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  • 特開-室外機用冷却装置 図1
  • 特開-室外機用冷却装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133672
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】室外機用冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/42 20110101AFI20220907BHJP
【FI】
F24F1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032482
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】515018024
【氏名又は名称】株式会社ポラリス
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】堀 義昭
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA02
3L054BB03
(57)【要約】
【課題】室外機を汚損させることなく冷房装置(冷暖房装置を含む。)の運転効率を向上させること。
【解決手段】本発明では、室外機(2)に吸引される外気を冷却するための室外機用冷却装置(1)において、室外機(2)の外気吸引部(4)に連通する筐体(5)の内部を上下流側に対向させて配置したフィルター(6,7)で区画して噴霧室(空間8)を形成し、噴霧室(空間8)の内部に水を噴霧するためのノズル(10)を設けることにした。また、本発明では、前記ノズル(10)を上流側へ向けて配置することにした。さらに、本発明では、前記ノズル(10)を室外機(2)の排気ファン(3)の回転中心軸上に配置することにした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機に吸引される外気を冷却するための室外機用冷却装置において、
室外機の外気吸引部に連通する筐体の内部を上下流側に対向させて配置したフィルターで区画して噴霧室を形成し、噴霧室の内部に水を噴霧するためのノズルを設けたことを特徴とする室外機用冷却装置。
【請求項2】
前記ノズルを上流側へ向けて配置したことを特徴とする請求項1に記載の室外機用冷却装置。
【請求項3】
前記ノズルを室外機の排気ファンの回転中心軸上に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の室外機用冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外機に吸引される外気を冷却するための室外機用冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷房装置(冷暖房装置を含む。)は、室外機に熱交換器を収容し、室外機に設けられた排気ファンによって室外機内の空気を排出するとともに室外機外の空気(外気)を吸引し、吸引した外気で熱交換器を冷却する。
【0003】
そのため、室外機で吸引される外気の温度を低くすることによって、冷房装置の運転効率を向上させることができる。
【0004】
そこで、従来においては、室外機の外気吸引部に水道水や雨水などの水を噴霧して、室外機で吸引される外気の温度を低くする室外機用冷却装置が利用されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-128044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来の室外機用冷却装置においては、水道水や雨水などの水を噴霧した外気を室外機の排気ファンで直接吸引しているために、水に含まれる不純物が室外機の筐体や排気ファンや熱交換器などに付着して汚損してしまい、室外機の故障の原因となるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、室外機に吸引される外気を冷却するための室外機用冷却装置において、室外機の外気吸引部に連通する筐体の内部を上下流側に対向させて配置したフィルターで区画して噴霧室を形成し、噴霧室の内部に水を噴霧するためのノズルを設けることにした。
【0008】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記ノズルを上流側へ向けて配置することにした。
【0009】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記ノズルを室外機の排気ファンの回転中心軸上に配置することにした。
【発明の効果】
【0010】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0011】
すなわち、本発明では、室外機に吸引される外気を冷却するための室外機用冷却装置において、室外機の外気吸引部に連通する筐体の内部を上下流側に対向させて配置したフィルターで区画して噴霧室を形成し、噴霧室の内部に水を噴霧するためのノズルを設けることにしているために、上下流側のフィルターによって外気や水に含まれる不純物を除去することができるので、室外機を汚損させることなく運転効率を向上させることができる。
【0012】
特に、前記ノズルを上流側へ向けて配置することにした場合には、水を外気に拡散させることができ、外気の温度を良好に下げることができるので、より一層運転効率を向上させることができる。
【0013】
また、前記ノズルを室外機の排気ファンの回転中心軸上に配置することにした場合には、排気ファンによる吸引損失を低減させることなく運転効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る室外機用冷却装置を示す斜視説明図。
図2】同断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る室外機用冷却装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、室外機用冷却装置1は、冷房装置(冷暖房装置を含む。)の室外機2に連設され、室外機2の排気ファン3によって室外機2の内部に吸引される外気を冷却するものである。
【0017】
室外機用冷却装置1は、室外機2が排気ファン3によって外気を内部に吸引する部分(外気吸引部4)に矩形枠状の筐体5を連通させて、外気が筐体5の内部を通過して室外機2に吸引されるようにしている。そのため、ここでは、筐体5と室外機2とが連設する側を下流側とし、筐体5を挟んで室外機2とは逆側を上流側として説明する。
【0018】
この室外機用冷却装置1では、筐体5の最も上流側に矩形薄板形状のフィルター6を取付けるとともに、筐体5の下流側に矩形薄板形状のフィルター7を取付けている。なお、フィルター6,7は、外気や水に含有される不純物を除去できればよく、不織布等を利用することができる。
【0019】
これにより、室外機用冷却装置1は、筐体5の内部が上下流側に対向させて配置したフィルター6,7によって区画され、上下流側のフィルター6,7で挟まれた空間8と、下流側のフィルター7と室外機2で挟まれた空間9とが形成されている。
【0020】
空間8には、室外機2の排気ファン3の回転中心軸上にノズル10を噴霧方向を上流側に向けて配置している。なお、ノズル10から空間8の内部に水を噴霧できればよく、ノズル10の位置や向きは適宜設定することができる。
【0021】
ノズル10は、水を貯留するためのタンク11にポンプ12を介して接続されている。なお、タンク11は、上方を開口して雨水を貯留することができるようになっているとともに、水道13から水道水を供給することができるようになっており、水道水や雨水をポンプ12によってノズル10から噴霧できるようにしている。
【0022】
これにより、空間8は、外気にノズル10から水を噴霧するための噴霧室として機能している。
【0023】
室外機用冷却装置1では、室外機2の排気ファン3によって吸引される外気が上流側のフィルター6を通過して噴霧室(空間8)に吸引される。その際に、外気に含有される不純物がフィルター6によって除去される。
【0024】
噴霧室(空間8)では、ノズル10から上流側に向けて水が噴霧され、外気の温度を下げている。その際に、水の噴霧方向と外気の吸引方向とを対向させているために、外気内に水を良好に拡散させることができ、外気の温度を均等に下げることができる。上流側のフィルター6に水が付着するようにノズル10から水を噴霧することで、上流側のフィルター6で水に含有される不純物を除去することができるとともに、フィルター6に拡散して付着した水滴によってより多くの気化熱が生じて外気を良好に冷却させることができる。なお、上流側のフィルター6に付着しなかった水滴は外気の吸引に伴って下流側のフィルター7に付着して不純物が除去される。
【0025】
水の噴霧によって温度が下げられた外気は、下流側のフィルター7を通過して空間9に吸引され、その後、室外機2の内部へと吸引される。そのため、フィルター7を通過する際の流動抵抗に比べて空間9の内部での流動抵抗が低くなり、空間9が緩衝室として機能するようにしている。
【0026】
なお、上記室外機用冷却装置1では、噴霧室(空間8)と緩衝室(空間9)とを形成しているが、噴霧室(空間8)だけを形成してもよい。
【0027】
以上に説明したように、上記室外機用冷却装置1は、室外機2の外気吸引部4に連通する筐体5の内部を上下流側に対向させて配置したフィルター6,7で区画して噴霧室(空間8)を形成し、噴霧室(空間8)の内部に水を噴霧するためのノズル10を設けた構成となっている。
【0028】
そのため、上記構成の室外機用冷却装置1では、上流側のフィルター6によって外気や水に含まれる不純物を除去するとともに下流側のフィルター7によって水に含まれる不純物を除去することができるので、室外機2を汚損させることなく冷房装置(冷暖房装置を含む。)の運転効率を向上させることができる。
【0029】
また、上記室外機用冷却装置1は、ノズル10を上流側へ向けて配置した構成となっている。
【0030】
そのため、上記構成の室外機用冷却装置1では、水を外気に拡散させることができ、外気の温度を良好に下げることができるので、より一層運転効率を向上させることができる。
【0031】
また、上記室外機用冷却装置1は、ノズル10を室外機2の排気ファン3の回転中心軸上に配置した構成となっている。
【0032】
そのため、上記構成の室外機用冷却装置1では、排気ファン3による吸引損失を低減させることなく運転効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 室外機用冷却装置 2 室外機
3 排気ファン 4 外気吸引部
5 筐体 6,7 フィルター
8,9 空間 10 ノズル
11 タンク 12 ポンプ
13 水道
図1
図2