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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133438
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】結晶形
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20220906BHJP
   A61K 31/4523 20060101ALI20220906BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/4523
A61P31/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109922
(22)【出願日】2022-07-07
(62)【分割の表示】P 2020114623の分割
【原出願日】2015-05-08
(31)【優先権主張番号】61/991,242
(32)【優先日】2014-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-クリストフ・カリファーノ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジー・フィックス
(72)【発明者】
【氏名】ラース・フレドリック・ノルドストローム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】強力なHCV NS5A阻害剤である化合物の種々の結晶形を提供する。
【解決手段】下記に示す構造を有する化合物Iの、PXRDパターンにおいて2θ値に特徴的ピークを有する結晶形を提供する。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PXRDパターンにおいて表1~10の1つに記載するような2θ値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形。
【請求項2】
PXRDパターンにおいて図1~10の1つに記載するような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形。
【請求項3】
PXRDパターンにおいて明細書に記載するような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形。
【請求項4】
PXRDパターンにおいて5.31、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、19.71、21.30及び22.88の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形。
【請求項5】
PXRDパターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形。
【請求項6】
PXRDパターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74、28.12、31.62及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の結晶形を含有する組成物。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の結晶形を溶解させる工程を含む化合物Iを含有する医薬組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化合物Iの結晶多形、前記結晶多形を含有する医薬組成物、及び前記結晶多形を使用して医薬組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)はフラビウイルス科のヘパシウイルス属に属するRNAウイルスである。エンベロープをもつHCVビリオンは1つの連続したオープンリーディングフレームにおいて全ての既知ウイルス特異的タンパク質をコードするプラス鎖RNAゲノムを含む。このオープンリーディングフレームは約9500ヌクレオチドを含み、約3000アミノ酸の1つの大きなポリプロテインをコードする。前記ポリプロテインはコアタンパク質と、エンベロープタンパク質E1及びE2と、膜結合型タンパク質p7と、非構造タンパク質NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A及びNS5Bを含む。
【0003】
HCV感染症は肝硬変や肝細胞癌を含む進行性肝病変を伴う。慢性C型肝炎はペグインターフェロンαとリバビリンの併用により治療することができる。しかし、多くの使用者に副作用があり、多くの場合には体内からのウイルス排除が不十分であることから、依然として効力と忍容性に実質的な制限がある。従って、HCV感染症の新規治療薬が必要とされている。
【0004】
例証のために図面を添付するが、これらに制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】化合物Iのn-ブチルアミン-H2O溶媒和物(パターンAないしフォームI)の実験的PXRDパターンを示す。
図2】化合物IパターンBの実験的PXRDパターンを示す。
図3】化合物IパターンB(MeOH-ジエチルエーテル溶媒和物)の実験的PXRDを示す。
図4】化合物IパターンC(無水物)の実験的PXRDを示す。
図5】化合物IパターンC(MTBE溶媒和物)の実験的PXRDを示す。
図6】化合物IパターンD(EtOH/HO溶媒和物)の実験的PXRDを示す。
図7】化合物IパターンE(水和物)の実験的PXRDを示す。
図8】化合物IのACN溶媒和物(パターンFないしフォームII)の実験的PXRDを示す。
図9】化合物Iの無水物(パターンGないしフォームIII)の実験的PXRDを示す。
図10】化合物Iのジ-n-ブチルエーテル溶媒和物(パターンH)の実験的PXRDを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、メチル{(2S,3R)-1-[(2S)-2-{5-[(2R,5R)-1-{3,5-ジフルオロ-4-[4-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-5-(6-フルオロ-2-{(2S)-1-[N-(メトキシカルボニル)-O-メチル-L-スレオニル]ピロリジン-2-イル}-1H-ベンズイミダゾール-5-イル)ピロリジン-2-イル]-6-フルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-1-オキソブタン-2-イル}カルバメート(
【0007】
【化1】
本願では「化合物I」と言う。)の結晶多形に関する。化合物Iは強力なHCV NS5A阻害剤であり、その開示内容全体を本願に援用する米国特許出願公開第2012/0004196号に記載されている。
【0008】
化合物Iは初期開発過程で非常に結晶しにくいことが判明した。何カ月も開発に取組んだが、結晶性の化合物Iは容易に得られなかった。化合物Iの結晶形の存在が確認されたとしても、その結晶形の正確な結晶構造は一般には予測できなかったであろう。
【0009】
従来使用されていない溶媒系であるn-ブチルアミンを使用した場合に意外にも化合物Iの結晶形が得られた。その後、他の結晶形も同定された。これらの結晶形の単離と特性決定に先立ち、これらの特定の多形の存在と種類は予想されていなかった。これらの結晶形は(例えば、熱溶融押出法による)製剤化を改善するために使用することができ、結晶化による精製と大規模製造を可能にすると共に、種々あるうちで、特に安定性、取り扱い性及びバルク特性を改善することができる。
【0010】
1態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図1に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0011】
別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表1に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0012】
表1~10及び図1~10における各ピークの相対強度と2θ値は条件によっては変化又はシフトする場合があるが、結晶形は同一である。当業者は双方のPXRDプロファイルを比較することにより、特定の結晶形が図1~10又は表1~10の1つに記載するものと同一の結晶形であるか否かを容易に判断することができよう。
【0013】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、8.19、9.15、10.42、13.02、13.50、18.45、19.48及び20.86の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0014】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、6.92、8.19、9.15、10.12、10.42、12.30、13.02、13.50、14.77、16.20、16.97、18.12、18.45、19.48、20.86、24.24、24.79及び25.97の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0015】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、6.72、6.92、8.19、9.15、9.84、10.12、10.42、10.72、11.66、12.30、13.02、13.50、14.77、15.26、15.62、16.20、16.97、17.27、17.55、18.12、18.45、19.48、19.90、20.37、20.61、20.86、21.99、22.25、22.72、24.24、24.79、25.97、26.88、27.42、27.81及び30.23の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0016】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図2に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0017】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表2に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0018】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.70、7.53、10.51、11.43、11.80、15.85、17.23、19.11、21.37及び23.00の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0019】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.23、5.70、7.53、8.24、8.97、10.51、11.43、11.80、12.05、12.69、13.23、14.97、15.85、17.23、19.11、20.20、21.37、21.99、22.22及び23.00の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0020】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.23、5.70、7.53、8.24、8.97、10.51、11.43、11.80、12.05、12.69、13.23、13.99、14.97、15.85、17.23、18.45、19.11、19.76、20.20、21.37、21.99、22.22、23.00、25.17、25.43、26.73及び32.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0021】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図3に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0022】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表3に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0023】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、10.49、11.38、11.84、15.99、17.23、19.18及び21.41の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0024】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、8.21、9.40、10.49、11.38、11.84、12.04、12.67、13.24、15.99、17.23、19.18、20.15、21.41、22.10、22.53、23.02及び25.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0025】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、8.21、8.99、9.40、10.49、11.07、11.38、11.84、12.04、12.67、13.24、13.99、14.96、15.99、17.23、18.10、18.47、19.18、20.15、21.41、22.10、22.53、23.02、25.19、25.69、26.57、26.98、30.09及び32.45の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0026】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図4に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0027】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表4に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0028】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、10.91、12.34、12.57、13.67、13.94、17.44及び19.30の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0029】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、8.68、10.58、10.91、12.34、12.57、13.67、13.94、14.71、15.40、15.99、16.64、17.44、19.30、19.70、21.10、21.33及び21.72の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0030】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、8.68、9.28、10.58、10.91、11.65、12.34、12.57、13.67、13.94、14.71、15.40、15.99、16.64、17.44、19.30、19.70、21.10、21.33、21.72及び22.78の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0031】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図5に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0032】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表5に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0033】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、10.86、11.46、12.42、13.59、15.28、16.66及び19.44の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0034】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、8.75、10.86、11.08、11.46、12.42、13.59、15.28、16.26、16.66、17.25、17.87、19.44、20.80、21.13、21.39、22.15及び27.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0035】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、8.75、10.86、11.08、11.46、12.42、12.84、13.59、15.28、16.26、16.66、17.25、17.87、19.44、20.80、21.13、21.39、22.15、23.17、24.15及び27.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0036】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図6に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0037】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表6に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0038】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、7.33、12.01、13.13、13.35、16.54、17.96、18.26及び21.21の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0039】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、6.41、7.33、9.54、10.26、11.13、11.34、12.01、13.13、13.35、14.33、16.54、17.96、18.26、18.60、19.77、21.21、21.75及び24.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0040】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、6.41、6.92、7.33、9.25、9.54、10.26、11.13、11.34、12.01、13.13、13.35、14.33、14.65、15.36、16.54、17.96、18.26、18.60、19.05、19.77、21.21、21.75及び24.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0041】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図7に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0042】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表7に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0043】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.36、8.81、10.09、10.69、11.43、12.95、14.14、17.96、18.28及び22.88の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0044】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.50、5.36、8.81、10.09、10.69、11.43、12.19、12.95、14.14、14.72、15.18、17.53、17.96、18.28、18.86、21.36、22.01、22.88、26.54及び28.04の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0045】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.50、4.61、5.36、5.79、7.61、8.81、10.09、10.69、11.43、12.19、12.95、14.14、14.72、15.18、15.64、16.87、17.53、17.96、18.28、18.86、19.76、21.36、22.01、22.88、24.42、25.20、26.54、28.04及び28.65の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0046】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図8に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0047】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表8に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0048】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、10.81、12.05、13.47、13.68、17.68、19.02、19.48、21.73及び25.53の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0049】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、7.82、10.27、10.81、12.05、13.47、13.68、14.95、16.81、17.68、19.02、19.48、20.36、21.73、22.24、23.48、25.53、26.93、32.01及び33.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0050】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、7.82、10.27、10.81、11.11、12.05、13.47、13.68、14.95、15.57、16.28、16.81、17.68、19.02、19.48、20.36、21.73、22.24、23.48、24.16、25.53、26.93、28.26、30.41、31.07、32.01、33.12及び35.04の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0051】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図9に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0052】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表9に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0053】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、19.71、21.30及び22.88の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0054】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0055】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74、28.12、31.62及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0056】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図10に示すような特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0057】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表10に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0058】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて7.42、10.57、11.84、13.74、15.72、17.36、19.38、21.34、22.07及び23.36の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0059】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.28、5.65、7.42、9.26、10.57、10.90、11.31、11.84、12.15、12.73、13.74、15.72、17.36、18.04、19.38、21.34、22.07、22.90、23.36及び26.49の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0060】
更に別の態様によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.28、5.65、7.42、8.02、8.94、9.26、10.57、10.90、11.31、11.84、12.15、12.73、13.14、13.74、14.78、15.72、16.32、16.95、17.36、18.04、18.81、19.38、21.34、22.07、22.90、23.36、24.50、25.13、25.59、26.49、32.24及び32.93の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する化合物Iの結晶形に関する。
【0061】
本願で使用するPXRDデータは湾曲型位置敏感検出器と平行ビーム光学系を搭載したG3000回折計(Inel Corp.,Artenay,フランス)を使用して取得することができる。回折計は銅陽極管球(1.5kWファインフォーカス)を40kV及び30mAで用いて作動させる。入射ビームゲルマニウムモノクロメーターにより波長1.54178Åの単色Cu-Kα線を取り出す。回折計は減衰させたダイレクトビームを1°間隔で使用して校正する。シリコン粉末の回折線位置参照標準(NIST 640c)を使用して校正をチェックする。Symphonixソフトウェア(Inel Corp.,Artenay,フランス)を使用して計器をコンピューター制御し、Jadeソフトウェア(バージョン6.5,Materials Data,Inc.,Livermore,CA)を使用してデータを解析する。試料をアルミニウム製試料ホルダーに充填し、スライドグラスを使用して試料面を平らにする。PXRDピーク位置測定値は一般的に2θ(2θ°)±0.2°である。
【0062】
別の態様によると、本発明は実質的に純粋である上記結晶形に関する。特定の結晶形に関して本願で使用する「実質的に純粋」なる用語はこの結晶形の純度が少なくとも約90%であることを意味する。これはこの結晶形における化合物Iの他の形態の含有率が約10%以下であることを意味する。より好ましくは、「実質的に純粋」なる用語は純度が少なくとも約95%である化合物Iの結晶形を意味する。これは化合物Iのこの結晶形における化合物Iの他の形態の含有率が約5%以下であることを意味する。更に好ましくは、「実質的に純粋」なる用語は純度が少なくとも約97%である化合物Iの結晶形を意味する。これは化合物Iのこの結晶形における化合物Iの他の形態の含有率が約3%以下であることを意味する。
【0063】
1実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図1に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0064】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表1に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0065】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、8.19、9.15、10.42、13.02、13.50、18.45、19.48及び20.86の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0066】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、6.92、8.19、9.15、10.12、10.42、12.30、13.02、13.50、14.77、16.20、16.97、18.12、18.45、19.48、20.86、24.24、24.79及び25.97の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0067】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、6.72、6.92、8.19、9.15、9.84、10.12、10.42、10.72、11.66、12.30、13.02、13.50、14.77、15.26、15.62、16.20、16.97、17.27、17.55、18.12、18.45、19.48、19.90、20.37、20.61、20.86、21.99、22.25、22.72、24.24、24.79、25.97、26.88、27.42、27.81及び30.23の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0068】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図2に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0069】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表2に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0070】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.70、7.53、10.51、11.43、11.80、15.85、17.23、19.11、21.37及び23.00の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0071】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.23、5.70、7.53、8.24、8.97、10.51、11.43、11.80、12.05、12.69、13.23、14.97、15.85、17.23、19.11、20.20、21.37、21.99、22.22及び23.00の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0072】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.23、5.70、7.53、8.24、8.97、10.51、11.43、11.80、12.05、12.69、13.23、13.99、14.97、15.85、17.23、18.45、19.11、19.76、20.20、21.37、21.99、22.22、23.00、25.17、25.43、26.73及び32.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0073】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図3に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0074】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表3に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0075】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、10.49、11.38、11.84、15.99、17.23、19.18及び21.41の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0076】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、8.21、9.40、10.49、11.38、11.84、12.04、12.67、13.24、15.99、17.23、19.18、20.15、21.41、22.10、22.53、23.02及び25.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0077】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、8.21、8.99、9.40、10.49、11.07、11.38、11.84、12.04、12.67、13.24、13.99、14.96、15.99、17.23、18.10、18.47、19.18、20.15、21.41、22.10、22.53、23.02、25.19、25.69、26.57、26.98、30.09及び32.45の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0078】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図4に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0079】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表4に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0080】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、10.91、12.34、12.57、13.67、13.94、17.44及び19.30の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0081】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、8.68、10.58、10.91、12.34、12.57、13.67、13.94、14.71、15.40、15.99、16.64、17.44、19.30、19.70、21.10、21.33及び21.72の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0082】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、8.68、9.28、10.58、10.91、11.65、12.34、12.57、13.67、13.94、14.71、15.40、15.99、16.64、17.44、19.30、19.70、21.10、21.33、21.72及び22.78の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0083】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図5に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0084】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表5に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0085】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、10.86、11.46、12.42、13.59、15.28、16.66及び19.44の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0086】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、8.75、10.86、11.08、11.46、12.42、13.59、15.28、16.26、16.66、17.25、17.87、19.44、20.80、21.13、21.39、22.15及び27.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0087】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、8.75、10.86、11.08、11.46、12.42、12.84、13.59、15.28、16.26、16.66、17.25、17.87、19.44、20.80、21.13、21.39、22.15、23.17、24.15及び27.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0088】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図6に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0089】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表6に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0090】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、7.33、12.01、13.13、13.35、16.54、17.96、18.26及び21.21の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0091】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、6.41、7.33、9.54、10.26、11.13、11.34、12.01、13.13、13.35、14.33、16.54、17.96、18.26、18.60、19.77、21.21、21.75及び24.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0092】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、6.41、6.92、7.33、9.25、9.54、10.26、11.13、11.34、12.01、13.13、13.35、14.33、14.65、15.36、16.54、17.96、18.26、18.60、19.05、19.77、21.21、21.75及び24.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0093】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図7に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0094】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表7に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0095】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.36、8.81、10.09、10.69、11.43、12.95、14.14、17.96、18.28及び22.88の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0096】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.50、5.36、8.81、10.09、10.69、11.43、12.19、12.95、14.14、14.72、15.18、17.53、17.96、18.28、18.86、21.36、22.01、22.88、26.54及び28.04の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0097】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.50、4.61、5.36、5.79、7.61、8.81、10.09、10.69、11.43、12.19、12.95、14.14、14.72、15.18、15.64、16.87、17.53、17.96、18.28、18.86、19.76、21.36、22.01、22.88、24.42、25.20、26.54、28.04及び28.65の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0098】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図8に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0099】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表8に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0100】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、10.81、12.05、13.47、13.68、17.68、19.02、19.48、21.73及び25.53の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0101】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、7.82、10.27、10.81、12.05、13.47、13.68、14.95、16.81、17.68、19.02、19.48、20.36、21.73、22.24、23.48、25.53、26.93、32.01及び33.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0102】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、7.82、10.27、10.81、11.11、12.05、13.47、13.68、14.95、15.57、16.28、16.81、17.68、19.02、19.48、20.36、21.73、22.24、23.48、24.16、25.53、26.93、28.26、30.41、31.07、32.01、33.12及び35.04の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0103】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図9に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0104】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表9に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0105】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、19.71、21.30及び22.88の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0106】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0107】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74、28.12、31.62及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0108】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図10に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0109】
更に別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表10に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0110】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて7.42、10.57、11.84、13.74、15.72、17.36、19.38、21.34、22.07及び23.36の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0111】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.28、5.65、7.42、9.26、10.57、10.90、11.31、11.84、12.15、12.73、13.74、15.72、17.36、18.04、19.38、21.34、22.07、22.90、23.36及び26.49の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0112】
別の実施形態によると、本発明は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.28、5.65、7.42、8.02、8.94、9.26、10.57、10.90、11.31、11.84、12.15、12.73、13.14、13.74、14.78、15.72、16.32、16.95、17.36、18.04、18.81、19.38、21.34、22.07、22.90、23.36、24.50、25.13、25.59、26.49、32.24及び32.93の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形に関する。例えば、前記結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0113】
更に別の態様によると、本発明は本発明の結晶形を使用して化合物Iを含有する組成物を製造する方法に関する。前記方法は本発明の結晶形を溶媒に溶解させる工程を含む。
【0114】
本願に記載する本発明の任意方法において、本願の任意態様、実施形態又は実施例に記載する任意結晶形を含めて本願に記載する任意結晶形を使用することができる。
【0115】
1実施形態において、前記溶媒はエタノールやメタノール等の揮発性溶媒である。以下に記載する親水性ポリマーや糖アルコール等の適切な賦形剤も溶媒に溶解させることができる。こうして生成された溶液を、次に例えば噴霧乾燥法、凍結乾燥法又は他の溶媒蒸発法により乾燥して溶媒を除去すると、化合物Iと賦形剤を含有する固体分散体が得られる。化合物Iは固体分散体中で非晶質形態であることが好ましい。固体分散体は固溶体又はガラス状溶体であることがより好ましい。多くの場合には、溶媒を除去する前に以下に記載する医薬として許容可能な界面活性剤も溶液に加えることができ、その結果、本実施形態に従って生成された固体分散体/固溶体/ガラス状溶体は界面活性剤も含有する。
【0116】
別の実施形態において、前記溶媒は溶融状態又はゴム状態の以下に記載する親水性ポリマーや糖アルコール等の賦形剤である。化合物Iの結晶形は溶融又はゴム状賦形剤に溶解する。化合物Iの結晶形を溶融又はゴム状賦形剤に溶解及び混合し易くするために加熱を使用してもよい。溶融押出法を使用して化合物Iの結晶形を賦形剤に溶解及び混合させることが好ましい。こうして生成された溶液又は溶融物を冷却・凝固させ、化合物Iと賦形剤を含有する固体分散体を形成することができる。化合物Iは固体分散体中で非晶質形態であることが好ましい。固体分散体は固溶体又はガラス状溶体であることがより好ましい。固体分散体、固溶体又はガラス状溶体を粉砕、破砕又は顆粒化した後、他の添加剤を添加して又は添加せずに錠剤又は別の適切な固体剤形に圧縮することができる。固体分散体、固溶体又はガラス状溶体を錠剤又は別の適切な固体剤形に直接成形又は賦形することもできる。多くの場合には、以下に記載する医薬として許容可能な界面活性剤を凝固前の溶液又は溶融物に添加することができ、その結果、本実施形態に従って生成された固体分散体/固溶体/ガラス状溶体は界面活性剤も含有する。
【0117】
更に別の実施形態によると、加熱と揮発性溶媒を併用して適切な賦形剤を含有する溶液に化合物Iの結晶形を溶解させる。
【0118】
本願で使用する「固体分散体」なる用語は少なくとも2成分を含有しており、ある成分がその他の成分の全体にわたって分散している(液体状態又は気体状態ではなく)固体状態の系を意味する。例えば、医薬として許容可能な親水性ポリマーと医薬として許容可能な界面活性剤から成る担体に活性成分又は活性成分の組合せを分散させることができる。「固体分散体」なる用語はある相の小粒子を別の相に分散させた系を意味する。これらの成分の固体分散体が(熱力学的な意味で)一つの相の全体にわたって化学的及び物理的に均一もしくは均質な系であるとき、又は一つの相から構成される系であるとき、このような固体分散体を「固溶体」と言う。ガラス状溶体は溶質がガラス状溶媒に溶解している固溶体である。
【0119】
本発明の方法で使用するのに適した賦形剤の非限定的な例としては、多数の親水性ポリマーが挙げられる。本発明の方法で利用する親水性ポリマーはTが少なくとも50℃であることが好ましく、少なくとも60℃であることがより好ましく、少なくとも80℃であることが非常に好ましく、限定されないが、80℃~180℃、又は100℃~150℃が挙げられる。有機ポリマーのT値の測定方法はINTRODUCTION TO PHYSICAL POLYMER SCIENCE(第2版,L.H.Sperling著,John Wiley & Sons,Inc.,1992年発行)に記載されている。T値は個々のモノマーの各々から誘導されるホモポリマーのT値の加重合計、即ちポリマーのT=ΣW・Xとして計算することができ、式中、Wは有機ポリマー中のモノマーiの重量百分率であり、Xはモノマーiから誘導されるホモポリマーのT値である。ホモポリマーのT値はPOLYMER HANDBOOK(第2版,J.Brandrup and E.H.Immergut編,John Wiley & Sons,Inc.,1975年発行)から引用することができる。上記のようなTを有する親水性ポリマーは機械的に安定で且つ通常の温度範囲内で十分に温度安定性の固体分散体の製造を可能にし、このような固体分散体はそれ以上加工せずに製剤として使用することができ、あるいはほんの少量の錠剤化助剤を加えるだけで錠剤に圧縮することができる。Tが50℃未満の親水性ポリマーを使用してもよい。
【0120】
本発明で利用する親水性ポリマーは水溶性であることが好ましい。本発明の固体組成物は架橋ポリマー等の1種以上の低水溶性又は非水溶性ポリマーも含有することができる。本発明の固体組成物に含まれる親水性ポリマーは20℃で2%(w/v)の水溶液に溶解させたときの見掛け粘度が1~5000mPa・sであることが好ましく、1~700mPa・sがより好ましく、5~100mPa・sが最も好ましい。
【0121】
本発明の方法で使用するのに適した親水性ポリマーとしては、限定されないが、N-ビニルピロリドンのホモポリマーもしくはコポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、又はN-ビニルピロリドンと酢酸ビニルもしくはプロピオン酸ビニルのコポリマー)等のN-ビニルラクタムのホモポリマーもしくはコポリマー;アルキルセルロース(例えば、メチルセルロース又はエチルセルロース)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)及びセルロースフタレートもしくはサクシネート(例えば、セルロースアセテートフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート又はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート)等のセルロースエステルもしくはセルロースエーテル;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー等の高分子量ポリアルキレンオキシド;メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ブチルメタクリレート/2-ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)及びポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)等のポリアクリレートもしくはポリメタクリレート;ポリアクリルアミド;酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマーや部分加水分解ポリ酢酸ビニル(別称部分鹸化「ポリビニルアルコール」)等の酢酸ビニルポリマー;ポリビニルアルコール;オリゴ糖もしくは多糖(例えば、カラギーナン、ガラクトマンナン及びキサンタンガム);ポリヒドロキシアルキルアクリレート;ポリヒドロキシアルキルメタクリレート;メチルメタクリレートとアクリル酸のコポリマー;ポリエチレングリコール(PEG);又はその任意混合物が挙げられる。
【0122】
本発明の方法で使用するのに好ましい親水性ポリマーの非限定的な例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)K17、PVP K25、PVP K30、PVP K90、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)E3、HPMC E5、HPMC E6、HPMC E15、HPMC K3、HPMC A4、HPMC A15、HPMCアセテートサクシネート(AS)LF、HPMC AS MF、HPMC AS HF、HPMC AS LG、HPMC AS MG、HPMC AS HG、HPMCフタレート(P)50、HPMC P55、Ethocel 4、Ethocel 7、Ethocel 10、Ethocel 14、Ethocel 20、コポビドン(ビニルピロリドン-酢酸ビニル60/40コポリマー)、ポリ酢酸ビニル、メタクリレート/メタクリル酸コポリマー(Eudragit)L100-55、Eudragit L100、Eudragit S100、ポリエチレングリコール(PEG)400、PEG600、PEG1450、PEG3350、PEG4000、PEG6000、PEG8000、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338及びポロキサマー407が挙げられる。
【0123】
これらのうちでは、N-ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマー(例えば、N-ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー)が好ましい。好ましいポリマーの非限定的な1例はN-ビニルピロリドン60重量%と酢酸ビニル40重量%のコポリマーである。他の好ましいポリマーとしては、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースグレードE5(HPMC-E5)等のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC,USPではヒプロメロースとも言う。)や;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMC-AS)が挙げられる。
【0124】
本発明の方法で利用する医薬として許容可能な界面活性剤は非イオン性界面活性剤が好ましい。前記非イオン性界面活性剤はHLB値が2~20であることがより好ましい。HLBシステム(Fiedler,H.B.,ENCYLOPEDIA OF EXCIPIENTS,第5版.,Aulendorf:ECV-Editio-Cantor-Verlag(2002))は界面活性剤に数値を割り当てるものであり、親油性物質のほうがHLB値が低く、親水性物質のほうがHLB値が高い。
【0125】
本発明の方法で使用するのに適した医薬として許容可能な界面活性剤の非限定的な例としては、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(例えば、ポリオキシエチレングリセロールトリリシノレートないしポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(R)EL;BASF Corp.)もしくはポリエチレングリコール40硬化ヒマシ油(Cremophor(R)RH40、別称ポリオキシル40硬化ヒマシ油ないしマクロゴールグリセロールヒドロキシステアレート)等のポリオキシエチレングリセロールオキシステアレートもしくはポリエチレングリコール60硬化ヒマシ油(Cremophor(R)RH60));又はポリオキシエチレン(20)ソルビタンのモノ脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(R)80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween(R)60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween(R)40)、又はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(R)20))等のポリオキシエチレンソルビタンのモノ脂肪酸エステルが挙げられる。適切な界面活性剤の他の非限定的な例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル);ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(例えば、ポリオキシエチレン(2)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、PEG-200モノラウレート、PEG-200ジラウレート、PEG-300ジラウレート、PEG-400ジラウレート、PEG-300ジステアレート、PEG-300ジオレエート);アルキレングリコール脂肪酸モノエステル(例えば、プロピレングリコールモノラウレート(Lauroglycol(R)));スクロース脂肪酸エステル(例えば、スクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースジラウレート);ソルビタン脂肪酸モノエステル(例えば、ソルビタンモノラウレート(Span(R)20)、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート(Span(R)40)又はソルビタンステアレート)が挙げられる。他の適切な界面活性剤としては、限定されないが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、別称ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーないしポリオキシエチレンポリプロピレングリコールが挙げられ、例えば、Poloxamer(R)124、Poloxamer(R)188、Poloxamer(R)237、Poloxamer(R)388又はPoloxamer(R)407(BASF Wyandotte Corp.)が挙げられる。
【0126】
本発明の方法で使用するのに好ましい界面活性剤の非限定的な例としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、Cremophor RH40、Cremophor EL、Gelucire 44/14、Gelucire 50/13、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート(ビタミンE TPGS)、プロピレングリコールラウレート、ラウリル硫酸ナトリウム及びソルビタンモノラウレートが挙げられる。
【0127】
本願で使用する医薬として許容可能な界面活性剤はHLB値が10未満の界面活性剤とHLB値が10以上の別の界面活性剤の組合せ等の医薬として許容可能な界面活性剤の混合物とすることができる。
【0128】
1実施形態によると、本発明の方法ではHLB値が少なくとも10である界面活性剤を使用する。別の実施形態によると、本発明の方法ではHLB値が10未満の界面活性剤を使用する。更に別の実施形態によると、本発明の方法では2種以上の界面活性剤の混合物(例えば、HLB値が少なくとも10である1種の界面活性剤とHLB値が10未満の別の界面活性剤の組合せ)を使用する。
【0129】
1実施形態によると、本発明の方法は本発明の結晶形と上記親水性ポリマーと上記界面活性剤を溶解させて溶液(例えば、溶融物)を形成する工程を含む。親水性ポリマーは、例えば、N-ビニルラクタムのホモポリマー、N-ビニルラクタムのコポリマー、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルポリマー、オリゴ糖及び多糖から構成される群から選択することができる。非限定的な例として、親水性ポリマーはN-ビニルピロリドンのホモポリマー、N-ビニルピロリドンのコポリマー、N-ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー、N-ビニルピロリドンとプロピオン酸ビニルのコポリマー、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースフタレート、セルロースサクシネート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ブチルメタクリレート/2-ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート、酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマー、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、カラギーナン、ガラクトマンナン及びキサンタンガムから構成される群から選択される。親水性ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)K17、PVP K25、PVP K30、PVP K90、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)E3、HPMC E5、HPMC E6、HPMC E15、HPMC K3、HPMC A4、HPMC A15、HPMCアセテートサクシネート(AS)LF、HPMC AS MF、HPMC AS HF、HPMC AS LG、HPMC AS MG、HPMC AS HG、HPMCフタレート(P)50、HPMC P 55、Ethocel 4、Ethocel 7、Ethocel 10、Ethocel 14、Ethocel 20、コポビドン(ビニルピロリドン-酢酸ビニル60/40コポリマー)、ポリ酢酸ビニル、メタクリレート/メタクリル酸コポリマー(Eudragit)L100-55、Eudragit L100、Eudragit S100、ポリエチレングリコール(PEG)400、PEG600、PEG1450、PEG3350、PEG4000、PEG6000、PEG8000、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338又はポロキサマー407から選択することが好ましい。親水性ポリマーはビニルピロリドンのホモポリマー(例えば、Fikentscher K値が12~100であるPVP又はFikentscher K値が17~30であるPVP)、又はN-ビニルピロリドン(VP)30~70重量%と酢酸ビニル(VA)70~30重量%のコポリマー(例えば、VP60重量%とVA40重量%のコポリマー)から選択することがより好ましい。界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレングリセロールトリリシノレートないしポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(R)EL;BASF Corp.)又はポリオキシエチレングリセロールオキシステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンのモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキレングリコール脂肪酸モノエステル、スクロース脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸モノエステルから構成される群から選択することができる。非限定的な例として、界面活性剤はポリエチレングリコール40硬化ヒマシ油(Cremophor(R)RH40、別称ポリオキシル40硬化ヒマシ油ないしマクロゴールグリセロールヒドロキシステアレート)、ポリエチレングリコール60硬化ヒマシ油(Cremophor(R)RH60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのモノ脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(R)80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween(R)60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween(R)40)又はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(R)20))、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル、PEG-200モノラウレート、PEG-200ジラウレート、PEG-300ジラウレート、PEG-400ジラウレート、PEG-300ジステアレート、PEG-300ジオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、スクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースジラウレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート及びソルビタンステアレートから構成される群から選択される。界面活性剤はポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、Cremophor RH40、Cremophor EL、Gelucire 44/14、Gelucire 50/13、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート(ビタミンE TPGS)、プロピレングリコールラウレート、ラウリル硫酸ナトリウム又はソルビタンモノラウレートから選択することが好ましい。界面活性剤はソルビタンモノラウレート又はD-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネートから選択することがより好ましい。
【0130】
別の実施形態によると、本発明の方法は本発明の結晶形と上記親水性ポリマーと上記界面活性剤を溶解させて溶液(例えば、溶融物)を形成する工程を含む。親水性ポリマーはN-ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマー(例えば、コポビドン)である。医薬として許容可能な界面活性剤は、例えば、ビタミンE TPGS又はソルビタンモノラウレートとすることができる。
【0131】
本発明の溶融押出法は一般的には、(1)本発明の結晶形と、(2)上記親水性ポリマー(又は別の適切な結合剤)と、(3)好ましくは上記界面活性剤から溶融物を調製する工程を含む。その後、凝固するまで溶融物を冷却すればよい。当初に使用した化合物Iの結晶形は溶融物が形成されると消滅する。溶融物には他の添加剤も加えてもよい。「溶融」とはある成分を他の1種以上の成分に封入、好ましくは均一に封入することが可能な液体状態又はゴム状態への転移を意味する。多くの場合、ポリマー成分は溶融し、化合物Iの結晶形と界面活性剤を含む他の成分は溶融物に溶解し、溶液を形成する。溶融は通常ではポリマーの軟化点を上回る加熱を要する。溶融物の調製は種々の方法で実施することができる。溶融物の形成前、形成中又は形成後に上記成分の混合を行うことができる。例えば、先ず上記成分を混合した後に溶融させてもよいし、混合と溶融を同時に行ってもよい。化合物Iを効率的に分散させるために溶融物を均質化することもできる。更に、先ずポリマーを溶融させた後に化合物Iに混合して均質化すると好都合な場合もある。1例では、界面活性剤を除く全材料をブレンドして押出機に供給し、押出中に界面活性剤を外部で溶融させてポンプで導入する。
【0132】
別の例において、溶融物は化合物Iと上記親水性ポリマーを含有しており、溶融温度は100~170℃の範囲であり、120~150℃が好ましく、135~140℃が非常に好ましい。溶融物は上記医薬として許容可能な界面活性剤も含有することができる。
【0133】
更に別の例において、溶融物は化合物Iと、少なくとも1種の別の抗HCV剤(例えば、HCVポリメラーゼ阻害剤、又はNS5A阻害剤、又はHCVポリメラーゼ阻害剤とNS5A阻害剤の組合せ)と、上記親水性ポリマーを含有する。溶融物は上記医薬として許容可能な界面活性剤も含有することができる。
【0134】
溶融押出法を開始するためには、化合物Iを本発明の結晶形(例えば、本願の任意態様、実施形態又は実施例に記載する任意結晶形)で利用する。アルコール、脂肪族炭化水素、エステル又は場合によっては液体二酸化炭素等の適切な液体溶媒に先ず本発明の結晶形を溶解させてもよく、溶融物の調製後に前記溶媒を除去、例えば、蒸発させることができる。
【0135】
例えば、流動性調節剤(例えば、コロイダルシリカ)、滑沢剤、充填剤、崩壊剤、可塑剤、着色剤又は安定剤(例えば、酸化防止剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤及び微生物攻撃に対する安定剤)等の種々の添加剤も溶融物に加えることができる。
【0136】
溶融及び/又は混合はこの目的に一般に使用されている装置で実施することができる。特に適切な装置は押出機又は混練機である。適切な押出機としては、単軸押出機、噛合型押出機又は多軸押出機が挙げられ、二軸押出機が好ましく、同方向回転型でも異方向回転型でもよく、場合によりニーディングディスクを装備することができる。当然のことながら、使用温度は押出機の種類又は使用する押出機の内側の構成の種類により決定される。押出機内で成分を溶融、混合及び溶解させるために必要なエネルギーの一部は加熱エレメントにより提供することができる。一方、押出機内の材料の摩擦と剪断により実質的な量のエネルギーを混合物に提供し、成分の均質な溶融物の形成を助長してもよい。
【0137】
溶融物は低粘度からペースト状~粘性までの範囲とすることができる。押出物の成形は相互に噛合う凹部をその表面に形成した2本の逆方向に回転するローラーを備えるカレンダーにより好都合に実施することができる。押出物を冷却して凝固させる。押出物を凝固前(熱間切断)又は凝固後(冷間切断)に細断することもできる。
【0138】
凝固した押出物を更に粉砕、破砕又は他の方法で顆粒化することができる。凝固した押出物と生成した各顆粒は親水性ポリマーと場合により医薬として許容可能な界面活性剤から成る担体に化合物Iを分散させた固体分散体、好ましくは固溶体を含む。顆粒が界面活性剤を含有していない場合には、上記医薬として許容可能な界面活性剤を顆粒に加えてブレンドすることができる。押出物を顆粒状に粉砕又は破砕する前に他の活性成分(例えば、リトナビル)及び/又は添加剤とブレンドすることもできる。顆粒を更に加工して適切な固体経口剤形とすることができる。
【0139】
1例では、コポビドンと上記界面活性剤を混合し、顆粒化した後、アエロジルと本発明の化合物Iの結晶形を加える。混合物に更にリトナビルを加えることができる。例えば、5重量%の化合物Iを含有する混合物を次に粉砕する。次に混合物を押出し、こうして生成された押出物を粉砕し、カプセル剤又は錠剤を製造するための後続加工に備えて篩別することができる。この例で利用する界面活性剤は押出中に液体添加により加えることもできる。
【0140】
例えば、噴霧乾燥法による溶媒蒸発アプローチは必要に応じて低温で加工できるという利点があり、粉末特性を更に改善するために方法に他の変更を加えることができる。噴霧乾燥した粉末をその後、必要に応じて製剤化することができ、最終的な薬剤はカプセル剤、錠剤又は他のいずれかの固体剤形が所望されるかに関して融通性がある。
【0141】
噴霧乾燥法及び噴霧乾燥装置の例はK.Masters,SPRAY DRYING HANDBOOK(Halstead Press,New York,第4版,1985)に記載されている。本発明に適した噴霧乾燥装置の非限定的な例としては、Niro Inc.別称GEA Process Engineering Inc.、Buchi Labortechnik AG及びSpray Drying Systems,Inc.製品の噴霧乾燥機が挙げられる。噴霧乾燥法は一般に液体混合物を小液滴に分解し、液滴から溶媒を蒸発させるための強い駆動力を発生させた容器(噴霧乾燥装置)内で液滴から溶媒を迅速に除去する。霧化法としては、例えば、二流体もしくは加圧ノズル又はロータリーアトマイザーが挙げられる。溶媒を蒸発させるための強い駆動力は、例えば、乾燥中の液滴の温度で噴霧乾燥装置内の溶媒の分圧を溶媒の蒸気圧よりも十分に低く維持することにより提供することができる。これは(1)噴霧乾燥装置内の圧力を部分的減圧に維持する、(2)液滴を加温乾燥ガス(例えば、加熱した窒素)と混合する、又は(3)その両方により実施することができる。
【0142】
乾燥ガスの温度及び流速と噴霧乾燥機のデザインは液滴が装置の壁に到達する時点までに十分に乾燥されるように選択することができる。こうすると、乾燥した液滴がほぼ固体となり、微粉末を形成することができ、装置の壁に付着しにくくなる。噴霧乾燥物は手動、空気圧、機械的又は他の適切な手段により生成物を採取することにより回収することができる。好ましい乾燥レベルに到達するまでの実際の時間は液滴のサイズ、製剤及び噴霧乾燥機動作により異なる。凝固後に固体粉末を噴霧乾燥チャンバーに持続して(例えば、5~60秒間)滞留させ、固体粉末から溶媒を更に蒸発させてもよい。乾燥機から排出される際の固体分散体における最終的な溶媒含有率は最終生成物の安定性を改善するために十分低いレベルであることが好ましい。例えば、噴霧乾燥後の粉末の残留溶媒含有率は2重量%未満とすることができる。残留溶媒含有率はInternational Conference on Harmonization(ICH)Guidelinesに記載されている限度内であることが非常に好ましい。また、噴霧乾燥後の組成物を更に乾燥して残留溶媒を更に低レベルまで低下させると有用な場合もある。溶媒含有率を更に低下させる方法としては、限定されないが、流動層乾燥法、赤外線乾燥法、タンブル乾燥法、真空乾燥法及びこれらの方法と他の方法の組合せが挙げられる。
【0143】
上記固体押出物と同様に、噴霧乾燥物は上記親水性ポリマーと場合により上記医薬として許容可能な界面活性剤から成る担体に化合物Iを分散させた固体分散体、好ましくは固溶体を含む。噴霧乾燥物が界面活性剤を含有していない場合には、後続加工の前に上記医薬として許容可能な界面活性剤を噴霧乾燥物に加えてブレンドすることができる。
【0144】
噴霧乾燥機に供給する前に、本発明の化合物Iの結晶形と、上記親水性ポリマーと、他の任意活性成分又は上記医薬として許容可能な界面活性剤等の賦形剤を溶媒に溶解させることができる。適切な溶媒としては、限定されないが、アルカノール(例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール又はその混合物)、アセトン、アセトン/水、アルカノール/水混液(例えば、エタノール/水混液)又はその組合せが挙げられる。噴霧乾燥機に供給する前に溶液を予熱することもできる。多くの場合には、化合物Iの結晶形と共にリトナビルを溶解させる。
【0145】
溶融押出法、噴霧乾燥法又は他の方法により生成した固体分散体を任意の適切な固体経口剤形に製造することができる。1実施形態では、溶融押出法、噴霧乾燥法又は他の方法により製造した固体分散体(例えば、押出物又は噴霧乾燥粉末)を錠剤に圧縮することができる。固体分散体を直接圧縮することもできるし、圧縮前に顆粒又は粉末状に粉砕又は破砕することもできる。圧縮は鋼ダイを2個の可動パンチの間に挟むもの等の錠剤成型器で実施することができる。固体組成物が化合物Iと別の抗HCV剤を含有する場合には、個々の活性成分の固体分散体を別々に製造した後、場合により粉砕又は破砕した固体分散体とブレンドした後に圧縮することができる。化合物Iと別の抗HCV剤を同一の固体分散体として製造し、場合により粉砕及び/又は他の添加剤とブレンドした後、錠剤に圧縮することもできる。同様に、固体組成物が化合物Iとリトナビルを含有する場合には、個々の活性成分の固体分散体を別々に製造した後、場合により粉砕又は破砕した固体分散体とブレンドした後に圧縮することができる。化合物Iとリトナビルを同一の固体分散体として製造し、場合により粉砕及び/又は他の添加剤とブレンドした後、錠剤に圧縮することもできる。
【0146】
固体分散体を圧縮する際には流動性調節剤、滑沢剤、充填剤、崩壊剤又は可塑剤から選択されるもの等の少なくとも1種の添加剤を使用してもよい。これらの添加剤は破砕又は粉砕した固体分散体と圧縮前に混合することができる。崩壊剤は胃内で圧縮物の迅速な崩壊を促進し、ばらばらになった顆粒を相互に分離した状態に維持する。適切な崩壊剤の非限定的な例は架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムないしクロスカルメロースナトリウム等の架橋ポリマーである。適切な充填剤(増量剤とも言う。)の非限定的な例はラクトース一水和物、リン酸水素カルシウム、微結晶セルロース(例えば、アビセル)、ケイ酸塩、特に二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、タルク、ジャガイモもしくはコーンデンプン、イソマルト又はポリビニルアルコールである。適切な流動性調節剤の非限定的な例としては、高分散シリカ(例えば、アエロジル等のコロイダルシリカ)と、動物性又は植物性脂肪又はロウが挙げられる。適切な滑沢剤の非限定的な例としては、ポリエチレングリコール(例えば、分子量1000~6000)、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。
【0147】
本発明の方法により製造される固体組成物を製造する際には種々の他の添加剤も使用してもよく、例えば、アゾ染料、有機もしくは無機顔料(例えば、酸化アルミニウムや二酸化チタン)、又は天然由来の染料等の染料や、酸化防止剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤、微生物攻撃に対する安定剤等の安定剤が挙げられる。
【0148】
1実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図1に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0149】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表1に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0150】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、8.19、9.15、10.42、13.02、13.50、18.45、19.48及び20.86の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0151】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、6.92、8.19、9.15、10.12、10.42、12.30、13.02、13.50、14.77、16.20、16.97、18.12、18.45、19.48、20.86、24.24、24.79及び25.97の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0152】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.78、4.09、6.72、6.92、8.19、9.15、9.84、10.12、10.42、10.72、11.66、12.30、13.02、13.50、14.77、15.26、15.62、16.20、16.97、17.27、17.55、18.12、18.45、19.48、19.90、20.37、20.61、20.86、21.99、22.25、22.72、24.24、24.79、25.97、26.88、27.42、27.81及び30.23の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0153】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図2に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0154】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表2に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0155】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.70、7.53、10.51、11.43、11.80、15.85、17.23、19.11、21.37及び23.00の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0156】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.23、5.70、7.53、8.24、8.97、10.51、11.43、11.80、12.05、12.69、13.23、14.97、15.85、17.23、19.11、20.20、21.37、21.99、22.22及び23.00の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0157】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.23、5.70、7.53、8.24、8.97、10.51、11.43、11.80、12.05、12.69、13.23、13.99、14.97、15.85、17.23、18.45、19.11、19.76、20.20、21.37、21.99、22.22、23.00、25.17、25.43、26.73及び32.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0158】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図3に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0159】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表3に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0160】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、10.49、11.38、11.84、15.99、17.23、19.18及び21.41の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0161】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、8.21、9.40、10.49、11.38、11.84、12.04、12.67、13.24、15.99、17.23、19.18、20.15、21.41、22.10、22.53、23.02及び25.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0162】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.22、5.69、7.55、8.21、8.99、9.40、10.49、11.07、11.38、11.84、12.04、12.67、13.24、13.99、14.96、15.99、17.23、18.10、18.47、19.18、20.15、21.41、22.10、22.53、23.02、25.19、25.69、26.57、26.98、30.09及び32.45の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0163】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図4に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0164】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表4に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0165】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、10.91、12.34、12.57、13.67、13.94、17.44及び19.30の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0166】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、8.68、10.58、10.91、12.34、12.57、13.67、13.94、14.71、15.40、15.99、16.64、17.44、19.30、19.70、21.10、21.33及び21.72の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0167】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.43、6.24、7.53、8.68、9.28、10.58、10.91、11.65、12.34、12.57、13.67、13.94、14.71、15.40、15.99、16.64、17.44、19.30、19.70、21.10、21.33、21.72及び22.78の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0168】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図5に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0169】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表5に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0170】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、10.86、11.46、12.42、13.59、15.28、16.66及び19.44の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0171】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、8.75、10.86、11.08、11.46、12.42、13.59、15.28、16.26、16.66、17.25、17.87、19.44、20.80、21.13、21.39、22.15及び27.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0172】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.57、6.19、7.50、8.75、10.86、11.08、11.46、12.42、12.84、13.59、15.28、16.26、16.66、17.25、17.87、19.44、20.80、21.13、21.39、22.15、23.17、24.15及び27.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0173】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図6に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0174】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表6に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0175】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、7.33、12.01、13.13、13.35、16.54、17.96、18.26及び21.21の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0176】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、6.41、7.33、9.54、10.26、11.13、11.34、12.01、13.13、13.35、14.33、16.54、17.96、18.26、18.60、19.77、21.21、21.75及び24.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0177】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて4.35、4.68、6.41、6.92、7.33、9.25、9.54、10.26、11.13、11.34、12.01、13.13、13.35、14.33、14.65、15.36、16.54、17.96、18.26、18.60、19.05、19.77、21.21、21.75及び24.19の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0178】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図7に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0179】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表7に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0180】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.36、8.81、10.09、10.69、11.43、12.95、14.14、17.96、18.28及び22.88の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0181】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.50、5.36、8.81、10.09、10.69、11.43、12.19、12.95、14.14、14.72、15.18、17.53、17.96、18.28、18.86、21.36、22.01、22.88、26.54及び28.04の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0182】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて3.50、4.61、5.36、5.79、7.61、8.81、10.09、10.69、11.43、12.19、12.95、14.14、14.72、15.18、15.64、16.87、17.53、17.96、18.28、18.86、19.76、21.36、22.01、22.88、24.42、25.20、26.54、28.04及び28.65の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0183】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図8に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0184】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表8に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0185】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、10.81、12.05、13.47、13.68、17.68、19.02、19.48、21.73及び25.53の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0186】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、7.82、10.27、10.81、12.05、13.47、13.68、14.95、16.81、17.68、19.02、19.48、20.36、21.73、22.24、23.48、25.53、26.93、32.01及び33.12の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0187】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.08、7.82、10.27、10.81、11.11、12.05、13.47、13.68、14.95、15.57、16.28、16.81、17.68、19.02、19.48、20.36、21.73、22.24、23.48、24.16、25.53、26.93、28.26、30.41、31.07、32.01、33.12及び35.04の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0188】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図9に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0189】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表9に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0190】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、19.71、21.30及び22.88の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0191】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0192】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.31、10.16、10.62、11.11、12.60、13.75、15.29、15.96、17.62、18.19、19.16、19.71、20.58、21.30、22.40、22.88、23.66、26.40、26.74、28.12、31.62及び33.46の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0193】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて図10に示すような特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0194】
更に別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて表10に示すような2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0195】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて7.42、10.57、11.84、13.74、15.72、17.36、19.38、21.34、22.07及び23.36の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0196】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.28、5.65、7.42、9.26、10.57、10.90、11.31、11.84、12.15、12.73、13.74、15.72、17.36、18.04、19.38、21.34、22.07、22.90、23.36及び26.49の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0197】
別の実施形態によると、(任意態様、実施形態、実施例又は好適例に記載する任意方法を含めた)上記本発明の方法は粉末のX線回折(PXRD)パターンにおいて5.28、5.65、7.42、8.02、8.94、9.26、10.57、10.90、11.31、11.84、12.15、12.73、13.14、13.74、14.78、15.72、16.32、16.95、17.36、18.04、18.81、19.38、21.34、22.07、22.90、23.36、24.50、25.13、25.59、26.49、32.24及び32.93の2θ(2θ°)値に特徴的ピークを有する実質的に純粋な化合物Iの結晶形を使用する。例えば、使用する結晶形は少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも97%とすることができる。
【0198】
更に別の態様によると、本発明は本発明の化合物Iの結晶形を含有する組成物に関する。本発明の組成物を製造するには、(任意の態様、実施形態又は実施例に記載する任意の結晶形を含めて)本願に記載する任意の結晶形を使用することができる。前記結晶形は実質的に純粋であることが好ましく、例えば、少なくとも純度90%、好ましくは少なくとも純度95%、又はより好ましくは少なくとも純度97%である。1実施形態によると、本発明の組成物は少なくとも5重量%の本発明の実質的に純粋な結晶形を含有する。別の実施形態によると、本発明の組成物は少なくとも10重量%の本発明の実質的に純粋な結晶形を含有する。更に別の実施形態によると、本発明の組成物は少なくとも5重量%の本発明の1種以上の結晶形を含有する。更に別の実施形態によると、本発明の組成物は少なくとも10重量%の本発明の1種以上の結晶形を含有する。
【実施例0199】
[実施例1].n-ブチルアミン-HO溶媒和物(化合物IパターンA)の製造
非晶質の化合物Iを周囲温度のn-ブチルアミンに懸濁させた。結晶化後に固体を単離し、特性決定前に短時間周囲条件下で放置した。
【0200】
単結晶XRDにより結晶構造を解析した。非対称単位にはn-ブチルアミン4分子と、水2分子と、化合物Iの-2分子が含まれる。実験的に粉末のX線回折パターン(PXRD)を図1に示す。実験的PXRDパターンのピーク一覧を相対強度と共に表1に示す。
【0201】
他の溶媒(例えば、プロピルアミン/H2O、アミルアミン、n-ヘキシルアミン、sec-ブチルアミン/H2O、イソブチルアミン/H2O、n-ブタノール/ヘプタン、2-ブタノール/ヘプタン、n-ペンタノール/ヘプタン、EtOH/ペンタン及びn-プロパノール/ペンタン)から非常によく似た実験的PXRDパターンを示す複数の同一構造の結晶形が得られた。これらの結晶形をそのPXRDパターンに基づいて「パターンA」ないし「フォームI」と呼ぶ。
【0202】
化合物Iは当初は初期開発過程で非常に結晶しにくいことが判明した。検討した多数の全溶媒系のうち、n-アルキルアミン(炭素数4~6)のみで顕著な結晶化が得られることが意外にも判明した。
【0203】
【表1】
【0204】
[実施例2].MEK/ヘプタンから単離された化合物IパターンB
非晶質の化合物Iを周囲温度のメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、ヘプタンを加えた。フォームI(n-ブチルアミン-H2O溶媒和物)とアルキルアミンから単離された他のパターンA形態を含めて化合物Iの種々の結晶固体から種結晶混合物を調製した。結晶化後に固体を単離し、特性決定前に短時間周囲条件下で放置した。
【0205】
粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図2及び表2に示す。
【0206】
【表2】
【0207】
[実施例3].MeOH/ジエチルエーテルから単離された化合物IパターンB
非晶質の化合物Iを周囲温度のメタノールに溶解させ、ジエチルエーテルを加えた。パターンB種結晶を溶液に加えた。結晶化後に固体を単離し、特性決定前に短時間周囲条件下で放置した。
【0208】
粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図3及び表3に示す。
【0209】
【表3】
【0210】
>15種の溶媒系から同様のPXRDパターンをもつ複数の他の同一構造のパターンB溶媒和物も得られた。
【0211】
[実施例4].化合物1の無水物(パターンC)
メタノールとジエチルエーテルから単離された化合物IパターンB溶媒和物を50℃で2週間減圧乾燥した。固体を特性決定前に短時間平衡化させた。粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図4及び表4に示す。
【0212】
【表4】
【0213】
[実施例5]:化合物IのMTBE溶媒和物(パターンC)
化合物IパターンBのMTBE溶媒和物を70℃で2日間減圧乾燥した。固体を特性決定前に短時間平衡化させた。粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図5及び表5に示す。
【0214】
【表5】
【0215】
[実施例6].パターンD
化合物IパターンBのMTBE溶媒和物とパターンCのMTBE溶媒和物を加え、周囲温度の20重量%エタノール水溶液に約3週間懸濁させた。まだ湿潤中に固体をPXRDにより解析した。粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図6及び表6に示す。
【0216】
【表6】
【0217】
[実施例7].化合物Iの水和物(パターンE)
化合物IパターンDを約2時間風乾した。粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図7及び表7に示す。
【0218】
【表7】
【0219】
[実施例8].化合物IのACN溶媒和物(パターンFないしフォームII)
化合物IパターンBのMTBE溶媒和物を周囲温度のアセトニトリルに4日間懸濁させた。まだ湿潤中に固体をPXRDにより解析した。粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図8及び表8に示す。
【0220】
【表8】
【0221】
[実施例9].化合物IのACN溶媒和物(パターンFないしフォームII)
化合物Iを40℃のアセトニトリルに溶解させた。ジ-n-ブチルエーテルを加えて60%ジ-n-ブチルエーテル/アセトニトリル組成物を調製し、溶液にフォームIIIを種結晶添加した。83%ジ-n-ブチルエーテル/アセトニトリルの組成となるように混合物にジ-n-ブチルエーテルを加え、25℃まで冷却した。まだ湿潤中に固体をPXRDにより解析した。
【0222】
[実施例10].化合物Iの無水物(パターンGないしフォームIII)
化合物IのACN溶媒和物(フォームII)を周囲温度で数分間風乾した。粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図9及び表9に示す。
【0223】
【表9】
【0224】
[実施例11].化合物Iのジ-n-ブチルエーテル溶媒和物(パターンH)
化合物IパターンG(フォームIII)とパターンCの固体を~1:1の比で25℃のジ-n-ブチルエーテルに約3カ月間懸濁させた。周囲温度で短時間平衡化後に固体をPXRDにより解析した。粉末のX線回折パターン及びピーク一覧と相対強度を夫々図10及び表10に示す。
【0225】
【表10】
【0226】
以上の本発明の記載は例証と説明を提供するものであり、網羅的な意図はなく、あるいは開示している特定の発明に本発明を制限する意図もない。上記教示に鑑みて変更及び変形が可能であり、あるいは本発明の実施により変更及び変形を習得することもできる。従って、当然のことながら、本発明の範囲は特許請求の範囲とその等価物により規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10