(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133204
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】宝石支持台および装飾具
(51)【国際特許分類】
A44C 17/02 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A44C17/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032175
(22)【出願日】2021-03-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】503175966
【氏名又は名称】株式会社クロスフォー
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】土橋 秀位
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA02
3B114AA21
3B114BD06
3B114HH04
(57)【要約】
【課題】宝石を確実に支持固定し、デザイン性に優れ、宝石の輝きを損なわない構造の宝石支持台を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、宝石を支持する宝石支持台であって、中央の開口部の周囲に設けられた環状部と、環状部の開口部側の縁から開口部の中央に向けて突出し、縁に沿って互いに間隔を空けて配置された複数本の支持片と、環状部から上方に延出し、開口部の周囲に配置される複数本の第1押さえ爪と、を備え、開口部に配置される宝石の下方を複数本の支持片で支持し、宝石の外周を前記複数本の第1押さえ爪によって押さえる宝石支持台である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
宝石を支持する宝石支持台であって、
中央に開口部を有する環状部と、
前記環状部の前記開口部側の縁から前記開口部の中央に向けて突出し、前記縁に沿って互いに間隔を空けて配置された複数本の支持片と、
前記環状部から上方に延出し、前記開口部の周囲に配置される複数本の第1押さえ爪と、
を備え、
前記開口部に配置される前記宝石の下方を前記複数本の支持片で支持し、前記宝石の外周を前記複数本の第1押さえ爪によって押さえる、宝石支持台。
【請求項2】
前記複数本の支持片のそれぞれは、斜め上方に延出するよう設けられる、請求項1記載の宝石支持台。
【請求項3】
前記複数本の第1押さえ爪は、前記開口部の周囲に互いに等間隔で配置される、請求項1または請求項2に記載の宝石支持台。
【請求項4】
前記環状部を上方からみて、前記複数本の支持片のそれぞれの両側に前記第1押さえ爪が配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の宝石支持台。
【請求項5】
前記第1押さえ爪には、前記宝石の外周部分が嵌め込まれる溝部が設けられる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の宝石支持台。
【請求項6】
前記環状部は、小宝石を配置する凹部を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の宝石支持台。
【請求項7】
前記環状部を上方からみて、前記凹部における前記開口部とは反対側に設けられる第2押さえ爪を有し、
前記第1押さえ爪と前記第2押さえ爪との間で、前記凹部に配置される前記小宝石の外周を押さえる、請求項6記載の宝石支持台。
【請求項8】
前記環状部は、複数の前記凹部および複数の前記第2押さえ爪を有する、請求項7記載の宝石支持台。
【請求項9】
前記環状部を上方からみて、前記凹部の中央部分に孔が設けられる、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の宝石支持台。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の宝石支持台と、
前記宝石支持台に配置された宝石と、
を備える装飾具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンドなどの宝石を支持する宝石支持台およびこの宝石支持台に宝石を配置した装飾具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの宝石を支持する宝石支持台には、宝石を確実に固定することに加え、デザイン性に優れ、宝石の輝きを損なわない構造が求められる。特許文献1には、宝石を保持する保持枠において、内面を鏡面とした反射底を有する宝石保持枠が開示される。
【0003】
特許文献2には、宝石の輝きを強調し大きく見せるための金属枠に、宝石を簡単且つ的確に固定し、その飾り枠を装身具の宝石取付け台に対し正しい位置に正確且つ確実に固定する宝石取り付け構造が開示される。
【0004】
特許文献3には、複数の装飾用玉と、この複数の装飾用玉を係止する複数の爪部とを備える装飾具において、上記複数の装飾用玉のうち少なくとも1つの装飾用玉が、隣接する複数の装飾用玉により係止されている構成が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08-299036号公報
【特許文献2】特開2010-119699号公報
【特許文献3】特開2008-136747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
宝石支持台において、宝石の支持部分を細くするほど宝石の存在感を強調することができ、宝石に多くの光を届けて宝石に多くの輝きを与えることができる。しかし、支持部分を細くするほど宝石の支持の安定性や強度の低下を招く。
【0007】
本発明の目的は、宝石を確実に支持固定し、デザイン性に優れ、宝石の輝きを損なわない構造の宝石支持台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、宝石を支持する宝石支持台であって、中央に開口部を有する環状部と、環状部の開口部側の縁から開口部の中央に向けて突出し、縁に沿って互いに間隔を空けて配置された複数本の支持片と、環状部から上方に延出し、開口部の周囲に配置される複数本の第1押さえ爪と、を備え、開口部に配置される宝石の下方を複数本の支持片で支持し、宝石の外周を前記複数本の第1押さえ爪によって押さえる宝石支持台である。
【0009】
このような構成によれば、環状部の開口部に宝石を配置すると、開口部の縁から延出する複数本の支持片によって宝石が下方から支持される。すなわち、宝石の下方の支持を複数本の支持片によって行うため、宝石を環状部の縁の全体で支持する必要がない。これにより、開口部を広くできるため、宝石の上方のみならず、下方や側方からも十分な光を届けることができる。さらに、宝石の外周が複数本の第1押さえ爪によって押さえられるため、宝石は確実に固定される。
【0010】
上記宝石支持台において、複数本の支持片のそれぞれは、斜め上方に延出するよう設けられることが好ましい。これにより、環状部の開口部に配置された宝石は、開口部内で浮いているように支持される。
【0011】
上記宝石支持台において、複数本の第1押さえ爪は、開口部の周囲に互いに等間隔で配置されることが好ましい。これにより、複数本の第1押さえ爪によって宝石をバランス良く押さえることができる。
【0012】
上記宝石支持台において、環状部を上方からみて、複数本の支持片のそれぞれの両側に第1押さえ爪が配置されることが好ましい。これにより、1つの支持片と、この支持片に対して両側に配置される2つの第1押さえ爪とによって宝石を上下3点で支持することができる。
【0013】
上記宝石支持台において、第1押さえ爪には、宝石の外周部分が嵌め込まれる溝部が設けられることが好ましい。これにより、第1押さえ爪の溝部に宝石に外周部分が嵌め込まれ、確実に固定することができる。
【0014】
上記宝石支持台において、環状部は、小宝石を配置する凹部を有していてもよい。これにより、環状部の開口部に配置される宝石を、凹部に配置される小宝石によって飾ることができる。
【0015】
上記宝石支持台において、環状部を上方からみて、凹部における開口部とは反対側に設けられる第2押さえ爪を有し、第1押さえ爪と第2押さえ爪との間で、凹部に配置される小宝石の外周を押さえるようにしてもよい。これにより、宝石を押さえる第1押さえ爪を小宝石を押さえる爪として共用して、無駄なく宝石および小宝石を固定することができる。
【0016】
上記宝石支持台において、環状部は、複数の凹部および複数の第2押さえ爪を有していてもよい。これにより、宝石の周囲に複数の小宝石を配置することができる。
【0017】
上記宝石支持台において、環状部を上方からみて、凹部の中央部分に孔が設けられることが好ましい。これにより、凹部に配置した小宝石の下方から十分な光を届けることができる。
【0018】
本発明の一態様は、上記宝石支持台と、宝石支持台に配置された宝石と、を備える装飾具である。このような構成によれば、宝石を確実に固定しつつ、宝石の上方のみならず、下方や側方からも十分な光を届けることができる装飾具が実現する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、宝石を確実に支持固定し、デザイン性に優れ、宝石の輝きを損なわない構造の宝石支持台を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る宝石支持台の構成を例示する上方からみた斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る宝石支持台の構成を例示する下方からみた斜視図である。
【
図3】
図3(a)および(b)は、本実施形態に係る宝石支持台の構成を例示する平面図および側面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る宝石支持台に宝石を配置した状態を例示する斜視図である。
【
図5】
図5(a)および(b)は、装飾具の製作方法を例示する図である。
【
図6】
図6(a)および(b)は、装飾具の製作方法を例示する図である。
【
図9】
図9は、比較例に係る宝石支持台を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0022】
(宝石支持台の構成)
図1は、本実施形態に係る宝石支持台の構成を例示する上方からみた斜視図である。
図2は、本実施形態に係る宝石支持台の構成を例示する下方からみた斜視図である。
図3(a)および(b)は、本実施形態に係る宝石支持台の構成を例示する平面図および側面図である。
図4は、本実施形態に係る宝石支持台に宝石を配置した状態を例示する斜視図である。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、宝石を配置する側を「上」とする。また、宝石には模造宝石も含まれる。
【0023】
本実施形態に係る宝石支持台1は、中央に開口部10hを有する環状部10と、環状部10の開口部10h側の縁から開口部10hの中央に向けて突出する複数本の支持片20と、環状部10から上方に延出する第1押さえ爪31と、を備える。
【0024】
環状部10は、開口部10hに宝石S1を配置した状態で宝石S1を支持する石座となる部分である。環状部10には凹部15が設けられていてもよい。本実施形態では、上からみて環状部10の周方向に複数の凹部15が等間隔で設けられる。凹部15には小宝石S2が配置され、中央の開口部10hに配置される宝石S1の周りを飾ることができる。
【0025】
環状部10の開口部10hに宝石S1を配置すると、環状部10の開口部10h側の縁から突出する複数の支持片20によって宝石S1の下方が支持される。宝石支持台1では、宝石S1の下方の支持を複数本の支持片20によって行うため、宝石S1を環状部10の開口部10h側の縁の全体で支持する必要がない。これにより、宝石S1の下方を支持する部材の面積を狭くして、その分、開口部10hの面積を広くすることができる。開口部10hを広くできることで、宝石S1の下方から十分な光を宝石S1へ届けることができる。また、隣り合う支持片20の間からも光が届くため、宝石S1の側方にも十分な光を届けることができる。
【0026】
本実施形態では、環状部10に4つの支持片20が設けられる。4つの支持片20は、上からみて90度間隔で配置される。これにより、宝石S1の下方を4箇所の支持片20で支える。支持片20の数が少ないほど開口部10hの面積を広くできるが、支持強度は低下する。一方、支持片20の数が多くなると支持強度は高まるが、開口部10hの面積が狭くなる。したがって、支持片20の数は、3つ以上8つ以下程度が好ましい。
【0027】
複数本の支持片20のそれぞれは、環状部10の開口部10h側の縁から斜め上方に延出するように設けられることが好ましい。これにより、複数本の支持片20で宝石S1の下方を支持すると、開口部10h内で宝石S1が浮いているように支持される。
【0028】
環状部10に設けられる複数本の第1押さえ爪31は、開口部10hに配置された宝石S1の外周を押さえる。宝石支持台1では、開口部10hに配置された宝石S1の下方を複数本の支持片20で支え、宝石S1の外周を複数本の第1押さえ爪31で押さえることで、宝石S1を確実に固定することができる。
【0029】
複数本の第1押さえ爪31は、開口部10hの周囲に互いに等間隔で配置されることが好ましい。これにより、複数本の第1押さえ爪31によって宝石S1をバランス良く押さえることができる。本実施形態では、4つの支持片20のそれぞれの両側に第1押さえ爪31が配置される。すなわち、4つの支持片20のそれぞれに2つの第1押さえ爪31が1つずつ両側に配置されることで合計8つの第1押さえ爪31が設けられる。8つの第1押さえ爪31は、上からみて等間隔(45度の間隔)で配置される。これにより、宝石S1の確実な固定とともに、デザイン的な安定感を得ることができる。
【0030】
第1押さえ爪31には、開口部10hに配置された宝石S1の外周部分が嵌め込まれる溝部31aを備える。例えば、宝石S1がブリリアントカットされたダイヤモンドの場合、ガードル部分に合わせて溝部31aが形成される。これにより、第1押さえ爪31の溝部31aがガードル部分に嵌まり、確実に宝石S1の外周を押さえて固定することができる。
【0031】
環状部10に凹部15が設けられている場合、環状部10を上方からみて、凹部15における開口部10hとは反対側に第2押さえ爪32が設けられる。第2押さえ爪32は環状部10の外周側に立設され、環状部10の内周側に立設される第1押さえ爪31との間で小宝石S2を押さえる役目を果たす。
【0032】
本実施形態では、環状部10に8つの凹部15が等間隔に設けられ、凹部15のそれぞれに対応して第2押さえ爪32が設けられる。環状部10の上からみると、8つの第2押さえ爪32は、8つの第1押さえ爪31と周方向に半ピッチずれた位置となる。これにより、凹部15に小宝石S2を配置した状態で、1つの小宝石S2を2つの第1押さえ爪31と1つの第2押さえ爪32との3点で押さえることができる。
【0033】
第1押さえ爪31は、例えば
図1、
図3(b)に示すように、凹部15に配置された小宝石S2の外周部分が嵌め込まれる溝部31bを備える。凹部15に配置された小宝石S2の外周部分は、その凹部15に面して設けられた2つの第1押さえ爪31の溝部31bに嵌め込まれる。例えば、小宝石S2がブリリアントカットされたダイヤモンドの場合、ガードル部分に合わせて溝部31bが形成される。第1押さえ爪31は、宝石S1の押さえとともに小宝石S2の押さえとしても用いられることから、第1押さえ爪31の共用によって無駄なく宝石S1および小宝石S2を固定することができる。
【0034】
また、凹部15の中央部分には孔15hが設けられる。これにより、凹部15に配置した小宝石S2の下方から小宝石S2へ十分な光を届けることができる。
【0035】
本実施形態に係る宝石支持台1に宝石S1および小宝石S2が配置されることで、装飾具100が構成される(
図4参照)。宝石支持台1を用いた装飾具100では、宝石S1の下方の支持を複数本の支持片20で行うため、宝石S1の下方や側方から十分な光を宝石S1に届けることができる。また、支持片20および第1押さえ爪31によって宝石S1を確実に固定でき、第1押さえ爪31および第2押さえ爪32によって小宝石S2を確実に固定しつつ、宝石S1および小宝石S2の上方のみならず、下方や側方から十分な光を届けることができる装飾具100が実現する。
【0036】
(装飾具の製作方法)
図5および
図6は、装飾具の製作方法を例示する図である。
先ず、
図5(a)に示すように、本実施形態に係る宝石支持台1を用意する。次に、
図5(b)に示すように、宝石支持台1の環状部10の中央に設けられた開口部10hに宝石S1を配置する。この際、第1押さえ爪31の先端部分は曲げられておらず、複数本の第1押さえ爪31の内側へ宝石S1を上から押し込むことで、第1押さえ爪31の溝部31aに宝石S1の外周部分が嵌め込まれる。また、環状部10の複数の凹部15のそれぞれに小宝石S2を配置する。
【0037】
次に、
図6(a)および(b)に示すように、第1押さえ爪31の先端部分を宝石S1側に折り曲げて宝石S1を押さえるようにする。これにより、宝石S1の下方は支持片20によって支持され、宝石S1の上方は第1押さえ爪31によって押さえられる。また、第2押さえ爪32の先端部分を小宝石S2側に折り曲げて小宝石S2を押さえるようにする。これにより、小宝石S2は第1押さえ爪31に押し当てられるとともに、第2押さえ爪32によって固定される。宝石支持台1に宝石S1および小宝石S2が固定されることで装飾具100が完成する。
【0038】
図7は、装飾具の平面図である。
図8は、装飾具を下からみた斜視図である。
本実施形態に係る宝石支持台1を用いた装飾具100では、中央に宝石S1が配置され、その周囲に8つの小宝石S2が配置されたデザインを有する。上からみると、宝石S1および小宝石S2は8つの第1押さえ爪31および8つの第2押さえ爪32によってバランスよく固定される。
【0039】
また、装飾具100を下からみると、開口部10hに配置された宝石S1は4つの支持片20によって支持されるため、開口部10hの中央のみならず、各支持片20の間からも光が宝石S1へ届くようになる。小宝石S2には、凹部15の孔15hから光が届く。これにより、宝石S1および小宝石S2の支持部材による光の遮りを必要以上に生じさせず、宝石S1および小宝石S2の上方のみならず下方や側方からも十分な光を届けて宝石S1および小宝石S2の輝きを得られるようになる。
【0040】
(比較例)
図9は、比較例に係る宝石支持台を例示する斜視図である。
比較例に係る宝石支持台1Bは、中央に開口部10hを有する環状部10Bと、環状部10Bから上方に延出し、開口部10hの周囲に配置される複数本の第1押さえ爪31Bと、環状部10Bに設けられる複数の凹部15Bと、環状部10Bを上方からみて、凹部15における開口部10hとは反対側に設けられる第2押さえ爪32Bと、を備える。宝石支持台1Bでは、開口部10hに宝石S1を配置すると、宝石S1の下方を環状部10の開口部10h側の縁の全体で支持する構成となっている。すなわち、宝石支持台1Bでは、本実施形態に係る宝石支持台1のような支持片20は設けられていない。
【0041】
比較例に係る宝石支持台1Bでは、環状部10Bの開口部10h側の縁の全体で宝石S1を支持するため、本実施形態に係る宝石支持台1と比べて開口部10hの面積が狭くなる。これにより、比較例に係る宝石支持台1Bでは、本実施形態に係る宝石支持台1よりも宝石S1の下方や側方からの光の取り込み量が少なくなる。
【0042】
また、環状部10Bの開口部10h側の縁の全体で宝石S1を支持する構成のため、環状部10Bの材料の量が環状部10に比べて多くなる。したがって、本実施形態に係る宝石支持台1のほうが、比較例に係る宝石支持台1Bに比べて軽量となる。一例として、シルバーを用いて構成された比較例に係る宝石支持台1Bの重量は0.4gであり、同じシルバーを用いて構成された本実施形態に係る宝石支持台1の重量は0.17gである。デザインによっては、比較例に係る宝石支持台1Bに対して、本実施形態に係る宝石支持台1では30%から60%程度の軽量化を図ることができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、宝石S1を確実に支持固定し、デザイン性に優れ、宝石S1の輝きを損なわない構造の宝石支持台1を提供することが可能となる。
【0044】
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、宝石S1の周辺に複数の小宝石S2を配置可能な宝石支持台1を例示したが、1つの小宝石S2を配置可能な宝石支持台1であってもよいし、宝石S1のみを配置可能な宝石支持台1であってもよい。
【0045】
また、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0046】
1,1B…宝石支持台、10,10B…環状部、10h…開口部、15,15B…凹部、15h…孔、20…支持片、31,31B…第1押さえ爪、31a,31b…溝部、32,32B…第2押さえ爪、100…装飾具、S1…宝石、S2…小宝石