると、直角の角でテープが団子になったり、境界線の上下又は左右にずれて貼ってしまったりしたが、本発明の養生テープであれば、養生テープの片端に設けた直線性を保つ素材が硬質なので、直角の角に押し当てても皺や団子にならずピタッと止まる。そしてピタッと止まった所でストップして養生テープ全体を貼り付けるので、難しい直角の角でも正確に簡単に養生テープを貼る事が出来る。
【0016】
又ドアに設けられた小窓の枠に塗装する場合などは、枠の内側が狭く一般的な養生テープでは皺や団子になり大変貼りにくかったが、本発明の養生テープの直線性を保つ素材が硬質の為、直角の角となる境界線にぴったりと合わせる事が出来るので、狭い箇所でも皺や団子にならず、正確な位置に簡単に養生テープを貼る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明の養生テープを芯に巻回した図である。
【
図3】本発明の養生テープを巻回する芯の他の形状を示す図である。
【
図4】本発明の養生テープの直線性を保つ素材側を少しずつ下にずらせて芯に巻回した図である。
【
図5】本発明の養生テープに養生シートを設けた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ポリエチレンクロスや紙、布等からなる基材4と、該基材4の少なくとも一方の面に粘着剤層3を備えた一般的に多数販売されているテープ1の、基材4表面の片端に沿って、直線性を保つ素材2を設けて一体化して構成された本発明の養生テープ20の一実施例の断面図である。
【0019】
直線性を保つ素材2とは、紙、ビニール、アルミ、ポリプロピレン、ポリエチレン等でも良いが、よれたり皺になりにくい直線性を保つ硬さを維持できるものでなければならない。
更に、塗装した時塗り残しが出来ない程度の薄さも必要である。
【0020】
直線性を保つ素材2の硬さとは、一般的に多数販売されている従来の養生テープの様に、円筒形の芯7の周囲にロール状に巻回出来る範囲内での硬さでなければならない。又、従来の養生テープと同様に手で容易に切断出来るものが好ましい。
【0021】
直線性を保つ素材2をテープ1と色分けすると更に作業し易くなる。
【0022】
図1では直線性を保つ素材2をテープ1の基材4表面に設けているが、基材4の下面粘着剤層3の片端に設けても良い。
【0023】
図2は、テープ1と直線性を保つ素材2を一体化して構成された養生テープ20を、円筒形の芯7の周囲にロール状に巻回したものである。
【0024】
図3は、養生テープ20の芯7の他の形状で、通常芯7は円筒状であるが、養生テープ20を巻回した時、直線性を保つ素材2部分がテープ1だけの部分より太くなる為、直線性を保つ素材2側の芯7の円周を少し小さくする事によって、養生テープ20を巻回した時出来るだけ円筒状になる様にしたものである。
【0025】
図4も養生テープ20を巻回した後の状態が、出来るだけ円筒状になる様、直線性を保つ素材2を少しずつ下にずらせて巻回した図である。
【0026】
図5は、養生テープ20の、直線性を保つ素材2を設けた反対側の片端に沿って、養生シート8を貼着した断面図である。貼着した養生シート8は折り畳み、養生テープ20とともに円筒形の芯7の周囲にロール状に巻回される。
養生シート8を設けない場合は、養生テープ20の両端に直線性を保つ素材2を設けても良い。
【実施例0027】
図6は、凸部となる柱9と凹部となる壁10の柱9側に塗装する場合で、凹凸の境界線である直角の角11部分に、直線性を保つ素材2を押し当ててストップした所で、壁10側に養生テープ20全体を貼り付けた実施例ある。