(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133252
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】生分解性のある植物育成用フォーム及びそれを形成するための組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20220906BHJP
C08G 18/30 20060101ALI20220906BHJP
C08K 3/26 20060101ALI20220906BHJP
C08L 99/00 20060101ALI20220906BHJP
C08L 75/08 20060101ALI20220906BHJP
C08G 18/42 20060101ALI20220906BHJP
C08G 18/48 20060101ALI20220906BHJP
C08G 18/73 20060101ALI20220906BHJP
C08G 18/75 20060101ALI20220906BHJP
C08G 18/32 20060101ALI20220906BHJP
C08L 101/16 20060101ALN20220906BHJP
【FI】
C08G18/00 H
C08G18/00 C
C08G18/30 020
C08K3/26
C08L99/00
C08L75/08
C08G18/42 088
C08G18/48 091
C08G18/73
C08G18/75
C08G18/32 006
C08G18/32 028
C08L101/16
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028390
(22)【出願日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】2102873.3
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】522075841
【氏名又は名称】ベイビーフォーム・ユーケイ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BABYFOAM UK LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】盧 君豪
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
4J200
【Fターム(参考)】
4J002CK021
4J002CK041
4J002DB016
4J002DE226
4J002FD206
4J002FD326
4J002GA00
4J002GC00
4J002GG00
4J034BA08
4J034CA03
4J034CA04
4J034CA05
4J034CA15
4J034CB02
4J034CB03
4J034CB05
4J034CB07
4J034CC03
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4J034EA18
4J034HA07
4J034HA11
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4J034JA03
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4J200AA04
4J200AA06
4J200AA24
4J200AA28
4J200BA07
4J200BA35
4J200CA09
4J200DA01
4J200EA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】環境にやさしい生分解性のある植物育成用フォーム及びそれを形成するための組成物を提供する。
【解決手段】植物油ベースのポリオールと、植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、20~75重量部の範囲内の量で存在する脂肪族イソシアネートと、植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、2~27重量部の範囲内の量で存在するアルキルポリグルコシドと、植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、1~6重量部の範囲内の量で存在する金属炭酸塩水溶液を有する発泡剤と、植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、少なくとも20重量部の量で含むバイオマスと、を含む組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性のある植物育成用フォームを形成するための組成物であって、
植物油ベースのポリオールと、
前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、20~75重量部の範囲内の量で存在する脂肪族イソシアネートと、
前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、2~27重量部の範囲内の量で存在するアルキルポリグルコシド(APG)と、
金属炭酸塩水溶液を有し、前記金属炭酸塩水溶液が前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて1~6重量部の範囲内の量で存在する発泡剤と、
前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、少なくとも20重量部の量で存在するバイオマスと、を含む、ことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記植物油ベースのポリオールは、大豆油ベースのポリオール、パーム油ベースのポリオール、ヒマシ油ベースのポリオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記植物油ベースのポリオールの重量平均分子量は、600g/mole~7000g/moleの範囲内にある、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記脂肪族イソシアネートは、1、4-ブタンジイソシアネート(BDI)、1、6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2、2、4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、エチル2、6-ジイソシアナトヘキサノエート(ELDI)、メチル2、6-ジイソシアナトヘキサノエート(MLDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1、4-シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記金属炭酸塩水溶液は、金属炭酸塩と水とを含み、該金属炭酸塩と水との重量比が1:100~50:100の範囲内にある、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記バイオマスは、前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、50~150重量部の範囲内の量で存在する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記バイオマスは、コーヒー粉、卵殻、緑豆のかす、大豆のかす、茶の粉末、多目的堆肥、ココナッツのコイア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
尿素を更に含む、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記尿素は、前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、0.1~6重量部の範囲内の量で存在する、ことを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
架橋剤を更に含む、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記架橋剤は、前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、0.1~12重量部の範囲内の量で存在する、ことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記架橋剤は、グリセロール、ポリグリセロール、エチレングリコール、1、4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリヒドロキシプロパン、ポリトリメチロールプロパン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物からなる、ことを特徴とする生分解性のある植物栽培用フォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性のある植物育成用フォーム及びそれを形成するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームとは、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートをポリオールと反応させて得られるものであり、この反応は、一般的に、触媒、シリコーンベースの界面活性剤、及び他の補助剤の存在下で行われている。ポリウレタンフォームの用途は多岐に渡り、寝具用クッション(マットレスやトッパーなど)、カーペットの詰め物、各種用途のガスケット、織物の粘着材料、植物の栄養補給、成長、支持のために用いられる植物育成用媒体、エネルギー吸収材料等々、様々な用途がある。しかしながら、ポリウレタンフォームは、生分解性が低く、堆肥化処理によっても分解することができないため、水や環境を汚染する恐れがある。
【0003】
特許文献1には、組成物A及び組成物Bから作られたバイオベースの親水性フォームが開示されている。該組成物Aは、バイオベースのポリオールI45~60重量部と、バイオベースのポリオールII10~30重量部と、バイオベースのポリオールIII10~20重量部と、活物質0~10重量部と、シラン0.5~2重量部と、アミン触媒0.2~0.7重量部と、水1.5~5重量部と、を含む。また、該組成物Bは、バイオベースのイソシアネート26~42重量部を含む。該アミン触媒は、トリエチレンジアミンまたは遅延作用触媒であり得る。
【0004】
特許文献2には、複合材料及びイソシアネートから作られた天然植物油ベースの植物育成用フォームが開示されている。該複合材料は、複合多原子アルコール100重量部と、架橋剤または鎖延長剤0~8重量部と、複合触媒0~3重量部と、整泡剤0~4重量部と、発泡剤0.2~10重量部と、充填材0~50重量部と、を含む。該複合触媒は、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、N、N-ジメチルシクロヘキシルアミン、またはトリエチレンジアミンであり得る。該整泡剤は、Niax(登録商標)のSilicone L-580やテゴスタブ(TEGOSTAB)(商標登録、以下同)B 8681やテゴスタブ B 8444のようなシリコーン界面活性剤であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第110964161A号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第102276782A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の親水性フォームや天然植物油ベースの植物育成用フォームには、環境に有害な刺激性のあるアミン触媒とシリコーンオイルが含まれているので、本出願人は環境にやさしい生分解性のある植物育成用フォームの開発を試みている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、
生分解性のある植物育成用フォームを形成するための組成物であって、
植物油ベースのポリオールと、
前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、20~75重量部の範囲内の量で存在する脂肪族イソシアネートと、
前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、2~27重量部の範囲内の量で存在するアルキルポリグルコシド(alkyl polyglucoside、略称:APG)と、
金属炭酸塩水溶液を有し、前記金属炭酸塩水溶液が前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて1~6重量部の範囲内の量で存在する発泡剤と、
前記植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、少なくとも20重量部の量で存在するバイオマスと、を含む組成物を提供する。
【0008】
また、上記の組成物からなる生分解性のある植物育成用フォームを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の生分解性のある植物育成用フォーム及びそれを形成するための組成物は、環境問題を起こさない、植物の育成や支持媒体として使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0010】
何らかの先行技術文献が本明細書において引用されても、台湾またはいかなる国においても、該先行技術文献の内容が本発明の属する分野における一般知識であることを示すものではないことを理解されたい。
【0011】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。当業者であれば、本発明の実施において、本明細書に記載のものと類似又は同等の多くの方法及び材料を認識し、利用することができる。実際、本発明は記載された方法及び材料に決して限定されない。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲において、別段の記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される総量、サイズ、寸法、比率、形状、剤形、パラメータ、パーセンテージ、量(quantities)、特性及びその他の数値を表すすべての数は、例え「約」という用語が値、量または範囲とともに明示的に現れなくても、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。従って、反対に示されない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、厳密ではなく、また厳密である必要はないが、公差、変換係数(conversion factor)、四捨五入、測定誤差などを反映して、概算値および/または所望の大きさまたは小ささであってもよく、また、現在開示されている主題によって得られようとする所望の特性に応じて、当業者に知られている他の要因を反映してもよい。例えば、値を参照する場合の「約」という用語は、そのような変動が開示された方法を実行するため、または開示された組成物を使用するために適切であるとして、±100%、±50%、±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%または±0.1%の指定された量からの変動を包含することを意味することができる。
【0013】
本明細書で使用される場合、「生分解性」及び「堆肥化可能」という用語は、互換可能に使用される上に、例えば微生物である有機体によって、有機物質や堆肥に分解され得る任意の有機材料、組成物、化合物、またはポリマーに使われ得る。
【0014】
本発明は、植物油ベースのポリオールと、脂肪族イソシアネートと、アルキルポリグルコシド(APG)と、金属炭酸塩水溶液を有する発泡剤と、バイオマスと、を含む、生分解性のある植物育成用フォームを形成するための組成物を提供する。
【0015】
本発明によれば、該植物油ベースのポリオールは、大豆油ベースのポリオール、パーム油ベースのポリオール、ヒマシ油ベースのポリオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0016】
本発明によれば、該植物油ベースのポリオールの重量平均分子量は、600g/mole~7000g/moleの範囲内にある。
【0017】
本発明によれば、該脂肪族イソシアネートは、該植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、20~75重量部の範囲内の量で存在する。
【0018】
本発明によれば、該脂肪族イソシアネートは、1、4-ブタンジイソシアネート(1,4-butanediisocyanate、略称:BDI)、1、6-ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6-hexamethylene diisocyanate、略称:HDI)、2、2、4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(2,2,4-trimethyl hexamethylene diisocyanate、略称:TMDI)、エチル2、6-ジイソシアナトヘキサノエート(ethyl 2,6-diisocyanatohexanoate、略称:ELDI)、メチル2、6-ジイソシアナトヘキサノエート(methyl 2,6-diisocyanatohexanoate、略称:MLDI)、イソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate、略称:IPDI)、1、4-シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-cyclohexane diisocyanate、略称:CHDI)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。例示的な実施形態において、該脂肪族イソシアネートは、HDIである。
【0019】
本発明によれば、該アルキルポリグルコシドは、該植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、2~27重量部の範囲内の量で存在する。
【0020】
例示的な実施形態において、該アルキルポリグルコシドは、該植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、4~9重量部の範囲内の量で存在する。
【0021】
本発明によれば、該アルキルポリグルコシドは、プランタケア(PLANTACARE)(商標登録、以下同)810UP、プランタケア 1200UP、プランタケア 2000UP、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該アルキルポリグルコシドは、プランタケア 2000UPである。
【0022】
本発明によれば、該金属炭酸塩水溶液は、該植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、1~6重量部の範囲内の量で存在する。
【0023】
本発明によれば、該金属炭酸塩水溶液は、金属炭酸塩と水とを含み、該金属炭酸塩と水との重量比が1:100~50:100の範囲内にある。
【0024】
本発明によれば、該金属炭酸塩は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0025】
本発明によれば、該バイオマスは、該植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、少なくとも20重量部の量で存在し、例えば50~150重量部の範囲内の量で存在する。
【0026】
本発明によれば、該バイオマスは、コーヒー粉、卵殻、緑豆のかす、大豆のかす、茶の粉末、多目的堆肥、ココナッツのコイア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。例示的な実施形態において、該バイオマスは、コーヒー粉である。
【0027】
本発明によれば、該組成物は尿素を更に含む。
【0028】
本発明によれば、該尿素は、該植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、0.1~6重量部の範囲内の量で存在する。
【0029】
本発明によれば、該組成物は架橋剤を更に含む。
【0030】
本発明によれば、該架橋剤は、該植物油ベースのポリオールの100重量部に基づいて、0.1~12重量部の範囲内の量で存在する。
【0031】
本発明によれば、該架橋剤は、グリセロール(glycerol)、ポリグリセロール(polyglycerol)、エチレングリコール(ethylene glycol)、1、4-ブタンジオール(1,4-butanediol)、ジエチレングリコール(diethylene glycol)、ジプロピレングリコール(dipropylene glycol)、トリヒドロキシプロパン(trihydroxyl propane)、ポリトリメチロールプロパン(polytrimethylolpropane)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0032】
本発明は、上記の組成物からなる生分解性のある植物育成用フォームも提供する。
【0033】
以下の実施例により本発明を更に説明する。しかしながら、以下の実施例については、説明のみを目的したものであり、実際の発明を制限するものとして解釈されるべきではないと理解されたい。
【0034】
実施例1
大豆油ベースのポリエーテルポリオール(Hairma Chemicals (Gz) Co., LtdのHM-100)(官能度:4.5、重量平均分子量:2500g/mole)100重量部、1、6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)51.57重量部、水溶液(水、尿素、炭酸カリウム(K2CO3)の重量比が100:100:8.67)6.26重量部、アルキルポリグルコシド(APG)(BASF Personal Care and Nutrition GmbHのプランタケア(商標登録)2000UP)6重量部、及びコーヒー粉100重量部、を均一に混合して、そして温度25℃において2000rpmで60秒攪拌して、エマルション混合物を形成した。該エマルション混合物を容器に注ぎ、約130分間発泡反応させて発泡混合物を得た。該発泡混合物を室温で72時間硬化させて、実施例1に係るフォーム材料を得た。
【0035】
実施例2
大豆油ベースのポリエーテルポリオール(Hairma Chemicals (Gz) Co., LtdのHM-100)(官能度:4.5、重量平均分子量:2500g/mole)100重量部、HDI51.47重量部、グリセリン(架橋剤とする)0.2重量部、K2CO3水溶液(発泡剤とし、水、K2CO3の重量比が100:12.5)4.5重量部、アルキルポリグルコシド(APG)(BASF Personal Care and Nutrition GmbHのプランタケア 2000UP)7重量部、コーヒー粉68重量部、及びココナッツのコイア32重量部、を均一に混合して、そして温度25℃において2000rpmで60秒攪拌して、エマルション混合物を形成した。該エマルション混合物を容器に注ぎ、約115分間発泡反応させて発泡混合物を得た。該発泡混合物を室温で72時間硬化させて、実施例2に係るフォーム材料を得た。
【0036】
比較例1
大豆油ベースのポリエーテルポリオール(Hairma Chemicals (Gz) Co., LtdのHM-100)(官能度:4.5、重量平均分子量:2500g/mole)100重量部、HDI44.05重量部、アミン触媒(Momentive Performance Materials Inc.のNiax* Catalyst A-33)0.2重量部、アルキルポリグルコシド(APG)(BASF Personal Care and Nutrition GmbHのプランタケア 2000UP)6重量部、及び水3重量部、を均一に混合して、そして温度25℃において2000rpmで60秒攪拌して、エマルション混合物を形成した。該エマルション混合物を実施例1に記載の条件で発泡反応させた。観察によると、このように得られたフォーム材料は潰れて変形した。
【0037】
比較例2
大豆油ベースのポリエーテルポリオール(Hairma Chemicals (Gz) Co., LtdのHM-100)(官能度:4.5、重量平均分子量:2500g/mole)100重量部、HDI52.34重量部、グリセリン(架橋剤とする)3重量部、水溶液(水、尿素、K2CO3の重量比が100:100:4)6.12重量部、及びシリコーンオイル(テゴスタブ B 8474)0.6重量部、を均一に混合して、そして温度25℃において2000rpmで60秒攪拌して、エマルション混合物を形成した。該エマルション混合物を容器に注ぎ、約99分間発泡反応させて発泡混合物を得た。該発泡混合物を室温で72時間硬化させた。観察によると、このように得られたフォーム材料は高密度の固体ブロックであった。
【0038】
比較例3
大豆油ベースのポリエーテルポリオール(Hairma Chemicals (Gz) Co., LtdのHM-100)(官能度:4.5、重量平均分子量:2500g/mole)100重量部、HDI51.56重量部、尿素水溶液(水及び尿素の重量比が1:1)6重量部、及びアルキルポリグルコシド(APG)(BASF Personal Care and Nutrition GmbHのプランタケア 2000UP)6重量部、を均一に混合して、そして温度25℃において2000rpmで60秒攪拌して、エマルション混合物を形成した。該エマルション混合物を実施例1に記載の条件で発泡反応させた。観察によると、このように得られたフォーム材料は潰れて変形した。
【0039】
比較例4
大豆油ベースのポリエーテルポリオール(Hairma Chemicals (Gz) Co., LtdのHM-100)(官能度:4.5、重量平均分子量:2500g/mole)100重量部、HDI38.42重量部、アミン触媒(Momentive Performance Materials Inc.のNiax* Catalyst A-33)0.2重量部、シリコーンオイル(テゴスタブ B 8474)0.6重量部、及び水3重量部、を均一に混合して、そして温度25℃において2000rpmで60秒攪拌して、エマルション混合物を形成した。該エマルション混合物を実施例1に記載の条件で発泡反応させた。観察によると、このように得られたフォーム材料は潰れて変形した。
【0040】
実施例1、2及び比較例1~4に係るフォーム材料を製造するための成分及び総量は、以下の表1にまとめられる。
表1
【0041】
特性評価
A.バイオマス含有量の測定
実施例1、2及び比較例1~4に係るフォーム材料における、バイオベースの炭素14(
14C)及び全有機体炭素の量は、ASTM D6866に従って測定された。
バイオマス含有量(%)は、以下の公式(I)により計算され得る。
B.生分解の試験
実施例1、2及び比較例1~4に係るフォーム材料を、25℃超の環境温度において、土壌に深さ20cmで埋めた。6か月後、各フォーム材料を取り出してその重量減少を測定した。
生分解率(%)は、以下の公式(II)により計算され得る。
【0042】
結果
特性評価の結果は、表2に示される。実施例1、2のフォーム材料において測定されたバイオマス含有量が比較例1~4のフォーム材料において測定されたバイオマス含有量よりも高いことが、該表2から見て取れる。
【0043】
更に、実施例1、2のフォーム材料において測定された生分解率は、比較例2のフォーム材料において測定された生分解率よりも著しく高い。
【0044】
これらの結果は、本発明のフォーム材料が生分解性を有し且つ自然に分解され得るので、環境問題が存在せずに植物の育成や支持媒体として使用され得ることを示している。
表2
*:潰れて変形したため
【0045】
本明細書で引用されたすべての特許及び参考文献は、その全体が参考文献として本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含み本明細書における説明が優先される。
以上、本発明の例示的な実施形態と考えられるものを記載したが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾及び均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の生分解性のある植物育成用フォーム及びそれを形成するための組成物は、環境問題を起こさない、植物の育成や支持媒体として使用され得る。このため、産業上の利用可能性がある。