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特開2022-133398無はんだコネクタを備えたウィンドウアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133398
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】無はんだコネクタを備えたウィンドウアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/04 20060101AFI20220906BHJP
   H01R 12/51 20110101ALI20220906BHJP
【FI】
H01R4/04
H01R12/51
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022108743
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2020132157の分割
【原出願日】2020-08-04
(31)【優先権主張番号】16/531934
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505265539
【氏名又は名称】エージーシー オートモーティヴ アメリカズ アールアンドディー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エー.アイムソン
(72)【発明者】
【氏名】マット,コーネル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガラス窓の基板上の銀回路に電気接続素子を取り付けるのにはんだを用いないコネクタを有するウィンドウアセンブリを提供すること。
【解決手段】ウィンドウアセンブリ10は、透明基板18、透明基板18の表面に設けられる導体24、導体24に通電するための無はんだ電気コネクタを含む。無はんだ電気コネクタは、基板に接着されるコネクタ本体と、電気接続を促進するためにコネクタ本体と導体24との間で弾性的に圧縮される金属要素とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記基板の表面に設けられる導体と、
前記導体を通電するための無はんだ電気コネクタと、
を含むウィンドウアセンブリであって、
前記無はんだ電気コネクタは、
電気絶縁性コネクタ本体と、
前記コネクタ本体と前記導体との間で弾性的に圧縮される導電性金属コネクタであって、該金属コネクタは、前記基板の導体と電気的に連通している、金属コネクタと、
前記コネクタ本体と前記基板との間に配置されて、前記金属コネクタを弾性変形した状態で維持しながら前記コネクタ本体を前記基板に接着する接着剤と、
を有し、
前記接着剤は、所定の波長の光に曝された場合に、前記接着剤の硬化を開始する光開始剤を含む、ウィンドウアセンブリ。
【請求項2】
前記接着剤は所定の期間硬化され、前記接着剤のグリーン強度は、前記金属コネクタを、外部的に固定させることなしに前記所定の期間弾性変形した状態で維持するのに十分である、請求項1に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項3】
前記金属コネクタは、圧縮性部分及び接続部分を含み、該圧縮性部分は、前記コネクタ本体と前記基板との間で弾性変形され、該接続部分は、ワイヤハーネスとの機械的且つ電気的接続を促進する、請求項1に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項4】
前記接続部分及び前記圧縮性部分は、互いに一体形成されている、請求項3に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項5】
前記コネクタ本体は、前記接続部分と前記圧縮性部分との間で延在する、請求項4に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタ本体は溝を含み、前記金属コネクタは、少なくとも部分的に前記溝内で延在する、請求項1に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項7】
前記コネクタ本体は、前記透明基板に面する前記本体の表面から延びる制限部を含み、該制限部は、前記金属コネクタの一部に広がり、
前記溝は、前記金属コネクタが横方向に動くのを制限し、前記制限部は、前記金属コネクタの一部が前記コネクタ本体に対して長手方向に動くのを制限し、該横方向と該長手方向とは互いに直交する、請求項6に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項8】
前記金属コネクタは、前記透明基板に面する前記コネクタ本体の表面から湾曲している、請求項7に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項9】
前記金属コネクタは、前記コネクタ本体から湾曲した部分を含み、該湾曲した部分は、前記金属コネクタが変形していない状態で測定される長さ及び高さを有し、該高さは前記コネクタ本体に対して測定され、
前記湾曲した部分の長さ対高さのアスペクト比は2:1~9:1である、請求項1に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項10】
前記接着剤は構造接着テープを含む、請求項1に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項11】
前記構造接着テープの厚さは約0.5mm~約0.8mmである、請求項10に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項12】
透明基板と、
前記基板の表面に設けられる導体と、
前記導体を通電するための無はんだ電気コネクタと、
を含むウィンドウアセンブリであって、
前記無はんだ電気コネクタは、
電気絶縁性コネクタ本体と、
前記電気絶縁性コネクタ本体の両側に延在する金属コネクタであって、該金属コネクタは、
前記電気絶縁性コネクタ本体の第1の側に配置される圧縮性部分であって、該圧縮性部分は前記電気絶縁性コネクタ本体と前記透明基板上の導体との間で弾性的に圧縮される、圧縮性部分と、
該圧縮性部分に連結される接続部分であって、該接続部分はスペードコネクタとの接続を促進し、前記コネクタ本体は、該金属コネクタの圧縮性部分と接続部との間で延在する、接続部分と、
を含む、金属コネクタと、
前記電気絶縁性コネクタ本体が前記透明基板に接着されるように前記電気絶縁性コネクタ本体と前記透明基板との間に配置される接着剤であって、該接着剤は、前記圧縮性部分が弾性変形された状態で維持され、前記接続部分が前記基板の表面にある前記導体と電気的に連通するように前記コネクタ本体を前記透明基板に連結する、接着剤と、
を有し、
前記接着剤は、所定の波長の光に曝された場合に、前記接着剤の硬化を開始する光開始剤を含む、ウィンドウアセンブリ。
【請求項13】
前記接着剤は所定の期間硬化され、前記接着剤のグリーン強度は、前記圧縮性部分を、外部的に固定させることなしに前記所定の期間弾性変形した状態で維持するのに十分である、請求項12に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項14】
前記コネクタ本体は溝を含み、前記金属コネクタの圧縮性部分は、少なくとも部分的に前記溝内で延在する、請求項12に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項15】
前記コネクタ本体は、前記コネクタ本体の第1の側から延びる制限部を含み、該制限部は、前記金属コネクタの圧縮性部分に広がり、
前記溝は、前記金属コネクタの圧縮性部分が横方向に動くのを制限し、前記制限部は、前記金属コネクタの少なくとも一部が前記コネクタ本体に対して長手方向に動くのを制限し、該横方向と該長手方向とは互いに直交する、請求項14に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項16】
前記金属コネクタの圧縮性部分は、前記絶縁性コネクタ本体から湾曲した部分を含み、該湾曲した部分は、前記圧縮性部分が変形していない状態で測定される長さ及び高さを有し、該高さは前記コネクタ本体に対して測定され、
前記湾曲した部分の長さ対高さのアスペクト比は2:1~9:1である、請求項12に記載のウィンドウアセンブリ。
【請求項17】
前記接着剤は、厚さは約0.5mm~約0.8mmの構造接着テープを含む、請求項12に記載のウィンドウアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にウィンドウアセンブリに関し、より具体的には、電気絶縁された無はんだ電気コネクタを備えたウインドウアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、車両用のウィンドウアセンブリは、透明基板上に配置された1つ以上の電気部品を含むように機能化されている。これらの電気部品は、例えば、RFアンテナ又は抵抗加熱素子を含み得る。これらの電気部品は、電気接続素子を介してガラス上のプリント銀回路に接続されたワイヤハーネスを介して外部的に電気接続されているのが一般である。典型的な用途では、電気接続素子は、接続素子と銀回路との間に形成されるはんだ接合部を通じて、プリント銀回路及びその下の透明基板に機械的且つ電気的に接合されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
鉛系はんだは、一般に、はんだ接合部を形成するのに用いられる標準材料であったが、様々な企業慣行や国際合意によって鉛系はんだの使用が制限されてきている。残念ながら、代替の無鉛はんだは、同等の鉛系はんだよりも機械的強度及び熱安定性が概して低い。さらに、性能がより良好な無鉛はんだは、時に希少供給なインジウムの等の1つ以上の希土類金属からなるのが一般的である。
【0004】
そのため、ガラス窓の基板上の銀回路に電気接続素子を確実に取り付けるための無鉛はんだに依存しない手段に対するニーズがある。
【0005】
この背景の説明は、電気コネクタに関連する特定の用語を明確に説明しようとするものであるが、それは例示であって限定を意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、車両との運用関係で示されたウィンドウアセンブリの概略的な背面斜視図である。
図2図2は、透明基板に取り付けられた無はんだ電気コネクタの一実施形態の概略斜視図である。
図3図3は、図2に示したような無はんだ電気コネクタの一実施形態の概略的な部分断面図である。
図4図4は、図2に示したような無はんだ電気コネクタの底面側の概略的な部分分解図である。
図5図5は、無はんだ電気コネクタの一実施形態の概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で説明する本発明の実施形態は、窓等の透明基板上に配置された回路に電力を供給し得る無はんだ電気コネクタに関する。はんだの代わりに、本設計では、基板に対してコネクタ本体を機械的に結合するために強力な接着剤を使用する。本体と基板との間には、接触圧力を加えて導電面(例えば、導電性金属コネクタ)を基板に押し付ける発泡体又はバネ等の圧縮性で導電性の金属製コネクタがある。導電面を基板に押し付ける際、柔軟な(compliant)金属コネクタは、基板と機械的に強固に接触された状態で保持されるため、導体との持続的な電気接触が維持される。さらに、本設計は、特殊な希土類金属に依存する必要性又は強度を落とす必要性なしに、近づきつつある鉛入りはんだの禁止に対処する。
【0008】
「1つ(a, an, the)」、「少なくとも1つ」及び「1つ以上」という用語は、少なくとも1つのものが存在することを示すために互換的に用いられ、文脈が別段明確に示さない限り、複数のそのようなものが存在し得る。添付の特許請求の範囲を含む本明細書におけるパラメータ(例えば、量又は条件)の数値は、「約」という用語が実際に数値の前にあるか否かにかかわらず、全ての場合において「約」によって変更されるものと理解すべきである。「約」は、記載された数値がある程度の不正確さ(値の正確さへのアプローチ;値に大体近いか又は妥当に近い;ほぼ)。「約」によってもたらされる不正確さについて、当該技術分野においてこの通常の意味で理解されない場合、本明細書で使用の「約」は、そのようなパラメータの測定及び使用する通常の方法から生じ得る変化を少なくとも示す。加えて、範囲の開示は全ての値及び範囲全体内でのさらに分割された範囲を含む。範囲内の各値及び範囲の終点の全ては、別々の実施形態として開示される。「含む(comprises, comprising, including)」及び「有する」という用語は包含的であるため、記載されたものの存在を特定するが、他のものの存在を排除しない。本明細書で用いられているように、「又は」という用語は、列挙されたもののうちの任意のそして全ての組み合わせを含む。様々なものを区別するために第1、第2、第3等の用語が用いられる場合、これらの名称は便宜上のものに過ぎず、ものを限定するものではない。
【0009】
発明の詳細な説明及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等の用語は、っ同様の要素を区別するために用いられており、必ずしも特定の順序又は時系列順を記述するものではない。これらの用語は、本明細書に記載の実施形態が、例えば、本明細書で説明又は記載されたもの以外の順番で動作可能なように適切な状況下で互換的に用いられる。さらに、「含む」及び「有する」という用語及びその任意のバリエーションは、多様な要素を含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス又は装置が必ずしもそれらの要素に限定されず、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス又は装置に明示的に列挙されていないか又は固有でない他の要素を含み得るように。非排他的包含をカバーすることを意図している。
【0010】
他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面を考慮することによって明らかになる。本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示の適用は、以下の説明に記載されているか又は図面に示されている構成要素の詳細又は構成及び配置に限定されないことを理解すべきである。本開示は、他の実施形態を支持することができ、様々の方法で実施されるか又は行うことができる。特定の実施形態の説明は、本開示が、本開示の精神及び範囲内にある全ての変更、均等物及び代替物を網羅することから制限することを意図していないことを理解されたい。また、本明細書で使用の表現及び用語は説明を目的としたものであり、限定的とみなすべきではないことを理解されたい。
【0011】
様々な図面において、同様又は同一の構成要素を特定するために同様の参照符号が用いられる図面を参照して、図1図2は、ワイヤハーネス14を透明/ガラス基板18に配置された導電回路16に機械的且つ電気的に結合する無はんだ電気コネクタ12を有するウィンドウアセンブリ10を概略的に示す。ウィンドウアセンブリ10は、1つ以上の電気部品22が望ましくは透明基板18と一体化されているか又は直接連結される自動車車両20等の自動車の文脈において使用され得る。例えば、図1で概して示すように、電気部品22は、透明基板18の一部を局所的に加熱する及び/又は透明基板18の一部の霜を取るように動作する1つ以上の抵抗加熱器を含み得る。加えて又は代替的に、1つ以上の電気部品は、1つ以上のRFアンテナ、LEDライト、カメラモジュール又は他のそのような電気機器を含み得る。
【0012】
ほとんどの実施形態では、透明基板18はシリカガラスの窓ガラスを含み得る。一部の実施形態では、ガラス基板18は、例えば様々なレベルの色調又は着色を提供するために、窓ガラスの透過率を変化させる様々な添加剤を含み得る。さらに、一部の実施形態では、透明基板18は、シリカガラスの層及びポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等のポリマー材料の層の両方を1つ以上含む積層体であり得る。一部の実施形態では、基板18は、代替的に、全体がメタクリル酸ポリメチル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル等の透明なポリマー材料でできたポリマー基板であり得る。
【0013】
透明基板に配置される導電回路16は、基板18に接着されるか又は基板18の外層として一体的に形成される1つ以上の配線又は導体24を含み得る。1つ以上の導体24は、例えば銀の導電層を含み得る。他の実施形態では、導体24は、銀に加えて又は銀の代わりに、他の導電性金属及び/又は他の導電性若しくは非導電性材料でできていてもよい。導体24は、導体24が導電性であり、当該技術分野においてそのような導体について知られる任意の機能を果たす限り、フィルム、コーティング及び/又は任意の他の形態であってもよい。導体24は多孔性及び/又は非多孔性であり得る。様々な実施形態では、導体24は多孔性銀フィルムである。他の実施形態では、導体24は印刷されたものでもよく、例えば、スクリーン印刷された銀フィルム又はプリント銀回路であり得る。
【0014】
導電回路16及び導体24は、電気部品22の電気的な延長(electrical extension)であってもいいし、電気部品22に電気的に連結されてもよい。導電回路16は、1つ以上のバスバー(図示せず)、抵抗器又は同様の電気部品をさらに含み得る。ワイヤハーネス14は、別個の電源(図示せず)から導電回路16に電力を伝達し得ることを理解すべきである。
【0015】
図3図4は、基板18に配置された導電回路16にワイヤハーネス14を機械的且つ電気的に接続する無はんだ電気コネクタ12の実施形態を概して示す。この実施形態では、無はんだ電気コネクタ12は、カバー又は本体30、接着剤32及び導電性で弾性的に圧縮可能なコネクタ34を含む。一般的な意味では、本体30は接着剤32を介して基板18に接着されているのに対して、コネクタは、本体と導体24との間で弾性的に圧縮されている。その際、接着剤32は、導電性コネクタ34と基板上の導体24との間で所定の最小接触圧(及び電気的な接続性)を維持する役割を果たす。同様のコネクタの代替的な実施形態は、米国特許第10374330号となった米国特許出願第15/981938号に図示及び記載されている。係る特許出願は、参照により全体及び開示された全てが本願に組み込まれる。
【0016】
図3にさらに示すように、一実施形態では、コネクタ34は本体30の一部の周りに延びていてもよく、圧縮性部分40及び接続部分42の双方を含み得る。緩和された状態(すなわち、弾性的に圧縮されていない)にある場合、圧縮性部分40は、例えば基板18と接触するように加えられた曲げ応力又は圧縮応力に対応して変位する部位44を含み得る。図示の例では、部位44はコネクタ34の非平面の湾曲部(non-planer bowing)であり、組み立てられた場合に、湾曲部位の幾何学的形状は本体30から離れて延びて凸状突起を形成する。一実施形態では、この湾曲部は、コネクタ34の2つの平面部分の間に設けられ、組み立てられた状態にある場合に(又は組み立てプロセスの間に)、本体30との接触が保持され得る。この凸状突起は、基板18上にある導体24と接触させられると弾性変形して比較的平坦な状態に弾性変形し、比較的平坦な状態にある場合、コネクタ本体30と基板18との間の接着剤32によって適所で保持される。
【0017】
約0.4mmの均一な厚さを有する平らな金属シートで金属コネクタ34が形成されている場合に、本設計は好ましい結果(強固で低抵抗の接続)をもたらすことが見いだされた。一実施形態では、この平らなシート材料は、圧縮性部分40全体に亘って単一の厚さであってもよいが、接続部分42で二重の厚さを有するように折り重ねてもよい。そのようにすることで、標準的なスペードコネクタ(spade-type connectors)とのより良い接続が可能となる。この尺度の金属(例えば、銅)で形成された場合、凸状突起は、変形されていない場合のアスペクト比(undeformed aspect ratio)(コネクタ本体30から垂直に測定した高さに対するコネクタ本体30に沿って測定した長さ)が約2:1~約9:1、より好ましくは約2.5:1~約5.5:1であることが望ましい。
【0018】
図4を参照して、一実施形態では、本体30の底面50は、金属コネクタ34を受容して横方向の動きを制限するように動作する溝52を含み得る。そのために、溝52は、コネクタ34の幅と略等しい(又は許容範囲がわずかに大きい)溝幅54を有し得る。溝52は、本体30に対するコネクタ34の長手方向の動きを防止するロック部56を圧縮性部分40の近位端58(すなわち、接続部分42に最も近い側)に含み得るが、遠位端60(すなわち、接続部分42から最も離れた側)には同様の制約はなくてもよい。このように、金属コネクタ34が弾性的に圧縮された場合、遠位端60は溝52内で転移し得る。一実施形態では、ロック部56は、金属コネクタ34にある嵌合開口を貫通する、本体30から延びたペグであり得る。
【0019】
本設計では、接着剤がテープの形態で本体30上に設けられ得る。一構成では、接着剤/テープの変形しない状態の厚さは約0.5mm~約0.8mmであり得る。保護層が取り外されると、テープの接着部分が紫外線等の開始剤で照射されて、コネクタ本体30及び金属コネクタ34が表面に置かれるか又は接着され得る。これは、アセンブリのサイクル時間及び感度の双方を大幅に低減する(すなわち、プレスオンコネクタの場合、アセンブリの公差は、はんだの場合ほど厳しいものではない)。例えば、一般的なはんだの用途では、接合部の形成は約15~20秒のサイクル時間になるのに対して、接着剤ベースである本設計では、サイクル時間が約10秒以下に短縮され得る。
【0020】
(従来のはんだ接合部と比べた場合に)単により早く電気接続を形成する手段であることに加えて、本設計は、厳密に制御された温度パラメータを必要としない点でもはんだより優れている。より具体的には、ガラス基板上にはんだ接続を形成するためには、(すなわち、熱膨張係数が異なることに起因して)ガラスに熱的な衝撃を与えるか又は冷却の際に接続部に過剰な残留応力を誘導するのを防ぐために、時間、温度及び熱流束を限られたパラメータの範囲内で注意深く制御しなければならない。これに対して、本設計では、室温で(すなわち、熱エネルギを加えることなく)、また下流の熱硬化を必要とせずに接着され得る。
【0021】
図2図4に示すような一実施形態では、本体30は、導体24との不測の接触を防止し得るポリマー等の電気絶縁材料で形成され得る。しかしながら、他の実施形態では、本体30は、図5に示すように導電性でもよい。この実施形態では、圧縮性コネクタ34は依然バネ様の金属素子であるが、本体30も導電性であってよく、バネとの電気接続を促進し得る。図示のように、本実施形態では、本体30は、ワイヤハーネス14との接続を促進し得る接続部分42をさらに含み得る。
【0022】
図2図3に示すように、一実施形態では、本体30は接着剤32を介して基板18に接着され得る。圧縮可能なコネクタ34は、本体30が基板18にしっかりと取り付けられた場合に、圧縮性コネクタ34が本体30と基板18との間で弾性的に圧縮される(すなわち、基板18の表面に対して垂直に測定された高さ/厚さHが本体30と基板18との間で圧縮される)ように、寸法が大きめであってもよい。そうすることで、圧縮性コネクタ34からの弾性回復力及び結果として得られる接触圧が、コネクタ12と回路16との間の強固な電気接触を直接促進し得る。
【0023】
一部の実施形態では、溝52又は他の内側凹部は、内部コネクタ容積を定義し得る。機能的に、そのような実施形態では、本体30は回路16との間で形成される電気接続を包含して、接続の完全性の保護及び異物又は流体のインターフェースへの接触及び/又は保護及び異物又は流体によるインターフェースの劣化の防止の双方がなされるようにする。
【0024】
コネクタ本体が中実であるか又は中空/凹状であるかにかかわらず、一部の実施形態では、本体30は、ポリマー又はポリマー材料で形成され、接合部の周囲に電気絶縁を提供し得る。ポリマー製の本体は1つ以上の熱可塑性材料及び/又は熱硬化性材料を含み得る。好適なポリマーの非限定例としては、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性加硫物(TPV)、ポリフタルアミド(PPA)及び熱可塑性ポリオレフィン(TPO)が挙げられる。特定の非限定例としては、熱可塑性スチレン(TPS)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、アセタール、アクリル、ポリアミド(PA6又はPA66)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びエステル系熱可塑性エラストマー(E-TPE)が挙げられる。また、本体30は非ポリマー材料で作られてもよいことも理解されたい。
【0025】
上述したように、本体30は、接着剤32を介して基板18に直接接着することにより、圧縮性コネクタ34上で適所に固定され得る。より具体的には、図2図4に示すように、接着剤32は、本体30の外周端又は面と基板18との間に配置され得る。図2で最良な形で示すように、一実施形態では、接着剤32は本体30の外周全体に広がり得る。複雑な取り付けの必要性をなくすために、接着剤32は、熱開始を必要としない1つ以上の手段を介して硬化されることが好ましい。別の言い方をすると、熱硬化性接着剤の使用は一部の特定の用途では効率的であり得るが、他の用途では利用できないオーブン又はオートクレーブ内で複雑な取り付けの必要性も生じ得る。この問題に対処するために、コネクタの本体を基板18に固定するのに用いられる接着剤32は、例えば紫外線光を含むコンベヤベースのオーブンを介して適用され得る紫外線放射の使用といった非熱的手段を通じて硬化され得る(又は硬化が開始され得る)。これを可能とするために、接着剤は、所定の波長の光に曝されると架橋プロセスを開始する光開始剤化合物を含み得る。
【0026】
透明基板18上に配置された導体24と無はんだ電気接続する方法は、概して、透明基板18が一体型の導体24及び回路16を含むように準備することによって始まり得る。このステップは、必要な任意の熱処理プロセス、積層プロセス、オートクレーブプロセス、焼き戻しプロセス、回路のスクリーン印刷及び基板18及び/又は回路16に対して必然的に行われ得る任意の他のプロセスを含み得る。
【0027】
これに続いて、コネクタ12は、コネクタ12の本体30部分と当接する関係で設けられる金属コネクタ34に大まかに組み付けられ得る。上述した実施形態では、これは、金属コネクタ34が本体の両側に延びるように本体30を提供することを含み得る。
【0028】
具体的な構成に応じて、コネクタ34と本体30との組み立ての前のいずれかに、接着剤32が本体30に塗布され得る。一部の実施形態では、接着剤32は、本体30にスクリーン印刷されるか又は印刷される等の液体形態で塗布され得る。他の実施形態では、接着剤32は、構造接着テープの場合のように、本体にくっつけることによって適用され得る。
【0029】
この形態では、コネクタ12は、最終的な組み立ての前にある期間保管され得る。最終的な組み立てが望まれる場合、接着剤に配合された可塑剤を活性化するように設計された刺激を適用することにより接着剤32の架橋/硬化が開始され得る。一実施形態では、硬化は、接着剤を紫外線光源に瞬間的に曝すことによって光開始される。そのような実施形態では、硬化プロセスは、一旦外部から開始された場合自律的であるべきであるが、組み立て技術者が残りの工程を行うことができるように最低限の作業時間(例えば、約20秒より長い時間)が提供されるよう十分にゆっくりであるべきである。1つの例では、この自立硬化は、複数の感光性マイクロカプセルに入った触媒及び開始剤の1つ以上を提供することによって促進され得る。感光性マイクロカプセルに入った触媒及び開始剤は、紫外線ランプ等の光源に曝された場合に触媒及び/又は開始剤を放出し得る。
【0030】
そして、コネクタ12は、圧縮性コネクタ34が本体30と基板18との間に配置された部分を含み、接着剤32が基板18と又は基板と一体化された素子、例えば導体24又はセラミックコーティングと接触するように、基板に対して接触及び当接した関係で配置され得る。
【0031】
次いで、接着剤32が基板18に接触するまでコネクタ34の圧縮性部分40を基板18の表面に垂直な方向に押し込むためにコネクタ本体30に力が加えられ得る。一実施形態では、力は、接着剤が圧縮性部分40の弾性膨張に抵抗できるまでの十分な時間維持され得る。しかしながら、より好ましい実施形態では、接着剤のグリーン強度 (すなわち、初期の接触接着強度)は、圧縮性コネクタ34が、接着剤32と基板18との間の初期接触の際に弾性変形された状態で保持され得るように、コネクタ34の圧縮性部分40によって加えられる力の量を上回るべきである。そのような実施形態では、コネクタ12の本体30は、最初の組み立ての後で適所で保持するか又は外部的に固定される必要がなく、組み立てのコスト及び複雑さが低減され得る。
【0032】
他の実施形態では、硬化開始刺激は、本体30が基板18に適用された後で、硬化プロセスを通して連続的に適用され得る。このような技術は、刺激が基板18を介して接着剤に到達し得るように、接着剤の位置が基板の透明な部分(即ち、適用されている何らかの刺激に対して透過性がある)にあった場合にのみ適用可能であり得るため、さらなる制限を有する。これは、回路及び接続を見ることができなくすることによって美観を改善するのに用いられる典型的な黒色マスク層により、多くの場合で実行できない。しかしながら、接着剤が基板を通して見える場合には、本方法は、基板18の紫外線を通す部分に本体30を適用し、接着剤32を硬化させるために基板18の反対側から紫外線の刺激に接着剤を曝すことを含む。
【0033】
上述したように、好ましい実施形態では、選択された接着剤32は、硬化プロセスの間に外部固定を必要とすることなく、金属コネクタ34の圧縮性部分40を弾性変形した状態で維持するのに十分なグリーン強度を有するべきである。
【0034】
本発明の無はんだコネクタ12は、基板18及び金属コネクタ34の双方の間に弾性接触圧を加えることによってはんだの必要性をなくすため有利である。これは、コネクタ12を基板に機械的に固定する丈夫な接着剤に依存する(すなわち、接着剤は、はんだよりもさらに優れ且つより簡素な接合を提供し得る)。そのような設計は、高価で及び/又は性能を損う無鉛はんだの必要性を排除する一方で、異なる熱膨張速度に起因して窓を損傷し得る熱膨張の懸念をもたらさない(金属コネクタ34が基板18に固く取り付けられていないため)。
【0035】
特定の実施形態に関して、便益、他の利点及び問題に対する解決策を説明してきた。しかしながら、便益、利点、問題に対する解決策及び何らかの便益、利点、又は解決策を生じさせるか又はより顕著なものとし得る要素は、そのような便益、利点、解決策又は要素が特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、重要、必要又は特許請求の範囲のいずれか又は全ての不可欠な特徴又は要素として解釈すべきでない。
【0036】
さらに、本願で開示する実施形態及び限定は、実施形態及び/又は限定が、(1)特許請求の範囲に明示的に記載されておらず、(2)特許請求の範囲に明記された要素及び/又は限定の均等論に基づく均等物であるか又は潜在的に均等物である場合、献身の法理に基づいて公衆にささげられるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】