(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133208
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置および試験方法
(51)【国際特許分類】
B09C 1/02 20060101AFI20220906BHJP
G01N 33/18 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B09C1/02
G01N33/18 E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032181
(22)【出願日】2021-03-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】何健
(72)【発明者】
【氏名】張愛国
(72)【発明者】
【氏名】孔徳洋
(72)【発明者】
【氏名】李菊穎
(72)【発明者】
【氏名】張悦清
(72)【発明者】
【氏名】豆葉枝
(72)【発明者】
【氏名】許静
(72)【発明者】
【氏名】田豊
(72)【発明者】
【氏名】余佳
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA41
4D004AB03
4D004AB05
4D004CA04
4D004CA12
4D004CA15
4D004CA41
4D004CB13
4D004CB21
4D004CC15
4D004DA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】現場で固形廃棄土壌を高速に浸出・抽出処理して固形廃棄土壌浸出液の毒性を高速かつ総合的に評価することができる、固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置および試験方法を提供する。
【解決手段】固形廃棄土壌を採集するためのサンプリング装置1、浸出液を抽出するための自動抽出装置2、および浸出液の毒性を検出するための高速検出装置3の3つの部分で構成された固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置及びそれを用いた試験方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形廃棄土壌を粉砕するための粉砕部材(11)、粉砕固形廃棄土壌を採集するための
スクリュー採集部材(12)、固形廃棄土壌を濾過するための濾過部材(13)を含み、
前記スクリュー採集部材(12)の一端が前記粉砕部材(11)に接続され、他端が前記
濾過部材(13)に接続される、固形廃棄土壌を採集するためのサンプリング装置(1)
と、
抽出液と固形廃棄土壌を混合するための混合部材(21)、固形廃棄土壌と浸出液を分
離するための濾過モジュール(24)、固形廃棄土壌の浸出処理のための浸出ユニット(
23)、および浸出タンクを揺動するための水平揺動部材(22)を含み、前記混合部材
(21)が中心ブラケット(20)の上端に設けられてサンプリング装置(1)に接続さ
れ、前記濾過モジュール(24)が中心ブラケット(20)の下端に設けられて高速検出
装置(3)に接続され、前記浸出ユニット(23)が周方向に等間隔で中心ブラケット(
20)の周りに複数組設けられ、各浸出ユニット(23)の上端が混合部材(21)に配
設された延伸管(211)に対応して接続され、その下端が濾過モジュール(24)に配
設された濾過タンク(241)に対応して接続され、前記水平揺動部材(22)は、中心
ブラケット(20)上可動的に設けられた回転ディスク(220)、回転ディスク(22
0)の中心軸線を貫通して回転可能に接続された第1の接続ロッド(221)、前記第1
の接続ロッド(221)の中心に垂直に交差し回転ディスク(220)が固定的に接続さ
れたシュート(222)、2つの中心が対称的に設けられた第2の接続ロッド(223)
、一端が前記第1の接続ロッド(221)の先端に接続され他端がシュート(222)に
可動的に接続され、かつ第2の接続ロッド(223)のシュート(222)内での摺動を
制御するための空気圧プッシュロッド部材(224)を含み、かつ前記第1の接続ロッド
(221)、空気圧プッシュロッド部材(224)の先端にそれぞれ浸出ユニット(23
)に接続されるためのロッド本体(225)が設けられる、浸出液を抽出するための自動
抽出装置(2)と、
重金属を検出するための重金属検出モジュール(30)、および有機物を検出するため
の有機物検出モジュール(31)を含み、前記重金属検出モジュール(30)、有機物検
出モジュール(31)が複数設けられ1対1に突き合わされ、重金属検出モジュール(3
0)が濾過モジュール(24)と液体出口パイプを介して接続される、浸出液の毒性を検
出するための高速検出装置(3)とを含む、
ことを特徴とする固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置。
【請求項2】
前記高速検出装置(3)の重金属検出モジュール(30)、有機物検出モジュール(3
1)については、
前記重金属検出モジュール(30)は、複数の第1の絶縁管路(300)、前記第1の
絶縁管路(300)の両端に対応して設けられた複数組の正極および負極電極(301)
、前記正極および負極電極(301)に電気的に接続された第1のデータ採集モジュール
(304)、前記第1の絶縁管路(300)に設けられて重金属イオン沈殿剤を添加する
ための添加部材(302)、および前記添加部材(302)と第1の絶縁管路(300)
の両端の接続部に設けられた2つの計量モジュール(303)を含み、
前記有機物検出モジュール(31)は、絶縁管路(300)に接続されて浸出液を加熱
するための加熱部材(310)、前記加熱部材(310)と排気管を介して接続された第
2の絶縁通路(311)、前記第2の絶縁通路(311)と排気管の接続部に設けられて
揮発性有機ガスを照射するためのUV光源、前記第2の絶縁通路(311)内に設けられ
た電離部材(312)、および前記電離部材(312)に電気的に接続された第2のデー
タ採集モジュール(313)を含み、
前記高速検出装置(3)は、重金属検出モジュール(30)、有機物検出モジュール(
31)に電気的に接続された無線データ転送モジュール、および前記無線データ転送モジ
ュールとシグナルドッキングされたターミナルコンピュータをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記自動抽出装置(2)の混合部材(21)、浸出ユニット(23)、および濾過モジ
ュール(24)については、
前記混合部材(21)は、濾過部材(13)に接続された混合キャビティ(210)、
前記混合キャビティ(210)内に設けられた水分測定器、および前記混合キャビティ(
210)に接続された抽出液注入部材を含み、
前記浸出ユニット(23)は、水平揺動部材(22)に接続された浸出タンク(230
)、浸出タンク(230)内に設けられた浸出攪拌部材、および前記浸出タンク(230
)と水平揺動部材(22)のロッド本体(225)の接続部に設けられたロータリーモー
ター(231)を含み、前記浸出タンク(230)の上下両端にそれぞれ混合部材(21
)の延伸管(211)、濾過モジュール(24)の濾過タンク(241)突き合わされた
電気制御ドアを含み、
前記濾過モジュール(24)は、前記中心ブラケット(20)の下端に設けられた中央
バッファキャビティ(240)、および中央バッファキャビティ(240)に周方向に設
けられそれと連通する各前記濾過タンク(241)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項4】
前記試験装置は、サンプリング装置(1)、自動抽出装置(2)、高速検出装置(3)を
搭載するための可動テーブルをさらに含み、前記第1の絶縁管路(300)内に、重金属
沈殿物を収集するための濾過収集部材、および前記濾過収集部材によって濾過された重金
属沈殿物を計量するための計量モジュールを含み、前記濾過タンク(241)内に0.4
5~0.6umの微孔性濾過フィルムを備えている、ことを特徴とする請求項1から3の
いずれか1項に記載の試験装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置を使用して固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験する方法であって
、
ステップ1:固形廃棄土壌の採集
サンプリング装置(1)を使用して固形廃棄土壌を粉砕・採集し、濾過して、固形廃棄土
壌を孔径3~5mmのフィルターを通過させふるいにかけた固形廃棄土壌を取得するステ
ップと、
ステップ2:浸出液の抽出
1)ふるいにかけた固形廃棄土壌を混合部材(21)に入れ、固液混合比が1g:5~1
5mlになるように抽出液を加える同時に、60~120r/minの回転数で10~2
0min攪拌してから、480~600r/minの回転数で30min攪拌して、攪拌
された混合物を取得し、
2)攪拌された混合物を浸出タンク(230)に通し、600r/minの回転数で10
~20min攪拌する同時に、空気圧プッシュロッド部材(224)によって回転ディス
ク(220)を駆動して揺動させ、ロータリーモーター(231)によって浸出タンク(
230)が30~60r/minの回転数で3~5h回転するように制御し、固形廃棄土
壌浸出液を取得するステップと、
ステップ3:重金属および揮発性有機物の検出
1)固形廃棄土壌浸出液を重金属検出モジュール(30)の第1の絶縁管路(300)に
通し、正極および負極電極(301)に電源を投入し、重金属沈殿剤を連続的に注入し、
第1のデータ採集モジュール(304)によって導電率を監視し、計量モジュール(30
3)によって重金属沈殿剤の注入量を監視し、導電率が安定になるまで重金属沈殿を収集
・計量した後、重金属沈殿剤の注入を停止し、
2)固形廃棄土壌浸出液を有機物検出モジュール(31)の加熱部材(310)に通し7
0~100℃に加熱し、揮発性有毒ガスを発生させた後、UV光源を使用して揮発性有毒
ガスを照射し電離を行い、第2のデータ採集モジュール(313)によって回路電流信号
を監視し、
3)ターミナルコンピュータによってステップ1)、2)で測定された導電率、重金属沈
殿剤使用量、沈殿重量に基づいて重金属含有量を推定し、電流信号の変化に従って揮発性
有機物含有量を推定して、固形廃棄土壌浸出液の毒性を総合的に評価するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記ステップ3において、複数組の固形廃棄土壌浸出液を同時に検出することができ、タ
ーミナルコンピュータによって複数組の導電率および導電率に対応する重金属沈殿剤使用
量に基づいて重金属含有量の平均値を推定し、電流信号の変化に従って揮発性有機物含有
量の平均値を推定し、そして重金属含有量の平均値、揮発性有機物含有量の平均値に基づ
いて浸取液の毒性を総合的に評価する、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形廃棄浸出液の毒性検出の技術分野に関し、具体的には固形廃棄土壌浸出液
の生態毒性を試験するための試験装置および試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浸出毒性とは、通常、水域の固体廃棄物の浸出、浸出された有害物質が移動と変換し、環
境を汚染することを指す。浸出毒性には、カドミウム、鉛、水銀、ヒ素、六価クロム、シ
アン化物などの無機元素および化合物、DDT、BHC、パラチオンなどの有機農薬、ニ
トロベンゼン、フェノール、ポリ塩素化ビフェニルなどの非揮発性有機化合物、ベンゼン
、トルエン、四塩化炭素などの揮発性有機化合物が含まれる。
【0003】
既存の生態毒性監視装置は通常、毒性環境で微生物、動植物の生存状態を観察して生態毒
性を評価するが、この方法はディレが高く、監視環境の変化を即時に反映するには不十分
であり、このような監視装置および方法は水域で広く使用され、つまり、固形廃棄土壌の
浸出毒性が水域に拡散し、水域の動植物に大きな被害をもたらしている。
【0004】
従って、従来技術では水域のショアベースでの固形廃棄浸出毒性の高速に検出を実現し、
浸出生態毒性をリアルタイムに監視し、水環境の即時な保護を容易にするための技術を欠
いている。
【発明の概要】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、水域のショアベースで固形廃棄土壌浸出
毒性を高速に検出できる現場監視装置、および固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を高速に検
出できる方法を提供する。
【0006】
本発明の技術的解決策として、固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置
は以下を含む。
【0007】
固形廃棄土壌を採集するためのサンプリング装置は、固形廃棄土壌を粉砕するための粉砕
部材、粉砕された固形廃棄土壌を採集するためのスクリュー採集部材、固形廃棄土壌を濾
過するための濾過部材を含み、前記スクリュー採集部材の一端が前記粉砕部材に接続され
、他端が前記濾過部材に接続され、濾過部材によって大粒子径の砂石を分離し、土壤含有
量を高め、大粒子径砂石の検出結果に対する影響を低減する、
浸出液を抽出するための自動抽出装置は、抽出液と固形廃棄土壌を混合するための混合部
材、固形廃棄土壌と浸出液を分離するための濾過モジュール、固形廃棄土壌の浸出処理の
ための浸出ユニット、および浸出タンクを揺動するための水平揺動部材を含み、前記混合
部材が中心ブラケットの上端に設けられサンプリング装置に接続され、前記濾過モジュー
ルが中心ブラケットの下端に設けられ高速検出装置に接続される、
前記浸出ユニットが複数組設けられ周方向に等間隔で中心ブラケットの周りに設けられ、
各浸出ユニットの上端が混合部材に配設された延伸管に接続され、その下端が濾過モジュ
ールに配設された濾過タンクに接続される、
前記水平揺動部材は、可動的に中心ブラケット上に設けられた回転ディスク、回転ディス
クの中心軸線を貫通し回転可能に接続された第1の接続ロッド、前記第1の接続ロッドの
中心に垂直に交差し回転ディスクに固定的に接続されたシュート、2つの中心が対称に設
けられた第2の接続ロッド、一端が前記第1の接続ロッドの先端に接続され他端がシュー
トに可動的に接続され、かつ第2の接続ロッドのシュート内での摺動を制御するための空
気圧プッシュロッド部材を含み、前記第1の接続ロッド、空気圧プッシュロッド部材の先
端にそれぞれ浸出ユニットに接続されたロッド本体が設けられ、空気圧プッシュロッド部
材の駆動、および第1の接続ロッド、第2の接続ロッドの配合によって第1の接続ロッド
にでロッド本体を横方向に揺動させ、空気圧プッシュロッド部材にでロッド本体を前後に
運動させ、第1の接続ロッド、第2の接続ロッド、および空気圧プッシュロッド部材によ
って回転ディスクによるロッド本体に接続された浸出タンクの周期的かつ反復的な揺動を
実現し、揺動によって浸出タンクの浸出効率を効果的に高め、空気圧プッシュロッド部材
は回転ディスクを高速に揺動させ、浸出タンクの揺動頻度を高め、浸出液の取得にかかる
時間を効果的に減少することができる、
浸出液の毒性を検出するための高速検出装置は、重金属を検出するための重金属検出モジ
ュール、および有機物を検出するための有機物検出モジュールを含み、前記重金属検出モ
ジュール、有機物検出モジュールはそれぞれ複数設けられ1対1に突き合わされ、且つ重
金属検出モジュールが濾過モジュールと液体出口パイプを介して接続される。
【0008】
さらに、前記高速検出装置の重金属検出モジュール、有機物検出モジュールについては、
具体的に、
前記重金属検出モジュールは、複数の第1の絶縁管路、それぞれ対応して前記第1の絶縁
管路の両端に設けられた複数組の正極および負極電極、前記正極および負極電極に電気的
に接続された第1のデータ採集モジュール、前記第1の絶縁管路に設けられ重金属イオン
沈殿剤を添加するための添加部材、および前記添加部材と第1の絶縁管路の両端の接続部
に設けられた2つの計量モジュールを含み、
前記有機物検出モジュールは、絶縁管路に接続されて浸出液を加熱するための加熱部材、
前記加熱部材と排気管を介して接続された第2の絶縁通路、前記第2の絶縁通路と排気管
の接続部に設けられ揮発性有機ガスを照射するためのUV光源、前記第2の絶縁通路内に
設けられた電離部材、前記電離部材に電気的に接続された第2のデータ採集モジュールを
含み、
前記高速検出装置は、重金属検出モジュール、有機物検出モジュールに電気的に接続され
た無線データ転送モジュール、および前記無線データ転送モジュールにシグナルドッキン
グされたターミナルコンピュータをさらに含み、無線データ転送モジュールによって重金
属検出モジュール、有機物検出モジュールの検出データをターミナルコンピュータに送信
し、ターミナルコンピュータによって固形廃棄土壌の浸出毒性を算出する。
【0009】
さらに、前記自動抽出装置の混合部材、浸出ユニット、および濾過モジュールについては
、具体的に、
前記混合部材は、濾過部材に接続された混合キャビティ、前記混合キャビティ内に設けら
れた水分測定器、および前記混合キャビティに接続された抽出液注入部材を含み、混合キ
ャビティによって固形廃棄土壌の含水量を制御し、固形廃棄土壌と抽出液の初期混合を実
現する、
前記浸出ユニットは、水平揺動部材に接続された浸出タンク、浸出タンク内に設けられた
浸出攪拌部材、および前記浸出タンクと水平揺動部材のロッド本体の接続部に設けられた
ロータリーモーターを含み、前記浸出タンクの上下両端にそれぞれ混合部材の延伸管、濾
過モジュールの濾過タンクと突き合わされた電気制御ドアが設けられ、複数の浸出ユニッ
トによって、複数の固形廃棄土壌浸出処理の浸出液取得効率を大幅に高め、試験装置の試
験応答時間を短縮し、より効率的な検出分析を提供することができる、
前記濾過モジュールは、前記中心ブラケットの下端に設けられた中央バッファキャビティ
、および中央バッファキャビティに周方向に設けられそれと連通する各前記濾過タンクを
含み、上記設置と浸出ユニットの配合によって、本試験装置の機能の実現を効果的に確保
することができる。
【0010】
さらに、前記試験装置は、サンプリング装置、自動抽出装置、高速検出装置を搭載するた
めの可動テーブルをさらに含み、可動テーブルによって監視範囲を拡大し、複数の地点を
検出して正確な監視データを提供し、前記第1の絶縁管路内に重金属沈殿物を収集するた
めの濾過収集部材、および前記濾過収集部材で濾過された重金属沈殿物を計量するための
計量モジュールがさらに設けられ、濾過収集部材によって重金属沈殿物の収集を実現し、
重金属沈殿物の量と合わせて重金属含有量の正確な評価に寄与し、前記濾過タンク内に0
.45~0.6umの微孔性濾過フィルムが設けられ、微孔性濾過フィルムによって固形
廃棄土壌と浸出液を完全に分離でき、浸出液の毒性を効果的かつ正確に検出するのに便利
である。
【0011】
本発明は、固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験方法を提供し、それは、
以下のステップを含む。
ステップ1:固形廃棄土壌の採集
サンプリング装置を使用して固形廃棄土壌を粉砕・採集し、濾過して、固形廃棄土壌を孔
径3~5mmのフィルターを通過させてふるいにかけた固形廃棄土壌を取得する、
ステップ2:抽出浸出液
1)ふるいにかけた固形廃棄土壌を混合部材に入れ、固液混合比が1g:5~15mlに
なるように抽出液を加える同時に、60~120r/minの回転数で10~20min
攪拌してから、480~600r/minの回転数で30min攪拌して、攪拌された混
合物を取得する、
2)攪拌された混合物を浸出タンクに通し、600r/minの回転数で10~20mi
n攪拌する同時に、空気圧プッシュロッド部材によって回転ディスクを駆動して揺動させ
、ロータリーモーターによって浸出タンクが30~60r/minの回転数で3~5h回
転するように制御し、固形廃棄土壌浸出液を取得する、
ステップ3:重金属および揮発性有機物の検出
1)固形廃棄土壌浸出液を重金属検出モジュールの第1の絶縁管路に通し、正極および負
極電極に電源を投入し、重金属沈殿剤を連続的に注入し、第1のデータ採集モジュールに
よって導電率を監視し、計量モジュールによって重金属沈殿剤の注入量を監視し、導電率
が安定になるまで重金属沈殿を収集・計量した後、重金属沈殿剤の注入を停止する、
2)固形廃棄土壌浸出液を有機物検出モジュールの加熱部材に通し70~100℃に加熱
し、揮発性有毒ガスを発生させた後、UV光源を使用して揮発性有毒ガスを照射し電離を
行い、第2のデータ採集モジュールによって回路電流信号を監視する、
3)ターミナルコンピュータによってステップ1)、2)で測定された導電率、重金属沈
殿剤使用量、沈殿重量に基づいて重金属含有量を推定し、電流信号の変化に従って揮発性
有機物含有量を推定して、固形廃棄土壌浸出液の毒性を総合的に評価する。
さらに、前記ステップ3において複数組の固形廃棄土壌浸出液を同時に検出することがで
き、ターミナルコンピュータによって複数組の導電率および導電率に対応する重金属沈殿
剤使用量に基づいて重金属含有量の平均値を推定し、電流信号の変化に従って揮発性有機
物含有量の平均値を推定し、そして重金属含有量の平均値、揮発性有機物含有量の平均値
に基づいて浸取液の毒性を総合的に評価する。複数組の検出によって、同一固形廃棄土壌
浸出液に対して複数組の検出を行い、複数組の値から平均値を求めることによって浸出液
の毒性検出の正確性を高め、複数組の検出による検出時間の増加という問題を回避するこ
ともできる。
【0012】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
(1)本発明は固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置を提供し、サン
プリング装置、自動抽出装置、高速検出装置によって、固形廃棄土壌の採集、採集された
土壤の高効率浸出および高速検出を実現でき、固形廃棄浸出液の生態毒性を高速に評価で
き、水平揺動部材によって浸出タンクを揺動させ、浸出タンク自身の回転、および浸出タ
ンク内部の高速攪拌によって浸出速度を効果的に増やし、浸出液の取得にかかる時間を大
幅に低減することができる。
(2)本発明によって提供される方法は、浸出液に連続的に重金属沈殿剤を注入し、浸出
液の導電率を監視し、最終的に重金属沈殿剤の使用量、沈殿重量、および導電率に基づい
て重金属イオンの数を評価することで、重金属イオンを高速に検出でき、加熱装置によっ
て浸出液中の有機物の揮発を加速し、紫外線光分解、電離によって有機物含有量を高速に
検出でき、ターミナルコンピュータによって浸出液の毒性を高速的かつ総合的に評価する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1の全体構造の概略図である。
【
図2】本発明の実施例1の自動抽出装置の構造の概略図である。
【
図3】本発明の実施例1の水平揺動部材の構造の概略図である。
【
図4】本発明の実施例1の高速検出装置の構造の概略図である。
【
図5】本発明の実施例1の有機物検出モジュールの構造の概略図である。
【0014】
[符号の説明]
1 サンプリング装置
11 粉砕部材
12 スクリュー採集部材
13 濾過部材
2 自動抽出装置
20 中心ブラケット
21 混合部材
210 混合キャビティ
211 延伸管
22 水平揺動部材
220 回転ディスク
221 第1の接続ロッド
222 シュート
223 第2の接続ロッド
224 空気圧プッシュロッド部材
225 ロッド本体
23 浸出ユニット
230 浸出タンク
231 ロータリーモーター
24 濾過モジュール
240 中央バッファキャビティ
241 濾過タンク
3 高速検出装置
30 重金属検出モジュール
300 第1の絶縁管路
301 正極および負極電極
302 添加部材
303 計量モジュール
31 有機物検出モジュール
310 加熱部材
311 第2の絶縁通路
312 電離部材
313 第2のデータ採集モジュール
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例1
図1に示すように、固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置は、固形廃
棄土壌を採集するためのサンプリング装置1、浸出液を抽出するための自動抽出装置2、
および浸出液の毒性を検出するための高速検出装置3を含み、試験装置は、サンプリング
装置1、自動抽出装置2、高速検出装置3を搭載するための可動テーブルをさらに含み、
可動テーブルは市販のオフロード巡航車両を採用し、具体的な製品のモデルは必要に応じ
て当業者が選択して使用すればよく、ここで特に限定されず、可動テーブルによって監視
範囲を拡大し、複数の地点で検出して正確な監視データを提供することに寄与する、
【0016】
一、サンプリング装置1
図1に示すように、サンプリング装置1は、固形廃棄土壌を粉砕するための粉砕部材11
、粉砕された固形廃棄土壌を採集するためのスクリュー採集部材12、固形廃棄土壌を濾
過するための濾過部材13を含み、スクリュー採集部材12の一端が粉砕部材11に接続
され、他端が濾過部材13に接続され、濾過部材13によって大粒子径の砂石を分離して
土壤含有量を高め、大粒子径砂石の検出結果に対する影響を大幅に低減することができる
。
【0017】
二、自動抽出装置2
図1および
図2に示すように、自動抽出装置2は、抽出液と固形廃棄土壌を混合するため
の混合部材21、固形廃棄土壌と浸出液を分離するための濾過モジュール24、固形廃棄
土壌の浸出処理のための浸出ユニット23、および浸出タンクを揺動するための水平揺動
部材22を含み、混合部材21が中心ブラケット20の上端に設けられサンプリング装置
1に接続され、濾過モジュール24が中心ブラケット20の下端に設けられ高速検出装置
3に接続される、
1)混合部材21
図2に示すように、混合部材21は、濾過部材13に接続された混合キャビティ210、
混合キャビティ210内に設けられた水分測定器、および混合キャビティ210に接続さ
れた抽出液注入部材を含み、混合キャビティによって固形廃棄土壌含水量を制御し、固形
廃棄土壌と抽出液の初期混合を実現できる。
2)水平揺動部材22
図3に示すように、水平揺動部材22は、可動的に中心ブラケット20上に設けられた回
転ディスク220、回転ディスク220の中心軸線を貫通して中心ブラケット20に回転
可能に接続された第1の接続ロッド221、第1の接続ロッド221の中心に垂直に交差
して回転ディスク220に固定的に接続されたシュート222、2つの中心が対称に設け
られた第2の接続ロッド223、一端が第1の接続ロッド221の先端に接続され他端が
シュート222に可動的に接続されて第2の接続ロッド223のシュート222内での摺
動を制御するための空気圧プッシュロッド部材224を含み、第1の接続ロッド221、
空気圧プッシュロッド部材224の先端にそれぞれ浸出ユニット23に接続されたロッド
本体225が設けられ、空気圧プッシュロッド部材224によって駆動され、第1の接続
ロッド221、第2の接続ロッド223の配合によって第1の接続ロッド221にロッド
本体225が横方向に揺動し、空気圧プッシュロッド部材224にロッド本体225が前
後に運動し、第1の接続ロッド221、第2の接続ロッド223、および空気圧プッシュ
ロッド部材224によって回転ディスク220によるロッド本体225に接続された浸出
タンク230の周期的かつ反復的な揺動を実現し、揺動によって浸出タンク230の浸出
効率を効果的に高め、空気圧プッシュロッド部材224によって回転ディスク220の高
速揺動を実現し、浸出タンク230の揺動頻度を高め、浸出液の取得にかかる時間を大幅
に短縮することができる。
3)浸出ユニット23
図2に示すように、浸出ユニット23が周方向に等間隔で中心ブラケット20の周りに4
組設けられ、各浸出ユニット23の上端が混合部材21に配設された延伸管211に接続
され、その下端が濾過モジュール24に配設された濾過タンク241に接続され、浸出ユ
ニット23は水平揺動部材22に接続された浸出タンク230、浸出タンク230内に設
けられた浸出攪拌部材、および浸出タンク230と水平揺動部材22のロッド本体225
の接続部に設けられたロータリーモーター231を含み、浸出タンク230の上下両端に
それぞれ混合部材21の延伸管211、濾過モジュール24の濾過タンク241と突き合
わされた電気制御ドアが設けられ、複数の浸出ユニット23によって、複数の固形廃棄土
壌浸出処理の浸出液取得効率を高め、試験装置の試験応答時間を短縮して高効率の検出分
析を提供することができる。
4)濾過モジュール24
図2に示すように、濾過モジュール24は、中心ブラケット20の下端に設けられた中央
バッファキャビティ240、および中央バッファキャビティ240に周方向に設けられそ
れと連通する各濾過タンク241を含み、濾過タンク241内に0.55umの微孔性濾
過フィルムが設けられ、微孔性濾過フィルムによって固形廃棄土壌と浸出液を完全に分離
し、浸出液の毒性を効果的かつ正確に検出し、上記の設置と浸出ユニット23の配合によ
って、本試験装置の機能実現を効果的に確保できる。
【0018】
三、高速検出装置3
図1および
図4に示すように、高速検出装置3は、重金属を検出するための重金属検出モ
ジュール30、および有機物を検出するための有機物検出モジュール31を含み、重金属
検出モジュール30、有機物検出モジュール31にそれぞれ複数設けられかつ1対1に突
き合わされ、重金属検出モジュール30は濾過モジュール24と液体出口パイプを介して
接続され、
1)重金属検出モジュール30
図4に示すように、重金属検出モジュール30は、複数の第1の絶縁管路300、それぞ
れ対応して第1の絶縁管路300の両端に設けられた複数組の正極および負極電極301
、正極および負極電極301に電気的に接続された第1のデータ採集モジュール304、
第1の絶縁管路300に設けられ重金属イオン沈殿剤を添加するための添加部材302、
および添加部材302と第1の絶縁管路300の両端の接続部に設けられた2つの計量モ
ジュール303を含み、
2)有機物検出モジュール31
図5に示すように、有機物検出モジュール31は、絶縁管路300に接続されて浸出液を
加熱するための加熱部材310、加熱部材310と排気管を介して接続された第2の絶縁
通路311、第2の絶縁通路311と排気管の接続部に設けられ揮発性有機ガスを照射す
るためのUV光源、第2の絶縁通路311内に設けられた電離部材312、電離部材31
2に電気的に接続された第2のデータ採集モジュール313を含み、第1の絶縁管路30
0内に重金属沈殿物を収集するための濾過収集部材、および濾過収集部材で濾過された重
金属沈殿物を計量するための計量モジュールをさらに含み、濾過収集部材によって重金属
沈殿物を収集し、重金属沈殿物量の量に合わせて重金属含有量の正確な評価に寄与する、
その内に、高速検出装置3は、重金属検出モジュール30、有機物検出モジュール31に
電気的に接続された無線データ転送モジュール、および無線データ転送モジュールにシグ
ナルドッキングされたターミナルコンピュータをさらに含み、無線データ転送モジュール
によって重金属検出モジュール、有機物検出モジュールの検出データをターミナルコンピ
ュータに送信し、ターミナルコンピュータによって固形廃棄土壌の浸出毒性を算出し、水
分測定器、計量モジュール、第1のデータ採集モジュール304、計量モジュール303
、加熱部材310、第2のデータ採集モジュール313、無線データ転送モジュール、タ
ーミナルコンピュータはそれぞれ従来技術における市販の製品であり、具体的な製品モデ
ルは必要に応じて当業者が選択すればよく、ここで特に限定されず、スクリュー採集部材
12は具体的に市販のスクリューコンベアであり、空気圧プッシュロッド部材224は具
体的に市販の空気圧プッシュロッドであり、粉砕部材11は具体的に市販の粉砕バレルで
あり、ロータリーモーター231は具体的に市販のブランドのロータリーモーターであり
、電気制御ドアは具体的に市販の電磁バルブなどの電気制御開閉の要件を満たす市販の部
品であり、浸出攪拌部材は具体的に市販の攪拌ブレードなどの攪拌効果の要件を満たす市
販の部品である。
上記固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置の動作方法は、次の通りで
ある。
サンプリング装置1:サンプリング装置1の粉砕部材11によってサンプル領域の土壤を
粉砕処理し、その後スクリュー採集部材12のスクリューローラによって粉砕された固形
廃棄土壌を持ち上げて濾過部材13まで搬送し、濾過部材13によって固形廃棄土壌を初
期の予備スクリーニング処理する、
自動抽出装置2:濾過部材3で処理された固形廃棄土壌を出口から自動抽出装置2の混合
部材21の混合キャビティ210内に落下させ、混合キャビティ210の攪拌混合処理を
経って各延伸管211を介して固形廃棄土壌を各対応の浸出ユニット23の浸出タンク2
30に搬送し、突き合わされた後コントローラーの指令により電気制御ドアを開閉させて
連通させ、この間に同時に抽出液を加えて抽出液を使用して各延伸管211中の固形廃棄
土壌を浸出タンク230に洗い流し、固形廃棄土壌を全部浸出タンク230内に搬送した
後、電気制御ドアを閉じ、同時に水平揺動部材22がコントローラーからの指令を受けて
始動し、水平揺動部材22によって各浸出タンク230を揺動などの処理をして、浸出・
抽出が完了した後下端濾過モジュール24のそれぞれと対応の濾過タンク241に突き合
わされ電気制御ドアを開き接続を実現し、次に各濾過タンク241の接続管を通して中央
バッファキャビティ240内に導入する、
その内、水平揺動部材22の動作原理は以下の通りである。空気圧プッシュロッド部材2
24によってそれに接続されたロッド本体225、および第2の接続ロッド223を駆動
してシュート222でのスライダーをシュート222に沿って運動させ、同時に第2の接
続ロッド223の他端が第1の接続ロッド221に接続された状態で、第2の接続ロッド
223の運動に従い第1の接続ロッド221を中心ブラケット20を回転軸として第2の
接続ロッド223が発生する引張力の方向に向かって回転・揺動させ、空気圧プッシュロ
ッド部材224の前後往復運動によって、各ロッド本体225に接続された浸出タンク2
30の水平揺動の作用効果を実現し、各ロッド本体225と浸出タンク230間に設けら
れたロータリーモーター231によって浸出タンク230を回転・揺動させて、浸出処理
の効果をさらに向上させる、
高速検出装置3:次に中央バッファキャビティ240によって各高速検出装置3の重金属
検出モジュール30の第1の絶縁管路300に別々に分配し、重金属検出モジュール30
によって固形廃棄土壌浸出液中の重金属を検出・分析し、有機物検出モジュールによって
固形廃棄土壌浸出液中の有機汚染物を検出・分析する。
【0019】
実施例2
本実施例は以下のことを除いて実施例1と基本的に同じであり、実施例1の試験装置を基
に、該装置を使用して固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験する試験方法を提供し、具体
的には以下のステップを含む:
ステップ1:固形廃棄土壌の採集
サンプリング装置1によって固形廃棄土壌を粉砕・採集し、濾過して、固形廃棄土壌を孔
径4mmのフィルターを通過させてふるいにかけた固形廃棄土壌を取得する、
ステップ2:抽出浸出液
1)ふるいにかけた固形廃棄土壌を混合部材21に入れ、固液混合液比が1g:12ml
になるまで抽出液を加え、同時に80r/minの回転数で15min攪拌し、さらに5
40r/minの回転数で連続的に30min攪拌して、攪拌混合物を得、その内に、抽
出液は、体積比で、ベンゼン:メタノール:モノエタノールアミン=15:10:0.3
である、
2)攪拌混合物を浸出タンク230に通し600r/minの回転数で18min攪拌し
、同時に空気圧プッシュロッド部材224によって回転ディスク220を揺動させ、ロー
タリーモーター231によって浸出タンク230を45r/minの回転数で4h回転さ
せて、固形廃棄土壌浸出液を取得する、
ステップ3:重金属および揮発性有機物の検出
1)固形廃棄土壌浸出液を重金属検出モジュール30の第1の絶縁管路300に通し、正
極および負極電極301に電力を供給し、連続的に重金属沈殿剤を注入し、蘇州晟宇で生
産された重金属イオン沈殿剤T-500を採用し、第1のデータ採集モジュール304に
よって導電率を監視し、計量モジュール303によって重金属沈殿剤の注入量を監視し、
導電率が安定になるまで重金属沈殿を収集・計量し、重金属沈殿剤の注入を停止する、
2)固形廃棄土壌浸出液を有機物検出モジュール31の加熱部材310に通し89℃まで
加熱した後、揮発性有毒ガスを発せさせた後、UV光源を使用して揮発性有毒ガスを照射
し電離して、第2のデータ採集モジュール313によって回路電流信号を監視する、
3)ターミナルコンピュータによってステップ1)、2)で測定された導電率、重金属沈
殿剤使用量、沈殿重量から、重金属含有量を推定し、電流信号の変化に従って揮発性有機
物の含有量を推定して、固形廃棄土壌浸出液の毒性を総合的に評価する。
【0020】
実施例3
本実施例は以下のことを除いて実施例2と基本的に同じであり、実施例2の試験方法を基
に、並行して複数組の固形廃棄土壌浸出液を試験し、具体的に、ステップ3の1)で同時
に3組の固形廃棄土壌浸出液を検出し、ターミナルコンピュータによって検出された3組
の導電率および導電率に対応する重金属沈殿剤の使用量から重金属含有量の平均値を推定
し、検出された電流信号の変化から揮発性有機物の含有量の平均値を推定し、重金属の含
有量の平均値、揮発性有機物の含有量の平均値に基づいて浸取液の毒性を総合的に評価す
る。複数組の検出によって、同一の固形廃棄土壌浸出液に対して複数組の検出を行い、複
数組の値から平均値を算出して浸出液の毒性の検出正確性を高め、複数組の検出による検
出時間の増加という問題を回避することができる。
【0021】
実施例4
本実施例は以下のことを除いて実施例3と基本的に同じであり、ステップ2で使用する抽
出液の組成が異なり、具体的に、抽出液は、体積比で、ベンゼン:メタノール:モノエタ
ノールアミン=10:20:0.5である。
【0022】
実施例5
本実施例は以下のことを除いて実施例3と基本的に同じであり、使用する抽出液の組成が
異なり、具体的に、抽出液は、体積比で、ベンゼン:メタノール:モノエタノールアミン
=20:10:0.1である。
【0023】
実施例6
本実施例は以下のことを除いて実施例3と基本的に同じであり、ステップ2で加えられる
抽出液の固液混合液比が異なり、具体的に、ふるいにかけた固形廃棄土壌を混合部材21
に入れ、固液混合液比が1g:5mlになるように抽出液を加える。
【0024】
実施例7
本実施例は実施例3と基本的に同じであり、ステップ2で加えられる抽出液の固液混合液
比が異なり、具体的に、ふるいにかけた固形廃棄土壌を混合部材21に入れ、固液混合液
比が1g:15mlになるように抽出液を加える。
【0025】
実施例8
本実施例は以下のことを除いて実施例3と基本的に同じであり、ステップ2で固形廃棄土
壌浸出液を抽出する装置の動作パラメータが異なり、具体的に、
1)ふるいにかけた固形廃棄土壌を混合部材21に入れ、抽出液を加え、60r/min
の回転数で20min攪拌してから、480r/minの回転数で連続的に30min攪
拌して、攪拌混合物を得る、
2)次に、攪拌混合物を浸出タンク230に通し600r/minの回転数で10min
攪拌する同時に、空気圧プッシュロッド部材224によって回転ディスク220を揺動さ
せ、ロータリーモーター231によって浸出タンク230を30r/minの回転数で5
h回転させる。
【0026】
実施例9
本実施例は以下のことを除いて実施例3と基本的に同じであり、ステップ2で固形廃棄土
壌浸出液を抽出する装置の動作パラメータが異なり、具体的に、
1)ふるいにかけた固形廃棄土壌を混合部材21に入れ、抽出液を加え、120r/mi
nの回転数で10min攪拌してから、600r/minの回転数で連続的に30min
攪拌して、攪拌混合物を得る、
2)次に攪拌混合物を浸出タンク230に通し600r/minの回転数で20min攪
拌する同時に、空気圧プッシュロッド部材224によって回転ディスク220を揺動させ
、ロータリーモーター231によって浸出タンク230を60r/minの回転数で3h
回転させる。
【0027】
実施例10
本実施例は以下のことを除いて実施例3と基本的に同じであり、ステップ3で加熱部材3
10の加熱温度が異なり、具体的に、加熱部材310は70℃まで加熱する。
【0028】
実施例11
本実施例は以下のことを除いて実施例3と基本的に同じであり、ステップ3で加熱部材3
10の加熱温度が異なり、具体的に、加熱部材310は100℃まで加熱する。
【0029】
固形廃棄土壌の生態毒性の検出試験
一、テスト1
上記の特定の実施形態の試験装置、および試験方法を使用して、この都市の特定の水域で
深刻な固形廃棄汚染がある沿岸の土地で実験テストを行い、実施例2の方法を基準のテス
トパラメータとして実施例3と実施例2の試験効果を比較し、具体的に表1、2に示され
る:
表1 実施例2の固形廃棄土壌浸出液の生態毒性検出表
【0030】
【0031】
表2 実施例3の固形廃棄土壌浸出液の生態毒性検出表
【0032】
【0033】
テスト結論:
上記の表1で実施例2の固形廃棄土壌浸出液の重金属検出、および揮発性有機物の検出デ
ータ、および上記表2で実施例3の固形廃棄土壌浸出液の重金属検出、および揮発性有機
物の検出データをそれぞれ示し、同時に既存の生態毒性標準を参照して該固形廃棄土壌浸
出液の生態毒性を評価し、96hLC50値を評価対象とし、上記表1、表2のデータの
96hLC50値は約42.9%である、
上記のデータから分かるように、測定過程で小さな変動があるが変動が大きくなく、実施
例3の複数組の検出データからの平均値を採用すると、検出データの安定性が必ず実施例
2よりも高く、そして実施例3の3組の検出は同期に実行されるため、検出完成時間が実
施例2と基本的に同じであるため、実際のテストでは、3組の同時検出方式を採用して固
形廃棄土壌浸出液重金属、および揮発性有機物を測定することが好ましい。
【0034】
二、テスト2
試験方法の試験効果に対する実施例3~11の異なる条件およびパラメータの影響につい
て、その地域の同じ領域の固形廃棄土壌をテストサンプルとして選択し、均一に9組に分
けて、該固形廃棄土壌の実際の96hLC50値は42.5%であり、具体的な比較は次
の通りである:
1)試験結果に対する抽出液の異なる組成の影響の研究
実施例4、5と実施例3を比較すると、抽出液の組成のみが異なり、同時に既存の抽出液
の体積比は、ベンゼン:メタノール=15:10であり、他のパラメータは実施例3と同
じであるため比較例とし、具体的な結果は表3に示される:
表3 実施例4、5の固形廃棄土壌浸出液の毒性検出の質量評価
【0035】
【0036】
備考:実際の96hLC50値からの偏差≦1%のが最優であり、実際の96hLC50
値からの偏差が1<x≦5%のが優秀であり、実際の96hLC50値からの偏差5<x
≦10%のが良好であり、実際の96hLC50値からの偏差>10%のが悪い。
テスト結論:
上記の表3の結果から分かるように、実施例3~5、および比較例で測定された同一土壤
の96hLC50値については、実施例3の抽出液組成で同じ条件下で抽出されて測定さ
れた96hLC50値は相対的に正確であり、実施例4、5中で抽出液の組成が異なり、
その測定された96hLC50値がそれぞれ相対的に高くなり、実施例4、5の抽出液の
抽出効果が実施例3の効果よりも悪く固形廃棄土壌の不完全な浸出により浸出・抽出液の
毒性が相対的に低くなるからと考えられ、同様に、比較例で既存の抽出液を使用して抽出
処理し、実施例3と比較するとモノエタノールアミンが含まず、他の組成が同じであるた
め、上記のような量のモノエタノールアミンの添加によって浸出液の浸出・抽出効果があ
る程度向上し、固形廃棄土壌の毒性検出の正確性を高める可能性がある。
【0037】
2)試験結果に対する固形廃棄土壌および抽出液の異なる固液混合液比の影響の研究
実施例6、7と実施例3を比較すると、固形廃棄土壌および抽出液の固液混合液比のみが
異なり、具体的な結果が表4に示される:
表4 実施例6、7の固形廃棄土壌浸出液の毒性検出の質量評価
【0038】
【0039】
備考:実際の96hLC50値からの偏差≦1%のが最優であり、実際の96hLC50
値からの偏差1<x≦5%のが優秀であり、実際の96hLC50値からの偏差5<x≦
10%のが良好であり、実際の96hLC50値からの偏差>10%のが悪い。
テスト結論:
上記の表4の結果から分かるように、実施例6~7で測定された同一土壤の96hLC5
0値については、固形廃棄土壌および抽出液の異なる固液混合液比が測定結果にある程度
影響し、実施例6は実施例7に対して、その添加量が相対的に少なく、実施例6で固形廃
棄土壌の不完全な浸出・抽出により検出結果が高くなるからと考えられ、実施例7は実施
例3と検出結果が基本的に同じであり、その値の偏差が検出誤差による偏差であると考え
られ、実施例7の添加量がより多いため、浸出・抽出液の使用量がより少ない同じ正確さ
を達成する実施例3がより好ましい。
【0040】
3)試験結果に対する固形廃棄土壌浸出液を抽出する装置の異なる動作パラメータの影響
の研究
実施例8、9と実施例3を比較すると、固形廃棄土壌浸出液を抽出する装置の動作パラメ
ータのみが異なり、具体的な結果が表5に示される:
表5 実施例8、9の固形廃棄土壌浸出液の毒性検出の質量評価
【0041】
【0042】
備考:実際の96hLC50値からの偏差≦1%のが最優であり、実際の96hLC50
値からの偏差1<x≦5%のが優秀であり、実際の96hLC50値からの偏差5<x≦
10%のが良好であり、実際の96hLC50値からの偏差>10%のが悪い。
テスト結論:
上記の表5の結果から分かるように、実施例8および9で測定された同一土壤の96hL
C50値について、固形廃棄土壌浸出液を抽出する装置の動作パラメータが異なると測定
結果にある程度影響し、実施例8で低速で長期間の攪拌浸出・抽出方式を採用し、実施例
9で高速短時間の攪拌浸出・抽出方式を採用し、上記の表5から分かるように、実施例3
の検出効果および正確性よりも悪く、浸出ユニット23と抽出液の配合による浸出・抽出
が不完全であることにより固形廃棄土壌の浸出・抽出効果が悪く、固形廃棄土壌の浸出・
抽出液中の毒性が相対的に弱くなると考えられる。
【0043】
4)試験結果に対する加熱部材の異なる加熱温度の影響の研究
実施例10、11と実施例3を比較すると、ステップ3中で加熱部材310の加熱温度の
みが異なり、具体的な結果が表6に示される:
表6 実施例10、11の固形廃棄土壌浸出液の毒性検出の質量評価
【0044】
【0045】
備考:実際の96hLC50値からの偏差≦1%のが最優であり、実際の96hLC50
値からの偏差1<x≦5%のが優秀であり、実際の96hLC50値からの偏差5<x≦
10%のが良好であり、実際の96hLC50値からの偏差>10%のが悪い。
テスト結論:
上記の表6の結果から分かるように、実施例10および11で測定された同一土壤の96
hLC50値について、加熱部材310の加熱温度が異なると測定結果にある程度影響し
、本発明によって提供される抽出液が実施例3の温度下でより好ましい使用効果を有し、
実施例10、11の温度下でその使用効果がある程度低くなり、浸出・抽出が不完全であ
り、固形廃棄土壌浸出液中の毒性が実際よりある程度弱くなると考えられる。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形廃棄土壌を粉砕するための粉砕部材(11)、粉砕固形廃棄土壌を採集するための
スクリュー採集部材(12)、固形廃棄土壌を濾過するための濾過部材(13)を含み、
前記スクリュー採集部材(12)の一端が前記粉砕部材(11)に接続され、他端が前記
濾過部材(13)に接続される、固形廃棄土壌を採集するためのサンプリング装置(1)
と、
抽出液と固形廃棄土壌を混合するための混合部材(21)、固形廃棄土壌と浸出液を分
離するための濾過モジュール(24)、固形廃棄土壌の浸出処理のための浸出ユニット(
23)、および浸出タンクを揺動するための水平揺動部材(22)を含み、前記混合部材
(21)が中心ブラケット(20)の上端に設けられてサンプリング装置(1)に接続さ
れ、前記濾過モジュール(24)が中心ブラケット(20)の下端に設けられて高速検出
装置(3)に接続され、前記浸出ユニット(23)が周方向に等間隔で中心ブラケット(
20)の周りに複数組設けられ、各浸出ユニット(23)の上端が混合部材(21)に配
設された延伸管(211)に対応して接続され、その下端が濾過モジュール(24)に配
設された濾過タンク(241)に対応して接続され、前記水平揺動部材(22)は、中心
ブラケット(20)上可動的に設けられた回転ディスク(220)、回転ディスク(22
0)の中心軸線を貫通して回転可能に接続された第1の接続ロッド(221)、前記第1
の接続ロッド(221)の中心に垂直に交差し回転ディスク(220)が固定的に接続さ
れたシュート(222)、2つの中心が対称的に設けられた第2の接続ロッド(223)
、一端が前記第1の接続ロッド(221)の先端に接続され他端がシュート(222)に
可動的に接続され、かつ第2の接続ロッド(223)のシュート(222)内での摺動を
制御するための空気圧プッシュロッド部材(224)を含み、かつ前記第1の接続ロッド
(221)、空気圧プッシュロッド部材(224)の先端にそれぞれ浸出ユニット(23
)に接続されるためのロッド本体(225)が設けられる、浸出液を抽出するための自動
抽出装置(2)と、
重金属を検出するための重金属検出モジュール(30)、および有機物を検出するため
の有機物検出モジュール(31)を含み、前記重金属検出モジュール(30)、有機物検
出モジュール(31)が複数設けられ1対1に突き合わされ、重金属検出モジュール(3
0)が濾過モジュール(24)と液体出口パイプを介して接続される、浸出液の毒性を検
出するための高速検出装置(3)とを含む、
ことを特徴とする固形廃棄土壌浸出液の生態毒性を試験するための試験装置。
【請求項2】
前記高速検出装置(3)の重金属検出モジュール(30)、有機物検出モジュール(3
1)については、
前記重金属検出モジュール(30)は、複数の第1の絶縁管路(300)、前記第1の
絶縁管路(300)の両端に対応して設けられた複数組の正極および負極電極(301)
、前記正極および負極電極(301)に電気的に接続された第1のデータ採集モジュール
(304)、前記第1の絶縁管路(300)に設けられて重金属イオン沈殿剤を添加する
ための添加部材(302)、および前記添加部材(302)と第1の絶縁管路(300)
の両端の接続部に設けられた2つの計量モジュール(303)を含み、
前記有機物検出モジュール(31)は、絶縁管路(300)に接続されて浸出液を加熱
するための加熱部材(310)、前記加熱部材(310)と排気管を介して接続された第
2の絶縁通路(311)、前記第2の絶縁通路(311)と排気管の接続部に設けられて
揮発性有機ガスを照射するためのUV光源、前記第2の絶縁通路(311)内に設けられ
た電離部材(312)、および前記電離部材(312)に電気的に接続された第2のデー
タ採集モジュール(313)を含み、
前記高速検出装置(3)は、重金属検出モジュール(30)、有機物検出モジュール(
31)に電気的に接続された無線データ転送モジュール、および前記無線データ転送モジ
ュールとシグナルドッキングされたターミナルコンピュータをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記自動抽出装置(2)の混合部材(21)、浸出ユニット(23)、および濾過モジ
ュール(24)については、
前記混合部材(21)は、濾過部材(13)に接続された混合キャビティ(210)、
前記混合キャビティ(210)内に設けられた水分測定器、および前記混合キャビティ(
210)に接続された抽出液注入部材を含み、
前記浸出ユニット(23)は、水平揺動部材(22)に接続された浸出タンク(230
)、浸出タンク(230)内に設けられた浸出攪拌部材、および前記浸出タンク(230
)と水平揺動部材(22)のロッド本体(225)の接続部に設けられたロータリーモー
ター(231)を含み、前記浸出タンク(230)の上下両端にそれぞれ混合部材(21
)の延伸管(211)、濾過モジュール(24)の濾過タンク(241)突き合わされた
電気制御ドアを含み、
前記濾過モジュール(24)は、前記中心ブラケット(20)の下端に設けられた中央
バッファキャビティ(240)、および中央バッファキャビティ(240)に周方向に設
けられそれと連通する各前記濾過タンク(241)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の試験装置。