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▶ アール・ビー・コントロールズ株式会社の特許一覧

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  • 特開-電子水栓 図1
  • 特開-電子水栓 図2
  • 特開-電子水栓 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132952
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】電子水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/044 20060101AFI20220906BHJP
   E03C 1/02 20060101ALI20220906BHJP
   E03C 1/046 20060101ALI20220906BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
E03C1/044
E03C1/02
E03C1/046
A47K4/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031713
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】荒木 洋一
【テーマコード(参考)】
2D060
2D132
【Fターム(参考)】
2D060AA01
2D060AB03
2D060BA01
2D060BB02
2D060BC00
2D060BF01
2D060BF09
2D132GA04
(57)【要約】
【課題】従来の電子水栓では、増設性に乏しく、浴室を建造した後で温水を分配する系統を増設したい場合には大がかりな工事が必要となり、かつ多額の費用を要していた。
【解決手段】給湯装置からの温水と冷水とを混合して生成された所望の温度の温水が流れる温水本管を、壁面に取り付けられた状態で電子水栓本体の上部であって左右方向水平に設けると共に、上記温水本管の少なくとも一方の端部に、拡張用の温水本管を連結するための連結部を形成し、必要であれば拡張用の温水本管を容易に増設できるようにした。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の内面に取り付けられ、外部から供給される温水と冷水とを内部で混合して所定の温度の温水を生成すると共に、その生成した温水を複数の吐出部に分配して外部に供給するものにおいて、上記生成された温水が流れる温水本管を壁面に取り付けられた状態で電子水栓本体の上部であって左右方向水平に設けると共に、この温水本管から温水を分配する上記吐出部を温水本管から上方に向かって設け、かつ、各吐出部を覆うカバーに生成される温水の温度、およびいずれの吐出部から温水を吐出させるかを操作する操作パネルを設け、さらに、上記温水本管の少なくとも一方の端部に、拡張用の温水本管を連結するための連結部を形成したことを特徴とする電子水栓。
【請求項2】
上記吐出部の少なくとも1個に浴室の壁面に沿って水平に延びる分岐管路を接続し、かつ、この分岐管路を上記カバーで覆うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電子水栓。
【請求項3】
上記分岐管路は浴槽に洗浄用の温水を噴霧するためのものであり、この分岐管路の途中に、分岐管路を流れる温水に洗浄剤を混合させる混合タンクを設け、この混合タンクを分岐管路と共に上記カバーで覆うようにしたことを特徴とする請求項2に記載の電子水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の内部に取り付けられられる電子水栓であり、特に浴室内に後付けされる用途に好適な電子水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
外部の給湯装置から供給される温水と上水道から供給される冷水とを混合して所望する所定の水温の温水を生成し、その生成した温水をシャワーやカランなどの複数の個所に分配する動作を電子的に行う電子水栓が知られている。
【0003】
このような電子水栓として、例えば、浴室内に設置されている鏡の裏などの浴室外に設置されるユニット上の電子水栓であり、温水を分配する吐出部の個数がそう追いする複数種類のユニットを予め製作しておき、所望する吐出部の個数に応じたユニットを浴室建造時に合わせて設置するようにしたものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、浴室内に設置する電子水栓として、予め決められた個数の吐出部を備えた電子水栓を浴室の内面に取り付けるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-152196号公報(図4図5
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】http://www.sedal.com/pdfs/OEM%20ELECTRONICS%202019.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記非特許文献1および特許文献1に記載された電子水栓では共に拡張性に乏しく、一旦電子水栓を設置した後で吐出部の個数を増設するようには設計されていない。特に非特許文献1に記載されたものでは、浴室の外側に電子水栓を設置しており、かつ吐出部の個数はユニットによって固定されているので、吐出部を増設する場合にはユニットを交換する必要があり、大がかりな工事が必要となる。
【0008】
また特許文献1に記載されたものでは拡張するための設計がされていないので、吐出部の個数を増設することは不可能である。
【0009】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、比較的小規模の工事で吐出の個数を増設することのできる電子水栓を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明による電子水栓は、浴室の内面に取り付けられ、外部から供給される温水と冷水とを内部で混合して所定の温度の温水を生成すると共に、その生成した温水を複数の吐出部に分配して外部に供給するものにおいて、上記生成された温水が流れる温水本管を壁面に取り付けられた状態で電子水栓本体の上部であって左右方向水平に設けると共に、この温水本管から温水を分配する上記吐出部を温水本管から上方に向かって設け、かつ、各吐出部を覆うカバーに生成される温水の温度、およびいずれの吐出部から温水を吐出させるかを操作する操作パネルを設け、さらに、上記温水本管の少なくとも一方の端部に、拡張用の温水本管を連結するための連結部を形成したことを特徴とする。
【0011】
電子水栓を浴室内に設置した後で上記吐出部を増設したい場合、温水本管に吐出部を増設するスペースが残存している場合には問題ないが、増設スペースが残存していない場合には、既存の温水本管に増設用の温水配管を接続して吐出部の増設スペースを増やすことができる。
【0012】
また、電子水栓を設置した位置から離れた位置に温水を給湯したい場合には吐出部から分岐配管を介して給湯すればよいが、分岐配管が浴室内に露出したのではデザイン性が損なわれる。そこでこのような場合には、上記吐出部の少なくとも1個に浴室の壁面に沿って水平に延びる分岐管路を接続し、かつ、この分岐管路を上記カバーで覆うようにすればよい。
【0013】
さらに、上記分岐管路は浴槽に洗浄用の温水を噴霧するためのものであり、この分岐管路の途中に、分岐管路を流れる温水に洗浄剤を混合させる混合タンクを設け、この混合タンクを分岐管路と共に上記カバーで覆うようにすればよい。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明から明らかなように、本発明は、電子水栓を浴室内に後付けすることができ、また吐出部の増設を比較的容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の電子水栓の設置状態を示す図
図2】電子水栓本体に増設ユニットを並設した状態を示す図
図3】電子水栓本体のみを設置した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、1は浴室であり、外部に設置した給湯装置2から給湯管21を介して温水の供給を受けるように構成されている。また、上水である常温の冷水は給水管22を介して供給される。
【0017】
3は本発明による電子水栓の本体であり、本実施の形態では電子水栓本体3の隣に増設ユニット4が設置されている。この電子水栓本体3は上記給湯管21および給水管22から各々温水と冷水とが供給され、カバー5に設けた操作パネル51に対する出湯温度設定によって所望する温度の温水を生成して吐出するものである。また生成した温水は隣接する増設ユニット4にも供給され、電子水栓本体3および増設ユニット4から各所に温水が分配される。生成された温水の分配先として、例えば、カラン11やハンドシャワー12、オーバーヘッドシャワー13、浴槽洗浄ノズル14などがあるが、その他、ボディシャワーや打たせ湯、浴室ミストなどに分配可能である。なお、浴槽洗浄ノズル14に供給される温水に対して適宜洗剤を混合させるための洗剤タンク15が設けられており、浴槽洗浄ノズル14および洗剤タンク15はともにカバー5で覆われて外部に露出しないように格納されている。
【0018】
図2を参照して、給湯管21および給水管22から供給される温水と冷水とは混合タンク31内で混合されて所定の温度の温水となる。なお、この混合比は上記操作パネル51に対する操作指示に従って図示しない水量サーボによって連続して増減制御される。混合され生成された温水は温水本管32内に供給される。この温水本管32は電子水栓本体3が浴室1内に設置された状態で左右方向水平になるように設けられている。そして、この温水本管32から上方に向かって4個の吐出部61,62,63,64が設けられている。各吐出部61,62,63,64には各々電磁式の開閉弁が設けられており、上記操作パネル51に対する選択操作に従って所望する吐出部に設けられている開閉弁が開弁してその吐出部から温水が吐出される。
【0019】
ただし、温水本管32に設けることができる吐出部の個数は限定されるため、その個数を超えた系路に温水を吐出する場合には増設ユニット4が用いられる。この増設ユニット4には同じく温水本管41が内蔵されており、連結ユニット7によってこの温水本管41が温水本管32に連結される。すると、温水本管32内の温水は温水本管41内にも流れ、この温水本管41に設けられている吐出部65,66,67,68からも温水が吐出できる状態になる。なお、14aは上記浴槽洗浄ノズル14に温水を供給する管路であり、この管路14aの途中に上記洗剤タンク15が設けられている。
【0020】
図1および図2に示した実施の形態では、5系統以上の個所に温水を分配するものであったが、温水を分配する系統が4系統以下であれば、増設ユニット4を設ける必要はない。
【0021】
図3を参照して、電子水栓本体3単独でよく、かつ浴槽洗浄ノズル14に温水を分配しない場合には上記の長尺な管路14aを配管する必要はない、そこで、上述のような長尺のカバー5ではなく、短尺のカバー8を用いることができる。なお、このカバー8には図示しない操作パネルが設けられている。12aはハンドシャワー12に温水を分配するホースである。
【0022】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0023】
1 浴室
2 給湯装置
3 電子水栓本体
4 増設ユニット
5 カバー
7 連結ユニット
8 カバー
11 カラン
12 ハンドシャワー
13 オーバーヘッドシャワー
14 浴槽洗浄ノズル
15 洗剤タンク
21 給湯管
22 給水管
31 混合タンク
32 温水本管
41 温水本管
51 操作パネル
61~68 各吐出部
図1
図2
図3