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特開2022-132942栽培支援システム、サーバ用栽培支援プログラム及び端末用栽培支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132942
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】栽培支援システム、サーバ用栽培支援プログラム及び端末用栽培支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20220906BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20220906BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031702
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】519257463
【氏名又は名称】株式会社ミライ菜園
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畠山 友史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】互いに面識のない個人が参加するグループに対しても効率的に栽培指導を行うことができる栽培支援システム、この栽培支援システムに用いられるサーバ用栽培支援プログラム及び端末用栽培支援プログラムを提供する。
【解決手段】栽培支援システム1は、栽培支援サーバ2とユーザ端末3とを有している。栽培支援サーバ2のサーバ制御部24は、ユーザ端末3から栽培記事が送信された際に、通知生成部22にユーザ端末3のユーザの役割に応じて指導者投稿通知または受講者投稿通知のいずれかを生成させ、これらの通知をサーバ通信部23からユーザ端末3に送信させる。ユーザ端末3の端末制御部33は、当該ユーザ端末3のユーザが栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する指導者である場合には受講者投稿通知を表示し、受講者である場合には指導者投稿通知のみを表示するよう、表示部32を制御可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受講者及び指導者を含むグループにおいて、前記受講者が前記指導者に植物の栽培の支援を受けるために用いられる栽培支援システムであって、
栽培支援サーバと、
指導者となるユーザ及び受講者となるユーザが植物の栽培に関する栽培記事を投稿可能に構成されたユーザ端末と、を有し、
前記栽培支援サーバは、
前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザが所属するグループが記録された所属グループ情報と、当該グループにおいて当該ユーザが指導者または受講者のいずれであるかを識別するための役割識別情報と、を含むユーザレコードを保存可能に構成されたユーザデータベースと、
前記ユーザ端末から投稿された前記栽培記事を含む栽培記事情報と、当該栽培記事情報を投稿した前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、当該栽培記事情報が投稿された前記グループを識別するためのグループ識別情報と、を含む記事レコードを保存可能に構成された記事データベースと、
前記指導者から前記栽培記事が投稿されたことを通知する指導者投稿通知と、前記受講者から前記栽培記事が投稿されたことを通知する受講者投稿通知とを生成可能に構成された通知生成部と、
前記ユーザ端末と通信可能に構成されたサーバ通信部と、
前記ユーザデータベース、前記記事データベース、前記サーバ通信部及び前記通知生成部に接続されたサーバ制御部と、を有し、
前記ユーザ端末は、
前記サーバ通信部と通信可能に構成された端末通信部と、
前記指導者投稿通知、前記受講者投稿通知及び前記栽培記事を表示可能に構成された表示部と、
前記ユーザ端末のユーザの前記ユーザ識別情報を取得可能に構成され、前記端末通信部及び前記表示部に接続された端末制御部と、を有し、
前記サーバ制御部は、
前記栽培記事が前記ユーザ端末からいずれかのグループ宛に投稿された際に、当該ユーザ端末から受信した前記ユーザ識別情報及び前記グループ識別情報と、前記ユーザデータベース内の前記ユーザレコードとに基づいて、当該栽培記事を投稿したユーザが当該グループにおいて前記指導者または前記受講者のいずれの役割であるかを判断し、
次いで、当該ユーザの当該グループにおける役割に応じて前記指導者投稿通知または前記受講者投稿通知を生成した後、
これらの通知を当該ユーザ以外のユーザの前記ユーザ端末に対して送信するよう、前記サーバ通信部及び前記通知生成部を制御可能に構成されており、
前記端末制御部は、
当該端末制御部を備えたユーザ端末のユーザが前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する指導者である場合には前記受講者投稿通知を表示し、受講者である場合には前記指導者投稿通知のみを表示するよう、前記表示部を制御可能に構成されている、栽培支援システム。
【請求項2】
前記サーバ制御部は、前記通知生成部において前記指導者投稿通知を生成した場合には、前記ユーザ端末から受信した前記ユーザ識別情報及び前記グループ識別情報と、前記ユーザデータベース内の前記ユーザレコードとに基づいて、前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属するユーザのうち前記受講者の前記ユーザ端末に対して当該指導者投稿通知を送信し、前記通知生成部において前記受講者投稿通知を生成した場合には、前記ユーザ端末から受信した前記ユーザ識別情報及び前記グループ識別情報と、前記ユーザデータベース内の前記ユーザレコードとに基づいて、前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する前記指導者の前記ユーザ端末のみに対して当該受講者投稿通知を送信するよう、前記サーバ通信部及び前記通知生成部を制御可能に構成されている、請求項1に記載の栽培支援システム。
【請求項3】
前記端末制御部は、前記サーバ通信部から、前記指導者投稿通知及び前記受講者投稿通知ととともに、これらの通知に対応する栽培情報を投稿したユーザの前記グループ識別情報及び役割識別情報を受信し、次いで、当該グループ識別情報及び役割識別情報と、自身の所属グループ情報及び役割識別情報との比較結果に基づいて、前記指導者投稿通知及び前記受講者投稿通知の表示の要否を判断することができるように構成されている、請求項1または2に記載の栽培支援システム。
【請求項4】
前記記事レコードには、さらに、前記栽培記事が投稿された日時を示す投稿日時情報が含まれており、前記端末制御部は、前記栽培支援サーバから所望の投稿日時に投稿された栽培記事の記事レコードを取得した後、当該記事レコードに含まれる前記投稿日時情報に基づいて前記栽培記事情報をカレンダー上に表示するよう、前記端末通信部及び前記表示部を制御可能に構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の栽培支援システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の栽培支援システムの栽培支援サーバにおいて実行可能に構成されたサーバ用栽培支援プログラムであって、
前記栽培記事が前記ユーザ端末からいずれかのグループ宛に投稿された際に、当該ユーザ端末から受信したユーザ識別情報及びグループ識別情報に基づいて、当該栽培記事を投稿したユーザが当該グループにおいて指導者または受講者のいずれの役割であるかを判断するステップと、
当該役割に応じて指導者投稿通知または受講者投稿通知のいずれかを生成するステップと、
当該指導者投稿通知を、前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する受講者の前記ユーザ端末に送信するステップと、
当該受講者投稿通知を、前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する指導者の前記ユーザ端末に送信するステップと、を有する、サーバ用栽培支援プログラム。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の栽培支援システムのユーザ端末において実行可能に構成された端末用栽培支援プログラムであって、
前記栽培支援サーバから前記指導者投稿通知または前記受講者投稿通知を受信した際に、前記ユーザ端末のユーザのユーザレコードと、前記指導者投稿通知または前記受講者投稿通知に含まれるユーザ識別情報及びグループ識別情報とに基づいて、前記ユーザ端末のユーザが前記指導者投稿通知または前記受講者投稿通知の通知対象であるか否かを判断するステップと、
当該ユーザが前記指導者投稿通知または前記受講者投稿通知の通知対象であると判断した場合に、前記表示部に前記指導者投稿通知または前記受講者投稿通知を表示させる、ステップと、を有する、端末用栽培支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培支援システム、サーバ用栽培支援プログラム及び端末用栽培支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食への関心や環境意識の向上、趣味としての楽しさなどの種々の理由により、家庭菜園において野菜や果物等の植物を栽培する人が増加しつつある。また、家庭菜園等において植物を栽培する人同士がソーシャルネットワーキングサービスを利用してグループを構成し、植物の栽培を通じて交流することもある。家庭菜園において植物を順調に生育させるためには、栽培対象となる植物の栽培方法や病害虫に対する対処法等に関する知識があることが望ましい。しかし、特に家庭菜園を始めてから間もない初心者の場合には、基本的な栽培方法や病害虫に対する対処等に関する知識が不十分であることが多く、経験者に比べて植物の栽培に失敗しやすい。
【0003】
一方、従来より、情報技術を活用して農作物の栽培を支援する農作業支援システムが種々提案されている。この種の農作業支援システムは、農業を営む事業者が栽培対象の植物を効率よく、かつ、高品質に生産するために構成されていることが多い(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-61984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の農作業支援システムのような農業事業者向けの支援システムは、同一の組織に所属する農場主や現場リーダー、作業員の間でのみ使用されることが前提となっている。このような場合には、システムの使用者各人の立場は全メンバーにとって明確であり、かつ、システムに記録されるすべての情報はリーダーや全メンバーにとって有益であるため、効率的な情報共有が可能となる。
【0006】
しかし、家庭菜園で植物を栽培する人同士は、互いに面識がないこともある。また、このような個人からなるグループ内においては、個々の参加者がどの程度植物の栽培に習熟しているかが不明であることもある。このような場合には、グループの参加者は、他の参加者から発信された情報が自身にとって有益であるかどうかを自ら判断する必要がある。そのため、このようなグループ内において、参加者が植物の栽培に関する指導を効率よく受けるための栽培支援システムが望まれている。
【0007】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、互いに面識のない個人が参加するグループに対しても効率的に栽培指導を行うことができる栽培支援システム、この栽培支援システムに用いられるサーバ用栽培支援プログラム及び端末用栽培支援プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、受講者及び指導者を含むグループにおいて、前記受講者が前記指導者に植物の栽培の支援を受けるために用いられる栽培支援システムであって、
栽培支援サーバと、
指導者となるユーザ及び受講者となるユーザが植物の栽培に関する栽培記事を投稿可能に構成されたユーザ端末と、を有し、
前記栽培支援サーバは、
前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザが所属するグループが記録された所属グループ情報と、当該グループにおいて当該ユーザが指導者または受講者のいずれであるかを識別するための役割識別情報と、を含むユーザレコードを保存可能に構成されたユーザデータベースと、
前記ユーザ端末から投稿された前記栽培記事を含む栽培記事情報と、当該栽培記事情報を投稿した前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、当該栽培記事情報が投稿された前記グループを識別するためのグループ識別情報と、を含む記事レコードを保存可能に構成された記事データベースと、
前記指導者から前記栽培記事が投稿されたことを通知する指導者投稿通知と、前記受講者から前記栽培記事が投稿されたことを通知する受講者投稿通知とを生成可能に構成された通知生成部と、
前記ユーザ端末と通信可能に構成されたサーバ通信部と、
前記ユーザデータベース、前記記事データベース、前記サーバ通信部及び前記通知生成部に接続されたサーバ制御部と、を有し、
前記ユーザ端末は、
前記サーバ通信部と通信可能に構成された端末通信部と、
前記指導者投稿通知、前記受講者投稿通知及び前記栽培記事を表示可能に構成された表示部と、
前記ユーザ端末のユーザの前記ユーザ識別情報を取得可能に構成され、前記端末通信部及び前記表示部に接続された端末制御部と、を有し、
前記サーバ制御部は、
前記栽培記事が前記ユーザ端末からいずれかのグループ宛に投稿された際に、当該ユーザ端末から受信した前記ユーザ識別情報及び前記グループ識別情報と、前記ユーザデータベース内の前記ユーザレコードとに基づいて、当該栽培記事を投稿したユーザが当該グループにおいて前記指導者または前記受講者のいずれの役割であるかを判断し、
次いで、当該ユーザの当該グループにおける役割に応じて前記指導者投稿通知または前記受講者投稿通知を生成した後、
これらの通知を当該ユーザ以外のユーザの前記ユーザ端末に対して送信するよう、前記サーバ通信部及び前記通知生成部を制御可能に構成されており、
前記端末制御部は、
当該端末制御部を備えたユーザ端末のユーザが前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する指導者である場合には前記受講者投稿通知を表示し、受講者である場合には前記指導者投稿通知のみを表示するよう、前記表示部を制御可能に構成されている、栽培支援システムにある。
【発明の効果】
【0009】
前記の態様の栽培支援システムにおける栽培支援サーバは、ユーザがいずれかのグループに対して栽培記事を投稿した際に、当該グループにおけるユーザの役割、つまり、指導者と受講者との別に応じて指導者投稿通知または受講者投稿通知を生成し、これらの通知をグループ内の他のユーザに対して送信することができるように構成されている。また、栽培支援システムは、栽培支援サーバから受信した指導者投稿通知を当該グループに属する受講者のユーザ端末に表示し、受講者投稿通知を当該グループに属する指導者のユーザ端末に通知するように構成されている。
【0010】
このように、指導者から栽培記事の投稿があったことを受講者に通知することにより、受講者は、植物の栽培に有益な情報が投稿されたことを容易に把握することができる。一方、受講者から栽培記事の投稿があったことを指導者のみに通知することにより、指導者は、受講者からの質問等があったことを容易に把握することができる。また、受講者には他の受講者から栽培記事の投稿があったことが通知されないため、受講者は、指導者となるユーザとのやり取りに注力することができる。これにより、受講者であるユーザは、有益な情報をより効率的に得ることができる。
【0011】
従って、前記の態様によれば、互いに面識のない個人が参加するグループに対しても効率的に栽培指導を行うことができる栽培支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施例1における栽培支援システムの要部を示す説明図である。
図2図2は、実施例1における栽培支援システムの動作を示すタイムチャートである。
図3図3は、実施例1におけるサーバ制御部の動作の要部を示すフローチャートである。
図4図4は、実施例1における、指導者投稿通知または受講者投稿通知が表示された状態のユーザ端末の一例を示す説明図である。
図5図5は、実施例1における、栽培記事が表示された状態のユーザ端末の一例を示す説明図である。
図6図6は、実施例2における、栽培支援システムの動作を示すタイムチャートである
図7図7は、実施例2における端末制御部の動作の要部を示すフローチャートである。
図8図8は、実施例3における、投稿記事をカレンダー形式で表示可能に構成された栽培支援システムの要部を示す説明図である。
図9図9は、実施例3における、カレンダーが表示された状態のユーザ端末を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記栽培支援システムのユーザは、単一のグループを構成していてもよいし、複数のグループを構成していてもよい。例えば、ユーザは、栽培対象の植物ごとにグループを構成していてもよい。
【0014】
各グループには、少なくとも1人の指導者となるユーザと、少なくとも1人の受講者となるユーザとが含まれていればよい。ユーザが複数のグループを構成している場合、各ユーザは、いずれか1つのグループにのみ所属していてもよいし、複数のグループに所属していてもよい。ユーザが複数のグループに所属している場合、各グループにおけるユーザの役割、つまり、指導者と受講者との別は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0015】
指導者となるユーザは、受講者となるユーザに比べて栽培対象の植物に関するより多くの知識や栽培経験を有していることが望ましい。前記栽培支援システムは、このような指導者が植物の成長段階等に応じた適切なタイミングで栽培記事を投稿し、受講者がこの栽培記事を参照しつつ自身の植物を栽培することにより、受講者の植物の栽培をより成功させやすくすることができる。かかる観点からは、指導者となるユーザをユーザデータベースに追加するに当たっては、前記栽培支援システムの管理者が、当該ユーザが保有する栽培対象の植物に関する知識や栽培経験を十分に保有していることを確認することが好ましい。
【0016】
前記栽培支援システムにおいて、栽培支援サーバとユーザ端末とは、相互に情報を送受信することが可能な態様であれば、どのような態様で接続されていてもよい。例えば、ユーザ端末の端末通信部と栽培支援サーバのサーバ通信部とは、ローカルエリアネットワークやワイドエリアネットワーク、インターネットなどの情報通信ネットワークを介して相互に接続されていてもよい。
【0017】
栽培支援サーバは、ユーザデータベース、記事データベース、通知生成部、サーバ通信部及びサーバ制御部を有している。ユーザデータベース及び記事データベースは、栽培支援サーバの記憶装置に保持されている。栽培支援サーバの記憶装置は、メインメモリ等の一次記憶装置であってもよいし、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等の二次記憶装置であってもよい。
【0018】
記事データベースの記事レコードには、栽培記事情報、ユーザ識別情報及びグループ識別情報が含まれている。記事レコードは、更に、栽培記事が投稿された日時を示す投稿日時情報や、栽培記事を識別するための記事識別情報、栽培記事に付加された属性を示す属性フラグ等が含まれていてもよい。
【0019】
投稿日時情報は、例えば、ユーザ端末において栽培記事をカレンダー上に表示する際に用いられる。前記記事レコードに前記栽培記事が投稿された日時を示す投稿日時情報が含まれている場合、前記端末制御部は、前記栽培支援サーバから所望の投稿日時に投稿された栽培記事の記事レコードを取得するとともに、当該記事レコードに含まれる前記投稿日時情報に基づいて前記栽培記事情報をカレンダー上に表示可能に構成されていることが好ましい。
【0020】
植物の生育に必要な農作業や病害虫の発生には季節性があることが多い。そのため、栽培記事をカレンダー上に表示することにより、ユーザが、農作業の実施時期や病害虫の発生時期を時系列に沿ってより容易に把握することができる。これにより、再び同種の植物を栽培しようとする際に、カレンダーを参照しつつ、適切な時期に農作業や病害虫対策を実施しやすくすることができる。
【0021】
記事識別情報は、例えば、ある栽培記事に対する質問やコメント等を内容とする栽培記事が投稿された際に、当該栽培記事と、質問等の対象となった栽培記事とを関連付けるために用いられる。属性フラグは、例えば、栽培記事に写真が含まれている場合や、栽培記事において指導者に対して助言を求める場合などに、これらの状態をユーザ端末に明示するために用いられる。
【0022】
通知生成部及びサーバ制御部の機能は、栽培支援サーバの記憶装置に保持されたサーバ用栽培支援プログラムにより提供される。サーバ通信部は、ユーザ端末との接続の態様に対応した公知の通信装置であればよい。
【0023】
通知生成部は、指導者投稿通知及び受講者投稿通知を生成することができるように構成されている。これらの通知を受信したユーザ端末の表示部には、指導者または受講者から投稿があったことが表示される。指導者投稿通知及び受講者投稿通知には、さらに、栽培記事を投稿したユーザのユーザ識別情報や栽培記事が投稿されたグループのグループ識別情報、栽培記事の一部、属性フラグ等が含まれていてもよい。ユーザ端末において、投稿があった旨の通知と併せてこれらの情報を表示することにより、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0024】
ユーザ端末は、端末通信部、端末制御部及び表示部を有している。端末通信部は、栽培支援サーバとの接続の態様に対応した公知の通信装置であればよい。端末制御部の機能は、ユーザ端末の記憶装置に保持された端末用栽培支援プログラムにより提供される。表示部は、ユーザ端末に設けられた公知の表示装置であればよい。ユーザ端末は、より具体的には、スマートフォンやタブレット等の携帯情報機器であってもよいし、パーソナルコンピュータ等の据え置き型情報機器であってもよい。
【0025】
ユーザ端末を使用するユーザの識別は、端末制御部によって取得されるユーザ識別情報を用いて行われる。端末制御部は、例えば、ユーザ端末の記憶装置に保持された、自身のユーザ識別情報を取得することができるように構成されていてもよい。記憶装置へのユーザ識別情報の入力は、例えば、ユーザ端末に設けられた入力装置を介して行うことができる。
【0026】
ユーザ端末から投稿される栽培記事には、栽培対象の植物に関する情報が含まれている。例えば、栽培記事には、植物の生育状況や植物に施した農作業の内容、病害虫の発生状況等に関する文章が含まれていてもよい。また、栽培記事には、植物等の写真が含まれていてもよい。また、栽培記事は、他の栽培記事に対する質問やコメント等であってもよい。他の栽培記事に対するコメントには、例えば、返信の対象となる投稿への賛意を表す「いいね」や、生育状況が順調であることを評価する「順調ですね」等の、定型コメントが含まれる。これらの定型コメントは、例えば、アイコンやソーシャルボタンにより入力することができるように構成されていてもよい。
【0027】
前記栽培支援システムは、いずれかのグループに指導者が栽培記事を投稿した際に、少なくとも当該グループの受講者のユーザ端末に指導者投稿通知が表示されるように構成されている。すなわち、指導者投稿通知は、グループ内の受講者のユーザ端末のみに表示されてもよい。また、グループ内に複数の指導者が存在している場合には、指導者投稿通知は、グループ内の受講者のユーザ端末と、栽培記事を投稿した指導者以外の指導者のユーザ端末とに表示されてもよい。
【0028】
前記栽培支援システムは、いずれかのグループに指導者が栽培記事を投稿した際に、指導者投稿通知を当該グループ内の受講者のみに表示するように構成されていることが好ましい。前述したように、指導者は栽培対象の植物に関する知識や経験を十分に有しているため、他の指導者からの指導を必要としないことが多い。そのため、指導者投稿通知を当該グループ内の受講者のみに表示することにより、受講者によって栽培記事が表示されたことを指導者がより容易に把握することができる。その結果、受講者への指導をより効率よく行うことができる。
【0029】
また、前記栽培支援システムは、いずれかのグループに受講者が栽培記事を投稿した際に、当該グループの指導者のユーザ端末のみに受講者投稿通知が表示されるように構成されている。このように、指導者投稿通知及び受講者投稿通知を前記特定のユーザのユーザ端末に表示させるための手段には、種々の態様があり得る。
【0030】
例えば、前記栽培支援システムに用いられる栽培支援サーバのサーバ制御部は、前記通知生成部において前記指導者投稿通知を生成した場合には、前記ユーザ端末から受信した前記ユーザ識別情報及び前記グループ識別情報と、前記ユーザデータベース内の前記ユーザレコードとに基づいて、前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する前記受講者の前記ユーザ端末に対して当該指導者投稿通知を送信するよう、前記サーバ通信部及び前記通知生成部を制御可能に構成されていてもよい。また、サーバ制御部は、前記通知生成部において前記受講者投稿通知を生成した場合には、前記ユーザ端末から受信した前記ユーザ識別情報及び前記グループ識別情報と、前記ユーザデータベース内の前記ユーザレコードとに基づいて、前記栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する記指導者の前記ユーザ端末のみに対して当該受講者投稿通知を送信するよう、前記サーバ通信部及び前記通知生成部を制御可能に構成されていてもよい。
【0031】
このように構成されたサーバ制御部によれば、指導者投稿通知及び受講者投稿通知を通知の対象となるユーザのユーザ端末のみに送信することができる。従って、ユーザ端末においては、栽培支援サーバから受信した指導者投稿通知及び受講者投稿通知をそのまま表示すればよく、ユーザ端末における端末制御部の構成をより簡素化することができる。
【0032】
また、例えば、栽培支援システムに用いられるユーザ端末の前記端末制御部は、前記サーバ通信部から、前記指導者投稿通知及び前記受講者投稿通知ととともに、これらの通知に対応する栽培情報を投稿したユーザの前記グループ識別情報及び役割識別情報を受信し、次いで、当該グループ識別情報及び役割識別情報と、自身の所属グループ情報及び役割識別情報との比較結果に基づいて、前記指導者投稿通知及び前記受講者投稿通知の表示の要否を判断することができるように構成されていてもよい。
【0033】
このように構成された端末制御部によれば、ユーザ端末のユーザが指導者投稿通知及び受講者投稿通知を通知の対象となっているか否かを端末制御部において判断することができる。従って、栽培支援サーバにおいては、指導者投稿通知及び受講者投稿通知をすべてのユーザ端末宛に送信すればよく、栽培支援サーバにおけるサーバ制御部の構成をより簡素化することができる。
【実施例0034】
(実施例1)
前記栽培支援システムの実施例を、図1図5を用いて説明する。本例の栽培支援システム1は、受講者及び指導者を含むグループにおいて、受講者が指導者に植物の栽培の支援を受けるために用いられる。栽培支援システム1は、図1に示すように、栽培支援サーバ2と、指導者となるユーザ及び受講者となるユーザが植物の栽培に関する栽培記事を投稿可能に構成されたユーザ端末3(3a、3b、3c、・・・)と、を有している。栽培支援サーバ2とユーザ端末3とは、インターネットNWを介して相互に接続可能に構成されている。
【0035】
栽培支援システム1は、指導者がユーザ端末3aからいずれかのグループに栽培記事を投稿した場合には、当該グループ内のユーザのうち、受講者のユーザ端末3b、3c、・・・に指導者投稿通知が表示されるように構成されている。また、栽培支援システム1は、受講者がユーザ端末3b、3c、・・・からいずれかのグループに栽培記事を投稿した場合には、当該グループ内のユーザのうち、指導者のユーザ端末3aのみに受講者投稿通知が表示されるように構成されている。以下、栽培支援システム1の各部の構成について詳説する。
【0036】
A.栽培支援サーバ
栽培支援サーバ2は、図1に示すように、記憶装置21と、通知生成部22と、サーバ通信部23と、サーバ制御部24と、を有している。栽培支援サーバ2の記憶装置21には、ユーザデータベース211及び記事データベース212と、サーバ制御部24及び通知生成部22の機能を提供するためのサーバプログラムとが保持されている。
【0037】
A-1.ユーザデータベース
ユーザデータベース211は、栽培支援サーバ2の記憶装置21に保持されている。ユーザデータベース211には、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザが所属するグループが記録された所属グループ情報と、当該グループにおいて当該ユーザが指導者または受講者のいずれであるかを識別するための役割識別情報と、を含むユーザレコードが保存される。ユーザデータベース211内においては、1つのユーザ識別情報に対して1つの所属グループ情報が付与されていてもよいし、2つ以上の所属グループ情報が付与されていてもよい。役割識別情報は、ユーザ識別情報と所属グループ情報との組み合わせごとに付与されている。
【0038】
ユーザデータベース211におけるユーザレコードの操作は、栽培支援システム1の管理者により行われる。指導者となるユーザの追加や、受講者から指導者への役割の変更等により、指導者となるユーザのユーザレコードを登録しようとする場合には、予め、栽培支援システム1の管理者が、当該ユーザの保有する植物栽培に関する知識及び経験が指導者として十分であるか否かを判定する。そして、栽培支援システム1の管理者は、当該ユーザが指導者として十分な知識及び経験を有すると判定した場合にのみ、ユーザデータベース211に指導者となるユーザのユーザレコードを追加する。
【0039】
A-2.記事データベース
記事データベース212は、栽培支援サーバ2の記憶装置21に保持されている。記事データベース212には、ユーザ端末3から投稿された栽培記事を含む栽培記事情報と、栽培記事情報を投稿したユーザのユーザ識別情報と、栽培記事情報が投稿されたグループを識別するためのグループ識別情報と、を含む記事レコードが保存される。本例の記事レコードには、栽培記事情報、ユーザ識別情報、グループ識別情報に加えて、ユーザにより付加される属性フラグ及び記事レコードに栽培記事を識別するための記事識別情報が含まれる。記事データベース212への記事レコードの登録は、ユーザ端末3から栽培記事が投稿された際に、サーバ制御部24により行われる。また、記事識別情報は、記事データベース212に記事レコードを登録する際に、サーバ制御部24によって付与される。
【0040】
A-3.通知生成部
通知生成部22の機能は、栽培支援サーバ2の記憶装置21に保持されたサーバプログラムにより提供される。通知生成部22は、指導者から栽培記事が投稿されたことを通知する指導者投稿通知と、受講者から栽培記事が投稿されたことを通知する受講者投稿通知とを生成可能に構成されている。また、本例の通知生成部22は、指導者投稿通知及び受講者投稿通知に、栽培記事を投稿したユーザのユーザ識別情報、栽培記事が投稿されたグループのグループ識別情報、栽培記事の一部、属性フラグ及び記事識別情報を含めるように構成されている。
【0041】
指導者投稿通知及び受講者投稿通知の形式は特に限定されることはなく、ユーザ端末3において受信可能な形式であればよい。より具体的には、指導者投稿通知及び受講者投稿通知は、プッシュ通知や、電子メール、ショートメッセージ等の形式を採り得る。
【0042】
A-4.サーバ通信部
本例のサーバ通信部23は、栽培支援サーバ2に設けられた通信装置である。サーバ通信部23は、インターネットを介してユーザ端末3との間で種々の情報を送受信可能に構成されている。
【0043】
A-5.サーバ制御部24
サーバ制御部24は、ユーザデータベース211、記事データベース212、サーバ通信部23及び通知生成部22に接続されており、これら各部との間で情報を送受信するとともに、取得した情報を加工することができるように構成されている。
【0044】
サーバ制御部24の機能は、栽培支援サーバ2の記憶装置21に保持されたサーバプログラムにより提供される。本例のサーバプログラムは、図2に示すように、ユーザ端末3から投稿記事が投稿された際(図2、ステップS2)に、通知の対象となるユーザ端末3のみに指導者投稿通知及び受講者投稿通知を送信する(ステップS45、S46)ことができるように構成されている。より具体的には、サーバプログラムは、図3に示すように、栽培記事がユーザ端末3からいずれかのグループ宛に投稿された際に、まず、当該ユーザ端末3から受信したユーザ識別情報及びグループ識別情報と、ユーザデータベース211内の前記ユーザレコードとを比較するステップS41を実施する。そして、この比較結果に基づいて、当該栽培記事を投稿したユーザが当該グループにおいて指導者または受講者のいずれの役割であるかを判断するステップS42を実行する。
【0045】
次に、サーバプログラムは、当該栽培記事を投稿したユーザの当該グループにおける役割に応じて指導者投稿通知または受講者投稿通知のいずれかを生成するよう通知生成部22を制御する、ステップS43~S44を実行する。すなわち、栽培記事を投稿したユーザが指導者である場合(ステップS42、「Yes」を参照)には、サーバプログラムは、通知生成部22に指導者投稿通知を生成させる(ステップS43)。また、栽培記事を投稿したユーザが受講者である場合(ステップS42、「No」を参照)には、サーバプログラムは、通知生成部22に受講者投稿通知を生成させる(ステップS44)。
【0046】
通知生成部22において指導者投稿通知を生成した場合(ステップS43)、サーバプログラムは、栽培記事を投稿したユーザのユーザ識別情報及びグループ識別情報と、ユーザデータベース211内のユーザレコードとに基づいて、栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する受講者のユーザ端末3に対して指導者投稿通知を送信するようサーバ通信部23を制御する、ステップS45を実行する。
【0047】
一方、通知生成部22において受講者投稿通知を生成した場合(ステップS44)、サーバ制御部24は、栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する指導者のユーザ端末3のみに対して受講者投稿通知を送信するようサーバ通信部23を制御する、ステップS46を実行する。
【0048】
また、本例のサーバプログラムは、図2に示すように、ユーザ端末3から記事レコードの要求があった場合(ステップS7)に、要求された記事レコードをユーザ端末3に送信するようサーバ通信部23を制御する、ステップS8を実行することができるように構成されている。
【0049】
B.ユーザ端末3
ユーザ端末3は、図1に示すように、端末通信部31と、表示部32と、端末制御部33と、ユーザがユーザ端末3に情報を入力するための入力装置34と、記憶装置35とを備えている。ユーザ端末3の記憶装置35には、端末制御部33の機能を提供するための端末用栽培支援プログラムが保持されている。なお、本例のユーザ端末3は、具体的にはスマートフォンである。
【0050】
B-1.端末通信部31
本例の端末通信部31は、ユーザ端末3に設けられた通信装置である。端末通信部31は、インターネットを介して栽培支援サーバ2との間で種々の情報を送受信可能に構成されている。
【0051】
B-2.表示部32及び入力装置34
本例のユーザ端末3においては、表示部32は入力装置34を兼ねている。本例のユーザ端末3における表示部32は、具体的には、ユーザ端末3に設けられたタッチパネルである。
【0052】
B-3.端末制御部33
端末制御部33は、端末通信部31、表示部32、入力装置34及び記憶装置35に接続されており、これら各部との間で情報を送受信するとともに、取得した情報を加工することができるように構成されている。また、端末制御部33は、ユーザ端末3のユーザのユーザ識別情報を取得可能に構成されている。
【0053】
端末制御部33の機能は、ユーザ端末3の記憶装置35に保持された端末用栽培支援プログラム(以下、「端末プログラム」という。)により提供される。端末プログラムは、図2に示すように、栽培支援サーバ2から指導者投稿通知及び受講者投稿通知を受信した際(ステップS45、S46)に、これらの通知を表示するよう表示部32を制御する、ステップS5を実行することができるように構成されている。本例においてステップS5が実行された場合、表示部32には、例えば図4に示すように、栽培記事を投稿したユーザのユーザ識別情報I1、栽培記事が投稿されたグループのグループ識別情報I2、栽培記事の一部I3及び属性フラグI4を含む通知Nが表示される。
【0054】
さらに、本例の端末プログラムは、図2に示すように、表示部32に表示された指導者投稿通知及び受講者投稿通知をタップした際(ステップS6)に、これらの通知Nに含まれる記事識別情報に基づき、当該記事識別情報に対応する記事レコードを栽培支援サーバ2に要求するよう端末通信部31を制御する、ステップS7を実行できるように構成されている。
【0055】
また、端末プログラムは、栽培支援サーバ2から記事レコードを受信した際(ステップS8)に、当該記事レコードに含まれる栽培記事情報を表示するよう表示部32を制御する、ステップS9を実行可能に構成されている。本例においてステップS9が実行された場合、表示部32には、例えば図5に示すように、栽培記事を投稿したユーザのユーザ識別情報I1、栽培記事が投稿されたグループのグループ識別情報I2、栽培記事I5及び属性フラグI4を含む通知Nが表示される。
【0056】
C.栽培支援システム1の動作
本例の栽培支援システム1の動作を以下に説明する。栽培支援システム1のユーザは、予め、各自のユーザ端末3に自身のユーザ識別情報を入力する(図2、ステップS1)。ユーザ端末3に入力されたユーザ識別情報は、ユーザ端末3の記憶装置35に保持される。このユーザ識別情報は、端末制御部33によって取得され、栽培支援サーバ2がユーザ端末3のユーザを識別するために用いられる。
【0057】
ユーザは、ユーザ端末3の入力装置34を用いて栽培記事を入力することができる。栽培記事には、植物の栽培に関する文章及び栽培記事を投稿しようとするグループの識別情報が含まれる。また、栽培記事には、植物等の写真や、指導者に対してアドバイスを求めるための属性フラグ等を付加することができる。
【0058】
ユーザは、栽培記事の入力が完了した後、端末制御部33に栽培記事を送信する旨の指示を行う。この指示を受けた端末制御部33は、端末通信部31に、栽培支援サーバ2に栽培記事、当該栽培記事を投稿したユーザのユーザ識別情報及び栽培記事を投稿しようとするグループのグループ識別情報等を送信させる(ステップS2)。
【0059】
栽培支援サーバ2のサーバ制御部24は、端末通信部31を介してこれらの情報を受信した際に、これらの情報をまとめて記事レコードを作成し、記事識別情報を付した後に記事データベース212に登録する(ステップS3)。次いで、サーバ制御部24は、当該記事レコード内のユーザ識別情報及びグループ識別情報と、ユーザデータベース211内のユーザレコードとに基づいて、当該記事レコードに対応する栽培記事を投稿したユーザが当該グループにおいて指導者または受講者のいずれの役割であるかを判断する(図3、ステップS41、S42)。
【0060】
ステップS42において栽培記事を投稿したユーザが指導者であると判断された場合には、サーバ制御部24は、通知生成部22に指導者投稿通知を生成させる(ステップS43)。次いで、サーバ制御部24は、サーバ通信部23に、栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属する受講者のユーザ端末3に対して指導者投稿通知を送信させる(図3、ステップS45)。つまり、例えば、指導者がユーザ端末3aから栽培記事を投稿した場合には、指導者と同一のグループに属する受講者のユーザ端末3b、3c、・・・宛に指導者投稿通知が送信される。
【0061】
一方、ステップS42において栽培記事を投稿したユーザが受講者であると判断された場合には、サーバ制御部24は、通知生成部22に受講者投稿通知を生成させる(ステップS44)。次いで、サーバ制御部24は、サーバ通信部23に、栽培記事を投稿したユーザと同一のグループに属するユーザのうち指導者のユーザ端末3のみに対して受講者投稿通知を送信させる(ステップS46)。つまり、例えば、受講者がユーザ端末3bから栽培記事を投稿した場合には、受講者と同一のグループに属する指導者のユーザ端末3aのみに指導者投稿通知が通知される。
【0062】
このようにしてサーバ通信部23から送信された指導者投稿通知または受講者投稿通知は、ユーザ端末3の端末通信部31に受信される。端末制御部33は、指導者投稿通知または受講者投稿通知を受信した際に、表示部32にこれらの通知を表示させる(図2、ステップS5)。
【0063】
また、端末制御部33は、表示部32に表示された指導者投稿通知または受講者投稿通知がタップされた場合(ステップS6)、端末通信部31から栽培支援サーバ2宛に、これらの通知に対応する記事レコードの要求を送信する(ステップS7)。この要求を受信したサーバ制御部24は、サーバ通信部23に、当該記事レコードを要求のあったユーザ端末3に送信させる(ステップS8)。記事レコードを受信したユーザ端末3の端末制御部33は、表示部32に記事レコードを表示させる(ステップS9)。
【0064】
以上のように、本例の栽培支援システム1は、指導者からいずれかのグループに対して栽培記事の投稿があった場合には、当該投稿があったことをグループ内の受講者に通知するよう構成されている。これにより、受講者は、植物の栽培に有益な情報が投稿されたことを容易に把握することができる。また、栽培支援システム1は、受講者からいずれかのグループに対して栽培記事の投稿があった場合には、当該投稿があったことをグループの指導者のみに通知するよう構成されている。そのため、指導者は、受講者からの質問等があったことを容易に把握することができる。また、受講者には他の受講者から栽培記事の投稿があったことが通知されないため、受講者は、指導者であるユーザとのやり取りに注力することができる。これにより、受講者であるユーザは、有益な情報をより効率的に得ることができる。
【0065】
従って、本例の栽培支援システム1によれば、互いに面識のない個人が参加するグループに対しても効率的に栽培指導を行うことができる。
【0066】
(実施例2)
本例では、ユーザ端末302において指導者投稿通知及び受講者投稿通知の表示と非表示とを制御可能に構成された栽培支援システム102の例を説明する。なお、本実施例以降の実施例において用いる符号のうち、既出の実施例において用いた符号と同一の符号は、特に説明のない限り、既出の実施例における構成要素等と同様の構成要素等を示す。
【0067】
本例の栽培支援システム102は、ユーザ端末302と、栽培支援サーバ202とを有している。
【0068】
A.栽培支援サーバ202
図には示さないが、栽培支援サーバ202は、記憶装置と、通知生成部と、サーバ通信部と、サーバ制御部と、を有している。栽培支援サーバ202の記憶装置には、ユーザデータベース及び記事データベースと、サーバ制御部及び通知生成部の機能を提供するためのサーバプログラムとが保持されている。栽培支援サーバ202における記憶装置、通知生成部、サーバ通信部、ユーザデータベース及び記事データベースの構成は、実施例1における栽培支援サーバ2と同様である。
【0069】
本例の栽培支援サーバ202におけるサーバ制御部は、サーバプログラムにより、ユーザ端末302から投稿記事が投稿された際に、全てのユーザ端末302に指導者投稿通知及び受講者投稿通知を送信することができるように構成されている。
【0070】
より具体的には、サーバプログラムは、図6に示すように、栽培記事がユーザ端末302からいずれかのグループ宛に投稿された際(ステップS2)に、まず、当該ユーザ端末302から受信したユーザ識別情報及びグループ識別情報と、ユーザデータベース内の前記ユーザレコードとに基づいて、当該栽培記事を投稿したユーザが当該グループにおいて指導者または受講者のいずれの役割であるかを判断するステップS41、S42(図2参照)を実行する。次に、サーバプログラムは、当該ユーザの当該グループにおける役割に応じて指導者投稿通知または受講者投稿通知のいずれかを生成するよう、通知生成部を制御するステップS43、S44(図2参照)を実行する。その後、サーバプログラムは、通知生成部において生成された指導者投稿通知及び受講者投稿通知を全てのユーザ端末302に対して送信するよう、サーバ通信部を制御するステップS47(図6参照)を実行する。
【0071】
サーバプログラムのその他の構成は、実施例1のサーバプログラムと同様である。
【0072】
B.ユーザ端末302
図には示さないが、ユーザ端末302は、端末通信部と、表示部と、端末制御部と、入力装置と、記憶装置とを有している。栽培支援サーバ202の記憶装置には、端末制御部の機能を提供するための端末プログラムが保持されている。ユーザ端末302における端末通信部、表示部、入力装置及び記憶装置、実施例1におけるユーザ端末3と同様である。
【0073】
本例のユーザ端末302における端末プログラムは、ユーザがユーザ端末302に入力したユーザ識別情報に基づいて、当該ユーザ識別情報に対応するユーザレコードを栽培支援サーバ202に要求するステップS11(図6参照)を実行することができるように構成されている。栽培支援サーバ202から取得したユーザレコード、つまり、自身のユーザ識別情報と、このユーザ識別情報に対応する所属グループ情報及び役割識別情報は、ユーザ端末302の記憶装置に保持される。
【0074】
また、端末プログラムは、栽培支援サーバ202から指導者投稿通知及び受講者投稿通知を受信した際に、通知の対象である場合にのみこれらの通知を表示部に表示させることができるように構成されている。より具体的には、端末プログラムは、栽培支援サーバ202から指導者投稿通知及び受講者投稿通知を受信した場合(図6、ステップS47)、図7に示すように、ユーザ端末302の記憶装置からユーザレコードを取得するステップS51を実行する。次いで、ユーザレコードと、指導者投稿通知及び受講者投稿通知に含まれるグループ識別情報とを比較するステップS52を実行する。そして、この比較結果に基づき、ユーザ端末302がこれらの通知の表示対象であるか否かを判断するステップS53を実行する。
【0075】
例えば、端末プログラムは、栽培支援サーバ202からの通知が指導者投稿通知であり、当該通知に含まれるユーザ識別情報がユーザレコードのユーザ識別情報とは異なっており、当該通知に含まれるグループ識別情報がユーザレコードの所属グループ情報と一致しており、当該所属グループ情報に対応する役割識別情報が受講者である場合には、ユーザ端末302が当該通知の表示対象であると判断する。
【0076】
また、端末プログラムは、栽培支援サーバ202からの通知が受講者投稿通知であり、当該通知に含まれるユーザ識別情報がユーザレコードのユーザ識別情報とは異なっており、当該通知に含まれるグループ識別情報がユーザレコードの所属グループ情報と一致しており、当該所属グループ情報に対応する役割識別情報が指導者である場合に、ユーザ端末302が当該通知の表示対象であると判断する。
【0077】
そして、端末プログラムは、ユーザ端末302が指導者投稿通知及び受講者投稿通知の表示対象であると判断した場合(ステップS53、「Yes」)には、これらの通知を表示するよう表示部を制御する、ステップS54を実行する。
【0078】
一方、端末プログラムは、前述した条件のうち1つ以上を満たさない場合には、ユーザ端末302が指導者投稿通知及び受講者投稿通知の表示対象ではないと判断する(ステップS53、「No」)。この場合には、端末プログラムは、指導者投稿通知及び受講者投稿通知を破棄するステップS55を実行する。
【0079】
端末プログラムのその他の構成は、実施例1のユーザ端末と同様である。
【0080】
C.栽培支援システム102の動作
本例の栽培支援システム102の動作を以下に説明する。栽培支援システム1のユーザは、予め、各自のユーザ端末3に自身のユーザ識別情報を入力する(図6、ステップS1)。端末制御部は、このユーザ識別情報に対応するユーザレコードを栽培支援サーバ202に要求する(ステップS11)。栽培支援サーバ202から送信されたユーザレコード(ステップS12)は、ユーザ端末の記憶装置内に保持される。このユーザレコードには、ユーザ端末302を使用するユーザのユーザ識別情報、及び、このユーザ識別情報に対応する所属グループ情報及び役割識別情報が含まれている。
【0081】
本例の栽培支援システム102は、ユーザ端末302から栽培記事が投稿されてから栽培支援サーバ202において指導者投稿通知及び受講者投稿通知が生成されるまでの間(ステップS2~S44)は、実施例1の栽培支援システムと同様に動作する。
【0082】
通知生成部において指導者投稿通知及び受講者投稿通知が生成された後、サーバ制御部は、これらの通知をすべてのユーザ端末302に対して送信する(ステップS47)。
【0083】
栽培支援サーバ202から指導者投稿通知及び受講者投稿通知を受信したユーザ端末302の端末制御部は、まず、ユーザ端末302の記憶装置から自身のユーザレコードを取得する(図7、ステップS51)。次いで、自身のユーザレコードと、指導者投稿通知及び受講者投稿通知に含まれるグループ識別情報とに基づき、ユーザ端末302がこれらの通知の表示対象であるか否かを判断する(ステップS52、S53)。
【0084】
そして、端末制御部は、ユーザ端末302が指導者投稿通知及び受講者投稿通知の表示対象であると判断した場合(ステップS53、「Yes」)には、これらの通知を表示部に表示させる(ステップS54)。
【0085】
一方、端末制御部は、ユーザ端末302が指導者投稿通知及び受講者投稿通知の表示対象ではないと判断した場合(ステップS53、「No」)には、指導者投稿通知及び受講者投稿通知を破棄する(ステップS55)。
【0086】
表示部に通知が表示された後の栽培支援システム102の動作は、実施例1の栽培支援システム1と同様である。
【0087】
このように、本例の栽培支援システム102は、栽培支援サーバ202において指導者投稿通知及び受講者投稿通知をすべてのユーザ端末302に送信し、ユーザ端末302において、ユーザがこれらの通知の対象である場合にのみこれらの通知を表示させるように構成されている。この場合にも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0088】
(実施例3)
本例は、栽培記事をカレンダー上に表示することができるように構成された栽培支援システム103の例である。本例の栽培支援システム103は、栽培支援サーバ203と、ユーザ端末303とを有している。
【0089】
A.栽培支援サーバ203
本例の栽培支援サーバ203は、図8に示すように、記憶装置21と、通知生成部22と、サーバ通信部23と、サーバ制御部24と、を有している。栽培支援サーバ203の記憶装置21には、ユーザデータベース211及び記事データベース213と、通知生成部22及びサーバ制御部25の機能を提供するためのサーバプログラムとが保持されている。
【0090】
本例の記事データベース213に保持された記事レコードには、栽培記事情報、ユーザ識別情報、グループ識別情報、属性フラグ及び記事識別情報に加えて、さらに、栽培記事が投稿された日時を示す投稿日時情報が含まれている。
【0091】
栽培支援サーバ203のその他の構成は、実施例1の栽培支援サーバ2と同様である。
【0092】
B.ユーザ端末303
本例のユーザ端末303は、端末通信部31と、表示部32と、端末制御部36と、入力装置34と、記憶装置35と、カレンダー生成部37と、を有している。端末制御部36及びカレンダー生成部37の機能は、記憶装置35に保持された端末プログラムにより提供される。
【0093】
図には示さないが、本例の端末プログラムは、栽培支援サーバ203から所望の投稿日時を有する栽培記事の記事レコードを取得するよう端末通信部を制御するステップと、当該記事レコードに含まれる前記投稿日時情報に基づいて前記栽培記事情報が表示されたカレンダーを生成するようカレンダー生成部を制御するステップと、カレンダー生成部により生成されたカレンダーを表示するよう表示部を制御するステップと、を実行可能に構成されている。
【0094】
栽培支援サーバ203に要求する投稿日時の範囲は、ユーザによって指定されてもよいし、予め端末プログラムによって指定されていてもよい。例えば、端末プログラムは、ユーザによる指定がない場合には、要求を送信した日時を基準として一定の期間内に投稿された栽培記事を要求するように構成されていてもよい。
【0095】
端末プログラムのその他の構成は、実施例1の端末プログラムと同様である。
【0096】
本例の栽培支援システム103は、実施例1の栽培支援システムと同様に、あるグループ宛に栽培記事が投稿された際に、栽培支援サーバ203が通知対象となるユーザのユーザ端末303のみに指導者投稿通知及び受講者投稿通知を送信することができるように構成されている。
【0097】
また、本例の栽培支援システム103における端末制御部36は、栽培支援サーバ203から所望の投稿日時を有する栽培記事の記事レコードを取得した後、これらの記事レコードに含まれる投稿日時情報に基づいてカレンダー生成部37にカレンダーを生成させ、表示部32に当該カレンダーを表示させることができるように構成されている。カレンダー生成部37は、例えば図9に示すように、栽培記事が投稿されたグループのグループ識別情報I2を表題とし、栽培記事が投稿された日に栽培記事の一部I3及び属性フラグI4が表示されたカレンダーCを生成することができる。
【0098】
なお、カレンダー生成部37の機能は、サーバ制御部において実現することも可能である。例えば、サーバ制御部は、端末制御部から栽培記事の要求があった場合に、記事データベースから要求に合致する投稿日時情報を有する記事レコードを抽出した後、これらの記事レコードの栽培記事情報が記載されたカレンダーを生成してユーザ端末303に送信すればよい。
【0099】
このように、栽培記事をカレンダー上に表示することにより、ユーザが、農作業の実施時期や病害虫の発生時期を時系列に沿ってより容易に把握することができる。これにより、再び同種の植物を栽培しようとする際に、カレンダーを参照しつつ、適切な時期に農作業や病害虫対策を実施しやすくすることができる。その他、本例の栽培支援システム103は、実施例1の栽培支援システム1と同様の作用効果を奏することができる。
【0100】
本発明に係る栽培支援システム、サーバ用栽培支援プログラム及び端末用栽培支援プログラムの具体的な態様は、前述した実施例1~実施例3の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
【0101】
例えば、実施例1~実施例3においては、指導者投稿通知が受講者のユーザ端末3b、3c、・・・に表示されるよう構成された栽培支援システム1、102、103の例を説明したが、グループ内に複数の指導者が存在している場合、栽培支援システムは、指導者投稿通知が、他の指導者のユーザ端末に表示されるように構成されていてもよい。
【0102】
また、ユーザ端末3の端末制御部33、36は、実施例1~実施例3において説明した動作モードを含む複数の動作モードを有しており、複数の動作モードを切り替え可能に構成されていてもよい。いずれかの動作モードから他の動作モードへの切り替えの方法は特に限定されることはなく、例えば、予め設定した条件に応じて動作モードを切り替えることができるように構成されていてもよいし、指導者の操作によって動作モードを切り替えることができるように構成されていてもよい。
【0103】
より具体的には、端末制御部は、実施例1~実施例3に示したように、指導者投稿通知を受講者のユーザ端末のみに表示し、受講者投稿通知を指導者のユーザ端末のみに表示するよう、前記表示部を制御する第1の動作モードと、指導者投稿通知及び受講者投稿通知の両方を、栽培記事を投稿したユーザを除くグループ内の全てのユーザのユーザ端末に表示するよう、前記表示部を制御する第2の動作モードとを有していてもよい。この場合、例えば、植物の栽培に関する指導中に端末制御部を第1の動作モードで動作させることにより、受講者への栽培の指導を効率よく行うことができる。また、植物の栽培に関する指導が終了した後に端末制御部を第2の動作モードで動作させることにより、ユーザ相互の交流を深めることができる。
【符号の説明】
【0104】
1、102、103 栽培支援システム
2、202、203 栽培支援サーバ
211 ユーザデータベース
212、213 記事データベース
22 通知生成部
23 サーバ通信部
24 サーバ制御部
3、302、303 ユーザ端末
31 端末通信部
32 表示部
33、36 端末制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9