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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132893
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20220906BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B65H7/02
B41J2/01 305
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031613
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕平
【テーマコード(参考)】
2C056
3F048
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EC12
2C056EC13
2C056EC35
2C056EC36
2C056EC37
2C056HA29
3F048AA01
3F048AB01
3F048AB06
3F048BA05
3F048BA21
3F048BB03
3F048BB07
3F048CC03
3F048DB04
3F048DB07
3F048DB18
3F048EB37
(57)【要約】
【課題】記録媒体の種類が変わっても印刷開始タイミングを適切に制御できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像が印刷される記録媒体を搬送する搬送部2と、搬送部2よりも記録媒体の搬送方向の上流側に配置され、記録媒体の先端を検出する第1媒体検出部11と、第1媒体検出部11よりも搬送方向の下流側に配置される第2媒体検出部12と、第1媒体検出部11の出力信号を基準に第2媒体検出部12が記録媒体の先端を検出する時間幅を表す第1ウィンドウと該第1ウィンドウよりも時間幅の広い第2ウィンドウを設定する検出ウィンドウ設定部52と、第1ウィンドウで記録媒体の先端が検出されなかった場合は、第2ウィンドウを用いて記録媒体の先端を検出し、画像の印刷開始を指示する印刷開始信号を生成する印刷開始信号生成部53とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が印刷される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部よりも前記記録媒体の搬送方向の上流側に配置され、前記記録媒体の先端を検出する第1媒体検出部と、
前記第1媒体検出部よりも前記搬送方向の下流側に配置される第2媒体検出部と、
前記第1媒体検出部の出力信号を基準に前記第2媒体検出部が前記記録媒体の先端を検出する時間幅を表す第1ウィンドウと該第1ウィンドウよりも時間幅の広い第2ウィンドウを設定する検出ウィンドウ設定部と、
前記第1ウィンドウで前記記録媒体の先端が検出されなかった場合は、前記第2ウィンドウを用いて前記記録媒体の先端を検出し、前記画像の印刷開始を指示する印刷開始信号を生成する印刷開始信号生成部と
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体に画像を印刷する画像形成装置の印刷開始の制御は、搬送経路を搬送中の記録媒体の先端を検出して行われる。その検出技術としては、搬送経路の上流側から、第1センサ、第2センサ、印刷部の順に設けられた画像形成装置において、第1センサの検出情報を基準に第2センサの検出ウィンドウを設定し、検出ウィンドウ内における第2センサの検出情報を基準に印刷部の印刷開始を制御する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5095085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、記録媒体の種類(サイズ、厚み)の違いによって、搬送速度がばらつくため、第2センサに記録媒体が到達するタイミングが検出ウィンドウから外れてしまう場合がある。その場合は、印刷開始のタイミングを適切に制御することができなくなるという課題がある。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、記録媒体の種類が変わっても印刷開始のタイミングを適切に制御できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、画像が印刷される記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部よりも前記記録媒体の搬送方向の上流側に配置され、前記記録媒体の先端を検出する第1媒体検出部と、前記第1媒体検出部よりも前記搬送方向の下流側に配置される第2媒体検出部と、前記第1媒体検出部の出力信号を基準に前記第2媒体検出部が前記記録媒体の先端を検出する時間幅を表す第1ウィンドウと該第1ウィンドウよりも時間幅の広い第2ウィンドウを設定する検出ウィンドウ設定部と、前記第1ウィンドウで前記記録媒体の先端が検出されなかった場合は、前記第2ウィンドウを用いて前記記録媒体の先端を検出し、前記画像の印刷開始を指示する印刷開始信号を生成する印刷開始信号生成部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、記録媒体の種類が変わっても印刷開始のタイミングを適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略の構成を示す図である。
図2図1に示す検出ウィンドウ設定部が設定する検出ウィンドウの例を示すタイムチャートである。
図3図1に示す画像形成装置が実行する処理手順の一部を示すフローチャートである。
図4図1に示す検出ウィンドウ設定部が設定する第2ウィンドウの設定例を示すタイムチャートである。
図5図1に示す検出ウィンドウ設定部が設定する第2ウィンドウの他の設定例を示すタイムチャートである。
図6図1に示す画像形成装置で得られる効果を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略の構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、印刷方式がインクジェット方式の例である。
【0011】
画像形成装置1は、搬送部2、媒体検出部3、制御部4、及び印刷部5を備える。図1において、左を左方向、右を右方向と定義する。左方向は印刷処理の上流、右方向は同処理の下流になる。
【0012】
搬送部2は、レジストローラ13とヘッド下搬送部14を備える。搬送部2は、画像が印刷される記録媒体を搬送する。記録媒体は、例えばA4サイズ等の定型用紙又はフィルムである。
【0013】
レジストローラ13は、給紙部(図示せず)から搬送されてきた記録媒体を一旦止めた後、ヘッド下搬送部14に向けて搬送する。レジストローラ13は、図示しないモータにより回転駆動される。
【0014】
ヘッド下搬送部14は、搬送ベルト21と、駆動ローラ22と、従動ローラ23~25と、ロータリーエンコーダ51とを備える。駆動ローラ22は、ベルト駆動モータ(図示せず)により回転駆動される。
【0015】
搬送ベルト21は、駆動ローラ22及び従動ローラ23~25に掛け渡される環状の無端ベルトである。搬送ベルト21には、記録媒体を吸着するための開口部(図示せず)が網目状に多数形成されている。搬送ベルト21は、吸引ファン(図示せず)の回転により開口部に発生する負圧(吸着力)により、記録媒体を搬送ベルトの上面に吸着保持する。
【0016】
搬送ベルト21は駆動ローラ22の回転駆動により、図1において時計方向に回転する。これにより、搬送ベルト21は、無端移動することで上面に吸着保持した記録媒体を右方向に搬送する。
【0017】
駆動ローラ22及び従動ローラ23~25は、搬送ベルト21が掛け渡されるものである。駆動ローラ22は、回転駆動され、搬送ベルト21を回転させる。従動ローラ23~25は、搬送ベルト21を介して駆動ローラ22に従動する。従動ローラ23は、駆動ローラ22と略同じ高さで、駆動ローラ22から左方向に所定間隔だけ離間して配置されている。従動ローラ24,25は、駆動ローラ22及び従動ローラ23の下方において、互いに左右方向に所定間隔だけ離間して略同じ高さに配置されている。
【0018】
ロータリーエンコーダ51は、従動ローラ23の回転軸に連結され、搬送部2による記録媒体の搬送量に応じてパルス信号を生成する。パルス信号は、記録媒体の搬送情報を表し、制御部4に入力される。
【0019】
媒体検出部3は、搬送部2によって搬送される記録媒体の先端を検出する。媒体検出部3は、第1媒体検出部11と第2媒体検出部12を備える。
【0020】
第1媒体検出部11は、ヘッド下搬送部14の手前に配置される。第1媒体検出部11は、例えば光透過型のホトインタラプタで構成される。光透過型のホトインタラプタは、発光部と受光部が、搬送中の記録媒体を挟むように配置され、記録媒体の端部を検出する。
【0021】
第2媒体検出部12は、ヘッド下搬送部14の上で且つ印刷部5の手前に配置される。第2媒体検出部12は、例えば光反射型のホトインタラプタで構成される。光反射型ホトインタプタは、一体型であり発光部と受光部は並んで配置される。発光部は搬送される記録媒体に光を照射し、受光部は記録媒体で反射される反射光を受光する。第2媒体検出部12は、ヘッド下搬送部14の上を搬送中の記録媒体の端部を検出する。
【0022】
制御部4は、画像形成装置1の全体の動作を制御する。制御部4は、検出ウィンドウ設定部52と、印刷開始信号生成部53とを備える。制御部4は、例えば、ROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで構成することができる。その場合、各機能構成部の処理内容はプログラムによって記述される。
【0023】
検出ウィンドウ設定部52は、第1媒体検出部11の出力信号を基準に第2媒体検出部12が記録媒体の先端を検出する時間幅を表す第1ウィンドウと該第1ウィンドウよりも時間幅の広い第2ウィンドウを設定する。第1ウィンドウと第2ウィンドウは、それぞれ異なる時間幅のパルス信号である。第1ウィンドウと第2ウィンドウについて、詳しくは後述する。
【0024】
印刷開始信号生成部53は、第1ウィンドウで記録媒体の先端が検出されなかった場合は第2ウィンドウを用いて記録媒体の先端を検出し、印刷部5に対して画像の印刷開始を指示する印刷開始信号を生成する。
【0025】
印刷部5は、搬送部2により搬送される記録媒体に印刷を行う。印刷部5は、搬送ベルト21の上側に設けられる。印刷部5は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、及びイエロー(Y)の印刷ヘッド32K,32C,32M,32Yを備える。
【0026】
印刷部5は、印刷開始信号生成部53で印刷開始信号が生成されると、印刷ヘッド32K,32C,32M,32Yからインクを吐出して記録媒体に画像を印刷する。インクの吐出制御は制御部4が行う。
【0027】
(検出ウィンドウ)
図2は、検出ウィンドウ設定部52が設定する検出ウィンドウの例を示すタイムチャートである。図2の横方向は時間、縦方向は信号の振幅を表す。
【0028】
図2(a)は、1行目は第1媒体検出部11の出力信号、2行目は第2媒体検出部12の出力信号、3行目は印刷開始信号を表す。この各信号の関係は、図2(b)、図2(c)も同じである。
【0029】
図2(a)に示すように、第1媒体検出部11が記録媒体を検出すると、その出力信号は、例えば、論理レベル「0」から論理レベル「1」に立ち上がる。論理レベル「0」は0V、論理レベル「1」は例えば+5Vの電圧である。
【0030】
第1媒体検出部11の出力信号が論理レベル「1」に立ち上がるタイミングは、第1媒体検出部11の位置に記録媒体の先端が到達したことを表す。つまり、第1媒体検出部11の受光部で受光していた発光部の光が記録媒体で遮断されと、論理レベル「1」に変化する。
【0031】
検出ウィンドウ設定部52は、第1媒体検出部11が記録媒体の先端を検出すると、所定時間後に第2媒体検出部12が記録媒体の先端を検出する所定時間幅の第1ウィンドウW1を生成する。第2媒体検出部12は、第1ウィンドウW1の時間幅の中で記録媒体の先端を検出する。
【0032】
第1ウィンドウW1が時間幅を持つのは、記録媒体の種類による搬送速度のバラツキに対応させるためである。記録媒体が薄くなると搬送速度は速くなる。また、記録媒体が厚くなると搬送速度は遅くなる。
【0033】
また、第1ウィンドウW1を設ける理由は、第2媒体検出部12の誤検出を防止するためである。第2媒体検出部12は、搬送ベルト21の反射光の強度の変化で記録媒体の先端を検出するので、常に反射光を検出すると、搬送ベルト21の表面にインク汚れ等があると誤検出してしまう場合がある。そこで、第1ウィンドウW1の短い時間幅で記録媒体の先端を検出するようにする。
【0034】
記録媒体の先端が、第1ウィンドウW1の時間幅の間に第2媒体検出部12の位置に到達すると、第2媒体検出部12の出力信号は論理レベル「0」から「1」に立ち上がる。この第2媒体検出部12の出力信号は印刷開始信号生成部53に入力される。
【0035】
印刷開始信号生成部53は、第2媒体検出部12の出力信号が論理レベル「1」に立ち上がると、ロータリーエンコーダ51が発生するパルス信号を数え、余白情報等の印刷情報に基づいて所定時間後に印刷開始信号を出力する。印刷開始信号は、印刷部5に対して画像の印刷開始を指示する制御信号である。
【0036】
図2(b)は、記録媒体の先端が、第1ウィンドウW1よりも遅れて第2媒体検出部12に到達した場合を示す。記録媒体の厚みが想定した厚みよりも厚くなった場合、記録媒体の空気抵抗が増加するため記録媒体の搬送速度が遅くなる。また、記録媒体が重くなっても搬送速度は遅くなる。記録媒体の端部に折れ等が生じることでも搬送速度は遅くなる。
【0037】
図2(b)に示すように、本実施形態においては、第1ウィンドウW1よりも時間幅の広い第2ウィンドウW2を設定する。よって、記録媒体の搬送速度が遅くなっても記録媒体の先端を検出することができる。
【0038】
図2(c)は、記録媒体の先端が、第1ウィンドウW1よりも早く第2媒体検出部12に到達した場合を示す。記録媒体の厚みが想定した厚みよりも薄くなった場合、記録媒体の空気抵抗が減少するため記録媒体の搬送速度が速くなる。また、記録媒体が軽くなっても搬送速度は速くなる。
【0039】
図2(c)に示すように、記録媒体の搬送速度が速くなっても記録媒体の先端を検出することができる。
【0040】
このように第1ウィンドウW1よりも時間幅の広い第2ウィンドウW2を設定することで、記録媒体の先端を確実に検出することができる。その結果、印刷開始信号生成部53は、印刷開始信号を適切に生成することができる。
【0041】
次に、検出ウィンドウ(第1ウィンドウW1、第2ウィンドウW2)の適応制御について説明する。適応とは、記録媒体の搬送速度に適応させて検出ウィンドウを変化させることである。
【0042】
(検出ウィンドウの適応制御)
図3は、画像形成装置1が実行する処理手順の一部を示すフローチャートである。
【0043】
第1媒体検出部11は、搬送される記録媒体の先端を検出する(ステップS1)。記録媒体の先端が検出される(ステップS1のYES)と、検出ウィンドウ設定部52は、第1ウィンドウW1と第2ウィンドウW2のそれぞれを、所定の時間幅で設定する(ステップS2)。
【0044】
次に、印刷開始信号生成部53は、第1ウィンドウW1で記録媒体の先端が検出されると(ステップS3のYES)、ロータリーエンコーダ51のパルス信号を所定数数えた後に印刷開始信号を生成する(ステップS4)。
【0045】
第2ウィンドウW2で記録媒体の先端が検出されると(ステップS5のYES)、印刷開始信号生成部53は所定時間後に印刷開始信号を生成する(ステップS6)。第2ウィンドウW2で記録媒体の先端が検出されない場合(ステップS5のNO)は、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0046】
次に、検出ウィンドウ設定部52は、第1ウィンドウW1の時間幅の中心から第2ウィンドウW2で記録媒体の先端を検出するまでの時間差を求め、該時間差に応じて第1ウィンドウW1と第2ウィンドウW2を変化させる。
【0047】
図4は、検出ウィンドウの適応制御の例を示す図である。図4の上から2行は適応制御前、下から2行は適応制御後を示す。
【0048】
図4に示す適応制御は、第1ウィンドウW1の時間幅の中心から第2ウィンドウW2の開始までの時間差T分、第1ウィンドウW1と第2ウィンドウW2の中心を移動させる例を示す。図4に示すように、第1媒体検出部11の立ち上がりと第1ウィンドウW1の中心との時間差Tは、時間差T分遅延させられる(T=T+T)。
【0049】
なお、第1ウィンドウW1は固定し、第2ウィンドウW2のみを変化させてもよい。その場合、時間差Tを評価し(図3、ステップS7)、時間差Tがプラスの場合(ステップS7のYES)は、第2ウィンドウW2の中心をプラス側に移動させる(ステップS8)。時間差Tがマイナスの場合(ステップS7のNO)は、第2ウィンドウW2の中心をマイナス側に移動させる(ステップS9)。
【0050】
図5は、第1ウィンドウW1は固定し、第2ウィンドウW2のみを変化させ場合のタイムチャートである。図5に示す様に第2ウィンドウW2のみが例えば遅延させられる。
【0051】
このように、検出ウィンドウ設定部52は、第1ウィンドウW1の時間幅の中心から第2ウィンドウW2で記録媒体の先端を検出するまでの時間差Tを求め、該時間差Tに応じて第1ウィンドウW1と第2ウィンドウW2の両方、又は第2ウィンドウW2のみを適応的に変化させる。
【0052】
なお、検出ウィンドウ設定部52は、複数の時間差Tの移動平均を計算し、該移動平均に応じて第1ウィンドウW1と第2ウィンドウW2の両方、又は第2ウィンドウW2のみを適応的に変化させる。これにより、印刷開始のタイミングを適切に制御することができる。
【0053】
また、検出ウィンドウ設定部52は、第2ウィンドウW2で記録媒体の先端が検出された場合に、第1ウィンドウW1の時間幅の中心から第2ウィンドウW2で記録媒体の先端を検出するまでの時間差Tを求める。これにより、常時、時間差Tを求める必要がないため制御部4の処理量を削減することができる。
【0054】
(効果)
図6は、本実施形態に係る画像形成装置1による効果を説明するための図である。図6(a)は、検出ウィンドウ(例えば第1ウィンドウW1)の時間幅を単純に拡大した場合の例を示すタイムチャートである。図6(b)は、本実施形態に係るタイムチャートである。
【0055】
図6(a)に示すように、搬送ベルト21上を搬送される記録媒体の先端の検出漏れを防止するためには、検出ウィンドウの時間幅を広げる必要がある。しかし、検出ウィンドウの時間幅を単純に拡大すると、インク汚れ等を記録媒体の先端として誤検出する確率が高くなる。
【0056】
一方、本実施形態のように第1ウィンドウW1と第2ウィンドウW2の2つを設け、第1ウィンドウW1で記録媒体の先端が検出できない場合、第1ウィンドウW1の時間幅の中心から第2ウィンドウW2で記録媒体の先端を検出するまでの時間差を求め、該時間差に応じて第1ウィンドウW1と第2ウィンドウW2を変化させる。したがって、インク汚れ等を記録媒体の先端として誤検出する確率を下げることができると共に印刷開始のタイミングを適切に制御することができる。
【0057】
以上説明したように本実施形態に係る画像形成装置1は、画像が印刷される記録媒体を搬送する搬送部2と、搬送部2よりも記録媒体の搬送方向の上流側に配置され、記録媒体の先端を検出する第1媒体検出部11と、第1媒体検出部11よりも搬送方向の下流側に配置される第2媒体検出部12と、第1媒体検出部11の出力信号を基準に第2媒体検出部12が記録媒体の先端を検出する時間幅を表す第1ウィンドウW1と該第1ウィンドウW1よりも時間幅の広い第2ウィンドウW2を設定する検出ウィンドウ設定部52と、第1ウィンドウW1で記録媒体の先端が検出されなかった場合は、第2ウィンドウW2を用いて記録媒体の先端を検出して画像の印刷開始を指示する印刷開始信号を生成する印刷開始信号生成部53とを備える。これにより、記録媒体の種類が変わっても印刷開始のタイミングを適切に制御することができる。
【0058】
本実施形態に係る画像形成装置1よれば、記録媒体の種類によって、第1ウィンドウW1内で記録媒体の先端が検出できなくても、第2ウィンドウW2内で記録媒体の先端を検出することが可能になる。また、ヘッド下搬送部14のインク汚れ等による誤検出を防止しつつ、記録媒体の種類によらずに印刷開始のタイミングを適切に制御することが可能になる。
【0059】
なお、上記の実施形態の印刷部5は、インクジェット方式の例で説明したが、本発明はこの例に限定されない。本発明の技術思想は、他の印刷方式の画像形成装置にそのまま適用することが可能である。
【0060】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0061】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0062】
(付記1)
画像が印刷される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部よりも前記記録媒体の搬送方向の上流側に配置され、前記記録媒体の先端を検出する第1媒体検出部と、
前記第1媒体検出部よりも前記搬送方向の下流側に配置される第2媒体検出部と、
前記第1媒体検出部の出力信号を基準に前記第2媒体検出部が前記記録媒体の先端を検出する時間幅を表す第1ウィンドウと該第1ウィンドウよりも時間幅の広い第2ウィンドウを設定する検出ウィンドウ設定部と、
前記第1ウィンドウで前記記録媒体の先端が検出されなかった場合は、前記第2ウィンドウを用いて前記記録媒体の先端を検出し、前記画像の印刷開始を指示する印刷開始信号を生成する印刷開始信号生成部と
を備える画像形成装置。
【0063】
(付記2)
前記検出ウィンドウ設定部は、
前記第1ウィンドウの時間幅の中心から前記第2ウィンドウで前記記録媒体の先端を検出するまでの時間差を求め、該時間差に応じて前記第1ウィンドウと前記第2ウィンドウの両方、又は前記第2ウィンドウのみを適応的に変化させる
付記1に記載の画像形成装置。
【0064】
(付記3)
前記検出ウィンドウ設定部は、
前記時間差を、複数の時間差の移動平均で求める
付記2に記載の画像形成装置。
【0065】
(付記4)
前記検出ウィンドウ設定部は、
前記第2ウィンドウで前記記録媒体の先端が検出された場合に、前記時間差を求める
付記2又は3に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
2 搬送部
3 媒体検出部
4 制御部
5 印刷部
11 第1媒体検出部
12 第2媒体検出部
52 検出ウィンドウ設定部
53 印刷開始信号生成部
W1 第1ウィンドウ
W2 第2ウィンドウ
図1
図2
図3
図4
図5
図6