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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133605
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】水のう、および、水のうの使用方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/04 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
E02B3/04 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032371
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】中居 義貴
【テーマコード(参考)】
2D118
【Fターム(参考)】
2D118AA20
2D118BA07
2D118GA48
(57)【要約】
【課題】使用時に内部の水が排出され難い水のうを提供する。
【解決手段】水のう10は、袋体20と、カバー部材40とを備えている。袋体20は、第1端部31と、第1端部31の反対側に設けられた第2端部32とを有している。袋体20において、第1端部31および第2端部32のうちの少なくとも一方の端部の一部に開口35が形成されている。袋体20の内部に水が収容される。カバー部材40は、開口35が隠れるように上記の少なくとも一方の端部の周囲を覆う。このことによって、袋体20に水が収容されて水圧が高くなった場合であっても、開口35は、端部の一部に形成されているため開き難く、カバー部材40が袋体20から取り外され難い。よって、使用時、袋体20の開口35から水が排出され難い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部と、前記第1端部の反対側に設けられた第2端部とを有し、前記第1端部および前記第2端部のうちの少なくとも一方の端部の一部に開口が形成され、内部に水が収容される袋体と、
前記開口が隠れるように前記少なくとも一方の端部の周囲を覆うカバー部材と、
を備えた、水のう。
【請求項2】
前記開口は、前記第1端部に形成され、
前記第2端部は、封止され、
前記カバー部材は、前記第1端部の周囲を覆っている、請求項1に記載された水のう。
【請求項3】
前記袋体における前記第1端部と前記第2端部との中間よりも前記第2端部側の部位には、水が注入される注水口が形成されている、請求項2に記載された水のう。
【請求項4】
前記袋体に水が収容されていない状態において、前記袋体の最も広い面には、水が注入される注水口が形成されている、請求項1または2に記載された水のう。
【請求項5】
前記開口の形状は、前記袋体に形成された線状である、請求項1から4までの何れか1つに記載された水のう。
【請求項6】
前記袋体には、前記袋体内の空気が通過する空気口が形成されている、請求項1から5までの何れか1つに記載された水のう。
【請求項7】
前記カバー部材は、
第1カバー端部と、
前記第1カバー端部の反対側に設けられた第2カバー端部と、
を有し、
前記第1カバー端部および前記第2カバー端部には、それぞれカバー開口が形成されている、請求項1から6までの何れか1つに記載された水のう。
【請求項8】
請求項1に記載された水のうの使用方法であって、
前記水のうの前記袋体には、水が注入される注水口が形成され、
前記水のうを地面に配置する配置工程と、
前記水のうの前記注水口と、雨水が流れる雨水管路とを接続管で接続する接続工程と、
前記雨水管路内の雨水を前記接続管および前記注水口を通じて、前記袋体に注入する注水工程と、
を包含する、水のうの使用方法。
【請求項9】
前記雨水管路は竪樋である、請求項8に記載された水のうの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水のう、および、水のうの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、台風や集中豪雨時などにおいて、建物への浸水を防ぐために建物の出入口などに置かれる水のうが知られている。水のうの一例として、例えば特許文献1には、長手方向の両端部の全体に亘って開口が形成された袋状の本体と、本体の両端部に被せられるスリーブとを備えた水のうが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された水のうでは、使用時、本体の両端部をそれぞれ折り畳み、開口の部分を隠す。次に、折り畳んだ状態の両端部にそれぞれスリーブを被せる。このように、本体の両端部にスリーブを被せた状態で、本体に形成された注水口から水を本体内に注入することで、水のうを使用することができる。使用後、水のうの本体内の水を排出する場合には、本体の両端部からスリーブを取り外す。このことで、本体の両端部の折り畳みが解かれ、両端部の開口から本体内の水が排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6439208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された水のうでは、使用時、本体の両端部に形成された開口は、両端部が折り畳まれることで閉じた状態になる。また、使用時、本体内には大量の水が収容されており、水圧が高くなっている。そのため、高い水圧によって、本体の両端部の開口が開こうとして本体の両端部が膨らみ、本体からスリーブが外れるおそれがあった。その結果、水のうの使用時に、本体から水が排出されるおそれがあった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用時に内部の水が排出され難い水のう、および、水のうの使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る水のうは、袋体と、カバー部材とを備えている。前記袋体は、第1端部と、前記第1端部の反対側に設けられた第2端部とを有し、前記第1端部および前記第2端部のうちの少なくとも一方の端部の一部に開口が形成され、内部に水が収容される。前記カバー部材は、前記開口が隠れるように前記少なくとも一方の端部の周囲を覆う。
【0008】
前記水のうによれば、使用時、カバー部材によって袋体の開口は閉じた状態になる。袋体の開口は、第1端部および第2端部のうちの少なくとも一方の端部の一部に形成されている。そのため、袋体内に水が収容されて水圧が高くなった場合であっても、袋体の開口は、特許文献1に開示された水のうの開口のように、端部の全体に形成されていないため、特許文献1に開示された水のうの開口と比べて大きく開こうとしない。よって、袋体内の水圧が高くなった場合であっても、水圧によって袋体からカバー部材が取り外され難い。したがって、水のうの使用時、袋体の開口から水が排出され難くすることができる。
【0009】
本発明の好ましい一態様によれば、前記開口は、前記第1端部に形成されている。前記第2端部は、封止されている。前記カバー部材は、前記第1端部の周囲を覆っている。
【0010】
上記態様によれば、袋体内の水が排出される開口は、第1端部に形成された開口の1つである。そのため、袋体内の水圧が高くなった場合に、水圧によってカバー部材が袋体からより取り外され難くすることができる。
【0011】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記袋体における前記第1端部と前記第2端部との中間よりも前記第2端部側の部位には、水が注入される注水口が形成されている。
【0012】
例えば水のうを使用した後であって、袋体から水を排出した後、袋体内を清掃する。清掃時、注水口から水を袋体に注入し、第1端部に形成された開口から排出させる。このとき、注水口から第1端部の開口に向かう水の流れを利用して、袋体内を清掃することができる。上記態様によれば、注水口が第1端部の開口から離れた位置に形成されているため、注水口から第1端部の開口までの距離を長くすることができる。よって、注水口から第1端部の開口に向かう水の流れを利用して、袋体内の広い範囲を容易に清掃することができる。
【0013】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記袋体に水が収容されていない状態において、前記袋体の最も広い面には、水が注入される注水口が形成されている。
【0014】
上記態様によれば、袋体に水を注入するとき、例えば注水口が形成された最も広い面を上面にして袋体を配置することができる。よって、例えば水が流れる接続管を注水口に容易に接続することができる。
【0015】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記開口の形状は、前記袋体に形成された線状である。
【0016】
上記態様によれば、袋体の第1端部および第2端部のうちの少なくとも一方の端部に、例えば刃物で切り込みを入れて線状の開口を形成するという簡単な方法で、上記の少なくとも一方の端部に開口を形成することができる。
【0017】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記袋体には、前記袋体内の空気が通過する空気口が形成されている。
【0018】
例えば袋体に水を注入する際、袋体内に空気が入っていることがあり得る。上記態様によれば、袋体に空気口が形成されているため、袋体に水を注入する際、袋体内の空気を空気口から外部に排出しつつ、袋体に水を注入することができる。よって、袋体から排出された空気の量分の水を注入できるため、袋体を水で満杯にすることができる。
【0019】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記カバー部材は、第1カバー端部と、前記第1カバー端部の反対側に設けられた第2カバー端部と、を有している。前記第1カバー端部および前記第2カバー端部には、それぞれカバー開口が形成されている。
【0020】
上記態様によれば、例えばカバー部材における第2カバー端部のカバー開口から袋体の端部が挿入される。このとき、第1カバー端部のカバー開口は、開かれた状態になる。水のうを使用した後に袋体内の水を排出する際、カバー部材における第1カバー端部51のカバー開口から袋体の端部を引き抜き、袋体の端部の一部に形成された開口を開くことで、袋体の開口から水を排出することができる。このように、上記態様によれば、カバー部材を袋体に装着した状態で、袋体内の水を排出することができる。
【0021】
本発明に係る水のうの使用方法は、上述した何れかの水のうの使用方法である。前記水のうの前記袋体には、水が注入される注水口が形成されている。前記使用方法は、配置工程と、接続工程と、注水工程とを包含する。前記配置工程では、前記水のうを地面に配置する。前記接続工程では、前記水のうの前記注水口と、雨水が流れる雨水管路とを接続管で接続する。前記注水工程では、前記雨水管路内の雨水を前記接続管および前記注水口を通じて、前記袋体に注入する。
【0022】
例えば従来の水のうの場合、水道水の蛇口や消火栓から水が水のう内に収容される。しかしながら、水のうは、蛇口や消火栓の近くに配置されるとは限らず、蛇口や消火栓が近くに設けられていない建物の出入口に配置されることがあり得る。そこで、前記の水のうの使用方法によれば、水のうの袋体に、雨水管路を流れる雨水を注入することができる。雨水管路は、建物の出入口の近くに配置されている可能性が比較的に高い。そのため、蛇口や消火栓が近くに設けられていない場合であっても、水のうの袋体に、水を注入することができる。また、ここでは、雨水を二次利用して袋体に水を注入できるため、コストを掛けずに、かつ、環境に配慮して、水のうを使用することができる。
【0023】
本発明の好ましい一態様によれば、前記雨水管路は竪樋である。
【0024】
水のうが使用されるときとして、台風や集中豪雨などの多くの雨が降ったときが考えられる。このように多くの雨が降るとき、竪樋にはより多くの雨水が流れる。上記態様によれば、雨水管路として竪樋を利用し、接続管を通じて竪樋を袋体の注水口に接続する。よって、竪樋に流れる雨水を利用して、袋体に雨水を素早く注入することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、使用時に内部の水が排出され難い水のう、および、水のうの使用方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態に係る水のうを示す平面図である。
図2】第1実施形態に係る水のうを示す正面図である。
図3】水のうの袋体を示す平面図である。
図4】袋体の第1端部を示す端面図である。
図5】袋体の第2端部を示す端面図である。
図6】カバー部材の第1カバー端部を示す端面図である。
図7】カバー部材の第2カバー端部を示す端面図である。
図8】水のうの袋体に水を注入する際の使用方法を示すフローチャートである。
図9】袋体に水を注入する前において、袋体を竪樋に接続した状態を示す図である。
図10】袋体の第1端部が折り畳まれた状態を示す図である。
図11】袋体を竪樋に接続して、袋体に水を注入した後の状態を示す図である。
図12】水のうの袋体に収容された水を排出する際の使用方法を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態に係るカバー部材を示す斜視図である。
図14】第2実施形態において、袋体の第1端部が折り畳まれた状態を示す図10相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。ここで説明される実施の形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。
【0028】
<第1実施形態>
まず第1実施形態に係る水のう10について説明する。図1図2は、それぞれ本実施形態に係る水のう10の平面図、正面図である。本実施形態に係る水のう10は、例えば台風や集中豪雨などのように多くの雨が降ったときに使用されるものである。水のう10は、多くの雨に起因して建物が浸水することを防ぐために、建物の出入口などに置かれる。このことで、水のうによって雨水を塞き止め、雨水が出入口から建物の内部に流れ難くすることができる。
【0029】
以下、本実施形態に係る水のう10の構成について説明する。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、水のう10の前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味している。ここでは、水のう10は、第1方向D1および第2方向D2に広がった平面に配置されているものとする。第1方向D1と第2方向D2とは、平面視において互いに交差(ここでは直交)している。第1方向D1は、例えば左右方向である。第2方向D2は、例えば前後方向である。ただし、これら方向は、説明の便宜上定められた方向に過ぎず、水のう10の設置態様を何ら限定するものではない。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る水のう10は、袋体20と、カバー部材40とを備えている。
【0031】
袋体20は、内部に水が収容される収容空間を有する。図1および図2では、袋体20に水が収容された状態が示されている。袋体20の形状は特に限定されない。本実施形態では、袋体20は、平面視において矩形状である。袋体20は、平面視において第2方向D2よりも第1方向D1に長い長方形状である。
【0032】
図3は、袋体20の平面図である。図4は、袋体20の第1端部31を示す端面図である。図5は、袋体20の第2端部32を示す端面図である。図4に示すように、袋体20は、上面21と、上面21の下方に配置された下面22とを有している。上面21および下面22は、袋体20の外周面を構成している。ここでは、上面21と下面22とは上下に並んで配置されており、袋体20に水が収容されていないときには、上面21を構成する袋体20の部分の内周面と、下面22を構成する袋体20の部分の内周面とは、接触した状態になる。
【0033】
図3に示すように、袋体20は、第1端部31と、第2端部32とを有している。第1端部31および第2端部32は、袋体20の長手方向の端部、ここでは第1方向D1の端部を構成している。第1端部31は、例えば袋体20の左端部を構成している。第2端部32は、第1端部31の反対側に設けられており、例えば袋体20の右端部を構成している。本実施形態では、第1端部31とは、例えば袋体20を第1方向D1に5等分したときの一方側の端に位置する端部(ここでは最も左に位置する端部)のことをいう。第2端部32とは、例えば袋体20を第1方向D1に5等分したときの他方側の端に位置する端部(ここでは最も右に位置する端部)のことをいう。
【0034】
本実施形態では、図4に示すように、第1端部31の一部には、開口35が形成されている。開口35は、第1端部31の全体には形成されていない。ここで、第1端部31の全体とは、第1端部31において第2方向D2の全てのことをいう。例えば第1端部31の全体に開口35が形成されているとは、第1端部31の内周面における第2方向D2の一端から他端までに亘って形成されていることをいう。ここで、第1端部31の内周面における第2方向D2の一端から他端までの間に、開口35が形成されていない部分が存在している場合、第1端部31の一部に開口35が形成されているという。
【0035】
ここでは、第1端部31のうち開口35が形成されていない部分を封止部36という。封止部36は、第2方向D2において開口35の隣りに配置されている。
【0036】
本実施形態では、開口35は、袋体20に形成された線状の切り込みによって構成されている。開口35における線状の切り込みの方向は、特に限定されない。本実施形態では、開口35は、第2方向D2に沿った線状の切り込みである。ただし、開口35は、第1端部31の端から第2端部32側に延びた線状の切り込みであってもよい。すなわち、開口35は、第1方向D1に沿った切り込みであってもよい。本実施形態では、第1端部31の端は、上面21を構成する袋体20の部分と、下面22を構成する袋体20の部分とを重ね合わせて、接着固定されている。開口35は、第1端部31の端の当該接着固定された部分の一部に、例えば刃物で切り込みを入れて形成されている。ただし、開口35は、第1端部31を構成する上面21または下面22に切り込みを入れることで形成されてもよい。本実施形態では、第1端部31の端(ここでは左端)に開口35が形成されているが、開口35は、第1端部31の端から離間した位置に形成されていてもよい。なお、第1端部31の封止部36は、上面21を構成する袋体20の部分と、下面22を構成する袋体20の部分とが接着固定された部分である。
【0037】
開口35の長さ(ここでは第2方向D2の長さ)L1は、特に限定されない。例えば開口35の長さL1は、第1端部31の第2方向D2の長さL2の2/3以下であり、好ましくは1/2以下であり、特に好ましくは1/3以下である。第1端部31における開口35の位置も特に限定されない。ここでは、開口35は、第1端部31の前部(例えば第1端部31を第2方向D2で3等分したときの最も前側の部分)に形成されている。ただし、開口35は、第1端部31を第2方向D2で3等分したときの中央部分に形成されていてもよいし、最も後側の部分に形成されていてもよい。
【0038】
本実施形態では、図5に示すように、第2端部32は封止されている。第2端部32には、第1端部31のような開口35は形成されていない。第2端部32において、上面21を構成する袋体20の部分と、下面22を構成する袋体20の部分とは、接着固定されおり、相互の間に隙間は形成されていない。
【0039】
図3に示すように、袋体20には、2つの孔37、38が形成されている。本実施形態では、一方の孔37を注水口といい、他方の孔38を空気口という。ただし、一方の孔37が空気口であり、他方の孔38が注水口であってもよい。ここでは、袋体20には、注水口37および空気口38が形成されている。注水口37は、袋体20内に水が注入される部位である。注水口37が形成される袋体20の位置は特に限定されない。本実施形態では、注水口37は、袋体20に水が収容されていない状態において、袋体20の最も広い面に形成されている。ここでは、上記の最も広い面とは、上面21である。注水口37は、袋体20の上面21に形成されており、上方に向かって開口している。ただし、注水口37は、下面22に形成され、下方に向かって開口していてもよい。図2に示すように、袋体20に水が収容された状態において、注水口37は、上方に向かって開口している。ただし、袋体20に水が収容された状態において、注水口37は、下方に向かって開口していてもよいし、側方に向かって開口していてもよい。
【0040】
図3に示すように、注水口37は、開口35が形成された第1端部31から離れた袋体20の部位に形成されている。本実施形態では、注水口37は、第2端部32側の袋体20の部位に形成されている。詳しくは、袋体20における第1端部31と第2端部32との中間C1よりも第2端部32側の部位に、注水口37が形成されている。言い換えると、注水口37は、袋体20を第1方向D1に2等分したときの第2端部32側の部位に形成され、より詳しくは、袋体20を第1方向D1に3等分したときの最も第2端部32側の部位に形成されている。ただし、注水口37は、袋体20の第1方向D1の中央部分に形成されてもよいし、第1端部31側の部位に形成されてもよい。注水口37は、袋体20の第2方向D2の中央部分(例えば中間)に形成されている。ただし、注水口37は、袋体20の前部に形成されてもよいし、後部に形成されてもよい。
【0041】
空気口38は、袋体20内の空気が通過する部位である。空気口38が形成される袋体20の位置は特に限定されない。本実施形態では、空気口38は、袋体20に水が収容されていない状態において、袋体20の最も広い面に形成されている。ここでは、空気口38は、袋体20の上面21に形成されている。空気口38は、上方に開口している。本実施形態では、空気口38は、袋体20の中間C1よりも第1端部31側の部位、言い換えると、袋体20を第1方向D1に2等分したときの第1端部31側の部位に形成されている。しかしながら、空気口38は、袋体20の第1方向D1の中央部分に形成されてもよいし、第2端部32側の部位に形成されてもよい。空気口38は、袋体20の第2方向D2の中央部分(例えば中間)に形成されている。ただし、空気口38は、袋体20の前部に形成されてもよいし、後部に形成されてもよい。
【0042】
なお、注水口37および空気口38のそれぞれの形状および大きさも特に限定されない。本実施形態では、注水口37および空気口38は、円形状である。注水口37と空気口38とは、同じ大きさであり、ここでは直径が同じである。ただし、注水口37は、空気口38よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。本実施形態では、第1端部31に形成された開口35の長さ(ここでは第2方向D2の長さ)L1(図4参照)は、注水口37の直径よりも大きく、空気口38の直径よりも大きい。ただし、開口35の長さL1は、注水口37および空気口38のそれぞれの直径と同じあってもよいし、当該直径よりも小さくてもよい。
【0043】
図1に示すように、カバー部材40は、第1端部31の一部に形成された開口35が隠れるように第1端部31の周囲を覆うものである。詳しくは後述するが、本実施形態では、袋体20の第1端部31は、開口35が隠れるように折り畳まれる。カバー部材40は、折り畳まれた状態の第1端部31の周囲を覆う。
【0044】
カバー部材40は、平面視において矩形状である。図2に示すように、カバー部材40は、カバー上面41と、カバー上面41の下方に配置されたカバー下面42とを有している。カバー上面41およびカバー下面42は、カバー部材40の外周面を構成している。カバー部材40で袋体20の第1端部31を覆ったとき、カバー上面41を構成するカバー部材40の部分の内周面は、袋体20の上面21の上方において上面21と接触する。カバー下面42を構成するカバー部材40の部分の内周面は、袋体20の下面22の下方において下面22と接触する。
【0045】
本実施形態では、図1に示すように、カバー部材40は、第1カバー端部51と、第2カバー端部52とを有している。第1カバー端部51および第2カバー端部52は、カバー部材40の第1方向D1の端部を構成している。第1カバー端部51は、カバー部材40の左端部を構成している。第2カバー端部52は、カバー部材40の右端部を構成している。図6は、カバー部材40の第1カバー端部51を示す端面図である。図7は、カバー部材40の第2カバー端部52を示す端面図である。図6に示すように、第1カバー端部51は封止されている。第1カバー端部51において、カバー上面41を構成するカバー部材40の部分と、カバー下面42を構成するカバー部材40の部分とは接着固定されている。図7に示すように、第2カバー端部52には、カバー開口55が形成されている。ここでは、カバー開口55は、第2カバー端部52の全体に形成されている。
【0046】
本実施形態では、袋体20およびカバー部材40は、ゴム製である。ただし、袋体20およびカバー部材40を形成する材料は、特に限定されるものではない。袋体20およびカバー部材40は、樹脂製であり、例えばポリ塩化ビニルによって形成されていてもよい。また、袋体20およびカバー部材40の全体が同じ材質でなくてもよい。例えば袋体20とカバー部材40とのうち、互いが接触する部位が少なくともゴム製や樹脂製であるとよく、その他の部位はゴムや樹脂以外の材料で形成されていてもよい。例えば袋体20の外周面、および、カバー部材40の内周面がゴム製または樹脂製であり、袋体20の内周面、および、カバー部材40の外周面は、ゴムまたは樹脂以外の材料で形成されていてもよい。
【0047】
以上、水のう10の構成について説明した。次に、本実施形態に係る水のう10の使用方法について説明する。ここでは、まず水のう10の使用方法のうち、水のう10の袋体20に水を注入する際の使用方法について図8のフローチャートに沿って説明する。図9は、袋体20に水を注入する前において、水のう10が竪樋62に接続された状態を示す図である。本実施形態では、図9に示すように、水のう10の袋体20には、水のう10を配置する建物60に設けられた竪樋62に流れる雨水が注入される。竪樋62は、本発明の「雨水が流れる雨水管路」の一例である。水のう10の使用方法は、図8に示すように、配置工程S101と、接続工程S102と、注水工程S103とを包含する。ここでは、配置工程S101、接続工程S102および注水工程S103を順に行うことで、袋体20に雨水を注入することができる。
【0048】
まず配置工程S101では、作業者は、水のう10を地面に配置する。本実施形態では、浸水を防ぎたい建物60の出入口61の前に水のう10を配置する。水のう10は、建物60の出入口61を塞ぐように配置される。
【0049】
配置工程S101では、水のう10の袋体20の第1端部31に、カバー部材40を覆う作業が行われる。図10は、袋体20の第1端部31が折り畳まれた状態を示す図である。作業者は、図10に示すように、袋体20の第1端部31を第1方向D1に沿って複数回折り畳む。このことで、第1端部31の一部に形成された開口35(図4参照)は、袋体20によって隠れて覆われた状態になる。次に、折り畳まれた状態の第1端部31を覆うように、カバー部材40を袋体20に装着する。このとき、カバー部材40において、カバー開口55が形成されている第2カバー端部52からカバー部材40に第1端部31を挿入する。このことで、カバー部材40のカバー上面41を構成するカバー部材40の部分の内周面は、袋体20の上面21の上に重なる。カバー下面42を構成するカバー部材40の部分の内周面は、袋体20の下面22の下に重なる。
【0050】
このようにして、配置工程S101において水のう10を地面に配置した後、次に、図8の接続工程S102を行う。本実施形態では、上述のように、水のう10の袋体20に注入する水は、図9に示す竪樋62を流れる雨水である。そこで、接続工程S102では、水のう10の注水口37と、竪樋62とを接続管70で接続する。ここで、接続管70は、可撓性を有する管であることが好ましい。このことで、水のう10の注水口37と、竪樋62との距離に応じて、接続管70を撓ませて配置することができる。本実施形態では、竪樋62には、接続口63が形成されている。接続口63は、例えば竪樋62の途中部分に形成され、側方に開口している。作業者は、接続管70の一端を竪樋62の接続口63に接続し、接続管70の他端を水のう10の袋体20に形成された注水口37に接続する。
【0051】
次に、図8の注水工程S103では、袋体20に雨水を注入する。ここでは、竪樋62に集約された雨水は、接続管70および注水口37を通じて、袋体20に注入される。袋体20に注入される雨水の量が増えるに連れて、図11に示すように、袋体20が膨らむ。袋体20の第1端部31も徐々に膨らむが、カバー部材40によって押さえ付けられた状態になるため、第1端部31の折り畳まれた状態が維持され、第1端部31に形成された開口35から雨水は排出されない。なお、袋体20内に空気が入っている場合には、注水口37を通じて雨水が袋体20に注入されることに合わせて、袋体20内の空気が空気口38から排出される。袋体20に雨水が注入されて収容された状態になることで、水のう10を使用することができる。
【0052】
なお、水のう10を使用しているとき、すなわち袋体20に雨水を収容した状態で、建物60への浸水を防いでいるとき、注水口37には、接続管70が接続された状態である。すなわち、注水口37には、竪樋62が接続された状態である。ただし、水のう10を使用しているときには、注水口37から接続管70が取り外され、注水口37は、図示しない蓋で閉じられてもよい。また、水のう10を使用しているとき、空気口38は、図示しない蓋で閉じられている。
【0053】
水のう10を使用した後、袋体20内の雨水は排出される。次に、水のう10の袋体20に収容された雨水を排出する際の使用方法について図12のフローチャートに沿って説明する。図12に示すように、水のう10の使用方法は、排出工程S111と、清掃工程S112とを包含する。
【0054】
排出工程S111では、袋体20からカバー部材40を取り外す。カバー部材40が取り外されることで、第1端部31の折り畳まれた状態が解除され、開口35が開く。このことで、袋体20内の雨水は、開口35から排出されることになる。
【0055】
このように、袋体20に収容された雨水を排出した後、図12の清掃工程S112では、作業者は、袋体20を清掃する。清掃工程S112では、袋体20の注水口37から綺麗な水(例えば水道水)を袋体20に注入する。袋体20に入った水は、第1端部31の開口35に向かって流れる。このとき、袋体20の内周面に付着したゴミなどの付着物は、水と共に開口35から排出される。なお、清掃工程S112において、袋体20内に洗剤などを入れて清掃してもよい。清掃された水のう10は、例えば折り畳まれた状態で、建物60内に保管される。
【0056】
以上、本実施形態では、図3に示すように、水のう10の袋体20は、第1端部31と、第1端部31の反対側に設けられた第2端部32とを有し、第1端部31および第2端部32のうちの少なくとも一方の端部(ここでは第1端部31)の一部に開口35(図4参照)が形成され、内部に水が収容される。図1に示すように、カバー部材40は、開口35が隠れるように第1端部31の周囲を覆う。本実施形態では、水のう10の使用時、カバー部材40によって袋体20の開口35は閉じた状態になる。図4に示すように、袋体20の開口35は、第1端部31の一部に形成されている。そのため、袋体20内に水が収容されて水圧が高くなった場合であっても、袋体20の開口35は、特許文献1に開示された水のうの開口のように、端部の全体に形成されていないため、特許文献1に開示された水のうの開口と比べて大きく開こうとしない。よって、袋体20内の水圧が高くなった場合であっても、水圧によって袋体20からカバー部材40が取り外され難い。したがって、水のう10の使用時、袋体20の開口35から水が排出され難くすることができる。
【0057】
本実施形態では、図5に示すように、袋体20の第2端部32は、封止されている。ここでは、袋体20内の水が排出される開口は、図4に示す第1端部31に形成された開口35の1つである。そのため、袋体20内の水圧が高くなった場合に、水圧によってカバー部材40が袋体20からより取り外され難くすることができる。
【0058】
本実施形態では、図4に示すように、開口35の形状は、袋体20に形成された線状である。このことによって、例えば図示しない刃物などで第1端部31に切り込みを入れて線状の開口35を形成するという簡単な方法で、第1端部31に開口35を形成することができる。
【0059】
本実施形態では、水のう10を使用した後であって、袋体20から水を排出した後、図12の清掃工程S112において、袋体20の内部を清掃する。清掃時、注水口37から水を袋体20に注入し、第1端部31に形成された開口35から排出させる。このとき、注水口37から第1端部31の開口35に向かう水の流れを利用して、袋体20内を清掃することができる。本実施形態では、図3に示すように、袋体20に水が注入される注水口37は、袋体20における第1端部31と第2端部32との中間C1よりも第2端部32側の部位に形成されており、第1端部31の開口35から離れた位置に形成されている。そのため、注水口37から第1端部31の開口35までの距離を長くすることができる。よって、注水口37から第1端部31の開口35に向かう水の流れを利用して、袋体20内の広い範囲を容易に清掃することができる。
【0060】
本実施形態では、袋体20に水が収容されていない状態において、袋体20の最も広い面(ここでは上面21)には、注水口37が形成されている。このことによって、袋体20に水を注入するとき、注水口37が形成された最も広い面を上面21にして袋体20を地面に配置することができる。よって、例えば竪樋62を通じて雨水が流れる接続管70(図9参照)を注水口37に容易に接続することができる。
【0061】
例えば袋体20に水を注入する際、袋体20内に空気が入っていることがあり得る。本実施形態では、袋体20には、袋体20内の空気が通過する空気口38が形成されている。そのため、袋体20に水を注入する際、袋体20内の空気を空気口38から外部に排出しつつ、袋体20に水を注入することができる。よって、袋体20から排出された空気の量分の水を注入できるため、袋体20を水で満杯にすることができる。
【0062】
本実施形態では、水のう10の使用方法は、図8に示すように、配置工程S101と、接続工程S102と、注水工程S103とを包含する。配置工程S101では、図9に示すように、水のう10を地面に配置する。接続工程S102では、水のう10の注水口37と、雨水が流れる竪樋62とを接続管70で接続する。注水工程S103では、竪樋62内の雨水を接続管70および注水口37を通じて、袋体20に注入する。例えば従来の水のうの場合、水道水の蛇口や消火栓から水が水のう内に収容される。しかしながら、水のうは、蛇口や消火栓の近くに配置されるとは限らず、蛇口や消火栓が近くに設けられていない建物の出入口に配置されることがあり得る。そこで、本実施形態に係る使用方法によれば、水のう10の袋体20に、竪樋62を流れる雨水を注入することができる。竪樋62を一例とする雨水管路は、建物60の出入口61の近くに配置されている可能性が比較的に高い。そのため、蛇口や消火栓が近くに設けられていない場合であっても、水のう10の袋体20に水を注入することができる。また、ここでは、雨水を二次利用して袋体20に水を注入できるため、コストを掛けずに、かつ、環境に配慮して、水のう10を使用することができる。
【0063】
水のう10が使用されるときとして、台風や集中豪雨などのように多くの雨が降ったときが考えられる。このように多くの雨が降るとき、竪樋62にはより多くの雨水が流れる。よって、竪樋62に流れる雨水を利用することで、袋体20に雨水を素早く注入することができる。
【0064】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る水のう10Aについて説明する。図13は、第2実施形態に係るカバー部材40Aを示す斜視図である。図14は、第2実施形態に係る水のう10Aの図10相当図である。図14に示すように、本実施形態に係る水のう10Aは、袋体20と、カバー部材40Aとを備えている。本実施形態では、水のう10Aの袋体20は、第1実施形態に係る水のう10の袋体20(図3など参照)と同じ構成を有している。
【0065】
本実施形態では、図13に示すように、カバー部材40Aは、第1実施形態に係るカバー部材40(図2参照)と異なり、第1方向D1の両端が開口した帯状の部材である。言い換えると、カバー部材40Aでは、第1方向D1の何れの位置における第2方向D2に沿った切断面の形状が環状である。ここでは、図14に示すように、カバー部材40Aは、第1カバー端部51Aと、第1カバー端部51Aの反対側に設けられた第2カバー端部52Aとを有している。第1カバー端部51Aおよび第2カバー端部52Aは、全体が開口している。ここでは、第1カバー端部51Aには、カバー開口54Aが形成され、第2カバー端部52Aには、カバー開口55Aが形成されている。
【0066】
そのため、例えば第2カバー端部52Aからカバー部材40Aに袋体20の第1端部31を挿入し、第1端部31を覆うようにカバー部材40Aを装着したとき、第1カバー端部51Aは、開口した状態になる。この場合であっても、袋体20の第1端部31は折り畳まれており、開口35は隠れた状態であり、折り畳まれた第1端部31は、カバー部材40Aのカバー上面41とカバー下面42とに押し付けられた状態になる。そのため、第1端部31の折り畳まれた状態は解除され難く、袋体20内の水(例えば雨水)は、開口35から排出され難い。
【0067】
本実施形態では、水のう10Aを使用した後に袋体20内の水を排出する際、カバー部材40Aの第1カバー端部51Aのカバー開口54Aから袋体20の第1端部31を引き抜く。このことで、第1端部31の折り畳まれた状態が解除され、袋体20の開口35が開く。そして、袋体20内の雨水は、開口35から排出されることになる。このように、本実施形態のような帯状のカバー部材40Aを用いることで、カバー部材40Aを袋体20に装着した状態で、袋体20内の水を排出することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、雨水が流れる雨水管路は、竪樋62であった。しかしながら、雨水管路は、竪樋62に限定されるものではなく、雨水が流れるものであればよい。例えば雨水管路は、雨水が貯留された貯留槽であってもよく、雨水が流れる雨水管に接続される雨水ますであってもよい。雨水ますは、例えば地中に埋設されている。雨水ます内の雨水を、水のう10の袋体20に注入する場合、例えば雨水ますの点検口から、ポンプが繋がっているホースなどの接続管を挿入する。そして、雨水ます内の雨水をポンプで引き上げて、接続管を通じて袋体20に雨水を注入するとよい。
【0069】
<他の実施形態>
上記各実施形態では、袋体20の第1端部31の一部に開口35が形成されており、第2端部32は封止されていた。しかしながら、袋体20の第1端部31が封止され、第2端部32の一部に開口35が形成されてもよい。この場合、カバー部材40、40Aは、第2端部32の周囲を覆うように第2端部32に装着される。
【0070】
また、開口35は、袋体20の第1方向D1の両端部のそれぞれの一部に形成されていてもよい。すなわち、第1端部31の一部、および、第2端部32の一部の両方に開口35が形成されていてもよい。この場合、水のうは、第1端部31に装着されるカバー部材40、40Aと、第2端部32に装着されるカバー部材40、40Aの2つのカバー部材40、40Aを備えている。この場合、第1端部31および第2端部32の両端部に、第1実施形態のカバー部材40が装着されてもよいし、第2実施形態のカバー部材40Aが装着されてもよい。また、第1端部31および第2端部32のうち、一方の端部に第1実施形態のカバー部材40が装着され、他方の端部に第2実施形態のカバー部材40Aが装着されてもよい。
【0071】
第2実施形態に係る帯状のカバー部材40Aを用いる場合、袋体20に形成された開口35は、第1端部31の全体に形成されていてもよいし、第2端部32の全体に形成されていてもよい。また、帯状のカバー部材40Aを用いる場合、開口35は、第1端部31の全体、および、第2端部32の全体に形成されていてもよい。
【0072】
この場合、水のうは、袋体と、カバー部材とを備えている。袋体は、第1端部と、第1端部の反対側に設けられた第2端部とを有し、第1端部および第2端部のうちの少なくとも一方の端部に開口が形成され、内部に水が収容される。カバー部材は、開口が隠れるように上記少なくとも一方の端部の周囲を覆う。カバー部材の形状は、両端が開口した帯状である。
【符号の説明】
【0073】
10、10A 水のう
20 袋体
21 上面
22 下面
31 第1端部
32 第2端部
35 開口
37 注水口
38 空気口
40、40A カバー部材
41 カバー上面
42 カバー下面
51、51A 第1カバー端部
52、52A 第2カバー端部
60 建物
61 出入口
62 竪樋(雨水管路)
70 接続管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14