(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133216
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】半回転ハンドルベッド補助具
(51)【国際特許分類】
A61G 7/053 20060101AFI20220906BHJP
A47C 21/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
A61G7/053
A47C21/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021069357
(22)【出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】506285987
【氏名又は名称】平塚 清徳
(72)【発明者】
【氏名】平塚 清徳
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA08
4C040GG14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】既存のベッドに容易に装着して、楽でスムースに上体を起こしてベッドから降りて立ち上がることを可能にする半回転ハンドルベッド補助具を提供する。
【解決手段】ハンドル部3、及び基柱部4と一体でベッド側面に接着する取付盤部5をそれぞれ備えた補助具本体2であり、前記ハンドル部は、上方側水平姿勢部位の握り部6と下方側直立姿勢部位の上柱部7から成り、前記上柱部の下方側先端部位は、前記ハンドル部を半回転させる回転部9を上方側先端部位に備えた下柱部8と一体状に結合形成されており、前記下柱部の下方側先端部位に前記ハンドル部の高さ自在調節可能な伸縮部10を設け、前記伸縮部を間に挟む構成で前記下柱部と前記基柱部は脱着自在に結合する構成で設け、前記ハンドル部に備えた前記握り部と前記上柱部、及び前記回転部と前記下柱部、及び前記基柱部が連なって一本状に結合一体化したことを特徴とする半回転ハンドルベッド補助具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掴み起きて掴み立ちが出来るハンドル部、及び基柱部と一体でベッド側面に接着する取付盤部をそれぞれ備えた補助具本体であり、
前記ハンドル部は、上方側水平姿勢部位の握り部と下方側直立姿勢部位の上柱部から成り、前記上柱部の下方側先端部位は、前記ハンドル部を半回転させる回転部を上方側先端部位に備えた下柱部と一体状に結合形成されており、前記下柱部の下方側先端部位に前記ハンドル部の高さ自在調節可能な伸縮部を設け、前記伸縮部を間に挟む構成で前記下柱部と前記基柱部は脱着自在に結合する構成で設け、
前記ハンドル部に備えた前記握り部と前記上柱部、及び前記回転部と前記下柱部、及び前記基柱部が連なって一本状に結合一体化したことを特徴とする半回転ハンドルベッド補助具。
【請求項2】
前記ハンドル部の前記握り部と前記上柱部に内蔵した丸棒状の芯棒部は、前記回転部から出て上方側へ垂直に伸びた後、ベッド側方向へ直角状に曲がり、直ぐに上方側へ直角状に曲がって、更にベッド頭側からベッド足元側へ向けて直角状に曲がり、先方側へベッドの側縁に沿う平行状の水平姿勢で延伸して前記握り部の位置を成した後、先端部位を下方へ向けて丸形状にして設け、
前記芯棒部全体を包み被うクッション部を設けて、前記ハンドル部の前記握り部と前記上柱部を成すことを特徴とする請求項1に記載の半回転ハンドルベッド補助具。
【請求項3】
前記上柱部内から下方側へ伸び出た前記芯棒部は、結合一体状の前記回転部内へ入って回転軸部を成して前記下柱部内に備えた軸受部に当接する位置まで延伸して設け、
前記回転軸部は、上段位置部位に半回転体部と下段位置部位に回転体部をそれぞれ設け、
前記回転部は、前記半回転体部の回転を制限する回転止部を、前記半回転体部が半回転(180度)で当接して止まる位置にそれぞれ設け、
前記回転部は、前記半回転体部と前記回転体部を載置する体載部をそれぞれ適宣位置に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半回転ハンドルベッド補助具。
【請求項4】
前記回転部は、側面部位と上面部位を被うカバー部を備えており、
前記回転部は、前記半回転体部の左右側面部位と前記各回転止部の止面部位との間にそれぞれバネ部を設け、前記半回転体部は他力が加えられない状態では、常に前記バネ部の働きで左右の前記回転止部の中間位置に静止する状態を維持し、結合一体状の前記ハンドル部の前記握り部は、使用時以外は常に前記ベッド側縁線との平行状姿勢が保持されることを特徴とする請求項1又は2若しくは3に記載の半回転ハンドルベッド補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足腰筋肉が弱い高齢者や足腰を患う者が、ベッドに寝た状態から上体を起こす時、及びベッドから降りて立ち上がる時に補助する半回転ハンドルベッド補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、足腰筋肉が弱い高齢者や足腰を患う者が、ベッドに寝た状態から上体を起こす時、及びベッドから降りて立ち上がる時に難儀で苦痛が生じていた。
尚、回転手摺部を設けた介助バーを、簡単に、かつ強固にベッドの側柵に取り付けるベッド用介助バー(特許文献1参照)と、載置台に載った利用者が、内側から容易に操作するのを防ぐことができる手摺り及びベッド(特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-077642号広報
【特許文献2】特開2020-124324号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の、足腰筋肉が弱い高齢者や足腰を患う者が、ベッドに寝た状態から上体を起こす時、及びベッドから降りて立ち上がる時は難儀で苦痛が生じていたのを、既存の一般的なベッドに容易に一つの補助具を取り付けて、上体を起こしてベッドから降りて立ち上がる二つの動作を、難儀及び苦痛を解消してスムースに行うのは不可能だった。
本発明は、以上の問題点を解決する為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
掴み起き掴み立ちが出来る半回転のハンドル部、及び基柱部と一体のベッド側面に接着する取付盤部をそれぞれ備えたベッド補助具本体であり、
前記ハンドル部は、上方側水平姿勢部位の握り部と下方側直立姿勢部位の上柱部から成り、前記上柱部の下方側先端部位は、前記ハンドル部を半回転させる回転部を上方側先端に備えた下柱部と一体状に結合形成されており、前記下柱部の下方側先端部位に前記ハンドル部の高さ自在調節可能な伸縮部を設け、前記伸縮部を間に挟む構成で前記下柱部と前記基柱部は脱着自在に結合する構成で設け、
前記ハンドル部に備えた前記握り部と前記上柱部、及び前記回転部と前記下柱部、及び前記基柱部が連なって一本状に結合一体化する。
以上の構成より成る半回転ハンドルベッド補助具。
【発明の効果】
【0006】
従来不可能とされていた、足腰筋肉が弱い高齢者や足腰を患う者が、ベッドに寝た状態から上体を起こす時、及びベッドから降りて立ち上がる時の難儀と苦痛を解消して、楽でスムースに二つの動作を行うことが出来る。
また、既存のベッドに容易に取り付けることが出来るので、経済的負担が少なくて済み、且つ、メーカーがベッドの製造段階で装着すれば付加価値が付いて販促に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【本発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、本発明の半回転ハンドルベッド補助具(1)は、ベッド左側の側面に装着する左手用とベッド右側の側面に装着する右手用が有るが、ハンドル部(3)の向き方向が逆になる以外は構成構造が同一であり、この実施の形態では右手用を省略して左手用を説明する。
請求項1
(イ)使用者(S)がベッドに寝た状態から左手で掴み起きて、ベッドから降りて掴み立ちが出来る前記ハンドル部(3)、及び基柱部(4)を表面に備えて一体状のベッド側面(B)に接着する取付盤部(5)をそれぞれ備えた補助具本体(2)である。
(ロ)前記ハンドル部(3)は、上方側水平姿勢部位の握り部(6)と下方側直立姿勢部位の上柱部(7)から成っている。
(ハ)前記上柱部(7)の下方側先端部位は、前記ハンドル部(3)を半回転(180度)させる回転部(9)を上方側先端部位に備えた下柱部(8)と一体状に結合形成している。つまり、前記上柱部(7)の下方側先端部位と前記回転部(9)が結合して、結果的に前記上柱部(7)と前記回転部(9)と前記下柱部(8)が連なって一本状に一体化したものであある。
(ニ)前記下柱部(8)の下方側先端部位に前記ハンドル部(3)の高さを複数段階に自在調節可能な伸縮部(10)を設ける。
尚、前記伸縮部(10)は脱着自在であり、標準的なハンドル部(3)の高さで使用する場合は、前記伸縮部(10)は全て外して(
図2参照)使用する。
(ホ)前記下柱部(8)と前記基柱部(4)は、前記伸縮部(10)を間に挟む構成で脱着自在に結合一体化状で設け、前記ハンドル部(3)の前記握り部(6)と前記上柱部(7)と前記回転部(9)と前記下柱部(8)と前記伸縮部(10)と前記基柱部(4)が連なって一本状に一体化形成され、前記基柱部(4)と一体の前記取付盤部(5)によってベッド側面(B)に装着する。
(ヘ)また、前記下柱部(8)は下側先端部位にボルトを備え、前記基柱部(4)の上側先端部位内部に備えたナットと結合する構成で設けている。
(ト)前記取付盤部(5)は、裏面に備えた接着部(5b)でベッド側面(B)の適宣位置に接着剤で接着して取り付け、接着強度不足を補う必要が有る条件下では、ネジ部(5a)を共に使用して装着する。
請求項2
(チ)前記ハンドル部(3)の前記握り部(6)と前記上柱部(7)に内蔵した鉄材やアルミ材で丸棒状の芯棒部(3a)は、前記回転部(9)内から垂直状に上方側へ出て直立姿勢状で上方へ25cm位延伸した後、ベッド側方向へ直角状に曲がり、4cm位で直ぐに上方側へ直角状に曲がって垂直状に5cm位延伸した後、更に左側方向のベッド頭(A)(
図4参照)からベッド足元側方向へ向けて直角状に曲がり、先方側へベッドの側縁線に沿う平行状の水平姿勢で15cm位延伸して前記握り部(6)の位置を成し、先端部位を下方側へ向けて丸形状にして設ける。
(リ)前記芯棒部(3a)の全体を包み被う構成でゴム材のクッション部(3b)を設けて、前記ハンドル(3)の前記握り部(6)と前記上柱部(7)を成している。
つまり、前記ハンドル部(3)全体が前記クッション部(3b)で被われている。
請求項3
(ヌ)前記上柱部(7)内から下方側へ伸び出た前記芯棒部(9)は、結合一体状の前記回転部(9)内へ入って回転軸部(9e)を成して前記回転部(9)内を通過して前記下柱部(8)内の適宣位置に備えた軸受部(9d)に当接する位置まで延伸して設ける。
(ル)前記回転軸部(9e)は、上段位置部位に前記ハンドル部(3)を半回転させる半回転体部(9a)と前記ハンドル部(3)の安定姿勢を強固にする回転体部(9b)をそれぞれ設ける。
(ヲ)前記回転部(9)は、前記半回転体部(9a)の回転を制限する回転止部(9c)を、前記半回転体部(9a)が左右に半回転(180度)で当接して止まる位置にそれぞれ設ける。
(ワ)前記回転部(9)は、前記半回転体部(9a)と前記回転体部(9b)を載置する体載部(9f)をそれぞれ適宣位置(
図5参照)に設ける。
請求項4
(カ)前記回転部(9)は、側面部位と上側部位を包み被う構成でカバー部(9k)を備えている。
(ヨ)前記回転部(9)は、前記半回転体部(9a)の左右側面部位と前記各回転止部(9c)の止面部位との間に挟む構成でゴム材の蛇腹折り畳みで弾力が生じるバネ部(9g)をそれぞれ設ける(
図6参照)。また、バネ部(9g)は鋼材やコイル材などの弾性を利用構成して設けてもよい。
(タ)前記半回転体部(9a)は他力が加えられない状態では、常に前記バネ部(9g)のバネの働きで左右の前記各回転止部(9c)の中間位置に静止する状態を維持し、結合一体状の前記ハンドル部(3)の前記握り部(6)は、使用時以外は常にベッド側縁線及び使用者(S)の身体と平行状姿勢が保持される。
本発明は以上のような構造である。
本発明の半回転ハンドルベッド補助具(1)を使用する時は、先ず使用者(S)が装着するベッドに普段通りに寝た状態で、左手を伸ばして余裕を持って握り部(6)が掴める位置に、前記握り部(6)が来る位置に合わせて取付盤部(5)の接着部(5b)を接着剤でベッド側面(B)に接着して取り付ける。
尚、標準サイズでは高さが足りない場合は、伸縮部(10)を使用して理想的な高さにして取り付け、また、前記取付盤部(5)の接着力を高めて強固にする必要がある場合はネジ部(5a)を使用して二重接着して、前記握り部(6)の安定を確保する。
前記半回転ハンドルベッド補助具(!)をベッドに装着したら、使用者(S)は通常通りベッドに寝て、上体を起こす時には、身体と平行状に先端が足元側へ向いている前記握り部(6)を左手を伸ばして掴み、手前に引いて水平対面状で止まる前記握り部(6)を、更に掴んだまま身体に引き寄せるようにし乍ら身体を前方へ曲げると、楽でスムースに上体を起こすことが出来る。
また、この時に右肘を床に突くと、更に楽でスムースに上体を起こせる。
上体を起こした後、掴んだ前記握り部(6)を半回転させて、そのまま前記握り部(6)を上側から掴んだ手で押すようにして身体を支え乍ら、ベッドから降りて楽でスムースに立ち上がることが出来る。
また、手を離せば前記握り部(6)は、ハンドル部(3)が自力で90度回転して止まるので、自然に元の位置に戻って静止する。
【符号の説明】
【0009】
1半回転ハンドルベッド補助具、2補助具本体、3ハンドル部、4基柱部、5取付盤部、6握り部、7上柱部、8下柱部、9回転部、10伸縮部、3a芯棒部、3bクッション部、5aネジ部、5b接着部、9a半回転体部、9b回転体部、9c回転止部、9d軸受部、9e回転軸部、9f体載部、9gバネ部、9kカバー部、S使用者、Aベッド頭、Bマット、Bベッド側面、