(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133598
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出液の調製装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/28 20060101AFI20220907BHJP
B01D 11/02 20060101ALI20220907BHJP
G01N 1/22 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G01N1/28 X
B01D11/02 A
G01N1/22 X
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032361
(22)【出願日】2021-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】何健
(72)【発明者】
【氏名】張孝飛
(72)【発明者】
【氏名】孔徳洋
(72)【発明者】
【氏名】李菊穎
(72)【発明者】
【氏名】豆葉枝
(72)【発明者】
【氏名】張悦清
(72)【発明者】
【氏名】許静
(72)【発明者】
【氏名】田豊
(72)【発明者】
【氏名】余佳
【テーマコード(参考)】
2G052
4D056
【Fターム(参考)】
2G052AA19
2G052AB22
2G052AC03
2G052AD12
2G052AD32
2G052AD46
2G052CA11
2G052EB04
2G052EB11
2G052ED17
2G052GA29
2G052HC22
2G052HC25
4D056AB11
4D056AC06
4D056AC08
4D056AC22
4D056BA03
4D056BA13
4D056BA16
4D056CA01
4D056CA03
4D056CA06
4D056CA17
4D056CA21
4D056CA22
4D056CA33
4D056CA34
4D056CA39
4D056CA40
4D056DA01
4D056DA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】浸出液抽出装置の抽出工程は、抽出工程が煩雑で抽出が不完全であるという欠点があり、試験結果のばらつきが大きくなり、浸出液の純度と抽出の徹底性が実験の正確性に影響を与える。
【解決手段】本発明は、土壤検出の技術分野に関し、具体的には、殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出液の調製装置および方法に関し、本発明の調製装置は、凝縮タンク、および前記凝縮タンクの上方に設けられた蒸発機構を含み、前記凝縮タンクが蒸発機構と蒸気プレス機構を介して接続され、本発明の調製方法は、高圧蒸気ジェットフロー溶解法を使用して、測定する土壤サンプル中の殺虫剤農薬を溶解・抽出し、高効率かつ高速で土壤サンプル中の抽出する組成を均一に十分に溶解できるだけでなく、高圧蒸気の温度を効果的に確保して、抽出する組成が高温によって分解されないようにし、検出実験の正確性を確保する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝縮タンク(20)と、および前記凝縮タンク(20)の上方に設けられた蒸発機構(4
0)と、を含む殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出液の調製装置であって、
前記蒸発機構(40)は、中心軸を中心として、径方向に沿って順次溶媒蒸発器(42)
および水蒸発器(41)が周方向に設けられ、前記溶媒蒸発器(42)の内部に第2の加
熱板(421)および第2の熱伝達板(422)が設けられ、外部に溶媒蒸気導管(44
)が設けられ、前記水蒸発器(41)の内部に第1の加熱板(411)および第1の熱伝
達板(412)が設けられ、外部に水蒸気導管(43)が連通し、
前記凝縮タンク(20)の頂部の中心に蒸気プレス機構(30)が設けられ、前記蒸気プ
レス機構(30)の位置に対応する凝縮タンク(20)の内壁にらせん状に延伸する凝縮
板(21)が設けられ、前記蒸気プレス機構(30)の位置に対応する凝縮タンク(20
)の外壁に凝縮管(23)が設けられ、
前記蒸気プレス機構(30)に蒸気排気穴(311)が設けられたサンプル容器(31)
が設けられ、前記サンプル容器(31)の頂部に蒸気リングカラム(33)が挿入され、
前記サンプル容器(31)の錐状の底部中心にくり抜いた貫通穴(371)を備えた液体
収集カバー(37)が接続され、
前記蒸気リングカラム(33)の表面に蒸気微細穴(333)が設けられ、中心軸に二次
加熱カラム(34)が設けられ、頂部にシールリングカバー(331)が設けられ水蒸気
導管(43)と溶媒蒸気導管(44)が連通し、
サンプル容器(31)の底部から凝縮した浸出液は、液体収集カバー(37)で収集され
た後、凝縮板(21)の下縁に設けられたガイドストリップ(28)に沿って、凝縮タン
ク(20)の底部中心に設けられガイドカバー(27)が設けられた溶液導出管(26)
に流入し、
ガイドストリップ(28)から滑り落ちた浸出液は、前記溶液導出管(26)の外部に設
けられた環状ガイドシェル(24)で収集された後、環状ガイド管(25)に流入する、
ことを特徴とする殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出液の調製装置。
【請求項2】
前記凝縮タンク(20)の下方に支持ベース(10)が設けられ、上方に支持板(14)
が設けられ、外側に支持カラム(12)を介して支持ベース(10)に接続された支持リ
ング(11)が設けられ、前記支持リング(11)の頂部に支持油圧シリンダー(13)
が設けられ、前記支持油圧シリンダー(13)内の油圧ロッドの頂部が前記支持板(14
)の底部に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の調製装置。
【請求項3】
前記サンプル容器(31)の頂部に可動シールカバー(32)が設けられ、前記サンプル
容器(31)の内部に蒸気リングカラム(33)に嵌設された環状サンプル押し板(35
)が設けられ、前記蒸気リングカラム(33)と水蒸気導管(43)および溶媒蒸気導管
(44)との接続部に溶媒連通リング(36)が設けられる、ことを特徴とする請求項2
に記載の調製装置。
【請求項4】
前記可動シールカバー(32)と同一平面にあるサンプル容器(31)の外壁に外側シー
ルリング(39)が設けられ、前記外側シールリング(39)の下端に外側シールリング
溝(391)が設けられ、前記凝縮タンク(20)の頂部に外側シールリング溝(391
)内に拘束されたシールフィットリング(202)が設けられる、ことを特徴とする請求
項3に記載の調製装置。
【請求項5】
前記水蒸発器(41)に第1の定圧弁(415)、第1の電気制御弁(431)および第
1の空気圧センサー(414)が設けられ、前記溶媒蒸発器(42)に第2の定圧弁(4
25)、第2の電気制御弁(441)および第2の空気圧センサー(424)が設けられ
る、ことを特徴とする請求項1に記載の調製装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の調製装置を使用して土壤浸出液を調製する方法で
あって、
S1、土壤サンプルを30~45℃の低温で乾燥させ、粉末状に粉砕し、砂利雑草の粒子
を濾過し除去するステップと、
S2、処理された土壤サンプルを前記サンプル容器(31)の内部に入れ、蒸気リングカ
ラム(33)をサンプル容器(31)内に押し込み、次に環状サンプル押し板(35)に
より土壤サンプルの頂部を押圧するステップと、
S3、前記水蒸発器(41)内に純水を注入し、溶媒蒸発器(42)の内部に混合液を注
入し、前記混合液は質量濃度50~95%のアルコールと質量濃度10~20%のアセト
ンが5:1の質量比で混合されて構成されるステップと、
S4、第1の加熱板(411)および第2の加熱板(421)を始動して加熱を開始し、
水蒸発器(41)内の圧力を0.18~0.22MPaに制御し、溶媒蒸発器(42)内
の圧力を0.14~0.16MPaに制御するステップと、
S5、まず水蒸発器(41)の第1の電気制御弁(431)を開き、サンプル容器(31
)内に高圧蒸気を10~15min通気し、そして溶媒蒸発器(42)の第2の電気制御
弁(441)を開き、サンプル容器(31)内に蒸発溶媒を通気するステップと、
S6、高圧蒸気を蒸発溶媒を混合してサンプル容器(31)内に30~45min通気し
、このときサンプル容器(31)温度を75~85℃に制御するステップと、
S7、順次第2の電気制御弁(441)、第1の電気制御弁(431)を閉じ、15~2
0min冷却するステップと、
S8、外側排液管(251)と導出排液管(261)によって浸出液を収集し、静置し遠
心分離して上澄み液を取得し、標準を満たす浸出液を得るステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壤検出の技術分野に関し、具体的には殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出
液の調製装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫剤農薬生産地の土壤毒性を測定する実験では、土壤浸出液を抽出する必要があるが、
現在、ある浸出液抽出装置の抽出工程は、抽出工程が煩雑で抽出が不完全であるという欠
点があり、試験結果のばらつきが大きくなり、浸出液の純度と抽出の徹底性が実験の正確
性に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
上記の目的を達成するために、本発明は、殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出液の調製
装置、前記装置に応じて設計された対応の使用方法を提供し、低不純物および高収率の土
壤浸出液を調製し、具体的な技術的解決策は以下の通りである。
【0004】
一、土壤浸出液の調製装置
本発明によって設計された殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出液の調製装置は、凝縮タ
ンク、および前記凝縮タンクの上方に設けられた蒸発機構を含む。
前記蒸発機構は、中心軸を中心として、径方向にそって順次溶媒蒸発器および水蒸発器が
周方向に設けられ、前記溶媒蒸発器の内部に第2の加熱板および第2の熱伝達板が設けら
れ、外部に溶媒蒸気導管が連通され、前記水蒸発器の内部に第1の加熱板および第1の熱
伝達板が設けられ、外部に水蒸気導管が連通される。
前記凝縮タンクの頂部の中心に蒸気プレス機構が設けられ、前記蒸気プレス機構の位置に
対応する凝縮タンクの内壁にらせん状に延伸する凝縮板が設けられ、前記蒸気プレス機構
の位置に対応する凝縮タンクの外壁に凝縮管が設けられ、
前記蒸気プレス機構は、蒸気排気穴を備えたサンプル容器を含み、前記サンプル容器の頂
部に蒸気リングカラムが挿入され、前記サンプル容器の錐状底部の中心にくり抜いた貫通
穴を備えた液体収集カバーが接続される。
前記蒸気リングカラムの表面に蒸気微細穴が設けられ、中心軸に二次加熱カラムが設けら
れ、頂部にシールリングカバーが設けられ水蒸気導管および溶媒蒸気導管に連通する。
サンプル容器の底部に凝縮した浸出液が液体収集カバーで収集された後、凝縮板の下縁に
設けられたガイドストリップに沿って凝縮タンクの底部中心に設けられガイドカバーを備
えた溶液導出管に流入する。
ガイドストリップから滑り落ちた浸出液が前記溶液導出管の外部に設けられた環状ガイド
シェルで収集された後、環状ガイド管に流入する。
【0005】
本発明の一態様として、前記凝縮タンクの下方に支持ベースが設けられ、上方に支持板が
設けられ、外側に支持カラムを介して支持ベースに接続された支持リングが設けられ、前
記支持リングの頂部に支持油圧シリンダーが設けられ、前記支持油圧シリンダー内の油圧
ロッド頂部が前記支持板の底部に固定的に接続される。
本発明の一態様として、前記サンプル容器の頂部に可動シールカバーが設けられ、前記サ
ンプル容器の内部、蒸気リングカラムに嵌設された環状サンプル押し板が設けられ、前記
蒸気リングカラムの水蒸気導管および溶媒蒸気導管との接続部に溶媒連通リングが設けら
れる。
【0006】
本発明の一態様として、前記可動シールカバーと同一平面にあるサンプル容器の外壁に外
側シールリングが設けられ、前記外側シールリングの下端に外側シールリング溝が設けら
れ、前記凝縮タンクの頂部に外側シールリング溝内にしっかりと拘束されたシールフィッ
トリングが設けられる。
【0007】
本発明の一態様として、前記水蒸発器上に第1の定圧弁、第1の電気制御弁および第1の
空気圧センサーが設けられ、前記溶媒蒸発器上に第2の定圧弁、第2の電気制御弁および
第2の空気圧センサーが設けられる。
【0008】
本発明の一態様として、前記支持板上に蒸気管固定穴が設けられる。
【0009】
本発明の一態様として、前記凝縮タンクの頂部に圧力逃がし弁が固定的に設けられ、前記
凝縮タンクの外壁に凝縮管を被覆する凝縮保護シェルが設けられ、前記凝縮タンクの内壁
に疎水性耐摩耗コート層がメッキされる。
【0010】
本発明の一態様として、前記可動シールカバーの内壁の下端に内側密封リングが設けられ
、前記内側密封リングが可動シールカバーの下端よりも低くなるように下向きに延伸し、
前記内側密封リングの外側面にシールリングを備えた内側密封リング溝が設けられる。
【0011】
二、土壤浸出液の調製方法
本発明によって設計された土壤浸出液調製の方法は、
S1、土壤サンプルを30~45℃の低温で乾燥させ、粉末状に粉砕し、砂利雑草の粒子
を濾過し除去するステップと、
S2、処理された土壤サンプルを前記サンプル容器の内部に入れ、蒸気リングカラムをサ
ンプル容器内に押し込み、環状サンプル押し板によりサンプル頂部をしっかりと押圧する
ステップと、
S3、前記水蒸発器内に純水を注入し、溶媒蒸発器の内部に混合液を注入し、前記混合液
は質量濃度50~95%のアルコールと質量濃度10~20%のアセトンが5:1の質量
比で混合されて構成されるステップと、
S4、第1の加熱板および第2の加熱板を始動して加熱し、水蒸発器内の圧力を0.18
~0.22MPaに制御し、溶媒蒸発器内の圧力を0.14~0.16MPaに制御する
ステップと、
S5、まず水蒸発器の第1の電気制御弁を開き、サンプル容器内に高圧蒸気を10~15
min通気し、次に溶媒蒸発器の第2の電気制御弁を開き、サンプル容器内に蒸発溶媒を
通気するステップと、
S6、高圧蒸気および蒸発溶媒を混合してサンプル容器内に30~45min通気し、こ
のときサンプル容器の温度を75~85℃に制御するステップと、
S7、順次第2の電気制御弁、第1の電気制御弁を閉じ、15~20min冷却するステ
ップと、
S8、外側排液管と導出排液管から排出した浸出液を収集し、静置し遠心分離して上澄み
液を得、標準を満たす浸出液を取得するステップと、を含む。
【0012】
従来の土壤浸出液の調製装置と比較すると、本発明の有益な効果は以下の通りである。
本発明は、高圧蒸気ジェットフロー溶解法を使用して、測定する土壤サンプル中の殺虫剤
農薬溶解を抽出し、高効率かつ高速で土壤サンプル中の抽出組成を均一かつ十分に溶解す
ることができるだけでなく、高圧蒸気の温度を良好に制御し、抽出組成が高温によって分
解されないようにして、検出実験の正確性を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【0014】
[符号の説明]
10 支持ベース
11 支持リング
12 支持カラム
13 支持油圧シリンダー
14 支持板
141 蒸気管固定穴
20 凝縮タンク
201 サンプル収容固定穴
202 シールフィットリング
21 凝縮板
22 凝縮保護シェル
23 凝縮管
24 環状ガイドシェル
25 環状ガイド管
251 外側排液管
26 溶液導出管
261 導出排液管
27 ガイドカバー
271 ガイドカバー貫通穴
28 ガイドストリップ
29 圧力逃がし弁
30 蒸気プレス機構
31 サンプル容器
311 蒸気排気穴
32 可動シールカバー
33 蒸気リングカラム
331 シールリングカバー
332 蒸気進入ポート
333 蒸気微細穴
34 二次加熱カラム
35 環状サンプル押し板
36 溶媒連通リング
361 溶媒進入ポート
37 液体収集カバー
371 くり抜いた貫通穴
38 内側密封リング
381 内側密封リング溝
39 外側シールリング
391 外側シールリング溝
40 蒸発機構
41 水蒸発器
411 第1の加熱板
412 第1の熱伝達板
413 蒸気排出ポート
414 第1の空気圧センサー
415 第1の定圧弁
42 溶媒蒸発器
421 第2の加熱板
422 第2の熱伝達板
423 溶媒排出ポート
424 第2の空気圧センサー
425 第2の定圧弁
43 水蒸気導管
431 第1の電気制御弁
44 溶媒蒸気導管
441 第2の電気制御弁
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明によって達成される方法および効果をさらに説明するために、以下、本発明の技術
的解決策を、添付の図面と併せて明確かつ完全に説明する。
【0016】
実施例1
実施例1は、主に本発明によって設計された土壤浸出液調製装置の具体的な構造を説明す
るが、具体的な内容は以下の通りである。
図1に示すように、本発明によって設計された殺虫剤農薬生産地の固形廃棄土壌浸出液の
調製装置は、凝縮タンク20、および前記凝縮タンク20の上方に設けられた蒸発機構4
0を含む。
【0017】
図4に示すように、前記蒸発機構40は中心軸を中心として径方向にそって順次溶媒蒸発
器42および水蒸発器41が周方向に設けられ、前記溶媒蒸発器42の内部に第2の加熱
板421および第2の熱伝達板422が設けられ、外部に溶媒蒸気導管44が連通され、
前記水蒸発器41の内部に第1の加熱板411および第1の熱伝達板412が設けられ、
外部に水蒸気導管43が連通される。
図1に示すように、前記凝縮タンク20の頂部中心に蒸気プレス機構30が設けられ、前
記蒸気プレス機構30の位置に対応する凝縮タンク20の内壁にらせん状に延伸する凝縮
板21が設けられ、前記蒸気プレス機構30の位置に対応する凝縮タンク20の外壁に凝
縮管23が設けられ、
前記蒸気プレス機構30は、蒸気排気穴311を備えたサンプル容器31を含み、前記サ
ンプル容器31の頂部に蒸気リングカラム33が挿入され、前記サンプル容器31の錐状
底部中心に、くり抜いた貫通穴371を備えた液体収集カバー37が接続される。
前記蒸気リングカラム33の表面に蒸気微細穴333が設けられ、中心軸に二次加熱カラ
ム34が設けられ、頂部にシールリングカバー331が設けられ水蒸気導管43および溶
媒蒸気導管44と連通する。
サンプル容器31の底部から凝縮した浸出液が液体収集カバー37で収集された後、凝縮
板21の下縁に設けられたガイドストリップ28に沿って凝縮タンク20の底部中心に設
けられガイドカバー27を備えた溶液導出管26に流入する。
ガイドストリップ28から滑り落ちた浸出液は、前記溶液導出管26の外部に設けられた
環状ガイドシェル24で収集された後、環状ガイド管25に流入する。
具体的には、前記凝縮タンク20の下方に支持ベース10が設けられ、上方に支持板14
が設けられ、外側に支持カラム12を介して支持ベース10に接続された支持リング11
が設けられ、前記支持リング11の頂部に支持油圧シリンダー13が設けられ、前記支持
油圧シリンダー13内の油圧ロッド頂部が前記支持板14の底部に固定的に接続される。
具体的には、前記サンプル容器31の頂部に可動シールカバー32が設けられ、前記サン
プル容器31の内部に蒸気リングカラム33に嵌設された環状サンプル押し板35が設け
られ、前記蒸気リングカラム33の水蒸気導管43および溶媒蒸気導管44との接続部に
溶媒連通リング36が設けられる。
【0018】
具体的には、
図5を参照して、前記可動シールカバー32と同一平面にあるサンプル容器
31外壁に外側シールリング39が設けられ、前記外側シールリング39の下端に外側シ
ールリング溝391が設けられ、前記凝縮タンク20の頂部に外側シールリング溝391
内にしっかりと拘束されたシールフィットリング202が設けられる。
具体的には、前記水蒸発器41上に第1の定圧弁415、第1の電気制御弁431および
第1の空気圧センサー414が設けられ、前記溶媒蒸発器42上に第2の定圧弁425、
第2の電気制御弁441および第2の空気圧センサー424が設けられる。
具体的には、前記支持板14上に蒸気管固定穴141が設けられる。
具体的には、前記凝縮タンク20の頂部に圧力逃がし弁29が固定的に設けられ、前記凝
縮タンク20の外壁に凝縮管23を被覆する凝縮保護シェル22が設けられ、前記凝縮タ
ンク20の内壁に疎水性の耐摩耗コート層がメッキされる。
具体的には、前記可動シールカバー32の内壁の下端に内側密封リング38が設けられ、
前記内側密封リング38が可動シールカバー32の下端よりも低くなるように下向きに延
伸し、前記内側密封リング38の外側面にシールリングを備えた内側密封リング溝381
が設けられる。
【0019】
実施例2
実施例2は実施例1に記載の調製装置を基になされたものであり、その目的は本発明によ
って設計された土壤浸出液の調製方法を説明することである。
本発明によって設計された土壤浸出液調製の方法は、
S1、土壤サンプルを30℃の低温で乾燥させ、粉末状に粉砕し、砂利雑草の粒子を濾過
し除去するステップと、
S2、処理された土壤サンプルを前記サンプル容器31の内部に入れ、蒸気リングカラム
33をサンプル容器31内に押し込み、環状サンプル押し板35によりサンプルの頂部を
しっかりと押圧するステップと、
S3、前記水蒸発器41内に純水を注入し、溶媒蒸発器42の内部に混合液を注入し、前
記混合液は、質量濃度50%のアルコールと質量濃度10%のアセトンが5:1の質量比
で混合されて構成されるステップと、
S4、第1の加熱板411および第2の加熱板421を始動して加熱し、水蒸発器41内
の圧力を0.18MPaに制御し、溶媒蒸発器42内の圧力を0.14MPaに制御する
ステップと、
S5、まず水蒸発器41の第1の電気制御弁431を開き、サンプル容器31内に高圧蒸
気を10min通気し、次に溶媒蒸発器42の第2の電気制御弁441を開き、サンプル
容器31内に蒸発溶媒を通気するステップと、
S6、高圧蒸気と蒸発溶媒を混合してサンプル容器31内に30min通気し、このとき
サンプル容器31の温度を75℃に制御するステップと、
S7、順次第2の電気制御弁441、第1の電気制御弁431を閉じ、15min冷却す
るステップと、
S8、外側排液管251および導出排液管261から排出された浸出液を収集し、静置し
遠心分離して上澄み液を得、標準を満たす浸出液を取得するステップと、を含む。
【0020】
実施例3
実施例3は実施例2に記載の調製方法を基になされたものであり、主に別の異なるパラメ
ータ下での調製方法を説明する。
本発明によって設計された別のパラメータ下での土壤浸出液の調製方法は、
S1、土壤サンプルを45℃の低温で乾燥させ、粉末状に粉砕し、砂利雑草の粒子を濾過
し除去するステップと、
S2、処理された土壤サンプルを前記サンプル容器31の内部に入れ、蒸気リングカラム
33をサンプル容器31内に押し込み、環状サンプル押し板35によりサンプルの頂部を
しっかりと押圧するステップと、
S3、前記水蒸発器41内に純水を注入し、溶媒蒸発器42内に混合液を注入し、前記混
合液は質量濃度95%のアルコールと質量濃度20%のアセトンが5:1の質量比で混合
されて構成されるステップと、
S4、第1の加熱板411および第2の加熱板421を始動し加熱して、水蒸発器41内
の圧力を0.22MPaに制御し、溶媒蒸発器42内の圧力を0.16MPaに制御し、
S5、まず水蒸発器41の第1の電気制御弁431を開き、サンプル容器31内に高圧蒸
気を15min通気し、次に溶媒蒸発器42の第2の電気制御弁441を開き、サンプル
容器31内に蒸発溶媒を通気するステップと、
S6、高圧蒸気と蒸発溶媒を混合してサンプル容器31内に45min通気し、このとき
サンプル容器31の温度を85℃に制御するステップと、
S7、順次第2の電気制御弁441、第1の電気制御弁431を閉じ、20min冷却す
るステップと、
S8、外側排液管251および導出排液管261から排出した浸出液を収集し、静置し遠
心分離して上澄み液を得、標準を満たす浸出液を取得するステップと、を含む。
【0021】
実験例
本実験例は、上記実施例2に記載の調製方法を基になされたものであり、発明の実際の応
用効果を説明することを目的とする。土壤中の殺虫剤の浸出効率は、土壤中の残存殺虫剤
の量によって示され得、殺虫剤の残存量が少ないほど、浸出液の抽出効率が高くなる。殺
虫剤の残存量は動物実験で直観に表現することができるため、試験方法はこのような考え
に基づいて設計される。
本実験例で使用される土壤は人工的に調製した実験土壤であり、その組成は具体的に表1
に示される。
表1 実験土壤の組成および割合
【0022】
【0023】
本実験例で使用される動物モデルの構築方法は次の通りである。
天津大環ミミズ工場から導入されたシマミミズ(E.fetida)を、人工環境(温度
20±2℃、湿度80%±2、光照射400~800Lux、明暗比10:14)で7日
間飼育した。実験中、明らかな生殖リングを備えた300~500mgの健康な生後6ヶ
月のミミズを使用した。
本実験では、ネオニコチノイド系殺虫剤に含まれるイミダクロプリドを実験用殺虫剤とし
て使用し、その情報は表2に示される。
表2 殺虫剤情報
【0024】
【0025】
比較組:
本実験例では、従来の抽出方法で調製された土壤浸出液を比較組とし、具体的な調製方法
は次の通りである。
実験土壤と濃度2mg/kgのイミダクロプリドを混合し土壤サンプルとして、60℃で
0.5h乾燥した。乾燥した後の土壤サンプルを乳鉢で粉砕し、次に20メッシュのふる
いにかけ、ふるいに残った土壌を再度粉砕してから再びふるいにかけた。十分に粉砕し均
一に混合した土壤サンプルに水を加えて混合し、超音波で15min浸出・抽出した後、
4000r/minの速度で10min遠心分離し、上澄み液を0.22μmのフィルタ
に通過させた。
浸出液を抽出した土壤サンプル500gを1Lのビーカーに入れ、無薬人工土壌に24時
間飼いならしたミミズ10匹を入れ、最後に人工気候ボックスに入れ、14日後ミミズの
死亡数と中毒状況を確認した。
【0026】
実験組:
本実験例では、本願の調製方法で調製された土壤浸出液を実験組とし、実験組の実験土壤
も濃度2mg/kgのイミダクロプリドと混合し、異なる浸出液調製パラメータに応じて
、実験組を以下の3組に分けた:
実験組1:水蒸発器41内の圧力を0.18MPaに制御し、溶媒蒸発器42内の圧力を
0.14MPaに制御し、高圧蒸気の換気時間を10minとし、混合蒸気の通気時間を
30minとする、
実験組2:水蒸発器41内の圧力を0.22MPaに制御し、溶媒蒸発器42内の圧力を
0.16MPaに制御し、高圧蒸気の換気時間を10minとし、混合蒸気の通気時間を
30minとする、
実験組3:水蒸発器41内の圧力を0.22MPaに制御し、溶媒蒸発器42内の圧力を
0.16MPaに制御し、高圧蒸気の換気時間を15minとし、混合蒸気の通気時間を
45minとする。
各実験組では、浸出液を抽出した土壤サンプル500gをビーカー1Lに入れ、無薬人工
土壌で24時間飼育したミミズ10匹を入れ、最後に人工気候ボックスに入れ、14日後
ミミズの死亡数と中毒状況を確認した。
浸出液を抽出した実験土壤中の殺虫剤の抽出率を計算し、結果を表3に示す。
【0027】
【0028】
浸出液を抽出した実験土壤中の残存殺虫剤のミミズ成長と繁殖に対する影響の具体的なデ
ータを表4に示す。
表4 残存殺虫剤のミミズの成長と繁殖に対する影響
【0029】
【0030】
表3と表4のデータから分かるように、従来の土壤浸出液抽出法を使用した比較組では、
殺虫剤の抽出率は約46.6%であるのに対して、本発明によって設計された土壤浸出液
の抽出法を使用した実験組では、殺虫剤の抽出率が85%を上回り、実験結果が最も良い
実験組3では、殺虫剤の抽出率が93.2%に達した。これは、従来の土壤浸出液の抽出
法と比較して、本発明の抽出効率が大幅に改善されることを示している。
表4中の実験組1と実験組2のデータを比較すると、換気時間が同じである場合、通気圧
力が大きいほど、ミミズの体重と繁殖に対する影響が小さくなり、これは、実験土壤中の
殺虫剤の残存量が空気圧力の増加に従って減少することが分かる。
表4中の実験組2と実験組3のデータを比較すると、通気圧力が同じである場合、換気時
間が長いほど、ミミズの体重と繁殖に対する影響が小さくなり、これは、実験土壤中の殺
虫剤の残存量が換気時間の増加に従って減少することが分かる。
【0031】
要するに、以上の実験データから分かるように、本発明によって設計された土壤浸出液抽
出方法は、従来方法と比較すると、殺虫剤の抽出率がより高く、処理された土壤中の殺虫
剤残存量がより少ないため、高い応用価値がある。