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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132918
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0239 20210101AFI20220906BHJP
   H01S 5/02315 20210101ALI20220906BHJP
【FI】
H01S5/0239
H01S5/02315
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031654
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】519283819
【氏名又は名称】CIG Photonics Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MB01
5F173MB05
5F173MC20
5F173ME22
5F173ME47
5F173ME53
(57)【要約】
【課題】安定したワイヤボンディングによる高周波特性の改善を目的とする。
【解決手段】光モジュール100は、光電素子24が搭載された搭載基板28と、搭載基板28が搭載された支持ブロック36と、支持ブロック36を支持する支持面16を有し、支持面16から一体的に突出する台座部18を有するステム10と、台座部18の先端面20に固定された接続ブロック60と、支持ブロック36および搭載基板28の少なくとも一方と接続ブロック60を接続する複数のワイヤ72と、を有する。接続ブロック60は、台座部18の先端面20と同じ方向を向く第1ボンディング面68および上面22と同じ方向を向く第2ボンディング面70を有する。複数のワイヤ72は、第1ボンディング面68に一端がボンディングされる第1ワイヤ74と、第2ボンディング面70に一端がボンディングされる第2ワイヤ76と、を含む。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するようになっている光電素子と、
前記光電素子が搭載された搭載基板と、
前記搭載基板が搭載されて少なくとも表面が導電体からなる支持ブロックと、
前記支持ブロックを支持する支持面を有し、前記支持面から一体的に突出する台座部を有し、前記台座部は突出方向の先端面および前記突出方向に沿って広がる上面を有するステムと、
前記台座部の前記上面に搭載された中継基板と、
前記台座部の前記先端面に固定された接続ブロックと、
前記支持ブロックおよび前記搭載基板の一方と前記接続ブロックをそれぞれが接続する複数のワイヤと、
を有し、
前記接続ブロックは、少なくとも表面の一部が導電体からなり、前記台座部の前記先端面と同じ方向を向く第1ボンディング面および前記上面と同じ方向を向く第2ボンディング面を有し、
前記複数のワイヤは、前記第1ボンディング面に一端がボンディングされる少なくとも1つの第1ワイヤと、前記第2ボンディング面に一端がボンディングされる少なくとも1つの第2ワイヤと、を含む光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載された光モジュールであって、
前記少なくとも1つの第1ワイヤの他端は、前記支持ブロックにボンディングされ、
前記少なくとも1つの第2ワイヤの他端は、前記搭載基板にボンディングされている光モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された光モジュールであって、
前記少なくとも1つの第1ワイヤは、複数の第1ワイヤであり、
前記複数の第1ワイヤは、前記第1ボンディング面に一列に並ぶ複数の第1位置にボンディングされている光モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載された光モジュールであって、
前記第1ボンディング面は、前記複数の第1位置が並ぶ方向の長さが、前記長さに直交する幅よりも大きい光モジュール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記少なくとも1つの第2ワイヤは、複数の第2ワイヤであり、
前記複数の第2ワイヤは、前記第2ボンディング面に一列に並ぶ複数の第2位置にボンディングされている光モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載された光モジュールであって、
前記第2ボンディング面は、前記複数の第2位置が並ぶ方向の長さが、前記長さに直交する幅よりも大きい光モジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記台座部は、前記突出方向に前記中継基板から突出している光モジュール。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記接続ブロックの前記第2ボンディング面は、前記台座部の前記上面よりも高い位置にある光モジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記第1ボンディング面および前記第2ボンディング面のそれぞれは平坦面である光モジュール。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記接続ブロックは、セラミックからなる本体と、前記本体を覆う導電膜と、を含む光モジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記支持ブロックは、セラミックからなる本体と、前記本体を覆う導電膜と、を含む光モジュール。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記接続ブロックは、前記ステムよりも熱伝導率において低い光モジュール。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記接続ブロックおよび前記台座部を固定する導電性接着剤または溶加材をさらに有する光モジュール。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記ステムの前記支持面と前記支持ブロックの間に固定されて熱を移動させるようになっている熱電冷却器をさらに有する光モジュール。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記接続ブロックは、前記第2ボンディング面とは反対にある第3ボンディング面を有し、
前記複数のワイヤは、前記第3ボンディング面に一端がボンディングされる少なくとも1つの第3ワイヤを含む光モジュール。
【請求項16】
請求項15に記載された光モジュールであって、
前記少なくとも1つの第3ワイヤの他端は、前記支持ブロックにボンディングされている光モジュール。
【請求項17】
請求項15又は16に記載された光モジュールであって、
前記第3ボンディング面は平坦面である光モジュール。
【請求項18】
請求項16又は17に記載された光モジュールであって、
前記少なくとも1つの第3ワイヤは、複数の第3ワイヤであり、
前記複数の第3ワイヤは、前記第3ボンディング面に一列に並ぶ複数の第3位置にボンディングされている光モジュール。
【請求項19】
請求項18に記載された光モジュールであって、
前記第3ボンディング面は、前記複数の第3位置が並ぶ方向の長さが、前記長さに直交する幅よりも大きい光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
小型の光モジュールには、放熱性及び高周波特性の向上が求められている。TO-CAN(Transistor Outline Can)パッケージは、グラウンド電位のアイレットを貫通するリードピンを用いて、電気信号を半導体光素子へ伝送するようになっている。半導体光素子が実装された基板は、支持ブロックに搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-108939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
支持ブロックのグラウンドを強化すれば、高周波特性を改善することができる。例えば、アイレットから一体的に突出する台座を、ワイヤによって、支持ブロックに電気的に接続することができる。しかし、台座は、ボンディングに適した形状に加工するのが難しい。
【0005】
本発明は、安定したワイヤボンディングによる高周波特性の改善を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
光モジュールは、光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するようになっている光電素子と、前記光電素子が搭載された搭載基板と、前記搭載基板が搭載されて少なくとも表面が導電体からなる支持ブロックと、前記支持ブロックを支持する支持面を有し、前記支持面から一体的に突出する台座部を有し、前記台座部は突出方向の先端面および前記突出方向に沿って広がる上面を有するステムと、前記台座部の前記上面に搭載された中継基板と、前記台座部の前記先端面に固定された接続ブロックと、前記支持ブロックおよび前記搭載基板の一方と前記接続ブロックをそれぞれが接続する複数のワイヤと、を有し、前記接続ブロックは、少なくとも表面の一部が導電体からなり、前記台座部の前記先端面と同じ方向を向く第1ボンディング面および前記上面と同じ方向を向く第2ボンディング面を有し、前記複数のワイヤは、前記第1ボンディング面に一端がボンディングされる少なくとも1つの第1ワイヤと、前記第2ボンディング面に一端がボンディングされる少なくとも1つの第2ワイヤと、を含む。
【0007】
接続ブロックによって、ワイヤボンディングのための面を確保することができ、これにより安定したワイヤボンディングが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る光モジュールの斜視図である。
図2】ステム及びこれに搭載される電子部品の斜視図である。
図3】ステム及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
図4】接続ブロックの斜視図である。
図5】第2の実施形態に係るステム及びこれに搭載される電子部品の斜視図である。
図6】ステム及びこれに搭載される電子部品の側面図である。
図7】ステム及びこれに搭載される電子部品の底面図である。
図8】3次元電磁界シミュレータHFSS(High Frequency Structure Simulator)によって計算した、従来例、第1の実施形態及び第2の実施形態の周波数特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。全図において同一の符号を付した部材は同一又は同等の機能を有するものであり、その繰り返しの説明を省略する。なお、図形の大きさは倍率に必ずしも一致するものではない。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る光モジュールの斜視図である。光モジュール100は、TO-CAN(Transistor Outline-Can)型光モジュールであり、発光素子を備える光送信サブアセンブリ(TOSA: Transmitter Optical Sub-Assembly)、受光素子を備える光受信サブアセンブリ(ROSA: Receiver Optical Sub-Assembly)、発光素子及び受光素子の両方を備える双方向モジュール(BOSA;Bidirectional Optical Sub-Assembly)のいずれを含んでもよい。光モジュール100は、フレキシブル基板(FPC)102を有し、プリント基板(PCB)104に接続されるようになっている。光モジュール100は、ステム10を有する。
【0011】
[ステム・台座部]
図2は、ステム10及びこれに搭載される電子部品の斜視図である。図3は、ステム10及びこれに搭載される電子部品の平面図である。ステム10は、金属などの導電材料からなる。ステム10は、アイレット12を含む。アイレット12は、厚み方向の表裏面の間でそれぞれ貫通する複数の貫通孔14を有する。なお、ステム10は、円盤形状を示唆するアイレット12の代わりに、四角形など他の形状の部位を有してもよい。ステム10は、基準電位(例えばグラウンド)に接続される。
【0012】
ステム10(アイレット12)は、電子部品を支持する支持面16を有する。ステム10は、支持面16から一体的に突出する台座部18を有する。台座部18も導電体からなる。台座部18の表面は金メッキされている。台座部18は、突出方向の先端面20を有する。台座部18は、突出方向に沿って広がる上面22を有する。台座部18は、プレス加工によって形成するので、角が丸くなりやすく、広い平面の形成が難しい。
【0013】
[リードピン]
図1に示すように、光モジュール100は、複数のリードピンLを有する。複数のリードピンLは、複数の貫通孔14の内側に、ガラスなどの誘電体(絶縁体)でステム10とは絶縁されてそれぞれ固定されている。リードピンLと誘電体でフィードスルーが構成される。複数のリードピンLは、フレキシブル基板102に接続される(図1)。
【0014】
[光電素子]
光モジュール100は、光電素子24を有する。光電素子24は、光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するようになっている。光電素子24には、半導体レーザ26及び光変調器27が集積されている。半導体レーザ26には、ワイヤW1がボンディングされて、直流電圧を印加するようになっている。光変調器27は、シングルエンド駆動されるようになっている。光電素子24は、搭載基板28に搭載される。
【0015】
[搭載基板]
搭載基板28は、光電素子24が搭載される搭載面を有する。搭載面に平行な方向に光軸を向けるように、光電素子24は配置されている。搭載基板28は、図3に示すように、搭載面に第1グラウンドパターン30及び第1信号パターン32を有する。
【0016】
第1グラウンドパターン30には、光電素子24の裏面(半導体レーザ26及び光変調器27に共通な電極)が接合されている。第1グラウンドパターン30は、第1側面電極34と一体化して、搭載面とは反対側での電気的接続が可能になっている。第1信号パターン32は、ワイヤW2によって光電素子24(光変調器27)に電気的に接続されて、高周波信号を入力するようになっている。なお、図示しない終端抵抗を搭載基板28に設けて、高周波成分を有する変調電気信号の反射波が、駆動IC(図示せず)に折り返すことを抑制してもよい。搭載基板28は、支持ブロック36に搭載される。
【0017】
[支持ブロック]
支持ブロック36は本体と本体の表面を覆う導電膜とからなる。本体は、窒化アルミのような熱伝導率に優れた材料(セラミック)からなり、放熱性を向上させることができる。支持ブロック36は、少なくとも表面が導電体からなる。あるいは、支持ブロック36は、金属ブロックのように全体的に導電体から構成されてもよい。搭載基板28は、支持ブロック36の導電膜に対向し、両者が電気的に接続されている。
【0018】
支持ブロック36には、バイパスコンデンサ42が搭載されている。バイパスコンデンサ42の裏面(一方の電極)が支持ブロック36(導電膜)に導通し、基準電位(例えばグラウンド)に接続される。バイパスコンデンサ42の他方の電極は、ワイヤW3を介して、リードピンL1に接続され、電圧が印加されるようになっている。電圧は、ワイヤW1を介して、光電素子24(半導体レーザ26)にも接続されて直流電圧が供給される。バイパスコンデンサ42によって、直流信号に重畳される高周波信号を分離している。
【0019】
[熱電冷却器]
光モジュール100は、熱電冷却器44を有する。熱電冷却器44は、上面及び下面を有する。上面及び下面は、セラミックなどの絶縁体からなる。下面がステム10(アイレット12)の支持面16に固定されている。固定には、熱伝導性の接着剤を使用してもよい。上面と搭載基板28の搭載面は、図2に示すように、相互に交差(例えば直交)する方向を向く。熱電冷却器44は、上面及び下面の間で熱を移動させるためのペルチェ素子(図示せず)を内部に有する。例えば、上面が吸熱面になり、下面が放熱面になるが、その逆に切り替えられるようになっている。熱電冷却器44の電極は、ワイヤW4によって、リードピンL2に接続されている。
【0020】
熱電冷却器44の上面には金属層46(図2)が積層する。金属層46は、基準電位プレーン(例えばグラウンドプレーン)となる。サーミスタ48が金属層46に載って、電気的に接続し、温度を測定できるようになっている。サーミスタ48は、ワイヤW5によってリードピンL3に接続されており、電圧が印加されるようになっている。
【0021】
熱電冷却器44は、ステム10の支持面16と支持ブロック36の間に固定されて、両者間で熱を移動させるようになっている。支持ブロック36は、熱電冷却器44を介して、ステム10の支持面16に支持される。支持ブロック36は、熱電冷却器44の上面に固定され、金属層46に電気的に接続されている。
【0022】
[中継基板]
ステム10の台座部18の上面22には、中継基板50が搭載されている。両者の固定には、はんだ(図示せず)が使用され、中継基板50の下からオーバーフローすることがある。台座部18は、突出方向に中継基板50から突出している。
【0023】
中継基板50は、図3に示すように、第2信号パターン52を有する。第2信号パターン52は、リードピンL4に電気的に接続されている。詳しくは、リードピンL4の端部と第2信号パターン52の端子との間に、溶加材54(はんだ、ろう材)が介在して両者が電気的に接続されている。
【0024】
第2信号パターン52は、ワイヤW6を介して、第1信号パターン32に接続されている。中継基板50は、第2グラウンドパターン56を有する。第2グラウンドパターン56は、第2側面電極58と一体化して、裏面での電気的接続が可能になり、台座部18に電気的に接続されている。また、第2グラウンドパターン56は、ワイヤW7によって支持ブロック36に接続されている。
【0025】
[接続ブロック]
図4は、接続ブロック60の斜視図である。接続ブロック60は、台座部18の先端面20に固定される。固定には、導電性接着剤62または溶加材が使用される。接続ブロック60は、少なくとも表面の一部が導電体からなる。接続ブロック60は、セラミックからなる本体64と、本体64を覆う導電膜66と、を含む。接続ブロック60は、ステム10よりも熱伝導率において低い。接続ブロック60を全体的に金属から形成してもよいが、本体64をセラミックで形成した方が、加工が簡単であって低コストである。
【0026】
接続ブロック60は、第1ボンディング面68を有する。第1ボンディング面68は、台座部18の先端面20と同じ方向を向く。第1ボンディング面68は平坦面である。第1ボンディング面68は、縦方向(図2の上下方向)の長さが、これに直交する幅よりも大きい。
【0027】
接続ブロック60は、第2ボンディング面70を有する。第2ボンディング面70は、台座部18の上面22と同じ方向を向く。第2ボンディング面70は平坦面である。第2ボンディング面70は、台座部18の上面22よりも高い位置にある。第2ボンディング面70は、縦方向(台座部18の突出方向)の長さが、これに直交する幅よりも大きい。
【0028】
[ワイヤ]
光モジュール100は、上述したワイヤW1~W7の他に、複数のワイヤ72を有する。それぞれのワイヤ72は、支持ブロック36または搭載基板28と接続ブロック60を接続する。
【0029】
少なくとも1つの第1ワイヤ74は、第1ボンディング面68に一端がボンディングされる。少なくとも1つの第1ワイヤ74の他端は、支持ブロック36にボンディングされる。複数の第1ワイヤ74が、図2に示すように、第1ボンディング面68に一列に並ぶ複数の第1位置にボンディングされている。複数の第1位置が並ぶ方向が、第1ボンディング面68の縦方向である。
【0030】
少なくとも1つの第2ワイヤ76は、第2ボンディング面70に一端がボンディングされる。少なくとも1つの第2ワイヤ76の他端は、搭載基板28(第1グラウンドパターン30)にボンディングされている。複数の第2ワイヤ76が、図2に示すように、第2ボンディング面70に一列に並ぶ複数の第2位置にボンディングされている。複数の第2位置が並ぶ方向が、第2ボンディング面70の縦方向である。
【0031】
台座部18の上面22に中継基板50を固定するはんだ(図示せず)がオーバーフローすると、台座部18のワイヤボンディング領域が狭くなる。しかし、本実施形態では、接続ブロック60を設けることで、ワイヤボンディング領域を確保することができ、安定したワイヤボンディングが可能になる。また、台座部18の突出長さを短くすることができ、広い平坦面を確保しなくてもよいので、加工精度を高める必要がなくなる。
【0032】
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係るステム及びこれに搭載される電子部品の斜視図である。図6は、ステム及びこれに搭載される電子部品の側面図である。図7は、ステム及びこれに搭載される電子部品の底面図である。
【0033】
接続ブロック260は、第2ボンディング面270とは反対にある第3ボンディング面278を有する。第3ボンディング面278は平坦面である。第3ボンディング面278は、縦方向(台座部218の突出方向)の長さが、これに直交する幅よりも大きい。
【0034】
複数のワイヤ272は、第3ボンディング面278に一端がボンディングされる少なくとも1つの第3ワイヤ280を含む。少なくとも1つの第3ワイヤ280の他端は、支持ブロック236(例えばその裏面)にボンディングされている。複数の第3ワイヤ280が、第3ボンディング面278に一列に並ぶ複数の第3位置にボンディングされている。複数の第3位置が並ぶ方向が、第3ボンディング面278の縦方向である。
【0035】
第3ワイヤ280によって、台座部218と支持ブロック236(あるいは変形例として搭載基板228)が接続される。これにより、支持ブロック236(あるいは変形例として搭載基板228)のグラウンド強化が可能になり、高い周波数までの信号伝送が可能になる。その他の内容には、第1の実施形態で説明した内容が適用可能である。
【0036】
図8は、3次元電磁界シミュレータHFSS(High Frequency Structure Simulator)によって計算した、従来例、第1の実施形態及び第2の実施形態の周波数特性を示す図である。従来例では、接続ブロックを設けない。
【0037】
従来例と比較すると、広いボンディング領域が確保された第1の実施形態は、特に40GHz以上での透過特性が改善している。第2の実施形態は、さらに透過特性が改善している。
【0038】
[実施形態の概要]
(1)光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するようになっている光電素子24と、光電素子24が搭載された搭載基板28と、搭載基板28が搭載されて少なくとも表面が導電体からなる支持ブロック36と、支持ブロック36を支持する支持面16を有し、支持面16から一体的に突出する台座部18を有し、台座部18は突出方向の先端面20および突出方向に沿って広がる上面22を有するステム10と、台座部18の上面22に搭載された中継基板50と、台座部18の先端面20に固定された接続ブロック60と、支持ブロック36および搭載基板28の一方と接続ブロック60をそれぞれが接続する複数のワイヤ72と、を有し、接続ブロック60は、少なくとも表面の一部が導電体からなり、台座部18の先端面20と同じ方向を向く第1ボンディング面68および上面22と同じ方向を向く第2ボンディング面70を有し、複数のワイヤ72は、第1ボンディング面68に一端がボンディングされる少なくとも1つの第1ワイヤ74と、第2ボンディング面70に一端がボンディングされる少なくとも1つの第2ワイヤ76と、を含む光モジュール100。
【0039】
(2)(1)に記載された光モジュール100であって、少なくとも1つの第1ワイヤ74の他端は、支持ブロック36にボンディングされ、少なくとも1つの第2ワイヤ76の他端は、搭載基板28にボンディングされている光モジュール100。
【0040】
(3)(1)又は(2)に記載された光モジュール100であって、少なくとも1つの第1ワイヤ74は、複数の第1ワイヤ74であり、複数の第1ワイヤ74は、第1ボンディング面68に一列に並ぶ複数の第1位置にボンディングされている光モジュール100。
【0041】
(4)(3)に記載された光モジュール100であって、第1ボンディング面68は、複数の第1位置が並ぶ方向の長さが、長さに直交する幅よりも大きい光モジュール100。
【0042】
(5)(1)から(4)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、少なくとも1つの第2ワイヤ76は、複数の第2ワイヤ76であり、複数の第2ワイヤ76は、第2ボンディング面70に一列に並ぶ複数の第2位置にボンディングされている光モジュール100。
【0043】
(6)(5)に記載された光モジュール100であって、第2ボンディング面70は、複数の第2位置が並ぶ方向の長さが、長さに直交する幅よりも大きい光モジュール100。
【0044】
(7)(1)から(6)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、台座部18は、突出方向に中継基板50から突出している光モジュール100。
【0045】
(8)(1)から(7)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、接続ブロック60の第2ボンディング面70は、台座部18の上面22よりも高い位置にある光モジュール100。
【0046】
(9)(1)から(8)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、第1ボンディング面68および第2ボンディング面70のそれぞれは平坦面である光モジュール100。
【0047】
(10)(1)から(9)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、接続ブロック60は、セラミックからなる本体64と、本体64を覆う導電膜66と、を含む光モジュール100。
【0048】
(11)(1)から(10)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、支持ブロック36は、セラミックからなる本体と、本体を覆う導電膜と、を含む光モジュール100。
【0049】
(12)(1)から(11)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、接続ブロック60は、ステム10よりも熱伝導率において低い光モジュール100。
【0050】
(13)(1)から(12)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、接続ブロック60および台座部18を固定する導電性接着剤62または溶加材をさらに有する光モジュール100。
【0051】
(14)(1)から(13)のいずれか1つに記載された光モジュール100であって、ステム10の支持面16と支持ブロック36の間に固定されて熱を移動させるようになっている熱電冷却器44をさらに有する光モジュール100。
【0052】
(15)(1)から(14)のいずれか1つに記載された光モジュールであって、接続ブロック260は、第2ボンディング面270とは反対にある第3ボンディング面278を有し、複数のワイヤ272は、第3ボンディング面278に一端がボンディングされる少なくとも1つの第3ワイヤ280を含む光モジュール。
【0053】
(16)(15)に記載された光モジュールであって、少なくとも1つの第3ワイヤ280の他端は、支持ブロック236にボンディングされている光モジュール。
【0054】
(17)(15)又は(16)に記載された光モジュールであって、第3ボンディング面278は平坦面である光モジュール。
【0055】
(18)(16)又は(17)に記載された光モジュールであって、少なくとも1つの第3ワイヤ280は、複数の第3ワイヤ280であり、複数の第3ワイヤ280は、第3ボンディング面278に一列に並ぶ複数の第3位置にボンディングされている光モジュール。
【0056】
(19)(18)に記載された光モジュールであって、第3ボンディング面278は、複数の第3位置が並ぶ方向の長さが、長さに直交する幅よりも大きい光モジュール。
【0057】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 ステム、12 アイレット、14 貫通孔、16 支持面、18 台座部、20 先端面、22 上面、24 光電素子、26 半導体レーザ、27 光変調器、28 搭載基板、30 第1グラウンドパターン、32 第1信号パターン、34 第1側面電極、36 支持ブロック、42 バイパスコンデンサ、44 熱電冷却器、46 金属層、48 サーミスタ、50 中継基板、52 第2信号パターン、54 溶加材、56 第2グラウンドパターン、58 第2側面電極、60 接続ブロック、62 導電性接着剤、64 本体、66 導電膜、68 第1ボンディング面、70 第2ボンディング面、72 ワイヤ、74 第1ワイヤ、76 第2ワイヤ、100 光モジュール、102 フレキシブル基板、104 プリント基板、218 台座部、228 搭載基板、236 支持ブロック、260 接続ブロック、270 第2ボンディング面、272 ワイヤ、278 第3ボンディング面、280 第3ワイヤ、L リードピン、L1 リードピン、L2 リードピン、L3 リードピン、L4 リードピン、W1 ワイヤ、W2 ワイヤ、W3 ワイヤ、W4 ワイヤ、W5 ワイヤ、W6 ワイヤ、W7 ワイヤ。
図1
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図8