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特開2022-133205ターレット式光学素子装置、ターレット式光学素子装置に用いられる光学素子部、ターレット式光学素子装置に用いられるターレット、ターレット式光学素子装置とレンズレスカメラを備えたカメラ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133205
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ターレット式光学素子装置、ターレット式光学素子装置に用いられる光学素子部、ターレット式光学素子装置に用いられるターレット、ターレット式光学素子装置とレンズレスカメラを備えたカメラ
(51)【国際特許分類】
   G03B 11/00 20210101AFI20220906BHJP
   G03B 17/14 20210101ALI20220906BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20220906BHJP
   G02B 7/16 20210101ALI20220906BHJP
【FI】
G03B11/00
G03B17/14
G03B17/56 Z
G02B7/16
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032176
(22)【出願日】2021-03-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】521088446
【氏名又は名称】湯本 好英
(74)【代理人】
【識別番号】100135149
【弁理士】
【氏名又は名称】岡沢 理華
(72)【発明者】
【氏名】湯本 好英
【テーマコード(参考)】
2H044
2H083
2H101
2H105
【Fターム(参考)】
2H044HC01
2H083AA02
2H083AA03
2H083AA05
2H083AA21
2H083AA33
2H083AA56
2H101EE02
2H101EE09
2H105CC01
(57)【要約】
【課題】 光学素子が有する光学特性のうち、特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を備え、1回の部材の交換により2以上の光学特性を交換することができるか、または、1度の分解・交換作業で各光学特性部材を簡単に交換することができるターレット式光学素子装等を提供する。
【解決手段】 カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、光路用開口部11bを有する基材11に対し回転可能に設けられるターレット12を備える。ターレット12は、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域50a乃至50dを有する光学素子部50を有し、当該ターレット12を回転させることにより各光学特性領域50a乃至50dを光路用開口部11bに対向可能に構成され光学素子部50は当該光学素子部自身が一体形成品であってターレット12に着脱可能に取り付けられるか、もしくは、光学素子部はターレットと一体形成される一体形成品であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、
光路用開口部を有する基材に対し回転可能に設けられるターレットを備え、
前記ターレットは、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を有し、当該ターレットを回転させることにより各前記光学特性領域を前記光路用開口部に対向可能に構成され、
前記光学素子部は当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられるか、
もしくは、
前記光学素子部は前記ターレットと一体形成される一体形成品であることを特徴とするターレット式光学素子装置。
【請求項2】
前記光学素子部自身が一体形成品である場合に、
前記ターレットは、
2以上の開口部を形成しており当該ターレットを回転させることにより各前記開口部を前記光路用開口部に対向可能に構成するターレット本体と、
前記光学素子部を抑える素子抑え部であって、前記ターレット本体に取り付けた際に当該ターレット本体の前記開口部と略同一位置に略同一形状の2以上の開口部が形成されて成る前記素子抑え部を有し、
前記光学素子部は、前記ターレットに取り付けた際に、前記ターレット本体及び前記素子抑え部の前記各開口部と略同一位置に、前記各光学特性領域をそれぞれ有する一体成型品であり、
前記光学素子部を前記ターレット本体に取り付けて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けることを特徴とする請求項1に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項3】
前記ターレット本体は、前記光学素子部に対応する形状の凹部を有し、
前記光学素子部を前記ターレットに取り付ける際には、前記ターレット本体の前記凹部に前記光学素子部を篏合させて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けることを特徴とする請求項2に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項4】
カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、
光路用開口部を有する基材に対し回転可能に設けられ、光学素子が有する光学特性を有する光学特性領域を有する光学特性部材であって、特性が異なる2以上の前記光学特性部材により構成される光学素子部を着脱可能に取り付けるターレットを備え、
前記ターレットは、
2以上の開口部を形成しており当該ターレットを回転させることにより各前記開口部を前記光路用開口部に対向可能に構成され、前記光学素子部を構成する各前記光学特性部材に対応する形状の凹部を有するターレット本体と、
前記光学素子部を抑える素子抑え部であって、前記ターレット本体に取り付けた際に当該ターレット本体の前記開口部と略同一位置に略同一形状の2以上の開口部が形成されて成る前記素子抑え部を有し、
前記光学素子部を前記ターレットに取り付ける際には、前記ターレット本体の前記凹部に、前記光学素子部を構成する各前記光学特性部材をそれぞれ篏合させて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けることを特徴とするターレット式光学素子装置。
【請求項5】
前記各光学特性領域は、
入射する光を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とから成るパターンであって、特性が異なる2以上の前記パターンが形成されて成るか、又は、
特性が異なる2以上のフィルター領域がそれぞれ形成されて成るか、又は、
特性が異なる2以上のレンズがそれぞれ形成されて成るか、又は、
前記パターン又は前記フィルター領域又は前記レンズの何れか2以上が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項6】
前記基材に対して回転可能な2以上の前記ターレットを備え、各前記ターレットは、それぞれ異なる又は同一の前記光学特性領域を有する前記光学素子部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置に用いられる光学素子部であって、当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられることを特徴とする光学素子部。
【請求項8】
請求項1又は請求項5又は請求項6に記載のターレット式光学素子装置に用いられるターレットであって、前記光学素子部が当該ターレットと一体形成される一体形成品であることを特徴とするターレット。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置を備えたカメラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターレット式光学素子装置、ターレット式光学素子装置に用いられる光学素子部、ターレット式光学素子装置に用いられるターレット、ターレット式光学素子装置を備えたカメラに関し、特に光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を備えて、既存のカメラに装着して利用するターレット式光学素子装置、これに用いられる光学素子部、これに用いられるターレット及びこれを備えたカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、既存のカメラに取り付けて簡易に利用できるフィルター装置であって、円周面上に複数の光学フィルターを配置するターレット形式のフィルター装置が知られている。撮像条件にあったフィルターをターレット式のフィルターディスクより適宜選択してカメラ光学系の光路中に挿着し、これにより撮像条件の適正化を図っている。
【0003】
該フィルターをフィルターディスクに固定する固定構造としては、交換の必要のないフィルターは接着固定、使用頻度が高く交換の必要があるフィルターは押え板等の部材をビスで締め込んで固定する方法が採られているものがある(特許文献1)。
【0004】
また、複数配置されるフィルター装着枠部の1つを交換対象となるフィルターの外形サイズより大きくすることで、交換対象となるフィルターの装着枠部を選択してカメラ光学系の光路中に挿着し、選択された装着枠部を通して、容易にフィルター交換が行えるフィルターディスク装置も提案されている(特許文献2)。
【0005】
また、複数のレンズを回転させて交換可能にしたターレットレンズ、さらに、レンズなどの部材を必要とせず、光路中にピンホールパターンを備えることで像面に被写体の像を得るピンホールカメラがある。
【0006】
【特許文献1】特許第3483320号公報
【特許文献2】特開2020-101780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これまでは、複数種類のフィルターを選択できるようなフィルターディスク装置を構成する場合には、その種類ごとにフィルターを用意しなければならなかった。また、用意した複数のフィルターを、ターレットの各フィルター装着枠に取り付ける作業も、そのフィルターの数だけ行わなければならず、手間がかかった。
【0008】
ターレットレンズの場合も同様に、複数のレンズを用意し、ターレットの各レンズ枠に各レンズをとりつけた。そして、当該レンズを取り換える際には、レンズごとに、一つ一つ取り換えなければならなかった。
従来のターレット式フィルターやターレットレンズに、例えば、ピンホールカメラのピンホールパターンを適用する場合も、ピンホールパターンを変更する際には、ターレットの各ピンホールパターン取り付け枠に各ピンホールパターンをとりつける。そして、やはり、当該ピンホールパターンを取り換える際には、ピンホールパターンごとに、一つ一つ取り換えなければならない。
【0009】
本発明の目的は、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を有するターレット式光学素子装置であって、1回の部材の交換により2以上の光学特性を交換することができるか、または、1度の分解・交換作業で各光学特性部材を簡単に交換することができるターレット式光学素子装置、これに用いられる光学素子部、これに用いられるターレット及びこれを備えたカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のターレット式光学素子装置は、カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、光路用開口部を有する基材に対し回転可能に設けられるターレットを備え、前記ターレットは、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を有し、当該ターレットを回転させることにより各前記光学特性領域を前記光路用開口部に対向可能に構成され、前記光学素子部は当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられるか、もしくは、前記光学素子部は前記ターレットと一体形成される一体形成品であることを特徴とする。
【0011】
前記光学素子部自身が一体形成品である場合に、前記ターレットは、2以上の開口部を形成しており当該ターレットを回転させることにより各前記開口部を前記光路用開口部に対向可能に構成するターレット本体と、前記光学素子部を抑える素子抑え部であって、前記ターレット本体に取り付けた際に当該ターレット本体の前記開口部と略同一位置に略同一形状の2以上の開口部が形成されて成る前記素子抑え部を有し、前記光学素子部は、前記ターレットに取り付けた際に、前記ターレット本体及び前記素子抑え部の前記各開口部と略同一位置に、前記各光学特性領域をそれぞれ有する一体成型品であり、前記光学素子部を前記ターレット本体に取り付けて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けるよう構成してもよい。
【0012】
前記ターレット本体は、前記光学素子部に対応する形状の凹部を有し、前記光学素子部を前記ターレットに取り付ける際には、前記ターレット本体の前記凹部に前記光学素子部を篏合させて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けるよう構成してもよい。
【0013】
本発明のターレット式光学素子装置は、カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、光路用開口部を有する基材に対し回転可能に設けられ、光学素子が有する光学特性を有する光学特性領域を有する光学特性部材であって、特性が異なる2以上の前記光学特性部材により構成される光学素子部を着脱可能に取り付けるターレットを備え、前記ターレットは、2以上の開口部を形成しており当該ターレットを回転させることにより各前記開口部を前記光路用開口部に対向可能に構成され、前記光学素子部を構成する各前記光学特性部材に対応する形状の凹部を有するターレット本体と、前記光学素子部を抑える素子抑え部であって、前記ターレット本体に取り付けた際に当該ターレット本体の前記開口部と略同一位置に略同一形状の2以上の開口部が形成されて成る前記素子抑え部を有し、前記光学素子部を前記ターレットに取り付ける際には、前記ターレット本体の前記凹部に、前記光学素子部を構成する各前記光学特性部材をそれぞれ篏合させて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けることを特徴とする。
【0014】
前記各光学特性領域は、入射する光を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とから成るパターンであって、特性が異なる2以上の前記パターンが形成されて成るか、又は、特性が異なる2以上のフィルター領域がそれぞれ形成されて成るか、又は、特性が異なる2以上のレンズがそれぞれ形成されて成るか、又は、前記パターン又は前記フィルター領域又は前記レンズの何れか2以上が形成されるよう構成してもよい。
【0015】
前記基材に対して回転可能な2以上の前記ターレットを備え、各前記ターレットは、それぞれ異なる又は同一の前記光学特性領域を有する前記光学素子部を備えてもよい。
【0016】
本発明の光学素子部は、前記ターレット式光学素子装置に用いられる光学素子部であって、当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
本発明のターレットは、前記ターレット式光学素子装置に用いられるターレットであって、前記光学素子部が当該ターレットと一体形成される一体形成品であることを特徴とする。
本発明のカメラは、前記ターレット式光学素子装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のターレット式光学素子装置によれば、カメラ光学系の光路中に容易に所望の光学特性領域を挿入することができる。ターレットを回転させて所望の光学特性領域を選択できる。また、光学素子部自身を一体成型品とした場合には1回の光学素子部の交換により2以上の光学特性を交換することができ、光学素子部をターレットと一体形成される一体形成品とした場合には1回のターレットの交換により2以上の光学特性を交換することができる。
【0018】
本発明のターレット式光学素子装置によれば、カメラ光学系の光路中に容易に所望の光学特性領域を挿入することができる。ターレットを回転させて所望の光学特性領域を選択できる。また、ターレットを、取り付け取り外し可能なターレット本体と素子抑え部により構成し、ターレット本体に、光学素子部を構成する特性が異なる2以上の光学特性部材に対応する形状の凹部を形成して、当該凹部に光学特性部材を篏合して素子抑え部で抑えて取り付けるよう構成したので、ターレットを容易にターレット本体と素子抑え部とに分解して、各光学特性部材を篏合して安定的に取り付け、かつ、1度の分解・交換作業で各光学特性部材を簡単に交換することができる。
【0019】
本発明の光学素子部によれば、ターレット式光学素子装置に用いた際に、カメラ光学系の光路中に容易に所望の光学特性領域を挿入することができる。ターレットを回転させて所望の光学特性領域を選択できる。1回の光学素子部の交換により2以上の光学特性を交換することができる。
【0020】
本発明のターレットによれば、ターレット式光学素子装置に用いた際に、カメラ光学系の光路中に容易に所望の光学特性領域を挿入することができる。当該ターレットを回転させて所望の光学特性領域を選択できる。1回のターレットの交換により2以上の光学特性を交換することができる。
【0021】
本発明のカメラによれば、ターレット式光学素子装置によりカメラ光学系の光路中に容易に所望の光学特性領域を挿入することができる。また、ターレットを回転させて所望の光学特性領域を選択できる。また、光学素子部自身を一体成型品とした場合には1回の光学素子部の交換により2以上の光学特性を交換することができ、光学素子部をターレットと一体形成される一体形成品とした場合には1回のターレットの交換により2以上の光学特性を交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第一実施形態によるターレット式光学素子装置100の分解概略斜視図である。
図2】ターレット式光学素子装置100の外観説明図である。
図3】ターレット式光学素子装置100の外観説明図である。
図4】光学素子部250の説明図である。
図5A】光学素子部251の説明図である。
図5B】光学素子部252の説明図である。
図6】第二実施形態によるターレット式光学素子装置200の外観説明図である。
図7】ターレット式光学素子装置200の側面図である。
図8】ターレット式光学素子装置200の要部概略説明図である。
図9】ターレット本体213の平面図である。
図10】素子抑え部214の平面図である。
図11】光学素子部250の平面図である。
図12A】ターレット本体223の表側平面図である。
図12B】ターレット本体223の裏側平面図である。
図13】素子抑え部224の平面図である。
図14】光学素子部250の平面図である。
図15】ゼネバ機構の説明図
図16A】光学素子部60の平面図である。
図16B】光学素子部70の平面図である。
図17A】パターンの他の例である。
図17B】パターンの他の例である。
図18】光学素子部80の平面図である。
図19図18のA―A断面図である。
図20】第三実施形態による光学素子部90の説明図である。
図21】光学特性部材90a乃至90dの篏合説明図である。
図22】第四実施形態によるターレット312の外観斜視説明図である。
図23】ターレット式光学素子装置200を備えたカメラの外観例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その効果を奏する限りにおいて種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0024】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態であるターレット式光学素子装置100を説明するための分解概略斜視図、図2図3はターレット式光学素子装置100の外観説明図である。図2は既存のカメラに取り付けた際に被写体側からみたターレット式光学素子装置100の外観であり、図3は既存のカメラに取り付けられる側からみたターレット式光学素子装置100の外観である。
【0025】
第一実施形態によるターレット式光学素子装置100は、カメラに使用されるターレット式光学素子装置100であって、光路用開口部11bを有する基材11に対し回転可能に設けられるターレット12を備え、ターレット12は、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域50a、50b、50c、50dを有する光学素子部50を有し、当該ターレット12を回転させることにより各光学特性領域50a、50b、50c、50dを光路用開口部11bに対向可能に構成され、光学素子部50は当該光学素子部50自身が一体形成品であってターレット12に着脱可能に取り付けられることを必須の構成とする。
【0026】
さらに、以下において説明するターレット式光学素子装置100は、光学素子部自身が一体形成品である場合の例であって、ターレット12は、2以上の開口部を形成しており当該ターレット12を回転させることにより各開口部13a、13b、13c、13dを光路用開口部11bに対向可能に構成するターレット本体13と、光学素子部50を抑える素子抑え部14であって、ターレット本体13に取り付けた際に当該ターレット本体13の開口部13a、13b、13c、13dと略同一位置に略同一形状の2以上の開口部14a、14b、14c、14dが形成されて成る素子抑え部14を有する。そして、光学素子部50は、ターレット12に取り付けた際に、ターレット本体13及び素子抑え部14の各開口部13a、13b、13c、13d、14a、14b、14c、14dと略同一位置に、前記各光学特性領域50a、50b、50c、50dをそれぞれ有する一体成型品であり、光学素子部50をターレット本体13に取り付けて、さらに、素子抑え部14をターレット本体13に取り付ける。
【0027】
基材11は、略円形の形状をしていて、ネジ穴を有する軸11aを立設しており、その軸11aの図1中下方には、円形をした光路用開口部11bが形成されている。
ターレット本体13は、光学素子部50に対応する形状の凹部13fを有する。ターレット本体13の開口部13a、13b、13c、13dは、上記凹部13f内に形成されている。素子抑え部14は、凹部13fと略同一形状に形成されている。
【0028】
光学素子部50は、ターレット12に着脱可能に取り付けられる。光学素子部50をターレット12に取り付ける際には、ターレット本体13の凹部13fに光学素子部50を篏合して取り付けて素子抑え部14をさらに篏合して取り付ける。光学素子部50をターレット12に取り付けると、光学素子部50の光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる各光学特性領域50a、50b、50c.50dが、ターレット本体13及び素子抑え部14の各開口部13a、13b、13c、13d、14a、14b、14c.14dから露出する。
【0029】
ターレット本体13、光学素子部50、素子抑え部14の略中心には、それぞれ、孔13e、孔50e、孔14eが形成されている。ターレット12に光学素子部50を取り付ける際には、先ず、ターレット本体13に光学素子部50を篏合させた後、素子抑え部14を光学素子部50上から凹部13fに篏合して取り付けられる。そして、ネジ16を通して、基材11の軸11aに、光学素子部50を備えたターレット12が回転可能に支持される。
【0030】
基材11には、カメラ取付枠体15を取り付ける4つのネジ穴11cが形成されている。なお、図1には、2つのネジ穴11cが図示されており、2つのネジ穴11cは図示を省略されている。ターレット12を内部に備えて、4つのネジ穴15cが形成されているカメラ取付枠体15が、基材11にネジ17によりネジ止めされる。カメラ取付枠体15の側を、既存のカメラ(不図示)側にして、ターレット式光学素子装置100が既存のカメラ(不図示)に取り付けられる。
【0031】
光学素子部50は、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域50a、50b、50c、50dを有する。光学素子部50の材料は特に限定されず、例えば、一体成型品の樹脂シート、ガラスシート、金属等を光学素子部50として用いる。光学素子部50は、例えば、入射する光を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とから成るパターンであって、特性が異なる2以上のパターンを形成して構成する。後に図16Aを用いて詳述するが、例えば、ピンホールパターン、ゾーンプレートパターン、フォトンシーブパターンの少なくともいずれかのパターンを有する。光学特性については第二実施形態で詳述する。
【0032】
光学素子部50を備えたターレット12を基材11に取り付けた状態で、ターレット本体13の開口部13a又は開口部13b又は開口部13c又は開口部13dが、光路用開口部11bと対向する。言い換えれば、ターレット本体13の開口部13a又は開口部13b又は開口部13c又は開口部13dから露出した、光学素子部50のいずれかの光学特性領域50a、50b、50c、50dが、光路用開口部11bと対向しカメラ光学系の光路上に配置される。図1及び図3の例では、ターレット本体13の開口部13bが光路用開口部11bと対向し、当該開口部13bから露出した光学素子部50の光学特性領域50bが一点鎖線で示したカメラ光学系の光路上に配置される。
【0033】
図1にカメラ光学系の光路を一点鎖線で示す。図の例では、基材11側からの被写体像が、基材11の光路用開口部11b、ターレット本体13の開口部13b、光路内に挿入された光学素子部50の光学特性領域50b、素子抑え部14の開口部14bを通じてカメラ本体に入射される。
【0034】
光学素子部50の所望の光学特性領域50a、50b、50c、50dを光路用開口部11bに合わせて使用する。具体的には、ターレット式光学素子装置100にターレット12を回転操作するための操作機構(不図示)を備え、当該操作機構のターレット式光学素子装置100本体から露出した操作部分20に利用者が指を掛けて軸11aを中心にターレット12を回動操作することによって、光学素子部50の光学特性領域50a、50b、50c、50dを入れ換え、配置させる。
【0035】
このとき、選択、配置された光学特性領域50a、50b、50c、50dが有する光学特性が外部から分かるよう基材11に情報表示窓11dを設けてもよい。ターレット12を回転操作する操作機構(不図示)と連動して、選択された光学特性領域が有する光学特性を特定する情報(光学特性特定情報、例えば「0.20mmピンホール」等)が連動変化して、選択された光学特性領域50a、50b、50c、50dが有する光学特性が外部から分かるようよう構成する。
【0036】
以上、第一実施形態によるターレット式光学素子装置100によれば、ターレット式光学素子装置100を既存のカメラに取り付けた状態で、カメラ光学系の光路中に容易に所望の光学特性領域50a、50b、50c、50dを挿入することができる。また、ターレット12を回転させて所望の光学特性領域を選択できる。
【0037】
さらに、ターレット12を、取り付け取り外し可能なターレット本体13と素子抑え部14により構成し、光学素子部50を、ターレット本体13に取り付けて素子抑え部14で抑えて取り付けるよう構成したので、容易にターレット12をターレット本体13と素子抑え部14とに分解して光学素子部50を交換することができる。さらに、2以上の光学特性領域を有する光学素子部50を一体成型品としたので、1回の光学素子部50の交換により2以上の光学特性を交換することができる。
【0038】
また、基材11とカメラ取付枠体15の構成内部にターレット12を備えたので、ターレット12が剥き出しの状態に比べて、傷や衝撃に対して耐久性の高いターレット式光学素子装置100を実現できる。
なお、ターレット12に光学素子部50を取り付ける方法は上述した方法に限定されるものではない。例えば、ターレット本体13に光学素子部50を取り付けるための光学素子部50と略同一形状の取付枠を形成し、当該取付枠に光学素子部50を篏合して取り付けてもよい。
【0039】
本実施形態では、ターレット本体13に光学素子部50に対応する形状の凹部13fを構成し、当該凹部13f内に開口部13a、13b、13c、13dを形成した。そして、当該凹部13fに光学素子部50を篏合させた後、素子抑え部14を光学素子部50上から凹部13fに篏合して取り付けるよう構成した。これにより、光学素子部50の光学特性領域50a、50b、50c、50dの部分をターレット本体13及び素子抑え部14の各開口部13a、13b、13c、13d、14a、14b、14c.14dから露出させ、光学素子部50の光学特性領域50a、50b、50c、50d以外の部分をターレット本体13及び素子抑え部14の面部に当接させて、しっかりと嵌めることで、光学素子部50をターレット12により一層安定して固定することができる。
【0040】
以上、第一実施形態によるターレット式光学素子装置100は、ターレット12を1つ備えたが、2以上のターレットを備えるよう構成してもよい。
第二実施形態によるターレット式光学素子装置200は、2つのターレットを備えた場合の例である。
【0041】
<第二実施形態>
図6は、本発明の第二実施形態によるターレット式光学素子装置200の外観説明図、図7はターレット式光学素子装置200の側面図、図8は、ターレット式光学素子装置200の要部概略説明図である。
ターレット式光学素子装置200は、光路用開口部211bを有する基材211に対し回転可能に設けられたターレット212とターレット222を備える。なお、基材211について、基材11と同様の構成は説明を省略する場合がある。ターレット212及びターレット222について、ターレット12と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0042】
図9はターレット本体213の平面図、図10は素子抑え部214の平面図、図11は光学素子部250の平面図である。図12Aはターレット本体223の表側平面図、図12Bはターレット本体223の裏側平面図、図13は素子抑え部224の平面図、図14は光学素子部260の平面図である。
【0043】
光学素子部250及び光学素子部260は、第一実施形態で説明した光学素子部50と同様に、当該光学素子部250自身及び当該光学素子部260自身が一体形成品である。そして光学素子部250はターレット212に着脱可能に取り付けられ、光学素子部260はターレット222に着脱可能に取り付けられる。光学素子部250及び光学素子部260は、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を備える等、第一実施形態で説明した光学素子部50と同様の構成は説明を省略する場合がある。
【0044】
ターレット212は、2以上の開口部213a、213b、213c、213dを形成しており当該ターレット212を回転させることにより各開口部213a、213b、213c、213dを光路用開口部211bに対向可能に構成されるターレット本体213と、光学素子部250を抑えターレット本体213に取り付け可能な素子抑え部214であって、ターレット本体213に取り付けた際に当該ターレット本体213の開口部213a、213b、213c、213dと略同一位置に略同一形状の2以上の開口部214a、214b、214c、214dが形成されて成る素子抑え部214を有する。
【0045】
光学素子部250は、ターレット212に取り付ける際に、ターレット本体213及び素子抑え部214の各開口部213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214dと略同一位置に、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる光学特性領域250a、250b、250c、250dをそれぞれ有する。
【0046】
ターレット本体213は、光学素子部250に対応する形状の凹部213fを有する。ターレット本体213の開口部213a、213b、213c、213dは、上記凹部213f内に形成されている。素子抑え部214は、凹部213fと略同一形状に形成されている。
【0047】
光学素子部250は、ターレット212に着脱可能に取り付けられる。光学素子部250をターレット212に取り付ける際には、ターレット本体213の凹部213fに光学素子部250を篏合して取り付けて素子抑え部214をさらに篏合して取り付ける。光学素子部250をターレット212に取り付けると、光学素子部250の各光学特性領域250a、250b、250c、250dが、ターレット本体213及び素子抑え部214の各開口部213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214dから露出する。
【0048】
ターレット本体213、光学素子部250、素子抑え部214の略中心には、それぞれ、孔213e、孔250e、孔214eが形成されている。光学素子部250を備えたターレット212は、ネジ(不図示)を通して、基材211に備えたネジ穴を有する軸211aaに回転可能に支持される。
【0049】
光学素子部250の所望の光学特性領域250a、250b、250c、250dを光路用開口部211bに合わせて使用する。具体的には、ターレット212のターレット式光学素子装置200本体から露出した部分212Aに利用者が指を掛けて軸211aaを中心にターレット212を回動操作することによって、光学素子部250の光学特性領域250a、250b、250c、250dを光路用開口部211bに合わせて入れ換え、配置させる。
【0050】
ターレット222は、2以上の開口部223a、223b、223c、223dを形成しており当該ターレット222を回転させることにより各開口部223a、223b、223c.223dを光路用開口部211bに対向可能に構成されるターレット本体223と、光学素子部260を抑えターレット本体223に取り付け可能な素子抑え部224であって、ターレット本体223に取り付けた際に当該ターレット本体223の開口部223a、223b、223c.223dと略同一位置に略同一形状の2以上の開口部224a、224b、224c.224dが形成されて成る素子抑え部224を有する。
【0051】
光学素子部260は、ターレット222に取り付ける際に、ターレット本体223及び素子抑え部224の各開口部223a、223b、223c.223d、224a、224b、224c、224dと略同一位置に、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる光学特性領域260a、260b、260c、260dをそれぞれ有する。
【0052】
ターレット本体223は、光学素子部260に対応する形状の凹部223fを有する。ターレット本体223の開口部223a、223b、223c、223dは、上記凹部223f内に形成されている。素子抑え部224は、凹部223fと略同一形状に形成されている。
【0053】
光学素子部260は、ターレット222に着脱可能に取り付けられる。光学素子部260をターレット222に取り付ける際には、ターレット本体223の凹部223fに光学素子部260を篏合して取り付けて素子抑え部224をさらに篏合して取り付ける。光学素子部260をターレット222に取り付けると、光学素子部260の各光学特性領域260a、260b、260c、260dが、ターレット本体223及び素子抑え部224の各開口部223a、223b、223c、213d、224a、224b、224c、224dから露出する。
【0054】
ターレット本体223、光学素子部260、素子抑え部224の略中心には、それぞれ、孔223e、孔260e、孔224eが形成されている。光学素子部260を備えたターレット222は、ネジ(不図示)を通して、基材211に備えたネジ穴を有する軸211abに回転可能に支持される。
光学素子部260の所望の光学特性領域260a、260b、260c、260dを光路用開口部211bに合わせて使用する。
【0055】
本実施形態のターレット222は、1回転する間に間欠的に回転駆動されるゼネバ機構を備えている。
【0056】
図15はターレット222を回転させるためのゼネバ機構の説明図である。同図は、図8のターレット式光学素子装置200の要部概略説明図を正面側とする場合の背面側から見たターレット222と駆動回転体240の説明図である。
【0057】
図8及び図15等に示すように、ターレット本体223の裏面に駆動回転体240を備える。ターレット式光学素子装置200本体から露出した回転操作部230を利用者が指を掛けて回転させると、当該回転操作部230の内部に構成した回転操作部230の歯車231と駆動回転体240が噛み合って当該駆動回転体240が回転軸240eを中心に回転する。
【0058】
ターレット本体223は従動回転体223gを備える。従動回転体223gには、半径方向外方に向かって開口するスロット223g(1)と弧状部223g(2)とが回転方向に沿って形成されている。従動回転体223gはターレット本体223に固定されている。
【0059】
駆動回転体240は、従動回転体223gのスロット223g(1)に係合して、この従動回転体223gを所定角度で間欠駆動回転させるための係合体240aを備える。また、駆動回転体240は、係合体240aがスロット223g(1)から離脱した際に、従動回転体223gの弧状部223g(2)の弧状面に沿って相対移動するカム部240bを備える。
【0060】
駆動回転体240が回転すると、係合体240aが従動回転体223gの各スロット223g(1)に入り込んで従動回転体223gを回転させる。また、駆動回転体240がさらに回転して係合体240aがスロット223g(1)から離脱すると、カム部240bが従動回転体223gの弧状部223g(2)の弧状面に接当して回転し、係合体240aが次のスロット223g(1)に係合される。
【0061】
このような構成により、本実施形態のターレット222を、90度分間欠的に回転させる構成とした。これにより、光学素子部260の光学特性領域260a、260b、260c、260dを順に光路用開口部211bに対向させることができるように構成されている。
【0062】
このようなゼネバ機構を採用したターレット222によれば、光学特性領域の中央部を比較的精度よく光路上にアライメントすることができる。特に、光学素子部260の光学特性領域が有する光学特性がピンホールやレンズである場合に有用である。
【0063】
そしてカメラ取付部215の側を、既存のカメラ側にして、ターレット式光学素子装置200を既存のカメラに取り付けて使用する。
なお、ターレット式光学素子装置200を既存のカメラに取り付け、カメラのファインダーから覗いた際に、ターレット式光学素子装置200が邪魔になる場合がある。ターレット式光学素子装置200筐体のファインダー側の角を切り欠いて構成してもよい(図6参照)。
【0064】
図23はターレット式光学素子装置200を備えたカメラの外観例である。利用者は、ターレット式光学素子装置200本体から露出した回転操作部230を左手の指で回転させる構成となる。
なお、利用者が右手で回転操作部230を操作することができるよう、ターレット式光学素子装置200を上下逆にしても取り付けられるように構成してもよい。この場合、図6及び図23で図示したターレット式光学素子装置200筐体の切り欠き角だけでなく、当該角の対角も切り欠いた構成としてもよい。
【0065】
このようなターレット式光学素子装置200によれば、ターレット式光学素子装置200を既存のカメラに取り付けた状態で、ターレット212の光学素子部250のいずれかの光学特性領域250a、250b、250c、250dと、ターレット222の光学素子部260のいずれかの光学特性領域260a、260b、260c、260dの光学特性を、カメラ光学系の光路中に、配置することができる。
【0066】
さらに、選択、配置された光学特性が外部から分かるよう基材211に情報表示窓202A、202Bを設けてもよい。情報表示窓202Aは、ターレット212を回転操作する操作機構と連動して、選択された光学特性領域が有する光学特性を特定する情報が連動変化するよう構成する。
【0067】
例えば、図10図13に示すように、素子抑え部214、224に光学特性特定情報(例えば、「0.20mmピンホール」等)が記載されたシール(不図示)を貼付するシール貼付部214f、224fを設ける。ターレット212に備える光学素子部250の光学特性を特定する情報を記載したシールを各シール貼付部214fに貼付する。ターレット222に備える光学素子部260の光学特性を特定する情報を記載したシールを各シール貼付部224fに貼付する。どちらも選択された光学特性領域が有する光学特性を特定する情報が、情報表示窓202A、202Bから見えるよう考慮して貼付する。
【0068】
図10の例のように、素子抑え部214にシール貼付部214fを設けた場合には、素子抑え部214側が、基材211正面側(被写体側)となるようターレット212が基材211に取り付けられる。素子抑え部214の開口部214a、214b、214c、214dが基材211の光路用開口部211bに対向可能に構成され、素子抑え部214のシール貼付部214fに張られたシールが基材211の情報表示窓202Aから見えるよう構成される。
【0069】
一方、ターレット本体213側が基材211正面側(被写体側)となるようターレット212を基材211に取り付ける場合には、図9に示すターレット本体213の裏側であって、ターレット212を回転させ光学素子部250の光学特性領域が選択された際に情報表示窓202Aから見える位置にシール貼付部を設けてシールを貼付するよう構成すればよい。
【0070】
図13の例の場合も同様である。すなわち、素子抑え部224にシール貼付部224fを設けた場合には、素子抑え部224側が、基材211正面側(被写体側)となるようターレット222が基材211に取り付けられる。素子抑え部224の開口部224a、224b、224c、224dが基材211の光路用開口部211bに対向可能に構成され、素子抑え部224のシール貼付部224fに張られたシールが基材211の情報表示窓202Bから見えるよう構成される。一方、ターレット本体223側が基材211正面側(被写体側)となるようターレット222を基材211に取り付ける場合には、ターレット本体223の裏側(図12B)であって、ターレット222を回転させ光学素子部260の光学特性領域が選択された際に情報表示窓202Aから見える位置にシール貼付部を設けてシールを貼付するよう構成すればよい。
【0071】
ターレット212に取り付けられる光学素子部250の各光学特性領域250a、250b、250c、250dには、例えば、特性が異なる2以上のフィルター等の光学特性領域がそれぞれ形成される。
当該フィルターの特性は、例えば、特定の波長成分を主成分として透過させる色(カラー)フィルター、白色の色味(相関色温度)を変換する色温度変換フィルター、または、光量を調節するNDフィルターとして機能する光学特性、全波長又は特定の波長成分を100%乃至0%の何れかの範囲で透過させるよう機能する光学特性等を有する。光学素子部250の材料は特に限定されず、例えば、一体成型品の透光性を有する樹脂シート、ガラスシート等を光学素子部250として用いる。
【0072】
図4は、光学素子部250に各色フィルターとしての光学特性を有する光学特性領域250a、250b、250c、250dを構成した場合の例である。例えば、赤フィルターとしての光学特性を有する光学特性領域250a、青フィルターとしての光学特性を有する光学特性領域250b、黄色フィルターとしての光学特性を有する光学特性領域250c、緑フィルターとしての光学特性を有する光学特性領域250dを有する光学素子部250が形成される。
【0073】
なお、図4のように光学素子部250の全面をいずれかの光学特性領域250a、250b、250c、250dとしなくてもよい。例えば、光学素子部250をターレット212に装着した状態で当該ターレット212を回転させた際に、ターレット本体213及び素子抑え部214の各開口部213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c.214dから各光学特性領域250a、250b、250c、250dが露出されるよう構成すればよい。言い換えれば、各光学特性領域250a、250b、250c、250dがカメラ光学系の光路上に配置されればよい。
【0074】
例えば、図5Aの光学素子部251に示すように、印刷領域251aに対して赤味を帯びた色を印刷し、印刷領域251bに対して青味を帯びた色を印刷し、印刷領域251cに対して黄色味を帯びた色を印刷し、印刷領域251dに対して緑色味を帯びた色を印刷してもよい。
【0075】
さらに、図5Bの光学素子部252に示すように、例えば透明な樹脂シート、ガラスシート等により構成された光学素子部252の本体252Aに、光学特性が異なる部材を張り付けることにより光学素子領域252a、252b、252c、252dを有する光学素子部252を構成してもよい。
【0076】
ターレット222に取り付けられる光学素子部260の各光学特性領域260a、260b、260c、260dには、例えば、入射する光を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とから成るパターンであって、特性が異なる2以上のパターン(例えば、ピンホールパターン、ゾーンプレートパターン、フォトンシーブパターン)が形成される。
そして、例えば、カメラに取り付けてターレット212により色温度変換フィルターを選択し、ターレット222によりピンホールパターンを選択することにより、色温度変換フィルターとピンホールパターンによる像を撮影できる。
【0077】
以上のように、2以上のターレットを備えることにより、ターレットの数だけの光学特性を重ね合わせて選択することができる。
なお、このように、フィルターとして機能するターレット212と透過/遮光パターンとして機能するターレット222を備える場合には、カメラに取り付けた際に、ターレット212を被写体側、ターレット222をカメラ側に、配置することが好ましい。
【0078】
次に、光学素子部260に適用する透過/遮光パターンの一例について図16A図16Bを用いて説明する。図16Aは光学素子部60の平面図、図16Bは光学素子部70の平面図である。光学素子部60、光学素子部70は、入射する光を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とから成るパターンであって、特性が異なる2以上のパターンが形成されて構成されている。図16A図16Bの例では、光学素子部60の各光学特性領域60a、60b、60c、60d、及び、光学素子部70の光学特性領域70a、70c、70dは、それぞれ異なる光学特性を有する。例えば、ピンホールパターン、ゾーンプレートパターン、フォトンシーブパターンの少なくともいずれかのパターンを有する。
【0079】
図16Aに示す光学素子部60には、カメラ光学系の光軸上にその中心を有するピンホールパターン、カメラ光学系の光軸上にその中心を有する同心円状の複数の開口を有するゾーンプレートパターン、カメラ光学系の光軸上にその中心を有するフォトンシーブパターンが形成される。光学素子部60の光学特性領域60aには、ピンホールパターンが形成される。光学素子部60の光学特性領域60bには、フラクタルゾーンプレートパターンが形成される。光学素子部60の光学特性領域60cは、フレネルゾーンプレートパターンが形成される。また、光学素子部60の光学特性領域60dには、フォトンシーブパターンが形成される。
【0080】
図16Bに示す光学素子部70の光学特性領域70a、70b、70cには、それぞれパターンの異なるゾーンプレートパターン(例えば、二次元直交、一次元縦縞、一次元横縞等)が形成される。光学素子部70の光学特性領域70dには、カメラ光学系の光軸上にその中心を有するピンホールパターンが形成される。
【0081】
光学素子部60、70の材料は特に限定されず、例えば、一体成型品の樹脂シート、ガラスシート等を光学素子部60、70として用いる。光学素子部60、70の各領域に、例えば銀塩感光材料を用いる方法、レーザーアブレーションを用いる方法、各種印刷による方法等により各パターンを構成し、光学特性領域60a、60b、60c、60d、70a、70b、70c、70dを形成して光学素子部60、70が形成される。
【0082】
さらに、光学素子部の一の光学特性領域に、光学素子が有する光学特性のうち2以上の特性を有するよう構成してもよい。例えば、光学素子部の一の領域に対して赤味を帯びた色を印刷し、さらに当該一の領域にピンホールパターンを構成する。これにより、ターレットを回転させて当該光学特性領域を選択することにより、赤色のカラーフィルターとピンホールの2つの特性を同時に選択することができる。
【0083】
さらにまた、ピンホールパターンは図示したような円形のパターンに限定されるものではない。例えば星形、多角形などのパターンでもよい。さらに、複数のピンホールパターンを形成してもよい。例えば、図17A図17Bに示すような種々の形状からなる複数のピンホールパターンを構成してもよい。
【0084】
次に、光学素子部260に適用するレンズの一例について図18図19を用いて説明する。図18は、光学素子部80の平面図であり、図19図18のA-A断面図である。光学素子部80の各光学特性領域80a、80b、80c.80dは、特性が異なる2以上のレンズが形成されて構成される。同図の例では、それぞれ異なる光学特性を有する。例えば、射出成形により光学素子部80の各領域にレンズを一体成形する。光学素子部80の材料は特に限定されず、例えば透光性を有する樹脂およびガラス等があげられる。樹脂材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等があげられる。
【0085】
図18図19に示す光学素子部80の光学特性領域80a、80b、80c、80dには、それぞれ種類の異なるレンズが形成される。図18の例では、光学素子部80の光学特性領域80bには平凸レンズが形成され、光学特性領域80aには平凹レンズが形成される。形成されるレンズは特に限定されず、図19に示す例の他、両凹レンズ、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ等である。
【0086】
以上、第二実施形態では、2つのターレットを備えたターレット式光学素子装置200について説明した。ターレットの数は2つに限定されるものではない。ターレット式光学素子装置200にターレット212のみ又はターレット222のみを備えてもよく、或いは、3以上のターレットを備えてもよい。
【0087】
<第三実施形態>
第一実施形態、第二実施形態では、光学素子部自身を一体形成品とし、ターレットに着脱可能に構成したターレット式光学素子装置について説明した。
第三実施形態は、光学素子部を2以上の光学特性部材により構成した。その他の構成については、第一実施形態及び第二実施形態と同様のため説明を省略する。図20は、第三実施形態による光学素子部90の説明図であり、図21は、光学特性部材90a乃至90dの篏合説明図である。
【0088】
本実施形態のターレット式光学素子装置は、カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、光路用開口部を有する基材に対し回転可能に設けられ、光学素子が有する光学特性を有する光学特性領域を有する光学特性部材90a、90b、90c、90dであって、特性が異なる2以上の光学特性部材90a、90b、90c、90dにより構成される光学素子部90を着脱可能に取り付けるターレットを備え、ターレットは、2以上の開口部を形成しており当該ターレットを回転させることにより各開口部を光路用開口部に対向可能に構成され、光学素子部90を構成する各光学特性部材90a、90b、90c、90dに対応する形状の凹部を有するターレット本体と、光学素子部を抑える素子抑え部であって、ターレット本体に取り付けた際に当該ターレット本体の開口部と略同一位置に略同一形状の2以上の開口部が形成されて成る素子抑え部を有し、光学素子部90をターレットに取り付ける際には、ターレット本体の凹部に、光学素子部90を構成する各光学特性部材90a、90b、90c、90dをそれぞれ篏合させて、さらに、素子抑え部をターレット本体に取り付ける。
【0089】
光学素子部90は、特性が異なる2以上の光学特性部材90a、90b、90c、90dにより構成される。ターレット本体の凹部は、各光学特性部材90a、90b、90c、90dに対応する形状の凹部が形成されている。光学素子部90をターレットに取り付ける際には、図21に示すようにターレット本体の凹部に、光学特性部材90a、90b、90c、90dを篏合して、さらに、素子抑え部(不図示)を篏合して取り付ける。なお、当該各光学特性領域における光学特性は第一実施例及び第二実施例で詳述したため説明を省略する。
【0090】
このように、ターレット本体の凹部に光学特性部材90a、90b、90c、90dを篏合して素子抑え部で抑えて取り付けるよう構成したので、ターレットを容易にターレット本体と素子抑え部とに分解して、各光学特性部材90a、90b、90c、90dを篏合して安定的に取り付け、かつ、ターレットをターレット本体と素子抑え部に分解することにより、1度の分解・交換作業で各光学特性部材90a、90b、90c、90dを簡単に交換することができる。
【0091】
<第四実施形態>
第一実施形態、第二実施形態では、光学素子部自身を一体形成品とし、ターレットに着脱可能に構成したターレット式光学素子装置について説明した。
第四実施形態は、光学素子部をターレットと一体形成される一体形成品として構成する場合のターレット式光学素子装置の実施例である。他の構成は、他の実施例と同様であるため、詳細な説明を省略する場合がある。図22は、本発明の第四実施形態によるターレット312の外観斜視説明図である。
【0092】
第四実施形態のターレット式光学素子装置は、カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、光路用開口部311bを有する基材311に対し回転可能に設けられるターレット312を備え、ターレット312は、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域312Aa、312Ab、312Ac、312Adを有する光学素子部312Aを有し、当該ターレット312を回転させることにより各光学特性領域312Aa、312Ab、312Ac、312Adを光路用開口部311bに対向可能に構成され、光学素子部312Aはターレット312と一体形成される一体形成品であることを特徴とする。
【0093】
ターレット312の略中心には、孔312eが形成されている。孔312eと基材311の軸311aに、ネジ(不図示)を通してターレット312が基材311に回転可能に支持される。
ターレット312の材料は特に限定されず、例えば樹脂およびガラス、金属等があげられる。樹脂材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ABS樹脂、塩ビ等があげられる。
【0094】
図22に示すようにターレット312は、光学素子部312Aを有する。光学素子部312Aは、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域312Aa、312Ab、312Ac、312Adを有する。同図において光学特性領域312Aa、312Ab、312Ac、312Adを点線で図示した。当該各光学特性領域における光学特性は第一実施例及び第二実施例で詳述したため説明を省略する。
【0095】
ターレット312を回転させることによりターレット312の光学素子部312Aの各光学特性領域312Aa、312Ab、312Ac、312Adを基材311の光路用開口部311bに対向可能に構成する。図22は、光学特性領域312Abが光路用開口部311bに対向している。つまり、同図は一点鎖線で図示したカメラ光学系の光路中に、光学特性領域312Abを挿入した場合の例である。
【0096】
2以上の光学特性領域312Aa、312Ab、312Ac、312Adを有する光学素子部312Aをターレット312と一体に形成したので、1回のターレット312の交換により2以上の光学特性を交換することができる。
【0097】
以上説明したターレット式光学素子装置によれば、1回の部材の交換により2以上の光学特性を交換することができるか、または、1度の分解・交換作業で各光学特性部材を簡単に交換することができるターレット式光学素子装等を実現できる。
【0098】
なお、ターレット式光学素子装置を、例えばトリプレットレンズを構成するレンズの交換可能なレンズとして応用することができる。トリプレットレンズの何れのレンズをターレット式光学素子装置による交換可能なレンズとしてもよく、全てのレンズをターレット式光学素子装置による交換可能なレンズとしてもよい。
【0099】
例えば、トリプレットレンズを構成する中央のレンズを交換可能なレンズとする場合、ターレット式光学素子装置のカメラ光学系の光路中の被写体側、例えば、基材の光路用開口部に固定レンズとして被写体側レンズを備える。さらに、ターレット式光学素子装置を取り付けるカメラの当該ターレット式光学素子装置を取り付ける箇所、又は、ターレット式光学素子装置のカメラ光学系の光路中のカメラ側にカメラ側レンズ取り付け部(不図示)に固定レンズとしてカメラ側レンズを備える。そして、中央の交換可能なレンズとしてターレット式光学素子装置に、特性が異なる2以上のレンズを光学特性領域に有するターレットを備える。
【0100】
このように、被写体側レンズ、ターレット式光学素子装置の光学素子部に形成されたレンズ、カメラ側レンズの3枚のレンズによりトリプレットレンズが構成される。ターレットを回転させることにより中央のレンズを変更可能なトリプレットレンズを実現できる。
また、トリプレットレンズを構成する両端のレンズを交換する構成に応用する場合、トリプレットレンズの中央のレンズを固定し、両端のレンズをターレット式光学素子装置にて構成すればよい。
トリプレットレンズを構成するレンズをターレット式光学素子装置により交換可能なレンズとすることにより、トリプレットレンズにおけるレンズの組み合わせを変更することが容易にできる。
【0101】
なお、光学特性に関し、図4等を示してフィルター領域について、図16A図16B図17A図17B等を示してパターンについて、図18等を示してレンズについて説明したが、光学特性領域には、パターン又はフィルター領域又はレンズの何れか2以上を形成して構成してもよい。
【0102】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、2以上の光学特性領域を有して一体形成された光学素子部及びこれを備えたターレットを有するターレット式光学素子装置に対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0103】
100・・・ターレット式光学素子装置
11・・・基材
12・・・ターレット
13・・・ターレット本体
13a、13b、13c.13d・・・開口部
13f・・・凹部
14・・・素子抑え部
14a、14b、14c.14d・・・開口部
15・・・カメラ取付枠体
50・・・光学素子部
50a、50b、50c.50d・・・光学特性領域
200・・・ターレット式光学素子装置
211・・・基材
212(222)・・・ターレット
213(223)・・・ターレット本体
213a、213b、213c、213d(223a、223b、223c、223d)・・・開口部
213f(223f)・・・凹部
214(224)・・・素子抑え部
214a、214b、214c、214d(224a、224b、224c.224d)・・・開口部
215・・・カメラ取付部
250(251、252)・・・光学素子部
250a、250b、250c、250d(251a、251b、251c.251d、252a、252b、252c.252d)・・・光学特性領域
260・・・光学素子部
260a、260b、260c、260d・・・光学特性領域
60、70、80・・・光学素子部
60a、60b、60c、60d、70a、70b、70c、70d、80a、80b、80c、80d・・・光学特性領域
90・・・光学素子部
90a、90b、90c、90d・・・光学特性部材
311・・・基材
312 ターレット
312A 光学素子部
312Aa、312Ab、312Ac、312Ad・・・光学特性領域
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、
光路上に光学素子を備えないレンズレスカメラに対する取り付け部と、
光路用開口部を有する基材に対し回転可能に設けられるターレットを備え、
前記ターレットは、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を有し、当該ターレットを回転させることにより各前記光学特性領域を前記光路用開口部に対向可能に構成され、
前記光学素子部は当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられ、
前記取り付け部により前記レンズレスカメラに取り付けて使用され、前記ターレット上の前記光学素子部以外に光路上に光学素子を備えない撮影系を構築することを特徴とするターレット式光学素子装置。
【請求項2】
前記各光学特性領域は、
入射する光を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とから成るパターンであって、特性が異なる2以上の前記パターンが形成されて成るか、又は、
特性が異なる2以上のレンズがそれぞれ形成されて成るか、又は、
前記パターン又は前記レンズの何れか2以上が形成されることを特徴とする請求項1に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項3】
前記ターレットは、
2以上の開口部を形成しており当該ターレットを回転させることにより各前記開口部を前記光路用開口部に対向可能に構成するターレット本体と、
前記光学素子部を抑える素子抑え部であって、前記ターレット本体に取り付けた際に当該ターレット本体の前記開口部と略同一位置に略同一形状の2以上の開口部が形成されて成る前記素子抑え部を有し、
前記光学素子部は、前記ターレットに取り付けた際に、前記各光学特性領域以外の部分が、前記ターレット本体の前記開口部以外の面部と、前記素子抑え部の前記開口部以外の部分に当接され、前記ターレット本体及び前記素子抑え部の前記各開口部と略同一位置に、前記各光学特性領域をそれぞれ有する一体形成品であり、
前記光学素子部を前記ターレット本体に取り付けて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項4】
前記ターレット本体は、前記光学素子部に対応する形状の凹部を有し、
前記光学素子部を前記ターレットに取り付ける際には、前記ターレット本体の前記凹部の底面に、前記光学素子部の少なくとも前記各光学特性領域以外の部分を当接させ前記光学素子部を篏合させて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けることを特徴とする請求項3に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項5】
前記パターンは、ピンホールパターン、又は、ゾーンプレートパターン、又は、フォトンシーブパターンであることを特徴とする請求項2乃至請求項4に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項6】
前記基材に対して回転可能な2以上の前記ターレットを備え、各前記ターレットは、それぞれ異なる又は同一の前記光学特性領域を有する前記光学素子部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置に用いられる光学素子部であって、当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられることを特徴とする光学素子部。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置に用いられるターレット。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のターレット式光学素子装置とレンズレスカメラとを備えるカメラ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明のターレット式光学素子装置は、カメラに使用されるターレット式光学素子装置であって、光路上に光学素子を備えないレンズレスカメラに対する取り付け部と、光路用開口部を有する基材に対し回転可能に設けられるターレットを備え、前記ターレットは、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を有し、当該ターレットを回転させることにより各前記光学特性領域を前記光路用開口部に対向可能に構成され、前記光学素子部は当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられ、前記取り付け部により前記レンズレスカメラに取り付けて使用され、前記ターレット上の前記光学素子部以外に光路上に光学素子を備えない撮影系を構築することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記各光学特性領域は、入射する光を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とから成るパターンであって、特性が異なる2以上の前記パターンが形成されて成るか、又は、特性が異なる2以上のレンズがそれぞれ形成されて成るか、又は、前記パターン又は前記レンズの何れか2以上が形成されるよう構成してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
前記ターレットは、2以上の開口部を形成しており当該ターレットを回転させることにより各前記開口部を前記光路用開口部に対向可能に構成するターレット本体と、前記光学素子部を抑える素子抑え部であって、前記ターレット本体に取り付けた際に当該ターレット本体の前記開口部と略同一位置に略同一形状の2以上の開口部が形成されて成る前記素子抑え部を有し、前記光学素子部は、前記ターレットに取り付けた際に、前記各光学特性領域以外の部分が、前記ターレット本体の前記開口部以外の面部と、前記素子抑え部の前記開口部以外の部分に当接され、前記ターレット本体及び前記素子抑え部の前記各開口部と略同一位置に、前記各光学特性領域をそれぞれ有する一体形成品であり、前記光学素子部を前記ターレット本体に取り付けて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けるよう構成してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
前記ターレット本体は、前記光学素子部に対応する形状の凹部を有し、前記光学素子部を前記ターレットに取り付ける際には、前記ターレット本体の前記凹部の底面に、前記光学素子部の少なくとも前記各光学特性領域以外の部分を当接させ前記光学素子部を篏合させて、さらに、前記素子抑え部を前記ターレット本体に取り付けるよう構成してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
前記パターンは、ピンホールパターン、又は、ゾーンプレートパターン、又は、フォトンシーブパターンであってもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の光学素子部は、前記ターレット式光学素子装置に用いられる光学素子部であって、当該光学素子部自身が一体形成品であって前記ターレットに着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
本発明のターレットは、前記ターレット式光学素子装置に用いられるターレットであることを特徴とする。
本発明のカメラは、前記ターレット式光学素子装置とレンズレスカメラとを備えることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を有するターレット式光学素子装置であって、1回の部材の交換により2以上の光学特性を交換することができるか、または、1度の分解・交換作業で各光学特性部材を簡単に交換することができるターレット式光学素子装置、これに用いられる光学素子部、これに用いられるターレット及びこれを備えたカメラを提供することを目的とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
次に、光学素子部260に適用するレンズの一例について図18図19を用いて説明する。図18は、光学素子部80の平面図であり、図19図18のA-A断面図である。光学素子部80の各光学特性領域80a、80b、80c.80dは、特性が異なる2以上のレンズが形成されて構成される。同図の例では、それぞれ異なる光学特性を有する。例えば、射出成形により光学素子部80の各領域にレンズを一体形成する。光学素子部80の材料は特に限定されず、例えば透光性を有する樹脂およびガラス等があげられる。樹脂材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等があげられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、ターレット式光学素子装置に関し、特に光学素子が有する光学特性のうち特性が異なる2以上の光学特性領域を有する光学素子部を備えて、レンズレスカメラに装着して利用するターレット式光学素子装置、これに用いられる光学素子部、これに用いられるターレット及びこれとレンズレスカメラを備えたカメラに関する。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正11
【補正方法】削除
【補正の内容】