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特開2022-133224炉壁の損耗量測定装置及び炉壁の損耗量測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133224
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】炉壁の損耗量測定装置及び炉壁の損耗量測定方法
(51)【国際特許分類】
   F27D 21/00 20060101AFI20220906BHJP
   F27D 1/00 20060101ALI20220906BHJP
   F27D 1/16 20060101ALI20220906BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20220906BHJP
   G01B 11/16 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F27D21/00 Q
F27D1/00 V
F27D1/16 V
G01B11/24 B
G01B11/16 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104654
(22)【出願日】2021-06-24
(62)【分割の表示】P 2021031525の分割
【原出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】519422393
【氏名又は名称】みどり精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105393
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 直哉
(72)【発明者】
【氏名】大野 二郎
【テーマコード(参考)】
2F065
4K051
4K056
【Fターム(参考)】
2F065AA51
2F065AA60
2F065AA63
2F065BB08
2F065CC39
2F065DD06
2F065FF01
2F065FF05
2F065FF09
2F065FF42
2F065GG04
2F065HH05
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065LL22
2F065LL24
2F065MM08
2F065PP01
2F065QQ21
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065TT08
4K051AA05
4K051AB03
4K051AB05
4K051BH01
4K051LJ03
4K051LJ04
4K056AA05
4K056BA02
4K056BB05
4K056CA02
4K056FA19
4K056FA24
(57)【要約】
【課題】表示用画像と同一の画像を使用し、比較的小さなデータ処理の負荷で測定を実施する炉壁の損耗量測定方法を提供する。
【解決手段】表面の温度が700℃-1000℃を含む温度範囲となり得る炉壁の損耗量測定方法であって、基準状態において該炉壁上にレーザラインを生成しながら間隔を空けて配置した2台のカラーカメラによって該炉壁の画像を取得し、該画像を使用してプロセッサによって該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるステップと、操業後の状態において該炉壁上にレーザラインを生成しながら間隔を空けて配置した2台のカラーカメラによって該炉壁の画像を取得し、該画像を使用してプロセッサによって該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるステップと、該プロセッサによって該基準状態及び該操業後の状態における距離の差から該炉壁の損耗量を求めるステップと、を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の温度が700℃-1000℃を含む温度範囲となり得る炉壁の損耗量測定方法であって、
基準状態において該炉壁上にレーザラインを生成しながら間隔を空けて配置した2台のカラーカメラによって該炉壁の画像を取得し、該画像を使用してプロセッサによって該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるステップと、
操業後の状態において該炉壁上にレーザラインを生成しながら間隔を空けて配置した2台のカラーカメラによって該炉壁の画像を取得し、該画像を使用してプロセッサによって該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるステップと、
該プロセッサによって該基準状態及び該操業後の状態における距離の差から該炉壁の損耗量を求めるステップと、を含み、
該プロセッサがそれぞれのカラーカメラの画像データから、各画素のR値、G値、及びB値のそれぞれに重みを掛けた値を合算した値を各画素の値とするモノクロム画像を生成し、該2台のカラーカメラの画像データから生成されたモノクロム画像を使用して該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるように構成された炉壁の損耗量測定方法。
【請求項2】
該炉壁の損耗量を求めるステップにおいて、該炉壁の表面のそれぞれの区画ごとの損耗量を示す損耗量マップを求める請求項1に記載の炉壁の損耗量測定方法。
【請求項3】
炉の形状が中心軸の周りにほぼ軸対称な凹面であり、該損耗量マップが該中心軸方向から該炉壁を観察したものであり、該損耗量マップのそれぞれの区画は該中心軸を中心とする複数の同心円及び該中心軸から延伸する放射方向の複数の直線によって区分されるように構成された請求項2に記載の損耗量測定方法。
【請求項4】
該炉壁の画像と対応する損耗量のマップの半透明な画像とを重ねて表示するステップをさらに含む請求項2または3に記載の炉壁の損耗量測定方法。
【請求項5】
炉壁の補修を実施する炉壁補修方法であって、
請求項1から4のいずれかに記載の損耗量測定方法によって該炉壁の損耗量を求めるステップと、
該損耗量に基づいて炉壁補修機によって該炉壁の補修を実施するステップと、を含む炉壁補修方法。
【請求項6】
レーザラインジェネレータと、間隔を空けて配置された2台のカラーカメラと、プロセッサと、を含む炉壁の損耗量測定装置であって、該プロセッサがそれぞれのカラーカメラの画像データから、各画素のR値、G値、及びB値のそれぞれに重みを掛けた値を合算した値を各画素の値とするモノクロム画像を生成し、該2台のカラーカメラの画像データから生成されたモノクロム画像を使用して該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求め、該距離の経時的な変化から該炉壁の損耗量を求めるように構成された炉壁の損耗量測定装置。
【請求項7】
該レーザラインジェネレータ及び該2台のカラーカメラが炉の中心軸付近に該中心軸の周りに回転可能に取り付けられた請求項6に記載の損耗量測定装置。
【請求項8】
請求項6に記載の炉壁の損耗量測定装置と、
該炉壁の損耗量測定装置から受け取った炉壁の損耗量に基づいて炉壁を補修するように構成された炉壁補修機と、を備えた炉壁補修システム。
【請求項9】
該炉壁補修機が炉の中心軸付近に該中心軸の周りに回転可能な部分を備え、該レーザラインジェネレータ及び該2台のカラーカメラが該回転可能な部分に取り付けられた請求項8に記載の炉壁補修システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉壁の損耗量測定装置及び炉壁の損耗量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炉の内容物により炉壁が1000℃以上の高温に達する炉においては、高温の内容物によって炉壁が損耗し炉壁の形状が変化する。炉壁の損耗量が大きくなると、炉の破損など重大な事故が生じる恐れがある。したがって、炉壁の損耗量を高精度で測定することが重要である。
【0003】
高温に達する炉壁の損耗量測定を目的として、出願人によってレーザを使用する炉壁の損耗量測定装置及び炉壁の損耗量測定方法が開発されている(特許文献1)。
【0004】
レーザによる測定方法においては、炉壁上にレーザラインを生成し、レーザの波長のフィルタを備えたモノクロムカメラによって炉壁上のレーザラインのモノクロム画像を取得し、そのモノクロム画像を使用して炉壁の損耗量が測定される。
【0005】
他方、操作員が炉壁の状態を観察する場合には、モノクロム画像よりも情報量の多いカラー画像が使用される。したがって、レーザラインのモノクロム画像を取得して炉壁の損耗量を測定する方法においては、炉壁の損耗量測定に使用される特定の波長のモノクロム画像と操作員の観察用のカラー画像とは異なり、炉壁の損耗量の測定及び炉壁の表示を実施する際に同一の画像に基づいて一貫した処理を実施することはできない。
【0006】
他方、炉壁の損耗量測定にカラー画像を使用するとデータ処理量が膨大となり好ましくない。
【0007】
このように、表示用画像と同一の画像を使用し、比較的小さなデータ処理の負荷で測定を実施する炉壁の損耗量測定装置及び炉壁の損耗量測定方法は開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許6743316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、表示用画像と同一の画像を使用し、比較的小さなデータ処理の負荷で測定を実施する炉壁の損耗量測定装置及び炉壁の損耗量測定方法に対するニーズがある。本発明の技術的課題は表示用画像と同一の画像を使用し、比較的小さなデータ処理の負荷で測定を実施する炉壁の損耗量測定装置及び炉壁の損耗量測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様の炉壁の損耗量測定方法は、表面の温度が700℃-1000℃を含む温度範囲となり得る炉壁の損耗量測定方法であって、基準状態において該炉壁上にレーザラインを生成しながら間隔を空けて配置した2台のカラーカメラによって該炉壁の画像を取得し、該画像を使用してプロセッサによって該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるステップと、操業後の状態において該炉壁上にレーザラインを生成しながら間隔を空けて配置した2台のカラーカメラによって該炉壁の画像を取得し、該画像を使用してプロセッサによって該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるステップと、該プロセッサによって該基準状態及び該操業後の状態における距離の差から該炉壁の損耗量を求めるステップと、を含む。本方法において、該プロセッサがそれぞれのカラーカメラの画像データから、各画素のR値、G値、及びB値のそれぞれに重みを掛けた値を合算した値を各画素の値とするモノクロム画像を生成し、該2台のカラーカメラの画像データから生成されたモノクロム画像を使用して該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求めるように構成されている。
【0011】
本態様の炉壁の損耗量測定方法においては、カラーカメラの画像データから生成されたモノクロム画像を使用して、比較的低温の領域においては該炉壁上に生成されたレーザラインによって該炉壁上の点が識別され、比較的高温の領域においては該炉壁の表面の温度差による明暗のパターンから該炉壁上の点が識別される。
【0012】
本態様によれば、カラーカメラの画像データから生成された画像を使用するので表示用画像と同一の画像を使用して炉壁の形状を測定することができる。また、炉壁の損耗量測定にはモノクロム画像を使用するのでデータ処理の負荷を抑えることができる。
【0013】
本発明の第1の態様の第1の実施形態の損耗量測定方法は、該炉壁の損耗量を求めるステップにおいて、該炉壁の表面のそれぞれの区画ごとの損耗量を示す損耗量マップを求める。
【0014】
本実施形態によれば、炉壁の損耗量のマップにより炉壁の損耗の状態を容易に把握することができる。炉壁の損耗量のマップにしたがって炉壁の損耗の状況に応じて炉壁の補修を容易に実施することができる。
【0015】
本発明の第1の態様の第2の実施形態の損耗量測定方法において、炉の形状が中心軸の周りにほぼ軸対称な凹面であり、該損耗量マップが該中心軸方向から該炉壁を観察したものであり、該損耗量マップのそれぞれの区画は該中心軸を中心とする複数の同心円及び該中心軸から延伸する放射方向の複数の直線によって区分されるように構成されている。
【0016】
本発明の第1の態様の第3の実施形態の損耗量測定方法は、該炉壁の画像と対応する損耗量のマップの半透明な画像とを重ねて表示するステップをさらに含む。
【0017】
本実施形態によれば、半透明な損耗量のマップの各区画の濃度によって炉壁の損耗の状況を容易に把握することができる。
【0018】
本発明の第2の態様の炉壁補修方法は、上記のいずれかの損耗量測定方法によって該炉壁の損耗量を求めるステップと、該損耗量に基づいて炉壁補修機によって該炉壁の補修を実施するステップと、を含む。
【0019】
本態様の炉壁補修方法によれば、上記のいずれかの損耗量測定方法によって測定された炉壁の損耗量に基づいて高い精度で炉壁の補修を実施することができる。
【0020】
本発明の第3の態様の炉壁の損耗量測定装置は、レーザラインジェネレータと、間隔を空けて配置された2台のカラーカメラと、プロセッサと、を含む炉壁の損耗量測定装置である。該損耗量測定装置において、該プロセッサがそれぞれのカラーカメラの画像データから、各画素のR値、G値、及びB値のそれぞれに重みを掛けた値を合算した値を各画素の値とするモノクロム画像を生成し、該2台のカラーカメラの画像データから生成されたモノクロム画像を使用して該2台のカラーカメラから該炉壁までの距離を求め、該距離の経時的な変化から該炉壁の損耗量を求めるように構成されている。
【0021】
本態様の炉壁の損耗量測定装置においては、カラーカメラの画像データから生成されたモノクロム画像を使用して、比較的低温の領域においては該炉壁上に該レーザラインジェネレータによって生成されたレーザラインによって該炉壁上の点が識別され、比較的高温の領域においては該炉壁の表面の温度差による明暗のパターンから該炉壁上の点が識別される。
【0022】
本態様によれば、カラーカメラの画像データから生成された画像を使用するので表示用画像と同一の画像を使用して炉壁の形状を測定することができる。また、炉壁の損耗量測定にはモノクロム画像を使用するのでデータ処理の負荷を抑えることができる。
【0023】
本発明の第3の態様の第1の実施形態の損耗量測定装置においては、該レーザラインジェネレータ及び該2台のカラーカメラが炉の中心軸付近に該中心軸の周りに回転可能に取り付けられている。
【0024】
本実施形態によれば、該レーザラインジェネレータ及び該2台のカラーカメラを該中心軸の周りに回転させることにより炉壁全体の損耗量を測定することができる。
【0025】
本発明の第4の態様の炉壁補修システムは、上記の炉壁の損耗量測定装置と、該炉壁の損耗量測定装置から受け取った炉壁の損耗量に基づいて炉壁を補修するように構成されている。
【0026】
本態様の炉壁の補修システムによれば、上記の炉壁の損耗量測定装置によって測定された炉壁の損耗量に基づいて高い精度で炉壁の補修を実施することができる。
【0027】
本発明の第4の態様の第1の実施形態の炉壁補修システムは、該炉壁補修機が炉の中心軸付近に該中心軸の周りに回転可能な部分を備え、該レーザラインジェネレータ及び該2台のカラーカメラが該回転可能な部分に取り付けられている。
【0028】
本実施形態の炉壁補修システムによれば、該回転可能な部分を該中心軸の周りに回転させることにより、該炉壁の任意の個所の損耗量の測定及び補修を短時間で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の炉壁の損耗量測定装置の構成を示す図である。
図2】2台のカラーカメラと、レーザラインジェネレータと、を炉に設置した状態を示す図である。
図3】2台のカメラによる炉壁の形状測定の原理を説明するための図である。
図4】フィルタを備えた一方のカラーカメラによる、バッチ処理直後の炉壁の画像を示す図である。
図5】上記のカラーカメラによる、バッチ処理後の補修作業によってスラリー状の耐火物を吹き付けた後の炉壁の画像を示す図である。
図6】本発明による炉壁の形状測定方法を説明するための流れ図である。
図7図6のステップS1030を説明するための図である。
図8】本発明の炉壁の損耗量測定方法を説明するための流れ図である。
図9】定期修理後の製鋼用電気炉の上面図である。
図10】定期修理後の製鋼用電気炉の側面図である。
図11】バッチ処理後の製鋼用電気炉の上面図である。
図12】バッチ処理後の製鋼用電気炉の側面図である。
図13】バッチ処理直後の製鋼用電気炉の炉壁の損耗量のマップの一例を示す図である。
図14図13で示されるバッチ処理直後の炉壁210に対して、ステップS4010-ステップS4030を部分的に実施した後の炉壁の損耗量のマップを示す図である。
図15】補修機の構成を示す図である。
図16】本発明の炉壁補修システムの構成を示す図である。
図17】本発明による炉壁補修方法を説明するための流れ図である。
図18】一方のカラーカメラで撮影した炉壁の画像を示す写真である。
図19図18の写真に図8のステップS3040で求めた炉壁の損耗量のマップを重ね合わせた画面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明による炉壁の損耗量測定装置は、炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)を測定し、炉壁の形状の経時的な変化から炉壁の損耗量を測定する。以下において、最初に炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)の測定方法を説明した後に炉壁の損耗量の測定方法を説明する。なお、測定点については後で説明する。
【0031】
図1は、本発明の炉壁の損耗量測定装置100の構成を示す図である。本発明の炉壁の損耗量測定装置100は、2台のカラーカメラ110A及び110Bと、レーザラインジェネレータ120と、プロセッサ130と、を含む。カラーカメラ110A及び110Bには、それぞれフィルタ111A及び111Bが備わる。
【0032】
図2は、2台のカラーカメラ110A及び110Bと、レーザラインジェネレータ120と、を炉200に設置した状態を示す図である。図2は、炉200の平面図と炉の中心軸AXを含む断面図とを含む。図2に示した炉200は製鋼用の電気炉である。炉200は、図2に示す中心軸AXの周りにほぼ軸対称で凹面の炉壁210を有する。2台のカラーカメラ110A、110B及びレーザラインジェネレータ120は、中心軸AX付近に中心軸AXの周りに回転可能に設置される。レーザラインジェネレータ120は、中心軸AXを含む平面及び炉壁210の表面のほぼ交線上にレーザラインを生成するように設置される。カラーカメラ110A及び110Bは、図2の平面図に示すように、2台のカメラの互いに平行な視野中心軸と垂直な方向に間隔を空けて炉の中心軸AX付近に配置され、炉壁210の画像を取得する。カメラ110A及びカメラ110Bが配置された炉の中心軸AX付近の位置を測定点と呼称する。図2に2台のカラーカメラ110A及び110Bのカメラ視野並びにレーザラインの描画範囲を破線で示す。2台のカラーカメラ110A及び110Bと、レーザラインジェネレータ120とを中心軸AXの周りに回転させることによって、炉壁210の全範囲がレーザラインによって走査され、また炉壁の210の全範囲のレーザラインを含む画像が取得される。
【0033】
図2に示した炉の半径は3メートル、 炉底を基準としてカラーカメラ110A、110B及びレーザラインジェネレータ120の設置面の高さは4.3メートル、炉壁面に沿ったレーザラインの長さは約4メートルである。また、2台のカラーカメラ間の間隔は0.5メートルである。
【0034】
図3は、2台のカメラによる炉壁の形状測定の原理を説明するための図である。2台のカメラ110A及び110Bによって炉壁上の点P1を測定した場合の視差は、θ1+φ1である。炉壁210の位置が損耗などによって変化した後に炉壁上の点P2を測定した場合の視差は、θ2+φ2である。2台のカメラ110A及び110Bの間隔及び視差から三角測量によって測定点から炉壁210上の任意の点までの距離を求めることができる。炉壁210上の任意の点までの距離が求まれば、炉壁の形状を求めることができる。
【0035】
ところで、測定点から炉壁上の点までの距離を視差によって求めるためには、2台のカメラによって取得された炉壁の画像において当該炉壁上の点が認識される必要がある。仮に炉壁の面が滑らかであればその画像は一様となり、画像において炉壁上の点を識別することはできない。この結果、2台のカメラの炉壁の画像を使用して当該点までの距離を測定することはできない。
【0036】
ここで、本発明が適用される対象の一例である製鋼用電気炉について説明する。なお、本発明の対象は一般的に700℃―1000℃を含む広い温度範囲となり得る炉壁であり、製鋼用電気炉の炉壁に限定されない。
【0037】
原料のスクラップ及び副原料の石灰石が投入された製鋼用の電気炉は鉄の溶融温度まで加熱される。電気炉内のスクラップは溶鋼となる。電気炉内においてスクラップ中の不純物を吸収した石灰石によってスラグが生成される。スラグは、溶鋼よりも比重が小さいので電気炉内において不純物が除かれた溶鋼上に浮上する。スラグと溶鋼は電気炉から別々に取り出される。製鋼用の電気炉においては、原料及び副原料の投入からスラグ及び溶鋼の取り出しまでのバッチ処理が繰り返される。炉壁は耐火物によって覆われているが、上記のバッチ処理が繰り返されることにより炉壁の耐火物は損耗し炉壁の形状は変化する。炉壁の局所的な損耗が進行すると重大な事故が発生する危険がある。炉壁の局所的な損耗を防止するために、バッチ処理の合間に、炉壁の形状を観察し、損耗が大きな箇所に補修機によってスラリー状の耐火物を吹き付ける炉壁の補修作業が実施される。この場合に局所的な損耗を防止するための炉壁の補修作業を適切に実施するためには、炉壁の形状を高精度で測定する必要がある。
【0038】
製鋼用の電気炉はバッチ処理が繰り返され所定の期間使用された後、操業を停止した状態で修理が実施される。この修理は定期修理と呼称され、定期修理によって電気炉の耐火物は基準状態に復元される。定期修理後の炉壁の形状を基準の形状としてバッチ処理の合間に測定した炉壁の形状に基づいて炉壁の補修作業を実施してもよい。
【0039】
定期修理後の炉壁の温度は常温である。バッチ処理直後の炉壁の温度は1650℃に達する。また、バッチ処理後の補修作業によってスラリー状の耐火物を吹き付けたのちの炉壁の温度は常温に近くなる。したがって、炉壁の損耗量測定装置100は常温から1650℃までの温度範囲で炉壁の形状を測定することができるのが好ましい。
【0040】
通常のカラーカメラの画像は対象が1000℃を超える高温となるとハレーションによって対象の色及び濃淡の差を明確に識別することができない。したがって、対象が高温の炉壁である場合に炉壁上の点を明確に識別することはできないので、カラーカメラの画像を使用して炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)を求めることはできない。
【0041】
そこで、本発明のカラーカメラ110A及び110Bは、それぞれフィルタ111A及び111Bを備える。フィルタ111A及び111Bは、減光フィルタ及び赤外カットフィルタを含む。減光フィルタ及び赤外カットフィルタによってハレーションを防止することができる。
【0042】
図4は、フィルタを備えた一方のカラーカメラによる、バッチ処理直後の炉壁の画像を示す図である。この場合の炉壁の温度は1000℃以上である。
【0043】
図4に示す炉壁は高温であるので、図4の画像において高温の炉壁の放射による色及び濃淡の差によって生じるパターンをはっきり識別することができる。したがって、2台のカメラによる画像において上記のパターンによって炉壁上の点を識別し、2台のカメラによる画像から炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)を求めることができる。他方、図4の画像において炉壁上に生成されたレーザラインは識別できない。
【0044】
図5は、上記のカラーカメラによる、バッチ処理後の補修作業によってスラリー状の耐火物を吹き付けた後の炉壁の画像を示す図である。上述のようにこの場合の炉壁の温度は常温に近い。
【0045】
図5に示す炉壁は常温に近いので、図5の画像において炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンは識別することはできないが、レーザラインは鮮明に識別することができる。したがって、2台のカメラによる画像においてレーザラインによって炉壁上の点を識別し、2台のカメラによる画像から炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)を求めることができる。
【0046】
一般的に、700℃以上の場合など炉壁の温度が比較的高い場合には、炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンによって炉壁上の点が識別される。700度未満の場合など炉壁の温度が比較的低い場合には、炉壁上に描画されたレーザラインによって炉壁上の点が識別される。このように本発明による炉壁の形状測定方法によれば、常温から1650℃までに広い温度範囲の炉壁の形状を高精度に測定することができる。
【0047】
レーザの波長は緑色の波長域とするのが好ましい。一例としてレーザの波長は520ナノメータである。レーザの波長を緑色の波長域とする理由は、一般的なカラーカメラの感度がこの波長域で最も高いからである。
【0048】
図6は本発明による炉壁の形状測定方法を説明するための流れ図である。
【0049】
図6のステップS1010において、レーザラインジェネレータ120によって炉壁210上にレーザラインを生成する。
【0050】
図6のステップS1020において、2台のカラーカメラ110A及び110Bによって炉壁210の画像を取得する。
【0051】
図6のステップS1030において、2台のカラーカメラ110A及び110Bのカラーの画像データからモノクロム画像を生成する。ステップS1030の詳細については後で説明する。
【0052】
カラー画像から生成したモノクロム画像を使用する理由は以下のとおりである。第一に、カラー画像の大量の情報を活用できる。第二に、カラーカメラの画像データの各画素のR値、G値、及びB値のそれぞれに重みを掛けることにより、炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンによって炉壁上の点を識別しやすくするように画像を調整ができる。第三に、最終的にモノクロム画像とすることによってデータ処理の負荷を低減できる。
【0053】
カラー画像から生成したモノクロム画像を使用することにより、炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンを高い精度で識別することができる。他方、モノクロムカメラによるモノクロム画像では炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンを高い精度で識別することができない。
【0054】
なお、カラーの画像データからからモノクロム画像を生成する方法は、本出願の出願人による特願2020-003664号(特許6734999号)に説明されている。
【0055】
図7は、図6のステップS1030を説明するための図である。
【0056】
図7のステップS2010において、プロセッサ130は2台のカラーカメラ110A及び110Bから画像の各画素のRGB値から構成される画像データを受け取りメモリに記憶する。プロセッサ310は画像データからR画像データ、G画像データ及びB画像データを生成する。R画像データ、G画像データ及びB画像データは、各画素の値が、それぞれRの値、Gの値及びBの値であるデータである。RGB値を含むカラー画像の画素のデータ量が24ビットであるのに対し、R画像、G画像及びB画像の各画素のデータ量は8ビットである。
【0057】
図7のステップS2020において、プロセッサ130は、各画素のR値、G値、及びB値のそれぞれに重みc1、c2及びc3を掛けた値を合算した値を各画素の値とするモノクロム画像を生成する。画像内の画素の位置を(i,j)で表し、R画像、G画像、B画像及びモノクロム画像の(i,j)の位置の画素値をそれぞれ R(i,j)、G(i,j)、B(i,j)及びM(i,j)で表すと以下の関係が成立する。

M(i,j)=c1・R(i,j)+c2・G(i,j)+c3・B(i,j)

ここで、c1、c2及びc3の和は1.0である。プロセッサ310に接続されたディスプレイ320に生成されたモノクロム画像を表示させて観察しながらモノクロム画像ができるだけ鮮明になるようにc1、c2及びc3の値を定める。c1、c2及びc3の値は、それぞれ0から0.8の範囲である。一例として、c1、c2及びc3の値は、それぞれ0.2,0.5及び0.3である。
【0058】
他の実施形態において、c1、c2及びc3の和は1.0であり、c1、c2及びc3の値は、それぞれ0から0.8の範囲である場合に、c1、c2及びc3のそれぞれの値をR値の関数、G値の関数、B値の関数またはR値、G値、及びB値の合計値の関数として定めてもよい。
【0059】
一般的にc1、c2及びc3の和は正の定数であればよい。該正の定数をc0とすると、c1、c2及びc3の値は、それぞれ0から0.8×c0の範囲である。
【0060】
図6のステップS1040において、2台のカラーカメラ110A及び110Bの画像データから生成されたモノクロム画像を使用して測定点から炉壁までの距離を求める。
【0061】
2台のカラーカメラ110A及び110Bと、レーザラインジェネレータ120とを中心軸AXの周りに回転させながら図6のステップS1010―S1040を繰り返すことによってほぼ炉の中心軸AX上の測定点から炉壁上の各点までの距離が求まり炉壁全体の形状を求めることができる。
【0062】
上述のように本発明によれば、カラーカメラの画像データから生成された画像を使用するので表示用画像と同一の画像を使用して炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)を測定することができる。さらに、本発明は、レーザラインの画像をモノクロムカメラで取得する方法と比較して以下のその他の利点も有する。第一に、バッチ処理の間に比較的温度の高い炉壁を短時間で測定するには、画像処理量の観点から、レーザラインによるよりも炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンによって炉壁上の点を識別する方が有利である。その理由は、炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンによって炉壁上のある領域の全ての点を識別するために必要な画像数は、レーザラインに同一の領域の全ての点を識別するために必要な画像数よりも少ないからである。第二に、炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンによって炉壁上の点を識別する場合には、炉壁上の一つの点を繰り返し測定することによってノイズを削減し測定精度を向上させることが期待できる。
【0063】
以下において、炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)の経時的な変化に基づく炉壁の損耗量の測定方法を説明する。
【0064】
図8は本発明の炉壁の損耗量測定方法を説明するための流れ図である。
【0065】
図8のステップS3010において、図6に示した方法にしたがって、基準状態における炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)を求める。基準状態とは、一例として製鋼用電気炉の定期修理後の状態であってもよい。
【0066】
図9は定期修理後の製鋼用電気炉の上面図である。
【0067】
図10は定期修理後の製鋼用電気炉の側面図である。
【0068】
図9及び図10において、図6に示した方法にしたがって求めた測定点から炉壁までの距離を濃度によって示している。濃度の高い箇所は測定点からの距離が大きい。
【0069】
図9及び図10は定期修理後で炉壁がほぼ常温の状態を示す。したがって、図9及び図10に示す炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)は、主にレーザラインによって炉壁上の点を識別することによって測定されたものである。
【0070】
図8のステップS3020において、図6に示した方法にしたがって、損耗量を求める対象の炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)を求める。損耗量を求める対象の炉壁の形状は、一例として製鋼用電気炉のバッチ処理後の状態であってもよい。
【0071】
図11はバッチ処理後の製鋼用電気炉の上面図である。
【0072】
図12はバッチ処理後の製鋼用電気炉の側面図である。
【0073】
図11及び図12において、図6に示した方法にしたがって求めた、カメラ110A及びカメラ110Bが配置された測定点から炉壁までの距離を濃度によって示している。濃度の高い箇所は測定点からの距離が大きい。図9図11及び図10図12をそれぞれ比較すると、図11において濃度の高い部分が図9よりも増加し、図12において濃度の高い部分が図10よりも増加している。このように炉壁の少なくとも一部において、バッチ処理後の炉壁の測定点からの距離は、定期修理後の炉壁の測定点からの距離よりも大きくなっている。
【0074】
図11及び図12はバッチ処理直後で炉壁が1000℃以上の高温の状態を示す。したがって、図11及び図12に示す炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)は、主に炉壁の色及び濃淡の差によって生じるパターンによって炉壁上の点を識別することによって測定されたものである。
【0075】
図8のステップS3030において、ステップS3010で求めた炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)とステップS3020で求めた炉壁の形状(測定点から炉壁までの距離)との差から炉壁の損耗量を求める。一例として、1回または複数回のバッチ処理後の、定期修理後を基準とした炉壁の損耗量が求まる。
【0076】
図8のステップS3040において、ステップS3030で求めた炉壁の損耗量を使用して炉壁の損耗量のマップを求める。
【0077】
図13は、バッチ処理直後の製鋼用電気炉の炉壁の損耗量のマップの一例を示す図である。本例の損耗量のマップにおいては、図9及び図11に示すような製鋼用電気炉の上面図において、電気炉200のほぼ中心軸AX上に位置する測定点を原点とする極座標(r,θ)を使用してマップ上の位置が表される。rは炉壁上のある点の中心軸AXからの距離であり、θは、マップの平面に相当するその点を含み中心軸AXに垂直な平面において、中心軸AXの位置を原点として原点を通る基準方向の直線に対する原点とその点を結ぶ直線の角度である。マップは、原点に中心を有し、半径の差が所定の大きさの複数の同心円、及び原点を通り、θの差が所定の角度の複数の直線によって複数の区画に分けられる。区画ごとに損耗量の平均値が求められその平均値がその区画の損耗量とされる。図13に示す損耗量のマップにおいて、濃度によって損耗量が表される。すなわち、濃度が高いほど損耗量が大きい。
【0078】
つぎに炉壁の補修について詳細に説明する。炉壁の補修は、損耗が大きな箇所にスラリー状の耐火物を吹き付ける補修機300によって実施される。
【0079】
図15は補修機300の構成を示す図である。補修機300は支柱310と、支柱310に取り付けられたクレーン320と、クレーンによって昇降する昇降部330と、昇降部330に回転可能に取り付けられた回転軸340と、回転軸340に取り付けられ、炉壁210にスラリー状の耐火物を吹き付けるノズル部350と、を含む。ノズル部350は、回転軸340を含む面内において鉛直方向に吹き付け位置を変えることができるように関節を介して動作可能に回転軸340に取り付けられている。クレーン320によって回転軸340の位置を定める。回転軸340を回転させることによってノズル350の極座標θを定め、回転軸340を含む面内において鉛直方向にノズル350の方向を変えることによって吹き付け位置の極座標rを定めることができる。このようにして、炉壁上210の任意の極座標(r,θ)の位置にノズル350によってスラリー状の耐火物を吹き付けることができる。
【0080】
ここでカメラ110A、カメラ110B及びレーザラインジェネレータ120は回転軸340に取り付けられ、回転軸340とともに回転する。データ伝送ユニット135は、回転軸340を取り囲むように昇降部330に設置される。データ伝送ユニット135は、回転軸340とともに回転するカメラ110A及びカメラ110Bの画像データを取得し、プロセッサ130へ伝送する。
【0081】
図16は本発明の炉壁補修システム500の構成を示す図である。炉壁補修システム500は、補修機300の回転軸340に取り付けられたカメラ110A、カメラ110B及びレーザラインジェネレータ120と、補修機300の昇降部330に設置されたデータ伝送ユニット135と、炉壁損耗量測定用のプロセッサ130と、補修機コントローラ140と、補修機300と、を含む。上述のようにカメラ110A、カメラ110B及びレーザラインジェネレータ120は補修機300の回転軸340に取り付けられているので、プロセッサ130は補修機コントローラ140から補修機の300の回転軸340の回転方向位置を受け取ることによってカメラ110A及びカメラ110Bの視野中心軸の方向を把握することができる。プロセッサ130は、回転軸340の回転方向位置によってカメラ110A及びカメラ110Bの視野中心軸の極座標θを求め、カメラ110A及びカメラ110Bから取得した画像と結びつけて記憶する。
【0082】
図17は本発明による炉壁補修方法を説明するための流れ図である。
【0083】
図17のステップS4010において、プロセッサ130は損耗量のマップから炉壁210の補修対象区画及び当該区画の損耗量を求める。本ステップにおいて使用される損耗量のマップは一例として図13に示したものである。
【0084】
図17のステップS4020において、プロセッサ130は補修対象区画の損耗量からスラリー状の耐火物の吹き付け量を求める。
【0085】
図17のステップS4030において、補修機コントローラ140はプロセッサ130から補修対象区画の吹き付け量を受け取り、補修機300が当該補修対象区画に当該吹き付け量を吹き付けるように補修機300を制御する。
【0086】
ステップS4010-ステップS4030において、プロセッサ130は極座標(r,θ)によって補修対象区画を特定し、補修対象区画の極座標(r,θ)を補修機コントローラ140に送り、補修機コントローラ140は補修対象区画の極座標(r,θ)にしたがって回転軸340の回転位置及びノズル350の方向を定めるようにしてもよい。
【0087】
損耗量のマップ上の区画の大きさを、ノズル350の一回の噴射によるスラリー状の耐火物が炉壁上に広がる面積にしたがって決めれば、該区画の損耗量の平均値からノズル350の噴出量を決めることができるので好ましい。
【0088】
ステップS4020-ステップS4030は、上述のようにプロセッサ130及び補修機コントローラ140によって実施してもよいし操作員が実施してもよい。
【0089】
図14は、図13の損耗量のマップで示されるバッチ処理直後の炉壁に対して、ステップS4010-ステップS4030を部分的に実施した後の炉壁の損耗量のマップを示す図である。図14の炉壁の損耗量のマップを図13の炉壁の損耗量のマップと比較すると、損耗量が大きいことを示す濃度の高い区画が大幅に減少している。他方、補修が実施されていない区画は濃度が高いままである。
【0090】
図18は、一方のカラーカメラで撮影した炉壁210の画像を示す写真である。
【0091】
図19は、図18の写真に図8のステップS3040で求めた炉壁の損耗量のマップを重ね合わせた画面の写真である。上記の画面は図16に図示しない、プロセッサ130に接続された表示装置に表示してもよい。炉壁の画像に重ね合わされる損耗量のマップは半透明であり、損耗量の大きさは濃淡で示される。損耗量の大きな区画の濃度は高い。図19の画面に示された半透明な損耗量のマップの各区画の濃度によって操作員は炉壁の補修の進捗状況を容易に把握することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19