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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133379
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ガイドワイヤアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20220906BHJP
   A61B 5/0215 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
A61M25/09 500
A61M25/09 516
A61B5/0215 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108020
(22)【出願日】2022-07-04
(62)【分割の表示】P 2019503481の分割
【原出願日】2017-07-19
(31)【優先権主張番号】62/363,987
(32)【優先日】2016-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/363,992
(32)【優先日】2016-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/419,090
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520388240
【氏名又は名称】パスウェイズ メディカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パチル,ニティン
(72)【発明者】
【氏名】ホーレ,フィリップ・アール
(57)【要約】
【課題】導電性要素を有するガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】導電性要素を有するガイドワイヤが開示されており、一変形形態では、ガイドワイヤは、ガイドワイヤコアの表面上に絶縁層を配置し、絶縁層の表面上に直接1つ以上の導電トレースをプリントすることによって形成される。
【選択図】図38C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤアセンブリを形成する方法であって、
ガイドワイヤコアを提供する工程と、
前記ガイドワイヤコアの表面上に絶縁層を配置する工程と、
前記絶縁層の表面に直接1つ以上の導電トレースをプリントする工程とを含む、ガイドワイヤアセンブリを形成する方法。
【請求項2】
前記ガイドワイヤコアの一部に沿って圧力センサアセンブリを固定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧力センサアセンブリを固定する工程は、前記圧力センサアセンブリから延びるフレックス回路を前記1つ以上の導電トレースに電気的に接続する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレックス回路を電気的に接続する工程は、前記フレックス回路上の1つ以上のパッドを前記1つ以上の導電トレースに関連付けられる1つ以上の対応するパッドに直接電気的に接続する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フレックス回路を電気的に接続する工程は、前記フレックス回路上の1つ以上のパッドを1つ以上のリング要素の内径の第1の部分に電気的に接続するとともに前記1つ以上の導電トレースに関連付けられる前記1つ以上の対応するパッドを前記内径の第2の部分に電気的に接続する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記圧力センサアセンブリのセンサケーシングの遠位端に遠位コイルを取り付ける工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の導電トレース上にポリマ層を流す工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ガイドワイヤコアの近位部に沿って配置された1つ以上の電極要素を電気的に接続する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ガイドワイヤアセンブリを形成する方法であって、
ガイドワイヤコアを提供する工程と、
前記ガイドワイヤコアの表面上に絶縁層を配置する工程と、
エアロゾル化された導電性インクを前記絶縁層の表面上に配置して、1つ以上の導電トレースを形成する工程とを含む、ガイドワイヤアセンブリを形成する方法。
【請求項10】
前記ガイドワイヤコアの一部に沿って圧力センサアセンブリを固定する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記圧力センサアセンブリを固定する工程は、前記圧力センサアセンブリから延びるフレックス回路を前記1つ以上の導電トレースに電気的に接続する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フレックス回路を電気的に接続する工程は、前記フレックス回路上の1つ以上のパッドを前記1つ以上の導電トレースに関連付けられる1つ以上の対応するパッドに直接電気的に接続する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フレックス回路を電気的に接続する工程は、前記フレックス回路上の1つ以上のパッドを1つ以上のリング要素の内径の第1の部分に電気的に接続するとともに前記1つ以上の導電トレースに関連付けられる前記1つ以上の対応するパッドを前記内径の第2の部分に電気的に接続する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記圧力センサアセンブリのセンサケーシングの遠位端に遠位コイルを取り付ける工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の導電トレース上にポリマ層を流す工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ガイドワイヤコアの近位部に沿って配置された1つ以上の電極要素を電気的に接続する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
ガイドワイヤアセンブリを形成する方法であって、
ガイドワイヤコアを提供する工程と、
前記ガイドワイヤコアの表面上に絶縁層を配置する工程と、
前記絶縁層の表面上に導電層を配置する工程と、
前記絶縁層上に1つ以上の導電トレースが形成されるように、前記導電層の一部を除去する工程とを含む、ガイドワイヤアセンブリを形成する方法。
【請求項18】
前記ガイドワイヤコアの一部に沿って圧力センサアセンブリを固定する工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力センサアセンブリを固定する工程は、前記圧力センサアセンブリから延びるフレックス回路を前記1つ以上の導電トレースに電気的に接続する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記フレックス回路を電気的に接続する工程は、前記フレックス回路上の1つ以上のパッドを前記1つ以上の導電トレースに関連付けられる1つ以上の対応するパッドに直接電気的に接続する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記フレックス回路を電気的に接続する工程は、前記フレックス回路上の1つ以上のパッドを1つ以上のリング要素の内径の第1の部分に電気的に接続するとともに前記1つ以上の導電トレースに関連付けられる前記1つ以上の対応するパッドを前記内径の第2の部分に電気的に接続する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドワイヤの本体内または本体に沿って組み込まれた複数のセンサを有するガイドワイヤを組み立てるための方法および装置に関する。特に、本発明は、ガイドワイヤの本体内または本体に沿って圧力センサを組み込んだガイドワイヤを組み立てるための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガイドワイヤは、ガイドワイヤに直接一体的に設けられた複数のセンサまたはセンサアセンブリを有する。このようなセンサ付きガイドワイヤは、患者の体内のさまざまな生理学的パラメータを測定するように構成される。例えば、センサは、通常センサ要素を電子アセンブリに電気的に結合するためにガイドワイヤを貫通する1本以上のケーブルを有する。
【0003】
ガイドワイヤは通常ハイポチューブと、ガイドワイヤの長さまたは部分的な長さにわたって延びるコアワイヤの周囲のコイル状セグメントとを備える。コアワイヤはステンレス鋼またはニチノールから形成され、コイル状セグメントはワイヤまたは編組から形成され、これによりガイドワイヤは可撓性、押圧性、および耐キンク性を得られる。単体で使用されるかステンレス鋼で編組されるニチノールワイヤは、柔軟性を増すことおよびワイヤを元の形状に戻すことをさらに補助する。
【0004】
さらに、ガイドワイヤは、0.014インチ(約0.3556ミリメートル)の標準直径を有し、これにより、特定の種類のセンサを収容すること、または複数のセンサを有することは、ガイドワイヤによって提供される比較的小さい空間によって制限され得る。さらに、ガイドワイヤは、通常、極めて曲がりくねった経路を呈し得る脈管構造への挿入およびそれを通った前進のために使用される。したがって、ガイドワイヤ、およびガイドワイヤに沿った任意のセンサまたは電極は、ガイドワイヤが多数の曲線および屈曲部を有する通路上で押圧され、張引され、またはトルクをかけられると、比較的大きな応力を受ける。
【0005】
その長さに沿って1つ以上の電極を組み込んでいるガイドワイヤは、ガイドワイヤの構成および使用に対してさらなる課題を提示する。例えば、ガイドワイヤに沿った複数の電極の存在は、ガイドワイヤの長さを通過する追加の導電配線を必要とする。ガイドワイヤに必要とされる空間および柔軟性が限られているため、その長さに沿って配置された任意のセンサおよび/または電極は、これらに対応して構成されることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、長さに沿って1つ以上の電極および/またはセンサを組み込んだガイドワイヤの効果的な構成を得られるガイドワイヤ設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ガイドワイヤは、ガイドワイヤの本体内または本体に沿って複数の異なるセンサを組み込む。1つの特定の変形形態は、ガイドワイヤの本体に沿ってまたはガイドワイヤの遠位端に1つ以上の電極を任意により有する圧力センサを組み込む。ガイドワイヤ本体に沿って直接一体的に形成された1つ以上の電極を有するガイドワイヤは、1つ以上の電極を有する電極アセンブリに取り付けられた近位コイルと、電極アセンブリの遠位端に取り付けられた遠位コイルとを有する。コアワイヤは、ガイドワイヤアセンブリの長さを通って延び、電極アセンブリを部分的にまたは完全に通って延びる。
【0008】
ガイドワイヤアセンブリを組み立てるための1つの変形形態は、通常先端ほど細くなる遠位部分を有するコアワイヤを提供することと、1本以上の導電ワイヤを有するセンサパッケージを通してまたはセンサパッケージに沿って形成されるワイヤ受承チャネルにコアワイヤを通すことによってセンサパッケージをコアワイヤに固定することと、続いて1本以上の導電ワイヤおよびコアワイヤを包囲することとを含む。
【0009】
ガイドワイヤアセンブリを形成する方法の一例は、通常ガイドワイヤコアを提供することと、ガイドワイヤコアの表面上に絶縁層を配置することと、絶縁層の表面上に直接1つ以上の導電トレースをプリントすることとを含む。
【0010】
ガイドワイヤアセンブリを形成する方法の別の例は、通常ガイドワイヤコアを提供することと、ガイドワイヤコアの表面上に絶縁層を配置することと、1つ以上の導電トレースを形成するために絶縁層の表面上にエアロゾル導電性インクを配置することとを含む。
【0011】
ガイドワイヤアセンブリを形成する方法のさらなる別の例は、通常ガイドワイヤコアを提供することと、ガイドワイヤコアの表面上に絶縁層を配置することと、絶縁層の表面上に導電層を配置することと、1つ以上の導電トレースが絶縁層の上に形成されるように導電層の一部を除去することとを含む。
【0012】
ガイドワイヤアセンブリを形成する際、圧力センサパッケージは、一変形形態では、通常内部に固定される圧力センサの構成要素を包囲するかまたは支持する円筒形状のハウジングを形成するセンサケーシングを備える。センサケーシングは、ケーシングの側面に沿って、内部の圧力センサを流体環境に露出させる検知窓を形成する。センサコアは、フレックス回路に接続するセンサケーシング内およびセンサケーシングに沿って固定され、センサケーシングは、ガイドワイヤの長さを通って延びる1つ以上の導体を介して制御部またはプロセッサに接続するためにセンサケーシングの近位端から延びる。フレックス回路に沿った導電トレースまたはワイヤは、制御部またはプロセッサへの電気的接続のためにガイドワイヤ本体を通って近位方向に延びる1本以上の対応する導電ワイヤに直接取り付けられる。
【0013】
別の変形形態は、フレックス回路がセンサケーシングから近位方向に延びるが、1本以上の導電ワイヤに直接取り付けられることに代えて、フレックス回路が、1本以上の導電ワイヤに電気的に接続される1つ以上の導電リング要素に電気的に接続される構造体を含む。リング要素は同軸にかつ互いに隣接して整列し、使用される要素の数は所望の電気的接続の数に応じたものである。1本以上の導電ワイヤは、各リング要素が1つのパッドまたはトレースに電気的に接続されるように、フレックス回路上の特定のパッドまたはトレースに選択的に電気的に結合される。各リング要素は、続いてリング要素の内径に沿って選択的導電ワイヤに電気的に結合され、所望に応じて、リング要素の残りの部分を別の導体または構成要素に電気的に接続可能にされる。
【0014】
センサケーシングは、ケーシング全体を通る長手方向の通路を形成し、ガイドワイヤコアを貫通させる。ケーシングは、ガイドワイヤ先端がケーシングの遠位端から延びるように位置決めされるとともに固定される遠位側開口部をさらに形成し、ガイドワイヤは、フレックス回路、圧力センサ、および検知窓に隣接してまたはこれらの下でケーシングを通って長手方向に延びる。センサコアは、ケーシングから近位に延びるフレックス回路に隣接してケーシング内に固定されて示される。
【0015】
ガイドワイヤ内またはガイドワイヤに沿って要素を電気的に結合するためのさらなる別の変形形態では、ガイドワイヤアセンブリは、ポリマ基板上にプリントされた導電性インクを有してガイドワイヤまたはカテーテルの一端から他端まで信号を搬送するためのサブアセンブリを形成する。導電トレースを装置基板上に直接使用し、続いてトレースを誘電体材料で絶縁することにより、導電ワイヤおよびこれらに関連付けられる処理および取扱いをする必要がなくなる。
【0016】
ポリマ層(例えば、PET、PTFEなど)を、熱収縮などによってガイドワイヤコアを覆うようにコーティングして、絶縁基板を提供する。ポリマ層は、ガイドワイヤコアの全体上にコーティング若しくは配置され、または遠位端の一部が圧力センサアセンブリの固定のためにコーティングされないままである。トレースが1つ以上の対応する遠位パッドから1つ以上の対応する近位パッドまで延びるように、1つ以上の導電トレース(例えば、ナノ銀、ナノ金、ナノ銅など)をポリマ層上に直接プリントする。
【0017】
これらの1つ以上の導電トレースはポリマ層上に直接プリントされるので、それらは複数の異なるパターンで構成される。一旦1つ以上の導電トレースがポリマ層上にプリント
されると、トレースは続いて絶縁される。トレースを絶縁するための1つの変形形態は、電気接続用のパッドを形成するように露出したままにする必要があるトレースの端部をマスキングし、続いて導電トレース上に別のポリマ層を堆積することを含む。例えば、他の熱収縮チューブまたは層を使用してもよく、または他のポリマ層(PTFE、パラリンなど)を、例えば物理蒸着、浸漬コーティングなどを使用して、露出した導電トレース上に堆積させてもよい。
【0018】
さらなる別の変形形態では、物理蒸着(PVD)などのバルクメタライゼーションプロセスによって、あるいはより幅広な金属層を誘電体層上に電気メッキ、無電解メッキ、導電性インクを用いたプリントを行うことによって、導電性コーティングを誘電体コーティング上に塗布することができる。そのような金属層はEMシールドをなし、これにより、雑音を除去または低減し、システム信号対雑音比(SNR)を増加させることができる。
【0019】
トレースを絶縁するための別の変形形態は、ポリマインクを使用して導電トレース上に直接誘電体ポリマをプリントすることを含む。ポリマインクを使用して導電トレース上に直接プリントする場合、プリントプロセスを使用してポリマインクを選択的にプリントし、絶縁層を形成するとともに導電トレースの一部を露出させて構成要素と電気的に結合するための導電パッドを形成する。
【0020】
いずれの方法が使用されるかにかかわらず、結果として得られるガイドワイヤコアおよびポリマ層は圧力センサアセンブリと結合される。1つ以上のリング要素は、フレックス回路に沿って露出された対応するパッドに対して、リング要素の内径の部分に沿って電気的に結合され、1つ以上のリング要素に沿った第2の部分は、ポリマ層上に配置された導電トレースの対応するパッドに電気的に結合され、圧力センサアセンブリ(または他の任意の構成要素)を電気的に結合する。続いて遠位コイル先端をセンサケーシングの遠位端に取り付け、中央部分に沿ってガイドワイヤコアを覆うように、遠位部分に沿って遠位コイルまたはチップを覆うように、近位部分に沿って残りのガイドワイヤコアを覆うように、かつ電極間の部分を覆うように(使用される場合)ポリマをリフローまたは成形する。
【0021】
別の変形形態による組立方法は、ガイドワイヤコア上に配置されるに先だって個別にポリマ層を形成することを含む。導電トレースは、ポリマ層の長さにわたって延びる、導電トレースの対応する露出パッドとともにポリマの外層上に直接プリントされる。絶縁層も同様に導電トレース上に直接プリントされる。予めプリントされたポリマ層を用いて、ガイドワイヤコアをポリマ層に挿入し、例えばシアノアクリレートなどの任意の数の適切な接着剤を用いて接着する。圧力センサアセンブリを続いてガイドワイヤコアに固定し、フレックス回路をアタッチメントで露出パッドに直接電気的に結合して電気的接続は完成する。導電トレースをプリントするためのさらなる別の変形形態では、ポリマチューブをガイドワイヤコア上に配置し、1つ以上の導電トレースをチューブの外層上にプリントする。続いて導電性インクを使用して、円形リングが導電トレースの露出領域と一致するように円形リングをポリマチューブ上にプリントし、これにより、圧力センサアセンブリフレックス回路または他の構成要素を円形リングへの接続を介して導電トレースに電気的に結合する。円形リングはチューブの周囲に周方向にプリントされるので、リングがチューブの全周に沿ってプリントされることを可能にするために、露出領域は互いに長手方向にずらされる。また、干渉を受けずにリングを互いに対して同軸にプリントすることを可能にするために、露出領域間に適切な長手方向の間隔があることが好ましい。他の変形形態では、全周リングよりも部分周リングをプリントする。
【0022】
導電トレースを形成するためのさらなる別の変形形態は、ガイドワイヤコアの外面上に配置される第1の絶縁ポリマ層(例えば、PARYLENE(インディアナ州インディアナポリスに所在するSpecialty Coating Systems、Inc.社
)、TEFLON(登録商標、デラウェア州ウィルミントンに所在するE.I.Du Pont De Nemours)、ポリイミドなど)を有する。導電性材料を有する第2の導電性ポリマ層(金、銀、銅など)を、続いて例えば無電解堆積、物理蒸着などの任意の数のプロセスを使用して第1のポリマ層上にコーティングする。導電層の厚みは用途に応じたものであり、通常装置の電気的要求(電流容量)および機械的要求(例えば剛性)の両者を考慮して決定される。この第2の導電層は、例えばレーザーマイクロマシニング、光化学エッチングなどを使用して個別の導電性要素に分離される。
【0023】
続いて用途に応じて、コーティングまたは熱収縮(例えば、テフロン(登録商標)、PETなど)のいずれかの形態の誘電性絶縁ポリマを使用してアセンブリ全体を絶縁することができる。用途に応じて、複数の個別の導電性要素を形成することができる。また、用途に応じて、そのように形成された個別の導電性要素への接続を容易にするために、様々なサイズおよび形状の接続端子を端部に形成することができる。そのような構成技術は、装置上に直接複数の個別の導電性要素を設けることを支援し、これにより個別の導電ワイヤを収容するために材料を除去したり、導電ワイヤまたは要素を収容するために装置を中空にする必要性を排除する。したがって、意図された装置性能は大幅に向上し、製造コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、ガイドワイヤ本体に沿って遠位端付近または遠位端に配置された1つ以上の電極を示す、ガイドワイヤの一変形形態の側面断面図を示す。
図2図2は、遠位端電極スペーシングの斜視図を示す。
図3図3は、間に絶縁材料が配置された状態で互いに離間した1つ以上の電極を有する電極アセンブリの側面図を示す。
図4A図4Aは、ガイドワイヤに沿って電極アセンブリを組み立てるための一変形形態を示す。
図4B図4Bは、ガイドワイヤに沿って電極アセンブリを組み立てるための一変形形態を示す。
図4C図4Cは、ガイドワイヤに沿って電極アセンブリを組み立てるための一変形形態を示す。
図5図5は、ガイドワイヤに沿って配置された1つ以上の電極を有するガイドワイヤを組み立てるための別の変形形態の側面断面図を示す。
図6図6は、1つ以上の電極を有するガイドワイヤを組み立てるためのさらなる別の変形形態の側面断面図を示す。
図7A図7Aは、コアワイヤに取り付けるように構成されるハイポチューブの側面図を示す。
図7B図7Bは、コアワイヤに取り付けるように構成されるハイポチューブの側面図を示す。
図7C図7Cは、ガイドワイヤに沿って一体的に設けられる1つ以上の電極を有するガイドワイヤを一体的に形成するとともにコアワイヤに取り付けられるハイポチューブの平面図を示す。
図7D図7Dは、ガイドワイヤに沿って一体的に設けられる1つ以上の電極を有するガイドワイヤを一体的に形成するとともにコアワイヤに取り付けられるハイポチューブの平面図を示す。
図7E図7Eは、2つの部分を連結するためのクリップまたはカラーを使用した、ハイポチューブへのコアワイヤ取り付けの側面断面図を示す。
図8A図8Aは、ガイドワイヤに沿って配置された1つ以上の電極を有するガイドワイヤを組み立てるための別の変形形態の斜視図を示す。
図8B図8Bは、ガイドワイヤに沿って配置された1つ以上の電極を有するガイドワイヤを組み立てるための別の変形形態の斜視図を示す。
図8C図8Cは、ガイドワイヤに沿って配置された1つ以上の電極を有するガイドワイヤを組み立てるための別の変形形態の斜視図を示す。
図8D図8Dは、ガイドワイヤに沿って配置された1つ以上の電極を有するガイドワイヤを組み立てるための別の変形形態の斜視図を示す。
図9図9は、ガイドワイヤを形成するためにハイポチューブを第2の管状部材に結合するための詳細斜視図を示す。
図10図10は、ガイドワイヤ上に1つ以上の放射線不透過性バンドを配置するための1つの方法の部分側面断面図を示す。
図11図11は、圧力センサハウジングを貫通する連続コアワイヤを組み込んでいるガイドワイヤの部分側面断面図を示す。
図12A図12Aは、センサハウジングの床部の上に直接配置された圧力センサダイの正面図を示す。
図12B図12Bは、センサハウジングの床部の上に直接配置された圧力センサダイの側面図を示す。
図13A図13Aは、1本以上の導電ワイヤを圧力センサダイに取り付けるために使用されるアセンブリジグの正面図を示す。
図13B図13Bは、1本以上の導電ワイヤを圧力センサダイに取り付けるために使用されるアセンブリジグの正面図を示す。
図14A図14Aは、圧力センサダイに対してワイヤを位置決めするとともに維持するために使用される1本以上の導電ワイヤおよびエンドキャップの側面図を示す。
図14B図14Bは、圧力センサダイに対してワイヤを位置決めするとともに維持するために使用される1本以上の導電ワイヤおよびエンドキャップの端面図を示す。
図15A図15Aは、エンドキャップを通して1本以上のワイヤを圧力センサダイ上に取り付けるための別の変形形態の部分側面断面図を示す。
図15B図15Bは、エンドキャップを通して1本以上のワイヤを圧力センサダイ上に取り付けるための別の変形形態の部分側面断面図を示す。
図15C図15Cは、エンドキャップを通して1本以上のワイヤを圧力センサダイ上に取り付けるための別の変形形態の部分側面断面図を示す。
図15D図15Dは、エンドキャップを通して1本以上のワイヤを圧力センサダイ上に取り付けるための別の変形形態の部分側面断面図を示す。
図16A図16Aは、圧力センサダイをセンサハウジングに直接取り付けるためのフリップチップアセンブリ方法の端面図を示す。
図16B図16Bは、圧力センサダイをセンサハウジングに直接取り付けるためのフリップチップアセンブリ方法の側面図を示す。
図16C図16Cは、圧力センサダイをセンサハウジングに直接取り付けるためのフリップチップアセンブリ方法の正面図を示す。
図17A図17Aは、圧力センサダイをセンサハウジングに直接取り付けるための別の方法の端面図を示す。
図17B図17Bは、圧力センサダイをセンサハウジングに直接取り付けるための別の方法の側面図を示す。
図17C図17Cは、圧力センサダイをセンサハウジングに直接取り付けるための別の方法の正面図を示す。
図18図18は、1つ以上の電極と圧力センサとがガイドワイヤに直接一体的に設けられたガイドワイヤの斜視図を示す。
図19A図19Aは、ガイドワイヤを通して複数の導電ワイヤを整列させるための一変形形態の端面断面図を示す。
図19B図19Bは、アセンブリを覆ってコーティングされた任意のメタライゼーション層を有する整列された複数の導電ワイヤの別の変形形態の端面断面図を示す。
図20A図20Aは、1つ以上の電極で第1の組の導電ワイヤと、圧力センサアセンブリで第2の組の導電ワイヤとを終端させるための一変形形態を示す。
図20B図20Bは、電気的結合のためにずらした露出部を有する導電ワイヤの正面図を示す。
図20C図20Cは、導電ワイヤの正面図を示し、電気的結合のために端子端部がどのようにずらされるかを示す。
図21図21は、ガイドワイヤに沿って電極アセンブリに固定される圧力センサダイの斜視図を示す。
図22A図22Aは、圧力センサを位置決めするように構成されたチャネルを有するガイドワイヤの別の変形形態の斜視図を示す。
図22B図22Bは、圧力センサを位置決めするように構成されたチャネルを有するガイドワイヤの別の変形形態の端面図を示す。
図23A図23Aは、電極アセンブリを固定するための縮小部分を有するコアワイヤの側面図を示す。
図23B図23Bは、コアワイヤに固定するための導電性および絶縁性を備えたセグメントの一変形形態の端面図を示す。
図23C図23Cは、コアワイヤに固定するための導電性および絶縁性を備えたセグメントの一変形形態の端面図を示す。
図23D図23Dは、予め定められた断面形状を有するコアワイヤに対して構成される導電性セグメントの別の変形形態の端面図を示す。
図23E図23Eは、予め定められた断面形状を有するコアワイヤに対して構成される導電性セグメントの別の変形形態の端面図を示す。
図24図24は、個別の部分として圧力センサハウジングに取り付けられるコアワイヤの別の変形形態の側面図を示す。
図25A図25Aは、検知ダイヤフラムに与えられる応力を軽減または排除するために片持ちにされる圧力センサダイの側面図を示す。
図25B図25Bは、検知ダイヤフラムに与えられる応力を軽減または排除するために片持ちにされる圧力センサダイの端面図を示す。
図25C図25Cは、検知ダイヤフラムに与えられる応力を軽減または排除するために片持ちにされる圧力センサダイの端面図を示す。
図26A図26Aは、ガイドワイヤと一体的に設けられるバリアセグメントの別の変形形態の側面図を示す。
図26B図26Bは、ガイドワイヤと一体的に設けられるバリアセグメントの別の変形形態の端面図を示す。
図26C図26Cは、ガイドワイヤと一体的に設けられるバリアセグメントの別の変形形態の斜視図を示す。
図27A図27Aは、コアワイヤの周囲に固定された管状圧力センサハウジングを有するコアワイヤの別の変形形態の斜視図を示す。
図27B図27Bは、コアワイヤの周囲に固定された管状圧力センサハウジングを有するコアワイヤの別の変形形態の端面図を示す。
図28A図28Aは、圧力センサ受承チャネルを形成するために管状圧力センサハウジングから材料を除去する方法の一例を示す端面図である。
図28B図28Bは、圧力センサ受承チャネルを形成するために管状圧力センサハウジングから材料を除去する方法の一例を示す端面図である。
図29図29は、コアワイヤ上に固定された導電性セグメントおよび管状圧力センサハウジングの側面図を示す。
図30図30は、対応する収容スロット上に配置された圧力センサダイおよび導電ワイヤを示す端面図である。
図31図31は、1本以上の導電ワイヤに対して絶縁パッドを選択的に形成するための1つの特定の方法のプロセスフロー図を示す。
図32図32は、ワイヤの選択的領域が周囲の絶縁体を通してそして下にある個別の選択された導電ワイヤまで切除されたワイヤアセンブリを示す。
図33A図33Aは、圧力センサパッケージの一変形形態の斜視図を示す。
図33B図33Bは、圧力センサパッケージの一変形形態の側面図を示す。
図34A図34Aは、センサケーシング構成要素を1本以上の導電ワイヤに電気的に接続するための構成の一変形形態の側面図を示す。
図34B図34Bは、フレックス回路がセンサケーシングから近位方向に延び、また、1本以上の導電ワイヤに電気的に接続される1つ以上の導電リング要素に電気的に接続される別の変形形態の側面図を示す。
図35A図35Aは、センサケーシングおよびその構成要素の別の変形形態の正面図を示す。
図35B図35Bは、センサケーシングおよびその構成要素の別の変形形態の側面図を示す。
図35C図35Cは、センサケーシングおよびその構成要素の別の変形形態の透視図を示す。
図35D図35Dは、センサケーシングおよびその構成要素の別の変形形態の斜視図を示す。
図36図36は、ガイドワイヤアセンブリを圧力センサアセンブリと組み合わせて形成する際のプロセスフローの一変形形態を示す。
図37A図37Aは、 図36のプロセスフローに記載のガイドワイヤアセンブリの一変形形態の側面図を示す。
図37B図37Bは、 図36のプロセスフローに記載のガイドワイヤアセンブリの一変形形態の側面図を示す。
図37C図37Cは、 図36のプロセスフローに記載のガイドワイヤアセンブリの一変形形態の側面図を示す。
図37D図37Dは、 図36のプロセスフローに記載のガイドワイヤアセンブリの一変形形態の側面図を示す。
図37E図37Eは、 図36のプロセスフローに記載のガイドワイヤアセンブリの一変形形態の側面図を示す。
図38A図38Aは、サブアセンブリを形成するためにポリマ基板上にプリントされた導電性インクを有するガイドワイヤアセンブリの側面図を示す。
図38B図38Bは、サブアセンブリを形成するためにポリマ基板上にプリントされた導電性インクを有するガイドワイヤアセンブリの側面図を示す。
図38C図38Cは、サブアセンブリを形成するためにポリマ基板上にプリントされた導電性インクを有するガイドワイヤアセンブリの側面図を示す。
図39A図39Aは、導電トレースに対する異なるトレースパターンを示す。
図39B図39Bは、導電トレースに対する異なるトレースパターンを示す。
図39C図39Cは、導電トレースに対する異なるトレースパターンを示す。
図40A図40Aは、ガイドワイヤコアおよび絶縁層に覆われた導電トレースの断面図を示す。
図40B図40Bは、ガイドワイヤコアおよび絶縁層に覆われた導電トレースの側面図を示す。
図41A図41Aは、圧力センサアセンブリと結合した、得られたガイドワイヤコアおよびポリマ層の側面図を示す。
図41B図41Bは、圧力センサアセンブリと結合した、得られたガイドワイヤコアおよびポリマ層の側面図を示す。
図42A図42Aは、ガイドワイヤコア上に配置されるに先だって個別に形成されたポリマ層の側面図を示す。
図42B図42Bは、ガイドワイヤコア上に配置されるに先だって個別に形成されたポリマ層の側面図を示す。
図43A図43Aは、ポリマチューブがガイドワイヤコア上に配置され、1つ以上の導電トレースがチューブの外層上にプリントされる変形形態を示す。
図43B図43Bは、ポリマチューブがガイドワイヤコア上に配置され、1つ以上の導電トレースがチューブの外層上にプリントされる変形形態を示す。
図43C図43Cは、ポリマチューブがガイドワイヤコア上に配置され、1つ以上の導電トレースがチューブの外層上にプリントされる変形形態を示す。
図43D図43Dは、ポリマチューブがガイドワイヤコア上に配置され、1つ以上の導電トレースがチューブの外層上にプリントされる変形形態を示す。
図44A図44Aは、ガイドワイヤコア上に導電トレースを形成するためのさらなる別の変形形態を示す。
図44B図44Bは、ガイドワイヤコア上に導電トレースを形成するためのさらなる別の変形形態を示す。
図44C図44Cは、ガイドワイヤコア上に導電トレースを形成するためのさらなる別の変形形態を示す。
図44D図44Dは、ガイドワイヤコア上に導電トレースを形成するためのさらなる別の変形形態を示す。
図44E図44Eは、ガイドワイヤコア上に導電トレースを形成するためのさらなる別の変形形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ガイドワイヤは、ガイドワイヤの本体内または本体に沿って多数の異なるセンサを組み込む。1つの特定の変形形態は、ガイドワイヤの本体に沿ってまたはガイドワイヤの遠位端に1つ以上の電極を有する圧力センサを組み込む。圧力センサと1つ以上の電極との組み合わせを得るために、本明細書でさらに詳細に説明されるように様々な組み立て方法および装置を利用することができる。
【0026】
狭心症を治療するための血管再生術の経皮的および外科的方法の両者の有効性を確認するデータによって、70%を超える狭窄を有する血管の血管再生術が支持されている。しかしながら、この決定は、中間病変、例えば30%乃至70%の狭窄を再血管新生するという決定になる場合、明白ではない。狭窄の機能的評価はそのような決定を導くのを支援することができる。最大充血(最大生理的流量)時の狭窄より遠位の圧力と大動脈圧(Ao)との比であるフラクショナルフローリザーブ(FFR)は、病変の機能的意義を判断するために使用される臨床パラメータである。FFRは、血管を通る、心筋の血管系への血流が、狭窄によりどれだけ損なわれるかを示す分数値である。1に近い値はほとんど損なわれないことを示し、値が小さいほど多くが損なわれていることを示す。機能的に有意な病変の識別を可能にする虚血の閾値が、FFRについて存在する。0.75未満のFFRは、ほとんどの場合、誘導性虚血と関連付けられる。無作為化FAME試験(NEJM、2009)は、FFRガイド下冠動脈インターベンションが冠動脈イベントの有意な減少および単純な血管造影ガイド下インターベンションと比較して生存率の改善をもたらすことを示した。
【0027】
今日、臨床現場でFFRを提供するいくつかの製品ソリューションが存在する。血管内圧を測定する使い捨て要素は、例えばCERTUS PRESSURE WIRE(ミネソタ州セントポールに所在するセントジュードメディカル社)、PRIMEWIRE(カリフォルニア州ランチョコルドバに所在するボルケーノコーポレーション社)のようなガイドワイヤベースのもの、または、例えばASCIST(セントジュードメディカル社)のようなカテーテルベースのもののいずれかである。一般に、血管内パラメータを測定するために、様々な種類のセンサ(圧力センサ、温度、流量、電気など)をガイドワイヤまたはカテーテル内に装着または配置する。特に、血管内圧を測定するために取り付けることができる様々な種類の圧力センサがある。ガイドワイヤの寸法が小さい(典型的には直径0.014インチ(約0.3556ミリメートル))ため、センサおよび関連付けられる導電性要素は大きな課題を提起する。一般的に、測定回路は、患者の体の近位側、しば
しば外側に配置され、ガイドワイヤを通して配線する必要がある複数の信号伝導要素(例えば、ワイヤ、光ファイバなど)を使用して遠位側にセンサに接続される。導電性要素および経路指定方法の選択は、ガイドワイヤの機械的性能に大きな影響を及ぼし得る。ガイドワイヤは、医師が妥当な時間内にこれらの装置を動脈内の所望の位置に進めることができるように、追従性およびトルク性などの特定の機械的性能特性を有する必要がある。機械的性能および搬送性をほとんど妥協することなく、様々な診断を有するとともにこれらを組み合わせて単一の装置をなす多機能装置を得ることに対する大きな推進力および必要性がある。
【0028】
生体内の内腔寸法などの様々な解剖学的パラメータを評価するための1つ以上の電極が組み込まれ、また、圧力センサなどの1つ以上のセンサが組み込まれるガイドワイヤの例を以下にさらに詳細に示し説明する。2010年9月17日に出願された米国特許出願第61/383,744号;米国特許出願第13/159,298号(2011年6月13日)(米国特許出願公開第2011/0306867号);米国特許出願第13/305,610号(2011年11月28日出願)(米国出願公開第2012/0101355号);米国特許出願第13/305,674号(2011年11月28日出願)(米国特許出願公開第2012/0101369号);米国特許出願第13/305,630号(2011年11月28日出願)(米国特許出願公開第2012/0071782号);米国特許出願第13/709,311号(2012年12月10日出願);米国特許出願第13/764,462号(2013年2月11日出願);および米国特許出願第14/535,165号(2014年11月6日出願)(米国特許出願公開第2015/0074995号)。各出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本明細書の任意の目的のために提供される。
【0029】
国際出願PCT/US2012/034557号(2012年4月20日)(米国を指定して国際公開WO2012/173697号として公開された)における1つ以上の圧力センサと1つ以上の電極との組み合わせの組み立ておよび使用についてのさらなる例もまた開示され、記載されている。該出願は、本明細書中の任意の目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。これらのガイドワイヤおよび他のガイドワイヤのうちのいずれも、本明細書に開示されている方法および装置のうちのいずれかを、可能な限り様々に組み合わせて利用できることを意図している。
【0030】
ここで図1を見ると、ガイドワイヤ本体に沿って直接一体的に設けられる1つ以上の電極を有するガイドワイヤ10、例えば直径0.014インチ(約0.3556ミリメートル)のガイドワイヤの一例が部分断面側面図に示されている。図示のように、例えばニチノール、ステンレス鋼等のハイポチューブ12は、例えば1つ以上の電極18(この変形形態では互いに間隔を開けて設けられた4つの電極)を有する電極アセンブリ14に取り付けられるとともにステンレス鋼から形成される近位コイル20と、電極アセンブリ14の遠位端に取り付けられるとともに非外傷性遠位先端26で終端する遠位コイル22とを有する。
【0031】
電極アセンブリ14は、電気的に絶縁するために各電極18の間に配置された絶縁スペーシングセグメント28をさらに有し、電極18およびスペーシングセグメント28の両者は、例えばポリイミドから形成される電極アセンブリまたは基板16に沿って配置される。近位コイル20および/または遠位コイル22の一方または両者は、十分な構造強度もまた提供する様々な生体適合性を備えた材料、例えば白金(Pt)、白金-イリジウム合金(Pt/Ir)などから形成される。コアワイヤ24は、ガイドワイヤアセンブリ10の長さを通って延び、電極アセンブリ14を部分的にまたは完全に通って延びる。コアワイヤ24は、例えば、ステンレス鋼、ニチノール等から形成され、また、コアワイヤ24は、さらに遠位に延びるにつれて比較的小さい直径に先細に設けることもできる。
【0032】
ガイドワイヤアセンブリ10の他の図が図2の斜視図に示されており、これは各電極18の間に隣接する絶縁スペーシングセグメント28を有する電極18のスペーシングを示す。近位コイル20および遠位コイル22、並びにアセンブリ10によって提示される滑らかな外面もまた示される。図3は、ガイドワイヤ本体から取り除かれた電極アセンブリ16の側面図を示し、スペーシングセグメント28に対する電極18の位置決め、および各電極18に電気的に結合された1本以上の導電ワイヤ30がどのようにアセンブリ16から近位に延びるかを示す。
【0033】
図4A乃至4Cは、ガイドワイヤアセンブリ10を組み立て、電極アセンブリ16を一体的に形成するための一変形形態を示す。図4Aに示すように、コアワイヤ24は、遠位コイル22の一部分内に固定され、例えば0.005インチ(約0.127ミリメートル)の外径を有するコアワイヤ24が、例えば3cmの長さにわたって、例えば0.002インチ(約0.0508ミリメートル)の外径に先細に設けられる。コアワイヤ24とは別体のコアワイヤまたはハイポチューブ12は、コアワイヤまたはハイポチューブ12の周囲にねじられ、巻き付けられ、または他の方法で包囲する電極に取り付けるための1本以上の導電ワイヤ30を有する。図4Bの側面図に示すように、このアセンブリでは、コアワイヤ24の近位端とコアワイヤまたはハイポチューブ12の遠位端とをアタッチメント40で、例えばレーザ溶接で、互いに結合、接合、または他の方法で取り付けることができる。この実施形態では、2つの異なるコアワイヤが記載されているが、これは、ワイヤの材料特性を利用して、異なる性能要件を満たすために、コアワイヤの材料が異なり得る(例えば、遠位コアワイヤにはニチノール、近位コアワイヤにはステンレス鋼)ためである(例えば、ステンレス鋼コアを使用して得られる、近位シャフトに沿った高い剛性に対してニチノールの遠位コアによって得られる高い耐キンク性)。しかしながら、単一の連続コアワイヤ材料(例えば、ステンレス鋼)をワイヤ構造に使用することができることに留意されたい。
【0034】
電極18と絶縁スペーシングセグメント28とを有する電極アセンブリを、続いてコアワイヤまたはハイポチューブ12および導電ワイヤ30を覆うように前進させて遠位コイル22の近位端に接触させ、そこで電極18を対応する導電ワイヤ30に電気的に結合する。図4Cの側面図に示すように、コアワイヤまたはハイポチューブ12を覆うように近位コイル20を前進させて電極アセンブリの近位端に接触させることができ、これら2つを互いに結合するかまたは他の方法で取り付けることができる。コイル20の代わりに、適切なポリマ(例えば、ポリイミドまたはナイロン)を使用して、ガイドワイヤの全長にわたってコアおよび導電ワイヤをカプセル化することができることに留意されたい。
【0035】
図5は、ガイドワイヤを形成するためのさらなる別の変形形態において、コアワイヤ24の近位端が、遠位コイル22内に配置されるように、例えば3cm未満となるように比較的短くされたコアワイヤ24を有するガイドワイヤアセンブリの部分側面断面図を示す。コアワイヤまたはハイポチューブ12の遠位端は、それに対応してより長く、電極アセンブリを通って遠位コイル22の近位端内に少なくとも部分的に、かつ近位端を通って遠位方向に延びる。例えばレーザ切断によるハイポチューブ42の追加は、近位コイル20の近位端に取り付けられるかまたは結合されることによる。
【0036】
図6は、コアワイヤ24が3cmよりも長い、例えば20cm以上の長さを有するようにコアワイヤ24を比較的長く設け、その終端が電極アセンブリよりも近位に、かつ近位コイル20内に位置するように近位に延びるさらなる別の変形形態を示す。延長されたコアワイヤ24の近位端とコアワイヤまたはハイポチューブ12の遠位端との間のアタッチメント40は、それに応じて電極アセンブリの近位でかつ近位コイル20内またはハイポチューブ42内に配置される。
【0037】
図7A乃至7Dは、電極アセンブリを介して直接ハイポチューブ42にコアワイヤ24を取り付けるためのさらなる別の方法を示す。図7Aの側面図の縮小された環状部50によって示されるように、この変形形態では、ハイポチューブ42は、例えば1.0インチ(約1.28cm)未満の長さに沿って、例えば0.014インチ(約0.3556ミリメートル)の外径から例えば0.012インチ(約0.3048ミリメートル)の外径まで最初に縮径された遠位部分を有する。図7Bの側面図に示すように、縮小環状部50を続いてさらに加工して、環状部50の肩部58から(例えば、0.315インチの長さを形成する)弓形または削り出し部分54をハイポチューブ42の遠位端52まで除去し、これにより、先端ほど細くなる遠位部分56を形成する。
【0038】
図7Cの正面図に示すように、これにより得られた先細の遠位部分56は、例えば0.005インチ(約0.127ミリメートル)の幅に狭小に設けられ、これはコアワイヤ24の直径に相当する。遠位部分56の狭小に設けられた端部は、コアワイヤ24と、接続される遠位部分56とが直接の一体的構造体を形成するように、(本明細書の任意の取り付け方法を使用して)アタッチメント40により互いに直接結合される。図7Dの部分側面断面図に示すように、コアワイヤ24が遠位コイル22内に配置された状態で、アタッチメント64を介して電極アセンブリを遠位コイル22の近位端に接続し、アタッチメント62を介して近位コイル20を電極アセンブリの近位端に、かつアタッチメント60を介してハイポチューブ42の肩部に接続する。様々なアタッチメントは、例えばはんだ接合、接着接合などの任意の数の取り付け方法によって達成することができる。
【0039】
コアワイヤ24と先細の遠位部分56との間のアタッチメント40は、上述の取り付け方法のうちのいずれかを介して達成されるが、これに代えて、取り付けは、クリップまたはカラー70(例えば、白金管など)を使用してもよく、これはそれぞれの終端部を覆うようにまたはその上に配置される。これに代えて、コアワイヤ24の終端部は、(例えば、0.012インチ(約0.3048ミリメートル)の直径を有する)縮小部分66を形成し、遠位部分56の終端部は、同様に縮小部分68を形成してもよい(同様に0.012インチ(約0.3048ミリメートル)の低減された直径を有する)。図7Eの詳細側面図に示すように、クリップまたはカラー70を縮小部分66および68のそれぞれを覆うように配置し、それに応じて圧着または取り付け、例えばそれぞれの縮小部分66および68にレーザ溶接またはスポット溶接してもよい。
【0040】
ガイドワイヤアセンブリを形成するためのさらなる別の変形形態において、図8A乃至8Dは、図8Aに示すような1本以上の対応する導電ワイヤ30を有する電極アセンブリ14を、図8Bに示すようなハイポチューブ42の先端ほど細くなる部分56に直接接合されているコアワイヤ24と一体的に組み立てる方法の別例を示す斜視図を示す。コアワイヤ24の近位部分は、取り付け領域70に沿って、先端ほど細くなるハイポチューブ42の遠位部分56に接合される。コアワイヤ24は、本明細書に開示の任意の数の取り付け方法を利用して取り付けられる。図8Cに示すように、コアワイヤ24とハイポチューブ42とを結合した状態で、電極アセンブリ14をコアワイヤ24に沿って配置し、ワイヤ30をハイポチューブルーメン72に通す。図8Dに示すように、かつ本明細書で説明するように、近位コイル20および遠位コイル22もまた、電極アセンブリ14の近位および遠位に取り付けられる。
【0041】
加えて、かつ/または任意により、図9の詳細斜視図に示すように、第2のハイポチューブ80がハイポチューブ42に接合される場合、第2のハイポチューブ80の縮小部分82およびハイポチューブ42の縮小部分84は、クリップまたはカラー86、例えば白金管を介して互いに結合され、クリップまたはカラー86は、対応する縮小部分82および84にレーザ溶接またはスポット溶接される。
【0042】
本明細書に開示のガイドワイヤアセンブリのいずれも、その長さに沿って一体化するために1つ以上の放射線不透過性マーカを必要とする場合、任意の数の圧着または取り付け方法を利用することができる。1つ以上の放射線不透過性マーカ90が取り付けられたガイドワイヤアセンブリを示す図10の部分側面断面図に、1つの追加のおよび/または任意の変形形態を示す。そのようなマーカ90は、例えば、対応するコイル状部分上に形成された金はんだによって取り付けられる。マーカ90のための任意の金属部品を省略することによって、ガイドワイヤを形成する際の工程数を減らすことができ、さらにガイドワイヤのプロファイルの増加を回避することができる。
【0043】
ガイドワイヤに沿った電極アセンブリの一体化とは別に、ガイドワイヤアセンブリはまた、その長さに沿って1つ以上のセンサを任意に組み込んでもよい。生理学的パラメータを検知するための任意の数のセンサを一体的に設けることができるが、1つの特定のセンサが血管内液圧を検知するための圧力センサを含んでもよい。図11にガイドワイヤ内またはガイドワイヤに沿った圧力センサの相対配置の一例を示すための部分側面断面図を示す。図示のように、圧力検知ガイドワイヤアセンブリ100は、ガイドワイヤの終端部26でまたはその近傍でガイドワイヤ本体に沿って固定された圧力センサハウジング102を有し、これにより、基板108のダイヤフラム106が周囲の流体と接触するようにスロット110を通して露出される。ガイドワイヤアセンブリ100は、ガイドワイヤおよびセンサハウジング102を貫通するコアワイヤ24をさらに含む。ガイドワイヤアセンブリ100の遠位コイル体22は、センサハウジング102から遠位方向に延び、ダイヤフラム106と基板108とを接続するリード112は、その長さに沿って1つ以上のポリマ内に封入されるガイドワイヤ本体104を通って近位に延び、また、使用中の患者の体の外側に位置する他のモジュール、例えばプロセッサ、モニタなどに接続するようにも設けられる。
【0044】
センサの敏感な性質のために、圧力センサダイヤフラムは、通常例えばダイヤフラムの下および/またはこれを覆う領域からコーティングまたはエポキシを省略することによって、応力から隔離される。したがって、センサを基板または導電ワイヤに接続するワイヤボンディング周辺の領域は、低応力領域を維持するための理想的な領域である。図12Aおよび図12Bの正面図および側面図に低応力アタッチメントを有する圧力センサを組み立てるための一例を示し、これによりガイドワイヤアセンブリに沿って一体的に設けられる圧力センサアセンブリ120を示す。図12Aに示すように、コアワイヤに直接沿って、またはコアワイヤ若しくはガイドワイヤ本体に沿って一体的に設けられる個別のプラットフォームに沿って形成されるプラットフォーム122は、圧力センサの様々な構成要素を取り付けるための床部として使用される。プラットフォーム122は、並置された円筒壁部136の間に固定され、壁部136とプラットフォーム122とがコアワイヤに固定され、あるいはコアワイヤの遠位部と近位部とが円筒壁部136に沿った遠位位置と近位位置にそれぞれ取り付けられる。
【0045】
図示のように、圧力センサダイ124および基板126(例えば、PCB基板、フレックス回路など)は、壁部136の間で床部122に直接取り付けられる。1本以上の導電ワイヤ134は、ワイヤ134の露出した終端部が基板126に電気的に取り付けられるように、近位円筒壁部136を通して固定される。圧力センサダイ124と基板126との間の電気的接続は、1本以上の導電ワイヤ134にも電気的に結合される対応する導電パッド128および130を結合するワイヤボンド132によって行うことができる。図12Bの側面図に示すように、ワイヤボンド132は、ワイヤボンド外径が約0.001インチ(約0.0254ミリメートル)などで、基板126の表面の上に、通常約0.001(約0.0254ミリメートル)乃至0.002インチ(約0.0508ミリメートル)などのループ高さを有する。床部122上に直接配置された圧力センサダイ124お
よび基板126のこの構成では、アセンブリは、ガイドワイヤ本体に沿って一体的に形成されるように低プロファイルを維持する。ワイヤボンドを利用することとは別に、スペースを節約するためにスタッドバンプを使用してフリップチップボンディングする方法を利用することもできる(本明細書でさらに詳細に説明する)。
【0046】
基板126または圧力センサダイ124などのセンサアセンブリに沿って導電ワイヤを搭載または取り付ける際に、ガイドワイヤに沿って一体的に形成するように低プロファイル構成を維持するためにセンサアセンブリに沿ってワイヤを電気的および機械的に結合するための様々な方法が使用される。一例は、図13Aの正面図に示されるもののようなアセンブリジグ140が使用される表面実装構成を形成することにある。アセンブリジグ140は、堅固な取り付け具に装着されるべき基板またはダイを受承するように寸法決めされた凹部142を有する表面を形成する。1つ以上のチャネル144は、1つ以上の開口部146A、146B、146Cから直接凹部142に延びるジグ140に沿って形成される。チャネル144の数は、基板またはダイに沿って表面実装される導電ワイヤ148の数に相当する。さらに、チャネル144は、ワイヤ148を凹部142に容易に直接案内するために、角度をなすように、かつ/または先端ほど細くなるように設けられる。
【0047】
図13Aに示すように、導電ワイヤ150A、150B、150Cはこの例では3本のワイヤとして示されているが、より少ないまたはより多い数のワイヤを使用することができ、それぞれ取り付けのために露出された終端部152A、152B、152Cを有する。ワイヤ150A、150B、150Cは、対応する開口部146A、146B、146Cを通して挿入され、図13Bに示すように、例えば圧力センサダイ154に近接して配置され、凹部142内に配置される。ここで露出した終端部152A、152B、152Cはこの例では圧力センサダイ154に直接ハンダ付けまたは他の方法で直接取り付けられるが、他の基板が使用されてもよい。
【0048】
加えて、かつ/またはこれに代えて、ワイヤ148をダイ表面に直接取り付けるのではなく、金属またはプラスチックから形成された任意のエンドキャップ160を用いて、ワイヤ148のセンサダイ154へのアタッチメントの間に付与される応力を軽減する。一例が、図14Aおよび図14Bの端面図および側面図に示され、これらは、円筒形エンドキャップ160(図12Aおよび図12Bでは円筒壁部136としても示されている)を示している。エンドキャップ160は、ガイドワイヤの直径と一致する直径を有し、対応するワイヤを受承するために、例えばそれぞれ0.0015乃至0.003インチ(約0.0381乃至約0.0762ミリメートル)の直径を有する1つ以上のワイヤ受承開口部162A、162B、162Cをさらに形成する。使用されるワイヤの数に応じて、3つより少ない、または3つより多い開口部を利用する。これに代えて、開口部は、2本以上のワイヤを収容するようにサイズ決定され、また、開口部は、開口部を通過するワイヤの数に応じて異なる構成でサイズ決定される。例えば0.003乃至0.006インチ(約0.0762乃至0.1524ミリメートル)の直径を有する追加のコアワイヤ開口部164もまた、エンドキャップ160を貫通して形成される。コアワイヤ開口部164の位置は、空間の利用可能性および性能要件に応じて、同心上または偏心のいずれかであり得る。
【0049】
図15A乃至15Dは、エンドキャップ160を使用して導電ワイヤを基板または圧力センサダイに表面実装または取り付けるための別の変形形態の部分側面断面図を示す。図15Aに示すように、アセンブリジグ170は、ワイヤが接続される基板またはセンサダイを受承するようにサイズ決定された凹部172を同様に形成する。ジグ170は、ワイヤチャネル178がワイヤガイド176を通って形成される場所に隣接する位置にエンドキャップチャネルまたは凹部174をさらに形成する。図15Bの部分側面断面図に示すように、エンドキャップチャネルまたは凹部174は、エンドキャップ160の直径を収
容するのに十分な深さでジグ170内に延び、これにより、凹部172内に位置決めされたときにエンドキャップ160を通る開口部162Bがワイヤチャネル178および基板またはダイと整列する。
【0050】
1つ以上のワイヤ150Bが対応するワイヤチャネル178およびエンドキャップ開口部162Bを通って挿入された状態で、露出した終端部152Bは、エンドキャップ160に隣接して凹部172内に位置決めされた圧力センサダイ180に沿って導電パッド上に配置される。図15Cに示すように、はんだ、導電性エポキシなどの任意の数の取り付け方法によって、終端部152Bを続いてセンサ180上に取り付けるか、または適切に表面実装し、任意により保護膜182が追加される。ワイヤガイド176は、ガイド176を後退させてエンドキャップ160を露出させるように、ジグ170の残りの部分に摺動可能に取り付けられる。ワイヤ150Bの進入位置とエンドキャップ160との間に形成された接合部もまた、上述の任意の数の取り付け方法を使用して互いに対して取り付けられる。図15Dに示すように、取り付けの後に任意の保護膜184が設けられてもよい。取り付けが完了すると、センサ180、エンドキャップ160、およびワイヤ152Bのアセンブリは、ガイドワイヤに組み立てるためにジグ170から取り外される。
【0051】
低プロファイル構成を維持しながら圧力センサアセンブリ190をガイドワイヤと一体的に設けるためのさらなる別の例において、図16A乃至16Cは、別の変形形態による端面図、側面図および正面図を示し、フリップチップタイプの取り付け構成を利用した導電パッド192を介した取り付けによって圧力センサダイ180を1本以上の導電ワイヤ148に直接電気的に接続する。図示の構成では、1本以上の導電ワイヤ148は、ガイドワイヤを通って、ガイドワイヤに沿って形成された圧力センサ装着領域200に近接して引き回される。装着領域200内で、領域200に沿って形成されたプラットフォームまたは床部202はさらに、プラットフォーム202内の凹部として形成され得る陥凹領域204を形成する。プラットフォーム202に対して圧力センサダイ180を反転させて、導電ワイヤ148を圧力センサダイ180の表面に沿って配置された対応する導電パッド192に直接電気的に接続する。さらに、圧力センサダイ180を反転させることによって、図16Bの側面図に示すように、ダイヤフラム106の位置もまた反転されて、さらに図16Cの正面図に示すように、陥凹領域204の真上に配置される。したがって、ダイヤフラム106は、流体圧力などの生理学的パラメータの検知を可能にするために、領域204にわたって露出するとともに抑制されない状態を維持する。スルーシリコンビア(TSV)と呼ばれる技術によって、ダイヤフラム106および圧力センサダイ上の導電パッド192を圧力センサの反対側の面上に形成することも可能である。そのような場合には、プラットフォーム202に凹部の有無にかかわらず、上述のフリップチップ方法を使用する同じ技術を利用することができる。
【0052】
図17A乃至17Cの端面図、側面図および正面図に、ガイドワイヤに沿って低プロファイルの圧力センサダイ180を搭載するための別の例をさらに示す。この変形形態では、圧力センサダイ180をプラットフォームまたは床部202に直接取り付け、これにより、センサダイ180の表面に沿って1本以上のワイヤ148を対応する導電パッド192に直接表面実装することが可能になる。この変形形態により、生理学的パラメータを検知するためのダイヤフラム106の直接露出がさらに可能となる。加えて、この変形形態により、プラットフォーム202に対する圧力センサの最短全高を提示することがさらに可能となり、これにより、低プロファイルが可能となり、また比較的幅広なダイを収容することもできる。
【0053】
図18は、1本のガイドワイヤ210に沿って一体的に設けられた電極および圧力検知アセンブリの斜視図を示す。電極アセンブリ14はガイドワイヤ本体に沿って圧力検知ハウジング102の近位側に示されているが、これに代えて圧力検知ハウジング102を電
極アセンブリ14の近位側に配置してもよい。各電極と圧力センサとを電気的に結合するために、複数の導電ワイヤをガイドワイヤの長さに沿って引き回すが、複数のワイヤが確実に規則正しく絡まらないようにするために、ワイヤは互いに束ねられる。
【0054】
図19Aは、複数の導電ワイヤ212A、212B、212C、212Dおよび導電ワイヤ214A、214B、214C、214Dを互いに対して配置する方法を示す端面断面図である。この例では8本のワイヤで示されているが、これは例示を目的としており、8本未満または8本以上のワイヤを実際に利用することができる。それにもかかわらず、各ワイヤは、ポリイミドなどのベースコーティング216、および各ワイヤを包囲し、また、ワイヤが規則正しく積層されたリボンを形成するように隣接するワイヤへのアタッチメントをなす、例えばペラタンマトリックスのようなさらなるポリママトリックス218を有する。図19Bの端面図に示すように、導体構成の他の変形形態は、被覆ポリママトリックス218を覆うように追加のメタライゼーション層219を含む。そのようなメタライゼーション層219は、例えば、2乃至5マイクロメートルの厚みを有し、銅、金、アルミニウムなどの金属が通常基板上(ポリイミドまたは他のポリマなど)に堆積される化学蒸着などの当技術分野で周知のプロセスによって追加することができる。この場合、メタライゼーション層219は、ポリママトリックス218を覆うように堆積される。メタライゼーション層219は、導電ワイヤを電磁(EM)結合から電気的に絶縁するなどのいくつかの機能を果たすことができ、これによりEMシールドをなす。これは、外部ノイズのカップリングを回避する必要がある多くのセンサ用途で望ましい。
【0055】
導電ワイヤをこれにより堆積させるとともに整列させて、第1列のワイヤ、例えばワイヤ212A、212B、212C、212Dを対応する数の電極への電気的結合に割り当て、第2列のワイヤ、例えばワイヤ214A、214B、214C、214Dを、圧力センサアセンブリ102への電気的結合のために割り当てる。図20Aは、第1列のワイヤがガイドワイヤを通って電極アセンブリ14で終端し、第2列のワイヤがガイドワイヤを通って圧力センサアセンブリ102への結合のために続く方法の例を示す。
【0056】
別の例が図20Bの正面図に示されており、これは導電ワイヤの部分が、電極またはセンサに電気的に結合するために一様または互い違いの長手方向位置で絶縁被覆を通して選択領域220A、220B、220C、220Dを露出させるように処理される方法を示す。これに代えて、図20Cの正面図に示すように、露出した端子部分222A、222B、222C、222Dが互い違いの長さで配置されるように、ワイヤの末端を切断してもよい。
【0057】
図21の斜視図に示すように、ダイヤフラム240および1つ以上の導電パッド242を有する圧力センサダイ238を取り付けるためのさらなる別の変形形態において、図22Aは、センサダイ238をその上に直接取り付けることができる複合アセンブリとして形成される電極アセンブリ230の斜視図を示す。電極アセンブリ230は、(例えば、金または他の金属材料などの導電性材料から形成された)1つ以上の電極セグメント246と、これらと交互に配置される(例えば、ポリイミド若しくは他のポリマ材料、または他の電気絶縁材料から形成された)対応する1つ以上の絶縁セグメント248とを有するように形成される。電極セグメント246の各々は、導電性材料のシートまたは層からパターン化および除去(例えば、EDM、レーザーカットなど)され、これにより、電極セグメント246はシートまたは層から個別に形成されるか、または互いに積層されて、複合構造体を形成する。
【0058】
電極アセンブリ230は、アセンブリの長さにわたってコアワイヤ受承チャネル236を形成し、アセンブリの外面は、アセンブリの長さに沿ってセンサ受承スロット232、およびセンサ受承スロット232とは反対側のアセンブリの長さに沿って例えば配線用な
どの任意のスロット234を形成する。図22Bの部分端面断面図に示すように、圧力センサダイ238は受承スロット232内に直接配置され、スロット234を通過する導電ワイヤに、対応するワイヤボンド244を介して電気的に結合する。一旦センサダイ238がワイヤボンディングされると、アセンブリは適切な材料を使用してポッティングされ、これにより、さらなる機械的強度および構造的安定性が得られる。ポッティングは、センサダイヤフラム240が無い状態で、導電パッドに制限される。ワイヤボンディングはセンサ導電パッドから導電性要素246への取り付け方法として示されているが、上述のフリップチップのような他の方法を利用してチャネル232の基部にセンサダイを直接取り付けることができる。この場合、センサダイは、導電パッド242およびダイヤフラム240がセンサダイ238の対向面上にあるように形成する。これは、TSVのような当該技術分野において周知のセンサダイ形成方法によって達成することができる。そのような方法を使用することにより、0.014インチ(約0.3556ミリメートル)のガイドワイヤに沿ってセンサをパッケージ化するための望ましいプロファイルを得られる。
【0059】
図23Aは、センサ取付部分を提供するためにその長さに沿って縮小部分252を有するように構成されるコアワイヤ250の側面図を示す。縮小部分252は、その部分に沿った電極アセンブリまたは他のセンサの取り付けまたは固定を容易にするために様々な構成に成形された断面積を有する。一変形形態は、導電性セグメント254を示す図23Bの端面図と、導電性セグメント254に隣接してコアワイヤ250に取り付けられる絶縁セグメント260を示す図23Cとに示される。導電性セグメント254は、導電ワイヤを通すための1つ以上のワイヤ受承チャネル258を有するように形成され、セグメント254は、縮小部分252を覆うようにスナップ嵌合を提供するために任意に狭められたコアワイヤ受承チャネル256をさらに形成する。同様に、絶縁セグメント260はまた、1つ以上のワイヤ受承チャネル264とコアワイヤ受承チャネル262とを形成する。セグメント260によって形成された受承チャネル262はさらに、セグメント260を縮小部分252上の所定の位置にはめ込むことができるようにする狭小な受承部材266を形成する。所望の数の導電性セグメント254が形成され、対応する数の絶縁セグメント260も形成されると、各セグメント254、260は交互に縮小部分252に固定されるとともに例えば、接着剤、機械的なものなど様々な固定方法によって互いに固定される。
【0060】
縮小部分252は、様々な形状に成形された断面積を有するように形成され、セグメントによって形成される受承チャネルも同様に構成される。図23Dの端面図に一例を示し、これはコアワイヤ受承チャネル272を形成する導電性セグメント270を示し、受承チャネル272は、キー付きコアワイヤ部分252’上に配置されるように例えば楕円形、長方形など対応する形状に形成される受承部274に形成される。図23Eの端面図に別の変形形態を示し、これはまた、例えば半球形など、対応するキー付きコアワイヤ部分252”に固定するように構成された受承部分278を有する導電性セグメント276を示す。この変形形態では、圧力センサダイはまた、縮小部分242”上に直接配置される。縮小部分252の他の構成、並びにセグメントによって形成された対応する形状は、他の変形形態において利用される。
【0061】
さらなる別の変形形態では、図24は、センサハウジング102に個別に取り付けられる不連続コアワイヤ280を有するアセンブリの側面図を示す。近位コアワイヤ部分282および遠位コアワイヤ部分284はそれぞれ、任意の数のアタッチメント286、288、例えば溶接継手、接着アタッチメントなどを介してそれらの対応する位置に取り付けられる。そのような配置により、低プロファイルのガイドワイヤアセンブリを維持しながら、ハウジング102に沿ってセンサを固定するための適切な空間を維持することができる。
【0062】
図25Aは、圧力センサダイ290の露出ダイヤフラム292がガイドワイヤまたはセンサダイによって与えられるいかなる応力からも隔離されるさらなる別の変形形態による側面図を示す。圧力センサダイ290は、ダイヤフラム292を有するダイ290の部分がダイの下に取り付けられないまま片持ち式に電極アセンブリ14から近位または遠位に延びるように、電極アセンブリ14を通して取り付けられる。図25Bおよび25Cの端面図に示すように、コアワイヤ受承チャネル296を形成するポリマハウジング294もまた、片持ち式センサダイ290に隣接して電極アセンブリ14を通って延びる。
【0063】
図26A乃至26Cの側面図、端面図、および斜視図に別の変形形態を示し、これらは、センサ開口部302およびコアワイヤ受承チャネル296を形成する、例えば絶縁ディスクなどの隣接して固定されるバリアセグメント300を有する電極アセンブリ14を示す。センサ開口部302は、応力の伝達を制限するように圧力センサに必ずしも接触することなく圧力センサを貫通させるように寸法設定された、例えば矩形の通路として構成される。センサ開口部302は、センサがその抑制されていない通過を可能にするように配置された後にサイズが調整されてもよい。
【0064】
図27Aおよび図27Bの斜視図および端面図にさらなる別の変形形態を示し、これらは、ステンレス鋼、プラチナイリジウムなどの金属材料から形成される、例えば0.050乃至0.060インチ(約1.27乃至1.524ミリメートル)の長さおよび例えば0.007インチ(約0.1778ミリメートル)の直径を有する導電チューブ312から形成される電極アセンブリ310を示す。導電チューブ312は、例えば0.005インチ(約0.127ミリメートル)の直径を有する例えばポリイミドなどの絶縁チューブ314を覆うように取り付けられるか、そうでなければ接続され、これにより、導電性セグメントの各々の位置を保持するとともに維持することによって電極アセンブリ310を構造的に支持する他、電気的に絶縁する。絶縁チューブ314は、コアワイヤが配置されるコアワイヤチャネル316を形成する。
【0065】
導電チューブ312を用いて、圧力センサダイを配置する空間を設けるためにチューブの一部を除去する。図28Aおよび図28Bの端面図に一例を示し、これらは、導電チューブ312の一部および絶縁チューブ314の一部を除去部分318によって図示のように除去する態様を示す。図28Aに示すように、除去部分318は、例えば0.007インチ(約0.1778ミリメートル)の幅および例えば0.0035インチ(約0.0889ミリメートル)の高さを有し、任意により除去された部分320は、例えば0.009インチ(約0.2286ミリメートル)の幅を有する。除去部分318、320の寸法は、使用される圧力センサダイのサイズ、および導電ワイヤの数に応じて変化する。図28Bは、例えばワイヤを通すためのセンサチャネル322および任意のチャネル324を提供するために部分318、320を取り除いたアセンブリの端面図を示す。
【0066】
それぞれのチャネルが形成された状態で、材料の部分を選択的に除去することによって導電チューブ312によってセグメントを形成する。図29の側面図に一例を示し、これは、導電性セグメント326を形成するために除去された導電チューブ312の一部を示す。材料が除去された導電性セグメント326のそれぞれの間に形成された間隙328は、内部に電気絶縁性材料を配置するために、例えば、0.001乃至0.002インチ(約0.0254乃至0.0508ミリメートル)の幅を有する。図30は、センサチャネル322に沿って配置された圧力センサダイ238と、任意のチャネル324に沿って配置された1本以上の導電ワイヤ148とを有する導電性セグメント326の端面図を示す。絶縁材料上に金属パターンを得る方法が開示されているが、蒸着およびフォトマスキングによる3Dポリマ表面(例えば、コアワイヤホールのような必要な特徴を有する円筒または矩形)を選択的に金属化することのような他の方法は、類似のパターンを形成するとともに所望の機能を達成することが可能である。
【0067】
ガイドワイヤ導電ワイヤ
【0068】
ハイポチューブを通して信号伝導要素(ワイヤ、ワイヤ群、光センサの場合には光ファイバ)を通す様々な方法が以前に開示されている。これらの方法は、ガイドワイヤアセンブリを構築するために、導電性要素の大規模な事前準備および/または慎重な取り扱いを含む。機械的特性をほとんど損なうことなくガイドワイヤを構成することを可能にすると同時にガイドワイヤ装置上に複数のセンサを取り付けることを可能にする、低プロファイルのガイドワイヤを構成するためのさらなる別の方法が開示される。
【0069】
図31に示すフロー400に1つの特定の方法が記載されており、複数のワイヤ、例えば4本の糸状の平坦なポリエステル絶縁銅導電ワイヤが平面的に互いに隣接して整列される。導電ワイヤの数は、所望の個別の導体の数に応じて、例えば6本、8本などのように変えてもよい。ワイヤは、工程402で窓またはワイヤに沿った位置で選択的に切除され、続いて工程404で絶縁体上に金属コートが配置される。工程406で、はんだパッドがこれらの切除窓に形成され、これによりワイヤは、選択的に隔離されたパッドを形成し、パッドは、個別のワイヤに接続するために利用可能である。一例が図32の側面図に示されており、この図は、ワイヤ412の選択的領域が周囲の絶縁体を通ってその下にある個別の選択された導電ワイヤまで切除されているワイヤアセンブリ410を示している。各露出窓の周囲の周方向における領域を導電性金属被覆で被覆して、金属被覆区域またはパッド416を形成し、これらの金属被覆区域またはパッド416間の絶縁領域として作用する非金属被覆区域414の領域が設けられる。ワイヤアセンブリ410は、ワイヤアセンブリ410を介して信号を伝達するために金属被覆区域またはパッド416に電気的に取り付けられるいくつかの構成要素を有する。
【0070】
図33Aおよび図33Bの斜視図および側面図に示す一変形形態における圧力センサパッケージング420は、ガイドワイヤアセンブリを形成する際に、通常円筒形状のハウジングを形成するセンサケーシング422を含み、センサケーシング422は、その内部に固定された圧力センサの要素を包囲するか支持する。センサケーシング422は、ケーシング422の側面に沿って、内部の圧力センサ424を流体環境に露出させる検知窓426を形成する。センサコア428は、ガイドワイヤの長さを通って延びる1つ以上の導体を介して制御部またはプロセッサに接続するためにセンサケーシング422の近位端から延びるフレックス回路430に接続するセンサケーシング422内およびセンサケーシング422に沿って固定される。
【0071】
図34Aは、センサケーシング422の構成要素を1本以上の導電ワイヤに電気的に接続するための構成の一変形形態の側面図を示す。センサケーシング422は、圧力センサ424が検知窓426内に配置されている部分断面図で示されている。フレックス回路430は、圧力センサおよびセンサコア428に接続され、センサケーシング422から近位に延びるように示されている。フレックス回路430に沿った導電トレースまたはワイヤは、制御部またはプロセッサへの電気的接続のためにガイドワイヤ本体(明瞭にするために図示せず)を通って近位方向に延びる1本以上の対応する導電ワイヤ440に直接取り付けられる。
【0072】
図34Bは、別の変形形態の側面図を示し、フレックス回路430がセンサケーシング422から近位方向に延びるが、1本以上の導電ワイヤ440に直接取り付けられることに代えて、フレックス回路430が、1本以上の導電ワイヤに電気的に接続される1つ以上の導電リング要素444に電気的に接続されてもよい。リング要素444は同軸にかつ互いに隣接して整列し、使用される要素444の数は所望の電気的接続の数に応じたものである。1本以上の導電ワイヤ440は、各リング要素444が1つのパッドまたはトレ
ースに電気的に接続されるように、フレックス回路430上の特定のパッドまたはトレースに選択的に電気的に結合される。図示するとともに本明細書においてさらに開示されるように、各リング要素444は、続いてリング要素444の内径に沿って選択的導電ワイヤ440に電気的に結合され、所望に応じて、リング要素444の残りの部分を別の導体または構成要素に電気的に接続可能にされる。
【0073】
図35A乃至35Dは、様々な構成をさらに説明するための、センサケーシング422およびその構成要素の別の変形形態の正面図、側面図、透視図、および斜視図をそれぞれ示す。図示のように、センサケーシング422は、ケーシング422全体を通る長手方向通路456を形成し、ガイドワイヤコア454を貫通させる。ケーシング422は、ガイドワイヤ先端450がケーシング422の遠位端から延びるように位置決めされるとともに固定される遠位側開口部452をさらに形成し、ガイドワイヤ454は、フレックス回路430、圧力センサ424、および検知窓426に隣接してまたはこれらの下でケーシング422を通って長手方向に延びる。センサコア428は、ケーシング422から近位に延びるフレックス回路430に隣接してケーシング422内に固定されて示される。
【0074】
図36のフロー図460に、ガイドワイヤアセンブリを圧力センサアセンブリと組み合わせて形成する際のプロセスフローの一変形形態を示す。この例では、工程462で導電ワイヤがガイドワイヤコアに沿って遠位に巻かれてセンサケーシング422に向かって延びる。本明細書に開示されるように、工程464で、圧力センサアセンブリは、ガイドワイヤコアに沿って所定の位置に摺動され、圧力センサ電極がワイヤパッドにはんだ付けされ、ガイドワイヤコアに沿って、例えば1つ以上のリング要素444に沿って、1本以上の導電ワイヤに接続される。工程466で、遠位コイル、例えば白金コイルを続いてセンサケーシング422の遠位端または先端にはんだ付けする。工程468で、センサケーシング422およびガイドワイヤ遠位先端部を組み立てた状態で、近位電極端子、例えば1つ以上のリング要素444をガイドワイヤに沿ってワイヤパッドに続いてはんだ付けする。工程470で、ガイドワイヤアセンブリの露出した遠位部および近位部は、続いてガイドワイヤアセンブリを包囲するためにリフローポリマによって覆われる。
【0075】
図37A乃至37Eは、図36のプロセスフローに開示されるようなガイドワイヤアセンブリの一変形形態の側面図を示す。図37Aは、圧力センサアセンブリの変形形態の側面図を示し、センサケーシング422、圧力センサ424、センサコア428、およびセンサケーシング422から近位方向に延びるフレックス回路430を示す。1つ以上の導電リング要素444は、フレックス回路430への電気的接続のために、同軸に整列され、互いに離間して示される。
【0076】
図37Bに圧力センサアセンブリを取り付けるガイドワイヤコア482を示す。ガイドワイヤコア482は長手方向に延び、狭小な遠位端490に向かって先端ほど細くなる。1本以上の導電ワイヤ440は、ガイドワイヤコア482の長さに沿って延び、例えばこの例ではコア482に沿って形成された溝484内のようにらせん状にコア482に沿って巻かれて、コア482の近位端から遠位端490に延びる。1本以上の導電ワイヤ440は、導電ワイヤサブアセンブリ486を形成するためにワイヤ440が絶縁チューブ488で終端する遠位端に向かってコア482の残りに沿ってらせん状に巻かれて示されている。図37Cに示すように、ガイドワイヤコア482の遠位端490を覆うように圧力センサアセンブリを続いて摺動させ、これにより、コアは、センサケーシング422を貫通して形成されたチャネル456を通って延び、1つ以上のリング要素444は、導電ワイヤサブアセンブリ486を覆うように整列する。このように整列して、1つ以上のリング要素444は、それらの内径の部分480に沿って、フレックス回路430に沿った対応する導電パッドに電気的に取り付けられ(例えばはんだ付け)、また、それらの内径の部分492に沿って絶縁チューブ488を覆うように対応する導電ワイヤ440に電気的
に取り付けられ(例えばはんだ付け)、これにより、圧力センサ424は、1本以上の導電ワイヤ440に電気的に接続される。
【0077】
図37Dに示すように、遠位コイルチップ450をセンサケーシング422の遠位端に続いて取り付け、圧力センサアセンブリの近位に配置された任意の1つ以上の電極500も電気的に取り付ける。図37Eに示すように、各構成要素を組み立てた状態で、中央部分492に沿ってガイドワイヤコアを覆うように、遠位部分494に沿って遠位コイルまたはチップ450に、そして近位部分496に沿ってガイドワイヤコアの残りの部分に、また、電極500間の部分498(利用される場合)にポリマをリフローまたは成形する。得られるガイドワイヤの外径は、所望の外径寸法と同一になるように形成される。
【0078】
ガイドワイヤ導電性インクプリント
【0079】
図38A乃至38Cは、ガイドワイヤ内またはガイドワイヤに沿って要素を電気的に結合するためのさらなる別の変形形態において、ポリマ基板上にプリントされた導電性インクを有してガイドワイヤまたはカテーテルの一端から他端まで信号を搬送するためのサブアセンブリを形成するガイドワイヤアセンブリの側面図を示す。導電トレースを装置基板上に直接使用し、続いてトレースを誘電体材料で絶縁することにより、導電ワイヤおよびこれらに関連付けられる処理および取扱いをする必要がなくなる。図38Aは、遠位端512まで先端ほど細くなるガイドワイヤコア510の側面図を示す。図38Bに示すように、熱収縮などによってガイドワイヤコア510を覆うように、ポリマ層514(例えば、PET、PTFEなど)をコーティングして、絶縁基板を提供する。ポリマ層514は、ガイドワイヤコア510の全体上にコーティング若しくは配置され、または遠位端512の一部が圧力センサアセンブリの固定のためにコーティングされないままである。トレース516、518(例えば、ナノ銀、ナノ金、ナノ銅など)が1つ以上の対応する遠位パッド520から1つ以上の対応する近位パッド522まで延びるように、1つ以上の導電トレース516、518をポリマ層514上に直接プリントする。
【0080】
そのようなプリント技術の1つは、マイクロメートルサイズの縮尺で多種多様な電子材料およびポリマ材料をパターニングすることができる非接触プリント技術であるAerosol Jet技術を使用する。噴射プロセスでは、液体インクがエアロゾル化され、ミストがターゲット基板上のマイクロメートルサイズの点で空気力学的に集束される。Aerosol Jetツールのプリントチップと基板との間の大きなスタンドオフ距離(例えば、5mm超)により、基板への飛翔中に噴出粒子を操作する能力が追加で得られる。プリントヘッドおよびターゲット基板をロボットで操作することにより、マイクロバブルなどの中空構造の形成を含む、ほぼあらゆる方向の3D要素を形成することができる。ハイブリッドエレクトロニクスを形成することを可能にする電子材料およびポリマ材料を同時堆積することもまた可能である。この場合、ポリマ材料はプリント金属導体および他の電子材料を機械的に支持するように機能する。
【0081】
これらの1つ以上の導電トレースはポリマ層514上に直接プリントされるので、それらは複数の異なるパターンで構成される。図39Aに一例を示し、これはトレース530がポリマ層514に沿って直線パターンでプリントされる方法を示す。図39Bは、トレース532をらせん状パターンでプリントする別の例を示し、図39Cは、直線530とらせん状532パターンの組み合わせを単一のトレース内で組み合わせるさらなる別の例を示す。これらのトレースパターンは、異なる種類の構成を例示することを意図しており、任意の数の他のパターンを単独でまたは互いに組み合わせて利用してもよい。
【0082】
一旦1つ以上の導電トレースがポリマ層上にプリントされると、トレースは続いて絶縁される。トレースを絶縁するための1つの変形形態は、電気接続用のパッドを形成するよ
うに露出したままにする必要があるトレースの端部をマスキングし、続いて導電性トレース上に別のポリマ層を堆積することを含む。例えば、他の熱収縮チューブまたは層を使用してもよく、または他のポリマ層(PTFE、パラリンなど)を、例えば物理蒸着、浸漬コーティングなどを使用して、露出した導電トレース上に堆積させてもよい。
【0083】
さらなる別の変形形態では、物理蒸着(PVD)などのバルクメタライゼーションプロセスによって、あるいはより幅広な金属層を誘電体層上に電気メッキ、無電解メッキ、導電性インクを用いたプリントを行うことによって、導電性コーティングを誘電体コーティング上に塗布することができる。そのような金属層はEMシールドをなし、これにより、雑音を除去または低減し、システム信号対雑音比(SNR)を増加させることができる。
【0084】
トレースを絶縁するための別の変形形態は、ポリマインクを使用して導電トレース上に直接誘電体ポリマをプリントすることを含む。図40Aに、ガイドワイヤコア510および絶縁層540に覆われた導電トレース530の得られた断面図を示す。図40Bに示すように、ポリマインクを使用して導電トレース上に直接プリントする場合、プリントプロセスを使用してポリマインクを選択的にプリントし、絶縁層540を形成するとともに導電トレースの一部を露出させて構成要素と電気的に結合するための導電パッド542を形成する。
【0085】
図41Aに示すように、いずれの方法が使用されるかにかかわらず、結果として得られるガイドワイヤコア510およびポリマ層514は圧力センサアセンブリと結合される。本明細書に開示されるように、1つ以上のリング要素444は、フレックス回路430に沿って露出された対応するパッドに対して、リング要素の内径の部分に沿って電気的に結合され、1つ以上のリング要素444に沿った第2の部分は、ポリマ層514上に配置された導電トレースの対応するパッドに電気的に結合され、圧力センサアセンブリ(または他の任意の構成要素)を電気的に結合する。図41Bに示すように、続いて遠位コイル先端をセンサケーシング422の遠位端に取り付け、中央部分492に沿ってガイドワイヤコアを覆うように、遠位部分494に沿って遠位コイルまたはチップ450を覆うように、近位部分496に沿って残りのガイドワイヤコアを覆うように、かつ電極500間の部分498を覆うように(使用される場合)ポリマをリフローまたは成形する。
【0086】
図42Aおよび42Bに組立方法の他の変形形態を示し、これらは、ガイドワイヤコア上に配置されるに先だって個別に形成されたポリマ層514の側面図を示す。図42Aに示すように、導電トレース554、556は、ポリマ層514の長さにわたって延びるそれらの対応する露出パッド550、558および552、560とともに、ポリマ514の外層上に直接プリントされる。上述したように、絶縁層も同様に導電トレース554、556上に直接プリントされる。予めプリントされたポリマ層514を用いて、ガイドワイヤコア512をポリマ層514に挿入し、例えばシアノアクリレートなどの任意の数の適切な接着剤を用いて接着する。図42Bに示すように、圧力センサアセンブリを続いてガイドワイヤコア512に固定し、フレックス回路430をアタッチメント562で露出パッド550、552に直接電気的に結合して電気的接続は完成する。
【0087】
図43A乃至43Dは、導電トレースをプリントするためのさらなる別の変形形態において、上述したように、ポリマチューブ572をガイドワイヤコア570上に配置し、1つ以上の導電トレース574をチューブ572の外層上にプリントする変形形態を示す。図43Aおよび図43Bは、チューブ572の外面上にプリントされた導電トレース574の側面図および端面図を示す。図43Cに示すように、導電トレース574の選択領域578A、578B、578Cを露出させたまま、上述したように導電トレース574を覆うように絶縁層576を続いて直接プリントする。
【0088】
図43Dに示すように、導電性インクを続いて使用して、円形リング580A、580B、580Cが導電トレース574の露出領域578A、578B、578Cと一致するように、ポリマチューブ572上に円形リング580A、580B、580Cをプリントし、これにより、圧力センサアセンブリフレックス回路430、または任意の他の構成要素は、円形リング580A、580B、580Cへの接続を介して導電トレース574に電気的に結合される。円形リング580A、580B、580Cはチューブ572の周囲に周方向にプリントされるので、リング578A、578B、578Cがチューブ572の全周に沿ってプリントされることを可能にするために、露出領域は互いに長手方向にずらされる。また、干渉を受けずにリング580A、580B、580Cを互いに対して同軸にプリントすることを可能にするために、露出領域578A、578B、578C間に適切な長手方向の間隔があることが好ましい。他の変形形態では、全周リングよりも部分周リングをプリントする。
【0089】
図44A乃至44Eに導電トレースを形成するためのさらなる他の変形形態を示す。図44Aに示すように、この変形形態では、ガイドワイヤコア590は、図44Bに示すように、ガイドワイヤコア590の外面上に配置される第1の絶縁ポリマ層592(例えば、PARYLENE(インディアナ州インディアナポリスに所在するSpecialty Coating Systems、Inc.社)、TEFLON(登録商標、デラウェア州ウィルミントンに所在するE.I.Du Pont De Nemours)、ポリイミドなど)を有する。図44Cに示すように、導電性材料を有する第2の導電性ポリマ層594(金、銀、銅など)を、続いて例えば無電解堆積、物理蒸着などの任意の数のプロセスを使用して第1のポリマ層592上にコーティングする。導電層の厚みは用途に応じたものであり、通常装置の電気的要求(電流容量)および機械的要求(例えば剛性)の両者を考慮して決定される。この第2の導電層594は、例えばレーザーマイクロマシニング、光化学エッチングなどを使用して個別の導電性要素に分離される。
【0090】
続いて用途に応じて、コーティングまたは熱収縮(例えば、テフロン(登録商標)、PETなど)のいずれかの形態の誘電性絶縁ポリマを使用してアセンブリ全体を絶縁することができる。用途に応じて、いくつかの個別の導電性要素を形成することができる。また、用途に応じて、そのように形成された個別の導電性要素への接続を容易にするために、様々なサイズおよび形状の接続端子を端部に形成することができる。そのような構成技術は、装置上に直接複数の個別の導電性要素を設けることを支援し、これにより個別の導電ワイヤを収容するために材料を除去したり、導電ワイヤまたは要素を収容するために装置を中空にする必要性を排除する。したがって、意図された装置性能は大幅に向上し、製造コストが低減される。
【0091】
図44Dに示す例は、ガイドワイヤコアの長さに沿って1つ以上の導電トレース596を残すために第2の導電層594が除去される態様を示す。この例は1つのトレース596を示しているが、任意の数のトレースおよび/またはパッド、並びに様々な構成を利用することができる。完成したアセンブリを使用して圧力センサアセンブリと接続し、598でフレックス回路430に電気的に接続する。ガイドワイヤの近位部600および遠位部602は、同一の外面を形成するために上述したようにポリマ層でコーティングまたは被覆される。
【0092】
センサダイおよび/または電極アセンブリについて本明細書で説明されている様々な形成および組み立てプロセスのうちの任意のものは、実行可能な限り任意の組み合わせで組み合わせることができることが意図されている。例えば、ガイドワイヤに沿って電極アセンブリを一体的に設けるための組み立て方法および装置のいずれかを、ガイドワイヤに沿ってセンサを一体的に設けるための組み立て方法および装置のいずれとも組み合わせて適用することができる。したがって、開示される変形形態の各々は、単独でまたは同様に任
意の数の組み合わせで利用されてもよい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21
図22A
図22B
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図24
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図26C
図27A
図27B
図28A
図28B
図29
図30
図31
図32
図33A
図33B
図34A
図34B
図35A
図35B
図35C
図35D
図36
図37A
図37B
図37C
図37D
図37E
図38A
図38B
図38C
図39A
図39B
図39C
図40A
図40B
図41A
図41B
図42A
図42B
図43A
図43B
図43C
図43D
図44A
図44B
図44C
図44D
図44E
【手続補正書】
【提出日】2022-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤアセンブリであって、
ガイドワイヤコアと、
前記ガイドワイヤコアの表面に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の表面に直接設けられた1つ以上の導電性トレースと、
前記ガイドワイヤコアの一部に沿って設けられたセンサアセンブリであって、フレックス回路を有するセンサアセンブリと、
前記フレックス回路と前記導電性トレースとを電気的に接続するリング要素と
を備え、
前記フレックス回路の1つ以上のパッドは、前記リング要素の内径の第1の部分に電気的に接続されており、
前記導電性トレースに対応する他のパッドは前記リング要素の内径の第2の部分に電気的に接続されている
ガイドワイヤアセンブリ。
【請求項2】
前記導電性トレースは前記絶縁層の表面に複数設けられており、
前記複数の導電性トレースのうち少なくとも1つは前記ガイドワイヤコアの長軸方向に対して並行に設けられている
請求項1に記載のガイドワイヤアセンブリ。
【請求項3】
前記センサアセンブリは前記ガイドワイヤコアの遠位端側を覆うようにして設けられており、
前記ガイドワイヤコアの遠位端は、前記センサアセンブリのセンサケーシングを貫通して形成されたチャネルを通過して延びる
請求項1に記載のガイドワイヤアセンブリ。
【請求項4】
前記センサアセンブリは、前記センサケーシングと、前記センサケーシング内に設けられた圧力センサと、前記センサケーシングに設けられ、前記圧力センサを流体環境に露出させる検知窓とを備える
請求項3に記載のガイドワイヤアセンブリ。
【請求項5】
前記センサケーシングの遠位端側には遠位コイルが設けられる
請求項4に記載のガイドワイヤアセンブリ。