(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133670
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20220907BHJP
H04M 3/51 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G06F3/0481
H04M3/51
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032477
(22)【出願日】2021-03-02
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517330830
【氏名又は名称】アシュリオンジャパン・ホールディングス合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 文
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア エクトル
【テーマコード(参考)】
5E555
5K201
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA43
5E555AA61
5E555BA01
5E555BA04
5E555BB01
5E555BB04
5E555BC01
5E555BD02
5E555DA01
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC51
5E555DD01
5E555FA00
5K201AA05
5K201BA13
5K201BC06
5K201CA10
5K201EC06
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】ユーザが、より迅速に機器の操作方法を把握可能とする技術を提供すること。
【解決手段】対象機器に表示される画面の画面データを取得する画面取得部と、画面取得部で取得した画面データを用いて、対象機器に表示される画面を複製した画面と対象機器に対応する1以上の操作説明とを含む操作画面を、端末に表示させる表示制御部と、を有する情報処理装置を提供する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象機器に表示される画面の画面データを取得する画面取得部と、
前記画面取得部で取得した前記画面データを用いて、前記対象機器に表示される画面を複製した画面と前記対象機器に対応する1以上の操作説明とを含む操作画面を、端末に表示させる表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
属性が異なる複数の機器の中から画面を表示させる機器として選択された前記対象機器に表示される画面の画面データを要求する要求部を、更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザが利用している機器の属性を取得する属性取得部と、
前記複数の機器の中から、前記属性取得部で取得された属性と同一の属性を有する機器を前記対象機器として選択する選択部と、を更に有する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記1以上の操作説明のうち選択された操作説明を、前記対象機器に表示される画面を複製した画面に重畳させて表示させる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記選択された操作説明を表示する際の基準位置を決定するための第1オブジェクトと、基準位置に対する前記選択された操作説明を表示する位置を示す相対位置と、前記選択された操作説明として表示すべき第2オブジェクトとを取得し、
前記操作画面に含まれる前記対象機器に表示される画面を複製した画面の中から、前記第1オブジェクトが存在する位置を検索し、
前記第1オブジェクトが検索された場合、前記第1オブジェクトが存在する位置を前記基準位置とし、該基準位置から前記相対位置を移動させた位置に、前記第2オブジェクトを重畳させて表示させる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が行う情報処理方法であって、
対象機器に表示される画面の画面データを取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記画面データを用いて、前記対象機器に表示される画面を複製した画面と前記対象機器に対応する1以上の操作説明とを含む操作画面を、端末に表示させるステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
対象機器に表示される画面の画面データを取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記画面データを用いて、前記対象機器に表示される画面を複製した画面と前記対象機器に対応する1以上の操作説明とを含む操作画面を、端末に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コールセンタでは、多数のオペレータが、顧客から様々な問い合せを受けて対応している。例えば特許文献1には、コールセンタへ問い合わせをする利用者のオペレータ不足によるストレスを軽減すると共に、コールセンタ業務を効率化するコールセンタ業務システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コールセンタのオペレータは、顧客から受けた問合せの内容を理解し、問合せに対して的確に回答するために、顧客が使用している機器と同一の機器をオペレータ自身が実際に操作しながら、顧客からの問合せに対応することがある。従って、コールセンタのオペレータが、機器を操作しながら問合せに対応する場合に、より迅速に機器の操作方法を把握可能とする仕組みが望まれている。また、同様の問題は、顧客から問合せを受けるオペレータに限られず、機器の操作方法を知りたいユーザなど、機器を扱う可能性のあるユーザ全般に生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザが、より迅速に機器の操作方法を把握可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、対象機器に表示される画面の画面データを取得する画面取得部と、画面取得部で取得した画面データを用いて、対象機器に表示される画面を複製した画面と対象機器に対応する1以上の操作説明とを含む操作画面を、端末に表示させる表示制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが、より迅速に機器の操作方法を把握可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るコールセンタシステムのシステム構成例を示す図である。
【
図2】コールセンタ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】コールセンタ装置の機能ブロック構成例を示す図である。
【
図4】コールセンタシステムが行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】機器画面上におけるチュートリアルの表示例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。以下、本実施形態をコールセンタ業務に適用する場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るコールセンタシステム1のシステム構成例を示す図である。コールセンタシステム1は、コールセンタ装置10と、1以上のコールセンタ端末20-1~20-Nと、1以上の接続装置30-1~30-Nと、1以上の機器40-1-1~40-N-Nと、契約者管理装置50とを含む。コールセンタ端末20-1~20-Nを区別しない場合、コールセンタ端末20と記載する。接続装置30-1~30-Nを区別しない場合、接続装置30と記載する。機器40-1-1~40-N-Nを区別しない場合、機器40と記載する。
【0011】
コールセンタ装置10(情報処理装置又はコンピュータ)は、コールセンタ業務に必要な各種の機能を提供する装置であり、例えば、顧客(契約者)から掛かってきた電話をオペレータが利用するコールセンタ端末20に振り分ける処理、オペレータの空き具合を管理する処理、各オペレータが顧客と会話している時間を管理する処理、及び、コールセンタ業務に必要な画面をコールセンタ端末20に表示させる処理等を行う。コールセンタ装置10は、1又は複数のサーバから構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。
【0012】
コールセンタ端末20(端末)は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(PDA)等、ディスプレイを備えた端末であればあらゆる端末を用いることができる。コールセンタ端末20には、オペレータが顧客からの問合せを受ける際に利用する各種の画面が表示される。例えば、コールセンタ端末20に表示される画面には、顧客の情報(顧客名や電話番号等)を表示する欄や、顧客からの申告内容を入力する入力欄などが表示される。また、コールセンタ端末20の画面には、機器40が備えるディスプレイに表示される画面と同一内容の画面を表示することができる。また、オペレータは、当該画面を操作することで、機器40を遠隔操作することができる。
【0013】
接続装置30は、コールセンタ装置10及び機器40と接続され、コールセンタ装置10から機器40を遠隔操作可能とするための装置である。接続装置30は、例えば、パーソナルコンピュータなどの汎用装置であってもよいし、機器40と接続するためのインタフェースを備える専用装置であってもよい。なお、本実施形態では、コールセンタ装置10と接続装置30とをまとめて「情報処理装置」と称してもよい。また、本実施形態では、接続装置30を省略するようにしてもよい。例えば、コールセンタ装置10は、接続装置30を介さずに、機器40と直接接続することとしてもよい。
【0014】
機器40は、オペレータがコールセンタ端末20から遠隔操作する装置である。機器40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ノートPC、ゲーム機器、携帯情報端末等、ディスプレイを備えた機器であればどのような機器であってもよい。
【0015】
契約者管理装置50は、コールセンタに問い合わせを行う契約者に関する各種契約情報を管理する装置である。例えば、契約者管理装置50には、契約者が利用している機器40の属性を示す情報が管理されている。
【0016】
コールセンタ装置10は、機器40のディスプレイに実際に表示される画面を複製した画面(以下、「機器画面」と言う。)を取得してコールセンタ端末20に表示させる。また、コールセンタ装置10は、複数の機器40の中から選択された機器40の機器画面を取得してコールセンタ端末20に表示させるようにしてもよい。例えば、オペレータは、顧客から、顧客が利用中の機器40に関する問い合わせを受け付けた場合であって、実機を参照しながら問合せに回答する必要があると判断した場合、顧客が利用中の機器40と同一の属性を有する機器40を選択し、選択した機器40の機器画面を参照しながら操作することで、手元で実際に機器を操作しているような感覚で顧客と対話することができる。
【0017】
ここで、「属性」とは、例えば、機器名、機種名、型番、形式、製造年月日、OS(Operating System)の種類及び/又はOSバージョン等である。例えば、機器がスマートフォンやPCである場合、属性とは、機種名、OSの種類及びOSバージョンであってもよい。
【0018】
また、コールセンタ装置10は、コールセンタ端末20に表示される機器画面に、チュートリアル(操作説明)を重畳表示させることができる。オペレータは、顧客が利用中の機器に関する操作に詳しくない場合であっても、顧客から問合せを受けた操作に関する操作説明に従って、顧客に説明をすることができる。
【0019】
<ハードウェア構成>
図2は、コールセンタ装置10のハードウェア構成例を示す図である。コールセンタ装置10は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ、タッチパネル及び/又はスピーカ等である。
【0020】
<機能ブロック構成>
図3は、コールセンタ装置10の機能ブロック構成例を示す図である。コールセンタ装置10は、記憶部100と、要求部101と、画面取得部102と、表示制御部103と、属性取得部104と、選択部105と、通知部106とを含む。記憶部100は、コールセンタ装置10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、要求部101と、画面取得部102と、表示制御部103と、属性取得部104と、選択部105と、通知部106とは、コールセンタ装置10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0021】
記憶部100は、機器画面にチュートリアルを重畳表示させる際に用いられるチュートリアル情報100aを記憶する。
【0022】
要求部101は、接続装置30に接続された属性が異なる複数の機器40の中から、画面を表示させる機器として選択された機器40(以下、「対象機器40-X」と言う。)のディスプレイに表示される画面の画面データを要求する。要求部101は、対象機器40-Xが接続装置30に接続されている場合、接続装置30に対して対象機器40-Xの画面データを要求する。また、対象機器40-Xが直接コールセンタ装置10に接続されている場合、対象機器40-Xに対して直接画面データを要求する。
【0023】
画面取得部102は、対象機器40-Xに表示される画面の画面データを取得する。対象機器40-Xが接続装置30に接続されている場合、画面取得部102は、接続装置30を介して画面データを取得する。また、対象機器40-Xが直接コールセンタ装置10に接続されている場合、画面取得部102は、対象機器40-Xから直接画面データを取得する。
【0024】
表示制御部103は、画面取得部102で取得した画面データを用いて、対象機器40-Xの機器画面(対象機器40-Xに表示される画面を複製した画面)を含む操作画面(機器40を遠隔操作するための画面)を、オペレータが利用するコールセンタ端末20に表示させる。
【0025】
また、表示制御部103は、対象機器40-Xに対応する1以上のチュートリアル(操作説明)を、コールセンタ端末20の操作画面に表示させる。より詳細には、表示制御部103は、対象機器40-Xに対応する1以上のチュートリアルのうち選択されたチュートリアルを、操作画面に含まれる機器画面(対象機器40-Xの機器画面)に重畳させて表示させる。
【0026】
属性取得部104は、顧客が利用している機器の属性を示す情報を取得する。属性取得部104は、オペレータと対話する顧客が利用している機器の属性を示す情報を契約者管理装置50から取得するようにしてもよい。また、属性取得部104は、契約者管理装置50に代えて、オペレータが顧客から聞き出してコールセンタ端末20に入力した、顧客が利用している機器の属性を取得するようにしてもよい。つまり、属性取得部104は、顧客が利用している機器の属性を、契約者管理装置50から取得するようにしてもよいし、オペレータがコールセンタ端末20に入力した情報から取得するようにしてもよい。
【0027】
選択部105は、属性が異なる複数の機器40の中から、属性取得部104で取得された属性と同一の属性を有する機器を、対象機器40-Xとして選択する。
【0028】
通知部106は、コールセンタ端末20の機器画面上で行われた画面操作に関する情報を、接続装置30又は対象機器40-Xに通知する。
【0029】
<処理手順の具体例>
図4は、コールセンタシステム1が行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図5は、操作画面の一例を示す図である。以下、
図4及び
図5を参照しながら、コールセンタシステム1が行う処理手順の具体例を説明する。
【0030】
(機器画面の表示)
ステップS101で、コールセンタ端末20は、コールセンタ装置10に対し、コールセンタ業務に関するWeb画面を要求する。
【0031】
ステップS102で、コールセンタ装置10の表示制御部103は、コールセンタ端末20に表示させるWeb画面の画面データを送信する。コールセンタ端末20のWebブラウザには、コールセンタ業務に関する各種画面が表示される。ここで、オペレータは、顧客との対話の中で、実際に機器40を操作する必要があると判断したとする。
【0032】
ステップS110で、コールセンタ端末20は、複数の機器40のリストの中から、機器画面の表示を要求する対象機器40-Xの選択をオペレータから受け付ける。例えば、オペレータは、顧客が利用している機器40の属性が、機種名AのスマートフォンかつOSバージョンがバージョンXであった場合、コールセンタ端末20の表示されている複数の機器40のリストの中から、機種名がAであり、かつ、OSバージョンがXであるスマートフォンを1つ選択する。
【0033】
ステップS111で、コールセンタ端末20は、オペレータが選択した対象機器40-Xを示す情報をコールセンタ装置10に通知する。
【0034】
ステップS112及びステップS113で、コールセンタ装置10の要求部101は、接続装置30に対し、オペレータが選択した対象機器40-Xのディスプレイに表示される画面の画面データを要求する。また、接続装置30は、対象機器40-Xに対し、ディスプレイに表示される画面の画面データを要求する。また、対象機器40-Xは、自身のディスプレイに表示する画面の画面データを接続装置30に送信する。
【0035】
ステップS114で、接続装置30は、対象機器40-Xから取得した画面データをコールセンタ装置10に送信する。なお、ステップS113及びステップS114における画面データは、動画データであってもよい。
【0036】
ステップS115で、コールセンタ装置10の表示制御部103は、接続装置30から取得した、対象機器40-Xの画面データをコールセンタ端末20に送信する。コールセンタ端末20の操作画面には、対象機器40-Xの機器画面が表示される。
【0037】
図5は、操作画面の一例を示す図である。操作画面W100には、対象機器40-Xの機器画面W120と、チュートリアル選択画面W130とが含まれる。機器画面W120には、対象機器40-Xのディスプレイに表示される画面がそのまま反映される。また、機器画面W120上で行われた画面操作は、対象機器40-Xのディスプレイ上で操作されたものとして扱われる。これにより、オペレータは、機器画面W120を参照及び操作することで、実際に対象機器40-Xを操作しているような感覚で顧客と対話することができる。
【0038】
以上説明したステップS110及びステップS111の処理手順は、以下の通りとしてもよい。まず、ステップS110で、コールセンタ端末20は、オペレータから、顧客の識別子(氏名、電話番号や契約番号等)の入力を受け付ける。ステップS111で、コールセンタ端末20は、入力された顧客の識別子を、コールセンタ装置10に通知する。続いて、コールセンタ装置10の属性取得部104は、通知された顧客の識別子を契約者管理装置50に送信し、契約者管理装置50から、当該顧客が利用している機器40の属性を取得する。続いて、コールセンタ装置10の選択部105は、接続装置30に接続された属性が異なる複数の機器の中から、契約者管理装置50から取得した属性と同一の属性を有する機器を、対象機器40-Xとして選択する。
【0039】
(チュートリアルの表示)
続いて、オペレータは、顧客からの問合せを受けた操作手順を把握しておらず、チュートリアルを参照したと仮定する。
【0040】
ステップS120で、コールセンタ端末20は、
図5に示すチュートリアル選択画面W130の中から、オペレータが参照を希望するチュートリアルの選択を受け付ける。
【0041】
ステップS121で、コールセンタ端末20は、オペレータから受け付けたチュートリアルをコールセンタ装置10に通知する。
【0042】
ステップS122で、コールセンタ装置10の表示制御部103は、チュートリアル情報100aにアクセスし、オペレータにより選択されたチュートリアルを機器画面に重畳表示させる際に必要なデータを取得する。より具体的には、表示制御部103は、チュートリアル情報100aから、オペレータが選択した操作説明を表示する際の基準位置を決定するためのオブジェクト(第1オブジェクト)と、基準位置に対するオペレータが選択した操作説明を表示する位置を示す相対位置と、オペレータが選択した操作説明として表示すべき表示オブジェクト(第2オブジェクト)とを取得する。
【0043】
ここで、チュートリアル情報100aの構成について具体的に説明する。
図6は、チュートリアル情報100aの一例を示す図である。チュートリアル情報100aは、機器40の属性ごとに(又は複数の属性に対してまとめて)データが格納されていてもよい。機器40の属性が異なると、操作手順も異なると考えらえるためである。
【0044】
「チュートリアル」には、チュートリアルの名称が格納される。「属性」には、チュートリアルを適用可能な機器40の属性が格納される。属性には、複数の属性が格納されていてもよい。例えば、属性Aと属性Bの機器40で操作手順が同一である場合、「属性」のカラムには属性Aと属性Bを設定可能である。「手順番号」には、処理手順を示す番号が格納される。「基準オブジェクト」には、オペレータが選択したチュートリアルを表示する際の基準位置を決定するためのオブジェクト(第1オブジェクト)が格納される。オブジェクトは、特定のテキスト(文字)でもよいし、特定の図形(アイコン等)であってもよい。「表示オブジェクト」には、チュートリアルとして機器画面に表示すべきオブジェクト(第2オブジェクト)が格納される。表示オブジェクトは、テキスト(文字)でもよいし、図形でもよい。「表示位置(相対位置)」には、基準位置を基準として、表示オブジェクトを表示する位置(つまり、基準位置からの相対位置)を示す情報が格納される。
図4に戻り説明を続ける。
【0045】
ステップS123で、コールセンタ装置10の表示制御部103は、機器画面上においてチュートリアルを描画する位置を決定する。より具体的には、表示制御部103は、機器画面の中から基準オブジェクトが存在する位置を検索する。機器画面の中から基準オブジェクトが検索された場合、表示制御部103は、基準オブジェクトが存在する位置を基準位置とし、該基準位置から相対位置を移動させた位置を、表示オブジェクトを描画する位置として決定する。
【0046】
ステップS124及びステップS125で、コールセンタ装置10の表示制御部103は、ステップS123の処理手順で決定した位置に、表示オブジェクトを表示させる。
【0047】
ステップS126で、コールセンタ端末20は、オペレータから、機器画面W120の操作を受け付ける。
【0048】
ステップS127で、コールセンタ端末20は、ステップS126でオペレータから受け付けた操作内容を示す情報をコールセンタ装置10に通知する。
【0049】
ステップS128及びステップS129で、コールセンタ装置10の通知部106は、操作内容を示す情報を、接続装置30を介して対象機器40-Xに通知する。対象機器40-Xは、通知された操作内容に従って画面操作が行われたものとみなして各種の処理を行う。
【0050】
ステップS130及びステップS131で、対象機器40-Xは、対象機器40-Xに表示される画面を示す画面データを、接続装置30を介してコールセンタ装置10に送信する。
【0051】
ステップS132で、コールセンタ装置10の表示制御部103は、受信した画面データに基づいて、コールセンタ端末20に表示される機器画面W120を更新する。
【0052】
チュートリアルに複数の手順が含まれる場合(チュートリアル情報100aに複数の手順が格納されている場合)、コールセンタ装置10の表示制御部103は、ステップS123からステップS132までの処理手順を、複数の手順の数だけ繰り返し行う。例えば
図6の例によれば、Bluetoothの設定は、Step1~3までの3つの手順で構成されている。従って、表示制御部103は、オペレータが、Bluetooth設定を選択した場合、ステップS123からステップS132までの処理手順を3回繰り返すことになる。
【0053】
図7は、機器画面上におけるチュートリアルの表示例を説明する図である。以下の説明において、チュートリアル情報100aには、
図6に示す情報が格納されていると仮定する。表示制御部103は、チュートリアル情報100aの「手順番号」がStep1であるレコードの「基準オブジェクト」に格納されている“設定”の文字が存在する位置を、機器画面W200の中から検索する。
【0054】
例えば、表示制御部103は、例えば、機器画面W200の画像において文字列が表示されている領域を全て抽出する。続いて、抽出した各領域に対してOCR(Optical character recognition)処理を行うことで文字列の内容を認識する。続いて、機器画面W200の中で“設定”の文字列が存在する位置(例えば、左上を0とする絶対座標等で表現)を、基準位置として特定する。なお、文字列が存在する位置は、例えば、文字列の右上端であってもよいし、中心であってもよいし、左下端であってもよい。以下の説明では、文字列が描画される領域の中心が基準位置である前提とする。
【0055】
続いて、表示制御部103は、チュートリアル情報100aにおいて「手順番号」がStep1であるレコードの「表示位置(相対位置)」に格納されている相対位置(R:-5、U:5)を取得する。なお、当該相対位置は、右方向に-5ピクセル(左方向に5ピクセル)、上方向に5ピクセル移動させた位置を意味している。続いて、表示制御部103は、検索された文字列の位置(基準位置)から、取得した相対位置ずらした位置(つまり、基準位置から左方向に5ピクセル、上方向に5ピクセルずらした位置)に、当該Step1であるレコードの「表示オブジェクト」に格納されている文字列を表示させる。
図7の機器画面W201には、“設定”の文字列R10を基準位置として、左方向に5ピクセル、上方向に5ピクセルずらした位置に、「ここをクリック」との文字列T10が噴出しの形で表示されている。
【0056】
続いて、オペレータが、機器画面W201上で、設定アイコンC10を選択すると、機器画面W202に遷移する。表示制御部103は、機器画面が遷移したことを検出すると、「手順番号」がStep2であるレコードの「基準オブジェクト」に格納されている“Bluetooth”の文字列が存在する位置を、機器画面W202の中から検索する。続いて、表示制御部103は、チュートリアル情報100aにおいて「手順番号」がStep2であるレコードの「表示位置(相対位置)」に格納されている相対位置(R:0、U:0)を取得する。続いて、表示制御部103は、検索された文字列の位置(基準位置)から、取得した相対位置ずらした位置(つまり、基準位置と同じ位置)に、当該Step2であるレコードの「表示オブジェクト」に格納されている文字列“ここをクリック”を表示させる。
図7の機器画面W202には、“Bluetooth”の文字列R11を基準位置として、左方向に0ピクセル、上方向に0ピクセルずらした位置に、「ここをクリック」との文字列T11が噴出しの形で表示されている。
【0057】
続いて、オペレータが、機器画面W202上で、Bluetoothの文字列R11を選択すると、機器画面W203に遷移する。表示制御部103は、機器画面が遷移したことを検出すると、「手順番号」がStep3であるレコードの「基準オブジェクト」に格納されている“Bluetooth”の文字列が存在する位置を、機器画面W203の中から検索する。続いて、表示制御部103は、チュートリアル情報100aにおいて「手順番号」がStep3であるレコードの「表示位置(相対位置)」に格納されている相対位置(R:100、U:0)を取得する。続いて、表示制御部103は、検索された文字列の位置(基準位置)から、取得した相対位置ずらした位置(基準位置から右方向に100ピクセル、上方向に0ピクセルずらした位置)に、当該Step3であるレコードの「表示オブジェクト」に格納されている文字列“ここをスライド”を表示させる。
図7の機器画面W203には、“Bluetooth”の文字列R12を基準位置として、右方向に100ピクセル、上方向に0ピクセルずらした位置に、「ここをスライド」との文字列が噴出しの形で表示されている。
【0058】
<変形例>
以上説明した実施形態において、顧客は、ユーザの一例であってもよい。また、オペレータ及び顧客は、それぞれ、第1ユーザ及び第2ユーザの一例であってもよい。
【0059】
以上説明した実施形態は、コールセンタシステム1に限定されず、他のシステムにも適用することが可能である。例えば、顧客(ユーザ)が、新たな機器40を購入する前に、操作感などを体験するサービスを提供するシステムに適用することも可能である。当該システムは、以上説明したコールセンタ装置10及びコールセンタ端末20を、それぞれ、当該サービスを提供する情報処理装置及び顧客が所有するユーザ端末(PC等)に置き換えることで実現することが可能である。
【0060】
また、本実施形態は、一般のユーザが、利用している機器40の操作方法を知りたい場合に、操作方法のレクチャを受けられるサービスを提供するシステムに適用することも可能である。当該システムは、以上説明したコールセンタ装置10及びコールセンタ端末20を、それぞれ、当該サービスを提供する情報処理装置及びユーザが所有するユーザ端末(PC等)に置き換えることで実現することが可能である。
【0061】
また、本実施形態は、一般のユーザ(例えば子供と親など)同士で、機器40の操作説明を行うことを可能とするサービスを提供するシステムに適用することも可能である。当該システムは、以上説明したコールセンタ装置10及びコールセンタ端末20を、それぞれ、当該サービスを提供する情報処理装置及びユーザが所有するユーザ端末(PC等)に置き換えることで実現することが可能である。
【0062】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、機器40のディスプレイに実際に表示される画面と同一の画面である機器画面とチュートリアルとを含む操作画面を、コールセンタ端末20に表示させるようにした。機器40によっては、仕様等の異なる様々な属性の機器が存在する。例えば、携帯電話の場合、機種及びOSバージョンの違いによって、画面に表示される内容や画面上の操作方法等が異なる。また、オペレータは、様々な属性の機器を扱うことも多い。本実施形態によれば、オペレータは、チュートリアルを参照しながら、機器40を実際に操作した場合の画面の変化等を確認することができるため、より迅速に機器40の操作方法を把握することが可能になる。また、機器画面には、操作内容を具体的に説明するチュートリアルを重畳表示させるようにした。これにより、オペレータは、操作内容を視認することができることから、機器40をより的確に操作することが可能になる。また、オペレータは、顧客からの問合せに対して迅速に回答することが可能になる。
【0063】
また、近年のOSでは、アイコン位置を任意に変更するなど、ユーザが画面のカスタマイズを行うことが可能であることから、特定のオブジェクトが、必ずしも固定された位置に存在するとは限られない。そこで、本実施形態では、チュートリアルの表示位置を、特定のオブジェクトが機器画面上に表示されている位置を基準位置として決定するようにした。これにより、機器画面において特定のオブジェクトの位置が変更されている場合や、OSのバージョンの違いにより基準オブジェクトの位置が変化する場合であっても、機器画面上の適切な位置にチュートリアルを重畳表示させることが可能になる。
【0064】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…コールセンタシステム、10…コールセンタ装置、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…コールセンタ端末、30…接続装置、40…機器、50…契約者管理装置、100…記憶部、100a…チュートリアル情報、101…要求部、102…画面取得部、103…表示制御部、104…属性取得部、105…選択部、106…通知部