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特開2022-133545光照射モジュール、および光照射装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133545
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】光照射モジュール、および光照射装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/50 20220101AFI20220907BHJP
   H05B 47/25 20200101ALI20220907BHJP
   H05B 45/38 20200101ALI20220907BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20220907BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20220907BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20220907BHJP
【FI】
H05B45/50
H05B47/25
H05B45/38
H05B45/375
H05B45/345
H05B45/325
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032277
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】毛利 晋也
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA34
3K273BA35
3K273CA01
3K273CA02
3K273CA03
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA39
3K273EA43
3K273EA44
3K273GA02
3K273GA12
3K273GA14
3K273HA10
(57)【要約】
【課題】光照射モジュールが逆の極性で接続されても、発光素子が故障するのを抑制することができる光照射モジュール、および光照射装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る光照射モジュールは、少なくとも1つの発光素子と;前記発光素子のアノード側に電気的に接続された第1の端子と;前記発光素子のカソード側に電気的に接続された第2の端子と;前記発光素子のカソードと、前記第2の端子と、の間に、前記第2の端子と並列接続された抵抗と;前記抵抗に電気的に接続された第3の端子と;を具備している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発光素子と;
前記発光素子のアノード側に電気的に接続された第1の端子と;
前記発光素子のカソード側に電気的に接続された第2の端子と;
前記発光素子のカソードと、前記第2の端子と、の間に、前記第2の端子と並列接続された抵抗と;
前記抵抗に電気的に接続された第3の端子と;
を具備した光照射モジュール。
【請求項2】
前記第1の端子、前記第2の端子、および前記第3の端子は、基板の一方の辺に沿って並べて設けられている請求項1記載の光照射モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光照射モジュールと;
前記光照射モジュールに対して着脱可能な点灯装置と;
を具備し、
前記点灯装置は、
前記光照射モジュールの前記第1の端子と電気的に接続される第4の端子と;
前記光照射モジュールの前記第2の端子と電気的に接続される第5の端子と;
前記光照射モジュールの前記第3の端子と電気的に接続される第6の端子と;
前記第6の端子と電気的に接続され、電圧および電流の少なくともいずれかを検出する接続検出回路と;
を有し、
前記接続検出回路は、所定の閾値と検出値とを比較することで、前記点灯装置に接続された前記光照射モジュールの極性、および、前記光照射モジュールの接続状態の少なくともいずれかを判定する光照射装置。
【請求項4】
前記点灯装置は、前記第4の端子と電気的に接続されたスイッチをさらに有し、
前記接続検出回路は、前記判定結果に基づいて、前記スイッチを制御する請求項3記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光照射モジュール、および光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長寿命化、省エネルギー化、小型化などの観点から、フィラメントを有するランプを備えた光照射モジュールや、放電ランプを備えた光照射モジュールなどに代えて、発光ダイオードを備えた光照射モジュールの普及が進んでいる。近年においては、紫外線を照射する発光ダイオードや、赤外線を照射する発光ダイオードなどを備えた光照射モジュールも提案されている。
【0003】
ここで、発光ダイオードは、直流駆動型素子であるため、極性がある。すなわち、発光ダイオードのアノード側の端子は電源のプラス側の端子に電気的に接続し、発光ダイオードのカソード側の端子は電源のマイナス側の端子に電気的に接続する必要がある。
【0004】
例えば、製造工程においては、作業練度の高い作業者が光照射モジュール(発光ダイオード)と点灯装置との電気的な接続を行うため、光照射モジュールが点灯装置に逆の極性で接続されることは希である。しかしながら、メンテナンスの際などには、作業練度の低い作業者が光照射モジュールと点灯装置との電気的な接続を行う場合があり、光照射モジュールが点灯装置に逆の極性で接続されることが生じ得る。また、光照射モジュールを製造する際に発光ダイオードの極性を間違えて基板に実装することも生じ得る。
【0005】
光照射モジュールが、逆の極性で接続されたために発光ダイオードに逆方向の電圧が印加されると、発光ダイオードから光が照射されなかったり、発光ダイオードの故障の原因となったりする。この場合、紫外線を照射する発光ダイオードは高価格であるため、紫外線を照射する発光ダイオードが故障すると製造コストに及ぼす影響が大きくなる。また、ダイオードなどの保護素子を光照射モジュールに設けることも考えられるが、発光ダイオードの故障を完全に防ぐのは困難である。
そこで、光照射モジュールが逆の極性で接続されても、発光ダイオードなどの発光素子が故障するのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-243484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、光照射モジュールが逆の極性で接続されても、発光素子が故障するのを抑制することができる光照射モジュール、および光照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る光照射モジュールは、少なくとも1つの発光素子と;前記発光素子のアノード側に電気的に接続された第1の端子と;前記発光素子のカソード側に電気的に接続された第2の端子と;前記発光素子のカソードと、前記第2の端子と、の間に、前記第2の端子と並列接続された抵抗と;前記抵抗に電気的に接続された第3の端子と;を具備している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、光照射モジュールが逆の極性で接続されても、発光素子が故障するのを抑制することができる光照射モジュール、および光照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る光照射装置を例示するための模式図である。
図2】比較例に係る光照射装置を例示するための模式図である。
図3】光照射モジュールが点灯装置に逆の極性で接続された場合を例示するための模式図である。
図4】光照射モジュールの接続状態が不適切な場合を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る光照射装置200を例示するための模式図である。
図1に示すように、光照射装置200は、例えば、光照射モジュール1、および点灯装置100を有する。
光照射モジュール1は、例えば、基板10、発光素子20、および抵抗30を有する。
【0012】
基板10は、板状体とすることができる。基板10の平面形状には特に限定がなく、例えば、発光素子20の数や配置、光照射モジュール1が収納される筐体の形状などに応じて適宜変更することができる。基板10の平面形状は、例えば、四角形などの多角形とすることができる。
【0013】
基板10は、絶縁性材料から形成することができる。基板10は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成される。また、基板10は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板であってもよい。
【0014】
発光素子20の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板10を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、酸化アルミニウムや炭素(カーボン)などからなるフィラーを混合させたものとすることができる。
【0015】
基板10の一方の面には、配線パターン11が設けられている。配線パターン11は、例えば、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成される。配線パターン11は、例えば、実装パッド11a、実装パッド11b、端子11c(第1の端子の一例に相当する)、端子11d(第2の端子の一例に相当する)、端子11e(第3の端子の一例に相当する)を有する。
【0016】
実装パッド11aには、発光素子20が実装される。
実装パッド11bには、抵抗30が実装される。
端子11c、端子11d、および端子11eは、例えば、基板10の一方の辺に沿って並べて設けられている。
端子11cは、発光素子20のアノード側に電気的に接続されている。
端子11dは、発光素子20のカソード側に電気的に接続されている。
端子11eは、抵抗30に電気的に接続されている。
【0017】
発光素子20は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子20は、少なくとも1つ設けることができる。複数の発光素子20が設けられる場合には、図1に示すように、複数の発光素子20を直列接続することができる。また、複数の発光素子20が直列接続された回路を複数並列接続してもよい。
【0018】
発光素子20から照射される光には特に限定がない。例えば、発光素子20は、可視光を照射するものであってもよいし、紫外線(例えば、波長が10nm~400nm)を照射するものであってもよいし、赤外線(例えば、波長が0.7μm~1000μm)を照射するものであってもよい。
【0019】
また、発光素子20の形式にも特に限定はない。発光素子20は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光ダイオード、砲弾型などのリード線を有する発光ダイオード、COB(Chip On Board)により実装されるチップ状の発光ダイオードなどとすることができる。なお、チップ状の発光素子20とする場合には、チップ状の発光ダイオードを囲む枠状のリフレクタや、枠状のリフレクタの内側に設けられ、チップ状の発光ダイオードを覆う封止部などを適宜設けることができる。チップ状の発光ダイオードは、上部電極型の発光ダイオード、上下電極型の発光ダイオード、フリップチップ型の電極型の発光ダイオードのいずれであってもよい。
【0020】
ここで、発光素子20は、流駆動型素子であるため、極性がある。そのため、発光素子20のアノード側にプラスの電圧が印加されないと、発光素子20から光が照射されなったり、発光素子20の故障の原因となったりする。また、点灯装置100は、光照射モジュール1に対して着脱可能である。例えば、光照射モジュール1と点灯装置100は、配線やコネクタなどを介して電気的に接続される。
【0021】
光照射モジュール1と点灯装置100との電気的な接続は、製造工程のみならず、光照射装置200の設置工事や、メンテナンスにおける光照射モジュール1の交換作業などにおいても実施される。すなわち、光照射モジュール1と点灯装置100との電気的な接続は、作業練度の低いユーザ側の担当者などにより行われる場合がある。そのため、光照射モジュール1(発光素子20)が逆の極性で電気的に接続される場合が生じ得る。光照射モジュール1(発光素子20)が逆の極性で電気的に接続されると、発光素子20から光が照射されなかったり、発光素子20の故障の原因となったりするおそれがある。
【0022】
そこで、光照射モジュール1には、端子11eおよび抵抗30が設けられている。端子11eと抵抗30は直列接続されている。直列接続された端子11eと抵抗30は、端子11dと並列接続されている。すなわち、抵抗30は、発光素子20のカソードと、端子11dとの間に、端子11dと並列接続されている。
【0023】
抵抗30の形式には特に限定はない。抵抗30は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO)とすることができる。
【0024】
また、光照射モジュール1には、発光素子20を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子を、必要に応じて適宜設けることができる。例えば、光照射モジュール1には、ノイズの低減や電圧の平滑化などのためにコンデンサを設けることもできる。例えば、光照射モジュール1には、発光素子20に過大な電流が流れないようにするために電流制限抵抗を設けることもできる。その他、光照射モジュール1には、例えば、ダイオード、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタなどのトランジスタ、ツェナーダイオード、集積回路、演算素子などを設けてもよい。
【0025】
図1に示すように、点灯装置100は、例えば、整流回路111、コンバータ112、接続検出回路113、およびスイッチ114を有する。
【0026】
整流回路111の入力側は、例えば、光照射装置200の外部に設けられた交流電源250と電気的に接続される。整流回路111は、例えば、交流電源250により印加された交流電圧を全波整流することができる。整流回路111は、例えば、ダイオードブリッジなどを有する。
【0027】
コンバータ112の入力側は、例えば、整流回路111の出力側と電気的に接続される。コンバータ112の出力側の正極端子は、例えば、スイッチ114を介して、端子100aと電気的に接続されている。コンバータ112の出力側の負極端子は、例えば、端子100bと電気的に接続されている。
【0028】
また、端子100a(第4の端子の一例に相当する)は、光照射モジュール1の端子11cと電気的に接続される。端子100b(第5の端子の一例に相当する)は、光照射モジュール1の端子11dと電気的に接続される。端子100c(第6の端子の一例に相当する)は、光照射モジュール1の端子11eと電気的に接続される。
【0029】
コンバータ112は、整流回路111により全波整流された電圧を、所定の直流電圧に変換する。コンバータ112は、例えば、スイッチング回路を有する。コンバータ112は、例えば、フライバックコンバータや、昇圧チョッパと降圧チョッパとを組み合わせた回路などを有することもできる。
【0030】
また、コンバータ112には、定電流回路を設けることもできる。コンバータ112に定電流回路が設けられていれば、光照射モジュール1に一定の直流電流を供給することができる。例えば、スイッチング回路に設けられたスイッチング素子をPWM制御することで、一定の直流電流が光照射モジュール1に供給されるようにしてもよい。この場合、例えば、光照射モジュール1への出力電流を検出し、検出された出力電流値と目標電流値とが一致するように、PWM制御のオン時間またはオンデューティを制御することができる。
【0031】
接続検出回路113は、端子100cに電気的に接続されている。接続検出回路113は、端子100cを介して入力された電圧および電流の少なくともいずれかを検出する。接続検出回路113は、所定の閾値と検出値とを比較することで、点灯装置100に接続された光照射モジュール1の極性、および、光照射モジュール1の接続状態の少なくともいずれかを判定する。なお、判定に用いられる閾値は、発光素子20の数、発光素子20の接続形態、発光素子20の電圧特性、抵抗30の抵抗値などに基づいて適宜決定することができる。
【0032】
例えば、接続検出回路113は、検出値が所定の閾値以下の場合には、光照射モジュール1が点灯装置100に正しい極性で接続されたと判定することができる。
例えば、接続検出回路113は、検出値が所定の閾値を超えた場合には、光照射モジュール1が点灯装置100に逆の極性で接続されたと判定することができる。
例えば、接続検出回路113は、検出値が「0(ゼロ)」、または、ほぼ「0(ゼロ)」の場合には、光照射モジュール1が点灯装置100に接続されていない、または、接続が不完全であると判定することができる。
【0033】
また、接続検出回路113は、判定結果に基づいて、スイッチ114を制御する。
なお、光照射モジュール1に設けられた抵抗30および端子11eと、点灯装置100に設けられた接続検出回路113およびスイッチ114と、の作用および効果に関する詳細は後述する。
【0034】
スイッチ114は、端子100aと電気的に接続されている。例えば、スイッチ114は、コンバータ112の出力側の正極端子と、端子100aとの間に電気的に接続されている。スイッチ114は、接続検出回路113からの信号に基づいて、光照射モジュール1への直流電圧の印加と、直流電圧の印加の停止とを切り替える。スイッチ114は、例えば、トランジスタなどとすることができる。
【0035】
次に、光照射モジュール1に設けられた抵抗30および端子11eと、点灯装置100に設けられた接続検出回路113およびスイッチ114と、の作用および効果についてさらに説明する。
まず、比較例に係る光照射装置300について説明する。
図2は、比較例に係る光照射装置300を例示するための模式図である。
図2に示すように、光照射装置300は、光照射モジュール301、および点灯装置302を有する。
【0036】
光照射モジュール301は、基板310、および、発光素子20を有する。光照射モジュール301には、前述した抵抗30、および端子11eが設けられていない。
基板310は、前述した基板10と同様とすることができる。基板310の一方の面には、配線パターン311が設けられている。配線パターン311は、実装パッド311a、端子311c、および端子311dを有する。
【0037】
実装パッド311aには、発光素子20が実装される。実装パッド311aは、前述した実装パッド11aと同様とすることができる。
端子311cおよび端子311dは、基板310の一方の辺に沿って並べて設けられている。
端子311cは、発光素子20のアノード側に電気的に接続されている。
端子311dは、発光素子20のカソード側に電気的に接続されている。
【0038】
点灯装置302は、整流回路111、およびコンバータ112を有する。点灯装置302には、前述した接続検出回路113、およびスイッチ114が設けられていない。
コンバータ112の出力側の正極端子は、端子302aに電気的に接続されている。コンバータ112の出力側の負極端子は、端子302bに電気的に接続されている。
【0039】
前述したように、発光素子20には極性がある。光照射モジュール301が点灯装置302に電気的に接続された際に、図2に示すように、接続された光照射モジュール301(発光素子20)の極性が正しければ、発光素子20に順方向の電圧が印加される。そのため、発光素子20に電流が流れて、発光素子20から光が照射される。
【0040】
ところが、光照射モジュール301は点灯装置302と着脱可能に接続されるため、前述したように、接続された光照射モジュール301(発光素子20)の極性が逆となる場合がある。光照射モジュール1が、逆の極性で接続されたために発光素子20に逆方向の電圧が印加されると、発光素子20から光が照射されなかったり、発光素子20の故障の原因となったりする。この場合、紫外線を照射する発光素子20は高価格であるため、紫外線を照射する発光素子20が故障すると製造コストに及ぼす影響が大きくなる。また、ダイオードなどの保護素子を光照射モジュール301に設けることも考えられるが、発光素子20の故障を完全に防ぐのは困難である。
【0041】
そこで、本実施の形態に係る光照射モジュール1には、抵抗30および端子11eが設けられている。また、点灯装置100には、接続検出回路113およびスイッチ114が設けられている。
【0042】
図1に示すように、光照射モジュール1(発光素子20)が正しい極性で点灯装置100に接続され、端子11cに電圧が印加されると、発光素子20に順方向の電圧が印加される。そのため、発光素子20に電流が流れて、発光素子20から光が照射される。
発光素子20を流れた電流の一部が抵抗30を流れることで、端子11eに所定の電位が生じる。
【0043】
点灯装置100に設けられた端子100cは、光照射モジュール1に設けられた端子11eと電気的に接続されている。そのため、接続検出回路113は、端子100cを介して、端子11eに生じた電位を検出することができる。例えば、接続検出回路113は、端子100cを介して入力された電圧および電流の少なくともいずれかを検出する。
【0044】
例えば、接続検出回路113は、検出値が所定の閾値以下の場合には、点灯装置100に接続された光照射モジュール1の極性が正しいと判定するとともに、スイッチ114を制御して、点灯装置100と光照射モジュール1との電気的な接続を維持する。
【0045】
図3は、光照射モジュール1が点灯装置100に逆の極性で接続された場合を例示するための模式図である。
図3に示すように、光照射モジュール1(発光素子20)が逆の極性で点灯装置100に接続され、端子11dに電圧が印加されると、発光素子20に逆方向の電圧が印加される。そのため、発光素子20には、ほとんど電流が流れない。また、発光素子20から光が照射されない。
【0046】
また、光照射モジュール1の端子11dに電圧が印加されると、抵抗30に電流が流れて、端子11eに電位が生じる。この場合の電位は、光照射モジュール1が正しい極性で点灯装置100に接続された際の電位よりも高くなる。
【0047】
例えば、接続検出回路113は、検出値が所定の閾値を超えた場合には、光照射モジュール1が点灯装置100に逆の極性で接続されたと判定するとともに、スイッチ114を制御して、点灯装置100と光照射モジュール1との電気的な接続を遮断する。点灯装置100と光照射モジュール1との電気的な接続が遮断されれば、発光素子20に逆方向の電圧が印加されなくなるので、発光素子20が故障するのを抑制することができる。
【0048】
図4は、光照射モジュール1の接続状態が不適切な場合を例示するための模式図である。
図4に示すように、光照射モジュール1と点灯装置100とが電気的に接続されていない場合や、光照射モジュール1と点灯装置100との電気的な接続が不完全な場合には、発光素子20に電流が流れないか、発光素子20に流れる電流が極めて小さくなる。
この場合、端子11eに生じる電位は、「0(ゼロ)」、または、ほぼ「0(ゼロ)」となる。
【0049】
例えば、接続検出回路113は、検出値が「0(ゼロ)」、または、ほぼ「0(ゼロ)」の場合には、光照射モジュール1が点灯装置100に接続されていない、または、接続が不完全であると判定するとともに、スイッチ114を制御して、点灯装置100と光照射モジュール1との電気的な接続を遮断する。点灯装置100と光照射モジュール1との電気的な接続が遮断されれば、点灯装置100が無負荷状態で動作するのを抑制することができる。そのため、点灯装置100が故障するのを抑制することができる。
【0050】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 光照射モジュール、10 基板、11 配線パターン、11c 端子、11d 端子、11e 端子、20 発光素子、30 抵抗、100 点灯装置、100a 端子、100b 端子、100c 端子、111 整流回路、112 コンバータ、113 接続検出回路、114 スイッチ、200 光照射装置、250 交流電源
図1
図2
図3
図4