(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013298
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20220111BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H04N5/232 300
H04N5/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020115760
(22)【出願日】2020-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】301053992
【氏名又は名称】株式会社日本ブレインウェア
(71)【出願人】
【識別番号】519043143
【氏名又は名称】株式会社シーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】伊東 久雄
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122DA11
5C122EA07
5C122GA21
5C122GC02
5C122GC14
5C122GC37
5C122GC75
5C122HA06
5C122HA23
5C122HA30
(57)【要約】
【課題】大容量のデータの取り扱いや当該データの漏洩防止を実現し、それらに関する利便性を向上すること。
【解決手段】ファイル管理部114は、1以上の映像セキュリティカメラCAMにより撮像された動画像に関する静止画像のうち所定の条件を満たすものをブロックチェーンに記憶させて管理する。クラウド上の1以上のノード端末1及びノードサーバ2は、ブロックチェーンに係るネットワークに属するノードとして夫々機能し、ファイル管理部114を備える。ブロックチェーンに係るネットワークを構成するファイル管理部114やファイル管理部213の夫々は、1以上の静止画像のデータの保存が指示されると、当該1以上の静止画像のデータをネットワークで管理された状態にするブロックチェーン管理機能を発揮させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の映像セキュリティカメラにより撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものをブロックチェーンに記憶させて管理する管理手段、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記管理手段は、
前記映像セキュリティカメラに備えられる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ブロックチェーンに係るネットワークに属するノードとして夫々機能し、前記管理手段を備える、クラウド上の1以上の情報処理装置、
をさらに備え、
前記ブロックチェーンに係る前記ネットワークを構成する管理手段の夫々は、1以上の単位画像のデータの保存が指示されると、当該1以上の単位画像のデータを前記ネットワークで管理された状態にするブロックチェーン管理機能を発揮させる、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な目的で監視を行うためのビデオカメラ、即ち監視カメラが存在する。監視カメラに関する技術として、監視カメラにより撮像された撮像映像をクラウド上のクラウドサーバに送信して蓄積させる技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を含む従来技術では、クラウド上のクラウドサーバに蓄積された撮像映像のデータについて、ハッキングによる改竄や盗難(事実上の盗撮)がされる可能性が存在した。
【0005】
本発明は、大容量のデータの取り扱いや当該データの漏洩防止を実現し、それらに関する利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
1以上の映像セキュリティカメラにより撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものをブロックチェーンに記憶させて管理する管理手段、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、大容量のデータの取り扱いや当該データの漏洩防止を実現し、それらに関する利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムが適用されるサービスの概要の一例を説明する模式図である。
【
図2】
図1に示すサービスを提供する際に適用される本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうちノードサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のノード端末並びにノードサーバ及び映像セキュリティカメラの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図4の機能的構成を有するノードサーバ、ノード端末及び映像セキュリティカメラにより管理されるブロックチェーン及び当該ブロックチェーンを用いて管理される各種データの関係性の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
なお、以下において、単に「画像」と呼ぶ場合には、「動画像」と「静止画像」との両方を含むものとする。
また、「動画像」には、次の第1処理乃至第3処理の夫々により表示される画像を含むものとする。
第1処理とは、平面画像(2D画像)におけるオブジェクト(例えば撮像の対象となる人や物の像)の夫々の動作に対して、複数枚からなる一連の静止画像を時間経過と共に連続的に切り替えて表示させる処理をいう。具体的には例えば、2次元アニメーション、いわゆるパラパラ漫画的な処理が第1処理に該当する。
第2処理とは、立体画像(3Dモデルの画像)におけるオブジェクト(例えば撮像の対象となる人や物の像)の夫々の動作に対応するモーションを設定しておき、時間経過と共に当該モーションを変化させて表示させる処理をいう。具体的には例えば、3次元アニメーションが第2処理に該当する。
第3処理とは、オブジェクト(例えば自然人の像)の夫々の動作に対応した映像(即ち動画像)を準備しておき、時間経過と共に当該映像を流していく処理をいう。
ここで、「映像(即ち動画像)」は、複数のフレームやフィールド等の画像(以下、「単位画像」と呼ぶ)から構成される。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムが適用されるサービスの概要の一例を説明する模式図である。
【0012】
本サービスは、
図1に示す情報処理システムが適用されることで、所定のセキュリティカメラカメラにより撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものをブロックチェーンに係る技術を用いて管理が可能になるサービスである。
本サービスは、図示せぬサービス提供者により、所定の団体(例えば会社や店舗)に対して提供される。
【0013】
本サービスでは、ブロックチェーンに係るネットワークが構築される。このネットワークは、複数のノードにより構成され、少なくとも1つのノードはクラウドC上に存在する。
図1の例では、サービス提供者により管理される3台のノードサーバ2-1乃至2-3の夫々が、クラウドCに配置されることで、1つのノードとして夫々機能する。
また、
図1の例では、サービス提供者から所定の団体に対して3台のノード端末1-1乃至1-3が譲渡される。これらの3台のノード端末1-1乃至1-3の夫々は、専用線LL-1乃至LL-5を介してクラウドCやクラウドC上のノードサーバ2-1乃至2-3に接続されることで、1つのノードとして夫々機能する。
即ち、
図1の例では、ノードサーバ2-1乃至2-3及びノード端末1-1乃至1-3の総計6台が、6つのノードの夫々として機能することで、ブロックチェーンに係るネットワークが構成される。
【0014】
なお、以下、ノード端末1-1乃至1-3を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ノード端末1」と呼ぶ。また、ノード端末1と呼んでいる場合には、専用線LL-1乃至LL-5をまとめて「専用線LL」と呼ぶ。また、ノードサーバ2-1乃至2-3を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ノードサーバ2」と呼ぶ。
【0015】
ここで、専用線LLとは、特定の利用者専用の通信回線である。
例えば、専用線における通信は、信頼されていない情報処理装置等も含んで構成されたネットワーク(例えば、インターネット)から隔離される。即ち、専用線LLで接続された情報処理装置同士の間の通信は、悪意を持った第三者等により盗聴や傍受される可能性が低い。即ち、本サービスは、専用線LLを介して利用されるため、第三者等により盗聴や傍受される可能性が低い状態で提供される。なお、専用線LLは、物理的にインターネット等から隔離されているものでなくてもよい。即ち例えば、VPN(Virtual Private Network)の技術を用いた仮想的な専用線も、上述の専用線LLとして採用され得る。
【0016】
ここで、ブロックチェーンに係るネットワークに属する1つのノードとして機能するため、ノード端末1及びノードサーバ2には、ファイルシステムとブロックチェーンとが設けられる。
なお、ここで、「ファイルシステム」とは、動画像そのものや動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものを保存や管理するシステムである。
【0017】
また、ここで、「ブロックチェーン」とは、本サービスを利用して管理される動画像や単位画像に関する各種情報が含まれたブロックがチェーンのように連結した一連のデータである。即ち、本サービスでは、ブロックチェーンに利用して管理される動画像や単位画像に関する各種情報を含むことで、当該各種情報を管理することができる。
一般に、ブロックチェーンという単語は、分散型台帳技術や分散型ネットワークを意味し得る。即ち、ブロックチェーンの単語は、ブロックと呼ばれるデータがチェーンのように連結した一連のデータそのものや、それに関する技術及びネットワークを含んだ多義的な単語である。
そこで、以下、ブロックチェーンを管理する分散型ネットワークを「ブロックチェーンに係るネットワーク」と呼び、ブロックがチェーンのように連結した一連のデータである「ブロックチェーン」と区別して呼ぶ。
なお、上述のブロックチェーンには、本サービスを利用して管理される動画像や単位画像に関する各種情報として、以下のようなものが含まれてもよい。即ち例えば、動画像や単位画像に関するメタデータやハッシュといった健全性の検証に係るデータが、ブロックチェーンに含まれて管理されてもよい。
【0018】
具体的には例えば、
図1の例では、ノードサーバ2-1乃至2-3の夫々には、ブロックチェーンBC-21乃至BC-23の夫々と、ファイルシステムFS-21乃至FS-23の夫々とが設けられている。
なお、以下、「ノードサーバ2」と呼んでいる場合、ブロックチェーンBC-21乃至BC-23をまとめて「ブロックチェーンBC」と呼ぶと共に、ファイルシステムFS-21乃至FS-23をまとめて「ファイルシステムFS」と呼ぶ。
【0019】
また、詳しくは後述するが、ノード端末1は、本サービスの提供に係る所定の処理の一部又は全部を実行することができる。即ち、ノード端末1-1乃至1-3の夫々には、必要に応じて、上述のブロックチェーンBCやファイルシステムFSが設けられ得る。
図1の例では、ノード端末1-1には、ファイルシステムFS-11及びブロックチェーンBC-11が設けられている。また、ノード端末1-3には、ブロックチェーンBC-12が設けられている。
【0020】
ここで、ブロックチェーンに係るネットワークを構成するノード端末1及びノードサーバ2は、いずれもブロックチェーンに係るネットワークを構成する「ノード」である。また、ノード端末1及びノードサーバ2の両方は、本サービスの提供に係る所定の処理の一部又は全部を実行する情報処理装置である。そこで、以下、ノード端末1及びノードサーバ2を個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて「ノード」と適宜呼ぶ。
【0021】
ここで、ノード端末1-2は、本サービスにより管理された画像を確認するためのモニタとして動作する。即ち、ノード端末1-2は、所定のユーザ認証等をすることで、本サービスにより管理された動画像や当該動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものを表示することができる。
【0022】
また、ノード端末1-3は、チップとして提供され、本サービスの提供に係る所定の処理の一部を実行する。即ち、ノード端末1-3は、所定の電子回路等に組み込むことが可能な、本サービスの提供に係る所定の処理の一部を実行する専用のチップである。
詳しくは後述するが、サービス提供者は、チップとして提供されたノード端末1-3を、映像セキュリティカメラCAM-4や、所定のネットワーク機器等に組み込むことで、本サービスに係る機器とすることができる。その結果、チップとして提供されたノード端末1-3が組み込まれた映像セキュリティカメラCAM-4は、後述するハードウェアキーIDHを読み込ませずとも、本サービスにおけるノードとして各種処理を実行することができる。
【0023】
上述をまとめると、本実施形態におけるブロックチェーンに係るネットワークは、「ブロックチェーンに係るネットワークに属するノードとして夫々機能する、クラウドC上のノードサーバ2-1乃至2-3」と、「クラウドCに専用線LL-1乃至LL-5を介して接続されて、ブロックチェーンに係るネットワークに属するノードとして夫々機能する、ノード端末1-1乃至1-3」と、を備えて構成される。
【0024】
また、上述のブロックチェーンに係るネットワークに属するノードの夫々が有するファイルシステムFSやブロックチェーンBCを用いて、動画像や動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすもののデータが管理される。
【0025】
以下、図示せぬユーザが本サービスを利用して動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものを管理する場合の流れに沿って、本サービスの概要を説明する。
なお、以下の説明において、動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすもののデータを、「管理対象のデータ」と適宜呼ぶ。
【0026】
なお、本実施形態の例では、ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAM-1乃至CAM-3から画像を取得するものとする。また、ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAM-1乃至CAM-3から取得された画像のうち、当該画像にふくまれる動画像を記憶して管理するものとする。また、ノード端末1-1は、管理対象のデータをブロックチェーンBCに記憶させて管理することができる。なお、以下、映像セキュリティカメラCAM-1乃至CAM-3を個々に区別する必要が無い場合、「映像セキュリティカメラCAM」と呼ぶ。
【0027】
また、ノード端末1-1が管理対象のデータをブロックチェーンBCに記憶させて管理する場合、即ちノード端末1-1が他のノードと協働する場合、ハードウェアキーIDHが必要となるものとする。即ち、本実施形態の例では、ノード端末1-1が他のノードと協働するためには、図示せぬユーザ(所定の団体に所属するユーザ等)により、ハードウェアキーIDHをノード端末1-1に読み込ませる(接続する)必要があるものとする。
また、前提として、図示せぬユーザは、本サービスを利用するためのハードウェアキーIDHを保有しているものとする。また、ハードウェアキーIDHに関する情報は、予め本サービスで利用されるノードにより管理されているものとする。
【0028】
まず、ノード端末1において、
図1に示す機器認証のステップST1に係る各種動作が実行される。
【0029】
具体的には例えば、図示せぬユーザは、ハードウェアキーIDHをノード端末1-1に接続する。ノード端末1-1や他のノードは、ハードウェアキーIDHから取得できる所定の情報とノードにより管理されているハードウェアキーIDHに関する情報とを照合する。正しいハードウェアキーIDHである旨が照合された場合、ノード端末1-1は、本サービスに係るノードとして認証される。そして、ノード端末1-1は他のノードと協働して、動画像や動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすもののデータを管理する。
【0030】
このように、ハードウェアキーIDHが照合された場合、ノード端末1-1は、他のノードと協働して、動画像や動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすもののデータを管理する。その結果、ハードウェアキーIDHを保有しない第三者は、本サービスを利用することはできない。なお、以下、ユーザがハードウェアキーIDHをノード端末1-1に読み込ませることで、ノード端末1-1が認証されたものとして説明する。
【0031】
ノード端末1-1が本サービスに係るノードとして認証された場合、ノード端末1は、ブロックチェーンに係るネットワークのノードとして機能させられる。即ち、ノード端末1-1において、後述するブロックチェーン管理機能等が機能させられる。その結果として、本サービスが所定の団体やそのユーザに提供される。
ここで、「ブロックチェーン管理機能」とは、1以上の管理対象のデータの保存が指示された場合、ブロックチェーンに係るネットワークを構成するノードの夫々により、当該1以上の管理対象のデータを当該ネットワークで管理された状態にする機能である。なお、本サービスでは、1以上の管理対象のデータとして、映像セキュリティカメラCAMにより撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすもののデータが採用されている。
図1の保存処理のステップST2は、ブロックチェーン管理機能の一例である。
【0032】
なお、ノード端末1-1がブロックチェーンに係るネットワークのノードとして機能する場合、ノード端末1-1は、クラウドC上の複数のノードサーバ2のうち一部又は全部のノードサーバ2と専用線LLを介して情報の授受を行う。
具体的には例えば、
図1に示すように、ノード端末1-1は、ノードサーバ2-1乃至2-3の夫々と専用線LL-1乃至LL-3の夫々を介して各種情報の授受を行う。
【0033】
まず、ノード端末1-1において、映像セキュリティカメラCAMにより撮像された動画像が、どのようにノード端末1-1において管理されるかについて説明する。
上述したように、ノード端末1-1は、撮像の対象となる人や物に向けられた映像セキュリティカメラCAMにおいて、当該人や当該物を撮像するよう制御する。即ち、ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAMを制御することで人や物が撮像された画像を取得する。
【0034】
ここで、本実施形態の説明において、ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAMを制御することで人や物が撮像された動画像と静止画像とを取得するものとする。
具体的には例えば、ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAMにより撮像された、フレームレートが30FPS且つ画素数が200万画素程度の動画像を取得する。また例えば、ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAMにより撮像された、600万画素程度の静止画像を取得する。ここで、例えば、1秒間に3つの静止画像が取得されるものとする。
画像のデータの圧縮のアルゴリズムや程度によるが、上述のような動画像と静止画像が取得される場合、動画像と静止画像は以下のような性質を有する。即ち、単位時間当たりのデータサイズを比較すると、動画像のデータサイズの方が静止画像のデータサイズと比較して大きい性質を有する。また、ある瞬間における画像の画質を比較すると、静止画像の画質の方が動画像の画質と比較して高い性質を有する。
なお、上述の静止画像は動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものの一例である。動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものとしてどのようなものが採用され得るかについては、後述する。
【0035】
ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAMを制御して取得した動画像及び静止画像を、ファイルシステムFS-11を用いて管理する。即ち例えば、ノード端末1-1は、動画像を呼び静止画像をファイルシステムFS-11に格納して管理する。このようにノード端末1-1は、ノード端末1-1自身が有するファイルシステムFS-11に、動画像及び静止画像を格納して管理することができる。
【0036】
次に、ノードサーバ2-1において、
図1に示す保存処理のステップST2に係る各種機能が発揮される。その結果、保存処理のステップST2において、ノードサーバ2-1は、静止画像を動画像に関する単位画像としてブロックチェーンに係るネットワークで管理された状態にすることができる。
【0037】
具体的には、
図1に示すように、暗号化及び分割の機能ブロックFB1は、管理対象のデータを取得する。これにより、暗号化及び分割のステップST2-1において、暗号化及び分割の機能ブロックFB1は、管理対象のデータを、暗号化及び分割する。
【0038】
次に、
図1に示すように、ブロックチェーン管理の機能ブロックFB2は、暗号化及び分割された管理対象のデータを「ファイル分散保存、履歴保存」する。
即ち、ブロックチェーン管理の機能ブロックFB2は、暗号化及び複数に分割された管理対象のデータを、ファイルシステムFS-21乃至FS-23に分散して保存する。
また、管理対象のデータに関する各種情報は、ブロックチェーンBCに履歴として保存される。具体的には、管理対象のデータに関する各種情報は、ブロックチェーンに係る所定の処理の後、ノードサーバ2-1乃至2-3の夫々が備えるブロックチェーンBC-21乃至BC-23の夫々全てに履歴として保存される。また、同様に、管理対象のデータに関する各種情報は、ノード端末1-1が有するブロックチェーンBC-11にも、履歴として保存される。
なお、ブロックチェーンBCに履歴として保存される管理対象のデータに関する各種情報(動画像に関する単位画像に関するメタデータやハッシュといった健全性の検証に係るデータ等)の詳細は、
図5を用いて説明する。
【0039】
上述したように、ノードサーバ2-1において、
図1に示す保存処理のステップST2に係る各種機能として、暗号化及び分割の機能ブロックFB1と、ブロックチェーン管理の機能ブロックFB2との機能が発揮される。その結果、ノードサーバ2-1は、管理対象のデータをブロックチェーンに係るネットワークで管理された状態にする。
【0040】
また、上述したように、管理対象のデータの履歴は、複数のノードサーバ2の夫々が備えるブロックチェーンBCの夫々に保存される。その結果、管理対象のデータが改竄された場合、ノードの夫々は、管理対象のデータが改竄された旨を検知することが可能となる。換言すれば、本サービスにより健全性を検証された管理対象のデータは、当該管理対象のデータが正当なものである旨が、担保される。
【0041】
また、上述したように、管理対象のデータは、複数のノードサーバ2の夫々が備えるファイルシステムFS-21乃至FS-23の夫々に暗号化及び分割された上で保存される。即ち、管理対象のデータは暗号化されてファイルシステムFS-21乃至FS-23に保存される。
また、管理対象のデータは分割されてファイルシステムFS-21乃至FS-23に保存される。これにより、管理対象のデータを復号する際には、他のノードから分割された他の管理対象のデータの断片を取得する必要がある。
このように、管理対象のデータを格納した図示せぬユーザ以外は、管理対象のデータを復号することは困難である。即ち、本サービスは、管理対象のデータの漏洩を防ぐことができる。
更に言えば、大きなファイルサイズの管理対象のデータについては、分割することにより保存する際の取り扱いが用意になるという効果を奏することもできる。
【0042】
上述をまとめると、本サービスは、大容量のデータの取り扱いや当該データの漏洩防止を実現することが可能な、データの管理を行うサービスである。
【0043】
また、上述したように、ノード端末1-2は、所定のユーザ認証等をすることで、本サービスにより管理された動画像や当該動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものを表示することができる。
つまり、本サービスを利用する者は、ノード端末1-2を用いることで、ノード端末1-1やノードサーバ2-1が有するファイルシステムFSやブロックチェーンBCを用いて管理されたデータを閲覧することができる。
【0044】
また、上述したように、ノード端末1-3は、チップとして提供され、本サービスの提供に係る所定の処理の一部を実行する。
即ち、ノード端末1-3において、
図1に示す保存処理のステップに係る各種機能が発揮される。
具体的には、ノード端末1-3は、
図1に示すように、暗号化及び分割の機能ブロックは、管理対象のデータを取得する。これにより、暗号化及び分割のステップにおいて、暗号化及び分割の機能ブロックは、管理対象のデータを、暗号化及び分割する。
【0045】
次に、
図1に示すように、フルノードへトランザクション送信の機能ブロックは、暗号化及び分割された管理対象のデータを「フルノードへトランザクション送信」する。これにより、ノードサーバ2-1乃至2-3のブロックチェーン管理の機能ブロックFB2を機能させる。
即ち、フルノードへトランザクション送信の機能ブロックは、暗号化及び複数に分割された管理対象のデータを、ファイルシステムFS-21乃至FS-23に分散して保存させる。
つまり、フルノードへトランザクション送信の機能ブロックは、フルノードであるノードサーバ2-1乃至2-3に、上述の保存処理のステップST2に係るブロックチェーン管理の機能ブロックFB2を機能させることができる。
ここで、フルノードとは、ブロックチェーン管理の機能ブロックFB2を有する、本サービスの提供に係る所定の処理の多くを実行可能なノードである。
なお、ノード端末1-3のような、ブロックチェーン管理の機能ブロックFB2を有しない、本サービスの提供に係る所定の処理の一部を実行可能なノードを、ライトノードという。
【0046】
また、ノード端末1-3は、チップとして提供される。これにより、ノード端末1-3は
図1に示す機器認証のステップST1に係る各種動作が無くとも、本サービスのノードとなることができる。
【0047】
以下、上述の本サービスのようにブロックチェーンBCを用いて動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすもののデータを管理することで、他の監視カメラの形態と比較してどのようなメリットが存在するかについて説明する。
なお、以下、理解を容易とするため、店舗に設置された複数の監視カメラを例として説明する。
【0048】
即ち、従来、店舗に設置された複数の監視カメラにより撮像された画像を、当該店舗に設置されたレコーダにより記録(記憶)する監視カメラシステムが存在した。このような監視カメラシステムでは、レコーダが破損することで画像を確認できなくなることがあった。また、レコーダから画像のデータ(例えばストレージ機器やビデオテープ)が盗難にあう可能性もあった。
【0049】
また例えば、店舗に設置された複数の監視カメラにより撮像された画像を、クラウド上に設置されたレコーダ(サーバ)により記録(記憶)する監視カメラシステムが存在した。即ち例えば、このような監視カメラシステムでは、監視カメラはネットワーク連携が可能なネットワークカメラである。そして、ネットワークカメラは、クラウド上に設置されたサービス提供者が保有するサーバに画像のデータを送信する。これにより、画像のデータは、サーバに記録(記憶)される。
このような監視カメラシステムでは、画像を確認したい場合、クラウド上のサーバに記録された所定のパスワード等を用いて、クラウド上のサーバに記録された画像のデータを取得して確認することができる。しかしながら、このような監視カメラシステムでは、サーバがハッキングされることにより、画像のデータを改竄されたり、画像のデータを盗難(即ち、盗撮)されたりする可能性があった。
また、サーバに記録(記憶)させることができる画像のデータのサイズには上限が設けられており、画像の画質を十分に高めることができないこともあった。
【0050】
また例えば、店舗に設置された複数の監視カメラにより撮像された画像を、当該店舗に設置されたレコーダにより記録(記憶)する監視カメラシステムにおいて、クラウドを経由することで画像を確認することができる監視カメラシステムが存在した。しかしながら、このような監視カメラシステムでは、監視カメラシステムがハッキングされることにより、画像のデータを改竄されたり、画像のデータを盗難(即ち、盗撮)されたりする可能性があった。
【0051】
本サービスは、上述の監視カメラシステムに対して、以下の点で異なる。
【0052】
即ち、本サービスにおいて、映像セキュリティカメラCAMで撮像された画像を確認できなくなるリスクを低減することができる。具体的には例えば、本サービスでは、映像セキュリティカメラCAMで撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものが、ファイルシステムFS-21乃至FS-23の夫々に暗号化及び分割された上で保存される。これにより、例えばノード端末1-1が破損したり、ノード端末1-1から画像のデータが盗難や削除された場合であっても、ユーザは、映像セキュリティカメラCAMで撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものを確認することができる。
【0053】
また、本サービスは、映像セキュリティカメラCAMで撮像された画像のデータを改竄されるリスクを低減することができる。具体的には例えば、本サービスでは、上述したようにファイルシステムFS-21乃至FS-23の夫々に暗号化及び分割された上で保存される。これにより、ハッキングにより映像セキュリティカメラCAMで撮像された画像のデータの改竄を行うことは困難である。更に言えば、本サービスでは、動画像に関する単位画像に関する各種情報は、ブロックチェーンに係る所定の処理の後、ノードサーバ2-1乃至2-3の夫々が備えるブロックチェーンBC-21乃至BC-23の夫々全てに履歴として保存される。これにより、例えばハッキングにより管理されている映像セキュリティカメラCAMで撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものが改竄された可能性がある場合においても、ブロックチェーンBC-21乃至BC-23等に保存された情報に基づいて改竄の有無を検証することができる。
【0054】
また、本サービスは、映像セキュリティカメラCAMで撮像された画像のデータのサイズに係る諸問題を解決し得る。即ち、例えば、本サービスでは、映像セキュリティカメラCAMで撮像された画像のうち動画像のデータは、ノード端末1-1に設けられたファイルシステムFS-11を用いて格納される。また、本サービスでは、動画像に関する単位画像(例えば静止画像)は、ノードサーバ2-1乃至2-3の夫々が備えるファイルシステムFS-21乃至FS-23に分散して保存される。即ち、本サービスでは、動画像のデータサイズと比較して小さなデータサイズである静止画像のデータが、ファイルシステムFS-21乃至FS-23に分散して保存される。これにより、動画像に関する単位画像をより高画質なまま、ノードサーバ2-1乃至2-3に管理させることができる。また、上述したように、ノードサーバ2-1乃至2-3に記憶された、動画像に関する単位画像は、改竄されにくく、仮に改竄されたとしても正当なものである旨を検証可能に、管理されている。
【0055】
以上、
図1を用いて、本サービスの概要を説明した。
以下、
図2乃至
図4を用いて、本サービスの
図1に示すサービスを提供する際に適用される情報処理システムについて説明する。
図2は、
図1に示すサービスを提供する際に適用される本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【0056】
なお、
図1の説明において、サービス提供者により管理されるノードサーバ2は3台であって、サービス提供者から所定の団体に対して譲渡されるノード端末1は3台であるものとしたが、特にこれに限定されない。
即ち、本サービスで用いられる本実施形態の情報処理システムは、
図2に示すように、n台(nは1以上の任意の整数値)のノード端末1-1乃至1-nと、m台(mは、nとは独立した、1以上の任意の整数値)のノードサーバ2-1乃至2-mとを含む様に構成されていてもよい。
また、
図1の説明において、サービス提供者により管理されるノードサーバ2は3台であって、サービス提供者から所定の団体に対して譲渡されるノード端末1は2台であるものとしたが、特にこれに限定されない。
即ち、ノード端末1-1には、
図2に示すようにk台(kは1以上の任意の整数値)の映像セキュリティカメラCAM-1乃至CAM-kが接続されていてもよい。更に言えば、図示はしないが、ノード端末1-1乃至1-nの夫々は、複数の映像セキュリティカメラCAMの夫々と接続されていてもよい。
【0057】
ノード端末1-1乃至1-nの夫々は、専用線LL-1乃至LL-nの夫々を介してクラウドCに接続されている。
ノードサーバ2-1乃至2-mは、クラウドC上に配置されている。また、ノードサーバ2-1乃至2-mは、相互に本サービスに係る各種の情報の授受を行うことができる。
ノード端末1-1乃至1-nの夫々は、クラウドC上のノードサーバ2-1乃至2-mのうちいずれかのノードサーバ2と、本サービスに係る各種の情報の授受を行うことができる。
【0058】
図3は、
図2の情報処理システムのうちノード端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0059】
ノード端末1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0060】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0061】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0062】
出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0063】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図1の例ではノードサーバ2)との間で通信を行う。
【0064】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0065】
なお、図示はしないが、
図2の情報処理システムのノードサーバ2は
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
【0066】
以下、
図4を用いて、
図1のステップST1及びST2に対応する処理が実行される際のノード端末1、ノードサーバ2、及び映像セキュリティカメラCAMの機能的構成の一例について説明する。
【0067】
図4は、
図3のノード端末並びにノードサーバ及び映像セキュリティカメラの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、説明の簡単のため、
図4の説明において、ノード端末1及びノードサーバ2の夫々は、1台のみ図示する。
【0068】
図1の機器認証のステップST1に対応する処理が実行される際には、ノード端末1のCPU11において、ハードウェアキー検出部111と、ノード管理部112とが機能する。また、ノードサーバ2のCPU21において、ノード管理部211が機能する。
【0069】
ノード端末1のハードウェアキー検出部111は、ノード端末1に接続されたハードウェアキーIDHを検出する。図示せぬユーザがノード端末1にハードウェアキーIDHを接続した場合、ハードウェアキー検出部111は、ハードウェアキーIDHから取得できる所定の情報とノードにより管理されているハードウェアキーIDHに関する情報とに基づいて、ハードウェアキーIDHを検出する。
即ち、ハードウェアキー検出部111は、ノード端末1に接続されたハードウェアキーや他のデバイスが、本サービスに係るハードウェアキーIDHであるか否かを判定する。そして、本サービスに係るハードウェアキーIDHであると判定された場合に、ノード端末1に接続されたハードウェアキーIDHが検出されたものとする。
【0070】
ノード管理部112は、ハードウェアキー検出部111によりハードウェアキーIDHが検出された場合、ノード端末1をブロックチェーンに係るネットワークのノードとして管理する。
また、この場合、ノードサーバ2のノード管理部211は、ノード端末1をブロックチェーンに係るネットワークのノードとして管理する。即ち、ノード端末1のノード管理部112と、ノードサーバ2のノード管理部211とは、協働することで、ノード端末1をブロックチェーンに係るネットワークのノードとして管理することができる。
【0071】
このように、ノード端末1がハードウェアキーIDHに基づいて本サービスに係るノードとして認証された場合、ノード端末1は、ブロックチェーンに係るネットワークのノードとして管理される。
【0072】
ここで、所謂コンソーシアム型やプライベート型のブロックチェーンに係るネットワークには、信頼できる情報処理装置のみがノードとして備えられるのが好適である。そこで、本サービスでは、ノードサーバ2の他のノードとして、ハードウェアキーIDHに基づいて認証されたノード端末1が、信頼できる情報処理装置として、ブロックチェーンに係るネットワークのノードとして管理される。
このようにして、本サービスでは、信頼できるノード端末1のみが、ノードサーバ2と協働して、ブロックチェーンに係るネットワークに備えられるように管理される。
ブロックチェーンに係るネットワークに備えられるように管理されたノード端末1は、後述するブロックチェーン管理機能を発揮することができる。即ち、ハードウェアキーIDHは、複数のノード端末1のうち所定の1つでブロックチェーン管理機能を発揮するために本発明の一実施形態に係る情報処理システムに備えられていると言える。
【0073】
図1の保存処理のステップST2に対応する処理が実行される際には、ノード端末1のCPU11において、ノード管理部112と、ファイル取得部113と、ファイル管理部114とが機能する。また、ノード端末1の記憶部18の一領域には、ブロックチェーン記憶部150と、ファイル記憶部160とが設けられている。
また、ノードサーバ2のCPU21において、ノード管理部211と、ファイル管理部213とが機能する。また、ノードサーバ2の記憶部28の一領域には、ブロックチェーン記憶部250と、ファイル記憶部260とが設けられている。
また、映像セキュリティカメラCAMには、撮像部と、送信制御部と、通信部とが備えられている。
【0074】
なお、上述したように、ノード端末1は、本サービスの提供に係る所定の処理の一部又は全部を実行することができる。そこで、
図4の説明においては、
図1の説明における保存処理のステップST2の処理は、基本的にノード端末1が実行するものとして説明する。また、上述したように、保存処理のステップST2は、ブロックチェーン管理機能の一例である。
【0075】
まず、映像セキュリティカメラCAMの撮像部は、撮像の対象となる人や物の像を含む画像を撮像する。これにより、映像セキュリティカメラCAMの撮像部は、撮像された画像のデータを生成する。具体的には例えば、撮像部は、撮像の対象となる人や物の像を含む動画像及び静止画像を撮像する。
次に、映像セキュリティカメラCAMの送信制御部は、撮像部により撮像された画像のデータを、通信部を介してノード端末1に送信する制御を実行する。
【0076】
ファイル取得部113は、映像セキュリティカメラCAMから送信されてきた動画像に関する単位画像のデータを、本サービスにより管理される1以上の管理対象のデータとして取得する。
具体的には例えば、ファイル取得部113は、静止画像を、映像セキュリティカメラCAMから送信されてきた動画像に関する単位画像のデータとして、本サービスにより管理される管理対象のデータとして取得する。
なお、以下、管理対象のデータは、ファイルとして提供や管理をされるものとして説明する。ただし、管理対象のデータはユーザに対して画像として提示が可能であれば足り、ユーザにファイルとして提示されたり、他の情報処理装置にファイルとして授受されたりする必要はない。
【0077】
ファイル管理部114は、ブロックチェーンBCと、ファイルシステムFSとを利用して、動画像に関する単位画像のデータを管理する。
ファイル管理部114は、ブロックチェーン管理部121と、分散ファイルシステム管理部122とを有する。
【0078】
ブロックチェーン管理部121は、動画像に関する単位画像に関する各種情報(動画像に関する単位画像に関するメタデータやハッシュといった健全性の検証に係るデータ等)を抽出し、ブロックの一部として管理する。また、ブロックチェーン管理部121は、ノード管理部112により管理されている、ブロックチェーンに係るネットワークに備えられた他のノードに、動画像に関する単位画像に関する各種情報をブロックチェーンの新たなブロックの一部として管理させる。
即ち、詳細は
図5を用いて後述するが、ノード端末1のブロックチェーン管理部121は、ノードサーバ2のブロックチェーン管理部221と協働して、動画像に関する単位画像に関する各種情報をブロックチェーンの新たなブロックの一部として管理する。
【0079】
このように、ブロックチェーン管理部121は、抽出した動画像に関する単位画像に関する各種情報を、ブロックチェーンに係るネットワークに備えられた全てのノードに管理させることができる。これにより、悪意を持った第三者等にとって、動画像に関する単位画像に関する各種情報を改竄するといったことが困難となる。
【0080】
また、分散ファイルシステム管理部122は、動画像に関する単位画像のデータの全体そのものを、暗号化及び分割して管理する。
このとき、分散ファイルシステム管理部122は、ブロックチェーン管理機能の結果として管理された動画像に関する単位画像のデータを、動画像に関する単位画像の保存の指示をした図示せぬユーザ以外の者に対するアクセス制限を課して管理する。即ち、例えば、ファイル管理部114は、ブロックチェーンに係るネットワークに属するノードの夫々が有する記憶部に、アクセス制御を設けて、図示せぬユーザ毎に分けることができる。
具体的には例えば、分散ファイルシステム管理部122は、ハードウェアキーIDHに含まれる情報を用いて、動画像に関する単位画像のデータの全体そのものを暗号化する。即ち、分散ファイルシステム管理部122は、動画像に関する単位画像を暗号化することで、ハードウェアキーIDHを保有する図示せぬユーザのみにより復号することができる状態とする。
次に、ノード端末1の分散ファイルシステム管理部122は、暗号化された動画像に関する単位画像のデータを分割する。次に、ノード端末1の分散ファイルシステム管理部122は、ノードサーバ2の分散ファイルシステム管理部222と協働して、暗号化及び分割された動画像に関する単位画像のデータを、複数のノード端末1のファイル記憶部160やノードサーバ2のファイル記憶部260の夫々に分散して格納して管理する。
【0081】
このように、分散ファイルシステム管理部122は、暗号化された動画像に関する単位画像のデータを分割して複数のファイルシステムFSに分散して保存する。これにより、動画像に関する単位画像のデータを復号する際には、他のノードから分割された他の動画像に関する単位画像の断片を取得する必要がある。
このように、動画像に関する単位画像のデータを格納した図示せぬユーザ以外は、動画像に関する単位画像のデータを復号することは困難である。即ち、本サービスは、動画像に関する単位画像のデータの漏洩を防ぐことができる。
更に言えば、大きなデータサイズの動画像に関する単位画像については、分割することにより保存する際の取り扱いが用意になるという効果を奏することもできる。
【0082】
ファイル管理部114は、ブロックチェーン管理部121によりブロックチェーンBCをブロックチェーン記憶部150に格納して管理し、分散ファイルシステム管理部122よりファイルシステムFSとしてファイル記憶部160に動画像に関する単位画像のデータを記憶させて管理することができる。
【0083】
なお、上述の説明と同様に、ノードサーバ2は、ノード端末1のファイル取得部113と基本的に同様な機能を有するファイル取得部212を備える。即ち、ノードサーバ2も同様に、図示せぬユーザによる本サービスを利用するための操作を受付けた場合、ノードサーバ2自身及び他のノードに動画像に関する単位画像のデータを管理させることができる。
【0084】
また、更に、ノード端末1は、動画像に関する単位画像(例えば静止画)のデータのみならず、動画像のデータを記憶して管理することができる。具体的には例えば、ファイル管理部114のブロックチェーン管理部121は、動画像のデータに関する各種情報が含まれたブロックを、ブロックチェーン記憶部150に記憶されたブロックチェーンBCを用いて管理することができる。また、ファイル管理部114の分散ファイルシステム管理部122は、動画像のデータの全体そのものを、管理する。なお、分散ファイルシステム管理部122は、動画像のデータの全体を、暗号化及び分割せず管理してよい。即ち、分散ファイルシステム管理部122は、大きなデータサイズである動画像のデータの全体そのものは、ノードサーバ2等に分散せず、ノード端末1自身が有するファイル記憶部160に記憶して管理してよい。
【0085】
以上、
図2乃至
図4を用いて、本サービスの
図1に示すサービスを提供する際に適用される情報処理システムについて説明した。
以下、
図5を用いて、ノードサーバ2-1による保存処理やブロックチェーンBCに履歴として保存される動画像に関する単位画像に関する各種情報の詳細を説明する。
【0086】
図5は、
図4の機能的構成を有するノードサーバ、ノード端末及び映像セキュリティカメラにより管理されるブロックチェーン及び当該ブロックチェーンを用いて管理される各種データの関係性の一例を示す模式図である。
図5には、ブロックチェーンBCの例として、ブロックB1乃至B3がチェーンのように連結した一連のデータが示されている。また、
図5のブロックチェーンBCは、ブロックB1及びB2がチェーンのように連結している段階において、動画像に関する単位画像の保存が指示され、動画像に関する単位画像に関する各種情報がブロックB3の一部として管理されている例である。
【0087】
また、
図5には、ブロックチェーンBCのブロックB1のみの段階におけるファイル記録データベースFDB1と、ブロックB1及びB2がチェーンのように連結した一連のデータの段階におけるファイル記録データベースFDB2とが点線で図示されている。また、ブロックB1乃至B3がチェーンのように連結した一連のデータの段階におけるファイル記録データベースFDB3が実線で図示されている。なお、以下、ファイル記録データベースFDB1乃至FDB3を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ファイル記録データベースFDB」と呼ぶ。
ファイル記録データベースFDBは、ブロックチェーンに係るネットワークにより管理されている全てのデータの夫々に関する各種情報を格納したデータベースである。ここで、ブロックチェーンに係るネットワークにより管理されている動画像に関する単位画像に関する各種情報とは、以下の情報が含まれる。即ち例えば、動画像に関する単位画像に関する「ハッシュ」、「登録日時」、及び「登録者及び閲覧者」の情報は、動画像に関する単位画像に関する各種情報の一例である。ここで、動画像に関する単位画像に関する各種情報には、動画像に関する単位画像のデータの全体そのものは含まれず、動画像に関する単位画像のハッシュが含まれる。即ち、ファイル記録データベースFDBには、動画像に関する単位画像の健全性の検証に用いることができる動画像に関する単位画像のハッシュが含まれている。これにより、動画像に関する単位画像のデータを復号した場合において、動画像に関する単位画像が改竄されたとき、当該改竄があった旨を検知することが可能となる。
また、上述した通り、ファイル記録データベースFDB1及びFDB2は破線で図示されており、ファイル記録データベースFDB3は実線で図示されている。これは、ファイル記録データベースFDBは、最新の内容(
図5で言えばファイル記録データベースFDB3)が記録されていることを示している。
【0088】
ブロックB1は、第1関連付情報HD1と、ベースデータBD1と、第2関連付情報FT1とから構成されている。
ここで、第1関連付情報HD1は、ブロックチェーンBCの最初のブロックB1における、初期値である。
また、ベースデータBD1は、ブロックチェーンBCの次のブロックB2につなげるためのベースとなるデータである。ベースデータBD1には、ファイル記録データベースFDB1と対応づく情報が格納されている。即ち例えば、本サービスで当初から管理されている1以上の管理対象のデータに関する「ハッシュ」、「登録日時」、及び「登録者及び閲覧者」の情報がベースデータBD1に含まれる。なお、本サービスで当初から管理されている1以上の管理対象のデータが存在しない場合、所定のベースとなるデータ(例えば乱数列)が採用される。
また、第2関連付情報は、ブロックB1のハッシュの値である。第1関連付情報HD1と、ベースデータBD1と、ファイル記録データベースFDB1とから、第2関連付情報に向かって矢印が描かれている。これは、第2関連付情報FT1のハッシュの値は、第1関連付情報HD1と、ベースデータBD1と、ファイル記録データベースFDB1のデータに相関があるハッシュの値であることを示している。
【0089】
ブロックB2は、第1関連付情報HD2と、記録データBD2と、第2関連付情報FT2とから構成されている。
ここで、第1関連付情報HD2は、ブロックチェーンBCにおける前のブロックB1の第2関連付情報FT1である。このように、例えばブロックB1及びB2といった連続したブロックは、ブロックB2の第1関連付情報HD2と、前のブロックB1の第2関連付情報FT1とが一致するように生成される。その結果、連続したブロックがチェーンのように連結した一連のデータとなる。
また、記録データBD2は、変更があったデータに関する「ハッシュ」、「登録日時」、及び「登録者及び閲覧者」の情報である。記録データBD2には、ファイル記録データベースFDB2とファイル記録データベースFDB1との差分に対応づく情報が格納されている。即ち例えば、ブロックB2を生成する段階において本サービスで管理されている1以上の管理対象のデータのうち、ブロックB1を生成する段階において本サービスで管理されていた1以上の管理対象のデータとの差分のデータに関する「ハッシュ」、「登録日時」、及び「登録者及び閲覧者」の情報が記録データBD2に含まれる。
また、第2関連付情報は、ブロックB2のハッシュの値である。第1関連付情報HD2と、記録データBD2と、ファイル記録データベースFDB2とから、第2関連付情報に向かって矢印が描かれている。これは、第2関連付情報FT2のハッシュの値は、第1関連付情報HD2と、記録データBD2と、ファイル記録データベースFDB2のデータに相関があるハッシュの値であることを示している。
【0090】
以下、ブロックB3を生成する際に、ブロックB2を生成する段階において本サービスで管理されていなかった動画像に関する単位画像が、ブロックB3を生成する段階において新たに本サービスで管理されることになったものとして説明する。
この場合、ノード端末1は、ブロックチェーンBCの最新のブロックとして、ブロックB3を生成する。ブロックB3は、第1関連付情報HD2と、記録データBD2と、第2関連付情報FT2とから構成されている。以下、どのような情報が記録データBD2として採用されるか等について説明する。
なお、
図4の説明と同様に、
図1の説明における保存処理のステップST2の処理は、基本的にノード端末1が実行するものとして説明する。
【0091】
ここで、第1関連付情報HD2は、ブロックチェーンBCにおける前のブロックB1の第2関連付情報FT1である。このように、例えばブロックB1及びB2といった連続したブロックは、ブロックB2の第1関連付情報HD2と、前のブロックB1の第2関連付情報FT1とが一致するように生成される。その結果、連続したブロックがチェーンのように連結した一連のデータとなる。
【0092】
次に、ノード端末1のブロックチェーン管理部121は、動画像に関する単位画像のファイルFのファイル記録FRを取得する。ファイル記録FRには、動画像に関する単位画像に関する「ハッシュ」、「登録日時」、及び「登録者及び閲覧者」の記録(情報)が含まれる。ファイル記録FRは、ブロックB3の記録データBD3の一部として採用される。
また、動画像に関する単位画像のファイル記録FRは、動画像に関する単位画像に関連する最新の情報として、ファイル記録データベースFDB2に基づいたファイル記録データベースFDB3に、格納される。
【0093】
次に、ノード端末1のブロックチェーン管理部121は、第1関連付情報HD2と、ベースデータBD1と、ファイル記録データベースFDB2のデータに相関があるハッシュの値を、第2関連付情報FT3として生成する。
これにより、ブロックB3が、ブロックチェーンBCの最新のブロックとして生成される。
【0094】
この時、動画像に関する単位画像のデータの全体そのものは、次のように処理される。
ノード端末1の分散ファイルシステム管理部122は、動画像に関する単位画像のデータを暗号化及び分割された動画像に関する単位画像のファイルFS1乃至FS4に変換する。
次に、ノード端末1の分散ファイルシステム管理部122は、複数のノード(例えばノードサーバ2-1乃至2-3の夫々)に、暗号化及び分割された動画像に関する単位画像のファイルFS1乃至FS4を分散して保存する。
このように、暗号化及び分割された動画像に関する単位画像のファイルFS1乃至FS4は、ブロックチェーンに係るネットワークに備えられたノード(例えばノードサーバ2-1乃至2-4)に分散されて保存される。
【0095】
以上、
図5を用いて、ノードサーバ2-1による保存処理やブロックチェーンBCに履歴として保存される動画像に関する単位画像に関する各種情報の詳細を説明した。
【0096】
以上、本発明が適用される情報処理システムの実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明が適用される実施形態は、例えば次のようなものであってもよい。
【0097】
上述の実施形態では、ノード端末1-1は、映像セキュリティカメラCAMを制御することで人や物が撮像された動画像と静止画像とを取得するものとしたが、特にこれに限定されない。
以下、動画像と動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものの例について説明する。
【0098】
まず、上述の実施形態の例について説明する。即ち、ノード端末1は、映像セキュリティカメラCAMを制御することで動画像及び静止画像のデータを取得するものであってよい。即ち例えば、ノード端末1は、動画像と、動画像に関する単位画像としての静止画像とを取得する。
具体的には例えば、映像セキュリティカメラCAMは、複数の撮像部を備え、略同一の領域の動画像と静止画像とを撮像して、ノード端末1に送信するものであってよい。
ここで、静止画像は、動画像として撮像された領域と略同一の領域を撮像するという点で関係性を有している。また、静止画像は、ある1つのフレームに対応する画像である。即ち、このような静止画像は、動画像に関する単位画像である。
更に言えば、映像セキュリティカメラCAMは、1つの撮像部により撮像された画像のデータから、所定の処理により、動画像と静止画像を生成して送信するものであってもよい。
【0099】
また例えば、ノード端末1は、映像セキュリティカメラCAMを制御することで、動画像のデータを取得し、当該動画像のデータから静止画像を単位画像のデータとして生成するものであってよい。即ち例えば、ノード端末1は、動画像のデータに対し所定の処理を実行することで静止画像を生成して、静止画像のデータを取得する。
ここで、静止画像は、動画像に対して所定の処理を実行した結果得られた画像であるという点で関係性を有している。また、静止画像は、ある1つのフレームに対応する画像である。即ち、このような静止画像は、動画像に関する単位画像である。
具体的には例えば、ノード端末1は、所定の処理として、動画像に含まれるキーフレームの画像を静止画像として抽出するものであってよい。
更に言えば、キーフレーム(例えば、MPEG規格でいうところのIフレーム)と、付属する他のフレーム(例えば、MPEG規格でいうところのPフレームやBフレーム)の集合が、抽出されてもよい。
【0100】
また例えば、ノード端末1は、映像セキュリティカメラCAMを制御することで取得した動画像のデータに対し、所定の処理を実行した上で、ノード端末1に備えられたファイルシステムFSを用いて管理してもよい。具体的には例えば、ノード端末1は、動画像のデータのサイズが小さくなるように画質(画素数や圧縮率)やフレームレートを変換する処理を実行した上で、ノード端末1に備えられたファイルシステムFSを用いて管理してもよい。
【0101】
なお、動画像や動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものとは、以下のようなものであってよい。
即ち例えば、単位画像及び他の単位画像の夫々に対応する時刻の夫々が所定の間隔であるという条件が、所定の条件として採用されてもよい。
また例えば、動画像に関する単位画像のうち条件を満たすもののデータのサイズの総和が所定のサイズ以下であるという条件が、所定の条件として採用されてもよい。
【0102】
このように、この例において、ノード端末1は、ノード端末1に備えられたファイルシステムFSを用いて動画像のデータを管理する。また、ノード端末1は、ノード端末1及びノードサーバ2に備えられたファイルシステムFSの一部又は全部に、動画像に関する単位画像のうち条件を満たすもののデータを暗号化及び分割して管理する。
【0103】
また、上述の本実施形態では、本サービスは、図示せぬサービス提供者により、所定の団体(例えば会社)に対して提供されるものとした。即ち例えば、所定の団体(例えば会社)は、図示せぬユーザの数やノード端末1及びノードサーバ2の台数等に応じた初期費用(例えば数十万円から数百万円)と、クラウドC上のノードサーバ2の所定の期間におけるランニングの使用料(例えば数十万円)を対価として、本サービスを提供されるものであって良い。
ただし、本サービスは、所定の団体(例えば会社)に対して提供されるものに限定されない。即ち例えば、サービス提供者と契約した個人であってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、サービス提供者から所定の団体(例えば会社)に対して3台のノード端末1-1乃至1-3が譲渡されるものとしたが、特にこれに限定されない。即ち例えば、本サービスに係るアプリケーションをプリインストールされたノード端末1が販売され、当該ノード端末1を購入した個人が本サービスの提供を受ける形態であってもよい。
【0105】
また、上述の本実施形態では、ノード端末1-1乃至1-3の夫々は、専用線LL-1乃至LL-5の夫々を介してクラウドCに接続されることで、1つのノードとして夫々機能するものとした。また、上述の本実施形態では、ノード端末1は、本サービスの提供に係る所定の処理の一部又は全部を実行することができるものとした。
具体的には例えば、
図1の説明においては、ノードサーバ2が保存処理のステップST2を実行した。また、
図4の説明においては、ノード端末1が保存処理のステップST2を実行した。
しかしながら、ノード端末1やノードサーバ2は、本サービスの提供に係る所定の処理の一部を代行するといった処理をおこなってもよい。具体的には例えば、ノードサーバ2のブロックチェーン管理部221が、新たなブロックB3のハッシュの値等の計算を行う処理の一部をノード端末1が代行してもよい。これにより、ノード端末1の計算資源を活用することにより、ノードサーバ2の計算量を軽減することができる。
また例えば、ノード端末1のファイル記憶部160に、ノードサーバ2のファイル記憶部260に格納されるべきデータを分散して保存することもできる。これにより、本サービスに係る情報処理システムは、ノードサーバ2の記憶部28を消費せずに、大量のファイルを管理することができる。
【0106】
また、上述の本実施形態では、ノード端末1-3には、ブロックチェーンBC-12が設けられているものとしたが、ファイルシステムFSが更に設けられていてもよい。これにより、チップとして提供され映像セキュリティカメラCAM-4に組み込まれたノード端末1-3は、ライトノードではなくフルノードとして機能することができる。
一方で、チップとして提供され映像セキュリティカメラCAM-4に組み込まれたノード端末1-3にファイルシステムFSが備えられない場合、ノード端末1-3は、上述したようにライトノードとして機能する。即ち、映像セキュリティカメラCAM-4は、ファイルシステムFSとして大容量且つ高価な記憶部を備えないことで、コストを抑えたライトノードとして機能する。これにより、映像セキュリティカメラCAMのコストが削減され、サービス提供者は映像セキュリティカメラCAMを比較的容易に設置したり、映像セキュリティカメラCAMの台数を増やしたりすることが可能となるという効果を奏する。
上述したように、映像セキュリティカメラCAMにより撮像された動画像のデータは他のノードに管理対象の動画像のデータを管理される。これにより、映像セキュリティカメラCAMのコスト削減と、映像セキュリティカメラCAMにより撮像された動画像のデータの管理とを両立することができる。
【0107】
また、上述の実施形態では、ノード端末1-1を操作する図示せぬユーザが認証された場合、ノード端末1-1においてブロックチェーン管理機能が発揮されるものとしたが、ノード端末1においてブロックチェーン管理機能が発揮されるか否かの条件はこれに限定されない。即ち例えば、複数のノード端末1を操作する図示せぬユーザが認証された場合であっても、ノード端末1-1においてブロックチェーン管理機能が発揮されなくてもよい。また例えば、複数のノード端末1を操作する図示せぬユーザが認証されていない場合であって、ハードウェアキーIDHが検出されたとき、ノード端末1において、ブロックチェーン管理機能のうち一部のみが実行されてもよい。上述をまとめると、複数のノード端末1の夫々において、全てのブロックチェーン管理機能が発揮される必要はない。
【0108】
また、上述の実施形態では、
図2の説明において、ノードサーバ2-1乃至2-mは、クラウドC上に配置されているものとしたが、特にこれに限定されない。即ち例えば、複数のノードサーバ2の一部又は全部は、クラウドC上ではなく、ノード端末1とノードサーバ2とが含まれる所定のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワークやイントラネット)上に配置されていてもよい。つまり、ノードサーバ2は、クラウドC上に設置されるのではなく、図示せぬユーザが属する所定の団体(例えば会社)に設置されたオンプレミスサーバであってもよい。
【0109】
また、上述の実施形態では、
図1のハードウェアキーIDHはノード端末1により所定の情報を取得可能であるものとしたが、ハードウェアキーIDHがどのようなハードウェアであるかは特に限定されない。即ち、ハードウェアキーは、ブロックチェーン管理機能をノード端末1で発揮させるためのハードウェアであれば足りる。つまり、ハードウェアキーIDHは、図示せぬユーザがハードウェアキーIDHを保有している旨を検出可能であれば足りる。
具体的には例えば、ハードウェアキーIDHは、USB(Universal Serial Bus)規格のコネクタを有したフラッシュメモリや、RFID(Radio Frequency Identifier)機能を有するカードであってもよい。即ち、ハードウェアキーIDHは、ノード端末1と、直接的に接続されてもよく、有線で接続されてもよく、無線で接続されてもよい。更に言えば、ハードウェアキーIDHは、所定の識別子(例えば、ワンタイムパスワードの数列や二次元バーコード)を表示可能なハードウェアであってもよい。この場合、例えば、ノード端末1は、入力部17(例えば、キーボードや撮像装置)を介して、ハードウェアキーIDHに関する所定の識別子を読み取ることにより、ハードウェアキーIDHを検出することができる。
【0110】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、ノード端末1の機能ブロックをノードサーバ2等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0111】
即ち例えば、ノード端末1のCPU11において機能すると説明したノード管理部112やファイル管理部114は、所定のチップにおいて機能してもよい。即ち、ノード端末1が有する機能ブロックに係る機能の一部又は全部は、所定のチップにとして提供されてもよい。
ここで、映像セキュリティカメラCAMは、このような所定のチップを備えることができる。即ち、映像セキュリティカメラCAMは、ノード端末1を介することなく、ノードと協働して動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものを管理することができてもよい。
【0112】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0113】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、図示せぬユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で図示せぬユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0114】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0115】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0116】
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば
図1、
図2及び
図4の情報処理システム)は、
1以上の映像セキュリティカメラ(例えば、
図1、
図2及び
図4の映像セキュリティカメラCAM)により撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすもの(例えば、所定の間隔で撮像された静止画像)をブロックチェーンに記憶させて管理する管理手段(例えば、
図4のファイル管理部114)、
を備える。
【0117】
これにより、所定の条件を満たす単位画像がブロックチェーンに記憶させて管理される。即ち、所定の条件を満たす単位画像を改竄されるリスクを低減することができる。また、仮に所定の条件を満たす単位画像を改竄されたとしても、改竄された旨が把握可能に管理される。また、所定の条件を満たす単位画像が管理されることで、所定の条件を満たさない単位画像の管理に係るコストを削減することができる。
更に言えば、所定の条件を満たさない単位画像の管理に係るコストを削減できるからこそ、所定の条件を満たす単位画像の管理に係るコストを増やすことができるともいえる。
【0118】
更に、前記管理手段は、
前記映像セキュリティカメラに備えられる、
ことができる。
【0119】
これにより、映像セキュリティカメラに備えられた管理手段により、所定の条件を満たす単位画像がブロックチェーンに記憶させて管理される。即ち、映像セキュリティカメラにより撮像された動画像に関する単位画像を取得する管理手段を備える情報処理装置等が信頼できる情報処理装置であるかを検証するコストを削減することができる。
更に言えば、映像セキュリティカメラにより撮像された動画像に関する単位画像を取得して管理する別の情報処理装置を用意するコストを低減することができる。
【0120】
更に、前記ブロックチェーンに係るネットワークに属するノードとして夫々機能し、前記管理手段を備える、クラウド上の1以上の情報処理装置、
をさらに備え、
前記ブロックチェーンに係る前記ネットワークを構成する管理手段の夫々は、1以上の単位画像のデータの保存が指示されると、当該1以上の単位画像のデータを前記ネットワークで管理された状態にするブロックチェーン管理機能を発揮させる、
ことができる。
【0121】
これにより、映像セキュリティカメラにより撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものは、クラウド上の1以上の情報処理装置が属するブロックチェーンに係るネットワークで管理された状態となる。これにより、映像セキュリティカメラにより撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものを改竄されるリスクを低減することができる。また、映像セキュリティカメラにより撮像された動画像に関する単位画像のうち所定の条件を満たすものが改竄された可能性がある場合においても、改竄の有無を検証することができる。
【符号の説明】
【0122】
1,1-1乃至1-3・・・ノード端末、11・・・CPU、111・・・ハードウェアキー検出部、112・・・ノード管理部、113・・・ファイル取得部、114・・・ファイル管理部、121・・・ブロックチェーン管理部、122・・・分散ファイルシステム管理部、18・・・記憶部、150・・・ブロックチェーン記憶部、160・・・ファイル記憶部、19・・・通信部、2,2-1乃至2-3・・・ノードサーバ、21・・・CPU、211・・・ノード管理部、212・・・ファイル取得部、213・・・ファイル管理部、221・・・ブロックチェーン管理部、28・・・記憶部、250・・・ブロックチェーン記憶部、260・・・ファイル記憶部、29・・・通信部、LL,LL-1乃至LL-5・・・専用線、IDH・・・ハードウェアキー、BC,BC-11,BC-21乃至BC-23・・・ブロックチェーン、FS,FS-11,FS-21乃至FS-23・・・ファイルシステム、F・・・ファイル、C・・・クラウド