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特開2022-133636クレジットカード番号等の識別情報を生成するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133636
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】クレジットカード番号等の識別情報を生成するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20220907BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220907BHJP
【FI】
H04L9/00 673D
G06T7/00 510B
G06T7/00 510E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032426
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】505284725
【氏名又は名称】株式会社ノルミー
(74)【代理人】
【識別番号】100091904
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 重雄
(72)【発明者】
【氏名】岩田 英三郎
(72)【発明者】
【氏名】釜中 博樹
(72)【発明者】
【氏名】岩城 康晴
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043BA03
5B043DA05
5B043DA09
5B043EA05
5B043GA02
(57)【要約】
【課題】端末に識別情報自体を保持することを避けつつ、必要な時点で使用者の生体情報を用いてクレジットカード番号等の特定の識別情報を生成する。
【解決手段】登録用撮像装置11は、生体を撮影することにより、第1画像と第2画像とを少なくとも取得する。登録用特徴処理部12は、第1画像から第1生体特徴情報を生成し、かつ、第2画像から第2生体特徴情報を生成する。分類生成部15は、入力された識別情報から第1分類と第2分類とを少なくとも生成する。分類モデル形成部13は、第1生体特徴情報と第1分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第1分類モデルを生成する処理、及び、第2生体特徴情報と第2分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第2分類モデルを生成する処理とを少なくとも行う。分類モデル記憶部2は、生成された第1分類モデルと第2分類モデルとを記憶する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分類モデル形成装置と、分類モデル記憶部と、識別情報生成装置とを備えており、
前記分類モデル形成装置は、登録用撮像装置と、登録用特徴処理部と、分類生成部と、分類モデル形成部とを備えており、
前記登録用撮像装置は、生体を撮影することにより、第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記登録用特徴処理部は、前記第1画像から第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記第2画像から第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記分類生成部は、入力された識別情報から第1分類と第2分類とを少なくとも生成する構成となっており、
前記分類モデル形成部は、前記第1生体特徴情報と前記第1分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第1分類モデルを生成する処理、及び、前記第2生体特徴情報と前記第2分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第2分類モデルを生成する処理とを少なくとも行う構成となっており、
前記分類モデル記憶部は、生成された前記第1分類モデルと前記第2分類モデルとを記憶する構成となっており、
識別情報生成装置は、判定用撮像装置と、判定用特徴処理部と、モデル照合部と、識別情報生成部とを備えており、
前記判定用撮像装置は、生体を撮影することにより、判定用の第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記判定用の第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記判定用特徴処理部は、前記判定用の第1画像から判定用の第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記判定用の第2画像から判定用の第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記モデル照合部は、前記判定用の第1生体特徴情報と前記第1分類モデルとから第1分類を特定する処理と、前記判定用の第2生体特徴情報と前記第2分類モデルとから第2分類を特定する処理とを行う構成となっており、
前記識別情報生成部は、前記モデル照合部で特定された前記第1分類と前記第2分類とから、前記入力された識別情報と同じ識別情報を生成するように構成されている
ことを特徴とする識別情報生成システム。
【請求項2】
前記判定用撮像装置は、車両の一部として組み込まれており、前記車両に乗車する乗員を撮影することによって、前記判定用の第1画像と第2画像とを取得できるようになっている
請求項1に記載の識別情報生成システム。
【請求項3】
前記登録用撮像装置及び前記判定用撮像装置により撮影される前記第1画像は、いずれも、可視光の撮像により生成された掌の画像であり、
前記登録用特徴処理部及び前記判定用特徴処理部において生成される前記第1生体特徴情報は、いずれも、前記掌の内部における静脈形状についての情報である
請求項1又は2に記載の識別情報生成システム。
【請求項4】
前記登録用撮像装置及び前記判定用撮像装置は、同じ可視光用カメラにより構成されている
請求項3に記載の識別情報生成システム。
【請求項5】
識別情報生成システムを構成するための分類モデル形成装置であって、
登録用撮像装置と、登録用特徴処理部と、分類生成部と、分類モデル形成部とを備えており、
前記登録用撮像装置は、生体を撮影することにより、第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記登録用特徴処理部は、前記第1画像から第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記第2画像から第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記分類生成部は、入力された識別情報から第1分類と第2分類とを少なくとも生成する構成となっており、
前記分類モデル形成部は、前記第1生体特徴情報と前記第1分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第1分類モデルを生成する処理と、前記第2生体特徴情報と前記第2分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第2分類モデルを生成する処理とを少なくとも行う構成となっている、
ことを特徴とする分類モデル形成装置。
【請求項6】
識別情報生成システムを構成するための識別情報生成装置であって、
判定用撮像装置と、判定用特徴処理部と、モデル照合部と、識別情報生成部とを備えており、
前記判定用撮像装置は、生体を撮影することにより、判定用の第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記判定用の第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記判定用特徴処理部は、前記判定用の第1画像から判定用の第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記判定用の第2画像から判定用の第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記モデル照合部は、前記判定用の第1生体特徴情報と予め格納された第1分類モデルとから第1分類を特定する処理と、前記判定用の第2生体特徴情報と予め格納された第2分類モデルとから第2分類を特定する処理とを行う構成となっており、
前記識別情報生成部は、前記モデル照合部で特定された前記第1分類と前記第2分類とから、登録時にユーザから入力された識別情報と同じ識別情報を生成するように構成されている
ことを特徴とする識別情報生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカード番号等の識別情報を生成するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
重要な識別情報を端末に保存するためには、セキュリティ確保のための装置コストが大きくなる。例えば、識別情報の一種であるクレジットカード番号については、PCI-DSSという厳格なセキュリティ基準が定められている。この基準を満たすためには装置が複雑化、高コスト化するという問題がある。例えば、自動車等の車両中の端末にクレジットカード番号を保持させることは、事実上困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、端末に識別情報自体を保持することを避けつつ、必要な時点で使用者の生体情報を用いて特定の識別情報を生成することができる技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の項目に記載の発明として表現することができる。
【0005】
(項目1)
分類モデル形成装置と、分類モデル記憶部と、識別情報生成装置とを備えており、
前記分類モデル形成装置は、登録用撮像装置と、登録用特徴処理部と、分類生成部と、分類モデル形成部とを備えており、
前記登録用撮像装置は、生体を撮影することにより、第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記登録用特徴処理部は、前記第1画像から第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記第2画像から第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記分類生成部は、入力された識別情報から第1分類と第2分類とを少なくとも生成する構成となっており、
前記分類モデル形成部は、前記第1生体特徴情報と前記第1分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第1分類モデルを生成する処理、及び、前記第2生体特徴情報と前記第2分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第2分類モデルを生成する処理とを少なくとも行う構成となっており、
前記分類モデル記憶部は、生成された前記第1分類モデルと前記第2分類モデルとを記憶する構成となっており、
識別情報生成装置は、判定用撮像装置と、判定用特徴処理部と、モデル照合部と、識別情報生成部とを備えており、
前記判定用撮像装置は、生体を撮影することにより、判定用の第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記判定用の第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記判定用特徴処理部は、前記判定用の第1画像から判定用の第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記判定用の第2画像から判定用の第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記モデル照合部は、前記判定用の第1生体特徴情報と前記第1分類モデルとから第1分類を特定する処理と、前記判定用の第2生体特徴情報と前記第2分類モデルとから第2分類を特定する処理とを行う構成となっており、
前記識別情報生成部は、前記モデル照合部で特定された前記第1分類と前記第2分類とから、前記入力された識別情報と同じ識別情報を生成するように構成されている
ことを特徴とする識別情報生成システム。
【0006】
(項目2)
前記判定用撮像装置は、車両の一部として組み込まれており、前記車両に乗車する乗員を撮影することによって、前記判定用の第1画像と第2画像とを取得できるようになっている
項目1に記載の識別情報生成システム。
【0007】
(項目3)
前記登録用撮像装置及び前記判定用撮像装置により撮影される前記第1画像は、いずれも、可視光の撮像により生成された掌の画像であり、
前記登録用特徴処理部及び前記判定用特徴処理部において生成される前記第1生体特徴情報は、いずれも、前記掌の内部における静脈形状についての情報である
項目1又は2に記載の識別情報生成システム。
【0008】
(項目4)
前記登録用撮像装置及び前記判定用撮像装置は、同じ可視光用カメラにより構成されている
項目3に記載の識別情報生成システム。
【0009】
(項目5)
識別情報生成システムを構成するための分類モデル形成装置であって、
登録用撮像装置と、登録用特徴処理部と、分類生成部と、分類モデル形成部とを備えており、
前記登録用撮像装置は、生体を撮影することにより、第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記登録用特徴処理部は、前記第1画像から第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記第2画像から第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記分類生成部は、入力された識別情報から第1分類と第2分類とを少なくとも生成する構成となっており、
前記分類モデル形成部は、前記第1生体特徴情報と前記第1分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第1分類モデルを生成する処理と、前記第2生体特徴情報と前記第2分類とを用いて、生体特徴情報から分類を判定できる第2分類モデルを生成する処理とを少なくとも行う構成となっている、
ことを特徴とする分類モデル形成装置。
【0010】
(項目6)
識別情報生成システムを構成するための識別情報生成装置であって、
判定用撮像装置と、判定用特徴処理部と、モデル照合部と、識別情報生成部とを備えており、
前記判定用撮像装置は、生体を撮影することにより、判定用の第1画像と第2画像とを少なくとも取得する構成となっており、ここで、前記判定用の第1画像と前記第2画像とは異なるモダリティ(生体特徴)を有しており、
前記判定用特徴処理部は、前記判定用の第1画像から判定用の第1生体特徴情報を生成し、かつ、前記判定用の第2画像から判定用の第2生体特徴情報を生成する構成となっており、
前記モデル照合部は、前記判定用の第1生体特徴情報と予め格納された第1分類モデルとから第1分類を特定する処理と、前記判定用の第2生体特徴情報と予め格納された第2分類モデルとから第2分類を特定する処理とを行う構成となっており、
前記識別情報生成部は、前記モデル照合部で特定された前記第1分類と前記第2分類とから、登録時にユーザから入力された識別情報と同じ識別情報を生成するように構成されている
ことを特徴とする識別情報生成装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、端末に識別情報自体を保持することを避けつつ、必要な時点で使用者の生体情報を用いて特定の識別情報を生成することが可能になる。したがって、端末自体に識別情報を保持しないので、端末の構成を簡素化し、装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態の識別情報生成システムの使用場面を説明するための説明図である。
図2】本発明の第1実施形態の識別情報生成システムに用いる分類モデル形成装置の概略的構成を示すブロック図である。
図3図2の分類モデル形成装置における分類規則を説明するための説明図である。
図4図2の分類モデル形成装置における分類規則を説明するための説明図であって、横軸はベクトル間距離、縦軸は頻度である。
図5図2の分類モデル形成装置における分類規則を説明するための説明図である。
図6】本発明の第1実施形態の識別情報生成システムに用いる情報生成装置の概略的構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第2実施形態における分類生成規則を説明するための説明図である。
図8】本発明の第2実施形態の識別情報生成システムに用いる分類モデル形成装置の概略的構成を示すブロック図である。
図9図2の分類モデル形成装置における分類規則に用いるハッシュ関数を例示する数式である。
図10図2の分類モデル形成装置における分類規則を説明するための説明図である。
図11図2の分類モデル形成装置における分類規則を説明するための説明図である。
図12】本発明の第2実施形態の識別情報生成システムに用いる情報生成装置の概略的構成を示すブロック図である。
図13】本発明の第3実施形態の識別情報生成システムの概略的構成を示すブロック図である。
図14】本発明の第7実施形態における、登録用又は判定用の撮像装置の例を示す説明図である。
図15】本発明の第8実施形態における分類生成規則の例を示す説明図である。
図16】本発明の第9実施形態における分類規則の例を示す説明図である。
図17】本発明の第1実施形態における情報生成システムの全体的構成を示す概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第1実施形態に係る、クレジットカード番号等の識別情報を生成するためのシステムを、図1図6、及び図17を参照しながら説明する。
【0014】
(システム構成)
本実施形態の識別情報生成システムは、分類モデル形成装置1と、分類モデル記憶部2と、識別情報生成装置3とを備えている(図17参照)。
【0015】
本実施形態のシステムの典型的な使用場面は、例えば、スマートフォン6(図1参照)のカメラを用いて使用者の掌5を撮影することによって、個人が所有する識別情報としてのクレジットカード番号を、掌5の生体情報から生成することである。ただしこの例には限定されない。
【0016】
(分類モデル生成装置)
分類モデル形成装置は、登録用撮像装置11と、登録用特徴処理部12と、分類モデル形成部13と、識別情報入力部14と、分類生成部15とを備えている。
【0017】
登録用撮像装置11は、生体(例えば掌、顔、目、体全体など)を撮影することにより、第1画像~第4画像(図示せず)を取得する構成となっている。ここで、第1画像~第4画像は、互いに異なるモダリティ(生体特徴)を有している。本実施形態では、第1~第4画像として、例えば、掌の静脈画像、掌紋、掌の外形形状などを用いることができる。本実施形態では、第1~第4画像のうちの少なくとも一つは、可視光画像となっている。残りの画像は、可視光画像でもよいが、例えば赤外線画像とすることによって、異なるモダリティとしてもよい。つまり、異なるモダリティを得る方法としては、撮影媒体を変更する方法や、撮影対象を変更する方法が考えられる。同じ部分の画像であっても、可視光画像と赤外線画像とでは異なるモダリティとなる。ここで、第1~第4画像を撮影するカメラは、必要な画像を得られるのであれば、異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。つまり、登録用撮像装置11が複数カメラの組み合わせにより構成されていてもよい。
【0018】
(登録用特徴処理部)
登録用特徴処理部12は、第1~第4登録用特徴処理部121~124により構成されており、これらによって、第1~第4画像から第1~第4生体特徴情報を生成するようになっている。
【0019】
具体的には、第1~第4画像は、第1~第4登録用特徴処理部121~124によって、それぞれ異なった(つまり異なるモダリティの)生体特徴情報となるように処理される。生体特徴情報の例としては、生体の内部から得られる生体内部情報、あるいは、生体の外形から得られる生体外形情報である。例えば掌の可視光画像から静脈形状を抽出することも可能である。生体内部情報とは、例えば、掌内部の静脈血管などが抽出された情報である。生体外部情報とは、例えば、掌紋と呼ばれる掌の皺や、あるいは掌の外形形状である。ただしこれらには限定されない。
【0020】
(識別情報入力部)
識別情報入力部14は、何らかの識別情報、例えばクレジットカード番号(以下、単に「カード番号」と称することがある)を入力する構成となっている。本例では、カード番号として、16桁の10進数を前提として以下説明するが、これには制約されない。識別情報入力部14としては、例えば、スマートフォン6のタッチパネルであるが、これに限らず、キーボード、マウス、音声入力手段など、適宜の構成を採用できる。また、識別情報としては、カード番号に限らず、住所、電話番号、誕生日など、適宜な情報を用いることができる。個人に特有な情報でなくてもよい。また、個人に限らず、法人その他の団体に関連する情報であってもよい。
【0021】
(分類生成部)
分類生成部15は、入力された識別情報から第1~第4分類161~164を生成する構成となっている。これらの分類についてまとめて符号16で参照することがある。
【0022】
(分類生成方法)
以下、図3をさらに参照しながら、カード番号から分類16を生成する方法を説明する。
【0023】
まず、入力された番号(図示の例では「5432-9876-1234-5678」)を、1桁ずつ2進数に変換する。0~9の2進表現は4桁となり、2進表現でのそれぞれの桁を第1~第4分類161~164に割り当てる。したがって、一桁目の10進数5から、第1分類=0、第2分類=1、第3分類=0、第4分類=1を得ることができる。なお、図3では、第1~第4分類を分類1~4のように示している。
【0024】
得られた第1~第4分類161~164は分類モデル形成部13に入力される。
【0025】
(分類モデル形成部)
分類モデル形成部13は、第1~第4登録用特徴処理部121~124をそれぞれ受け取る第1~第4分類モデル形成部131~134から構成されている。第1~第4分類モデル形成部131~134は、生体特徴情報から分類を判定できる第1~第4分類モデル171~174を、第1~第4生体特徴情報と第1~第4分類161~164とを用いて生成する構成となっている。第1~第4分類モデル171~174をまとめて分類モデル17と称することがある。
【0026】
(分類モデルの形成方法)
次に、分類モデル形成部13による分類モデルの形成方法の具体例を説明する。
【0027】
第1分類モデル形成部131では、第1登録用特徴処理部121の処理により得られた生体特徴情報を、第1分類161に基づいて0グループと1グループに分類できるように、分類規則を形成する。
【0028】
一般に、入力された生体特徴情報は、N次元のベクトルとして表現できる。生体特徴情報が幅w、高さhである画像表現の場合であっても、N=w*h次元のベクトルとして表現できる。生体特徴情報の類似度は、例えば、このN次元空間内の2つのベクトル間のユークリッド距離や、2つのベクトルの相関(=内積)の大きさにより表すことができる。
【0029】
そこで本実施形態では、N次元の特徴空間内に予め、基準となるベクトル群を、空間内に略一様に分布するように多数配置する。この基準となるベクトル群はランダムに生成してもよいし、多人数の実際の生体情報を使用してもよい。これら基準ベクトルはそれぞれ識別番号を持つ。
【0030】
ついで、入力された生体特徴情報と、これら基準ベクトルとの類似度である距離を計算すると、図4に示す頻度分布が得られる。ここで仮に、中間値を閾値とする。すると、ベクトル間の距離が閾値より小さい(近い)場合に"1"、大きい(遠い)場合に"0"を割り当てることができる。ここで、生成したいカード番号の1桁目"5"に対応する、第1分類161の分類は"0"なので、距離が大きい(離れている)基準ベクトルを選択する。ここではNo.689を選択することとする。この、選択したベクトルNo.と閾値を、第1分類モデル171の1桁目の分類規則とする。
【0031】
第2分類モデル形成部132では、第2登録用特徴処理部122で処理された生体特徴情報を、第2分類162に基づき、0グループと1グループに分類できるように、分類規則を形成する。
【0032】
第2登録用特徴処理部122で処理された生体特徴情報も、M次元の特徴空間内のベクトルとして表現され、このベクトルと、予め配置されている基準ベクトル群との距離を計算する。生成したいカード番号の1桁目"5"に対応する、第2分類162の分類は"1"なので、距離が小さい(近い)基準ベクトルを選択する。第1登録用特徴処理部121と第2登録用特徴処理部122とでは、特徴の種類が異なり、ベクトルの次元数も異なるので、各基準ベクトル番号と距離の序列は全く異なることに注意する。ここでは仮にNo.761(図示せず)を選択したとする。この、選択したベクトルNo.と閾値を、第2分類モデル172の1桁目の分類規則とする。
【0033】
第3・第4分類モデル形成部133・134も同様の処理であるので、これらについての詳細な説明は省略する。
【0034】
カード番号における2桁目の分類規則に関しては、第1分類161の場合、カード番号"4"に対する分類1の2桁目の分類が"0"であるので、1桁目と同様にベクトル間距離の離れた基準ベクトルを選択する。ただし、カード番号の1桁目の場合と同一規則にならないように、別のベクトルNo.182を選択する。この、選択したベクトルNo.182と閾値を、第1分類モデル171の2桁目の分類規則とする。以降同様にして、分類規則を形成できる。
【0035】
図5に、このようにして形成した分類規則の例を示す。このようにして形成された分類規則(つまり第1~第4分類モデル171~174)は、分類モデル記憶部2に記録される。
【0036】
(情報生成装置)
識別情報生成装置3は、判定用撮像装置31と、判定用特徴処理部32と、モデル照合部33と、識別情報生成部34と、識別情報出力部35とを備えている。
【0037】
(判定用撮像装置)
判定用撮像装置31は、生体を撮影することにより、判定用の第1画像~第4画像を取得する構成となっている。ここで、判定用の第1~第4画像は、それぞれ異なるモダリティ(生体特徴)を有している。判定用撮像装置の構成は、前記した登録用撮像装置11と基本的に同様でよいので、詳しい説明は省略する。また、判定用撮像装置31と登録用撮像装置11とを兼用することもできる。
【0038】
(判定用特徴処理部)
判定用特徴処理部32は、第1~第4判定用特徴処理部321~324から構成されている。第1~第4判定用特徴処理部321~324は判定用の第1~第4画像(図示せず)から判定用の第1~第4生体特徴情報をそれぞれ生成する構成となっている。判定用特徴処理部32の構成は、登録用特徴処理部12と同様でよいので、これについての詳しい説明は省略する。実際、同じプログラムあるいはモジュールを両者の用途に用いることができる。生成された判定用の第1~第4生体特徴情報は、モデル照合部33に入力される。
【0039】
(モデル照合部)
モデル照合部33は、判定用の第1~第4生体特徴情報と第1~第4分類モデル171~174とから第1~第4分類161~164をそれぞれ特定する構成となっている。モデル照合部33の動作は後述する。
【0040】
(識別情報生成部)
識別情報生成部34は、モデル照合部33で特定された第1~第4分類161~164から、入力された識別情報と同じ識別情報を生成するように構成されている。
【0041】
(識別情報出力部)
識別情報出力部35は、識別情報生成部34で生成された情報を出力する構成となっている。識別情報出力部35としては、例えば、ネットワークを介してシステム側にカード番号を送るためのインタフェースであるが、スマートフォン6のディスプレイなどの出力装置であってもよい。
【0042】
(モデル照合処理)
以下、モデル照合部33での処理の具体例を説明する。
【0043】
第1判定用特徴処理部321で生成された生体特徴情報が、モデル照合部33において第1分類モデル171に入力されると、モデル照合部33は、生体特徴情報のベクトル表現である特徴ベクトルと、分類モデル記憶部2に記憶されている基準ベクトルNo.689との距離を計算する。この距離が閾値Aより大きいとき、カード番号の1桁目の出力(第1分類161)を"0"とし、小さいとき"1"とする。同様に基準ベクトルNo.182との距離を計算して、その距離が閾値Aより大きいとき、カード番号の2桁目の出力(第1分類161)を"0"とし、小さいとき"1"とする。カード番号の3桁目以降も同様の処理を行う。このようにして、第1分類161に対応する2進表現(図3における分類1の列に対応)を特定することができる。
【0044】
また、第2~第4判定用特徴処理部322~324それぞれで生成された生体特徴情報も、モデル照合部33において第2~第4分類モデル172~174にそれぞれ入力される。第2~第4分類モデル172~174においても、同様の処理により、第2~第4分類162~164(図3における分類2~4の各列を参照)を出力することができる。これらの出力は識別情報生成部34に送られる。ここで、第1~第4分類161~164における一つ目の出力は、カード番号の一桁目の2進表現を構成する4桁の数字に相当していることに注意する。第1~第4分類161~164における2つ目以降の出力は、同様に、カード番号の2桁目以降に対応している。
【0045】
(カード番号の生成・出力)
識別情報生成部34は、これらの出力を変換することにより、図3に示したような16桁のクレジットカード番号を生成することができる。変換の規則は前記の説明から明らかである。
【0046】
ついで、識別情報出力部35は、生成されたカード番号を、必要な用途に応じて出力する。
【0047】
本実施形態によれば、前記したように、提示された生体情報と、記憶されている分類モデルによって、カード番号を生成することができる。このため、端末自体にカード番号を保持する必要がないので、端末の構成を簡素化することができる。すると、例えば車両に搭載する端末のコストを低減することができる。
【0048】
ところで、前記の例では、異なる人物の生体情報に対しては同じ分類モデルを適用することができない。したがって、複数人のためにクレジットカード番号を生成させるためには、前記の処理を行う前に、各個人を特定する個人認証を行う必要がある。当該の個人を特定した後は、その個人に対応した分類モデルに切り替えて情報生成を行うことができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る識別情報生成システムを、図7図12を参照しながら説明する。この第2実施形態の説明においては、前記した第1実施形態と基本的に同様な構成要素については、同一符号を用いることにより、説明の煩雑を避ける。
【0050】
前記した第1実施形態の分類生成部15では、クレジットカード番号の各桁を、4桁の2進数にそれぞれ変換して4つの2分類(例えば0と1)を生成したが、この第2実施形態では、カード番号の各桁を2桁の5進数に変換して処理する。図7に、カード番号から分類を生成した例を示す。
【0051】
16桁のカード番号を1桁ずつ5進数に変換すると、2桁の5進数となる。2桁の数値の上位を第1分類161、下位を第2分類162に割り当てる。ここで、第1分類161は0又は1の2分類、第2分類162は、0,1,2,3,4の5分類とする。
【0052】
図8に、第2実施形態に対応した分類モデル形成装置1のシステム構成を示す。
【0053】
撮像装置11で得られた画像は、第1・第2分類161~162に対応するように、第1・第2登録用特徴処理部121・122で処理される。
【0054】
第1分類モデル形成部131では、第1登録用特徴処理部121で処理された生体特徴情報の特徴ベクトルと、分類生成部15で生成された第1分類161に従って、閾値と基準ベクトルを選択することにより、第1分類モデル171を形成することができる。この点は第1実施形態と同様である。
【0055】
第2登録用特徴処理部122で処理された生体特徴情報の特徴ベクトルは、分類生成部15で生成された第2分類162の5分類に従って、第2分類モデル172を形成する。
【0056】
第2分類モデル172の形成においては、第2実施形態では、特徴ベクトルの分類に対して、LSH (Locality Sensitive Hashing)のハッシュ関数を使用する。
【0057】
具体的には、まず、N次元の特徴ベクトルvに対して、図9に示すハッシュ関数を使い、ハッシュ値Hを生成する。図9の式中のaは、平均0分散1のガウス分布により発生される乱数のN次元ベクトル、bは、区間[0,w]の一様乱数スカラー、Wは、ベクトル空間を区分する際の区間の長さに相当し、ベクトルの空間が適当に分割されるように、分布に基づいて事前に適当に設定される。さらにこの式において、下カギ括弧は切り捨て、mod5は5の剰余を表す。ハッシュ関数は、乱数で発生されるため、無数に作成することができる。
【0058】
図10に、あるハッシュ関数でハッシュ値を計算した際の、ベクトル空間とハッシュ値の関係を示す。図10では、第2登録用特徴処理部122で処理され、分類モデル形成部132に入力された特徴ベクトルを星印で示している。この場合、図10ではハッシュ値が"3"となっているが、カード番号の一桁目"5"に相当する第2分類162は"0"である(図7参照)ので、ハッシュ値が0となるようにハッシュ関数を再生成する。この再生成の後、ハッシュ値が"0"となった様子を、図11に示す。この、ハッシュ値が所望のグループ"0"となったハッシュ関数を、第2分類162の一桁目の分類規則とする。具体的には、ハッシュ関数内のベクトルa、b、wを分類規則として記憶するということである。
【0059】
同様に、カード番号の二桁目"4"に相当する第2分類162の分類は"4"であるので、ハッシュ値が4となるようにハッシュ関数を生成し、そのハッシュ関数を第2分類162の二桁目の分類規則とする。二桁目以降も同様に分類規則を形成し、生成された第2分類モデル172を分類モデル記憶部2に記憶する。
【0060】
本実施形態においてカード番号を生成するための情報生成装置を図12に示す。
【0061】
本実施形態において、第1判定用特徴処理部321と第1分類モデル171についての処理は、前記した第1実施形態と同様である。
【0062】
第2実施形態では、第2判定用特徴処理部322で処理された特徴ベクトルに対して、第2分類モデル172のハッシュ関数を適用することによって、5分類のハッシュ値を、第2分類162として得ることができる。この第2分類162と、第1分類161とを、識別情報生成部34で合成することにより、2桁5進数とし、5進数から10進数へ変換することで、カード番号を生成することができる。
【0063】
前記以外の構成は、第1実施形態と基本的に同様なので、第2実施形態についてのこれ以上詳しい説明は省略する。
【0064】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る識別情報生成システムを、図13を参照しながら説明する。この第3実施形態の説明においては、前記した第1実施形態と基本的に同様な構成要素については、同一符号を用いることにより、説明の煩雑を避ける。
【0065】
前記した第1実施形態及び第2実施形態における分類モデル形成部13では、生体特徴量を特徴ベクトルとして、特徴ベクトル間の距離や、空間内の配置に基づく分類規則を形成した。これに対して、この第3実施形態では、この規則を深層学習などにより学習させる。図13は、分類モデルの学習による形成、番号生成の流れを示している。
【0066】
分類モデルの学習時には、分類モデル形成部13(この例では分類モデルの追加学習を行う)に、n個(nは2以上の自然数)の登録用特徴処理部121~12nにより処理されたそれぞれの生体特徴が入力される。また、分類生成部15で生成された第1~第nの分類161~16nが入力される。
【0067】
追加学習とは、既に学習済みのモデルを、別の類似タスクのモデルを学習するために使用する方法であり、転移学習とも呼ばれる。追加学習により効率的に学習を行うことができる。この第3実施形態では、分類モデルの初期値を使い、それを追加学習することにより効率的に分類モデルを学習させることができる。学習したモデルは、分類モデル記憶部2に記憶される。
【0068】
次に、カード番号生成時には、記憶した分類モデル17を使い、n個の判定用特徴処理部321~32nにより処理された生体特徴情報がモデル照合部33に入力され、モデル照合部33により、学習した分類が出力される。この分類を用いて、カード番号を生成することができる。
【0069】
前記以外の構成は、第1実施形態と基本的に同様なので、第3実施形態についてのこれ以上詳しい説明は省略する。
【0070】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る識別情報生成システムを説明する。
【0071】
前記した各実施形態では、事前に個人を特定して、個人ごとに分類モデルを形成、適用する事を前提としていたが、個人を特定することなく、複数人を対象とした汎用の分類モデルを形成して適用することも可能である。
【0072】
一般に、生体情報の類似度と、カード番号の1桁毎の一致度は、無関係であるため、多人数の生体情報と、カード番号に対して、カード番号生成のための生体情報の分類規則を求めることは難しい。しかしながら、第3実施形態で示した深層学習による分類モデルの学習により、複雑な規則を学習させることができる。本発明者らの実験では、千人規模の生体情報に対して、生体情報の類似度に無関係で不規則な分類を学習させ、モデルを生成し、一意のクレジットカード番号を生成できることを確認している。
【0073】
これによって、複数人を対象とした汎用の分類モデルが形成でき、個人を特定することなく、提示された人の生体情報から、クレジットカード番号を生成することができる。
【0074】
この、複数人を対象とした分類モデルに対して、新しい個人とカード番号とを追加で学習させる場合には、既に学習済みの生体情報と分類の関係を損なわないように、学習済みの生体情報と分類の関係も併せて提示して学習することが好ましい。
【0075】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る識別情報生成システムを説明する。
【0076】
第1実施形態では、スマートフォン6のカメラ画像から、生体外面情報あるいは生体内部情報を取得し、これらに基づいて生体特徴情報を生成した。しかしながら、カメラは1つである必要はなく、例えば可視光カメラと赤外線カメラ等、2つ以上のカメラから得た画像を使って、生体外面情報と生体内部情報を取得してもよい。この場合、赤外線カメラ画像を使うことにより、生体内部情報の情報量をより多く得られ、分類学習の性能が向上することが期待できる。
【0077】
(第6実施形態)
第1実施形態では、クレジットカード番号を生成するものであったが、社員番号や会員番号など、他の識別情報であっても良い。第1実施形態に説明したように、1桁の10進数を4桁の2進数に変換することで、4つの2分類で表現できる。すると例えば、クレジットカードの暗証番号の場合は4桁の10進数なので、16個の2分類として分類規則を形成できる。またクレジットカードのセキュリティーコードは3桁の10進数なので、12個の2分類として分類規則を形成できる。
【0078】
(第7実施形態)
第1実施形態では、掌の生体情報から識別情報を生成していたが、顔や指紋、光彩など体の別の部位の生体情報、またそれらの組み合わせであっても、同様に分類モデルを生成し、識別情報を生成することができる。図14に、スマートフォン6のフロントカメラで顔や光彩を撮影し、リアカメラで掌を撮影する例を示す。
【0079】
(第8実施形態)
第1実施形態では、10進数のクレジットカード番号を生成させるものであったが、10進数である必要はなく、d進数から他のe進数に変換した後、e=f*gとして、f分類とg分類の分類に分けてもよい。e<f*gであってもよい。そもそもの番号が10進数でないe進数であってもよい。
【0080】
図15に、10進数8桁を16進数7桁に変換した後、4分類と4分類の分類モデル17に分ける例を示す。1桁の16進数は、2桁の4進数に変換できるので、2つの4分類で分類規則を形成できる。
【0081】
(第9実施形態)
第1実施形態では、識別情報として数列を生成していたが、アルファベットや記号、その他の識別情報を生成することができる。例えば、アルファベットA~Zと数字0~9の36文字を6分類と6分類の分類に分けて分類規則を生成することができる。36文字と分類の割り当て例を図16に示す。これ以外にも、アルファベット大文字小文字と数字の62文字+記号"-", "+"の2文字の、合計64文字の場合は、6つの2分類で分類規則を生成できる。また、数字に代えてASCIIコードを生成させることもできる。したがって、半角英数記号を含む任意の文字列やパスワード、秘密鍵などを生成させることができる。
【0082】
(第10実施形態)
識別情報は、ユニークである必要はない。例えば、個人が所属する団体の識別や、誕生月日等であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 分類モデル形成装置
11 登録用撮像装置
12 登録用特徴処理部
121~124 第1~第4登録用特徴処理部
13 分類モデル形成部
131~134 第1~第4分類モデル形成部
14 識別情報入力部
15 分類生成部
16 分類
161~164 第1~第4分類
17 分類モデル
171~174 第1~第4分類モデル
2 分類モデル記憶部
3 識別情報生成装置
31 判定用撮像装置
32 判定用特徴処理部
321~324 第1~第4判定用特徴処理部
33 モデル照合部
34 識別情報生成部
35 識別情報出力部
5 掌
6 スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17