(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133485
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】携帯型認証装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/35 20130101AFI20220907BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20220907BHJP
G06K 19/073 20060101ALI20220907BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20220907BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20220907BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20220907BHJP
【FI】
G06F21/35
G06F21/32
G06K19/073 054
G06K19/07 230
G06K19/07 090
G06K19/07 180
G06K19/07 170
G06K19/06 037
G06K19/06 112
A61B5/1172
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019137338
(22)【出願日】2019-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(72)【発明者】
【氏名】今堀 賢一
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】樫 俊太郎
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038FF01
4C038FG01
4C038VA07
4C038VB13
4C038VC01
4C038VC05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単に使用でき、複数のセキュリティ・レベルに対応した携帯型認証装置を提供する。
【解決手段】電子社員証100は、カードサイズの大きさを有し、厚さ数mm以下の筐体部の内部に所定の電子部品が内蔵された電子機器である。電子社員証100は、認証情報取得部である指紋情報取得部101、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部であるBLE通信部102、近接場通信部であるNFC通信部103、電子ペーパー部104、操作部105、歪検出部である圧電フィルムセンサ部106、加速度検出部である加速度センサ部107、電源部108、制御部109及び筐体部を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
パーソナル・エリア・ネットワークを介して無線通信する無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部、
前記認証情報取得部が前記取得認証情報を取得しようとすると、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を前記無線通信が可能な状態とし、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を用いて、前記認証結果情報を送信する制御部、
前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、
を有する携帯型認証装置。
【請求項2】
請求項1に係る携帯型認証装置において、
前記制御部は、
前記認証情報取得部が前記取得認証情報を取得しようとすると、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を前記無線通信が可能な状態とすること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に係る携帯型認証装置において、
前記制御部は、
前記認証情報取得部が、前記認証情報を取得すると判断すると、前記電源部を介して、少なくとも前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部へ、前記無線通信に必要な前記電力を供給すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに係る携帯型認証装置において、
前記認証情報取得部は、
前記認証情報として指紋情報を取得する指紋センサであること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかに係る携帯型認証装置において、
前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部は、
省電力無線を用いて無線通信すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに係る携帯型認証装置において、さらに、
近接場通信(Near Field Communication)を介して発生する誘導電流によって無線通信可能な状態とする近接場通信部、
を有し、
前記制御部は、
前記認証情報取得部が前記取得認証情報を取得すると、前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、前記近接場通信部へ送信し、
前記近接場通信部は、
前記認証結果情報を取得し、前記近接場通信を介して発生する前記誘導電流によって無線通信可能な状態となると、前記認証結果情報を送信すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項7】
請求項6に係る携帯型認証装置において、
前記近接場通信部は、
前記携帯型認証装置を一意に特定する特定情報を、前記近接場通信を介して発生する前記誘導電流によって無線通信可能な状態となると、前記特定情報を送信すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に係る携帯型認証装置において、
前記近接場通信部は、
前記近接場通信により発生する前記誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれかに係る携帯型認証装置において、
前記制御部は、
充電専用の電磁誘導コイルにより発生する誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれかに係る携帯型認証装置において、さらに、
前記携帯型認証装置の物理的歪みを検出する歪検出部、
を有する携帯型認証装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれかに係る携帯型認証装置において、さらに、
前記携帯型認証装置に生ずる加速度を検出する加速度検出部、
を有する携帯型認証装置。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれかに係る携帯型認証装置において、さらに、
外部からの操作入力を取得すると操作部、
を有する携帯型認証装置。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれかに係る携帯型認証装置において、さらに、
少なくとも、温度、湿度、気圧、及び、周囲の明るさのいずれか一つを検出する環境状態検出部、
を有する携帯型認証装置。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれかに係る携帯型認証装置において、さらに、
低消費電力で所定の内容を表示する低消費電力表示部、
を有する携帯型認証装置。
【請求項15】
請求項14に係る携帯型認証装置において、
前記制御部は、
前記低消費電力表示部に所定の2次元バーコードを表示すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項16】
請求項14、及び、請求項15に係る携帯型認証装置において、
前記低消費電力表示部は、
表示された前記内容を保持する際には電力を要せず、表示された前記内容を書き換える際に電力を有する電子ペーパーであること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項17】
請求項1~請求項16のいずれかに係る携帯型認証装置において、
前記制御部は、
通常時、前記各部に対して、前記各部が遅滞なく動作できるために要する前記電力のみを供給すること、
を特徴とする携帯型認証装置。
【請求項18】
使用者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、及び、パーソナル・エリア・ネットワークを介して無線通信する無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を有するコンピュータを携帯型認証装置として機能させる認証プログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記認証情報取得部が前記取得認証情報を取得すると、前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を前記無線通信が可能な状態とし、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を用いて、前記認証結果情報を送信する制御部、
として機能させる認証プログラム。
【請求項19】
コンピュータを用いて、使用者を認証する認証方法であって、
前記コンピュータは、前記使用者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部が前記取得認証情報を取得すると、前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、
前記コンピュータは、パーソナル・エリア・ネットワークを介して無線通信する無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を前記無線通信が可能な状態とし、
前記コンピュータは、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を用いて、前記認証結果情報を送信すること、
を特徴とする認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型認証装置に関し、特に、複数のセキュリティ・レベルに対応した認証処理を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型認証装置について、
図14に示す電池式カード200を用いて説明する。薄く柔軟なプラスチック、カードボードストック、紙、あるいは他の材料で作られた基板204が提供され、識別および/あるいは美的目的のためにその上にグラフィック表示205が印刷されてもよい。表示205はカードの発行者および金融取引が目的であることを示す。
【0003】
カード200を用いるために、ユーザーはコンピュータ端末を有する投票ブース、バンクキオスク、あるいは他の指定の場所にカード200を持参してもよい。ユーザーは、次にボタン210を押すだけでカードの回路を起動することができる。埋め込まれたバイオメトリックセンサー224でユーザーの指紋を認証することによって、カードの回路を起動してもよい。次に、カード200の内部トークン値ジェネレータにより生成されたトークン値222を提供するよう、回路がディスプレイデバイス216を照明することもできる。ユーザーは数値222をコンピュータ端末に入力し、バックエンドトークン値オーセンチケータがユーザーを認証するか判定する。一旦認証されたならば、たとえば投票の場合、コンピュータ端末は次に投票ソフトウェアを実行し、既知の方法に従って投票者と対話して投票者の選挙選択を記録する。金融取引の場合、コンピュータ端末は、次にソフトウェアを実行してユーザーと対話し、ユーザーに金融情報および取引へのアクセスを提供する。
【0004】
さらに、バイオメトリックセンサー224をトークン値ジェネレータと組み合わせて、あるいはこれと独立して認証のために用いてもよい。この方法においては、登録プロセス中にユーザーの指紋スキャンの記録を入手し、バックエンド保護認証システムに保存してもよい。次に、たとえば、ユーザーが投票あるいは金融カード200の使用を試みるとき、静的識別子(例:PINあるいはカードのシリアルナンバー)を投票あるいは金融端末に入力してもよい。次に、指紋スキャンを端末に入力してもよく、これはその後で認証用の登録ユーザーの保存記録と比較するために、バックエンドシステムに受信される。指紋スキャンは、ブルートゥース(商標)、RF、NFCなどのワイヤレスシグナルによって、カード200に配置された送信器および端末に設置された受信器を経て、カードから端末に送信される。
【0005】
指紋スキャン認証は単独の認証方法として遂行してもよく、あるいは、本明細書に記載のトークン値認証などの、他の何らかの認証方法と組み合わせて用いてもよい。他の実施形態においては、指紋スキャンは静的識別子として用いられ、且つ認証プロセスは、本明細書に記載のトークン値認証プロセスを利用する二次レベルの認証を含む。さらに他の実施形態においては、バイオメトリック指紋センサー224はカード200内の回路の起動のみを目的として用いられ、認証のためにバックエンドシステムに送信されることはない。
【0006】
さらにバックエンド認証は、個別の投票カードに関連付けられた投票者が一旦その選挙選択を記録したならば、オーセンチケータはその後の全ての試行においてそのユーザーを認証しないようプログラムされるよう、タリー装置と共に提供される。タリー装置は、投票カード200が使用される1つあるいは複数の選挙の構成に応じて、あらゆる回数の認証を許可するようプログラムすることができる(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の電池式カード200には、以下に示すような改善すべき点がある。電池式カード200では、バイオメトリックセンサー224を介して取得した指紋スキャンは、ブルートゥース(商標)、RF、NFCなどのワイヤレスシグナルによって、カード200に配置された送信器および端末に設置された受信器を経て、カードから端末に送信される。つまり、電池式カード200では、電池式カード200を所定の場所から取り出す、手に持ってかざすといった動作が必要になり、両手が塞がっている場合等、状況によっては使用が難しい、という改善すべき点がある。
【0009】
また、つまり、電池式カード200では、指紋による認証のみを実行でき、他の認証方法を選択することができない、という改善すべき点がある。
【0010】
そこで、本発明は、簡単に使用でき、複数のセキュリティ・レベルに対応した携帯型認証装置を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0012】
本発明に係る携帯型認証装置は、使用者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、パーソナル・エリア・ネットワークを介して無線通信する無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部、前記認証情報取得部が前記取得認証情報を取得しようとすると、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を前記無線通信が可能な状態とし、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を用いて、前記認証結果情報を送信する制御部、前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、を有する。
【0013】
これにより、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、携帯型認証装置を体に保持しておくだけで、他の操作を必要としない。つまり、使用者に負担をかけることなく、簡単に、使用者認証できる。
【0014】
また、使用者の認証情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【0015】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記制御部は、前記認証情報取得部が、前記認証情報を取得すると判断すると、前記電源部を介して、少なくとも前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部へ、前記無線通信に必要な前記電力を供給すること、を特徴とする。
【0016】
これにより、複数のセキュリティ・レベルでの使用者を認証できる。
【0017】
これにより、使用者が認証情報取得部に触れた場合に、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部に電力が供給される。つまり、必要な時のみ電力を供給するので、電力消費を抑えることができ、ひいては、携帯型認証装置を長く動作させることができる。
【0018】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記認証情報取得部は、前記認証情報として指紋情報を取得する指紋センサであること、を特徴とする。
【0019】
これにより、指紋情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【0020】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部は、省電力無線を用いて無線通信すること、を特徴とする。
【0021】
これにより、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信での電力消費を抑えることができ、ひいては、携帯型認証装置を長く動作させることができる。
【0022】
本発明に係る携帯型認証装置では、さらに、近接場通信(Near Field Communication)を介して発生する誘導電流によって無線通信可能な状態とする近接場通信部、を有し、前記制御部は、前記認証情報取得部が前記取得認証情報を取得すると、前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、前記近接場通信部へ送信し、前記近接場通信部は、前記認証結果情報を取得し、前記近接場通信を介して発生する前記誘導電流によって無線通信可能な状態となると、前記認証結果情報を送信すること、を特徴とする。
【0023】
これにより、複数のセキュリティ・レベルでの使用者を認証できる。
【0024】
また、使用者の認証情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【0025】
さらに、近接場通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、携帯型認証装置を所定のリーダー/ライターにかざすだけで、簡単に、使用者認証できる。
【0026】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記近接場通信部は、前記携帯型認証装置を一意に特定する特定情報を、前記近接場通信を介して発生する前記誘導電流によって無線通信可能な状態となると、前記特定情報を送信すること、を特徴とする。
【0027】
これにより、携帯型認証装置の電源部から電力の供給なしに、使用者を認証できる。よって、携帯型認証装置を長く動作させることができる。
【0028】
また、近接場通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、携帯型認証装置を所定のリーダー/ライターにかざすだけで、簡単に、使用者認証できる。
【0029】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記近接場通信部は、前記近接場通信により発生する前記誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、を特徴とする。
【0030】
これにより、近接場無線通信部を配置するだけで、近接場通信により電源部を充電でき、携帯型認証装置を長く動作させることができる。
【0031】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記制御部は、充電専用の電磁誘導コイルにより発生する誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、を特徴とする。
【0032】
これにより、近接場通信により電源部を充電できるので、携帯型認証装置を長く動作させることができる。
【0033】
本発明に係る携帯型認証装置では、さらに、前記携帯型認証装置の物理的歪みを検出する歪検出部、を有する。
【0034】
これにより、使用者が筐体を手で保持する等、筐体部に所定の歪が生ずると、使用者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0035】
本発明に係る携帯型認証装置では、さらに、前記携帯型認証装置に生ずる加速度を検出する加速度検出部、を有する。
【0036】
これにより、使用者が筐体を手で保持する等、所定の加速度が生ずると、使用者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0037】
本発明に係る携帯型認証装置では、さらに、外部からの操作入力を取得すると操作部、を有する。
【0038】
これにより、使用者が操作部を操作したときのみに、使用者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0039】
本発明に係る携帯型認証装置では、さらに、少なくとも、温度、湿度、気圧、及び、周囲の明るさのいずれか一つを検出する環境状態検出部、を有する。
【0040】
これにより、使用者が置かれた環境状態を検知することができる。また、環境状態に応じて警告を表示する等によって、使用者に自身が置かれた環境を知らせることができる。
【0041】
本発明に係る携帯型認証装置では、さらに、低消費電力で所定の内容を表示する低消費電力表示部、を有する。
【0042】
これにより、低消費電力で、所定の内容を表示できる。
【0043】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記制御部は、前記低消費電力表示部に所定の2次元バーコードを表示すること、を特徴とする。
【0044】
これにより、低消費電力で、所定の内容を示す2次元バーコードを表示できる。
【0045】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記低消費電力表示部は、表示された前記内容を保持する際には電力を要せず、表示された前記内容を書き換える際に電力を有する電子ペーパーであること、を特徴とする。
【0046】
これにより、低消費電力で動作する電子ペーパーを用いて、所定の内容を表示できる。
【0047】
本発明に係る携帯型認証装置では、前記制御部は、通常時、前記各部に対して、前記各部が遅滞なく動作できるために要する前記電力のみを供給すること、を特徴とする。
【0048】
これにより、最低限の消費電力で動作させることができるので、携帯型認証装置を長く動作させることができる。
【0049】
本発明に係る認証プログラムは、使用者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、及び、パーソナル・エリア・ネットワークを介して無線通信する無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を有するコンピュータを携帯型認証装置として機能させる認証プログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、前記認証情報取得部が前記取得認証情報を取得すると、前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を前記無線通信が可能な状態とし、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を用いて、前記認証結果情報を送信する制御部、として機能させる。
【0050】
これにより、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、携帯型認証装置を体に保持しておくだけで、他の操作を必要としない。つまり、使用者に負担をかけることなく、簡単に、使用者認証できる。
【0051】
また、使用者の認証情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【0052】
本発明に係る認証方法は、コンピュータを用いて、使用者を認証する認証方法であって、前記コンピュータは、前記使用者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部が前記取得認証情報を取得すると、前記取得認証情報を用いて前記使用者を認証した結果を示す認証結果情報を生成し、前記コンピュータは、パーソナル・エリア・ネットワークを介して無線通信する無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を前記無線通信が可能な状態とし、前記コンピュータは、前記無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部を用いて、前記認証結果情報を送信すること、を特徴とする。
【0053】
これにより、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、携帯型認証装置を体に保持しておくだけで、他の操作を必要としない。つまり、使用者に負担をかけることなく、簡単に、使用者認証できる。
【0054】
また、使用者の認証情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明に係る携帯型認証装置の一実施例である電子社員証100を示す図である。
【
図2】電子社員証100を分解した状態を示す図である。
【
図3】NFC通信部103のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】制御部109のハードウェア構成を示す図である。
【
図6】BLE通信指紋認証処理を示すフローチャートである。
【
図7】NFC通信認証処理を示すフローチャートである。
【
図8】BLE通信認証処理を示すフローチャートである。
【
図10】本発明に係る携帯型認証装置の一実施例である電子社員証200を分解した状態を示す図である。
【
図11】NFC通信部203のハードウェア構成を示す図である。
【
図12】制御部109のハードウェア構成を示す図である。
【
図13】NFC通信指紋認証処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0057】
本発明に係る携帯型認証装置について、一実施例である電子社員証100を例に説明する。電子社員証100は、使用者が携帯し、所定領域の通行、所定物の使用等に対する資格を確認するための装置である。
【0058】
第1 電子社員証100の構成
電子社員証100の外観について、
図1を用いて説明する。電子社員証100は、カードサイズの大きさを有し、厚さ数mm以下の筐体部110の内部に所定の電子部品が内蔵された電子機器である。電子社員証100は、筐体部110の表面に、使用者の指紋を取得する指紋情報取得部101、使用者からの操作を受け付ける操作部105、及び、所定の情報、例えば、社員番号や顔写真を表示する電子ペーパー部104が配置される。
【0059】
電子社員証100の内部構成について、
図2を用いて説明する。電子社員証100は、認証情報取得部である指紋情報取得部101、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部であるBLE(Bluetooth Low Energy)通信部102、近接場通信部であるNFC(Near Field Communication)通信部103、電子ペーパー部104、操作部105、歪検出部である圧電フィルムセンサ部106、加速度検出部である加速度センサ部107、電源部108、制御部109、及び、筐体部110を有している。
【0060】
指紋情報取得部101は、使用者の指紋を認証情報である指紋情報として取得する。指紋情報取得部101は、いわゆる面型の指紋センサである。
【0061】
BLE通信部102は、BLEを通信プロトコルとして用いて、対応するBLE通信部と省電力で無線通信する。なお、BLE通信部102については、使用前に、対応する他のBLE通信部とのペアリング処理を完了しておく。なお、BLEは、パーソナル・エリア・ネットワークにおける無線通信技術の一つであるBluetoothの一部に相当する(ブルートゥース、Bluetoothは登録商標)。
【0062】
NFC通信部103は、NFC通信規格に基づいて、対応するNFCリーダー/ライターと無線通信する。NFC通信部103は、NFCリーダー/ライターが発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
【0063】
NFC通信部103のハードウェア構成について
図3を用いて説明する。NFC通信部103は、通信制御部103a、セキュア記憶部103b、コイル部103c、及び、電流制御部103dを有している。通信制御部103aは、誘導電流により生ずる誘導電力を用いて、NFCリーダー/ライターとの間で無線通信する。セキュア記憶部103bは、NFC通信部103を一意に特定するNFC特定情報を記憶保持している。コイル部103cには、NFCリーダー/ライターが発生する磁界により誘導電流が発生する。電流制御部103dは、NFCリーダー/ライターと無線通信する際に生じた誘導電流のうち、NFCリーダー/ライターとの無線通信に利用されなかった余剰電力を電源部108に供給し、電源部108を充電する。なお、NFC通信部103は、制御部109との間で情報を送受信せず、制御部109とは独立して存在する(
図4参照)。
【0064】
電子ペーパー部104は、電子ペーパーを用いて所定の情報を表示する。なお、電子ペーパーとは紙と同程度の薄さや視認性を備えた表示メディアで、表示内容を書き換えられるものである。操作部105は、外部からの操作を操作情報として取得するボタンである。
【0065】
圧電フィルムセンサ部106は、薄い高分子フィルムである圧電体に加えられた力を電圧に変換する阻止である。圧電フィルムセンサ部106は、筐体部110に生じた歪みを検出する。加速度センサ部107は、3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ部107は、電子社員証100に生じた振動や衝撃を検出する。
【0066】
電源部108は、指紋情報取得部101、BLE通信部102、NFC通信部103、電子ペーパー部104、操作部105、圧電フィルムセンサ部106、加速度センサ部107、及び、制御部109に、所定の電力を供給する。電源部108には、例えば、充電可能な薄型のリチウムオン電池を用いる。
【0067】
制御部109は、電子社員証100の各構成要素の動作を制御する。制御部109のハードウェア構成について
図4を用いて説明する。制御部109は、CPU109a、メモリ109b、及び、インターフェイス部109cを有している。
【0068】
CPU109aは、メモリ109bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、電子社員証制御プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ109bは、CPU109aに対して作業領域を提供する。メモリ109bは、OS、電子社員証制御プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。また、メモリ109bは、電子社員証100に関連づけられる使用者の基準となる指紋パターンを認証指紋情報として記憶保持する。
【0069】
インターフェイス部109cは、接続線を介して、指紋情報取得部101、BLE通信部102、電子ペーパー部104、操作部105、圧電フィルムセンサ部106、加速度センサ部107、及び、電源部108と接続される。CPU109aは、インターフェイス部109cを介して接続された各構成要素の動作を制御する。
【0070】
筐体部110は、電子社員証100を構成する各構成部品を内部に収容する。筐体部110は、厚さ3.5mm程度の角柱形状を有している。筐体部110は、上側筐体部110t、及び、下側筐体部110bを有している。
【0071】
図5に示すように、上側筐体部110tは、表面に、指紋情報取得部用開口A101、電子ペーパー部用開口A104、及び、操作部用開口A105を有している。指紋情報取得部用開口A101に合わせて指紋情報取得部101が、電子ペーパー部用開口A104に合わせて電子ペーパー部104が、操作部用開口A105に合わせて操作部105が、それぞれ配置される(
図1参照)。
【0072】
第2 電子社員証100の動作
電子社員証100の制御部109のCPU109aは、社員証制御プログラムに基づき、電力管理をしながら電子社員証100の使用者を認証する使用者認証処理、及び、電源部108を充電する充電処理を実行する。
【0073】
電子社員証100では、電源ON状態において、外部からの入力を取得する指紋情報取得部101、操作部105、圧電フィルムセンサ部106、及び、加速度センサ部107以外の構成要素については、基本的に、電源部108から必要最低限の電力のみが供給される待機状態、いわゆるスリープ状態にある。これにより、電源部108の電力消費を最低限にし、電子社員証100の動作時間を長くする。
【0074】
NFC通信部103は、外部のNFCリーダー/ライターが発生する磁界によって生ずる誘導電流によって動作するため、電源部108から電力供給を受けていない。NFC通信部103の通信制御部103aは、誘導電流を用いて、電子社員証100の使用者を認証する使用者認証処理を実行する。
【0075】
1.使用者認証処理
電子社員証100において実行される使用者認証処理は、BLE通信指紋認証処理、NFC通信認証処理、及び、BLE通信認証処理を有している。BLE通信指紋認証処理、NFC通信認証処理、及び、BLE通信認証処理について、以下において、
図6~
図8に示すフローチャートを用いて説明する。
(1)BLE通信指紋認証処理
制御部109のCPU109aは、BLE通信用のゲートを通過しようとする等、BLE通信を介した使用者認証を実施する際に、BLE通信を用いて使用者を指紋情報により認証するBLE通信指紋認証処理を実施する。BLE通信指紋認証処理は、電子社員証100の使用者が、指紋情報取得部101に触れることによって開始される。
【0076】
図6に示すように、制御部109のCPU109aは、指紋情報取得部101に人の接触があったと判断すると(S601)、自身も含めBLE通信部102等、必要な構成要素への電源供給を開始する(S603)。CPU109aは、指紋情報取得部101が指紋情報を取得すると(S605)、メモリ109bから認証指紋情報を取得する(S607)。CPU109aは、指紋情報取得部101から取得した指紋情報である取得指紋情報と認証指紋情報とが等しいか否かを判断する(S609)。
【0077】
CPU109aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しいと判断すると、使用者が認証済であることを示す認証結果情報を生成する(S611)。一方、CPU109aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しくないと判断すると、使用者が未認証であることを示す認証結果情報を生成する(S613)。
【0078】
CPU109aは、BLE通信部102と対応する他のBLE通信部との間でペアリングを確立する(S615)。CPU109aは、ペアリングが確立できたと判断すると、BLE通信部102を介して、生成した認証結果情報を送信する(S617)。
【0079】
CPU109aは、所定時間経過後(S619)、BLE通信部102と対応する他のBLE通信部との間で確立したペアリングを解消する(S621)。その後、CPU109aは、BLE通信部102等、他の構成要素を含め待機状態とする(S623)。
【0080】
これにより、電子社員証100ではBLE通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、電子社員証100を体に保持しておくだけで、他の操作を必要としない。つまり、使用者に負担をかけることなく、簡単に、使用者認証できる。
【0081】
また、指紋情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【0082】
さらに、BLE通信指紋認証処理では、使用者が指紋情報取得部101に触れるといった、認証を開始しようとする意思表示があった場合のみ、BLE通信部102等、必要な構成要素に電力が供給される。つまり、必要な時のみ電力を供給するので、電力消費を抑えることができ、ひいては、電子社員証100を長く動作させることができる。
【0083】
(2)NFC通信認証処理
NFC通信部103の通信制御部103aは、NFC通信用のゲートを通過しようとする等、NFC通信を介した使用者認証を実施する際に、NFC通信を用いて使用者を認証するNFC通信認証処理を実施する。NFC通信認証処理は、電子社員証100の使用者が、電子社員証100を、ゲートに設置されているNFCリーダー/ライターにかざすことによって開始される。
【0084】
図7に示すように、NFC通信部103の通信制御部103aは、コイル部103cに誘導電流が発生したと判断すると(S701)、セキュア記憶部103bからNFC特定情報を取得し(S703)、対応するNFCリーダー/ライターに、NFC特定情報を送信する(S705)。
【0085】
このように、NFC通信認証処理では、電子社員証100の電源部108から電力の供給を受けない。よって、電子社員証100を長く動作させることができる。
【0086】
また、電子社員証100ではNFC通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、電子社員証100を所定のNFCリーダー/ライターにかざすだけで、簡単に、使用者認証できる。
【0087】
(3)BLE通信認証処理
制御部109のCPU109aは、BLE通信用のゲートを通過しようとする等、BLE通信を介した使用者認証を実施する際に、BLE通信を用いて使用者認証するBLE通信認証処理を実施する。BLE通信認証処理は、電子社員証100の使用者が、指紋情報取得部101に触れることによって開始される。
【0088】
図8に示すように、制御部109のCPU109aは、指紋情報取得部101に人の接触があったと判断すると(S801)、自身も含めBLE通信部102等、必要な構成要素への電源供給を開始する(S803)。CPU109aは、BLE通信部102と対応する他のBLE通信部との間でペアリングを確立する(S805)。なお、CPU109a、及び、対応するBLE通信部を有するゲートは、ペアリングが確立できたと判断すると、使用者を認証できたと判断する。
【0089】
CPU109aは、所定時間経過後(S807)、BLE通信部102と対応する他のBLE通信部との間で確立したペアリングを解消する(S809)。その後、CPU109aは、BLE通信部102等、他の構成要素を含め待機状態とする(S811)。
【0090】
このように、電子社員証100ではBLE通信の確立により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、電子社員証100を体に保持しておくだけで、その他の操作を必要としない。つまり、使用者に負担をかけることなく、簡単に、使用者認証できる。
【0091】
2.充電処理
電子社員証100において実行される充電処理について、以下において、
図9に示すフローチャートを用いて説明する。電源部108に対する充電処理は、NFC通信用のゲートを通過しようとする等、NFC通信を介した使用者認証を実施する際に、使用者認証に加えて、実施される。
【0092】
NFC通信部103の電流制御部103dは、コイル部103cに誘導電流が発生したと判断すると(S901)、通信制御部103aにNFC通信に必要な電力を供給できるように、通信制御部103aに供給する電流を調整する(S903)。また、電流制御部103dは、コイル部103cに発生した誘導電流のうち、NFC通信に利用しなかった余剰電力を電源部108へ供給し、電源部108を充電する(S905)。
【0093】
このように、電子社員証100では、NFC通信により電源部108を充電できるので、電子社員証100を長く動作させることができる。
【0094】
第3 電子社員証100を用いた認証システムの構築
電子社員証100を利用することによって、複数のセキュリティ・レベルを有する認証システムを簡単に構築できる。例えば、電子社員証100を用いたゲートの通行処理において、BLE通信指紋認証処理とNFC通信認証処理とを用いた重複認証が可能となる。また、BLE通信指紋認証処理のみを用いた認証が可能となる。さらに、NFC通信認証処理とBLE通信認証処理を用いた重複認証が可能となる。さらに、NFC通信認証処理のみ、BLE通信認証処理のみを用いた認証が可能となる。なお、セキュリティ・レベルについては、一般的に、先に記載した認証処理が高くなる。
【0095】
なお、どの場所にどの認証システムを構築するかについては、その場所に設定するセキュリティ・レベルに応じて決定する。
前述の電子社員証100においては、NFC通信部103は、制御部109とは接続せず、制御部109とは独立して動作していた。一方、本実施例に係る電子社員証200では、NFC通信部203は、制御部209と接続し、所定の情報を送受信する。以下においては、実施例1と同様の構成については、実施例1と同符号を付し、詳細な記述を省略する。
NFC通信部203は、NFC通信規格に基づいて、対応するNFCリーダー/ライターと無線通信する。NFC通信部203は、NFCリーダー/ライターが発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
インターフェイス部209cは、接続線を介して、指紋情報取得部101、BLE通信部102、NFC通信部103、電子ペーパー部104、操作部105、圧電フィルムセンサ部106、加速度センサ部107、及び、電源部108と接続される。CPU109aは、インターフェイス部109cを介して接続された各構成要素の動作を制御する。
電子社員証200では、電源ON状態において、外部からの入力を取得する指紋情報取得部101、操作部105、圧電フィルムセンサ部106、及び、加速度センサ部107以外の構成要素については、基本的に、電源部108から必要最低限の電力のみが供給される待機状態、いわゆるスリープ状態にある。これにより、電源部108の電力消費を最低限にし、電子社員証200の動作時間を長くする。
なお、NFC通信部203については、外部のNFCリーダー/ライターが発生する磁界によって生ずる誘導電流によって動作するため、電源部108から電力供給を受けていない。
CPU109aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しいと判断すると、使用者が認証済であることを示す認証結果情報を生成する(S611)。一方、CPU109aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しくないと判断すると、使用者が未認証であることを示す認証結果情報を生成する(S613)。
NFC通信部103の通信制御部103aは、コイル部103cに誘導電流が発生したと判断すると(S1315)、制御部209のCPU109aから認証結果情報を取得し(S1317)、対応するNFCリーダー/ライターに、認証結果情報を送信する(S1319)。
このように、NFC通信指紋認証処理では、使用者が指紋情報取得部101に触れるといった、認証を開始しようとする意思表示があった場合のみ、必要な構成要素に電力が供給される。つまり、必要な時のみ電力を供給するので、電力消費を抑えることができ、ひいては、電子社員証200を長く動作させることができる。
また、電子社員証200ではNFC通信により使用者を認証するため、使用者は、認証の際に、電子社員証200を所定のNFCリーダー/ライターにかざすだけで、簡単に、使用者認証できる。
(2)充電:前述の実施例1においては、電子社員証100の電源部108は、NFC通信の際の電磁誘導により生ずる誘導電流を用いて充電されるとしたが、電源部108を充電できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、Qiなど充電専用の電磁誘導コイルを用いたワイヤレス充電により電子社員証100の電源部108を充電するようにしてもよい。実施例2についても同様である。
また、前述の実施例1においては、電子社員証100の電源部108の充電には、NFC通信の際に生ずる電磁波を用いて充電であるいわゆる無線充電を利用するとしたが、電源部108を充電できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、電子社員証100を、所定の充電装置と、所定の接続線を用いて接続し、充電するようにしてもよい。実施例2についても同様である。
(3)BLE通信部102:前述の実施例1における電子社員証100では、省電力な無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信としてBLE通信を用いたが、例示のものに限定されない。例えば、省電力なwifi通信やzigbee(商標)を用いてもよい。
(4)電子ペーパー部104:前述の実施例1における電子社員証100では、低消費電力で情報を表示するものとして、電子ペーパー部104を示したが、例示のものに限定されない。例えば、低消費電力で動作する液晶表示部であってもよい。実施例2についても同様である。
(5)電子ペーパー部104における表示:前述の実施例1において、加速度センサ部107によって、電子社員証100の空間での上下方向を判断し、上下方向に合わせて電子ペーパー部104の表示を調整するようにしてもよい。実施例2についても同様である。
(6)2次元バーコード表示:前述の実施例1において、操作部105等に対する操作により、電子ペーパー部104に所定の2次元バーコードを表示するようにしてもよい。例えば、認証指紋情報等を2次元バーコード化して電子ペーパー部104に表示することによって、2次元バーコードリーダーが配置されたゲートに対応できるようにしてもよい。実施例2についても同様である。
(7)その他の検知部の配置:前述の実施例1における電子社員証100において、使用者が置かれた環境状態を検知する環境状態検知部を配置するようにしてもよい。例えば、温度、湿度、気圧、周囲の明るさを検知するセンサを配置する。これにより、使用者が置かれた環境状態を検知することができる。
(8)電源部108:前述の実施例1においては、電源部108には、充電可能な薄型のリチウムオン電池を用いるとしたが、所定の構成要素に電力を供給できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、充電できない交換可能なボタン電池等であってもよい。なお、充電できない電源部を用いる場合には、充電処理は実施しない。実施例2についても同様である。
(9)ゲートを用いた通行システム:前述の実施例1においては、電子社員証100の利用として、ゲートを用いた通行システムを例示したが、例示のものに限定されない。例えば、パーソナル・コンピュータ等、所定の電子機器の利用に用いてもよい。実施例2についても同様である。
(10)構成要素の配置:前述の実施例1においては、電子社員証100は、指紋情報取得部101、BLE通信部102、NFC通信部103等、複数の構成要素を有していたが、電子社員証100で実現する機能に必要な構成要素のみを配置するようにしてもよい。実施例2についても同様である。
(11)制御部109の構成:前述の実施例1においては、制御部109は、CPU109aを用いて、BLE通信指紋認証処理等を実行するとしたが、BLE通信指紋認証処理等を実行するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、ロジック回路を設計し、BLE通信指紋認証処理等を実行するようにしてもよい。実施例2についても同様である。