(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133099
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】粘性改良剤
(51)【国際特許分類】
C08L 77/06 20060101AFI20220906BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20220906BHJP
C08K 5/17 20060101ALI20220906BHJP
C08L 67/00 20060101ALI20220906BHJP
C08L 71/02 20060101ALI20220906BHJP
C08G 69/02 20060101ALI20220906BHJP
C07C 233/09 20060101ALN20220906BHJP
C07C 233/05 20060101ALN20220906BHJP
【FI】
C08L77/06
C09K3/00 103N
C08K5/17
C08L67/00
C08L71/02
C08G69/02
C07C233/09 Z
C07C233/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031971
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000106438
【氏名又は名称】サンノプコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112438
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 健一
(72)【発明者】
【氏名】浦本 海
(72)【発明者】
【氏名】松村 陽平
【テーマコード(参考)】
4H006
4J001
4J002
【Fターム(参考)】
4H006AA03
4H006AB90
4H006BV22
4H006BV34
4J001DA01
4J001DB01
4J001DC06
4J001DC12
4J001DD13
4J001EB03
4J001EB08
4J001EC28
4J001EE02E
4J001EE16F
4J001FB03
4J001FB06
4J001FC03
4J001FD03
4J001GA11
4J001JA20
4J002CF002
4J002CH013
4J002CL031
4J002DA037
4J002DA057
4J002DE237
4J002DH057
4J002EN026
4J002EN106
4J002EP008
4J002GT00
(57)【要約】
【課題】チクソトロピー性に優れる粘性改良剤を提供すること。
【解決手段】有機流体及び微粒子を含んでなる組成物用の粘性改良剤であって、ポリアミンのカルボン酸アミドを含むことを特徴とする粘性改良剤を用いる。ポリアミンのカルボン酸アミドは式(1)のアミドが好ましい。
R
1、R
6はアシル基、水素原子、炭化水素基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシポリオキシアルキレン基であり、R
1、R
6のうち少なくとも一つはアシル基であり、R
2~R
5は水素原子、炭化水素基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシポリオキシアルキレン基、R
7は炭化水素基、xは1~5、yは0~10、x及びyの和は少なくとも2。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機流体及び微粒子を含んでなる組成物用の粘性改良剤であって、ポリアミンのカルボン酸アミド(A)を含むことを特徴とする粘性改良剤。
【請求項2】
ポリアミンのカルボン酸アミド(A)が式(1)で表されるアミドである請求項1に記載の粘性改良剤。
【化1】
R
1及びR
6は炭素数8~22のアシル基、水素原子、炭素数1~6の炭化水素基、炭素数2~4のヒドロキシアルキル基又はヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4)であり、R
1及びR
6のうち少なくとも一つは炭素数8~22のアシル基であり、R
2~R
5は水素原子、炭素数1~6の炭化水素基、炭素数2~4のヒドロキシアルキル基又はヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4)、R
7は炭素数2~36の炭化水素基、xは1~5の整数、yは0~10の整数、x及びyの和(x+y)は少なくとも2である。
【請求項3】
さらにアミン(B)を含んでなる請求項1又は2に記載の粘性改良剤。
【請求項4】
カルボン酸アミド(A)及びアミン(B)の重量に基づいて、カルボン酸アミド(A)の含有量が50~99重量%、アミン(B)の含有量が1~50重量%である請求項3に記載の粘性改良剤。
【請求項5】
ポリオキシアルキレン化合物及び/又はポリエステルポリオール、微粒子及び請求項1~3のいずれかに記載の粘性改良剤を含んでなることを特徴とするポリウレタン製造用のプレミックス組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性改良剤に関する。
【背景技術】
【0002】
「(A)赤リン3~50質量%、(B)沈降防止剤0.2~15質量%を含むポリウレタン用難燃剤組成物(沈降防止剤が、カーボンブラック、微粉シリカ、水添ヒマシ油ワックス、脂肪酸アミドワックスおよび有機クレーから選択される少なくとも一種)」が知られており(特許文献1の請求項1及び2)、この沈降防止剤が粘性改良剤として作用すると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の沈降防止剤では、チクソトロピー性が不十分であるという問題がある。本発明の目的は、チクソトロピー性に優れる粘性改良剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の粘性改良剤の特徴は、有機流体及び微粒子を含んでなる組成物用の粘性改良剤であって、ポリアミンのカルボン酸アミド(A)を含む点を要旨とする。
【0006】
本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物の特徴は、ポリオキシアルキレン化合物及び/又はポリエステルポリオール、微粒子及び上記の粘性改良剤を含んでなる点を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粘性改良剤は、有機流体及び微粒子を含んでなる組成物に対して優れたチクソトロピー性を付与できる。
【0008】
本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物は、上記の粘性改良剤を含んでいるので、チクソトロピー性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ポリアミンのカルボン酸アミド(A)は、ポリアミンとカルボン酸とを公知のアミド化反応によって得られる化合物が含まれる。
【0010】
ポリアミンとしては特に制限はないが、(ポリ)アルキレンポリアミン(アルキレンの炭素数2~3)及びこの変性体が含まれる。
【0011】
(ポリ)アルキレンポリアミンとしては、チクソトロピー性の観点から、(ポリ)エチレンポリアミンが好ましく、さらに好ましくはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン、特に好ましくはトリエチレンテトラミン及びペンタエチレンヘキサミンである。
【0012】
(ポリ)アルキレンポリアミンの変性体としては、N-アルキル変性体、N-アルケニル変性体、N-アリール変性体、N-ヒドロキシアルキル変性体及びN-ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2~4)変性体が挙げられる。
【0013】
カルボン酸としては特に制限はないが、1~2価のカルボン酸が含まれる。ポリアミンのカルボン酸アミドには少なくとも1価カルボン酸とのアミドを含むことが好ましい。
【0014】
1価カルボン酸としては、炭素数8~22の飽和又は不飽和の脂肪酸が使用でき、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸及びリシノール酸等が挙げられる。また、これら以外に天然油脂脂肪酸も使用でき、ヤシ油脂肪酸、落花生油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、トール油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸及び綿実油脂肪酸等が挙げられる。これらのうち、チクソトロピー性の観点から、オレイン酸及びヤシ油脂肪酸が好ましい。
【0015】
2価カルボン酸としては、炭素数4~38の飽和又は不飽和のジカルボン酸が使用でき、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びダイマー酸(炭素数18の不飽和脂肪酸の二量化した二塩基酸の混合物、以下同じ。)等が挙げられる。ポリアミンのカルボン酸アミドに2価カルボン酸とのアミドを含む場合、これらのうち、チクソトロピー性の観点から、アジピン酸及びダイマー酸が好ましい。
【0016】
ポリアミンのカルボン酸アミド(A)としては、式(1)で表されるアミドが好ましく例示できる。
【0017】
【0018】
R1及びR6は炭素数8~22のアシル基、水素原子、炭素数1~6の炭化水素基、炭素数2~4のヒドロキシアルキル基又はヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4)であり、R1及びR6のうち少なくとも一つは炭素数8~22のアシル基であり、R2~R5は水素原子、炭素数1~6の炭化水素基、炭素数2~4のヒドロキシアルキル基又はヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4)、R7は炭素数2~36の炭化水素基、xは1~5の整数、yは0~10の整数、x及びyの和(x+y)は少なくとも2である。
【0019】
R1及びR6のうち、炭素数8~22のアシル基としては、オクタノイル、オクテノイル、ノナノイル、ノネノイル、デカノイル、デセノイル、ウンデカノイル、ウンデセノイル、ドデカノイル、ドデセノイル、テトラデカノイル、テトラデセノイル、ペンタデカノイル、ペンタデセノイル、ヘキサデカノイル、ヘキサデセノイル、ヘプタデカノイル、ヘプタデセノイル、オクタデカノイル、オクタデセノイル、ヒドロキシオクタデセノイル、オクタデカジエノイル、オクタデカントリエノイル、ノナデカノイル、ノナデセノイル、イコサノイル、イコセノイル、イコサジエノイル、イコサトリエノイル、イコサテトラエノイル、ヘンイコサノイル及びドコサノイル等が挙げられる。
【0020】
また、炭素数1~6の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ビニル、2-プロペニル、イソプロペニル、3-ブテニル、2-ブテニル、1-ブテニル、1-メチル-2―プロペニル、1-メチル-1-プロペニル、1-エチル-1-エテニル、2-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、シクロヘキセニル、エチニル、2-プロピニル、1-ブチニル、1-ヘキシニル、シクロヘキシニル及びフェニル等が挙げられる。
【0021】
また、炭素数2~4のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0022】
また、ヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4)としては、炭素数2~4のオキシアルキレン基(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン)の複数個(オキシアルキレン基の繰り返し数2~50)が化学結合したポリオキシアルキレン鎖が含まれる。ポリオキシアルキレン鎖は、1種類のオキシアルキレン基から構成されてもよいし、2種類以上のポリオキシアルキレン基から構成されてもよく、2種以上から構成される場合、結合様式はブロック、ランダム及びこれの混合のいずれでもよい。
【0023】
R1及びR6のうち、チクソトロピー性の観点から、炭素数8~22のアシル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数8~18のアシル基、特に好ましくはオクタデセノイル基である。R1及びR6は同じでも異なってもよい。
【0024】
R2~R5のうち、炭素数1~6の炭化水素基、炭素数2~4のヒドロキシアルキル基及びヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4)としては、上記と同様である。
【0025】
R2~R5のうち、チクソトロピー性の観点から、水素原子、炭素数1~3の炭化水素基、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4、オキシアルキレン基の繰り返し数2~50)が好ましく、さらに好ましくは水素原子、メチル、ヒドロキシエチル及びヒドロキシポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数2~4、オキシアルキレン基の繰り返し数2~50)である。R2~R5は同じでも異なってもよい。
【0026】
炭素数2~36の炭化水素基(R7)としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、イコシレン、フェニレン及びダイマー酸の反応残基(ダイマー酸から2個のカルボキシ基を除いた残基;ダイマー酸は混合物であり化学構造の特定が著しく困難である。)等が挙げられ、好ましくはブチレン基及びダイマー酸の反応残基である。
【0027】
xは、1~5の整数であり、チクソトロピー性の観点から、好ましくは2~5の整数、さらに好ましくは3~5の整数である。
【0028】
yは、0~10の整数であり、チクソトロピー性の観点から、好ましくは0~6の整数、さらに好ましくは0~4の整数、特に好ましくは0~2の整数である。
【0029】
x及びyの和(x+y)は少なくとも2であり、チクソトロピー性の観点から、好ましくは少なくとも3である。
【0030】
xが2以上の場合、R3及びR5は分子中に複数個存在し、yが2以上の場合、x、R2、R3及びR7が分子中に複数個存在するが、それらは同じでも異なっていてもよい。
【0031】
式(1)で表されるアミドは、R1及びR6のうち少なくとも一つは炭素数8~22のアシル基であり、(ポリ)アルキレンポリアミンの1級アミノ基がアミド化されているアミドを表しているが、R2~R5のいずれかがアシル基であるアミド、すなわち、(ポリ)アルキレンポリアミンの2級アミノ基がアミド化されたアミド等が本発明の効果を阻害しない範囲で不純物として含まれていてもよい。
【0032】
ポリアミンのカルボン酸アミド(A)は公知の方法によって容易に得ることができ、たとえば、(ポリ)アルキレンポリアミンとカルボン酸とを加熱脱水(たとえば、減圧下又は常圧下で60~250℃)してアミド化する方法や、(ポリ)アルキレンポリアミンとカルボン酸ハライド又はカルボン酸エステルとを反応させて脱ハロゲン化水素又は脱アルコールする方法によって得られる。
【0033】
ポリアミンのカルボン酸アミド(A)が(ポリ)アルキレンポリアミンの変性体とカルボン酸とからなる場合、<1>上記のようにアミド化してから変性してもよいし、<2>(ポリ)アルキレンポリアミンの変性体を得てからこれとカルボン酸とからアミド化して得てもよい。
【0034】
<1>アミド化してから変性する場合、公知の方法により、アミドとアルキル化剤、アルケニル化剤及びアリール化剤(ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アリール、アルキル硫酸等)とを反応させて、N-アルキル変性体、N-アルケニル変性体、N-アリール変性体を得ることができる。また、公知の方法により、アミドとアルキレンオキシドとを反応させて、N-ヒドロキシアルキル変性体、N-ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2~4)変性体を得ることができる。
【0035】
<2>(ポリ)アルキレンポリアミンの変性体を得てからこれとカルボン酸とからアミド化する場合、公知の方法により、(ポリ)アミンとアルキル化剤、アルケニル化剤及びアリール化剤(ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アリール、アルキル硫酸等)とを反応させて、N-アルキル変性体、N-アルケニル変性体、N-アリール変性体を得ることができる。また、公知の方法により、(ポリ)アミンとアルキレンオキシドとを反応させて、N-ヒドロキシアルキル変性体、N-ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2~4)変性体を得ることができる。
【0036】
(ポリ)アルキレンポリアミンは1級アミノ基がアミド化しやすく、また変性もしやすい。2級アミノ基にアミド化したり、変性する場合、ケトン(アセトンやメチルイソブチルケトン等)で1級アミノ基を保護(ケチミンを生成)してからアミド化や変性を行って、その後ケチミンを加水分解して保護基(イミノ基)を1級アミノ基に変換することができる(この後、1級アミノ基を変性やアミド化することができる)。
【0037】
ポリアミンのカルボン酸アミド(A)は、精製して単一成分としてもよいが、複数のポリアミンのカルボン酸アミドからなる混合物でもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で未反応物や副生物を含んでいてもよい。
【0038】
本発明の粘性改良剤を適用できる有機流体は特に制限なく、流動性のある有機物、すなわち非水流体が含まれ、特にポリオキシアルキレン化合物及び/又はポリエステルポリオール等に効果的である。有機流体として、ポリオキシアルキレン化合物及び/又はポリエステルポリオール以外に、有機溶媒(アミド、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素等)等にも適用できる。
【0039】
ポリオキシアルキレン化合物としては、炭素数2~4のオキシアルキレンの繰り返し単位を含む化合物が含まれ、モノアルコール、モノカルボン酸又はモノアミンのアルキレンオキシド(炭素数2~4)付加体、2~6価のポリオールのアルキレンオキシド(炭素数2~4)付加体、これらのアルキレンオキシド付加体と脂肪酸とのエステル化物、加水分解性シリル基含有アルキレンオキシド付加体(特開昭52-73998公報等)及びこれらのアルキレンオキシド付加体とイソシアネートとの反応体(ウレタンプレポリマー、すなわち、イソシアネートオリゴマー)等が挙げられる。
【0040】
ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸とジオールとの反応体(少なくとも2個の水酸基を持つポリエステルであって、ジオールの一部をトリオールに変更したものでもよい)等が挙げられる。
【0041】
本発明の粘性改良剤を適用できる微粒子は特に制限はなく、特に炭素微粒子(カーボンブラック等の微粒子)、金属炭酸塩微粒子(炭酸カルシウム等の微粒子)及びリン化合物微粒子(赤リン又はポリリン酸アンモニウム等の微粒子)に効果的である。また、これらの他に、金属水酸化物微粒子(水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム等の微粒子)、金属酸化物微粒子(酸化チタン又は酸化アルミニウム等の微粒子)、金属硫酸塩微粒子(硫酸カルシウム、硫酸バリウム又は硫酸セリウム等の微粒子)、金属ケイ酸塩微粒子(ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム又はケイ酸マグネシウム等の微粒子)、金属微粒子(金、ロジウム、パラジウム又は白金等の微粒子)、窒化物微粒子(メラミン、ポリリン酸メラミン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素又は窒化ケイ素等の微粒子)及びこれらを含む複合体微粒子(セピオライト、ゼオライト、コージェライト、ベーマイト、イモゴライト、セリサイト、合金、珪藻土、ハイドロタルサイト、クレー、タルク、マイカ又はガラス等の微粒子)等にも効果的である。
【0042】
本発明の粘性改良剤にはさらにアミン(B)を含むことが好ましい。アミン(B)としては、モノアミン及びポリアミンが含まれる。
【0043】
モノアミンとしては、炭素数2~6の脂肪族モノアミン、炭素数3~6の脂環式モノアミン及び炭素数5~8の芳香族モノアミン等が使用できる。
【0044】
脂肪族モノアミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、ジメチルエタノールアミン及びジエチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0045】
脂環式モノアミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン、1,4-エチレンピペラジン、ジアザビシクロウンデセン及びジアザビシクロノネン等が挙げられる。
【0046】
芳香族モノアミンとしては、アニリン、ピリジン、ピペリジン、ベンジルアミン及びフェニレンジアミン等が挙げられる。
【0047】
ポリアミンとしては、上記と同様のもの{ポリアミンとしては特に制限はないが、(ポリ)アルキレンポリアミン(アルキレンの炭素数2~3)及びこの変性体}等が使用できる。
【0048】
これらのうち、脂肪族モノアミン及びポリアミンが好ましく、さらに好ましくは(ポリ)エチレンポリアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンである。
【0049】
本発明の粘性改良剤にさらにアミン(B)を含む場合、カルボン酸アミド(A)の含有量(重量%)は、カルボン酸アミド(A)及びアミン(B)の重量に基づいて、50~99が好ましく、さらに好ましくは75~90である。また、アミン(B)の含有量(重量%)は、カルボン酸アミド(A)及びアミン(B)の重量に基づいて、1~50が好ましく、さらに好ましくは10~25である。この範囲であると、チクソトロピー性がさらに良好となる。
【0050】
アミン(B)を含む場合、本発明の粘性改良剤は、ポリアミンのカルボン酸アミド(A)及びアミン(B)を均一混合して調製できる。なお、本発明の粘性改良剤にアミン(B)を含み、アミン(B)がポリアミンの場合、ポリアミンを過剰に使用してポリアミンのカルボン酸アミド(A)を調製して未反応ポリアミンをそのまま含有させてもよい。
【0051】
本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物は、ポリオキシアルキレン化合物及び/又はポリエステル、微粒子及び上記の粘性改良剤を含んでいれば、これらの他に、ポリウレタン用として用いられる添加剤(整泡剤、劣化防止剤、可塑剤、硬化剤及び発泡剤等)等を含んでもよい。
【0052】
整泡剤としては、ジメチルシロキサン整泡剤及びポリエーテル変性ジメチルシロキサン整泡剤等が挙げられる。劣化防止剤としては、トリアゾール劣化防止剤及びベンゾフェノン劣化防止剤等が挙げられる。可塑剤としては、フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等が挙げられる。硬化剤としては、アミノ化合物、錫化合物、ビスマス化合物及びアセチルアセトン金属塩等が挙げられる。発泡剤としては、水、ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素及び液化炭酸ガス等が挙げられる。
【0053】
本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物は、イソシアネートと混合した後、硬化させて、ポリウレタンを調製できる。
【0054】
イソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性体等が含まれる。
【0055】
本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物において、粘性調整剤の含有量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物、ポリエステル及び難燃剤の重量に基づいて、0.01~10が好ましく、さらに好ましくは0.1~9、特に好ましくは0.2~8である。
【実施例0056】
以下、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。{ }内の記号及び内容は式(1)に対応する。
【0057】
<実施例1>
テトラエチレンペンタミン1モル部とオレイン酸1モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A1)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(1)とした。なお、液体クロマトグラフィー分析及び1H-NMRスペクトル分析の結果(以下同じである。)、このアミド(A1)はビスアミド{R1・R6:オクタデセノイル、R4・R5:水素原子、x:4、y:0}、モノアミド{R1:オクタデセノイル、R4・R5・R6:水素原子、x:4、y:0}及びテトラエチレンペンタミンの統計学的な混合物(モル比1:1:1)が主成分であった。
【0058】
<実施例2>
テトラエチレンペンタミン1モル部とオレイン酸2モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A2)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(2)とした。なお、このアミド(A2)はN、N’’’’-ジオクタデセノイルテトラエチレンペンタミン{R1・R6:オクタデセノイル、R4・R5:水素原子、x:4、y:0}が主成分であった。
【0059】
<実施例3>
ジエチレントリアミン1モル部とオレイン酸2モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A3)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(3)とした。なお、このアミド(A3)はN、N’’-ジオクタデセノイルジエチレントリアミン{R1・R6:オクタデセノイル、R4・R5:水素原子、x:2、y:0}が主成分であった。
【0060】
<実施例4>
テトラエチレンペンタミン2モル部とアジピン酸1モル部とオレイン酸2モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A4)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(4)とした。なお、このアミド(A4)はN-オクタデセノイルテトラエチレンペンタミン2つとアジピン酸1つとが2つのアミド結合で連結されたテトラアミド{R1・R6:オクタデセノイル、R2・R3・R4・R5:水素原子、R7:ブチレン、x:4、y:1}が主成分であった。
【0061】
<実施例5>
テトラエチレンペンタミン3モル部とダイマー酸(ハリダイマー200、ハリマ化成株式会社)2モル部とオレイン酸2モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A5)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(5)とした。なお、このアミド(A5)はN-オクタデセノイルテトラエチレンペンタミン2つとテトラエチレンペンタミン1つとダイマー酸2つとが4つのアミド結合で連結されたヘキサアミド{R1・R6:オクタデセノイル、R2・R3・R4・R5:水素原子、R7:炭素数34の炭化水素基、x:4、y:2}が主成分であった。
【0062】
<実施例6>
テトラエチレンペンタミン1モル部とヤシ油脂肪酸(椰子油脂肪酸、日油株式会社)1モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A6)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(6)とした。なお、このアミド(A6)はビスアミド{R1・R6:炭素数8~18のアシル基、R4・R5:水素原子、x:4、y:0}、モノアミド{R1:炭素数8~18のアシル基、R4・R5・R6:水素原子、x:4、y:0}及びテトラエチレンペンタミンの統計学的な混合物(モル比1:1:1)が主成分であった。
【0063】
<実施例7>
ジエチレントリアミン1モル部とアセトン2モル部とを反応させて1級アミノ基をケチミンにより保護した後、エチレンオキシド1モル部を水酸化カリウム触媒下で2級アミノ基に付加反応させ、加水分解によりケチミンの保護を外して、N’―ヒドロキシエチルジエチレントリアミンを調製した。ついで、N’―ヒドロキシエチルジエチレントリアミン1モル部とオレイン酸1モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A7)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(7)とした。なお、このアミド(A7)はビスアミド{R1・R6:オクタデセノイル、R4・R5:水素原子、もう一つのR5:ヒドロキシエチル、x:2、y:0}、モノアミド{R1:オクタデセノイル、R4・R5・R6:水素原子、もう一つのR5:ヒドロキシエチル、x:2、y:0}及びN’―ヒドロキシエチルジエチレントリアミンの統計学的な混合物(モル比1:1:1)が主成分であった。
【0064】
<実施例8>
ジエチレントリアミン1モル部とアセトン2モル部とを反応させて1級アミノ基をケチミンにより保護した後、プロピレンオキシド40モル部を水酸化カリウム触媒下で2級アミノ基に付加反応させ、加水分解によりケチミンの保護を外して、N’―ヒドロキシポリオキシプロピレン(40モル)ジエチレントリアミンを調製した。ついで、N’―ヒドロキシポリオキシプロピレン(40モル)ジエチレントリアミン1モル部とオレイン酸2モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A8)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(8)とした。なお、このアミド(A8)は、N,N’’-ジオクタデセノイル-N’―ヒドロキシポリオキシプロピレン(40モル)ジエチレントリアミン{R1・R6:オクタデセノイル、R4・R5:水素原子、もう一つのR5:ヒドロキシポリオキシプロピレン、x:2、y:0}が主成分であった。
【0065】
<実施例9>
ジエチレントリアミン1モル部とアセトン2モル部とを反応させて1級アミノ基をケチミンにより保護した後、ジメチル硫酸で2級アミノ基をメチル化し、加水分解によりケチミンの保護を外して、N’―メチルジエチレントリアミンを調製した。ついで、N’―メチルジエチレントリアミン1モル部とオレイン酸1モル部とを脱水反応させて、ポリアミンのカルボン酸アミド(A9)を調製し、これを本発明の粘性改良剤(9)とした。なお、このアミド(A9)はビスアミド{R1・R6:オクタデセノイル、R4・R5:水素原子、もう一つのR5:メチル、x:2、y:0}、モノアミド{R1:オクタデセノイル、R4・R5・R6:水素原子、もう一つのR5:メチル、x:2、y:0}及びN’―メチルジエチレントリアミンの統計学的な混合物(モル比1:1:1)が主成分であった。
【0066】
<実施例10>
アミド(A1)81部及びアミン(B1;ジエタノールアミン、東京化成工業株式会社)19部を均一混合して、本発明の粘性改良剤(10)を得た。
【0067】
<実施例11>
アミド(A2)77部及びアミン(B1)23部を均一混合して、本発明の粘性改良剤(11)を得た。
【0068】
<実施例12>
アミド(A3)75部及びアミン(B1)25部を均一混合して、本発明の粘性改良剤(12)を得た。
【0069】
<実施例13>
アミド(A1)90部及びアミン(B2;テトラエチレンペンタミン、東京化成工業株式会社)10部を均一混合して、本発明の粘性改良剤(13)を得た。
【0070】
<実施例14>
アミド(A3)90部及びアミン(B3;ジエチレントリアミン、東京化成工業株式会社)10部を均一混合して、本発明の粘性改良剤(14)を得た。
【0071】
<実施例15>
アミド(A4)50部及びアミン(B1)50部を均一混合して、本発明の粘性改良剤(15)を得た。
【0072】
<実施例16>
アミド(A4)99部及びアミン(B2)1部を均一混合して、本発明の粘性改良剤(16)を得た。
【0073】
<比較例1>
特許文献1の実施例で使用した『沈降防止剤J:脂肪酸アミドワックス,楠本化成(株)製「ディスパロン A603-20X」,有効成分20%』と同等品『脂肪酸アミドワックス(アルフローH-50S、日油株式会社、「アルフロー」は同社の登録商標である。)20部及びキシレン(1級、関東化学株式会社)80部を均一混合した溶液』を比較用の粘性改良剤(H1)とした。
【0074】
<評価1>
有機流体(1;p-フタル酸ポリエステルポリオール、川崎化成工業株式会社、マキシモールRFK-505、「マキシモール」は同社の登録商標である。)40.1部、微粒子(1;ポリリン酸アンモニウム難燃剤、クラリアント プロドゥクテ(ドイチュラント)ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング、Exolite AP 422、「Exolite」は同社の登録商標である。)26.7部、評価試料{粘性改良剤(1)~(16)、比較用の粘性改良剤(H1)のいずれか}1部、液状難燃剤(トリス(クロロプロピル)ホスフェート難燃剤、大八化学工業株式会社、TMCPP)16部、発泡剤(1;Honeywell International Inc.、Solstice LBA、「SOLSTICE」は同社の登録商標である。)11.4部、シリコーン整泡剤(ダウ・東レ株式会社、SH-193)0.9部、水1.1部、硬化触媒(1;N―メチルジシクロヘキシルアミン、エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコ―ポレ―テツド、POLYCAT 12、「POLYCAT」は同社の登録商標である。)1.3部及び硬化触媒(2;三級アミン、東ソー株式会社、TOYOCAT-DM-70、「TOYOCAT」は同社の登録商標である。)1.3部を均一混合して、評価用のポリウレタン製造用のプレミックス組成物(1-1)~(1-16)及び(1-H1)を得た。
【0075】
<評価2>
有機流体(1)40.1部、微粒子(1)20部、微粒子(2;赤リン、燐化学工業株式会社、ノーバレッド 120UFA、「ノーバレッド」は同社の登録商標である。)6.7部、評価試料{粘性改良剤(3)、(4)、(14)、比較用の粘性改良剤(H1)のいずれか}1部、液状難燃剤16部、発泡剤(1)11.4部、シリコーン整泡剤0.9部、水1.1部、硬化触媒(1)1.3部及び硬化触媒(2)1.3部を均一混合して、評価用のポリウレタン製造用のプレミックス組成物(2-3)、(2-4)、(2-14)及び(2-H1)を得た。
【0076】
<評価3>
有機流体(2;ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、三洋化成工業株式会社、サンニックスGP-600、「サンニックス」は同社の登録商標である。)60部、有機流体(3;ポリオキシプロピレングリコール、三洋工業株式会社、サンニックスPP-400)40部、微粒子(1)20部、微粒子(2)6.7部、評価試料{粘性改良剤(3)、(4)、(14)、比較用の粘性改良剤(H1)のいずれか}1部、液状難燃剤16部、発泡剤(2:シクロペンタン、日本ゼオン株式会社、ゼオンソルブHP、「ゼオンソルブ」は同社の登録商標である。)15.7部、シリコーン整泡剤2部、水2.7部、硬化触媒(1)1.3部及び硬化触媒(2)1.3部を均一混合して、評価用のポリウレタン製造用のプレミックス組成物(3-3)、(3-4)、(3-14)及び(3-H1)を得た。
【0077】
評価用のポリウレタン製造用のプレミックス組成物(1-1)~(1-16)、(1-H1)、(2-3)、(2-4)、(2-14)、(2-H1)、(3-3)、(3-4)、(3-14)及び(3-H1)について、粘弾性測定装置(回転型レオメーター、Physica MCR301、Anton Paar社)を用いて、剪断速度1s-1での粘度粘度(η1;15℃、Pa・s)及び100s-1での粘度(η2;15℃、Pa・s)をそれぞれ、測定し、次式からチクソトロピーインデックス(TI)を算出して、下表に示した。
【0078】
(TI)=(η1)/(η2)
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
本発明の粘性改良剤を用いると、比較用の粘性改良剤を用いた場合に比べて、チクソトロピーインデックス(TI)が著しく大きく、チクソトロピー性に極めて優れていた。
そして、本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物はチクソトロピー性に極めて優れているので、微粒子が沈降しにくく、長期保管しても均一状態の維持が期待できる。
【0083】
<評価4>
有機流体(4;重量平均分子量12,000のポリプロピレングリコール)27.8部、有機流体(5;重量平均分子量3000のポリプロピレングリコール)18.5部、微粒子(4;重質炭酸カルシウム、竹原化学工業株式会社、SL-300)39.3部、微粒子(5;表面処理合成炭酸カルシウム、白石カルシウム株式会社、白艶華CCR、「白艶華」は同社の登録商標である。)13.9部及び評価試料{粘性改良剤(1)~(16)、比較用の粘性改良剤(H1)}1.0部を均一混合し、評価用のポリウレタン製造用のプレミックス組成物(4-1)~(4-16)及び(4-H1)を得た。
【0084】
<評価5>
有機流体(4)27.8部、有機流体(5)18.5部、微粒子(6;カーボンブラック、三菱化学株式会社、MA100)53.2部及び評価試料{粘性改良剤(3)、比較用の粘性改良剤(H1)}1部を均一混合し、評価用のポリウレタン製造用のプレミックス組成物(5-3)及び(5-H1)を得た。
【0085】
評価用のポリウレタン製造用のプレミックス組成物(4-1)~(4-16)、(4-H1)、(5-3)及び(5-H1)について、粘弾性測定装置(回転型レオメーター、Physica MCR301、Anton Paar社)を用いて、剪断速度1s-1での粘度粘度(η1;25℃、Pa・s)及び100s-1での粘度(η2;25℃、Pa・s)をそれぞれ、測定し、次式からチクソトロピーインデックス(TI)を算出して、下表に示した。
【0086】
(TI)=(η1)/(η2)
【0087】
【0088】
【0089】
本発明の粘性改良剤を用いると、比較用の粘性改良剤を用いた場合に比べて、チクソトロピーインデックス(TI)が著しく大きく、チクソトロピー性に極めて優れていた。
そして、本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物はチクソトロピー性に極めて優れているので、微粒子が沈降しにくく、長期保管しても均一状態の維持が期待できる。さらに、本発明のポリウレタン製造用のプレミックス組成物を垂直面や傾斜面に塗布しても垂れにくいと予想される。