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特開2022-133640配送仲介装置、プログラム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133640
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】配送仲介装置、プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220907BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220907BHJP
【FI】
G06Q10/08 308
G06Q30/06 312
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032433
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB53
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】個人や中小企業を含めた様々な配送者に商品等の配送を依頼者が安心して依頼できるよう支援する配送仲介装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】配送仲介システムにおいて、配送仲介装置100の制御部110は、依頼者端末から配送依頼を受け付ける依頼受付部1111と、依頼者端末に、複数の配送者と夫々の信頼度とを出力する依頼者出力部1121と、依頼者端末から、配送者の指定を受け付ける指定受付部1112と、指定された配送者の配送者端末に、配送依頼を出力する配送者出力部1122と、配送者端末、配送物に取り付けられた発信機または配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、配送の際に配送期間における複数の時点夫々の配送状況を取得する状況取得部1133と、配送状況に基づいて、信頼度記憶部132に記憶されている配送者の信頼度を更新する更新部116と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末から、配送元と配送先と配送物とを示す配送依頼を受け付ける依頼受付部と、
複数の配送者とそれぞれの信頼度とを記憶する信頼度記憶部を参照して、前記依頼者端末に、前記複数の配送者とそれぞれの信頼度とを出力する依頼者出力部と、
前記依頼者端末から、前記出力された複数の配送者のうち前記配送を依頼する配送者の指定を受け付ける指定受付部と、
前記指定された配送者の配送者端末に、前記配送依頼を出力する配送者出力部と、
前記配送者端末、前記配送物に取り付けられた発信機または前記配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、前記配送の際に、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況を取得する状況取得部と、
前記配送状況に基づいて、前記信頼度記憶部に記憶されている配送者の信頼度を更新する更新部と、を備える、
配送仲介装置。
【請求項2】
前記信頼度記憶部を参照して、前記配送依頼と前記信頼度とに基づいて、前記複数の配送者の中から1以上の配送者の候補を特定する配送者特定部をさらに備え、
前記依頼者出力部は、前記依頼者端末に、前記複数の配送者を前記配送者の候補に限定して出力する、
請求項1に記載の配送仲介装置。
【請求項3】
前記信頼度記憶部を参照して、前記配送依頼と前記信頼度とに基づいて、前記配送依頼に対応する1以上の配送計画の候補を作成する計画作成部をさらに備え、
前記依頼者出力部は、前記依頼者端末に、前記1以上の配送計画の候補を出力し、
前記指定受付部は、前記依頼者端末から、前記1以上の配送計画の候補から使用する配送計画の指定を受け付け、
前記配送者出力部は、前記指定された配送者の配送者端末に、前記指定された配送計画を出力し、
前記更新部は、前記配送計画にさらに基づいて、前記配送者の信頼度を更新する、
請求項1または2に記載の配送仲介装置。
【請求項4】
前記複数の配送者それぞれの配送者端末から、各配送者が対応可能な配送条件を取得する条件取得部をさらに備え、
前記計画作成部は、前記複数の配送者それぞれの前記配送条件にさらに基づいて、前記配送計画を作成する、
請求項3に記載の配送仲介装置。
【請求項5】
前記配送計画に基づいて、前記複数の時点それぞれにおける前記配送者を含む関係者の中から前記配送物に対する1以上の責任者とそれぞれの責任比率とを判定する判定部と、
前記配送者に対して前記配送物に関する料金の支払い決済のための処理を行う決済処理部であって、前記配送物の配送に影響を与えたインシデントを示すインシデント情報を記憶するインシデント記憶部を参照して、前記インシデント情報と前記責任比率とに基づいて前記料金を調整する決済処理部と、をさらに備える、
請求項4に記載の配送仲介装置。
【請求項6】
前記指定された配送計画と前記配送状況に基づいて、前記複数の時点それぞれにおける前記配送物に関する権利の移転を検出する検出部と、
前記判定部は、前記権利の移転にさらに基づいて、前記1以上の責任者とそれぞれの責任比率とを判定する、
請求項5に記載の配送仲介装置。
【請求項7】
前記配送状況に基づいて、前記複数の時点それぞれにおける前記配送物の配送に影響を与え得るインシデントを抽出する抽出部と、
前記更新部は、さらに、前記抽出されたインシデントに基づいて、前記インシデント記憶部に記憶されているインシデント情報を更新する、
請求項5または6に記載の配送仲介装置。
【請求項8】
コンピュータに、
配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末から、配送元と配送先と配送物とを示す配送依頼を受け付ける依頼受付機能と、
複数の配送者とそれぞれの信頼度とを記憶する信頼度記憶部を参照して、前記依頼者端末に、前記複数の配送者とそれぞれの信頼度とを出力する依頼者出力機能と、
前記依頼者端末から、前記出力された複数の配送者のうち前記配送を依頼する配送者の指定を受け付ける指定受付機能と、
前記指定された配送者の配送者端末に、前記配送依頼を出力する配送者出力機能と、
前記配送者端末、前記配送物に取り付けられた発信機または前記配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、前記配送の際に、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況を取得する状況取得機能と、
前記配送状況に基づいて、前記信頼度記憶部に記憶されている配送者の信頼度を更新する更新機能と、を実現する、
プログラム。
【請求項9】
コンピュータが、
配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末から、配送元と配送先と配送物とを示す配送依頼を受け付け、
複数の配送者とそれぞれの信頼度とを記憶する信頼度記憶部を参照して、前記依頼者端末に、前記複数の配送者とそれぞれの信頼度とを出力し、
前記依頼者端末から、前記出力された複数の配送者のうち前記配送を依頼する配送者の指定を受け付け、
前記指定された配送者の配送者端末に、前記配送依頼を出力し、
前記配送者端末、前記配送物に取り付けられた発信機または前記配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、前記配送の際に、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況を取得し、
前記配送状況に基づいて、前記信頼度記憶部に記憶されている配送者の信頼度を更新する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送仲介装置、プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネット通販市場の拡大に伴う商品の配送の急増によりエンドユーザへの物流サービス(いわゆる、ラストワンマイル)が注目されており、このような物流サービスを支援する技術が知られている。
【0003】
例えば、商品の配送に関して、特許文献1には、個人で荷物の集配業務を請け負いたいと希望する人々に荷物を割り振る集配サービス仲介システムが記載されている。この集配サービス仲介システムは、荷物を割り振る際に、作業者からの検索条件にマッチする荷物を荷物の属性に基づいて検索し、検索結果を作業者の端末装置に送信する。そして、この集配サービス仲介システムは、作業者の端末装置から特定の荷物が選択された場合には作業者と荷物を関連付けて記憶し、この端末装置から配達すべき荷物を受け取った通知と荷物の配達が完了した通知とを受信すると、荷物に設定された報酬額を作業者に関連付けて登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-207693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、商品等の配送を個人や中小企業等に大手企業を介さずに直接依頼する場合、大手企業に比較すると、安心して依頼することが難しいという課題がある。特許文献1の技術では、荷物の属性として「内容物(商品種別)」を登録し、作業者からの検索条件としてこの属性を指定することができるが作業者側からのアプローチでしかない。このため、依頼者が安心して個人や中小企業等に商品等の配送を依頼することについて改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、個人や中小企業を含めた様々な配送者に商品等の配送を依頼者が安心して依頼できるよう支援する配送仲介装置、プログラム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る配送仲介装置は、配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末から、配送元と配送先と配送物とを示す配送依頼を受け付ける依頼受付部と、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを記憶する信頼度記憶部を参照して、依頼者端末に、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを出力する依頼者出力部と、依頼者端末から、出力された複数の配送者のうち配送を依頼する配送者の指定を受け付ける指定受付部と、指定された配送者の配送者端末に、配送依頼を出力する配送者出力部と、配送者端末、配送物に取り付けられた発信機または配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、配送の際に、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況を取得する状況取得部と、配送状況に基づいて、信頼度記憶部に記憶されている配送者の信頼度を更新する更新部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末から、配送元と配送先と配送物とを示す配送依頼を受け付ける依頼受付機能と、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを記憶する信頼度記憶部を参照して、依頼者端末に、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを出力する依頼者出力機能と、依頼者端末から、出力された複数の配送者のうち配送を依頼する配送者の指定を受け付ける指定受付機能と、指定された配送者の配送者端末に、配送依頼を出力する配送者出力機能と、配送者端末、配送物に取り付けられた発信機または配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、配送の際に、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況を取得する状況取得機能と、配送状況に基づいて、信頼度記憶部に記憶されている配送者の信頼度を更新する更新機能と、を実現する。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末から、配送元と配送先と配送物とを示す配送依頼を受け付け、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを記憶する信頼度記憶部を参照して、依頼者端末に、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを出力し、依頼者端末から、出力された複数の配送者のうち配送を依頼する配送者の指定を受け付け、指定された配送者の配送者端末に、配送依頼を出力し、配送者端末、配送物に取り付けられた発信機または配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、配送の際に、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況を取得し、配送状況に基づいて、信頼度記憶部に記憶されている配送者の信頼度を更新する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、個人や中小企業を含めた配送者に商品等の配送を依頼者が安心して依頼することができるよう支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る配送仲介システムのシステム構成例を説明するための図である。
図2】本実施形態に係る配送仲介システムの概要を説明するための図である。
図3】本実施形態に係る配送仲介システムの概要を説明するための図である。
図4】本実施形態に係る配送仲介システムの概要を説明するための図である。
図5】本実施形態に係る配送仲介システムの概要を説明するための図である。
図6】本実施形態に係る配送仲介システムの概要を説明するための図である。
図7】本実施形態に係る配送仲介装置の機能構成の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る配送仲介装置の動作例を示す図である。
図9】本実施形態に係る配送仲介装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0014】
<1.システム構成>
図1を参照して、本実施形態に係る配送仲介システム1のシステム構成の例を説明する。本実施形態では、顧客への商品の配送を依頼(外部委託)したい店舗が配送仲介システム1を利用して個人や中小企業を含む配送者にこの配送を依頼する例を説明するが、本発明をこれに限る趣旨でない。本実施形態に係る配送仲介システム1は、このようなBtoCサービスの他に、BtoBサービスやCtoBサービス、CtoCサービスにも適用可能である。
【0015】
配送仲介システム1は、エンドユーザへの物流サービスを支援するためのシステムであり、具体的には、商品等の配送物の配送を依頼したい依頼者と配送を請け負いたい配送者とを仲介するシステムである。配送仲介システム1を運用する仲介事業者は、配送仲介システム1を利用して、このような依頼者と配送者とをつなぐプラットフォームサービス(以下、「仲介サービス」ともいう)を提供する。本実施形態では、この依頼者を、個人の顧客に商品を販売する店舗とする例を説明する。また、本例では、配送物を商品とし、配送物の受領者をこの商品の購入を希望する顧客とする。なお、配送仲介システム1では、一つの配送依頼に対し、一人の配送者が請け負ってもよいし、配送区間を複数に分割して複数の配送者が請け負ってもよい。また、この配送者は、個人や中小企業(例えば、中小の運送会社)であってもよいし、大手企業(例えば、大手の物流会社や運送会社等)であってもよい。
【0016】
図1に示すように、配送仲介システム1は、仲介事業者が使用する配送仲介装置100と、依頼者(店舗)が使用する依頼者端末200と、配送者が使用する配送者端末300と、受領者(顧客)が使用する受領者端末400と、を含む。
【0017】
依頼者端末200、配送者端末300および受領者端末400について、特に区別の必要がない場合、「関係者端末」と総称する。ここで「関係者」とは、配送物の配送に関係する者をいう。関係者は、例えば、配送に係わる当事者として、依頼者、配送者、および受領者を含んでもよい。また、関係者は、例えば、仲介事業者を含んでもよい。また、関係者は、例えば、配送仲介システム1を利用するユーザを含んでもよい。
【0018】
配送仲介装置100と依頼者端末200と配送者端末300と受領者端末400とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。また、配送仲介装置100は、外部システム500と、ネットワークNを介して互いに接続されている。
【0019】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394などに準拠したネットワークがある。
【0020】
配送仲介装置100は、依頼者端末200と、配送者端末300と、受領者端末400との通信が可能な情報処理装置である。配送仲介装置100は、所定のプログラムを実行することにより、依頼者端末200から配送物の配送依頼を受け付けると、配送者端末300と連携して、この配送物を配送者に配送させるための処理を提供するサーバ機能を実現する。
【0021】
[配送仲介装置]
配送仲介装置100は、例えば、Webサーバとして、関係者に対して仲介サービスを提供するためのWebサイト(以下、「仲介サイト」ともいう)を提供してよい。配送仲介装置100は、依頼者端末200、配送者端末300および受領者端末400それぞれが仲介サイトのURLを指定しログインすることにより、それぞれが許可された仲介サイトのページにアクセス可能とすることができる。このログインは、それぞれが配送仲介システム1に予め登録したアカウントによって行われる。
【0022】
[依頼者端末]
依頼者端末200は、例えば、スマートフォンやラップトップなどの端末装置であり、依頼者からの配送依頼の受け付けや、配送仲介装置100との通信を行うことが可能である。依頼者端末200は、所定のプログラムを実行することにより、配送仲介装置100と連携して配送物の配送に関する情報を送受信したり、配送に関する画面を表示したり、依頼者の要求を受け付けたりする。
【0023】
[配送者端末]
配送者端末300は、例えば、スマートフォンやラップトップなどの端末装置であり、配送者からの自身の属性情報および配送条件の入力の受け付けや、配送仲介装置100との通信を行うことが可能である。配送者端末300は、所定のプログラムを実行することにより、配送仲介装置100と連携して配送に関する情報を送受信したり、配送に関する画面を表示したり、配送者の要求を受け付けたりする。
【0024】
「配送条件」とは、各配送者が請け負い可能な配送の条件である。配送条件は、例えば、請け負い可能なエリアを示す配送可能エリア、請け負い可能な日時を示す配送可能日時、請け負い可能な配送物の属性情報(以下、「配送物属性情報」ともいう)等を含んでもよい。
【0025】
配送物属性情報は、配送物の属性を示す情報である。配送物属性情報は、例えば、配送物である商品の商品名/製品名、商品を識別するための識別情報(販売元で付与される商品番号や製品番号を含む)、配送物の種別(以下、「配送物種別」ともいう)またはサイズ等を含む。
【0026】
配送物種別とは、配送物を区別するためのものであって、例えば、取り扱いに注意が必要な物(いわゆる特殊物等)とそうでない物を区別するものであってもよい。配送物種別は、配送物の種類を示すものであってもよく、例えば、金券、クレジットカード、医薬類、ワレモノ(例えば、美術品や彫刻品)、ナマモノ、精密機械、重量物等であってもよい。
【0027】
[受領者端末]
受領者端末400は、例えば、スマートフォンやラップトップなどの端末装置であり、受領者からの自身の属性情報の入力の受け付けや、配送仲介装置100との通信を行うことが可能である。受領者端末400は、所定のプログラムを実行することにより、配送仲介装置100と連携して配送に関する情報を送受信したり、配送に関する画面を表示したり、受領者の要求を受け付けたりする。
【0028】
[外部システム]
外部システム500は、いわゆるサードパーティシステムである。外部システム500は、例えば、後述の決済インフラ、保険システム、および/または経路検索システム等である。
【0029】
依頼者端末200、配送者端末300および/受領者端末400には、例えば、所定のプログラムとして、配送仲介システム1専用のアプリケーションプログラム(以下、「配送仲介アプリ」という)がインストールされてもよい。配送仲介アプリは、例えば、配送仲介装置100と連携し、依頼者が指定した配送計画により配送物の配送を支援するための機能を実現するネイティブアプリであってもよい。ユーザIFを実現するにあたって配送仲介アプリを用いる場合、仲介サイトで表示するページの少なくとも一部を配送仲介アプリが表示させる画面に代えてもよい。
【0030】
「配送計画」とは、依頼者が依頼した配送を計画したものである。配送計画は、例えば、配送元(発地)の住所、配送先(着地)の住所、配達方法(クール便や冷凍宅配便の指定等)、発送予定日時(配送元に配送物を取りに行く日時)、配達予定日時(配送先に配送物を届けるべき日時や関係者が指定する納期)、依頼者、受領者および配送者を識別するための識別情報(例えば、各アカウントのIDまたは氏名)、依頼者または受領者が配送に対して支払う送料(以下、単に「送料」という)、各配送者に支払われる配送料(以下、単に「配送料」という)、仲介サービスの提供に対して支払われる仲介手数料、依頼者、受領者および配送者の連絡先、配送物の属性情報、配送依頼の内容等を含んでもよい。この配送料には、例えば、配送者の人件費、燃料費、道路使用料、または保険料等が含まれてもよい。また、この送料には、例えば、配送料の合計と仲介手数料とが含まれてもよい。
【0031】
配送計画は、例えば、配送者に推奨する配送ルートまたは配送物である商品の代金を含んでもよい。
【0032】
配送計画は、例えば、配送期間における複数の時点それぞれにおける到着予定日時、到着予定位置、または予定配送者等を含んでもよい。
【0033】
配送計画は、例えば、配送物の管理方法や管理レベルを含んでもよい。この配送物の管理方法とは、例えば、折曲厳禁、上積・下積厳禁、天地無用、水濡れ厳禁等である。また、、この配送物の管理レベルとは、例えば、大切なお届け物か否か、取り扱い注意か否か、ワレモノ注意か否か等である。
【0034】
配送計画は、例えば、配送に係わる料金の支払い決済のための条件(以下、「決済条件」ともいう)を含んでもよい。決済条件は、例えば、配送者に対する配送料の支払い決済のための処理を配送物の配達完了をもって実行すること、依頼者からの送料の支払い決済のための処理を配送物の受領者に配送物が引き渡されたことをもって実行すること等の条件を含む。
【0035】
配送計画は、例えば、配送計画に含まれる関係者の属性情報または信頼度を含んでもよい。また、配送計画は、例えば、依頼されている配送のリスクレベルを含んでもよい。
【0036】
関係者端末は、例えば、配送物に取り付けられた可読媒体(以下、単に「可読媒体」ともいう)を読み取るための読取部(不図示)を備えてもよい。読取部は、非接触または接触式で可読媒体に含まれる情報を読み取る装置であり、例えば、RFIDリーダーやNFCリーダー、バーコードリーダー、二次元コードリーダーなどである。
【0037】
可読媒体は、配送物の授受時点等における配送状況を取得するために、配送物に取り付けるものである。このため、可読媒体には、配送物を識別するための情報(以下、「配送物識別情報」ともいう)が記録されている。例えば、配送者から受領者への配送物の授受の際に、依頼者端末200および/または受領者端末400は、この可読媒体から配送物識別情報を読み取って、この配送物の授受の状況を配送仲介装置100に送信してもよい。また、可読媒体に代えて、GPS発信機やビーコン等の発信機を配送物に取り付けてもよい。この商品に取り付けた発信機は、例えば、配送状況として、配送物識別情報および位置情報等を発信する。配送仲介装置100は、この発信された配送物識別情報および位置情報等を受信する。
【0038】
<2.概要>
図2~6を参照して、本実施形態に係る配送仲介システム1の概要の一例を説明する。
【0039】
<2-1.全体像>
まず図2を参照して、配送仲介システム1の全体像の一例を説明する。図2に示すように、配送仲介システム1全体が実現する機能は、「0.ユーザIF」、「1.属性・信頼度管理」、「2.配送最適化・トラッキング」、「3.精算・決済」、「4.その他」の5つのセクションに分類される。配送仲介システム1では、それぞれのセクションが互いに連携(情報連携および/または機能連携を含む。以下同じ。)して、仲介サービスを提供する。また、それぞれのセクションは、外部システム500とも連携を行う。
【0040】
5つのセクションは、以下のとおり1以上のサブセクションを有する。配送仲介システム1では、それぞれのサブセクション間においても互いに連携を行う。以下、各セクションおよび各サブセクションについて、それぞれに割り振られた番号を<>内に示して説明する。
0.IF:配送仲介システム1とユーザや外部とのIFを行う。「0A.ユーザIF」および「0B.外部IF」のサブセクションを有する。ユーザIF<0A>は、例えば、仲介サイトや配送仲介アプリによる実現されてもよい。また、外部IF<0B>は、例えば、SDKやAPIにより実現されてもよい。
1.属性・信頼度管理:関係者や配送物の属性情報、配送者の信頼度等の仲介サービスを提供するために必要な情報を管理する。「1A.属性管理」および「1B.信頼度管理」のサブセクションを有する。
2.配送最適化・トラッキング:配送を最適化してそのトラッキングを行う。「2A.配送最適化」、「2B.授受記録」、「2C.配送物トラッキング」および「2D.帰責者トラッキング」のサブセクションを有する。
3.精算・決済:配送に関する料金を精算し、必要な決済を行う。「3A.決済・精算」、「3B.付保」、「3C.金融支援」および「3D.会計支援」のサブセクションを有する。金融支援<3C>は金融面で関係者を支援し、会計支援<3D>は会計面で関係者を支援する。
4.その他:上記以外の機能。「4A.ルート最適化」のサブセクションを有する。
【0041】
「信頼度」とは、配送における配送者に対する信頼の度合いを示すものである。なお本実施形態では、説明を簡単にするために、信頼度をA~Eの5段階とする例を用いるが、信頼度をこれに限る趣旨ではない。この5段階は、AからEにかけて降順で設定され、Aが最も信頼度が高く(良く)、Eが最も信頼度が低い(悪い)ものとする。
【0042】
<2-2.属性登録および信頼度更新>
つぎに図3を参照して、配送にあたって必要な情報を予め登録し、配送者の信頼度を更新する場面の配送仲介システム1の機能の一例を説明する。
【0043】
(1)図3に示すように、依頼者である店舗の店員や受領者である店舗の顧客は、仲介サイトにログインし、自身の属性情報を仲介サイトの画面にそれぞれ入力する。また、配送者は、自身の属性情報に加え、配送条件を入力する。ユーザIF<0A>の受付部111は、これらの入力された属性情報をフロントエンドとして受け付ける。以下、この依頼者や受領者を含む関係者の属性情報を、「関係者属性情報」ともいう。また、外部システム500は、配送仲介システム1に関係者属性情報を送信する。外部IF<0B>の受付部111は、この送信された関係属性情報をフロントエンドとして受け付ける。
【0044】
関係者属性情報は、例えば、関係者を識別するための識別情報、法人名/氏名、所在地/住所、連絡先(例えば、電話番号、またはメールアドレス等)等を含む。
【0045】
関係者属性情報は、例えば、関係者が使用可能な決済方法による決済のための情報(以下、「決済情報」ともいう)を含んでもよい。決済情報は、例えば、使用可能な決済方法が銀行決済であれば銀行口座に関する情報(例えば、口座種別、口座番号、名義など)、使用可能な決済方法がクレジット決済であればクレジットカードに関する情報(例えば、クレジットカード番号、名義、有効期限、セキュリティコードなど)、各決済方法における本人確認のための認証情報(例えば、トークン、生体的特徴に関する生体情報)、各決済方法の認証に必要な各アカウントのID・パスワード情報などを含んでもよい。
【0046】
(2)属性管理<1A>の属性取得部1131は、受付部111により受け付けられた関係者属性情報を取得し、属性記憶部131に登録する。
【0047】
(3)信頼度管理<1B>の更新部116は、属性記憶部131に登録された配送者の関係者属性情報を参照する。(4)更新部116は、参照した関係者属性情報に基づいて、配送者の信頼度を算出する。更新部116は、算出した信頼度を登録するよう信頼度記憶部132を更新する。なお、本例では、配送仲介システム1が算出した信頼度を登録する例を示したが、信頼度記憶部132に登録されている信頼度をこれに限る趣旨ではない。例えば、更新部116は、外部システム500から送信された配送者の信頼度を信頼度記憶部132に登録してもよい。
【0048】
(5)配送最適化<2A>の条件取得部1132は、受付部111により受け付けられた配送条件を取得し、条件記憶部133に登録する。
【0049】
<2-3.属性・信頼度照会および配送最適化>
図4を参照して、依頼者が配送依頼する際に配送者の関係者属性情報や信頼度を照会し、
依頼された配送の最適化を行う場面の配送仲介システム1の機能の一例を説明する。
【0050】
(1)図4に示すように、依頼者は、依頼者端末200から配送依頼をするにあたって、配送者の属性情報や信頼度を照会する。具体的には、属性情報・信頼度管理<1>の依頼者出力部1121が、属性記憶部131や信頼度記憶部132を参照して、依頼者端末200に仲介サイトを介して配送者の属性情報や信頼度を出力する。
【0051】
(2)依頼者は、出力された配送者の属性情報等を確認し、依頼者端末200から配送仲介システム1に対して商品の配送依頼を行う。ユーザIF<0A>の依頼受付部1111は、この配送依頼を受け付ける。
【0052】
「配送依頼」とは、依頼者からの配送物の配送の依頼であって、配送元と配送先と配送物を示す。配送依頼は、例えば、1以上の配送者の指名、信頼度の条件、優先情報や関係者属性情報の指定、配送計画の少なくとも一部の指定等を含んでもよい。
【0053】
信頼度の条件とは、例えば、許容する信頼度の範囲(信頼度A~Cの間等)や許容する信頼度の下限(信頼度B以上等)を示す。
【0054】
優先情報とは、例えば、配送に関する条件のうちどの条件を優先させるかを示す情報である。優先情報は、例えば、配送の時間に関する条件、配送の金額に関する条件、信頼度の条件、評価の条件の少なくともいずれか二つの優先順位を定める。この評価の条件は、例えば、許容する評価の範囲や許容する評価の下限を示す。
【0055】
(3)配送最適化<2A>の配送者特定部1141は、信頼度記憶部132を参照して、配送依頼と配送者の信頼度とに基づいて、複数の配送者の中から1以上の配送者の候補を特定する。配送者特定部1141は、配送依頼に配送者の指名が含まれている場合、指名された配送者を配送者の候補として特定してもよい。
【0056】
(4)配送最適化<2A>の計画作成部1152は、信頼度記憶部132を参照して、配送依頼と配送者の信頼度とに基づいて、配送依頼に対応する1以上の配送計画の候補を作成する。この配送計画には、配送者特定部1141により特定された配送者の候補が含まれる。
【0057】
(5)ユーザIF<0A>の依頼者出力部1121は、作成された1以上の配送計画の候補を依頼者端末200に出力する。
【0058】
(6)依頼者は、依頼者端末200から、出力された1以上の配送計画の候補から使用する配送計画の指定を入力する。(7)ユーザIF<0A>の指定受付部1112はこの入力された配送計画の指定を受け付け、配送最適化<2A>の特定部114は1以上の配送計画の候補から指定された配送計画を特定する。
【0059】
(8)ユーザIF<0A>の配送者出力部1122は、指定された配送計画(配送依頼を含む)を、指定された配送者の配送者端末300a、300bに出力する。
【0060】
(9)配送最適化<2A>の指定受付部1112は、配送計画の指定を、属性・信頼度管理<1>にフィードバックする。具体的には、指定受付部1112は、指定された配送計画に含まれる配送者の信頼度を上げる(例えば、信頼度D→C等)させるように更新する。
【0061】
<2-3.トラッキングおよびフィードバック>
図5を参照して、配送計画に従って配送者による配送をトラッキングし、そのトラッキングの結果を配送者の信頼度にフィードバックする場面の配送仲介システム1の機能の一例を説明する。
【0062】
(1)図5に示すように、依頼者端末200、配送者端末300、受領者端末400、および/または商品に取り付けられた可読媒体を読み取った端末から、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況が配送仲介システム1に入力される。ユーザIF<0A>の状況取得部1133は、これらの入力された配送状況を取得する。授受記録<2B>および配送物トラッキング<2C>の状況取得部1133は、取得した配送状況を配送記憶部134に登録する。状況取得部1133は、このように複数の時点の配送状況を取得することで、発送された配送物をトラッキングする。
【0063】
「配送状況」とは、配送期間の各時点の配送の状況である。配送状況は、例えば、各時点を示す日時、各時点における配送物または配送物の占有者の位置情報、各時点における配送物の状態(例えば、配送者の所有するトラックに積まれて移動中等)、各時点における配送物の授受の有無等を含んでもよい。
【0064】
「配送期間」とは、指定された配送元から商品が配送先に届くまでの期間である。配送期間は、例えば、依頼者からの商品が発送されて受領者に商品が到着するまでの期間であってもよい。
【0065】
(2)授受記録<2B>および配送物トラッキング<2C>の状況取得部1133は、取得した配送状況と配送計画とを照合してもよい。
【0066】
(3)帰責者トラッキング<2D>の抽出部118は、例えば、配送状況や上記照合した結果に基づいて、配送者Aの配送区間におけるインシデントとして、到着予定日時より6hの遅延が生じていることを抽出する。ここで「インシデント」とは、配送物の配送に影響を与え得る事象(特に、ネガティブな事象)をいう。インシデントとは、例えば、到着予定日時に対する遅延、到着予定位置を基準とした所定範囲を超えた配送ルートの逸脱、配送者間の配送物の引き渡しミス、配送物の破損や紛失等である。
【0067】
(4)帰責者トラッキング<2D>の判定部119は、抽出されたインシデントが発生した時点の配送物に対する1以上の責任者(以下、単に「責任者」ともいう)とそれぞれの責任比率を判定する。本例では、配送ルート上のポイントa~bの間の区間(配送者Aが配送する区間)で発生したインシデントのため、配送者Aと仲介者とを責任者として、それぞれの責任比率を8割対2割と判定したものとする。
【0068】
(5)帰責者トラッキング<2D>の抽出部118や判定部119は、インシデントや責任比率等を、属性・信頼度管理<1>にフィードバックする。具体的には、抽出部118や判定部119は、インシデントや責任比率に基づいて、インシデントの責任を負う配送者Aの信頼度を下げる(例えば、信頼度A→B)させるように更新する。
【0069】
<2-4.精算・決済>
図6を参照して、配送に関する情報を連携させて配送に関する料金を精算し、精算の結果に基づいて決済をする場面の配送仲介システム1の機能の一例を説明する。この「配送に関する料金」とは、例えば、配送物である商品の代金、配送料、送料、仲介手数料または保険金を含む。
【0070】
(1)図6に示すように、精算・決済<3A>の決済処理部120は、属性・信頼度管理<1>や配送最適化・トラッキング<2>から配送に関する料金を精算するために、関係者属性情報、配送者の信頼度、配送計画やインシデント等の情報を連携してもらう。
【0071】
(2)精算・決済<3A>の決済処理部120は、連携された情報に基づいて、送料や配送料、仲介手数料を精算する。例えば、決済処理部120は、上記インシデントが発生した場合には、その責任比率に基づいて配送者Aに支払われる配送料や仲介者に支払われる仲介手数料を減額し、依頼者または受領者が支払う送料をその分減額するよう精算してもよい。また、決済処理部120は、この精算にあたって、発生したインシデントに適用可能な保険が有るか保険処理部121に問い合わせてもよい。保険処理部121は、この問い合わせに対して適用可能な保険の有無、適用可能な保険が有る場合には支払われる保険金額を応答する。決済処理部120は、この支払われる保険金額を、配送料や仲介手数料の減額分に充当させてもよい。
【0072】
(3)精算・決済<3A>の決済処理部120は、配送物に関する料金の支払い決済のための処理を行う。具体的には、決済処理部120は、上記精算の結果に基づいて、配送物に関する料金の支払い決済のために、外部の決済インフラ500a(例えば、銀行のシステムやクレジットカードシステム等)にこの支払い決済の指示を行う。この外部の決済インフラ500aは、例えば、外部の決済インフラ500aは、関係者が使用可能な決済方法による決済のためのインフラシステムであり、例えば、銀行のシステムやクレジットカードシステム等である。(4)外部の決済インフラ500aは、この支払い決済を行った結果を決済処理部120に応答する。
【0073】
(5)精算・決済<3A>の保険処理部121は、適用可能な保険がある場合には、外部の保険システム500bに保険金請求を行う。(6)外部の保険システム500bは、この保険金請求により処理した結果を保険処理部121に応答する。
【0074】
上記構成によれば、配送仲介システム1が依頼者端末200に各配送者の信頼度を出力するため、依頼者は、出力された信頼度を確認して配送物の配送を依頼することができる。さらに上記構成によれば、配送仲介システム1は配送状況により配送者の信頼度を更新するため、ファクトベースで信頼度の最適化を図ることができる。例えば配送者の信頼性が必要となるような金券類や高価値の商品が配送物である場合、依頼者は、信頼度が標準より高い配送者に限定して配送依頼をすることができる。このため、上記構成によれば、配送仲介システム1は、個人や中小企業を含めた配送者に商品等の配送を依頼者が安心して依頼することができるよう支援できる。
【0075】
上記構成によれば、配送仲介システム1は、配送状況を取得してトラッキングしたりインシデントを抽出したりするため、これらをエビデンスとして、配送者による配送に瑕疵がないか等を第三者等により検証可能とすることができる。このため、上記構成によれば、配送仲介システム1は、配送における瑕疵の観点でも、依頼者が安心して商品等の配送を依頼することができるよう支援できる。
【0076】
上記構成によれば、配送仲介システム1は、配送料等の支払い決済を当事者間に代わって行うことができる。このため上記構成によれば、配送仲介システム1は、配送料等の支払い決済に関する当事者間のトラブルを抑止するという観点でも、依頼者が安心して商品等の配送を依頼することができるよう支援できる。
【0077】
<3.機能構成>
図7を参照して、本実施形態に係る配送仲介装置100の機能構成を説明する。図7に示すように、配送仲介装置100は、制御部110と、記憶部130と、通信部140と、を備える。
【0078】
制御部110は、受付部111と、出力部112と、取得部113と、更新部116と、を備える。また、制御部110は、例えば、特定部114、作成部115、検出部117、抽出部118、判定部119、決済処理部120、保険処理部121、または支援処理部122を備えてもよい。
【0079】
[受付部]
受付部111は、依頼者端末200、配送者端末300または受領者端末400から、各種依頼や指定等を受け付ける。受付部111は、依頼受付部1111と、指定受付部1112と、を備える。
【0080】
受付部111は、例えば、関係者端末から、その他の関係者に対する評価(以下、単に「評価」ともいう)を受け付けてもよい。なお本実施形態では、説明を簡単にするために、評価を1~5の5段階の数値評価とする例を説明するが、評価をこれに限る趣旨ではない。この評価の5段階は、1から5にかけて昇順で評価が設定され、1が最も評価が低く(悪く)、5が最も評価が高い(良い)ものとする。
【0081】
受付部111は、例えば、配送が完了した配送依頼において、依頼主である依頼者端末200から、この配送依頼の依頼先である配送者に対する評価を受け付けてもよい。また逆に、受付部111は、例えば、配送が完了した配送依頼において、この配送依頼の依頼先である配送者の配送者端末300から、この配送依頼の依頼主である依頼者に対する評価を受け付けてもよい。また、受付部111は、評価の受け付けにあたって、関係者端末等から、顕名や匿名で受け付けてもよい。
【0082】
受付部111は、例えば、関係者に対する評価を調整する調整部(不図示)を備えてもよい。調整部は、異なる関係者による評価を対比(いわゆるクロスチェック)して、対比の結果に基づいて評価を調整する。調整部は、例えば、所定期間における依頼者ごとの依頼者に対する評価の統計値と依頼者それぞれによる配送者に対する評価とを対比してもよい。調整部は、例えば、所定期間における配送者ごとの配送者に対する評価の統計値と配送者それぞれによる依頼者に対する評価とを対比してもよい。調整部は、例えば、この対比の結果に基づいて、評価を調整してもよい。
【0083】
[調整部]
調整部は、例えば、関係者に対する評価の統計値に基づいて、その他の関係者に対する評価を、その重み付けを変えて調整してもよい。例えば、統計値「1」は重み「0.8」、統計値「2」は重み「0.85」、統計値「3」は重み「0.9」、統計値「4」は重み「0.95」、統計値「5」は重み「1」としてもよい。
【0084】
調整部は、例えば、配送者に対する評価の統計値が「1」の配送者の場合、この配送者が行ったその他の関係者に対する評価には重み「0.8」を付けてもよい。他方、配送者に対する評価の統計値が「1」の配送者の場合、調整部は、この配送者が行ったその他の関係者に対する評価には重み「1」を付けてもよい。調整部は、このように関係者ごとに重み付けをして、所定期間における評価の加重平均を算出してもよい。調整部は、この算出した加重平均の値を、調整された評価としてもよい。
【0085】
上記構成によれば、調整部は、一方的に受け付けた評価ではなく異なる関係者間でのクロスチェックをかけた評価に調整することができる。このため上記構成によれば、調整部は、関係者の恣意的な、また悪意のある評価を是正した評価とすることができる。
【0086】
調整部は、例えば、後述する第三者確認の結果に基づいて、評価を調整してもよい。調整部は、例えば、第三者確認の結果を確認対象とする関係者に表示したにも関わらず属性情報の更新等のアクションをその関係者が何ら起こしていない場合、その関係者に対する評価を低くするよう調整してもよい。
【0087】
[依頼受付部]
依頼受付部1111は、配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末200から、配送元と配送先と配送物とを示す配送依頼を受け付ける。
【0088】
[指定受付部]
指定受付部1112は、依頼者端末200から、依頼者端末200に出力された複数の配送者のうち配送を依頼する配送者の指定を受け付ける。指定受付部1112が受け付けた指定に基づいて、特定部114は、使用する配送計画を特定する。
【0089】
指定受付部1112は、例えば、依頼者端末200から、1以上の配送計画の候補から使用する配送計画の指定を受け付ける。
【0090】
指定受付部1112は、例えば、依頼者端末200から、配送計画(例えば、決済条件等)の少なくとも一部の指定を受け付けてもよい。指定受付部1112が受け付けた指定の内容は、計画作成部1152により配送計画に反映される。
【0091】
[出力部]
出力部112は、関係者端末または外部システムに、配送に関する各種情報を出力する。出力部112は、例えば、配送に関する各種情報を仲介サイトや配送仲介アプリを介して関係者端末に表示させるための表示情報を生成し、関係者端末にこの表示情報を送信してもよい。出力部112は、依頼者出力部1121と、配送者出力部1122と、を備える。
【0092】
出力部112は、例えば、関係者からの出力要求に応じて、属性記憶部131に記憶されている属性情報や信頼度記憶部132に記憶されている信頼度を、要求元の関係者の関係者端末に出力してもよい。出力部112は、例えば、配送者の属性情報や信頼度の出力要求を依頼者から受付部111が受け付けた場合、属性記憶部131を参照して、この依頼者の依頼者端末200に仲介サイトを介して配送者の属性情報や信頼度を出力する。
【0093】
出力部112は、例えば、後述する第三者確認の結果に基づいて、属性情報の出力態様を変えてもよい。出力部112は、例えば、関係者自身の属性情報を関係者端末に表示させる場合、第三者確認の結果問題があった場合、その旨を属性情報と併せてワーニング表示させてもよい。このワーニング表示は、例えば、登録されている属性情報に問題があるため確認して更新することを促すものであってもよい。また、出力部112は、例えば、他の関係者の属性情報を関係者端末に表示させる場合、第三者確認の結果問題があった場合、その旨を属性情報と併せて表示させてもよい。
【0094】
出力部112は、例えば、関係者からの出力要求に応じて、配送状況や配送計画を記憶する配送記憶部134を参照して、要求元の関係者の関係者端末に配送状況や配送計画を出力してもよい。
【0095】
[依頼者出力部]
依頼者出力部1121は、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを記憶する信頼度記憶部132を参照して、依頼者端末200に、複数の配送者とそれぞれの信頼度とを出力する。
【0096】
上記構成によれば、依頼者出力部1121は、依頼者端末200に各配送者の信頼度を出力するため、依頼者は、出力された信頼度を確認して配送物の配送を依頼することができる。例えば配送者の信頼性が必要となるような金券類や高価値の商品が配送物である場合、依頼者は、信頼度が標準(例えば、信頼度C)より高い配送者に限定して配送依頼をすることができる。このため、上記構成によれば、配送仲介システム1は、個人や中小企業を含めた配送者に商品等の配送を依頼者が安心して依頼することができるよう支援できる。
【0097】
依頼者出力部1121は、例えば、依頼者端末200に、複数の配送者を配送者の候補に限定して出力してもよい。
【0098】
上記構成によれば、依頼者出力部1121は、複数の配送者を、配送依頼や信頼度に基づいて特定された配送者の候補に限定して出力することができる。このため、依頼者出力部1121は、依頼者のニーズに合致し、かつ安心して任せられる信頼度をもつ配送者に限定できるため、依頼者に効率よく配送者を照会させることができる。
【0099】
依頼者出力部1121は、例えば、依頼者端末200に、1以上の配送計画の候補を出力してもよい。
【0100】
[配送者出力部]
配送者出力部1122は、依頼者端末200から指定された配送者の配送者端末300に、依頼受付部1111が受け付けた配送依頼を出力する。
【0101】
配送者出力部1122は、例えば、依頼者端末200から指定された配送者の配送者端末300に、同じ依頼者端末200から指定された配送計画を出力してもよい。
【0102】
[取得部]
取得部113は、依頼者端末200、配送者端末300、受領者端末400または外部システム500から、配送に関する各種情報を取得する。取得部113は、属性取得部1131と、条件取得部1132と、状況取得部1133と、を備える。
【0103】
[属性取得部]
属性取得部1131は、依頼者端末200、配送者端末300、受領者端末400または外部システム500から、関係者属性情報を取得する。
【0104】
属性取得部1131は、例えば、関係者属性情報の少なくとも一部について、第三者が使用する第三者端末から、事実に即していない等の問題がないことを確認した旨(以下、「第三者確認」ともいう)を取得してもよい。また、属性取得部1131は、第三者確認のために、関係者属性情報の少なくとも一部を第三者端末に出力してもよい。この第三者とは、例えば、関係者が利用する金融機関、関係者が使用する携帯の携帯キャリア、関係者の勤務先、関係者の所属する教育機関(学校)等である。また、属性取得部1131は、第三者端末から、第三者確認の結果、虚偽が疑われる内容や疑義があった場合には、その旨も併せて取得してもよい。
【0105】
[条件取得部]
条件取得部1132は、複数の配送者それぞれの配送者端末300から、各配送者が対応可能な配送条件を取得する。また、条件取得部1132は、例えば、依頼者端末200から、配送依頼に関する決済条件を取得してもよい。
【0106】
[状況取得部]
状況取得部1133は、サイクリックまたはイベントドリブンで、配送者端末300、配送物に取り付けられた発信機、または配送物に取り付けられた可読媒体を読み取った端末の少なくともいずれかから、配送期間における複数の時点それぞれの配送状況を取得する。
【0107】
状況取得部1133は、例えば、取得した配送状況と配送計画とを照合してもよい。状況取得部1133は、例えば、配送計画に対して配送状況が合致しているか、または配送計画に対して配送状況が所定の許容範囲を逸脱していないか照合してもよい。状況取得部1133は、この照合の結果を、配送情報として、配送状況と関連付けて配送記憶部134に登録してもよい。また、状況取得部1133は、この照合の結果を、配送状況と併せて抽出部117等に連携してもよい。
【0108】
[特定部]
特定部114は、配送に関する各種情報の中から所定の条件を満たす情報を特定する。特定部114は、配送者特定部1141を備える。
【0109】
[配送者特定部]
配送者特定部1141は、信頼度記憶部132を参照して、配送依頼と信頼度とに基づいて、複数の配送者の中から1以上の配送者の候補を特定する。配送者特定部1141は、例えば、配送依頼の内容と配送者の配送条件とを照合する。そして配送者特定部1141は、照合の結果に基づいて配送依頼の内容に合致する度合いの高い配送条件の配送者から順に配送者の候補として特定する。
【0110】
配送者特定部1141は、例えば、配送依頼で指定される配送物種別が「取り扱いに注意が必要な物」の場合、信頼度が所定の値以上(例えば、信頼度B以上)の配送者を、配送者の候補に特定してもよい。
【0111】
[作成部]
作成部115は、配送に関する各種情報を作成(生成)する。作成部115は、ルート作成部1151と、計画作成部1152と、を備える。
【0112】
[ルート作成部]
ルート作成部1151は、配送者に推奨または指定する1以上の配送ルートを作成する。ルート作成部1151は、例えば、配送元の住所と配送先の住所と地図情報とに基づいて、配送者ごとに最適なルートを検索して、1以上の配送ルートを作成してもよい。ルート作成部1151は、他の例として、外部の経路探索システムに、配送ルートの候補の作成を指示して、その結果として受け付けた配送ルートの候補に基づいて、配送ルートを作成してもよい。
【0113】
[計画作成部]
計画作成部1152は、依頼受付部1111が受け付けた配送依頼に基づいて、配送計画または配送計画の候補を作成する。計画作成部1152は、例えば、配送者特定部1141により特定された配送者の候補を含むよう配送計画を作成してもよい。
【0114】
計画作成部1152は、信頼度記憶部132を参照して、配送依頼と信頼度とに基づいて、配送依頼に対応する1以上の配送計画の候補を作成する。
【0115】
計画作成部1152は、例えば、複数の配送者それぞれの配送条件にさらに基づいて、配送計画または配送計画の候補を作成してもよい。計画作成部1152は、例えば、複数の配送者それぞれの配送条件と配送依頼とを照合し、照合の結果に基づいて配送条件と配送依頼とを組み合わせる(マッチングさせる)。そして、計画作成部1152は、この組み合わせに基づいて配送計画または配送計画の候補を作成してもよい。計画作成部1152は、例えば、依頼者端末200から配送者の指定を受け付けた場合、指定された配送者の配送条件にそって、配送計画または配送計画の候補を作成してもよい。
【0116】
上記構成によれば、計画作成部1152は、配送依頼に対して最も適合する配送者の配送条件を組み合わせて配送計画等を作成することができる。上記構成によれば、計画作成部1152は、配送計画の最適化を図ることができる。
【0117】
[更新部]
更新部116は、配送状況に基づいて、信頼度記憶部132に記憶されている配送者を含む関係者の信頼度を更新する。更新部116は、例えば、外部システム500から、関係者の信頼度を示す情報(信頼度情報)を取得して、この情報に基づいて信頼度を更新してもよい。更新部116は、算出部が算出した信頼度により信頼度記憶部132に記憶されている信頼度を更新してもよい。
【0118】
上記構成によれば、更新部116は、配送状況により配送者の信頼度を更新するため、ファクトベースで信頼度の最適化を図ることができる。例えば配送者の信頼性が必要となるような金券類や高価値の商品が配送物である場合、依頼者は、信頼度が標準より高い配送者に限定して配送依頼をすることができる。このため、上記構成によれば、更新部116は、個人や中小企業を含めた配送者に商品等の配送を依頼者がより安心して依頼することができるよう支援できる。
【0119】
更新部116は、例えば、依頼者により指定された配送計画にさらに基づいて、配送者の信頼度を更新してもよい。
【0120】
上記構成によれば、更新部116は、依頼者によって選ばれた実績により配送者の信頼度を上げることができる。このため、上記構成によれば、更新部116は、配送者の信頼度の最新化を効率よく図ることができる。
【0121】
更新部116は、例えば、さらに、抽出部118により抽出されたインシデントに基づいて、インシデント記憶部135に記憶されているインシデント情報を更新してもよい。
【0122】
上記構成によれば、更新部116は、配送状況に基づいて抽出されたインシデントをインシデント記憶部135のインシデント情報を更新することができる。更新部116は、このようにインシデント情報の最新化を自動で配送状況が取得されたタイミングで行うことができる。このため、上記構成によれば、更新部116は、決済処理部120による配送物に係わる料金の精算に必要な情報の最新化を早期に行うことができる。
【0123】
[算出部]
更新部116は、関係者の信頼度を算出する算出部(不図示)を備えてもよい。算出部は、属性情報、関係者に対する評価、取引履歴等に基づいて、関係者ごとにその信頼度を算出する。算出部は、例えば、所定期間蓄積された関係者に対する評価の統計値(例えば、平均値、中央値、または最頻値など)により信頼度を算出してもよい。算出部は、例えば、関係者に対する評価1~5と信頼度E~Aを対応付けて記憶する信頼度記憶部132を参照して、所定期間における関係者に対する評価の中央値が「4」の場合、それに対応する信頼度「B」をその関係者の信頼度として算出してもよい。
【0124】
算出部は、例えば、関係者の信頼度や取引履歴に基づいて、各取引のリスクの度合いを示すリスクレベルを算出してもよい。算出部は、例えば、関係者ごとの取引履歴情報により構築する分類モデルにより、各取引をリスクレベル別に分類してもよい。ここで「取引履歴情報」とは、所定期間における各取引の取引履歴を示す情報である。この取引には、配送仲介システム1で仲介する配送も含む。またここで「取引履歴」とは、所定期間における関係者に関する各取引の内容(例えば、取引日時、取引対象の商品など、取引先の顧客の識別情報、取引金額(決済金額)、決済方法など)を示すものである。取引が配送である場合、この取引履歴に、配送状況を含んでもよい。
【0125】
算出部は、例えば、信頼度や取引履歴情報の特徴量を入力して分類モデルを構築してもよい。具体的には、まず算出部は、信頼度や取引履歴を説明変数とし、リスクレベル1~N(Nを特定の数値とし、N以内かつ所定の数値以上は許容範囲外としてリスクとする)の分類クラスを目的変数としてそれぞれの特徴量を抽出する。
【0126】
つぎに算出部は、これらの抽出された特徴量を組み合わせて学習データとする。算出部は、つぎに、当該学習データを用いて機械学習(例えば、SVM、ベイジアンフィルタ、決定木構築のためのID3などの学習技法)により学習させて分類クラスを定義する分類モデルを構築する。つぎに算出部は、この構築された分類モデルを記憶部130に記憶させる。
【0127】
つぎに算出部は、各取引を、信頼度や各取引の内容を示す取引履歴情報の特徴量に基づき、記憶部130に記憶された分類モデルを用いてリスクレベル1~Nの分類クラスに分類する。このようにして、算出部は、各取引のリスクレベルを算出してもよい。
【0128】
上記では教師あり学習の例を説明したが、算出部は、他の例として、教師なし学習として、取引情報を入力して主成分分析およびクラスタリングを利用して構築した分類モデルにより、各取引をリスクレベル別に分類する方法を用いることも考えられる。
【0129】
[検出部]
検出部117は、配送状況に基づいて、複数の時点それぞれにおける配送物に関する権利(例えば、配送物の所有権や占有権等)の移転を検出する。例えば、依頼者から配送者に商品を引き渡した時点で受領者である顧客に商品の所有権が移転することが契約や規約等で定められていた場合、検出部117は、依頼者から配送者Aに引き渡した時点で、この所有権の移転を検出してもよい。また、他の例として、例えば、配送者から受領者である顧客に商品を引き渡した時点で商品の所有権が移転することが契約や規約等で定められていた場合、検出部117は、配送者Bから顧客に引き渡した時点で、この所有権の移転を検出してもよい。
【0130】
[抽出部]
抽出部118は、配送状況に基づいて、複数の時点それぞれにおける配送物の配送に影響を与え得るインシデントを抽出する。抽出部118は、例えば、配送状況として配送物の破損や配送の遅延等のトラブルの報告を配送者端末300から取得した場合には、これらのトラブルをインシデントとして抽出する。
【0131】
抽出部118は、配送計画にさらに基づいて、複数の時点それぞれにおける配送物の配送に影響を与え得るインシデントを抽出してもよい。抽出部118は、例えば、配送ルート上の特定のポイントにおいてその到着予定日時より実際の到達日時が遅かった場合には、到着予定日時に対する遅延として、この遅延をインシデントとして抽出してもよい。
【0132】
[判定部]
判定部119は、配送計画および/または配送状況に基づいて、複数の時点それぞれにおける配送者を含む関係者の中から配送物に対する1以上の責任者とそれぞれの責任比率とを判定する。判定部119は、複数の時点それぞれにおいて配送物を占有する者と仲介者とを責任者として判定してもよい。また、判定部119は、これに加え、配送物を占有する者の他に、依頼者および/または受領者を責任者として追加するよう判定してもよい。
【0133】
判定部119は、例えば、抽出部118により抽出された配送物に関する権利の移転にさらに基づいて、1以上の責任者とそれぞれの責任比率とを判定してもよい。
【0134】
判定部119は、例えば、配送物の占有権の移転に基づいて占有者を配送者Aと判定した場合、責任者を配送者Aと配送者Aを仲介した仲介事業者と判定してもよい。判定部119は、例えば、配送物の占有権の移転に基づいて占有者を依頼者と判定した場合、責任者を依頼者と判定してもよい。
【0135】
判定部119は、例えば責任者を依頼者と配送者と受領者と判定し、さらに依頼者から配送者Aに引き渡した時点で配送物の所有権の移転が検出された場合、配送期間におけるこれらの責任比率を3割対5割対2割と判定する。これに対して、判定部119は、配送者Bから受領者に引き渡した時点で配送物の所有権の移転が検出された場合、配送期間におけるこれらの責任比率を2割対7割対2割と判定してもよい。すなわち、判定部119は、配送期間においてインシデントが発生した場合、後者においては配送物の所有権が依頼者にあるため、この発生したインシデントによって依頼者が負う責任の度合い(責任負担)を前者と比較して低くするよう責任比率を判定してもよい。
【0136】
上記構成によれば、判定部119は、配送物に関する権利関係をふまえて責任者や責任比率を判定することができる。このため、上記構成によれば、決済処理部120による責任者に与えるペナルティの判定に対して、判定部119は、契約や規約、法律により即した形でこの判定をさせることができる。
【0137】
[決済処理部]
決済処理部120は、配送計画と決済情報とに基づいて、配送者に対して配送物に関する料金の支払い決済のための処理を行う。決済処理部120は、例えば、配送計画に基づいて、送料や配送料、仲介手数料を含む配送物に関する料金を精算する。
【0138】
決済処理部120は、例えば、配送物の配送に影響を与えたインシデントを示すインシデント情報を記憶するインシデント記憶部135を参照して、インシデント情報と責任比率とに基づいてこの料金を調整してもよい。例えば、決済処理部120は、責任者が配送者や仲介事業者の時点においてインシデントが発生した場合には、責任者に対するペナルティとして、その責任比率に基づいて配送者に支払う配送料や仲介者に支払う仲介手数料を減額し、その分依頼者または受領者が支払う送料を減額するよう精算してもよい。
【0139】
決済処理部120は、例えば、上記の精算にあたって、発生したインシデントに適用可能な保険が有るか、また適用可能な保険が有る場合には支払われる保険金額を保険処理部121に問い合わせてもよい。保険処理部121は、問い合わせに対して適用可能な保険の有無、適用可能な保険が有る場合には支払われる保険金額(保険金額の見積りを含む。以下同じ。)を応答する。決済処理部120は、上記の精算において、この支払われる保険金額を、配送料や仲介手数料の減額分に充当させてもよい。
【0140】
上記構成によれば、決済処理部120は、配送物に対する責任に応じて、より適切な精算をすることができ、その上で配送に係わる料金の支払い決済を行うことができる。例えば配送中にインシデントが発生した場合、上記構成によれば、決済処理部120は、発生したインシデントの責任を負う責任者にペナルティを与えたうえで、配送に係わる料金の支払い決済を行うことができる。
【0141】
[保険処理部]
保険処理部121は、発生したインシデントに適用可能な保険があるか決済処理部120から問い合わせがあった場合、この問い合わせに対して適用可能な保険の有無、適用可能な保険がある場合には支払われる保険金額を応答する。
【0142】
保険処理部121は、上記の適用可能な保険がある場合には、外部の保険システム500bに保険金請求を行う。保険処理部121は、外部の保険システム500bから、この保険金請求により処理した結果を、受付部111を介して受け付ける。
【0143】
[支援処理部]
支援処理部122は、金融面や会計面で関係者を支援するための処理を行う。
【0144】
支援処理部122は、例えば、金融面での支援として、例えば、レンディングサービス(特に、関係者間で銀行等の金融機関を介さずネットワーク経由で直接融資するP2Pレンディング等)を提供するための処理を行ってもよい。また、支援処理部122は、例えば、金融面での支援として、配送者における売掛金(未払いの配送料)の回収を支援するために、ファクタリングサービスを提供するための処理を行ってもよい。
【0145】
支援処理部122は、例えば、会計面での支援として、関係者に対して配送に関する会計処理を行ってもよい。
【0146】
[記憶部]
記憶部130は、地図情報を含む配送に関する各種情報を記憶する。記憶部130は、例えば、これらの情報を相互に関連付けて記憶してもよい。記憶部130は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各種情報を記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して各種情報を記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、情報ごとにテーブルを設けて、このテーブル間を関連付けて各種情報を管理してもよい。記憶部130は、例えば、属性記憶部131、信頼度記憶部132、条件記憶部133、配送記憶部134、および/またはインシデント記憶部135を備える。
【0147】
属性記憶部131は、関係者または配送物の属性情報を記憶する。信頼度記憶部132は、関係者の信頼度として、信頼度情報を記憶する。条件記憶部133は、配送条件や決済条件として、条件情報を記憶する。配送記憶部134は、配送情報(配送状況および/または配送計画)を記憶する。インシデント記憶部135は、インシデント情報を記憶する。
【0148】
[通信部]
通信部140は、ネットワークNを介して、関係者端末と外部システム500とに、配送に関する各種情報を送受信する。
【0149】
<4.動作例>
図8を参照して、配送仲介装置100の動作例を説明する。なお、以下に示す処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0150】
図8(a)は、配送依頼を行うにあたって関係者の属性情報や信頼度を依頼者が照会するために、これらの情報が事前登録される際の処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0151】
図8(a)に示すように、取得部113は、関係者の属性情報と配送者の配送条件とを取得する(S10)。取得部113は、取得した属性情報と配送条件とをそれぞれ属性記憶部131と条件記憶部133とに登録する。
【0152】
更新部116は、属性情報に基づいて複数の配送者それぞれの信頼度を算出、または外部システム500から複数の配送者それぞれの信頼度を取得する。更新部116は、算出または取得したそれぞれの信頼度を信頼度記憶部132に登録する。
【0153】
図8(b)は、依頼者の配送依頼を受け付けてから配送計画を出力するまでの処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0154】
図8(b)に示すように、依頼受付部1111は、配送を依頼する依頼者が使用する依頼者端末200から、配送依頼を受け付ける(S20)。
【0155】
計画作成部1152は、受け付けられた配送依頼に基づいて、この配送依頼に対応する1以上の配送計画の候補であって複数の配送者の候補とそれぞれの信頼度とを含む配送計画の候補を作成する(S21)。依頼者出力部1121は、作成された1以上の配送計画の候補を出力する(S22)。
【0156】
依頼者端末200から、出力された1以上の配送計画の候補から配送を依頼する配送者を含む配送計画であって配送に使用する配送計画の指定を受け付ける(S23)。
【0157】
配送者出力部1122は、指定された配送者の配送者端末300に、指定された配送計画(配送依頼を含む)を出力する(S24)。
【0158】
<5.ハードウェア構成>
図9を参照して、上述してきた配送仲介装置100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0159】
図6に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0160】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、配送仲介装置100の制御部110が備える各機能部などは、メモリ803に一時記憶されたプログラムを、プロセッサ801が実行することにより実現可能である。
【0161】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0162】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、属性情報等の各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0163】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0164】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0165】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、ネットワークNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0166】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0167】
なお、上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、上記に述べる各要素を均などなものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0168】
また、上記実施形態で記載された決済装置が備える構成要素は、記憶装置805に格納されたプログラムがプロセッサ801によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0169】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0170】
[変形例1]
上記実施形態に係る配送仲介装置100が備える各構成の少なくとも一部は、関係者端末が備えていてもよい。関係者端末は、例えば、インストールされた配送仲介アプリを実行することでこれらの構成を実現させてもよい。
【0171】
[変形例2]
上記実施形態では、属性記憶部、信頼度記憶部、条件記憶部、配送記憶部、およびインシデント記憶部を配送仲介装置100の記憶部が備える例を示したが、本発明をこれに限る趣旨ではない。例えば、これらの記憶部の少なくとも一部は、外部システム500の外部装置、または依頼者端末200、配送者端末300もしくは受領者端末400が備えてもよい。また、これらの記憶部で記憶する情報の少なくとも一部を、例えば、分散型台帳技術(ブロックチェーン技術)を用いて複数の装置で分散管理してもよい。
【0172】
[変形例3]
上記実施形態では示していないが、ルート作成部1151は、例えば、依頼者の配送ルートの指定後または配送物の発送後において、配送状況やインシデント情報に基づいて、配送ルートを再作成してもよい。また、計画作成部1152は、依頼者の配送ルートの指定後または配送物の発送後において、配送状況やインシデント情報に基づいて、配送計画を再作成してもよい。依頼者出力部1121は、この再作成された配送ルートや配送計画を依頼者端末200に出力してもよい。
【0173】
[変形例4]
上記実施形態では示していないが、保険処理部121は、属性情報、取引履歴、配送状況および/またはインシデント情報等に基づいて、取引におけるリスクレベルを予測してもよい。保険処理部121は、例えば、取引が配送の場合、予測したリスクレベルを外部の保険システムに提供し、保険システムから適用可能な保険の保険金の見積りを取得してもよい。保険処理部121は、取得した保険金の見積りを配送計画または配送計画の候補に含めてもよい。この場合、出力されたこの配送計画に対する依頼者からの配送依頼は、この見積もりした保険を適用するか否かの指定を含んでもよい。
【符号の説明】
【0174】
1…配送仲介システム、100…配送仲介装置、110…制御部、111…受付部、112…出力部、1121…依頼者出力部、1122…配送者出力部、113…取得部、1131…属性取得部、1132…条件取得部、1133…状況取得部、114…特定部、1141…配送者特定部、115…作成部、1151…ルート作成部、1152…計画作成部、116…更新部、117…検出部、118…抽出部、119…判定部、120…決済処理部、121…保険処理部、122…支援処理部、130…記憶部、131…属性記憶部、132…信頼度記憶部、132…条件記憶部、133…条件記憶部、134…配送記憶部、135…インシデント記憶部、140…通信部、200…依頼者端末、300…配送者端末、400…受領者端末、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9