(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133190
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220906BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032154
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】521088424
【氏名又は名称】トアール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518335665
【氏名又は名称】株式会社キュービークリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】村上 正昭
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智代美
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA20
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】ウイルス等の侵入や飛沫の飛散を確実に阻止することができるとともに、快適な状態で飲食を行うことのできるマスクを提供する。
【解決手段】本発明は、マスク10に関するものであり、両側部に耳掛け部が連結される本体部12と、本体部12に連結され、少なくとも利用者の口の部分に対して近接離間可能な可動被覆部16とを備え、可動被覆部16は、本体部12に連結される中央部分に折り込み部26を有し、折り込み部26は、可動被覆部16が口の部分から離間した状態において、凹形状に折り込まれて本体部12に当接し、可動被覆部16の口の部分からの離間状態を保持することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側部に耳掛け部が連結される本体部と、
前記本体部に連結され、少なくとも利用者の口の部分に対して近接離間可能な可動被覆部と、
を備え、前記可動被覆部は、前記本体部に連結される中央部分に折り込み部を有し、前記折り込み部は、前記可動被覆部が前記口の部分から離間した状態において、凹形状に折り込まれて前記本体部に当接し、前記可動被覆部の前記口の部分からの離間状態を保持することを特徴とするマスク。
【請求項2】
請求項1に記載のマスクにおいて、
前記折り込み部は、下部を頂点とする略三角形状の中央部分及び斜辺部分を折曲部とする形状からなり、前記可動被覆部が前記口の部分から離間した状態において、前記中央部分が谷となり、前記斜辺部分が山となるように折り込まれることを特徴とするマスク。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマスクにおいて、
前記可動被覆部は、前記本体部側から可動被覆部の端部に向かって延在する補強リブを有することを特徴とするマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着した状態で飲食が可能なマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、花粉やウイルス等の侵入を防止するとともに、口からの飛沫の飛散を防止するためには、マスクを装着することが有効な手段である。その一方で、飲食を行うためには、当然、利用者は、口の部分を開放することが必要である。しかしながら、飲食を行うたびにマスクを取り外すことは、利用者は、非常に煩わしい。
【0003】
この点を解消するためのマスクとして、特許文献1に開示されたマスクがある。特許文献1のマスクは、上部帯と下部帯とを上下の中間部分で重ね合わせた構成である。利用者は、飲食を行う際に、下部帯に形成した摘まみ部を引き下げることにより、上部帯と下部帯との間に開口を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1のマスクでは、開口を確実に閉塞しないと、上部帯と下部帯の間に隙間ができるために、外部からウイルス等が利用者の口から侵入し、また、利用者の口からの飛沫が外部に飛散する可能性がある。また、利用者が、マスクの開口を形成して飲食する際に、この構成のマスクは、下部帯が顎の部分に配置されたままの状態となるため、飲食時に圧迫感等を感じるおそれがある。また、この構成のマスクでは、開口部が狭いために、ストロー等を利用して、飲み物を飲むことはできるが、飲食物を快適に行うことは難しい。
【0006】
本発明は、前記の不具合を解消するためになされたものであって、ウイルス等の侵入や飛沫の飛散を阻止することができるとともに、快適な状態で飲食を行うことのできるマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマスクは、両側部に耳掛け部が連結される本体部と、前記本体部に連結され、少なくとも利用者の口の部分に対して近接離間可能な可動被覆部と、を備え、前記可動被覆部は、前記本体部に連結される中央部分に折り込み部を有し、前記折り込み部は、前記可動被覆部が前記口の部分から離間した状態において、凹形状に折り込まれて前記本体部に当接し、前記可動被覆部の前記口の部分からの離間状態を保持することを特徴とする。
【0008】
前記マスクにおいて、前記折り込み部は、下部を頂点とする略三角形状の中央部分及び斜辺部分を折曲部とする形状からなり、前記可動被覆部が前記口の部分から離間した状態において、前記中央部分が谷となり、前記斜辺部分が山となるように折り込まれることを特徴とする。
【0009】
また、前記マスクにおいて、前記可動被覆部は、前記本体部側から前記可動被覆部の端部に向かって延在する補強リブを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマスクでは、利用者の口の部分を可動被覆部が覆うことにより、ウイルス等の侵入や飛沫の飛散を確実に阻止できる。また、可動被覆部を口の部分から離間させることにより、快適な状態で飲食を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るマスクであって、可動被覆部を下方向に下げた状態の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るマスクであって、可動被覆部を上方向に上げた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<マスク10の構成>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマスク10であって、可動被覆部16を下方向に下げた状態の斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係るマスク10であって、可動被覆部16を上方向に上げた状態の斜視図である。
【0013】
マスク10は、本体部12、耳掛け部14a、14b及び可動被覆部16を備える。本体部12は、横長の部材であって、利用者の鼻の部分に当接する。耳掛け部14a、14bは、利用者の耳に引っ掛けて使用される部材である。耳掛け部14a、14bは、本体部12に連結される。本体部12の上部には、本体部12を利用者の鼻の上部に密着させる形状を保持させるべく、可撓性の押さえ部材18が挿入される。本体部12及び可動被覆部16は、例えば、不織布、紙、布等から形成することができる。
【0014】
可動被覆部16は、略半楕円形状の部材であり、本体部12に連結され、少なくとも利用者の口の部分に対して近接離間可能である。また、可動被覆部16は、本体部12に対して上部が重畳された状態に配置され、左右2個所の連結部20a、20bにより本体部12に接着、圧着等で連結される。可動被覆部16は、左右対称な2枚のパネル状部材22a、22bで構成され、パネル状部材22a、22bの中央の部分は接合される。この中央の部分には、本体部12側から可動被覆部16の端部に向かって延在する補強リブ24が形成される。
【0015】
可動被覆部16の本体部12に連結され、連結部20a、20bの間の部分には、折り込み部26が形成される。折り込み部26は、下部を頂点とする略三角形状であり、中央部分の折曲部28aと斜辺部分の折曲部28b、28cとを有する。可動被覆部16を利用者の口の部分から離間させた際、中央部分の折曲部28aは、谷となるように折曲し、斜辺部分の折曲部28b、28cは、山となるように折曲するように形成される。本実施形態のマスク10は、基本的には以上のように構成される。
【0016】
<マスク10の使用方法>
次に、マスク10の使用方法について説明する。
図1及び
図3Aに示すように、利用者が外部からのウイルス等の侵入を阻止したい場合、利用者は、マスク10の耳掛け部14a、14bを両耳に掛け、マスク10は、本体部12に対して可動被覆部16を下方向に下げられた状態で使用される。この場合、可動被覆部16は、利用者の口の部分を覆うことになるため、ウイルス等の侵入を阻止できるとともに、利用者の口から外部への飛沫の飛散を阻止することができる。
【0017】
一方、利用者が、マスク10を装着した状態で飲食を行う場合、利用者は、可動被覆部16の下端部側を持ち上げる。この場合、可動被覆部16は、ある角度まで持ち上げられると、折り込み部26の折曲部28aが谷状に折れ曲がり、また、折り込み部26の折曲部28b、28cが山状に折れ曲がる。
図2及び
図3Bに示されるように、折曲部28aが谷状に折れ曲がり、折曲部28b、28cが山状に折れ曲がることにより、折り込み部26が可動被覆部16の内側方向に折り込まれる。このとき、折り込み部26は、凹形状に折り込まれて、本体部12の表面に当接するため、可動被覆部16は、必要以上に上方向に跳ね上がることがない。また、折り込み部26は、本体部12と当接し、折り込み部26は本体部12との間の摩擦力により、本体部12の位置が維持される。従って、利用者は、可動被覆部16によって目線を遮られることなく、飲食を楽しむことができる。また、可動被覆部16は、上方向に所定量移動した後、折り込み部26は、本体部12に当接して支持され、且つ、補強リブ24によって可動被覆部16の形状が維持される。そのため、利用者が可動被覆部16から手を離しても、可動被覆部16は、下方向に垂れ下がってしまうようなことはなく、利用者は、快適な状態で飲食を楽しむことができる。
【0018】
なお、利用者は、飲食を終了した後、可動被覆部16を下方向に引き下げる。この場合、可動被覆部16は、本体部12に対して重畳された状態で連結されているため、可動被覆部16と本体部12との連結部分に隙間が形成されることはなく、確実にウイルスの侵入や飛沫の飛散を阻止することができる。
【0019】
本発明に係るマスク10は、両側部に耳掛け部14a、14bが連結される本体部12と、本体部12に連結され、少なくとも利用者の口の部分に対して近接離間可能な可動被覆部16とを備え、可動被覆部16は、本体部12に連結される中央部分に折り込み部26を有し、折り込み部26は、可動被覆部16が口の部分から離間した状態において、凹形状に折り込まれて本体部12に当接し、可動被覆部16の口の部分からの離間状態を保持する。
【0020】
また、マスク10の折り込み部26は、下部を頂点とする略三角形状の中央部分及び斜辺部分を折曲部28a、28b、28cとする形状からなり、可動被覆部16が口の部分から離間した状態において、中央部分が谷となり、斜辺部分が山となるように折り込まれる。
【0021】
また、可動被覆部16は、本体部12側から可動被覆部16の端部に向かって延在する補強リブ24を有する。補強リブ24により、可動被覆部16の強度が確保される。
【0022】
このように構成されるマスク10は、利用者の口の部分を可動被覆部16が被覆することにより、ウイルス等の侵入や飛沫の飛散を阻止できる。また、可動被覆部16を口の部分から離間させることにより、快適な状態で飲食を行うことができる。
【0023】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0024】
例えば、上述した実施形態では、マスク10では、本体部12と可動被覆部16は、別体であり、可動被覆部16は、連結部20a、20bで本体部12に連結されていたが、可動被覆部16が本体部12及び可動被覆部16を一体の構造として作成してもよい。この場合、本体部12と可動被覆部16との間に隙間の生じることがないため、一層高い遮蔽効果が得られる。
【0025】
また、上述した実施形態では、可動被覆部16の形状は、略半楕円形状であったが、利用者の口の部分に対して近接離間できる形状であれば、この形状に限定されるものではない。例えば、可動被覆部16の形状は多角形であっても良い。
【0026】
さらに、上述した実施形態では、可撓性の押さえ部材18は、本体部12を利用者の鼻の上部に密着させる形状を保持できれば、その構造は限定されるものではない。例えば、プラスチックの棒や針金等の挿入の有無を問わない。
【0027】
また、上述した実施形態では、折り込み部26の形状は、略三角形状であったが、可動被覆部16を利用者の口の部分から離間させた際、折り込み部26が凹形状に折り込まれて、本体部12の表面に当接できれば、この形状に限定されるものではない。例えば、折り込み部26の形状は多角形であっても良い。
【符号の説明】
【0028】
10…マスク
12…本体部
14a、14b…耳掛け部
16…可動被覆部
18…押さえ部材
20a、20b…連結部
22a、22b…パネル
24…補強リブ
26…折り込み部
28a、28b、28c…折曲部