(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133493
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】通行認証システム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/00 20200101AFI20220907BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20220907BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20220907BHJP
G06F 21/35 20130101ALI20220907BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20220907BHJP
G06K 19/073 20060101ALI20220907BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20220907BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G07C9/00 Z
G06F21/31
G06F21/32
G06F21/35
G06K19/07 180
G06K19/07 230
G06K19/073 054
G06K19/07 090
G06K19/07 170
G06K19/077 112
G06K19/077 100
G06K7/10 268
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019173606
(22)【出願日】2019-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(72)【発明者】
【氏名】今堀 賢一
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】樫 俊太郎
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138JA01
3E138JB16
3E138JC05
3E138JD02
3E138JD04
(57)【要約】
【課題】 簡単に使用でき、複数の通信経路によって移動者を多重認証する通行認証システムの提供。
【解決手段】 移動者が携帯する通行認証端末130を用いて、セキュリティゲート110の通行可否の動作を制御する通行認証システム100であって、通行認証端末130は、認証情報取得部131が取得した取得認証情報を用いて生成した移動者を認証する第1認証情報をBLE通信部132を用いて送信し、NFC通信部133を介して、移動者を認証する第2認証情報を送信し、通行認証装置115は、BLE認証通信装置113を介して第1認証情報を取得し、NFC認証通信装置112を介して第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、ゲート装置111を移動者が通行できるように動作させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動者が携帯する通行認証端末、前記通行認証端末と無線通信する第1無線通信装置、前記通行認証端末と無線通信する第2無線通信装置、及び、前記移動者を認証する通行認証装置を用いて、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムであって、
前記通行認証端末は、
前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、
第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、
を有し、
前記第1無線通信装置は、
前記第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信し、
前記第2無線通信装置は、
前記第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信し、
前記通行認証装置は、
前記第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、前記第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、
を特徴とする通行認証システム。
【請求項2】
移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムにおいて、前記移動者が携帯する通行認証端末であって、
前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、
第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、
を有する通行認証端末。
【請求項3】
請求項2に係る通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
パーソナル・エリア・ネットワークでの無線通信を可能とする前記第1の通信方式を用い、
前記第2無線通信部は、
近接場通信を介して無線通信可能とする前記第2の通信方式を用いること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項4】
請求項3に係る通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
RF(Radio Frequency)タグを用いること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
省電力無線を用いて無線通信すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項6】
請求項2~請求項5のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記認証情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第1認証情報とすること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項7】
請求項2~請求項6のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
前記通行認証端末を一意に特定する特定情報を前記第2認証情報として送信すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項8】
請求項2~請求項6のいずれかに係る通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記指紋情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第2認証情報とし、前記近接場通信部へ送信すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項9】
請求項2~請求項8に係るいずれかの通行認証端末において、
前記認証情報取得部は、
前記認証情報として指紋情報を取得する指紋センサであること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項10】
請求項2~請求項9に係るいずれかの通行認証端末において、
前記第1無線通信部は、
前記認証情報取得部が前記認証情報を取得すると、前記電源部を介して、前記無線通信に必要な前記電力の供給を受けること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項11】
請求項3~請求項10に係るいずれかの通行認証端末において、
前記第2無線通信部は、
前記近接場通信により発生する前記誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項12】
請求項2~請求項11に係るいずれかの通行認証端末において、
前記電源部は、
充電専用の電磁誘導コイルにより発生する誘導電流を用いて、充電されること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項13】
請求項2~請求項12のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
前記通行認証端末の物理的歪みを検出する歪検出部、
を有する通行認証端末。
【請求項14】
請求項2~請求項13のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
前記通行認証端末に生ずる加速度を検出する加速度検出部、
を有する通行認証端末。
【請求項15】
請求項2~請求項14のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
外部からの操作入力を取得する操作部、
を有する通行認証端末。
【請求項16】
請求項2~請求項15のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
少なくとも、温度、湿度、気圧、及び、周囲の明るさのいずれか一つを検出する環境状態検出部、
を有する通行認証端末。
【請求項17】
請求項2~請求項16のいずれかに係る通行認証端末において、さらに、
低消費電力で所定の内容を表示する低消費電力表示部、
を有する通行認証端末。
【請求項18】
請求項17に係る通行認証端末において、
前記制御部は、
前記低消費電力表示部に所定の2次元バーコードを表示すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項19】
請求項17、及び、請求項18に係る通行認証端末において、
前記低消費電力表示部は、
表示された前記内容を保持する際には電力を要せず、表示された前記内容を書き換える際に電力を有する電子ペーパーであること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項20】
請求項2~請求項19のいずれかに係る通行認証端末において、
前記電源部は、
通常時、前記各部に対して、前記各部が遅滞なく動作できるために要する前記電力のみを供給すること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項21】
請求項2~請求項20のいずれかに係る通行認証端末において、
前記通行認証端末は、
携帯電話、スマートフォン、腕時計型の電子機器、又は、カード型の電子機器であること、
を特徴とする通行認証端末。
【請求項22】
移動者が携帯する通行認証端末から取得する前記移動者を認証する第1認証情報、及び、前記移動者を認証する第2認証情報を用いて、前記移動者を認証し、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証装置であって、
第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、
第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信する第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、
を特徴とする通行認証装置。
【請求項23】
請求項22に係る通行認証装置において、
前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すると、前記移動者の通行を制御するゲート装置を、前記移動者が通行できるように制御すること、
を特徴とする通行認証装置。
【請求項24】
コンピュータを、移動者が携帯する通行認証端末として機能させる通行認証プログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、 前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、
第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、
第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、
前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、
として機能させる通行認証プログラム。
【請求項25】
請求項24に係る通行認証プログラムにおいて、
前記コンピュータは、
携帯電話、スマートフォン、腕時計型の電子機器、又は、カード型の電子機器であること、
を特徴とする通行認証プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通行認証システムに関し、特に、移動者を複数の通信経路によって多重認証するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通行認証システムについて、
図32に示すセキュリティゲート10を用いて説明する。セキュリティゲート10に一次認証システムと、二次認証システムを備え、一方の認証システムが、体温検知手段である赤外線センサ4と扉3、および開閉手段、及び、検知した利用者9の体温と、設定体温値を照合手段で照合し、認証の場合のみにシステム上で連動している扉3を開放する形態であり、他の認証システムが、例えば、IDカードを使用する認証システムの場合には、セキュリティゲート10の入口に設けたIDカードの情報入力のためのカードタッチ部2に、利用者9は事前に発行されたICカードをかざすことで事前に登録している情報と照合するための照合手段からなる形態である。
【0003】
セキュリティゲート10では、一次認証システムと、二次認証システムの両方が認証された場合のみ、セキュリティゲート10の扉3をA方向に開放し利用者9の通過ができ、若し、どちらか一方の認証が不適合の場合にはセキュリティゲートの扉3は閉じられ通過ができない。(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のセキュリティゲート10には、以下に示すような改善すべき点がある。セキュリティゲート10では、通行者の体温を認証条件の一つとしている。しかしながら、体温による認証は、使用者の健康状態に対する認証であり、通行者自身を認証するものではない。つまり、セキュリティゲート10では、以前として、IDカードのみによる、1経路による通行者の認証にすぎない、という改善すべき点がある。
【0006】
そこで、本発明は、簡単に使用でき、複数の通信経路によって通行者を多重認証するゲートシステムを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0008】
本発明に係る通行認証システムは、移動者が携帯する通行認証端末、前記通行認証端末と無線通信する第1無線通信装置、前記通行認証端末と無線通信する第2無線通信装置、及び、前記移動者を認証する通行認証装置を用いて、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムであって、前記通行認証端末は、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、を有し、前記第1無線通信装置は、前記第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信し、前記第2無線通信装置は、前記第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信し、前記通行認証装置は、前記第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、前記第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、を特徴とする。
【0009】
これにより、第1の通信方式を介した無線通信、及び、第2の通信方式を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0010】
また、移動者は通行認証端末を携帯するだけで認証を受けることができる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0011】
さらに、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証する通行認証システムを構築できる。
【0012】
本発明に係る通行認証端末は、移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証システムにおいて、前記移動者が携帯する通行認証端末であって、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、 前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、を有する。
【0013】
これにより、第1の通信方式を介した無線通信、及び、第2の通信方式を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0014】
また、移動者は通行認証端末を携帯するだけで認証を受けることができる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システムを構築できる。
【0015】
さらに、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証する通行認証システムを構築できる。
【0016】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、パーソナル・エリア・ネットワークでの無線通信を可能とする前記第1の通信方式を用い、前記第2無線通信部は、近接場通信を介して無線通信可能とする前記第2の通信方式を用いること、を特徴とする。
【0017】
これにより、異なる通信経路において、容易に形成できる。
【0018】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、RF(Radio Frequency)タグを用いること、を特徴とする。
【0019】
これにより、移動者は、通行認証端末をかざすだけで、容易に、認証できる。
【0020】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、省電力無線を用いて無線通信すること、を特徴とする。
【0021】
これにより、愛1の通信方式を介した無線通信での電力消費を抑えることができ、ひいては、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0022】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記認証情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第1認証情報とすること、を特徴とする。
【0023】
これにより、移動者の認証情報を移動者が携帯する通行認証端末において認証するため、認証情報が外部に漏洩する可能性を低減でき、安全性を高くできる。
【0024】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、前記通行認証端末を一意に特定する特定情報を前記第2認証情報として送信すること、を特徴とする。
【0025】
これにより、異なる通信経路において、異なる認証を実施できる。つまり、より高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる。
【0026】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、基準となる前記移動者の前記認証情報である基準認証情報と、取得した前記指紋情報である前記取得認証情報とを用いて、前記移動者を認証した結果を前記第2認証情報とし、前記近接場通信部へ送信すること、を特徴とする。
【0027】
これにより、移動者の認証情報を通行者が携帯する通行認証端末において、異なる通信方式を用いて認証するため、認証情報が外部に漏洩する可能性を低減でき、安全性高く、高いセキュリティ・レベルで認証できる。
【0028】
本発明に係る通行認証端末では、前記認証情報取得部は、前記認証情報として指紋情報を取得する指紋センサであること、を特徴とする。
【0029】
これにより、指紋情報により使用者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで使用者を認証できる。
【0030】
本発明に係る通行認証端末では、前記第1無線通信部は、前記認証情報取得部が前記認証情報を取得すると、前記電源部を介して、前記無線通信に必要な前記電力の供給を受けること、を特徴とする。
【0031】
これにより、認証に関する処理が発生した後から第1無線通信部を無線通信が可能な状態にできるので、必要な時のみ電力を供給するので、電力消費を抑えることができ、ひいては、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0032】
本発明に係る通行認証端末では、前記第2無線通信部は、前記近接場通信により発生する前記誘導電流を用いて、前記電源部を充電すること、を特徴とする。
【0033】
これにより、第2無線通信部を配置するだけで、近接場通信により電源部を充電でき、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0034】
本発明に係る通行認証端末では、前記電源部は、充電専用の電磁誘導コイルにより発生する誘導電流を用いて、充電されること、を特徴とする。
【0035】
これにより、無線充電を利用できるので、手間なく簡単に通行認証端末を充電できる。
【0036】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、前記通行認証端末の物理的歪みを検出する歪検出部、を有する。
【0037】
これにより、移動者が筐体を手で保持する等、筐体部に所定の歪が生ずると、移動者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0038】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、前記通行認証端末に生ずる加速度を検出する加速度検出部、を有する。
【0039】
これにより、移動者が筐体を手で保持する等、所定の加速度が生ずると、移動者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0040】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、外部からの操作入力を取得する操作部、を有する。
【0041】
これにより、移動者が操作部を操作したときのみに、移動者認証等、所定の動作を実行させることができる。
【0042】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、少なくとも、温度、湿度、気圧、及び、周囲の明るさのいずれか一つを検出する環境状態検出部、を有する。
【0043】
これにより、移動者が置かれた環境状態を検知することができる。また、環境状態に応じて警告を表示する等によって、移動者に自身が置かれた環境を知らせることができる。
【0044】
本発明に係る通行認証端末では、さらに、低消費電力で所定の内容を表示する低消費電力表示部、を有する。
【0045】
これにより、通行認証端末を長く動作させつつ、所定の内容を表示できる。
【0046】
本発明に係る通行認証端末では、前記制御部は、前記低消費電力表示部に所定の2次元バーコードを表示すること、を特徴とする。
【0047】
これにより、通行認証端末を長く動作させつつ、所定の内容を示す2次元バーコードを表示できる。
【0048】
本発明に係る通行認証端末では、前記低消費電力表示部は、表示された前記内容を保持する際には電力を要せず、表示された前記内容を書き換える際に電力を有する電子ペーパーであること、を特徴とする。
【0049】
これにより、容易に、通行認証端末を長く動作させつつ、所定の内容を表示できる。
【0050】
本発明に係る通行認証端末では、前記制御部は、通常時、前記各部に対して、前記各部が遅滞なく動作できるために要する前記電力のみを供給すること、を特徴とする。
【0051】
これにより、最低限の消費電力で動作させることができるので、通行認証端末を長く動作させることができる。
【0052】
本発明に係る通行認証装置は、移動者が携帯する通行認証端末から取得する前記移動者を認証する第1認証情報、及び、前記移動者を認証する第2認証情報を用いて、前記移動者を認証し、前記移動者の所定領域の通行可否を判断する通行認証装置であって、第1の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第1認証情報を取得し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信装置を介して前記第1認証情報を取得し、第2の通信方式を介して無線通信し、前記通行認証端末から前記第2認証情報を取得し、前記第2認証情報を送信する第2無線通信装置を介して前記第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すること、を特徴とする。
【0053】
これにより、第1の通信方式を介した無線通信、及び、第2の通信方式を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる。
【0054】
また、移動者は通行認証端末を携帯するだけで認証を受けることができる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、認証できる。
【0055】
さらに、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証する。
【0056】
本発明に係る通行認証装置では、前記所定領域を前記移動者が通行できると判断すると、前記移動者の通行を制御するゲート装置を、前記移動者が通行できるように制御すること、を特徴とする。
【0057】
これにより、移動者の認証によって、容易に、移動者の通行を制御できる。
【0058】
本発明に係る通行認証プログラムは、コンピュータを、移動者が携帯する通行認証端末として機能させる通行認証プログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、前記移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得する認証情報取得部、第1の通信方式を用いて無線通信する第1無線通信部であって、前記認証情報取得部が取得した前記取得認証情報を用いて前記移動者を認証する第1認証情報を生成し、前記第1認証情報を送信する第1無線通信部、第2の通信方式を用いて無線通信する第2無線通信部であって、前記移動者を認証する第2認証情報を送信する第2無線通信部、前記各部に対して動作に必要な電力を供給する電源部、として機能させる。
【0059】
これにより、異なる通信経路を用いた移動者を認証する通行認証システムを、容易に、構築できる。
【0060】
また、移動者は、認証の際に、通行認証端末を携帯しておくだけで、他の操作を必要としない。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システムを、容易に、構築できる。
【0061】
また、移動者の認証情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を、容易に、認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム100を示す図である。
【
図3】通行認証装置115のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】ゲート装置111、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113の配置例を示す図である。
【
図6】通行認証端末130のハードウェア構成を示す図である。
【
図7】NFC通信部133のハードウェア構成を示す図である。
【
図8】通行認証端末130のBLE認証通信処理を示すフローチャートである。
【
図9】通行認証端末130のNFC認証通信処理を示すフローチャートである。
【
図10】BLE認証通信装置113の動作を示すフローチャートである。
【
図11】NFC認証通信装置112の動作を示すフローチャートである。
【
図12】通行認証装置115の認証処理を示すフローチャートである。
【
図13】ゲート制御部111cの動作を示すフローチャートである。
【
図14】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム200を示す図である。
【
図15】通行認証端末230のハードウェア構成を示す図である。
【
図16】NFC通信部233のハードウェア構成を示す図である。
【
図17】通行認証端末230のNFC認証通信処理を示すフローチャートである。
【
図18】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム300を示す図である。
【
図19】通行認証端末330の外観を示す図である。
【
図20】通行認証端末330を分解した状態を示す図である。
【
図21】NFC通信部333のハードウェア構成を示す図である。
【
図22】制御部339のハードウェア構成を示す図である。
【
図23】通行認証端末330の上側筐体部340tを示す図である。
【
図24】通行認証端末330のBLE認証通信処理を示すフローチャートである。
【
図25】本発明に係る通行認証システムの一実施例である通行認証システム400を示す図である。
【
図26】通行認証装置415のハードウェア構成を示す図である。
【
図27】通行認証端末430を分解した状態を示す図である。
【
図28】NFC通信部433のハードウェア構成を示す図である。
【
図29】制御部439のハードウェア構成を示す図である。
【
図30】通行認証端末430のNFC認証通信処理を示すフローチャートである。
【
図31】ゲート制御装置415の認証位置取得処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0064】
本発明に係る通行認証システムについて、一実施例である通行認証システム100を例に説明する。通行認証システム100は、移動者の所在位置を、通行認証端末130によって、簡単に、確認できるシステムである。
【0065】
第1 通行認証システム100の構成
通行認証システム100について、
図1を用いて説明する。通行認証システム100は、移動者が携帯する通行認証端末130、通行認証端末130と無線通信する第1無線通信装置であるBLE認証通信装置113、通行認証端末130と無線通信する第2無線通信装置であるNFC認証通信装置112、及び、移動者を認証する通行認証装置130を用いて、移動者の所定領域の通行可否を判断する。通行認証端末130は、移動者を認証する認証情報を取得認証情報として取得し、取得した取得認証情報を用いて移動者を認証する第1認証情報を生成し、第1の通信方式であるBLE(Bluetooth Low Energy)を用いて第1認証情報を無線送信し、移動者を認証する第2認証情報を第2の通信方式であるNFC(Near Field Communication)を用いて無線送信する。
【0066】
BLE認証通信装置113は、第1の通信方式であるBLE(Bluetooth Low Energy)を介して無線通信し、通行認証端末130か記第1認証情報を取得し、第1認証情報を送信し、NFC認証通信装置112は、第2の通信方式としてNFC(Near Field Communication)を介して無線通信し、通行認証端末130から第2認証情報を取得し、第2認証情報を送信する。通行認証装置115は、BLE認証通信装置113を介して第1認証情報を取得し、NFC認証通信装置112を介して第2認証情報を取得し、取得した第1認証情報、及び、第2認証情報から認証できた場合に、所定領域を移動者が通行できると判断する。
【0067】
1.ゲート装置111
ゲート装置111のハードウェア構成について
図2を用いて説明する。ゲート装置111は、開閉ゲート部111a、及び、ゲート制御部111cを有している。開閉ゲート部111aは、移動者の進行方向に対してゲートを開閉することによって、移動者の通行可否を制御する。なお、開閉ゲート部111aは、所定の駆動機構(図示せず)を有している。
【0068】
ゲート制御部111cは、通行認証装置115との間の通信を制御するとともに、開閉ゲート部111aの開閉を制御する。
【0069】
2.NFC認証通信装置112
NFC認証通信装置112は、第2の通信方式として近距離無線通信の一つである近接場無線通信を用いるRFID(Radio Frequency IDentifier)、さらに、RFIDの一つであるNFCを用いて、無線通信する。NFC認証通信装置112は、NFCリーダ/ライタであり、通行認証端末130のNFC通信部133(後述)と通信し、NFC通信部133からNFC特定情報を取得する。
【0070】
なお、NFC認証通信装置112は、数cm~1m程度の近接場の範囲内で、通行認証端末130のNFC通信部133と通信する。また、NFC認証通信装置112は、通行認証装置115に接続され、取得したNFC認証情報を送信する。NFC認証通信装置112は、所定の磁界を発生し、通行認証端末130のNFC通信部133に誘導電流を発生させて、NFC通信部133を動作させ、所定のデータを送受信する。
【0071】
3.BLE認証通信装置113
BLE認証通信装置113は、他のBLE通信とBLE通信するためのBLE通信回路、及び、通行認証装置115と通信するための通信回路を有している。BLE認証通信装置113は、所定間隔で、BLE認証情報を送信するよう要求するBLE認証要求情報を送信する。BLE認証通信装置113は、第1の無線ネットワークとして近距離無線通信の一つであるBLEを用いて、BLE認証要求情報を取得した通行認証端末130のBLE通信部132(後述)と通信し、BLE通信部132からBLE認証情報を取得する。
【0072】
なお、BLE通信回路は、数m~10m程度のパーソナル・エリア・ネットワークの範囲内で通信する。また、BLE認証通信装置113は、通行認証装置115に、取得したBLE認証情報を送信する。
【0073】
4.通行認証装置115
通行認証装置115のハードウェア構成について
図3を用いて説明する。通行認証装置115は、CPU115a、メモリ115b、ハードディスクドライブ115c(以下、HDD115cとする)、キーボード115d、マウス115e、ディスプレイ115f、光学式ドライブ115g、及び、通信回路115hを有する。
【0074】
CPU115aは、HDD115cに記録されているオペレーティング・システム(OS)、所在位置判断プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ115bは、CPU115aに対して作業領域を提供する。HDD115cは、オペレーティング・システム(OS)、ゲート認証制御プログラム等その他のアプリケーションのプログラム、装置配置テーブル(以下、装置配置TB)、及び、認証NFC特定情報データベース(以下、認証NFC特定情報DB)、その他のデータを記録保持する。
【0075】
装置配置TBとは、ゲート装置111、BLE認証通信装置113の配置位置を記述したテーブルである。装置配置TBのデータ構造について
図4を用いて説明する。装置配置TBは、装置番号記述領域、配置位置記述領域、及び、対応ゲート記述領域を有している。装置番号記述領域には、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113のそれぞれを一意に特定する番号が記述される。配置位置記述領域には、各装置の配置位置が記述される。対応ゲート記述領域には、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113に関連付けられたゲート装置111を特定する装置番号が記述される。
【0076】
例えば、
図5に示すように、メインエントランスMEに装置番号「G1」のゲート装置111、そのゲート装置111に関連付けられた装置番号「CN1」のNFC認証通信装置112、及び、装置番号「CB1」のBLE認証通信装置113が配置され、部屋R1の出入り口E1に装置番号「G2」のゲート装置111、そのゲート装置111に関連付けられた装置番号「CN2」のNFC認証通信装置112が、通路P2に装置番号「G3」のゲート装置111、そのゲート装置111に関連付けられた装置番号「CB2」のBLE認証通信装置113が、それぞれ配置されている。
【0077】
この場合、出入り口E1に配置されている装置番号「CN2」のNFC認証通信装置112であれば、装置番号記述領域に「CN2」、対応する配置位置記述領域に「E1」が、それぞれ記述される。
【0078】
なお、1つのゲート装置111に対して、複数のNFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113が関連付けられている場合には、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113の配置位置記述領域に記述する配置位置が同じ値となる。例えば、メインエントランスMEに配置される装置番号「G1」のゲート装置111に対しては、装置番号「CN1」のNFC認証通信装置112、及び、装置番号「CB1」のBLE認証通信装置113が関連づけられているため、装置番号記述領域「CN1」、「PB1」のそれぞれに対応する配置位置記述領域には、同じ配置位置「ME」が、また、ゲート記述領域には同じ装置番号「G1」が、それぞれ記述される。
【0079】
認証NFC特定情報DBとは、ゲート装置111を通過させる通行認証端末130の通行認証端末特定情報と、通行認証端末130に搭載されるNFC通信部133のNFC特定情報とが関連づけて記述されたデータベースである。つまり、認証NFC特定情報DBに記述されたNFC特定情報に対応しないNFC通信部133を有する通行認証端末130を携帯する移動者は、ゲート装置111を通過することができない。
【0080】
図3に戻って、キーボード115d、マウス115eは、外部からの命令を受け付ける。ディスプレイ115fは、ユーザーインターフェイス等の画像を表示する。光学式ドライブ115gは、所在位置判断プログラムが記録されている光学式メディア115pから所在位置判断プログラムを読み取り、また、他の光学式メディアからその他のアプリケーションのプログラムを読み取る等、光学式メディアからのデータの読み取りを行う。通信回路115hは、所定のネットワークに接続し、NFC認証通信装置112、BLE認証通信装置113等、外部の通信機器と情報の送受信を行う。なお、通信回路115hには、予め、ネットワーク上の位置を一意に特定するアドレスが設定されている。
【0081】
6.通行認証端末130
通行認証端末130のハードウェア構成について、
図6を用いて説明する。通行認証端末130としては、所定の領域を通行する際に移動者を認証するための通行認証プログラムを有する、所定の構成を有する携帯電話を用いる。
【0082】
通行認証端末130は、認証情報取得部である指紋情報取得部131、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部であるBLE通信部132、近接場通信部であるNFC通信部133、タッチパネルディスプレイ部134、加速度検出部である加速度センサ部137、電源部138、及び、制御部139を有している。
【0083】
指紋情報取得部131は、通行認証端末130を利用する移動者の指紋を認証情報である指紋情報として取得する。
【0084】
BLE通信部132は、省電力近距離無線通信の一つであるBLEを通信プロトコルとして用いて、BLE認証通信装置113と省電力で無線通信する。なお、BLEは、パーソナル・エリア・ネットワークにおける無線通信技術の一つであるBluetooth(登録商標)の一部に相当する。
【0085】
NFC通信部133は、近接場無線通信の一つであるRFIDのさらに一つであるNFCに基づいて、NFC認証通信装置112と無線通信する。NFC通信部133は、NFC認証通信装置112が発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
【0086】
NFC通信部133のハードウェア構成について
図7を用いて説明する。NFC通信部133は、通信制御部133a、セキュア記憶部133b、及び、コイル部133cを有している。通信制御部133aは、誘導電流により生ずる誘導電力を用いて、NFC認証通信装置112との間で無線通信する。セキュア記憶部133bは、NFC通信部133を一意に特定するNFC特定情報を記憶保持している。コイル部133cには、NFC認証通信装置112が発生する磁界により誘導電流が発生する。
【0087】
タッチパネルディスプレイ部134は、所定の情報を表示するとともに、ディスプレイを介して外部からの操作を操作情報として取得する。
【0088】
加速度センサ部137は、3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ部137は、通行認証端末130に生じた振動や衝撃を検出する。
【0089】
電源部138は、指紋情報取得部131、BLE通信部132、NFC通信部133、タッチパネルディスプレイ部134、加速度センサ部137、及び、制御部139に、所定の電力を供給する。電源部138には、例えば、充電可能なリチウムイオン電池を用いる。
【0090】
制御部139は、通行認証端末130の各構成要素の動作を制御する。制御部139のハードウェア構成について
図6を用いて説明する。制御部139は、CPU139a、メモリ139b、及び、インターフェイス部139cを有している。
【0091】
CPU139aは、メモリ139bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、通行認証プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ139bは、CPU139aに対して作業領域を提供する。メモリ139bは、OS、通行認証プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。メモリ139bは、通行認証端末130に関連づけられる使用者の基準となる指紋パターンを認証指紋情報として記憶保持する。また、メモリ139bは、通行認証端末130を一意に特定する通行認証端末特定情報を記憶保持する。
【0092】
インターフェイス部139cは、接続線を介して、指紋情報取得部131、BLE通信部132、NFC通信部133、タッチパネルディスプレイ部134、加速度センサ部137、及び、電源部138と接続される。CPU139aは、インターフェイス部139cを介して接続された各構成要素の動作を制御する。
【0093】
なお、BLE通信部132、CPU139a、メモリ139bによって第1無線通信部が、NFC通信部133、CPU139a、メモリ139bによって第2無線通信部が、それぞれ形成される。
【0094】
第2 通行認証システム100の動作
通行認証システム100の動作について、以下に説明する。通行認証システム100は、所定領域を通行する際に移動者を認証する通行認証処理を実行する。通行認証処理におけるゲート装置111、BLE認証通信装置113、通行認証装置115、及び、通行認証端末130の動作について、
図8~
図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0095】
1.通行認証端末130の動作
通行認証処理において、通行認証端末130の制御部139のCPU139aは、BLE認証通信装置113と通信するBLE認証通信処理、及び、NFC認証通信装置112と通信するNFC認証通信処理を実施する。
【0096】
1)BLE認証通信処理
BLE認証通信処理について、
図8に示すフローチャートを用いて説明する。BLE認証通信処理は、通行認証端末130の使用者が、指紋情報取得部131に触れることによって開始される。制御部139のCPU139aは、指紋情報取得部131に人の接触があったと判断すると(S601)、指紋情報取得部131を介して指紋情報を取得すると(S603)、メモリ139bから認証指紋情報を取得する(S605)。CPU139aは、指紋情報取得部131から取得した指紋情報である取得指紋情報と認証指紋情報とが等しいか否かを判断する(S607)。
【0097】
CPU139aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しいと判断すると、通行認証端末特定情報で特定される通行認証端末が認証済である旨を示す第1認証情報である認証情報を生成する(S609)。一方、CPU139aは、取得指紋情報が認証指紋情報と等しくないと判断すると、通行認証端末特定情報で特定される通行認証端末が未認証である旨を示す認証情報を生成する(S611)。
【0098】
CPU139aは、生成した認証情報と自身を一意に特定する通行認証端末特定情報とを関連付けた端末BLE認証情報を生成する(S613)。CPU139aは、BLEにおける装置間の通常の接続シーケンスに従って、通行認証端末130とBLE認証通信装置113との間の接続を確立する(S615)。例えば、通行認証端末130をペリフェラル、BLE認証通信装置113をセントラルとして、通行認証端末130とBLE認証通信装置113との間で接続する。
【0099】
CPU139aは、BLE認証通信装置113と接続すると、BLE通信部132を介して、生成した端末BLE認証情報を、接続したBLE認証通信装置113へ送信する(S617)。CPU139aは、端末BLE認証情報の送信後、BLEにおける装置間の通常の切断シーケンスに従って、BLE認証通信装置113との接続を切断する(S619)。
【0100】
CPU139aは、終了するまで(S621)、ステップS601~ステップS619の処理を繰り返す。
【0101】
2)NFC認証通信処理
NFC認証通信処理について、
図9に示すフローチャートを用いて説明する。 通行認証端末130を携帯する移動者は、ゲート装置111の近くに設置されているBLE認証通信装置113を介した認証の後、ゲート装置111に設置されているNFC認証通信装置112を介した認証を実施する。移動者は、通行認証端末130を、ゲート装置111に設置されているNFC認証通信装置112にかざす。
【0102】
NFC認証通信装置112にかざされた通行認証端末130のNFC通信部133の通信制御部133aは、コイル部133cに誘導電流が発生したと判断すると(S901)、セキュア記憶部133bからNFC特定情報を取得する(S903)。また、通信制御部133aは、メモリ139bから、通行認証端末特定情報を取得する(S905)。通信制御部133aは、取得したNFC特定情報と通行認証端末特定情報とを関連付けて第2認証情報である端末NFC認証情報として、対応するNFC認証通信装置112に送信する(S907)。
【0103】
2.BLE認証通信装置113の動作
図10に示すように、BLE認証通信装置113は、通行認証端末130と接続し(S801)、BLE認証情報を取得すると(S803)、通行認証端末130との接続を切断する(S805)。BLE認証通信装置113は、取得したBLE認証情報に、自身の装置番号、及び、取得時間を付加した中継BLE認証情報を生成する(S807)。BLE認証通信装置113は、生成した中継BLE認証情報を通行認証装置115へ送信する(S809)。BLE認証通信装置113は、終了するまで(S811)、ステップS801~ステップS809の処理を繰り返す。
【0104】
3.NFC認証通信装置112の動作
NFC認証通信装置112、及び、ゲート制御部111cの動作について、
図11に示すフローチャートを用いて説明する。NFC認証通信装置112は、通行認証端末130のNFC通信部132から端末NFC認証情報を取得すると(S1001)、取得した端末NFC認証情報に、自身の装置番号、及び、取得時間を付加した中継NFC認証情報を生成する(S1003)。NFC認証通信装置112は、生成した中継NFC認証情報を通行認証装置115へ送信する(S1005)。
【0105】
4.通行認証装置115の動作
通行認証装置115の動作について、
図12に示すフローチャートを用いて説明する。通行認証装置115のCPU115aは、中継BLE認証情報を取得すると(S1101)、中継BLE認証情報の内容を判断する。CPU115aは、BLE認証情報の内容が「認証済み」であると判断すると(S1103)、装置配置TBに配置位置が同じ他の装置が存在するか否か、つまり、重複認証の対象となる他の装置が存在するか否かを判断する(S1105)。
【0106】
CPU115aは、装置配置TBに配置位置が同じ他の装置が存在すると判断すると、認証端末テーブル(以下、認証端末TB)に、ステップS1101で取得したBLE認証情報が有する通行認証端末特定情報が存在するか否か、つまり、重複認証の対象となる他の装置による認証判断が既に終了しているか否かを判断する(S1107)。ここで、認証端末TBとは、重複認証の対象となる複数の装置のうち、一つの装置について認証が終了しているか否かを示す情報である。認証端末TBは、メモリ115bに一時的に生成される。
【0107】
CPU115aは、認証端末テーブルに、ステップS1101で取得したBLE認証情報が有する通行認証端末特定情報が存在しないと判断すると、その通行認証端末特定情報を認証端TBに記述する(S1115)。
【0108】
CPU115aは、認証端末テーブルに、ステップS1101で取得したBLE認証情報が有する通行認証端末特定情報が存在すると判断すると、重複認証が終了したと判断し、その通行認証端末特定情報を認証端末TBから削除する(S1109)。そして、CPU115aは、ゲート装置111を開放する旨を示すゲート制御情報を生成する(S1111)。
【0109】
なお、CPU115aは、ステップS1105において、装置配置TBに配置位置が同じ他の装置が存在しない、つまり、重複認証でなく単独認証であると判断すると、認証端末TBに記述することなく、ゲート装置111を開放する旨を示すゲート制御情報を生成する(S1111)。
【0110】
また、CPU115aは、ステップS1103において、BLE認証情報の内容が「未認証」であると判断すると、ゲート装置111を閉じる旨を示すゲート制御情報を生成する(S1113)。
【0111】
一方、CPU115aは、中継NFC認証情報を取得すると(S1117)、取得した中継NFC認証情報のNFC特定情報が認証NFC特定情報DBに存在するか否かを判断する(S1119)。
【0112】
CPU115aは、取得した中継NFC認証情報のNFC特定情報が認証NFC特定情報DBに存在すると判断すると、ステップS1101、S1103において中継BLE認証情報の内容が「認証済み」である場合と同様に、ステップS1105以降処理を実行する。
【0113】
CPU115aは、ステップS1111、S1113で生成したゲート制御情報を、ステップS1101で取得した中継BLE認証情報、又は、ステップS1117で取得した中継NFC認証情報の装置番号の装置に関連づけられているゲート装置111を装置配置TB(
図4参照)から特定し(S1121)、ゲート装置111へ送信する(S1123)。
【0114】
CPU115aは、動作が終了するまで(S1127)、ステップS1101~ステップS1123の処理を繰り返す。
【0115】
5.ゲート装置111の動作
図13に示すように、ゲート装置111のゲート制御部111cは、ゲート制御情報を取得すると(S1401)、ゲート制御情報の内容にしたがって開閉ゲート部111aの動作を制御する(S1403)。例えば、ゲート制御情報の内容がゲート装置111を開放する旨であると判断すると、所定の駆動装置を動作させて開閉ゲート部111aを開放する。一方、取得したゲート制御情報の内容がゲート装置111を閉じる旨であると判断すると、所定の駆動装置を動作させて開閉ゲート部111aを閉じる。
【0116】
これにより、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信、及び、近接場を介した無線通信による異なる通信経路によって移動者を多重認証できる。つまり、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システム100を構築できる。
【0117】
また、移動者は通行認証端末130を携帯し、通行認証端末130を対応するNFC認証通信装置112にかざすだけで、簡単に、認証できる。つまり、移動者に負担をかけることなく、簡単に、移動者を認証できる通行認証システム100を構築できる。
【0118】
さらに、移動者の指紋情報を認証情報として移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証する通行認証システム100を構築できる。
【0119】
さらに、移動者の指紋情報を、移動者が携帯する通行認証端末130において認証するため、指紋情報が外部に漏洩する可能性を低減でき、安全性を高くできる。
【0120】
さらに、異なる通信経路において、異なる認証を実施できる。つまり、より高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる通行認証システム100を構築できる。
【0121】
さらに、パーソナル・エリア・ネットワークを介した無線通信により電力消費を抑えることができ、ひいては、通行認証端末130を長く動作させることができる。
【0122】
さらに、指紋情報により移動者を認証するため、高いセキュリティ・レベルで移動者を認証できる。
【0123】
さらに、取得した認証情報に基づき生成されたBLE認証情報を送信する際には、BLEを用いて無線通信可能とできるため、遅滞なく、簡単に、BLE認証情報を送信することができる。
本実施例に係る通行認証端末230は、前述の実施例1に係る通行認証端末130の機能に加えて、NFC認証通信装置112とNFC通信する際に、電源部138を充電するものである。以下においては、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
通行認証端末230は、認証情報取得部である指紋情報取得部131、無線パーソナル・エリア・ネットワーク通信部であるBLE通信部132、近接場通信部であるNFC通信部233、タッチパネルディスプレイ部134、加速度検出部である加速度センサ部137、電源部138、及び、制御部239を有している。
NFC通信部233は、RFIDの一つであるNFCに基づいて、対応するNFCリーダ/ライタと無線通信する。NFC通信部233は、NFCリーダ/ライタが発生する磁界により生ずる誘導電力により無線通信する、いわゆるパッシブ・タグ(Passive Tag)型である。
このように、通行認証端末230では、NFC認証通信処理において通行認証端末230の電源部138を充電できるので、通行認証端末230を長く動作させることができる。