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  • 特開-衣服用冷却体および衣服用加熱体 図1
  • 特開-衣服用冷却体および衣服用加熱体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133081
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】衣服用冷却体および衣服用加熱体
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A41D13/005 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031934
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】320012510
【氏名又は名称】光愛技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】小林 勲
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AC01
(57)【要約】
【課題】 直接的に衣服内を冷却又は加熱できる衣服用冷却体又は衣服用加熱体を提供することにある。
【解決手段】 衣服用冷却体1は、その内部に6個のペルチェ素子からなる冷却発熱部材2を備えており、ベスト等の衣服(図示省略)に縫製やボタン・ホック等の手段で取り付けて使用される。また、衣服用冷却体1は、ペルチェ素子からなる冷却発熱部材2を両面から絶縁性シート状の被覆部材3で被覆(サンド)したものである。冷却発熱部材2は、変圧器装置(スイッチ)4が接続されて、ON・OFFや温度などが制御される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服に取り付けて衣服の内側を冷却する衣服用冷却体であって、
当該衣服用冷却体は、1又は2以上のペルチェ素子からなる冷却発熱部材の両面を絶縁性シート状の被覆部材で被覆し、少なくとも冷却発熱部材の冷却面側の被覆部材が断熱性を有しないことを特徴とした衣服用冷却体。
【請求項2】
イットリアとジルコニアと中空セラミックをアクリル樹脂に混成させたジェルをペルチェ素子の発熱面側に塗布することを特徴とした請求項1記載の衣服用冷却体。
【請求項3】
被覆部材がシリコン製又は防水性の生地からなることを特徴とする請求項1又は2記載の衣服用冷却体。
【請求項4】
衣服に取り付けて衣服の内側を加熱する衣服用加熱体であって、
当該衣服用加熱体は、1又は2以上のペルチェ素子からなる冷却発熱部材の両面を絶縁性シート状の被覆部材で被覆し、少なくとも冷却発熱部材の発熱面側の被覆部材が断熱性を有しないことを特徴とした衣服用加熱体。
【請求項5】
イットリアとジルコニアと中空セラミックをアクリル樹脂に混成させたジェルをペルチェ素子の冷却面側に塗布することを特徴とした請求項4記載の衣服用加熱体。
【請求項6】
被覆部材がシリコン製又は防水性の生地からなることを特徴とする請求項4又は5記載の衣服用加熱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、衣服の内側を冷却又は加熱する衣服用の冷却体及び加熱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年夏場の暑さは非常に厳しいものがあり、猛暑日が連日続くことも珍しくない。このため、建築現場や作業現場など暑さの中での作業を避けることのできない現場では熱中症対策の一環として、ファン付きの作業服(空調服)が使用されるようになっている(特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再公表2002-067708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この空調服は、あくまでも外気を衣服内に送風するものであるため、衣服内を効果的に冷却できるものではない。また、この空調服は、冬場に衣服内を加熱するために使用できるものではない。
【0005】
そこで、本願発明者は、直接的に衣服内を冷却又は加熱できる衣服用冷却体又は衣服用加熱体の提供を目的として本願発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の発明から第3の発明は、衣服用冷却体に関するものである。
第1の発明は、衣服に取り付けて衣服の内側を冷却する衣服用冷却体であって、当該衣服用冷却体は、1又は2以上のペルチェ素子からなる冷却発熱部材の両面を絶縁性シート状の被覆部材で被覆し、少なくとも冷却発熱部材の冷却面側の被覆部材が断熱性を有しないことを特徴としたものである。
第2の発明は、イットリアとジルコニアと中空セラミックをアクリル樹脂に混成させたジェルをペルチェ素子の発熱面側に塗布することを特徴とした同衣服用冷却体である。
第3の発明は、被覆部材がシリコン製又は防水性の生地からなることを特徴とする同衣服用冷却体である。
【0007】
本願発明の第4の発明から第6の発明は、衣服用冷却体に関するものである。
第4の発明は、衣服に取り付けて衣服の内側を加熱する衣服用加熱体であって、当該衣服用加熱体は、1又は2以上のペルチェ素子からなる冷却発熱部材の両面を絶縁性シート状の被覆部材で被覆し、少なくとも冷却発熱部材の発熱面側の被覆部材が断熱性を有しないことを特徴としたものである。
第5の発明は、イットリアとジルコニアと中空セラミックをアクリル樹脂に混成させたジェルをペルチェ素子の冷却面側に塗布することを特徴とした同衣服用加熱体である。
第6の発明は、被覆部材がシリコン製又は防水性の生地からなることを特徴とする同衣服用加熱体である。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)本願発明に係る衣服用冷却体又は衣服用加熱体が、その基部にペルチェ素子からなる冷却発熱部を使用することで、ペルチェ素子の持つ冷却作用と加熱作用を使って、直接的に衣服内の冷却化又は加熱化を実現できた。
(2)また、イットリアとジルコニアと中空セラミックをアクリル樹脂に混成させたジェルをペルチェ素子の発熱面側又は冷却面側に塗布することで、目的とする冷却面側又は加熱面側と反対側(加熱面側又は冷却面側)を断熱できるので、反対側の被覆部材に断熱性が無くても問題にならない。
(3)さらに、この冷却発熱部の両面を絶縁性シート状の被覆部材で被覆するので、衣服用冷却体又は衣服用加熱体が人体に触れても感電の心配は無く安心して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願発明の衣服用冷却体に係る実施形態を示す説明図(1)。
図2】本願発明の衣服用冷却体に係る実施形態を示す説明図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態では衣服用冷却体を例に挙げて説明する。但し、衣服用加熱体もこれと実質的に同じ考え方である。
図1は、衣服用冷却体1を正面から図示した説明図である。
図示する衣服用冷却体1は、その内部に6個のペルチェ素子からなる冷却発熱部材2を備えており、ベスト等の衣服(図示省略)に縫製やボタン・ホック等の手段で取り付けて使用する。
【0011】
図2は、衣服用冷却体1の端面を図示した説明図である。
図示するように、衣服用冷却体1は、ペルチェ素子からなる冷却発熱部材2を両面から絶縁性シート状の被覆部材3で被覆(サンド)したものである。
【0012】
冷却発熱部材2は、変圧器装置(スイッチ)4が接続されて、ON・OFFや温度などが制御される。
冷却発熱部材2は、変圧器装置(スイッチ)4によって電流の向きを変えられれば冷却面と発熱面を自在に制御できるので、夏場・冬場で衣服用冷却体1の取り付け方向を変える必要がなくなる。
【0013】
被覆部材3は、絶縁性シート状のものであり、断熱性を有しないものである。前者はペルチェ素子からなる冷却発熱部材2による感電を防止するためであり、後者はペルチェ素子からなる冷却発熱部材2による冷却作用及び加熱作用を阻害しないようにするためである。なお、後者については、冷却作用が求められている冷却発熱部材2にあっては、加熱作用を生ずる発熱面に、イットリアとジルコニアと中空セラミック(さらに、シリカやアルミナなどを加えてもよい)をアクリル樹脂に混成させたジェルを塗布する。このジェルが断熱性があるので、被覆部材3に断熱性が無くても特に問題が生じない。
【0014】
被覆部材3の材質は特に限定するものではないが、例えば、シリコン製のものや防水性の生地製のものであってよい。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本願発明に係る衣服用冷却体および衣服用加熱体は、暑さ寒さの厳しい季節(特に夏場・冬場等)や現場で、直接的に衣服の内側を冷却又は加熱できるアイテムとして幅広く利用できるものである。
【0016】
また、仕事としてだけではなく、お年寄りが家庭内で利用してもよいし(夏場にクーラーの苦手な年配者が利用するのに好適である)、外での運動や外出時に利用してもよい。
【符号の説明】
【0017】
1 衣服用冷却体
2 冷却発熱部材(ペルチェ素子)
3 被覆部材
4 変圧器装置(スイッチ)
図1
図2