(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133088
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】蓄電装置及び被災地での電源供給方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20220906BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20220906BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20220906BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220906BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/35 K
H02J7/34 H
H02J7/00 302C
H01M10/44 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031950
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】520466504
【氏名又は名称】株式会社創眞
(74)【代理人】
【識別番号】100098187
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 正司
(72)【発明者】
【氏名】猪苗代 進一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】平松 雄二
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB02
5G503GB03
5G503GB06
5H030AA10
5H030AS06
5H030AS18
5H030FF43
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】多様な使用目的に適合させることのできる蓄電装置を提供する。
【解決手段】複数の蓄電ユニット10を脱着可能に受け入れる複数のスロット6を備えた充電・給電ステーション4を有する。各蓄電ユニット10を各スロット6に装着すると電力の授受が可能になるスロットI/Fが確立される。各蓄電ユニット10は、BMS90で管理される二次電池94と、電源I/F14と、給電I/F16とを有する。充電・給電ステーション4は、各スロットに配置されたスロット側端子を有し、これらスロット側端子は互いに並列に接続されている。充電・給電ステーション4は、電源I/F60と、給電I/F50と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電ユニットと、
該複数の蓄電ユニットの各々を脱着可能に受け入れる複数のスロットを備えた充電・給電ステーションと、を有し、
前記蓄電ユニットと前記スロットとはインターフェースを備え、各蓄電ユニットを各スロットに装着すると、各蓄電ユニットと前記充電・給電ステーションとの間で電力の授受が可能になるスロットインターフェースが確立され、各蓄電ユニットを各スロットから取り外すと前記スロットインターフェースが解除され、
前記各蓄電ユニットは、
バッテリマネジメントシステム(BMS)で管理される二次電池と、
該二次電池を充電するためのユニット電源インターフェースと、
前記二次電池の電力を外部機器に給電するためのユニット給電インターフェースと、を有し、
前記充電・給電ステーションは、前記スロットに装着された前記蓄電ユニットとの間で前記スロットインターフェースを確立するために各スロットに配置されたスロット側端子であって、これらスロット側端子が互いに並列に接続され、
前記スロットに装着された前記蓄電ユニットを充電するためのステーション電源インターフェースと、
前記スロットに装着された前記蓄電ユニットの電力を外部機器に給電するためのステーション給電インターフェースと、を有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記充電・給電ステーションは、前記各スロット側端子に接続された双方向DC/DCコンバータを有する、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記充電・給電ステーションは、前記ステーション電源インターフェースとして、交流の商用電源コンセントに差し込む電源プラグを有し、また、商用電源を直流に変換する双方向DC/ACコンバータを有し、
該DC/ACコンバータの最大出力が、前記双方向DC/DCコンバータの最大出力よりも大きい、請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電装置の一部を構成する蓄電ユニットであって、
該蓄電ユニットを前記スロットに装着することで、前記スロット側端子との間に前記スロットインターフェースを確立するユニット側端子を有し、
該ユニット側端子と前記スロット側端子が凹凸嵌合することを特徴する蓄電ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電装置の一部を構成する充電・給電ステーション。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電装置を複数搭載したトラックで被災地に複数の充電済みの前記蓄電装置を運ぶ搬送工程と、
被災地の住民の要請に応じて、充電済みの前記蓄電装置を提供する蓄電装置提供工程と、
住民から返却された前記蓄電ユニットを前記トラックの中で充電する蓄電ユニット充電工程とを有し、
該蓄電ユニット充電工程において、前記トラックに搭載されたエンジン付き発電機や数多くのソーラ・パネルを用いて、前記蓄電ユニットを充電することを特徴とする被災地での電源供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、蓄電装置及び被災地での電源供給方法に関し、より詳しくは、複数の蓄電ユニットと、これを受け入れる充電・給電ステーションとを含む蓄電装置に関し、各蓄電ユニットはポータブルである。複数の蓄電ユニットは共通の外形を有し、充電・給電ステーションの同じ形の複数のスロットの各々に脱着自在である。本発明に係る蓄電装置は、典型的には、一般家庭に好適に適用される。
【背景技術】
【0002】
東北大震災、度重なる激甚災害が発生する昨今、これに伴って発生する大規模停電の対策が喫緊の課題となっている。例えば、特許文献1は、交通信号灯のバックアップ電源として、停電発生時に迅速に、商用電源からハイブリッド蓄電池に切り替える制御装置を提案している。この特許文献1に開示のハイブリッド蓄電池は、互いに並列に接続されたリチウムイオン電池と鉛蓄電池とで構成されている。
【0003】
長時間に亘る停電は、一般家庭において、電化製品が使えない不便さにとどまらず、冷蔵庫が停止することで食糧が腐敗する、トイレの水が流せない等、日常生活に大きな実害や支障を及ぼす。このことに加えて、2020年に発生した世界的なコロナ禍の中で在宅勤務が推奨されている。在宅勤務中での停電事故はネット環境からの遮断に通じるため個人個人のビジネスに大きな影響を与える。
【0004】
このような背景の下で、各家庭の非常用電源としてポータブル蓄電池が注目されている。ポータブル蓄電池は「ポータブル電源」とも呼ばれているが、この明細書では用語を統一して「ポータブル蓄電池」と呼ぶ。ポータブル蓄電池はハンドルを有し、ユーザはハンドルを把持して所望の場所に持ち運ぶことができる。
【0005】
市販のポータブル蓄電池は、内蔵した二次電池、例えばリチウムイオン電池がバッテリマネジメントシステム(BMS)によって統合的に管理される。ポータブル蓄電池は、リチウムイオン電池を充電するための電源(入力)インターフェース(以下、「電源I/F」という。)と、電気機器やパソコン、照明、携帯端末などの外部機器に給電するための電力供給インターフェース(以下、「給電I/F」という。)と、を備えている。
【0006】
ポータブル蓄電池の電源I/Fは、商用電源(交流:100V)を使った充電のためのアダプターのコネクタピンを受け入れるポートを含むだけでなく、USBポート、USB-PD(Power Delivery)ポート、ソーラ・パネルからのコネクタピンを受け入れるポートなどを含んでおり、ユーザは複数の充電方法を選択できる。
【0007】
ポータブル蓄電池の給電I/Fは、AC出力、USBポート、シガーソケット出力、DC出力等を含み、ポータブル蓄電池を使って、アウトドアでの電熱器や、車中泊での電気毛布、屋外での照明、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの携帯端末などに給電することができる。
【0008】
ポータブル蓄電池は、容量の大小、リチウムイオンバッテリの種類の違いなどによって様々なタイプがあることから、非常時に限らず、上述したように、キャンプ、アウトドア、車中泊などのレジャーに利用されている。
【0009】
ところで、温室効果ガスの排出をゼロにする「脱炭素社会」の実現が世界的な動きとなっている。そして、この脱炭素社会の実現のために、太陽光、風力などの再生エネルギを活用する動きが活発化している。脱炭素社会の実現のためには、蓄電装置の利便性を高めて各家庭に蓄電装置を普及するのが効果的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ポータブル蓄電池を購入するに際し、ユーザは、自身の使用目的を慎重に考える必要がある。というのは、ポータブル蓄電池の容量は、ポータブル蓄電池の大きさを左右し、また、価格を左右する。大容量のポータブル蓄電池は小容量のポータブル蓄電池に比べて大型且つ重量物であり、また、相対的に高価である。容量の小さいポータブル蓄電池は小型且つ軽量であるが、使用できる電力の量が限られる。
【0012】
本発明の目的は、典型的には一般家庭において、多様な使用目的に適合させることのできる蓄電装置を提供することにある。本発明の更なる目的は、被災地での電源供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の蓄電装置は、複数の蓄電ユニットと、これを個別的に受け入れる複数のスロットを備えた充電・給電ステーションとを含む。各蓄電ユニットは二次電池を内蔵している。充電・給電ステーションの各スロットは端子(以下、「スロット端子」という。)を有し、蓄電ユニットが装着されると、スロット端子と蓄電ユニットとの間でインターフェースが確立される。これを「スロットI/F」と呼ぶ。スロットI/Fが確立されると、スロットI/Fを通じて充電・給電ステーションと蓄電ユニットとの間で電力の授受が可能になる。スロットから蓄電ユニットを取り外すと、スロットI/Fが解除される。
【0014】
蓄電ユニットは、従来のポータブル蓄電池と同様に、ハンドルを有しているのが良い。ユーザはハンドルを把持して蓄電ユニットをスロットに脱着操作できるし、蓄電ユニットを持ち運ぶことができる。蓄電ユニットの二次電池は、従来のポータブル蓄電池と同様に、BMSによって統合的に管理される。二次電池の典型例がリチウムイオン電池である。各蓄電ユニットは、従来のポータブル蓄電池と同様にユニット給電I/Fを備え、このユニット給電I/Fを通じて電気機器やパソコン、照明、携帯端末などの外部機器に給電することができる。
【0015】
蓄電ユニットは、内蔵の二次電池(リチウムイオン電池)を充電するためのユニット電源I/Fを備えている。このユニット電源I/Fは従来のポータブル蓄電池と同様の構成である。したがって、蓄電ユニットは、充電・給電ステーションとは無関係に、自身のユニット電源I/Fを通じて例えば商用電源やソーラ・パネルを使って充電できる。商用電源に関するユニット電源I/Fは、従来のポータブル蓄電池と同様にアダプターのコネクタピンを受け入れるポートであってもよいが、家庭用コンセント(交流100V)に差し込むための端子つまり電源プラグであっても良い。
【0016】
充電・給電ステーションは、各スロットに装着された蓄電ユニットを充電する機能を有し、好ましくは、各スロットと蓄電ユニットとの間でスロットI/Fを確立するために、各スロットには端子が配置される。そして、複数のスロットの各スロット端子は電気的に並列に接続される。充電・給電ステーションは、各スロット端子に対応した双方向DC/DCコンバータを有し、各双方向DC/DCコンバータの最大出力は、内蔵する二次電池に適合する値に制限するのが良い。各双方向DC/DCコンバータは各スロット端子に接続される。
【0017】
充電・給電ステーションの全てのスロット端子が互いに電気的に並列であることから、一部のスロットに蓄電ユニットが装着されていなくても、残部のスロットに装着された蓄電ユニットを充電することができる。充電・給電ステーションの充電機能のために、充電・給電ステーションは、家庭用商用電源(交流100V)の他に、ソーラ・パネル、風力発電等の自然エネルギを選択的に使って蓄電ユニットを充電するステーション電源I/Fを有している。ステーション電源I/Fは、典型的には、家庭用コンセント(100V)に差し込む端子つまり電源プラグであり、また、ソーラ・パネル等からのコネクタピンを受け入れるポートである。
【0018】
充電・給電ステーションは、複数のスロット中の各々の蓄電ユニットが蓄えた電力を外部機器に供給するためのステーション給電I/Fを備えている。ステーション給電I/Fは、従来のポータブル蓄電池が備えているAC出力、USBポート、シガーソケット出力、DC出力等で構成される。
【0019】
本発明に従う蓄電装置に含まれる蓄電ユニットは、従来のポータブル蓄電池と同じに利用できる。アウトドアの携帯電源、電気機器や端末の非常用電源、携帯端末のバックアップ電源、夜間照明用の電源の利用のために、蓄電ユニットを充電・給電ステーションから取り外して所望の場所に持ち運んで利用することができる。また、蓄電ユニットそれ自体が備えているユニット電源I/Fを使って、充電・給電ステーション無しでも充電できる。
【0020】
充電・給電ステーションは、複数のスロット中の蓄電ユニットを充電する機能に加えて、蓄電ユニットの充電中や充電を完了した後は、充電・給電ステーションの給電I/Fを使って蓄電ユニットが蓄えている電力を使って給電することができる。
【0021】
充電・給電ステーションのスロットに蓄電ユニットを装着したとき、蓄電ユニットの給電I/Fが露出した状態となるように設計することで、例えば、充電・給電ステーションの給電I/FのUSBポートの全てを使っている場合には、充電・給電ステーションに装着している蓄電ユニットの給電I/FのUSBポートを使って追加的に例えば携帯端末などを充電することができるようにしてもよい。
【0022】
本発明の蓄電装置は、複数の蓄電ユニットと、これを受け入れる複数のスロットを備えた充電・給電ステーションとの組み合わせによって、典型例として非常事態発生時(停電時)、蓄電ユニット単独での給電と、単数又は複数の蓄電ユニットを装着した充電・給電ステーションによる給電とのいずれでも使用可能であり、蓄電ユニットの持ち運びの自在性と、複数の蓄電ユニットを装着した充電・給電ステーションによる長時間の給電とを両立させることができる。具体的には、本発明の蓄電装置は、例えば次の多様な使い方ができる。
【0023】
(1)充電・給電ステーションを使って、複数の蓄電ユニットを充電できる。
(2)少なくとも一つの蓄電ユニットを装着した充電・給電ステーションは、蓄電ユニットの電力を使って、充電・給電ステーションの給電I/Fを通じて給電できる。例えば、非常時に充電・給電ステーションを冷蔵庫の近くにおいて、冷蔵庫を運転させ続けることができる。
【0024】
(3)充電・給電ステーションから取り外した蓄電ユニットは、ポータブル蓄電池と同じに所望の場所に持ち運んで、非常時あるいは平常時において、例えば家屋内の仕事場やキャンプ場で給電に使うことができる。
(4)蓄電ユニットは、それ自体が例えば商用電源を使って充電できるため、現在普及しているポータブル蓄電池と同じ使い方ができる。
【0025】
本発明の蓄電装置は、例えば広域災害が発生した時に威力を発揮することができる。蓄電ユニットを装着した数多くの充電・給電ステーションを予め用意して蓄電ユニットを充電済み状態に保っておく。災害に備えた備蓄である。また、エンジン付き発電機や数多くのソーラ・パネルを備えたトラックを用意し、このトラックに、蓄電ユニットを装着した数多くの充電・給電ステーションを積載する。
【0026】
災害が発生したら、上記トラックで被災地に駆けつけて、住民の要求、例えば蓄電ユニット3つとか、蓄電ユニットを含む充電・給電ステーションを2つという要請に応じて配布する。被災者が使用して空になったら、トラックまで蓄電ユニットを持参してもらって充電済みの蓄電ユニットと交換する。空の蓄電ユニットは、トラックに積載している充電・給電ステーションのスロットに装着して充電する。ソーラ・パネルが発電可能な天候であれば、ソーラ・パネルを展開してソーラ・パネルが発電した電力を使って充電・給電ステーションで蓄電ユニットを充電する。夜間などソーラ・パネルが発電できないときには、エンジン付き発電機で発電した電力を使って充電・給電ステーションで蓄電ユニットを充電する。これにより、蓄電ユニットを備えた充電・給電ステーションや蓄電ユニットを長期間に亘って住民の要求に答えて提供し続けることができる。
【0027】
避難所生活を強要されている被災者は、限られた数の商用電源コンセントからしか電気を入手できない。本発明の蓄電装置によれば、各々の被災者の要望に応じて被災者毎の実情に合致した数の蓄電ユニットや充電・給電ステーションを提供でき、避難所全体の被災者に電源を提供することができる。また、使用により空になったら、被災者は空の蓄電ユニットをトラックの中で充電した蓄電ユニットと交換することで長期間に亘って避難所全体に電源を提供し続けることができる。トラックの中での充電にソーラ・パネルを使うことで、燃料切れなどの時間的な制約の問題を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】実施例の蓄電装置の一部を構成する蓄電ユニットを斜め前方から見た斜視図である。
【
図5】実施例の蓄電装置の一部を構成する充電・給電ステーションの回路ブロック図である。
【
図6】実施例の蓄電装置の一部を構成する蓄電ユニットの回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0029】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1は、実施例の蓄電装置2を示す。蓄電装置2は充電・給電ステーション4を含み、充電・給電ステーション4は5つの横並びに配列されたスロット6を有し、各スロット6に、夫々、一つの蓄電ユニット10が受け入れられる。5つのスロット6は共通した形状を有し、各スロット6は、蓄電ユニット10の外形輪郭と相補的な形状を有している。複数の蓄電ユニット10の外形は共通である。なお、
図1に図示の充電・給電ステーション4は、5つのスロット6のうち、左端のスロット6が空の状態であり、残る4つのスロット6には蓄電ユニット10が装着された状態にある。
【0030】
図2乃至
図4は蓄電ユニット10を示し、
図2は斜め前方から見た斜視図であり、
図3は背面図であり、
図4は底面図である。蓄電ユニット10は、頂面10aにハンドル12を有し、ユーザがハンドル12を把持してスロット6の中に蓄電ユニット10を抜き差しすることができ、また、蓄電ユニット10を持ち運ぶことができる。
【0031】
蓄電ユニット10は、市販のポータブル蓄電池と同様に、ユニット電源I/F14(
図3)とユニット給電I/F16(
図2)とを有している。ユニット給電I/F16は蓄電ユニット10の前面に配置されている。ユニット給電I/F16は、シガーソケット出力20、3つのUSBポート22(5V・2A)、2つのAC出力(コンセント)24の他に、ユニット給電ON/OFFスイッチ26を含んでいる。蓄電ユニット10の前面には、上記ユニット給電I/F16の他に、例えば液晶からなる表示器28が配設されている(
図2)。
【0032】
図3を参照して、蓄電ユニット10の背面にはユニット電源I/F14が配置されている。ユニット電源I/F14は、充電アダプターのコネクタピンを受け入れる電源ポート30で構成されている。蓄電ユニット10の背面には、電源ポート30に隣接して、ユニット電源入力ON/OFFスイッチ32、ユニット電源入力ランプ34が配設されている。なお、
図2、
図3に図示の参照符号40は通気孔を示す。
【0033】
図1を参照して、5つのスロット6は横並びに配置されている。そして、左端のスロット6の左方には、ステーション給電I/F50が配設されている。ステーション給電I/F50は、シガーソケット出力52、3つのUSBポート54(5V・2A)、2つのAC出力56の他に、ステーション給電ON/OFFスイッチ58を含んでいる。
【0034】
引き続き
図1を参照して、ステーション電源I/F60は、家庭用商用コンセント(交流100V)に差し込むための端子つまり電源プラグ62を含んでいる。
図5は、充電・給電ステーション4の回路ブロック図である。ステーション電源I/F60は、
図1、
図5に図示のように、ソーラ・パネル等からのコネクタピンを受け入れるポート64を含んでおり、充電・給電ステーション4のスロット6に装着した蓄電ユニット10は、商用電源又はソーラ・パネルを使って充電することができる。
【0035】
図5を参照して、充電・給電ステーション4は、商用電源の交流を直流に変換する双方向DC/ACコンバータ66を有し、DC/ACコンバータ66の最大出力は3000Wである。
図5に図示の参照符号68はブレーカを示す。ステーション給電I/F50のシガーソケット出力52や3つのUSBポート54(5V・2A)には低電圧基板70が接続されている。また、双方向DC/ACコンバータ66に2つのAC出力コンセント56が接続されている。
【0036】
充電・給電ステーション4の5つのスロット6の各々には、蓄電ユニット10との間のインターフェース80(以下、「スロットI/F」という。)が配設されている。具体的に説明すると、各スロット6の底面には、矩形突起で構成されるスロット側凸状端子(作図上の理由から図面に現れていない)が設けられている。他方、蓄電ユニット10には、ハンドル12を備えた頂面10aとは反対側の底面10bにユニット側凹状端子82が設けられている(
図4)。ユニット側凹状端子82は、上記スロット側凸状端子と対応した位置に配置されており、蓄電ユニット10をスロット6に装着すると、ユニット側凹状端子82とスロット側凸状端子とが凹凸嵌合してスロットI/F80が確立される。スロットI/F80が確立されると、充電・給電ステーション4と蓄電ユニット10との間で電力の授受が可能になる。他方、蓄電ユニット10をスロット6から取り外すと、スロットI/F80が解除される。
【0037】
充電・給電ステーション4の5つのスロットI/F80の各々に接続されたDC/DCコンバータ84を5つ有し、各DC/DCコンバータ84は双方向コンバータであり、最大出力は500Wである。
【0038】
図6は、蓄電ユニット10の回路ブロック図である。蓄電ユニット10は、上述したスロットI/F80に接続されたBMS90と充電基板92とを有し、BMS90によって、内蔵リチウムイオン電池(二次電池)94が統合的に管理される。蓄電ユニット10は低電圧基板96を有し、低電圧基板96に前述したユニット給電I/F16(
図2)が接続されている。蓄電ユニット10は、また、DC/ACコンバータ98を有し、このDC/ACコンバータ98はAC出力に用いられる。ユニット給電I/F16は、シガーソケット出力20、複数のUSBポート22(5V・2A)、複数のAC出力(コンセント)24を含む。
【0039】
実施例の蓄電装置2は、非常時ないし平常時において、様々な態様で家屋内又は屋外で電源として利用することができる。すなわち、蓄電ユニット10を従来のポータブル蓄電池と同様に利用することができる。また、蓄電ユニットそれ自体のユニット電源I/F14(
図3)を使って、充電・給電ステーション4無しでも充電できる。
【0040】
充電・給電ステーション4は、この充電・給電ステーション4が備える充電機能によって、5つのスロット6のいずれか又は全てに装着された蓄電ユニット10を充電することができる。また、充電・給電ステーション4は、ステーション給電I/F50(
図5)を使って例えば冷蔵庫に給電することができる。
【0041】
蓄電ユニット10は、それ自体で例えば商用電源を使って充電できるため、現在普及しているポータブル蓄電池と同じ使い方ができる。
図1から分かるように、充電・給電ステーション4のスロット6に装着した時、蓄電ユニット10は、ハンドル12が設置された頂面10aだけが露出している。したがって、蓄電ユニット10の給電I/F16はスロット6の中に入ってしまっているため、ユニット給電I/F16(
図2)を使用できない。変形例として、例えばハンドル12が設置された頂面10aにユニット給電I/F16を設置してもよい。これにより、充電・給電ステーション4のスロット6に装着した時、ステーション給電I/F50(
図5)だけでなく、ユニット給電I/F16も使って給電することができる。