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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133493
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】通行認証システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/00 20200101AFI20220907BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20220907BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20220907BHJP
   G06F 21/35 20130101ALI20220907BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20220907BHJP
   G06K 19/073 20060101ALI20220907BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220907BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G07C9/00 Z
G06F21/31
G06F21/32
G06F21/35
G06K19/07 180
G06K19/07 230
G06K19/073 054
G06K19/07 090
G06K19/07 170
G06K19/077 112
G06K19/077 100
G06K7/10 268
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019173606
(22)【出願日】2019-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(72)【発明者】
【氏名】今堀 賢一
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】樫 俊太郎
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138JA01
3E138JB16
3E138JC05
3E138JD02
3E138JD04
(57)【要約】
【課題】 簡単に使用でき、複数の通信経路によって移動者を多重認証する通行認証システムの提供。
【解決手段】 移動者が携帯する通行認証端末130を用いて、セキュリティゲート110の通行可否の動作を制御する通行認証システム100であって、通行認証端末130は、認証情報取得部131が取得した取得認証情報を用いて生成した移動者を認証する第1認証情報をBLE通信部132を用いて送信し、NFC通信部133を介して、移動者を認証する第2認証情報を送信し、通行認証装置115は、BLE認証通信装置113を介して第1認証情報を取得し、NFC認証通信装置112を介して第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、ゲート装置111を移動者が通行できるように動作させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動者が携帯する通行認証端末、前記通行認証端末と無線通信する第1無線通信装置、前記通行認証端末と無線通信する第2無線通信装置、及び、前記移動者を認証する通行認証装置を用いて、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムであって、
前記通行認証端末は、
前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、
第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、
を有し、
前記第1無線通信装置は、
前記第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信し、
前記第2無線通信装置は、
前記第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信し、
前記通行認証装置は、
前記第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、前記第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、
を特徴とする通行認証システム。
【請求項2】
移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムにおいて、前記移動者が携帯する通行認証端末であって、
前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、
第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、
を有する通行認証端末。
【請求項3】
請求項2に係る通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
パーソナル・エリア・ネットワークでの無線通信を可能とする前記第1の通信方式を用い、
前記第2無線通信部は、
近接場通信を介して無線通信可能とする前記第2の通信方式を用いること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項4】
請求項3に係る通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
RF(Radio Frequency)タグを用いること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
省電力無線を用いて無線通信すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項6】
請求項2~請求項5のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記認証情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第1認証情報とすること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項7】
請求項2~請求項6のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
前記通行認証端末を一意に特定する特定情報を前記第2認証情報として送信すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項8】
請求項2~請求項6のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記指紋情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第2認証情報とし、前記近接場通信部へ送信すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項9】
請求項2~請求項8に係るいずれかの通行認証端末において、
前記認証情報取得部は、
前記認証情報として指紋情報を取得する指紋センサであること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項10】
請求項2~請求項9に係るいずれかの通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
前記認証情報取得部が前記認証情報を取得すると、前記電源部を介して、前記無線通信に必要な前記電力の供給を受けること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項11】
請求項3~請求項10に係るいずれかの通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
前記近接場通信により発生する前記誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項12】
請求項2~請求項11に係るいずれかの通行認証端末において、
前記電源部は、
充電専用の電磁誘導コイルにより発生する誘導電流を用いて、充電されること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項13】
請求項2~請求項12のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
前記通行認証端末の物理的歪みを検出する歪検出部、
を有する通行認証端末。
【請求項14】
請求項2~請求項13のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
前記通行認証端末に生ずる加速度を検出する加速度検出部、
を有する通行認証端末。
【請求項15】
請求項2~請求項14のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
外部からの操作入力を取得する操作部、
を有する通行認証端末。
【請求項16】
請求項2~請求項15のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
少なくとも、温度、湿度、気圧、及び、周囲の明るさのいずれか一つを検出する環境状態検出部、
を有する通行認証端末。
【請求項17】
請求項2~請求項16のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
低消費電力で所定の内容を表示する低消費電力表示部、
を有する通行認証端末。
【請求項18】
請求項17に係る通行認証端末において、
前記制御部は、
前記低消費電力表示部に所定の2次元バーコードを表示すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項19】
請求項17、及び、請求項18に係る通行認証端末において、
前記低消費電力表示部は、
表示された前記内容を保持する際には電力を要せず、表示された前記内容を書き換える際に電力を有する電子ペーパーであること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項20】
請求項2~請求項19のいずれかに係る通行認証端末において、
前記電源部は、
通常時、前記各部に対して、前記各部が遅滞なく動作できるために要する前記電力のみを供給すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項21】
請求項2~請求項20のいずれかに係る通行認証端末において、
前記通行認証端末は、
携帯電話、スマートフォン、腕時計型の電子機器、又は、カード型の電子機器であること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項22】
移動者が携帯する通行認証端末から取得する前記移動者を認証する第1認証情報、及び、前記移動者を認証する第2認証情報を用いて、前記移動者を認証し、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証装置であって、
第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、
第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信する第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、
を特徴とする通行認証装置。
【請求項23】
請求項22に係る通行認証装置において、
前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すると、前記移動者の通行を制御するゲート装置を、前記移動者が通行できるように制御すること、
を特徴とする通行認証装置。
【請求項24】
コンピュータを、移動者が携帯する通行認証端末として機能させる通行認証プログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、 前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、
第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、
前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、
として機能させる通行認証プログラム。
【請求項25】
請求項24に係る通行認証プログラムにおいて、
前記コンピュータは、
携帯電話、スマートフォン、腕時計型の電子機器、又は、カード型の電子機器であること、
を特徴とする通行認証プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通行認証システムに関し、特に、移動者を複数の通信経路によって多重認証するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通行認証システムについて、図32に示すセキュリティゲート10を用いて説明する。セキュリティゲート10に一次認証システムと、二次認証システムを備え、一方の認証システムが、体温検知手段である赤外線センサ4と扉3、および開閉手段、及び、検知した利用者9の体温と、設定体温値を照合手段で照合し、認証の場合のみにシステム上で連動している扉3を開放する形態であり、他の認証システムが、例えば、IDカードを使用する認証システムの場合には、セキュリティゲート10の入口に設けたIDカードの情報入力のためのカードタッチ部2に、利用者9は事前に発行されたICカードをかざすことで事前に登録している情報と照合するための照合手段からなる形態である。
【0003】
セキュリティゲート10では、一次認証システムと、二次認証システムの両方が認証された場合のみ、セキュリティゲート10の扉3をA方向に開放し利用者9の通過ができ、若し、どちらか一方の認証が不適合の場合にはセキュリティゲートの扉3は閉じられ通過ができない。(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-085004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のセキュリティゲート10には、以下に示すような改善すべき点がある。セキュリティゲート10では、通行者の体温を認証条件の一つとしている。しかしながら、体温による認証は、使用者の健康状態に対する認証であり、通行者自身を認証するものではない。つまり、セキュリティゲート10では、以前として、IDカードのみによる、1経路による通行者の認証にすぎない、という改善すべき点がある。
【0006】
そこで、本発明は、簡単に使用でき、複数の通信経路によって通行者を多重認証するゲートシステムを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0008】
本発明に係る通行認証システムは、移動者が携帯する通行認証端末、前記通行認証端末と無線通信する第1無線通信装置、前記通行認証端末と無線通信する第2無線通信装置、及び、前記移動者を認証する通行認証装置を用いて、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムであって、前記通行認証端末は、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、を有し、前記第1無線通信装置は、前記第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信し、前記第2無線通信装置は、前記第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信し、前記通行認証装置は、前記第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、前記第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、を特徴とする。
【0009】
これにより、第1の通信方式を介した無線通信、及び、第2の通信方式を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0010】
また、移動者は通行認証端末を携帯するだけで認証を受けることができる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0011】
さらに、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証する通行認証システムを構築できる。
【0012】
本発明に係る通行認証端末は、移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムにおいて、前記移動者が携帯する通行認証端末であって、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、を有する。
【0013】
これにより、第1の通信方式を介した無線通信、及び、第2の通信方式を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0014】
また、移動者は通行認証端末を携帯するだけで認証を受けることができる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0015】
さらに、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証する通行認証システムを構築できる。
【0016】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、パーソナル・エリア・ネットワークでの無線通信を可能とする前記第1の通信方式を用い、前記第2無線通信部は、近接場通信を介して無線通信可能とする前記第2の通信方式を用いること、を特徴とする。
【0017】
これにより、異なる通信経路において、容易に形成できる。
【0018】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、RF(Radio Frequency)タグを用いること、を特徴とする。
【0019】
これにより、移動者は、通行認証端末をかざすだけで、容易に、認証できる。
【0020】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、省電力無線を用いて無線通信すること、を特徴とする。
【0021】
これにより、愛1の通信方式を介した無線通信での電力消費を抑えることができ、ひいては、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0022】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記認証情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第1認証情報とすること、を特徴とする。
【0023】
これにより、移動者の認証情報を移動者が携帯する通行認証端末において認証するため、認証情報が外部に漏洩する可能性を低減でき、安全性を高くできる。
【0024】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、前記通行認証端末を一意に特定する特定情報を前記第2認証情報として送信すること、を特徴とする。
【0025】
これにより、異なる通信経路において、異なる認証を実施できる。つまり、より高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる。
【0026】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記指紋情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第2認証情報とし、前記近接場通信部へ送信すること、を特徴とする。
【0027】
これにより、移動者の認証情報を通行者が携帯する通行認証端末において、異なる通信方式を用いて認証するため、認証情報が外部に漏洩する可能性を低減でき、安全性高く、高いセキュリティ・レベルで認証できる。
【0028】
本発明に係る通行認証端末では、前記認証情報取得部は、前記認証情報として指紋情報を取得する指紋センサであること、を特徴とする。
【0029】
これにより、指紋情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【0030】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、前記認証情報取得部が前記認証情報を取得すると、前記電源部を介して、前記無線通信に必要な前記電力の供給を受けること、を特徴とする。
【0031】
これにより、認証に関する処理が発生した後から第1無線通信部を無線通信が可能な状態にできるので、必要な時のみ電力を供給するので、電力消費を抑えることができ、ひいては、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0032】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、前記近接場通信により発生する前記誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、を特徴とする。
【0033】
これにより、第2無線通信部を配置するだけで、近接場通信により電源部を充電でき、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0034】
本発明に係る通行認証端末では、前記電源部は、充電専用の電磁誘導コイルにより発生する誘導電流を用いて、充電されること、を特徴とする。
【0035】
これにより、無線充電を利用できるので、手間なく簡単に通行認証端末を充電できる。
【0036】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、前記通行認証端末の物理的歪みを検出する歪検出部、を有する。
【0037】
これにより、移動者が筐体を手で保持する等、筐体部に所定の歪が生ずると、移動者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0038】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、前記通行認証端末に生ずる加速度を検出する加速度検出部、を有する。
【0039】
これにより、移動者が筐体を手で保持する等、所定の加速度が生ずると、移動者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0040】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、外部からの操作入力を取得する操作部、を有する。
【0041】
これにより、移動者が操作部を操作したときのみに、移動者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0042】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、少なくとも、温度、湿度、気圧、及び、周囲の明るさのいずれか一つを検出する環境状態検出部、を有する。
【0043】
これにより、移動者が置かれた環境状態を検知することができる。また、環境状態に応じて警告を表示する等によって、移動者に自身が置かれた環境を知らせることができる。
【0044】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、低消費電力で所定の内容を表示する低消費電力表示部、を有する。
【0045】
これにより、通行認証端末を長く動作させつつ、所定の内容を表示できる。
【0046】
本発明に係る通行認証端末では、前記制御部は、前記低消費電力表示部に所定の2次元バーコードを表示すること、を特徴とする。
【0047】
これにより、通行認証端末を長く動作させつつ、所定の内容を示す2次元バーコードを表示できる。
【0048】
本発明に係る通行認証端末では、前記低消費電力表示部は、表示された前記内容を保持する際には電力を要せず、表示された前記内容を書き換える際に電力を有する電子ペーパーであること、を特徴とする。
【0049】
これにより、容易に、通行認証端末を長く動作させつつ、所定の内容を表示できる。
【0050】
本発明に係る通行認証端末では、前記制御部は、通常時、前記各部に対して、前記各部が遅滞なく動作できるために要する前記電力のみを供給すること、を特徴とする。
【0051】
これにより、最低限の消費電力で動作させることができるので、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0052】
本発明に係る通行認証装置は、移動者が携帯する通行認証端末から取得する前記移動者を認証する第1認証情報、及び、前記移動者を認証する第2認証情報を用いて、前記移動者を認証し、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証装置であって、第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信する第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、を特徴とする。
【0053】
これにより、第1の通信方式を介した無線通信、及び、第2の通信方式を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる。
【0054】
また、移動者は通行認証端末を携帯するだけで認証を受けることができる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、認証できる。
【0055】
さらに、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証する。
【0056】
本発明に係る通行認証装置では、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すると、前記移動者の通行を制御するゲート装置を、前記移動者が通行できるように制御すること、を特徴とする。
【0057】
これにより、移動者の認証によって、容易に、移動者の通行を制御できる。
【0058】
本発明に係る通行認証プログラムは、コンピュータを、移動者が携帯する通行認証端末として機能させる通行認証プログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、として機能させる。
【0059】
これにより、異なる通信経路を用いた移動者を認証する通行認証システムを、容易に、構築できる。
【0060】
また、移動者は、認証の際に、通行認証端末を携帯しておくだけで、他の操作を必要としない。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システムを、容易に、構築できる。
【0061】
また、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を、容易に、認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム100を示す図である。
図2】ゲート装置111の構成を示す図である。
図3】通行認証装置115のハードウェア構成を示す図である。
図4】装置配置テーブルの構造を示す図である。
図5】ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113の配置例を示す図である。
図6】通行認証端末130のハードウェア構成を示す図である。
図7】NFC通信部133のハードウェア構成を示す図である。
図8】通行認証端末130のBLE認証通信処理を示すフローチャートである。
図9】通行認証端末130のNFC認証通信処理を示すフローチャートである。
図10】BLE認証通信装置113の動作を示すフローチャートである。
図11】NFC認証通信装置112の動作を示すフローチャートである。
図12】通行認証装置115の認証処理を示すフローチャートである。
図13】ゲート制御部111cの動作を示すフローチャートである。
図14】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム200を示す図である。
図15】通行認証端末230のハードウェア構成を示す図である。
図16】NFC通信部233のハードウェア構成を示す図である。
図17】通行認証端末230のNFC認証通信処理を示すフローチャートである。
図18】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム300を示す図である。
図19】通行認証端末330の外観を示す図である。
図20】通行認証端末330を分解した状態を示す図である。
図21】NFC通信部333のハードウェア構成を示す図である。
図22】制御部339のハードウェア構成を示す図である。
図23】通行認証端末330の上側筐体部340tを示す図である。
図24】通行認証端末330のBLE認証通信処理を示すフローチャートである。
図25】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム400を示す図である。
図26】通行認証装置415のハードウェア構成を示す図である。
図27】通行認証端末430を分解した状態を示す図である。
図28】NFC通信部433のハードウェア構成を示す図である。
図29】制御部439のハードウェア構成を示す図である。
図30】通行認証端末430のNFC認証通信処理を示すフローチャートである。
図31】ゲート制御装置415の認証位置取得処理を示すフローチャートである。
図32】従来の通行認証システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0064】
本発明に係る通行認証システムについて、一実施例である通行認証システム100を例に説明する。通行認証システム100は、移動者の所在位置を、通行認証端末130によって、簡単に、確認できるシステムである。
【0065】
第1 通行認証システム100の構成
通行認証システム100について、図1を用いて説明する。通行認証システム100は、移動者が携帯する通行認証端末130、通行認証端末130と無線通信する第1無線通信装置であるBLE認証通信装置113、通行認証端末130と無線通信する第2無線通信装置であるNFC認証通信装置112、及び、移動者を認証する通行認証装置130を用いて、移動者の所定領域の通行可否を判断する。通行認証端末130は、移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得し、取得した取得認証情報を用いて移動者を認証する第1認証情報を生成し、第1の通信方式であるBLE(Bluetooth Low Energy)を用いて第1認証情報を無線送信し、移動者を認証する第2認証情報を第2の通信方式であるNFC(Near Field Communication)を用いて無線送信する。
【0066】
BLE認証通信装置113は、第1の通信方式であるBLE(Bluetooth Low Energy)を介して無線通信し、通行認証端末130か記第1認証情報を取得し、第1認証情報を送信し、NFC認証通信装置112は、第2の通信方式としてNFC(Near Field Communication)を介して無線通信し、通行認証端末130から第2認証情報を取得し、第2認証情報を送信する。通行認証装置115は、BLE認証通信装置113を介して第1認証情報を取得し、NFC認証通信装置112を介して第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、所定領域を移動者が通行できると判断する。
【0067】
1.ゲート装置111
ゲート装置111のハードウェア構成について図2を用いて説明する。ゲート装置111は、開閉ゲート部111a、及び、ゲート制御部111cを有している。開閉ゲート部111aは、移動者の進行方向に対してゲートを開閉することによって、移動者の通行可否を制御する。なお、開閉ゲート部111aは、所定の駆動機構(図示せず)を有している。
【0068】
ゲート制御部111cは、通行認証装置115との間の通信を制御するとともに、開閉ゲート部111aの開閉を制御する。
【0069】
2.NFC認証通信装置112
NFC認証通信装置112は、第2の通信方式として近距離無線通信の一つである近接場無線通信を用いるRFID(Radio Frequency IDentifier)、さらに、RFIDの一つであるNFCを用いて、無線通信する。NFC認証通信装置112は、NFCリーダ/ライタであり、通行認証端末130のNFC通信部133(後述)と通信し、NFC通信部133からNFC特定情報を取得する。
【0070】
なお、NFC認証通信装置112は、数cm~1m程度の近接場の範囲内で、通行認証端末130のNFC通信部133と通信する。また、NFC認証通信装置112は、通行認証装置115に接続され、取得したNFC認証情報を送信する。NFC認証通信装置112は、所定の磁界を発生し、通行認証端末130のNFC通信部133に誘導電流を発生させて、NFC通信部133を動作させ、所定のデータを送受信する。
【0071】
3.BLE認証通信装置113
BLE認証通信装置113は、他のBLE通信とBLE通信するためのBLE通信回路、及び、通行認証装置115と通信するための通信回路を有している。BLE認証通信装置113は、所定間隔で、BLE認証情報を送信するよう要求するBLE認証要求情報を送信する。BLE認証通信装置113は、第1の無線ネットワークとして近距離無線通信の一つであるBLEを用いて、BLE認証要求情報を取得した通行認証端末130のBLE通信部132(後述)と通信し、BLE通信部132からBLE認証情報を取得する。
【0072】
なお、BLE通信回路は、数m~10m程度のパーソナル・エリア・ネットワークの範囲内で通信する。また、BLE認証通信装置113は、通行認証装置115に、取得したBLE認証情報を送信する。
【0073】
4.通行認証装置115
通行認証装置115のハードウェア構成について図3を用いて説明する。通行認証装置115は、CPU115a、メモリ115b、ハードディスクドライブ115c(以下、HDD115cとする)、キーボード115d、マウス115e、ディスプレイ115f、光学式ドライブ115g、及び、通信回路115hを有する。
【0074】
CPU115aは、HDD115cに記録されているオペレーティング・システム(OS)、所在位置判断プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ115bは、CPU115aに対して作業領域を提供する。HDD115cは、オペレーティング・システム(OS)、ゲート認証制御プログラム等その他のアプリケーションのプログラム、装置配置テーブル(以下、装置配置TB)、及び、認証NFC特定情報データベース(以下、認証NFC特定情報DB)、その他のデータを記録保持する。
【0075】
装置配置TBとは、ゲート装置111、BLE認証通信装置113の配置位置を記述したテーブルである。装置配置TBのデータ構造について図4を用いて説明する。装置配置TBは、装置番号記述領域、配置位置記述領域、及び、対応ゲート記述領域を有している。装置番号記述領域には、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113のそれぞれを一意に特定する番号が記述される。配置位置記述領域には、各装置の配置位置が記述される。対応ゲート記述領域には、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113に関連付けられたゲート装置111を特定する装置番号が記述される。
【0076】
例えば、図5に示すように、メインエントランスMEに装置番号「G1」のゲート装置111、そのゲート装置111に関連付けられた装置番号「CN1」のNFC認証通信装置112、及び、装置番号「CB1」のBLE認証通信装置113が配置され、部屋R1の出入り口E1に装置番号「G2」のゲート装置111、そのゲート装置111に関連付けられた装置番号「CN2」のNFC認証通信装置112が、通路P2に装置番号「G3」のゲート装置111、そのゲート装置111に関連付けられた装置番号「CB2」のBLE認証通信装置113が、それぞれ配置されている。
【0077】
この場合、出入り口E1に配置されている装置番号「CN2」のNFC認証通信装置112であれば、装置番号記述領域に「CN2」、対応する配置位置記述領域に「E1」が、それぞれ記述される。
【0078】
なお、1つのゲート装置111に対して、複数のNFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113が関連付けられている場合には、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113の配置位置記述領域に記述する配置位置が同じ値となる。例えば、メインエントランスMEに配置される装置番号「G1」のゲート装置111に対しては、装置番号「CN1」のNFC認証通信装置112、及び、装置番号「CB1」のBLE認証通信装置113が関連づけられているため、装置番号記述領域「CN1」、「PB1」のそれぞれに対応する配置位置記述領域には、同じ配置位置「ME」が、また、ゲート記述領域には同じ装置番号「G1」が、それぞれ記述される。
【0079】
認証NFC特定情報DBとは、ゲート装置111を通過させる通行認証端末130の通行認証端末特定情報と、通行認証端末130に搭載されるNFC通信部133のNFC特定情報とが関連づけて記述されたデータベースである。つまり、認証NFC特定情報DBに記述されたNFC特定情報に対応しないNFC通信部133を有する通行認証端末130を携帯する移動者は、ゲート装置111を通過することができない。
【0080】
図3に戻って、キーボード115d、マウス115eは、外部からの命令を受け付ける。ディスプレイ115fは、ユーザーインターフェイス等の画像を表示する。光学式ドライブ115gは、所在位置判断プログラムが記録されている光学式メディア115pから所在位置判断プログラムを読み取り、また、他の光学式メディアからその他のアプリケーションのプログラムを読み取る等、光学式メディアからのデータの読み取りを行う。通信回路115hは、所定のネットワークに接続し、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113等、外部の通信機器と情報の送受信を行う。なお、通信回路115hには、予め、ネットワーク上の位置を一意に特定するアドレスが設定されている。
【0081】
6.通行認証端末130
通行認証端末130のハードウェア構成について、図6を用いて説明する。通行認証端末130としては、所定の領域を通行する際に移動者を認証するための通行認証プログラムを有する、所定の構成を有する携帯電話を用いる。
【0082】
通行認証端末130は、認証情報取得部である指紋情報取得部131、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部であるBLE通信部132、近接場通信部であるNFC通信部133、タッチパネルディスプレイ部134、加速度検出部である加速度センサ部137、電源部138、及び、制御部139を有している。
【0083】
指紋情報取得部131は、通行認証端末130を利用する移動者の指紋を認証情報である指紋情報として取得する。
【0084】
BLE通信部132は、省電力近距離無線通信の一つであるBLEを通信プロトコルとして用いて、BLE認証通信装置113と省電力で無線通信する。なお、BLEは、パーソナル・エリア・ネットワークにおける無線通信技術の一つであるBluetooth(登録商標)の一部に相当する。
【0085】
NFC通信部133は、近接場無線通信の一つであるRFIDのさらに一つであるNFCに基づいて、NFC認証通信装置112と無線通信する。NFC通信部133は、NFC認証通信装置112が発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
【0086】
NFC通信部133のハードウェア構成について図7を用いて説明する。NFC通信部133は、通信制御部133a、セキュア記憶部133b、及び、コイル部133cを有している。通信制御部133aは、誘導電流により生ずる誘導電力を用いて、NFC認証通信装置112との間で無線通信する。セキュア記憶部133bは、NFC通信部133を一意に特定するNFC特定情報を記憶保持している。コイル部133cには、NFC認証通信装置112が発生する磁界により誘導電流が発生する。
【0087】
タッチパネルディスプレイ部134は、所定の情報を表示するとともに、ディスプレイを介して外部からの操作を操作情報として取得する。
【0088】
加速度センサ部137は、3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ部137は、通行認証端末130に生じた振動や衝撃を検出する。
【0089】
電源部138は、指紋情報取得部131、BLE通信部132、NFC通信部133、タッチパネルディスプレイ部134、加速度センサ部137、及び、制御部139に、所定の電力を供給する。電源部138には、例えば、充電可能なリチウムイオン電池を用いる。
【0090】
制御部139は、通行認証端末130の各構成要素の動作を制御する。制御部139のハードウェア構成について図6を用いて説明する。制御部139は、CPU139a、メモリ139b、及び、インターフェイス部139cを有している。
【0091】
CPU139aは、メモリ139bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、通行認証プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ139bは、CPU139aに対して作業領域を提供する。メモリ139bは、OS、通行認証プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。メモリ139bは、通行認証端末130に関連づけられる使用者の基準となる指紋パターンを認証指紋情報として記憶保持する。また、メモリ139bは、通行認証端末130を一意に特定する通行認証端末特定情報を記憶保持する。
【0092】
インターフェイス部139cは、接続線を介して、指紋情報取得部131、BLE通信部132、NFC通信部133、タッチパネルディスプレイ部134、加速度センサ部137、及び、電源部138と接続される。CPU139aは、インターフェイス部139cを介して接続された各構成要素の動作を制御する。
【0093】
なお、BLE通信部132、CPU139a、メモリ139bによって第1無線通信部が、NFC通信部133、CPU139a、メモリ139bによって第2無線通信部が、それぞれ形成される。
【0094】
第2 通行認証システム100の動作
通行認証システム100の動作について、以下に説明する。通行認証システム100は、所定領域を通行する際に移動者を認証する通行認証処理を実行する。通行認証処理におけるゲート装置111、BLE認証通信装置113、通行認証装置115、及び、通行認証端末130の動作について、図8図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0095】
1.通行認証端末130の動作
通行認証処理において、通行認証端末130の制御部139のCPU139aは、BLE認証通信装置113と通信するBLE認証通信処理、及び、NFC認証通信装置112と通信するNFC認証通信処理を実施する。
【0096】
1)BLE認証通信処理
BLE認証通信処理について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。BLE認証通信処理は、通行認証端末130の使用者が、指紋情報取得部131に触れることによって開始される。制御部139のCPU139aは、指紋情報取得部131に人の接触があったと判断すると(S601)、指紋情報取得部131を介して指紋情報を取得すると(S603)、メモリ139bから認証指紋情報を取得する(S605)。CPU139aは、指紋情報取得部131から取得した指紋情報である取得指紋情報と認証指紋情報とが等しいか否かを判断する(S607)。
【0097】
CPU139aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しいと判断すると、通行認証端末特定情報で特定される通行認証端末が認証済である旨を示す第1認証情報である認証情報を生成する(S609)。一方、CPU139aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しくないと判断すると、通行認証端末特定情報で特定される通行認証端末が未認証である旨を示す認証情報を生成する(S611)。
【0098】
CPU139aは、生成した認証情報と自身を一意に特定する通行認証端末特定情報とを関連付けた端末BLE認証情報を生成する(S613)。CPU139aは、BLEにおける装置間の通常の接続シーケンスに従って、通行認証端末130とBLE認証通信装置113との間の接続を確立する(S615)。例えば、通行認証端末130をペリフェラル、BLE認証通信装置113をセントラルとして、通行認証端末130とBLE認証通信装置113との間で接続する。
【0099】
CPU139aは、BLE認証通信装置113と接続すると、BLE通信部132を介して、生成した端末BLE認証情報を、接続したBLE認証通信装置113へ送信する(S617)。CPU139aは、端末BLE認証情報の送信後、BLEにおける装置間の通常の切断シーケンスに従って、BLE認証通信装置113との接続を切断する(S619)。
【0100】
CPU139aは、終了するまで(S621)、ステップS601~ステップS619の処理を繰り返す。
【0101】
2)NFC認証通信処理
NFC認証通信処理について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。 通行認証端末130を携帯する移動者は、ゲート装置111の近くに設置されているBLE認証通信装置113を介した認証の後、ゲート装置111に設置されているNFC認証通信装置112を介した認証を実施する。移動者は、通行認証端末130を、ゲート装置111に設置されているNFC認証通信装置112にかざす。
【0102】
NFC認証通信装置112にかざされた通行認証端末130のNFC通信部133の通信制御部133aは、コイル部133cに誘導電流が発生したと判断すると(S901)、セキュア記憶部133bからNFC特定情報を取得する(S903)。また、通信制御部133aは、メモリ139bから、通行認証端末特定情報を取得する(S905)。通信制御部133aは、取得したNFC特定情報と通行認証端末特定情報とを関連付けて第2認証情報である端末NFC認証情報として、対応するNFC認証通信装置112に送信する(S907)。
【0103】
2.BLE認証通信装置113の動作
図10に示すように、BLE認証通信装置113は、通行認証端末130と接続し(S801)、BLE認証情報を取得すると(S803)、通行認証端末130との接続を切断する(S805)。BLE認証通信装置113は、取得したBLE認証情報に、自身の装置番号、及び、取得時間を付加した中継BLE認証情報を生成する(S807)。BLE認証通信装置113は、生成した中継BLE認証情報を通行認証装置115へ送信する(S809)。BLE認証通信装置113は、終了するまで(S811)、ステップS801~ステップS809の処理を繰り返す。
【0104】
3.NFC認証通信装置112の動作
NFC認証通信装置112、及び、ゲート制御部111cの動作について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。NFC認証通信装置112は、通行認証端末130のNFC通信部132から端末NFC認証情報を取得すると(S1001)、取得した端末NFC認証情報に、自身の装置番号、及び、取得時間を付加した中継NFC認証情報を生成する(S1003)。NFC認証通信装置112は、生成した中継NFC認証情報を通行認証装置115へ送信する(S1005)。
【0105】
4.通行認証装置115の動作
通行認証装置115の動作について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。通行認証装置115のCPU115aは、中継BLE認証情報を取得すると(S1101)、中継BLE認証情報の内容を判断する。CPU115aは、BLE認証情報の内容が「認証済み」であると判断すると(S1103)、装置配置TBに配置位置が同じ他の装置が存在するか否か、つまり、重複認証の対象となる他の装置が存在するか否かを判断する(S1105)。
【0106】
CPU115aは、装置配置TBに配置位置が同じ他の装置が存在すると判断すると、認証端末テーブル(以下、認証端末TB)に、ステップS1101で取得したBLE認証情報が有する通行認証端末特定情報が存在するか否か、つまり、重複認証の対象となる他の装置による認証判断が既に終了しているか否かを判断する(S1107)。ここで、認証端末TBとは、重複認証の対象となる複数の装置のうち、一つの装置について認証が終了しているか否かを示す情報である。認証端末TBは、メモリ115bに一時的に生成される。
【0107】
CPU115aは、認証端末テーブルに、ステップS1101で取得したBLE認証情報が有する通行認証端末特定情報が存在しないと判断すると、その通行認証端末特定情報を認証端TBに記述する(S1115)。
【0108】
CPU115aは、認証端末テーブルに、ステップS1101で取得したBLE認証情報が有する通行認証端末特定情報が存在すると判断すると、重複認証が終了したと判断し、その通行認証端末特定情報を認証端末TBから削除する(S1109)。そして、CPU115aは、ゲート装置111を開放する旨を示すゲート制御情報を生成する(S1111)。
【0109】
なお、CPU115aは、ステップS1105において、装置配置TBに配置位置が同じ他の装置が存在しない、つまり、重複認証でなく単独認証であると判断すると、認証端末TBに記述することなく、ゲート装置111を開放する旨を示すゲート制御情報を生成する(S1111)。
【0110】
また、CPU115aは、ステップS1103において、BLE認証情報の内容が「未認証」であると判断すると、ゲート装置111を閉じる旨を示すゲート制御情報を生成する(S1113)。
【0111】
一方、CPU115aは、中継NFC認証情報を取得すると(S1117)、取得した中継NFC認証情報のNFC特定情報が認証NFC特定情報DBに存在するか否かを判断する(S1119)。
【0112】
CPU115aは、取得した中継NFC認証情報のNFC特定情報が認証NFC特定情報DBに存在すると判断すると、ステップS1101、S1103において中継BLE認証情報の内容が「認証済み」である場合と同様に、ステップS1105以降処理を実行する。
【0113】
CPU115aは、ステップS1111、S1113で生成したゲート制御情報を、ステップS1101で取得した中継BLE認証情報、又は、ステップS1117で取得した中継NFC認証情報の装置番号の装置に関連づけられているゲート装置111を装置配置TB(図4参照)から特定し(S1121)、ゲート装置111へ送信する(S1123)。
【0114】
CPU115aは、動作が終了するまで(S1127)、ステップS1101~ステップS1123の処理を繰り返す。
【0115】
5.ゲート装置111の動作
図13に示すように、ゲート装置111のゲート制御部111cは、ゲート制御情報を取得すると(S1401)、ゲート制御情報の内容にしたがって開閉ゲート部111aの動作を制御する(S1403)。例えば、ゲート制御情報の内容がゲート装置111を開放する旨であると判断すると、所定の駆動装置を動作させて開閉ゲート部111aを開放する。一方、取得したゲート制御情報の内容がゲート装置111を閉じる旨であると判断すると、所定の駆動装置を動作させて開閉ゲート部111aを閉じる。
【0116】
これにより、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信、及び、近接場を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システム100を構築できる。
【0117】
また、移動者は通行認証端末130を携帯し、通行認証端末130を対応するNFC認証通信装置112にかざすだけで、簡単に、認証できる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システム100を構築できる。
【0118】
さらに、移動者の指紋情報を認証情報として移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証する通行認証システム100を構築できる。
【0119】
さらに、移動者の指紋情報を、移動者が携帯する通行認証端末130において認証するため、指紋情報が外部に漏洩する可能性を低減でき、安全性を高くできる。
【0120】
さらに、異なる通信経路において、異なる認証を実施できる。つまり、より高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システム100を構築できる。
【0121】
さらに、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信により電力消費を抑えることができ、ひいては、通行認証端末130を長く動作させることができる。
【0122】
さらに、指紋情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる。
【0123】
さらに、取得した認証情報に基づき生成されたBLE認証情報を送信する際には、BLEを用いて無線通信可能とできるため、遅滞なく、簡単に、BLE認証情報を送信することができる。
【実施例0124】
本実施例に係る通行認証端末230は、前述の実施例1に係る通行認証端末130の機能に加えて、NFC認証通信装置112とNFC通信する際に、電源部138を充電するものである。以下においては、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0125】
第1 通行認証システム200の構成
通行認証システム200について、図14を用いて説明する。通行認証システム200は、所定領域の通行しようとする移動者を、通行認証端末230によって、簡単に、認証するシステムである。通行認証システム200は、ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113、通行認証装置115、及び、通行認証端末230を有している。ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113は、通路や部屋の出入り口等に配置される。移動者は、各装置が配置されている通路、部屋等を通行する際には、通行認証端末230を携帯しておく。
【0126】
1.通行認証端末230の構成
通行認証端末230のハードウェア構成について、図15を用いて説明する。通行認証端末230としては、実施例1に係る通行認証端末130と同様に、移動者を認証するための通行認証プログラムを有し、所定の構成を有する携帯電話を用いる。
【0127】
通行認証端末230は、認証情報取得部である指紋情報取得部131、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部であるBLE通信部132、近接場通信部であるNFC通信部233、タッチパネルディスプレイ部134、加速度検出部である加速度センサ部137、電源部138、及び、制御部239を有している。
【0128】
NFC通信部233は、RFIDの一つであるNFCに基づいて、対応するNFCリーダ/ライタと無線通信する。NFC通信部233は、NFCリーダ/ライタが発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
【0129】
NFC通信部233のハードウェア構成について図16を用いて説明する。NFC通信部233は、通信制御部233a、セキュア記憶部133b、コイル部133c、及び、電流制御部233dを有している。通信制御部333aは、誘導電流により生ずる誘導電力を用いて、NFCリーダ/ライタとの間で無線通信する。電流制御部233dは、NFCリーダ/ライタと無線通信する際に生じた誘導電流のうち、NFCリーダ/ライタとの無線通信に利用されなかった余剰電力を電源部138に供給し、電源部138を充電する。
【0130】
第2 通行認証システム200の動作
通行認証システム200の動作については、実施例1における通行認証システム100と同様である。但し、通行認証端末230は、NFC認証通信処理の際に、電源部138の充電も実行する。
【0131】
1.NFC認証通信処理
通行認証端末230において実行されるNFC認証通信処理について、以下において、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
【0132】
NFC通信部233の通信制御部233aは、コイル部133cに誘導電流が発生したと判断すると(S901)、電流制御部233dを介して、各部にNFC通信に必要な電力を供給できるように、各部へ供給する電流を調整する(S1501)。また、通信制御部233aは、電流制御部233dを介して、コイル部133cに発生した誘導電流のうち、NFC通信に利用しなかった余剰電力を電源部138へ供給し、電源部138を充電する(S1503)。NFC認証通信処理におけるその他の処理については、実施例1におけるNFC認証通信処理(図9参照)と同様である。
【0133】
このように、通行認証端末230では、NFC認証通信処理において通行認証端末230の電源部138を充電できるので、通行認証端末230を長く動作させることができる。
【0134】
また、NFC通信部233を配置するだけで、近接場通信により電源部138を充電でき、通行認証端末230を長く動作させることができる。
【実施例0135】
前述の実施例1では、所定の機能を有するスマートフォンを通行認証端末130として用いた。一方、本実施例では、通行認証に対して専用に設計された通行認証端末330を用いる。以下においては、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0136】
第1 通行認証システム300の構成
通行認証システム300について、図18を用いて説明する。通行認証システム300は、所定領域の通行しようとする移動者を、通行認証端末330によって、簡単に、認証するシステムである。通行認証システム300は、ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113、通行認証装置115、及び、通行認証端末330を有している。ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113は、通路や部屋の出入り口等に配置される。移動者は、各装置が配置されている通路、部屋等を通行する際には、通行認証端末330を携帯しておく。
【0137】
(1)通行認証端末330の構成
通行認証端末330の外観について、図19を用いて説明する。通行認証端末330は、カードサイズの大きさを有し、厚さ数mm以下の筐体部340の内部に所定の電子部品が内蔵された電子機器である。通行認証端末330は、筐体部340の表面に、使用者の指紋を取得する指紋情報取得部331、使用者からの操作を受け付ける操作部335、及び、所定の情報、例えば、社員番号や顔写真を表示する電子ペーパー部334が配置される。
【0138】
通行認証端末330の内部構成について、図20を用いて説明する。通行認証端末330は、認証情報取得部である指紋情報取得部331、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部であるBLE通信部332、近接場通信部であるNFC通信部333、電子ペーパー部334、操作部335、歪検出部である圧電フィルムセンサ部336、加速度検出部である加速度センサ部337、電源部338、制御部339、及び、筐体部340(図19参照)を有している。
【0139】
指紋情報取得部331は、使用者の指紋を認証情報である指紋情報として取得する。指紋情報取得部331は、いわゆる面型の指紋センサである。
【0140】
BLE通信部332は、BLEを通信プロトコルとして用いて、対応するBLE通信部と省電力で無線通信する。なお、BLE通信部332については、使用前に、対応する他のBLE通信部とのペアリング処理を完了しておく。なお、BLEは、パーソナル・エリア・ネットワークにおける無線通信技術の一つであるBluetoothの一部に相当する。
【0141】
NFC通信部333は、NFC通信規格に基づいて、対応するNFCリーダ/ライタと無線通信する。NFC通信部333は、NFCリーダ/ライタが発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
【0142】
NFC通信部333のハードウェア構成について図21を用いて説明する。NFC通信部333は、通信制御部333a、セキュア記憶部333b、コイル部333c、及び、電流制御部333dを有している。通信制御部333aは、誘導電流により生ずる誘導電力を用いて、NFCリーダ/ライタとの間で無線通信する。セキュア記憶部333bは、NFC通信部333を一意に特定するNFC特定情報を記憶保持している。コイル部333cには、NFCリーダ/ライタが発生する磁界により誘導電流が発生する。電流制御部333dは、NFCリーダ/ライタと無線通信する際に生じた誘導電流のうち、NFCリーダ/ライタとの無線通信に利用されなかった余剰電力を電源部338に供給し、電源部338を充電する。
【0143】
電子ペーパー部334は、電子ペーパーを用いて所定の情報を表示する。なお、電子ペーパーとは紙と同程度の薄さや視認性を備えた表示メディアで、表示内容を書き換えられるものである。操作部335は、外部からの操作を操作情報として取得するボタンである。
【0144】
圧電フィルムセンサ部336は、薄い高分子フィルムである圧電体に加えられた力を電圧に変換する素子である。圧電フィルムセンサ部336は、筐体部340に生じた歪みを検出する。加速度センサ部337は、3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ部337は、通行認証端末330に生じた振動や衝撃を検出する。
【0145】
電源部338は、指紋情報取得部331、BLE通信部332、NFC通信部333、電子ペーパー部334、操作部335、圧電フィルムセンサ部336、加速度センサ部337、及び、制御部339に、所定の電力を供給する。電源部338には、例えば、充電可能な薄型のリチウムイオン電池を用いる。
【0146】
制御部339は、通行認証端末330の各構成要素の動作を制御する。制御部339のハードウェア構成について図22を用いて説明する。制御部339は、CPU339a、メモリ339b、及び、インターフェイス部339cを有している。
【0147】
CPU339aは、メモリ339bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、通行認証プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ339bは、CPU339aに対して作業領域を提供する。メモリ339bは、OS、通行認証プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。また、メモリ339bは、通行認証端末330に関連づけられる使用者の基準となる指紋パターンを認証指紋情報として記憶保持する。さらに、メモリ339bは、通行認証端末330を一意に特定する通行認証端末特定情報を有している。
【0148】
インターフェイス部339cは、接続線を介して、指紋情報取得部331、BLE通信部332、電子ペーパー部334、操作部335、圧電フィルムセンサ部336、加速度センサ部337、及び、電源部338と接続される。CPU339aは、インターフェイス部339cを介して接続された各構成要素の動作を制御する。
【0149】
筐体部340は、通行認証端末330を構成する各構成部品を内部に収容する。筐体部340は、厚さ3~5mm程度の角柱形状を有している。筐体部340は、上側筐体部340t、及び、下側筐体部340bを有している。
【0150】
図23に示すように、上側筐体部340tは、表面に、指紋情報取得部用開口A331、電子ペーパー部用開口A334、及び、操作部用開口A335を有している。指紋情報取得部用開口A331に合わせて指紋情報取得部331が、電子ペーパー部用開口A334に合わせて電子ペーパー部334が、操作部用開口A335に合わせて操作部335が、それぞれ配置される(図19参照)。
【0151】
第2 通行認証システム300の動作
通行認証システム300における通行認証端末330の動作について、図24に示すフローチャートを用いて説明する。
【0152】
通行認証端末330では、電源ON状態において、外部からの入力を取得する指紋情報取得部331、操作部335、圧電フィルムセンサ部336、及び、加速度センサ部337以外の構成要素については、基本的に、電源部338から必要最低限の電力のみが供給される待機状態、いわゆるスリープ状態にある。これにより、電源部338の電力消費を最低限にし、通行認証端末330の動作時間を長くする。
【0153】
なお、NFC通信部333は、電源部338から電力供給を受けずに、外部のNFCリーダ/ライタが発生する磁界によって生ずる誘導電流によって動作する。NFC通信部333の通信制御部333aは、誘導電流を用いて、NFC認証通信処理を実行する。
【0154】
通行認証端末330の制御部339のCPU339aは、ゲート装置111を通過しようとする際に、BLE通信を用いて使用者を指紋情報により認証するBLE認証通信処理を実施する。BLE認証通信処理は、通行認証端末330の使用者が、指紋情報取得部331に触れることによって開始される。
【0155】
図24に示すように、制御部339のCPU339aは、指紋情報取得部331に人の接触があったと判断すると(S2201)、待機状態を解除し(S2203)、自身も含めBLE通信部102等、必要な構成要素への電源供給を開始する。その後、CPU339aは、実施例1における通行認証端末130のCPU139aと同様に、ステップS603~ステップS619の処理(図8参照)を実施する。
【0156】
CPU339aは、ステップS617において端末BLE認証情報を送信した後、待機状態とする(S2205)。CPU339aは、終了まで(S619)、ステップS601~ステップS2203の処理を繰り返す。
【0157】
通行認証システム300におけるその他の構成要素の動作については、通行認証システム200と同様である。
【0158】
このように、通行認証端末330を利用することによって、異なる通信方式を用いて、BLE認証通信処理とNFC認証通信処理と実行する多重認証システムを簡単に構築できる。
【0159】
また、移動者は通行認証端末330を携帯し、通行認証端末330を対応するNFC認証通信装置112にかざすだけで、簡単に、認証できる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システム300を構築できる。
【実施例0160】
前述の通行認証端末330においては、NFC通信部333は、NFC認証処理において、NFC特定情報を用いて通行認証端末330を認証していた。一方、本実施例に係る通行認証端末430では、NFC通信部433は、BLE認証処理に加えて、NFC認証処理においても、移動者の指紋情報を用いて通行認証端末430を認証する。以下においては、実施例3と同様の構成については、実施例3と同符号を付し、詳細な記述を省略する。
【0161】
第1 通行認証システム400の構成
通行認証システム400について、図25を用いて説明する。通行認証システム400は、所定領域の通行しようとする移動者を、通行認証端末430によって、簡単に、認証できるシステムである。通行認証システム400は、ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113、通行認証装置115、及び、通行認証端末430を有している。ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113は、通路や部屋の出入り口に配置される。移動者は、ゲート装置111を通行する際に、通行認証端末430を携帯しておく。
【0162】
1.通行認証装置415
通行認証装置415のハードウェア構成について図26を用いて説明する。通行認証装置415は、CPU415a、メモリ115b、ハードディスクドライブ415c(以下、HDD415cとする)、キーボード115d、マウス115e、ディスプレイ115f、光学式ドライブ115g、及び、通信回路115hを有する。
【0163】
CPU415aは、HDD415cに記録されているオペレーティング・システム(OS)、通行認証プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。HDD415cは、オペレーティング・システム(OS)、通行認証プログラム等その他のアプリケーションのプログラム、及び、その他のデータを記録保持する。
【0164】
2.通行認証端末430の構成
通行認証端末430の外観は、実施例3における通行認証端末330と同様である(図19参照)。
【0165】
通行認証端末430の内部構成について、図27を用いて説明する。通行認証端末430は、指紋情報取得部331、BLE通信部332、NFC通信部433、電子ペーパー部334、操作部335、圧電フィルムセンサ部336、加速度センサ部337、電源部338、制御部439、及び、筐体部340(図19参照)を有している。
【0166】
NFC通信部433は、NFC通信規格に基づいて、対応するNFCリーダ/ライタと無線通信する。NFC通信部433は、NFCリーダ/ライタが発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
【0167】
NFC通信部433のハードウェア構成について図28を用いて説明する。NFC通信部433は、通信制御部433a、セキュア記憶部333b、コイル部333c、及び、電流制御部333dを有している。通信制御部433aは、誘導電流により生ずる誘導電力を用いて、NFCリーダ/ライタとの間で無線通信するとともに、制御部439との間で所定の情報を送受信する(図29参照)。
【0168】
制御部439は、通行認証端末430の各構成要素の動作を制御する。制御部439のハードウェア構成について図29を用いて説明する。制御部439は、CPU439a、メモリ439b、及び、インターフェイス部439cを有している。
【0169】
インターフェイス部439cは、接続線を介して、指紋情報取得部331、BLE通信部332、NFC通信部433、電子ペーパー部334、操作部335、圧電フィルムセンサ部336、加速度センサ部337、及び、電源部338と接続される。CPU439aは、インターフェイス部439cを介して接続された各構成要素の動作を制御する。
【0170】
第2 通行認証システム400の動作
通行認証端末430では、電源ON状態において、外部からの入力を取得する指紋情報取得部331、操作部335、圧電フィルムセンサ部336、及び、加速度センサ部337以外の構成要素については、基本的に、電源部338から必要最低限の電力のみが供給される待機状態、いわゆるスリープ状態にある。これにより、電源部338の電力消費を最低限にし、通行認証端末430の動作時間を長くする。
【0171】
通行認証端末430の制御部439のCPU439aは、ゲート装置111を通過しようとする際に、BLE認証通信処理、及び、NFC認証通信処理を実施する。BLE認証通信処理は、実施例3と同様に、通行認証端末430の使用者が、指紋情報取得部331に触れることによって開始される(図24参照)。
【0172】
また、NFC認証通信処理においても、通行認証端末430を携帯する移動者が、ゲート装置111のNFC認証通信装置112にかざす前に、指紋情報取得部331に触れることによって開始される。
【0173】
通行認証端末430において実行されるNFC認証通信処理について、図30に示すフローチャートを用いて説明するCPU439aは、指紋情報取得部331に人の接触があったと判断すると(S2801)、待機状態を解除し(S2803)、自身も含めBLE通信部332等、必要な構成要素への電源供給を開始する。そして、CPU439aは、指紋情報取得部331が指紋情報を取得すると(S2901)、メモリ439bから認証指紋情報を取得する(S2903)。CPU439aは、指紋情報取得部331から取得した指紋情報である取得指紋情報と認証指紋情報とが等しいか否かを判断する(S2905)。
【0174】
CPU439aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しいと判断すると、使用者が認証済であることを示すNFC認証情報を生成する(S2907)。一方、CPU439aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しくないと判断すると、使用者が未認証であることを示すNFC認証情報を生成する(S2909)。
【0175】
NFC通信部433の通信制御部433aは、コイル部333cに誘導電流が発生したと判断すると(S2911)、制御部439のメモリ439bからNFC認証情報を取得し、取得したNFC認証情報と通行認証端末特定情報とを関連付けて第2認証情報である端末NFC認証情報として、対応するNFC認証通信装置112に送信する(S2913)。
【0176】
CPU439aは、端末NFC認証情報を送信したと判断すると、通行認証端末430を待機状態とする(S2915)。
【0177】
次に、通行認証装置415の動作について、図31に示すフローチャートを用いて説明する。通行認証装置415のCPU415aは、中継NFC認証情報を取得すると(S1117)、取得した中継NFC認証情報の内容を判断する(S3001)。
【0178】
CPU415aは、NFC認証情報の内容が「認証済み」であると判断すると、ステップS1101、S1103において中継BLE認証情報の内容が「認証済み」である場合と同様に、ステップS1105以降処理を実行する。
【0179】
その他の処理については、実施例1と同様である。
【0180】
これにより、BLE認証通信処理に加えて、NFC認証通信処理も、指紋認証が実行される一方、移動者が携帯する通行認証端末430において指紋認証が実行されるため、移動者の指紋情報が外部に漏洩する可能性を低減でき、安全性を高くできる。
【0181】
[その他の実施形態]
(1)認証の開始:前述の実施例1においては、使用者が指紋情報取得部331に触れたか否かを判断することによって、各構成要素に電力を供給し、各認証処理を開始するとしたが、例示のものに限定されない。例えば、タッチパネルディスプレイ部134に触れたり、通行認証端末130に加速度センサ部(図22の加速度センサ部337参照)により、通行認証端末130の持ち上げ等、所定の動作を検出した際に、各構成要素に電力を供給し、各認証処理を含む所定の処理を開始するようにしてもよい。
【0182】
また、通行認証端末130に圧電フィルムセンサ部(図22の圧電フィルムセンサ部336参照)を配置し、通行認証端末130に所定の歪みを検出した際、例えば、通行認証端末130を指により保持した際に生ずる歪みを検出した際に、各構成要素に電力を供給し、各認証処理を含む所定の処理を開始するようにしてもよい。さらに、指紋情報を用いた認証が必要でない場合には、操作部(図22の加速度センサ部335参照)への操作により、各構成要素に電力を供給するようにしてもよい。
【0183】
以上は、実施例2~実施例4についても同様である。
【0184】
(2)BLE無線通信、NFC無線通信の利用:前述の実施例1においては、BLE認証通信装置113と通行認証端末130との間でパーソナル・エリア・ネットワークでの無線通信を可能とする第1の無線通信方式としてBLEを用い、NFC認証通信装置112とNFC通信部133との間で近接場通信を介して無線通信可能とする第2の無線通信方式としてNFCを用いることしたが、それぞれの間で無線通信できるものであれば、例示のものに限定されない。
【0185】
例えば、BLE認証通信装置113と通行認証端末130との間でパーソナル・エリア・ネットワークでの無線通信を可能とする第1の無線通信方式としてUHF帯を用いるRFIDを用い、NFC認証通信装置112とNFC通信部133との間で近接場通信を介して無線通信可能とする第2の無線通信方式としてNFCを用いるようにしてもよい。また、BLE認証通信装置113と通行認証端末130との間でパーソナル・エリア・ネットワークでの無線通信を可能とする第1の無線通信方式としてwifiを用い、NFC認証通信装置112とNFC通信部133との間で近接場通信を介して無線通信可能とする第2の無線通信方式としてNFCを用いるようにしてもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0186】
(3)BLE認証通信装置113、BLE通信部132:前述の実施例1においては、BLE認証通信装置113と通行認証端末130のBLE通信部132との間では、省電力な無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信としてBLE通信を用いたが、例示のものに限定されない。例えば、省電力なwifi通信やzigbee(商標)を用いてもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0187】
(4)NFC認証通信装置112、NFC通信部133:前述の実施例1においては、NFC認証通信装置112と通行認証端末130のNFC通信部133との間では、無線近接場通信を用いるRFIDの一つであるNFCを用いたが、例示のものに限定されない。例えば、RFIDとして、FeliCa(登録商標)、Mifare(商標)、ISO15693を用いるもの、UHF帯を用いるもの等を利用してもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0188】
また、前述の実施例1においては、NFC通信部133にパッシブ・タグを用いるとしたが、アクティブ・タグを用いるようにしてもよい。NFC通信部133にアクティブ・タグを用いることによって、通行認証端末130をNFC認証通信装置112にかざさずとも、通行認証端末130からNFC認証通信装置112に端末NFC認証情報を送信するようにできる。
【0189】
さらに、前述の実施例1においては、NFC通信部133は電磁誘導方式によりデータを送受信するとしたが、電磁結合方式、電波方式等を用いるようにしてもよい。
【0190】
(5)認証情報取得部131:前述の実施例1においては、認証情報取得部131は、指紋センサとしたが、移動者を一意に認証できる情報を取得できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、生体情報を認証情報として取得する場合、声紋を認証情報とし、認証情報取得部として音声を取得できるマイクを用いるようにしてもよい。同様に、虹彩を認証情報とし、認証情報取得部として虹彩を取得できるカメラを用いるようにしてもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0191】
(6)通行認証装置115の移動者の所在位置算出:前述の実施例1においては、通行認証装置115は、通行認証端末130から所在位置確認要求情報を取得した場合に、移動者の所在位置を算出するとしたが、所在位置確認要求情報を取得せずとも、所定のタイミングで、移動者の所在位置を算出し、記憶保持しておくようにしてもよい。これにより、所在位置確認要求情報を取得すると、遅滞なく、移動者の所在位置を提供することができる。実施例2~実施例4についても同様である。
【0192】
(7)所在位置確認要求情報の送信:前述の実施例1においては、通行認証端末130から所在位置確認要求情報を送信するとしたが、所在位置確認要求情報を送信できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、パーソナル・コンピュータやタブレット端末等であってもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0193】
(8)ゲート装置111の制御:前述の実施例1においては、移動者が認証できない場合、通行認証装置115はゲート装置111に対してゲートを閉じる旨のゲート制御情報を送信するとしたが、通常時、ゲート装置111を閉じている場合には、移動者が認証できない場合、通行認証装置115はゲート装置111に対してゲートを閉じる旨のゲート制御情報を送信しないようにしてもよい。これにより、不要な通信を避け、省電力を図るとともに、レスポンスタイムを向上させることができる。実施例2~実施例4についても同様である。
【0194】
(9)BLE認証通信装置113、NFC認証通信装置112とゲート装置111との関連配置:前述の実施例1においては、BLE認証通信装置113、及び/又は、NFC認証通信装置112とゲート装置111とを関連して配置するとしたが、移動者の通行を制御するゲート装置111以外の装置と関連して配置するようにしてもよい。例えば、認証時、非認証時に、それぞれ所定の光を発行する発光装置や、所定の文字等を表示する表示装置であってもよい。
【0195】
また、BLE認証通信装置113、及び/又は、NFC認証通信装置112を他の装置と関連して配置させずに配置するようにしてもよい。この場合、通行者に対して認証が得られたか否かを情報として記録しておき、認証時以降の移動者の動作を制限する、例えば、所定の領域には入れないように、ドアをロックするように利用するようにしてもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0196】
(10)ゲート装置111:前述の実施例1においては、ゲート装置111によって移動者の通行を制御するとしたが、ドアのロック装置等であってもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0197】
(11)充電:前述の実施例2においては、通行認証端末230の電源部138は、NFC通信の際の電磁誘導により生ずる誘導電流を用いて充電されるとしたが、電源部138を充電できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、Qiなど充電専用の電磁誘導コイルを用いたワイヤレス充電により通行認証端末230の電源部138を充電するようにしてもよい。実施例1、実施例3、実施例4についても同様である。
【0198】
また、前述の実施例2においては、通行認証端末230の電源部138の充電には、NFC通信の際に生ずる電磁波を用いて充電であるいわゆる無線充電を利用するとしたが、電源部138を充電できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、通行認証端末230を、所定の充電装置と、所定の接続線を用いて接続し、充電するようにしてもよい。実施例1、実施例3、実施例4についても同様である。
【0199】
(12)電源部138:前述の実施例2においては、電源部338には、充電可能な薄型のリチウムイオン電池を用いるとしたが、所定の構成要素に電力を供給できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、充電できない交換可能なボタン電池等であってもよい。なお、充電できない電源部を用いる場合には、充電処理は実施しない。実施例1、実施例3、実施例4についても同様である。
【0200】
(13)電子ペーパー部334:前述の実施例1における通行認証端末330では、低消費電力で情報を表示するものとして、電子ペーパー部334を示したが、例示のものに限定されない。例えば、低消費電力で動作する液晶表示部であってもよい。実施例4についても同様である。
【0201】
また、電子ペーパー部334を配置しないようにしてもよい。実施例4についても同様である。
【0202】
(14)電子ペーパー部334における表示:前述の実施例3において、加速度センサ部337によって、通行認証端末330の空間での上下方向を判断し、上下方向に合わせて電子ペーパー部334の表示を調整するようにしてもよい。実施例4についても同様である。
【0203】
(15)2次元バーコード表示:前述の実施例3において、操作部335等に対する操作により、電子ペーパー部334に所定の2次元バーコードを表示するようにしてもよい。例えば、認証指紋情報等を2次元バーコード化して電子ペーパー部334に表示することによって、2次元バーコードリーダーが配置されたゲートに対応できるようにしてもよい。実施例4についても同様である。
【0204】
(16)その他の検知部の配置:前述の実施例3における通行認証端末330において、使用者が置かれた環境状態を検知する環境状態検知部を配置するようにしてもよい。例えば、温度、湿度、気圧、周囲の明るさを検知するセンサを配置する。これにより、使用者が置かれた環境状態を検知することができる。
【0205】
(17)複数のBLE認証通信装置113における認証情報の同時受信:前述の実施例1において、BLE認証通信装置113の周波数、出力、配置位置等によって、異なる複数のBLE認証通信装置113において、同時、又は、同時とみられるタイミングで、通行認証端末130から認証情報を受信する可能性がある場合、通行認証端末130、BLE認証通信装置113において、受信出力が最も強いBLE認証通信装置113に対してのみ、認証情報を送信するようにしてもよい。
【0206】
また、各BLE認証通信装置113は、認証情報を受信したときの受信強度を、中継BLE認証情報と合わせて、通行認証装置115へ送信し、通行認証装置115において、例えば、最も受信強度が強い認証情報を対象として、通行認証処理を実行するようにしてもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0207】
(18)制御部139の構成:前述の実施例1においては、制御部139は、CPU139aを用いて、BLE認証処理等を実行するとしたが、BLE認証処理等を実行するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、ロジック回路を設計し、BLE認証処理等を実行するようにしてもよい。実施例2~実施例4についても同様である。
【0208】
(19)各構成要素で実行される処理:前述の実施例1においては、各構成要素で実行される処理として、図8図13のフローチャートを示したが、同様の処理を実行できるものであれば、例示のフローチャートに限定されない。実施例2~実施例4についても同様である。
【0209】
また、前述の実施例1においては、通行認証端末130におけるNFC認証通信処理(図9参照)として、実施例4の通行認証端末430におけるNFC認証通信処理(図31参照)を用いるようにしてもよい。実施例2、実施例3についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明に係る通行認証システムは、例えば、所定の領域を移動する移動者が存在する会社、学校等で用いることができる。
【符号の説明】
【0211】
100 通行認証システム
111 ゲート装置
111a 開閉ゲート部
111c ゲート制御部
112 NFC認証通信装置
113 BLE認証通信装置
115 通行認証装置
115a CPU
115b メモリ
115c ハードディスクドライブ
115d キーボード
115e マウス
115f ディスプレイ
115g 光学式ドライブ
115h 通信回路
115p 光学式メディア
130 通行認証端末
131 指紋情報取得部
132 BLE通信部
133 NFC通信部
133a 通信制御部
133b セキュア記憶部
133c コイル部
138 電源部
139 制御部
139a CPU
139b メモリ
139c インターフェイス部
200 通行認証システム
230 通行認証端末
233 NFC通信部
233a 通信制御部
233d 電流制御部
300 通行認証システム
330 電子社員証
331 指紋情報取得部
332 BLE通信部
333 NFC通信部
333a 通信制御部
333b セキュア記憶部
333c コイル部
333d 電流制御部
334 電子ペーパー部
335 操作部
336 圧電フィルムセンサ部
337 加速度センサ部
338 電源部
339 制御部
339a CPU
339b メモリ
339c インターフェイス部
340 筐体部
340t 上側筐体部
A341 指紋情報取得部用開口
A344 電子ペーパー部用開口
A345 操作部用開口
340b 下側筐体部
400 通行認証システム
415 通行認証装置
415a CPU
415c ハードディスクドライブ
430 通行認証端末
433 NFC通信部
433a 通信制御部
439 制御部
439a CPU
439b メモリ
439c インターフェイス部
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