(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133725
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】収納ボックスおよび建築物
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20220907BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20220907BHJP
A47G 29/12 20060101ALI20220907BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
A47B55/00
E04H1/02
A47G29/12 D
A47B81/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032583
(22)【出願日】2021-03-02
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】江南 桃
(72)【発明者】
【氏名】越宗 篤史
【テーマコード(参考)】
2E025
3B067
3K100
【Fターム(参考)】
2E025AA01
2E025AA03
2E025AA12
2E025AA26
3B067AA05
3B067BA02
3K100CA02
3K100CA43
3K100CA45
3K100CC02
3K100CC05
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】収納部の周辺の外観を良くできる収納ボックスおよび建築物を提供する。
【解決手段】収納ボックス1は、正面に開口部を有する収納部2と、収納部2の側壁に設けられる扉支持部3と、扉支持部3に支持され、収納部2に隣接する空間の前に配置される第1扉4と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に開口部を有する収納部と、
前記収納部の側壁に設けられる扉支持部と、
前記扉支持部に支持され、前記収納部に隣接する空間の前に配置される扉と、を備える
収納ボックス。
【請求項2】
前記扉としての第1扉と、前記収納部の前記開口部を閉じる第2扉とを備える
請求項1に記載の収納ボックス。
【請求項3】
前記第2扉の高さは、前記第1扉の高さと等しい
請求項2に記載の収納ボックス。
【請求項4】
請求項2または3に記載の収納ボックスを備える建築物。
【請求項5】
前記建築物は、少なくとも1つの住戸と、前記住戸の室外において前記住戸の玄関扉の近くに設けられる凹部または入隅と、を備え、
前記収納ボックスは、前記凹部または前記入隅に配置され、
前記収納ボックスの第1扉は、前記第2扉よりも前記玄関扉の近くに配置され、
前記収納ボックスの前記収納部、前記凹部、および、前記第1扉によって、収納スペースが区画され、または、前記収納ボックスの前記収納部、前記入隅、および、前記第1扉によって、収納スペースが区画される
請求項4に記載の建築物。
【請求項6】
前記第1扉は、施錠装置を備えず、
前記第2扉は、施錠装置を備える
請求項5に記載の建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ボックスおよび建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、宅配物を収納するロッカーユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、宅配物が家に届き、中身を取り出すと、梱包材が廃棄物として残る。梱包材は嵩張るため、梱包材の置き場所に困ることがある。例えば、段ボールなどの梱包材は、廃棄処理されるまで、畳まれて、室内または室外の空きスペースに仮置きされる。しかし、このように仮置きすると、嵩張り、梱包材が目について、外観がよくない。また、梱包材に付着するカビまたは埃が飛び、カビまたは埃が周囲に拡散し、衛生上の問題が生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する収納ボックスは、正面に開口部を有する収納部と、前記収納部の側壁に設けられる扉支持部と、前記扉支持部に支持され、前記収納部に隣接する空間の前に配置される扉と、を備える。
【0006】
この構成によれば、収納部に隣接する空間を収納スペースとして利用できる。例えば、この空間に、梱包材を置くことができる。この空間は、扉で隠されるため、収納部周辺の外観を改善できる。また、この空間は、扉によって封鎖されているため、この空間に置かれた物にカビまたは埃が付いた場合であっても、カビまたは埃の拡散を抑制できる。
【0007】
(2)上記(1)の収納ボックスにおいて、前記扉としての第1扉と、前記収納部の前記開口部を閉じる第2扉とを備える。この構成によれば、収納ボックスを、全体として一体感のある設備または家具のように見せることができる。
【0008】
(3)上記(2)の収納ボックスにおいて、前記第2扉の高さは、前記第1扉の高さと等しい。この構成によれば、第2扉の高さが第1扉の高さよりも低い場合に比べて、大型の物を収納できる。
【0009】
(4)上記課題を解決する建築物は、上記(2)または(3)の収納ボックスを備える。この構成によれば、収納部に隣接する空間を収納スペースとして利用できる。この空間は、扉で隠されるため、収納部周辺の外観を改善できる。また、この空間の前が扉によって封鎖されているため、この空間に置かれた物にカビまたは埃が付いた場合であっても、カビまたは埃の拡散を抑制できる。
【0010】
(5)上記(4)の建築物において、前記建築物は、少なくとも1つの住戸と、前記住戸の室外において前記住戸の玄関扉の近くに設けられる凹部または入隅と、を備え、前記収納ボックスは、前記凹部または前記入隅に配置され、前記収納ボックスの第1扉は、前記第2扉よりも前記玄関扉の近くに配置され、前記収納ボックスの前記収納部、前記凹部、および、前記第1扉によって、収納スペースが区画され、または、前記収納ボックスの前記収納部、前記入隅、および、前記第1扉によって、収納スペースが区画される。この構成によれば、第2扉と玄関扉とが干渉することを抑制できる。これによって、収納部への物の出し入れを行い易くできる。
【0011】
(6)上記(5)の建築物において、前記第1扉は、施錠装置を備えず、前記第2扉は、施錠装置を備える。この構成によれば、収納部内に物を安全に保管できる。また、収納部に隣接する空間に置かれる物を簡単に取り出せる。
【発明の効果】
【0012】
上記収納ボックスおよび建築物は、収納部の周辺の外観を良くできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】第2例の建築物について、収納ボックス付近の図。
【
図5】第2例の建築物について、
図4のV-V線に沿う図。
【
図6】第2例の建築物について、収納ボックスの使用例を示す図。
【
図8】第3例の建築物について、収納ボックス付近の図。
【
図9】第4例の建築物について、収納ボックス付近の図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~
図9を参照して、収納ボックス1および建築物50について説明する。
図1に示されるように、収納ボックス1は、収納部2と、扉支持部3と、第1扉4とを備える。本実施形態では、収納ボックス1は、さらに、第2扉5を備える。
【0015】
収納部2は、物を収納できるように構成される。収納部2は、正面に開口部10を有する。第2扉5は、開口部10を閉じるように収納部2に設けられる。収納部2は、第1側壁11と、第1側壁11に平行な第2側壁12と、天壁13と、底壁14と、後壁15とを備える。
【0016】
扉支持部3は、第1側壁11または第2側壁12の前端に取り付けられる。本実施形態では、扉支持部3は、第1側壁11に設けられる。一例では、扉支持部3は、第1枠部材21と、第1枠部材21の上方に所定距離を隔てて配置される第2枠部材22と、第3枠部材23と、を備える。
【0017】
第1枠部材21の第1端部21aは、第1側壁11に接続される。第2枠部材22の第1端部22aは、第1側壁11に接続される。第3枠部材23は、第1側壁11から隔てた位置に第1側壁11に平行に配置される。第3枠部材23の下端は、第1枠部材21において第1側壁11から遠い位置の第2端部21bに接続される。第3枠部材23の上端は、第2枠部材22において第1側壁11から遠い位置の第2端部22bに接続される。
【0018】
第1扉4は、扉支持部3に支持される。第1扉4は、第1扉4の前面と第2扉5の前面とが面一の面を構成するように、扉支持部3によって支持される。第1扉4は、ヒンジ25を介して第1枠部材21に取り付けられる。第1扉4は、ヒンジ25を介して収納部2の第1側壁11に取り付けられてもよい。
【0019】
第1扉4は、収納部2に隣接する空間(以下、「隣接空間SA」)の前に配置される。具体的には、第1扉4は、収納部2の第1側壁11に隣接する空間の前に設けられる。第1扉4は、収納部2の第2側壁12に隣接する空間の前に設けられてもよい。
【0020】
第2扉5は、収納部2の開口部10を閉じる。第2扉5の高さは、第1扉4の高さと等しくてもよい。第2扉5は、片開き構造を有する。第2扉5は、2個の扉を有し、両開き構造に構成されてもよい。
【0021】
第1扉4および第2扉5のうち少なくとも一方は、施錠装置30を備えてもよい。
第1例では、第1扉4は、施錠装置30を備えない。第2扉5は、施錠装置30を備えない。このような収納ボックス1は、室内に置かれる。第2例では、第1扉4は、施錠装置30を備えない。第2扉5は、施錠装置30を備える。第3例では、第1扉4および第2扉5は、共通の施錠装置30を備える。施錠装置30は、第1扉4および第2扉5を同時に施錠および開錠する。第4例では、第1扉4および第2扉5それぞれは、個別に施錠装置30を備える。第2例~第4例の場合、収納ボックス1は、室外に置かれる。
【0022】
施錠装置30は、施錠本体部31と、施錠本体部31を動作させる操作部32とを備える。施錠装置30は、電気で動作してもよい。例えば、施錠装置30は、扉が閉じられると扉を施錠する。操作部32は、番号を入力できるキーボードを有する。操作部32は、予め設定された暗号番号を受け付けることによって扉を開錠する。施錠装置30は、通信部33を備えてもよい。通信部33は、ネットワークに直接または間接的に接続される。ネットワークの例として、インターネット、ローカルネット、および、電話回線網が挙げられる。通信部33は、端末装置と通信する。端末装置の例は、スマートホン、携帯電話、スマートインターホン、パーソナルコンピュータである。通信部33は、端末装置の指令に基づいて、開錠または施錠する。さらに、施錠装置30は、鍵穴34を有してもよい。施錠装置30は、鍵の操作によって開錠する。
【0023】
図2~
図7を参照して、建築物50について説明する。
建築物50は、少なくとも1つの住戸52を備える。建築物50の一例は、集合住宅51である。建築物50の他の例は、戸建ての家である。本実施形態では、建築物50の例として、集合住宅51を挙げている。
【0024】
建築物50は、収納ボックス1を備える。収納ボックス1の収納部2および扉支持部3は、建築物本体に固定される。一例では、収納ボックス1は、集合住宅51の共用廊下70に置かれる。収納部2の下部は、固定部材を介して建築物本体の床に固定される。扉支持部3の下部は、ボルトによって建築物本体の床に固定される。
【0025】
一例では、収納ボックス1は、集合住宅51の全ての住戸52に割り当てられる。収納ボックス1は、集合住宅51の住戸52のうちで所定の住戸52にのみ割り当てられる場合もある。収納ボックス1は、玄関扉55の周辺に設けられる。例えば、収納ボックス1は、室外において玄関扉55の近くに設けられる。収納ボックス1は、室内において、玄関53の土間に設けられてもよい。
【0026】
集合住宅51は、住戸52の玄関53前の共用スペースに、凹部60または入隅66を備える。凹部60および入隅66は、住戸52の住人が利用できるスペースである。凹部60および入隅66は、物を置くスペースとして住人に提供される。
【0027】
凹部60は、共用廊下70に沿う壁面73から凹むように構成される(
図2参照)。凹部60は、第1側面62と、第1側面62に対向する第2側面63と、第1側面62と第2側面63とを繋ぐ後面64と、底面65と、天面(図示略)と、を備える。一例では、凹部60の高さは、100cm以上である。凹部60の横幅は、80cm以上である。凹部60の奥行は、80cm以上である。
【0028】
入隅66は、2つの共用廊下70が交差する部分において、角部が切り欠かれるように設けられる(
図7参照)。入隅66は、第3側面67と、第3側面67に交差する第4側面68と、底面69と、天面(図示略)と、を備える。一例では、入隅66の高さは、100cm以上である。入隅66において第3側面67の横幅は、80cm以上である。入隅66において第4側面68の横幅は、80cm以上である。
【0029】
凹部60および入隅66は、住戸52の室外に設けられる。具体的には、凹部60および入隅66は、住戸52の玄関扉55の近くに設けられる。収納ボックス1は、凹部60または入隅66に配置される。以下に、玄関53の近くに収納ボックス1を備える建築物50について、いくつかの例を説明する。
【0030】
図2を参照して、第1例の建築物50を説明する。
建築物50は、共用廊下70と、複数の住戸52とを備える。複数の住戸52は、共用廊下70に沿うように配置される。複数の住戸52の玄関53は、共用廊下70に面するように設けられる。凹部60は、住戸52の隣に設けられる。凹部60は、凹部60の開口部61が玄関扉55の開口部54と同じ方向に向くように構成される。この例では、凹部60の第1側面62は、玄関扉55の近くに設けられる。凹部60の第2側面63は、第1側面62よりも、玄関扉55から遠い位置に設けられる。
【0031】
収納ボックス1は、凹部60に配置される。収納部2は、凹部60の第2側面63に寄せられる。収納部2と凹部60の第1側面62との間に収納スペースSBが構成される。収納スペースSBは、収納部2に隣接する隣接空間SAを含む。収納スペースSBは、収納部2、凹部60、および、第1扉4によって、区画される。第1扉4は、収納スペースSBの前に配置される。第1扉4は、第2扉5よりも玄関扉55の近くに配置される。
【0032】
図3~
図6を参照して、第2例の建築物50を説明する。
図3に示されるように、この例では、建築物50は、第1共用廊下71と、第1共用廊下71から分岐する第2共用廊下72を有する。第2共用廊下72の先端に、玄関53が設けられる。第2共用廊下72は、アルコープとも呼ばれる。
【0033】
凹部60は、第2共用廊下72に面するように設けられる。凹部60は、凹部60の開口部61が玄関扉55の開口部54と異なる方向に向くように構成される。この例では、凹部60の開口部61の開口の向きは、玄関扉55の開口部54の開口の向きと直交する。凹部60の第1側面62は、玄関扉55の近くに設けられる。凹部60の第2側面63は、第1側面62よりも、玄関扉55から遠い位置に設けられる。
【0034】
図4に示されるように、収納ボックス1は、凹部60に配置される。収納部2は、凹部60の第2側面63に寄せられる。収納部2と凹部60の第1側面62との間に収納スペースSBが構成される。収納スペースSBは、収納部2に隣接する隣接空間SAを含む。収納スペースSBは、収納部2、凹部60、および、第1扉4によって、区画される。第1扉4および第2扉5は、第2共用廊下72に面するように配置される。第1扉4は、収納スペースSBの前に配置される。第1扉4は、第2扉5よりも玄関扉55の近くに配置される。
【0035】
図5に示されるように、第1扉4は、第2扉5よりも玄関扉55の近くに配置される。第1扉4を支持するヒンジ25は、扉支持部3において玄関扉55に近い部分に設けられる。本実施形態には、ヒンジ25は、第3枠部材23に設けられる。仮に、ヒンジ25が、扉支持部3において玄関扉55か遠い部分に設けられる場合、第1扉4を開くと、収納スペースSBの前の空間は、第1扉4と玄関扉55とに挟まれるようになる。この場合、収納スペースSBから物を取り出しにくい。
【0036】
図6に示されるように、ヒンジ25が第3枠部材23に設けられる場合、第1扉4を開くと、第1扉4が玄関扉55に近づき、収納スペースSBの前が大きく開かれるため、収納スペースSBから物を取り出し易くなる。
【0037】
図7および
図8を参照して、第3例の建築物50を説明する。
図7に示されるように、この例では、建築物50は、第1共用廊下71と、第1共用廊下71から分岐する第2共用廊下72を有する。第2共用廊下72の先端に、玄関53が設けられる。
【0038】
入隅66は、第1共用廊下71と第2共用廊下72とが交差する部分における角部を切り欠くように設けられる。入隅66の第3側面67は、玄関53の近くに設けられる。入隅66の第4側面68は、第3側面67に交差するように構成される。入隅66の第4側面68は、玄関53から離れるように第3側面67から延びる。
【0039】
図8に示されるように、収納ボックス1は、入隅66に配置される。収納部2は、収納部2と凹部60の第3側面67との間に収納スペースSBが構成されるように、入隅66に配置される。収納部2は、収納部2の第2側壁12の側面12aが第1共用廊下71の壁面74と面一となるように、配置される。収納スペースSBは、収納部2に隣接する隣接空間SAを含む。第1扉4および第2扉5は、第2共用廊下72に面するように配置される。第1扉4は、収納スペースSBの前に配置される。収納スペースSBは、収納部2、入隅66、および、第1扉4によって、区画される。第1扉4は、第2扉5よりも玄関扉55の近くに配置される。第1扉4を支持するヒンジ25は、扉支持部3において玄関扉55に近い部分に設けられる。
【0040】
図9を参照して、第4例の建築物50を説明する。
図9に示される建築物50では、住戸52の領域内に凹部60が設けられる。凹部60の開口部61の開口の向きは、玄関扉55の開口部54の開口の向きと直交する。収納ボックス1は、凹部60に配置される。収納ボックス1の第1扉4は、第2扉5よりも玄関扉55の近くに配置される。第1扉4と第2扉5とは、両開きに構成される。玄関扉55は、収納ボックス1に向かって開くように、玄関扉55の開口部54に取り付けられる。
【0041】
建築物50の各例において、収納ボックス1は、様々に利用される。一例では、収納部2には、アウトドア用品、災害用のグッズなどが収納される。他の例では、収納部2は、宅配ボックスとして利用される。収納スペースSBには、梱包材78が収納される。梱包材78として、段ボール、紙製の箱、および、発泡スチロール製の緩衝部材が挙げられる。収納スペースSBは、宅配ボックスとして利用されてもよい。また、収納スペースSBは、アウトドア用品、災害用のグッズを置くスペースとして利用されてもよい。
【0042】
本実施形態の作用を説明する。
室内または室外において空きスペースが生じることがある。例えば、集合住宅51において各住戸に割り当てられる凹部60の大きさは予め設定されている。しかし、このような凹部60に丁度おさまる収納ロッカーが市販されていない場合がある。このような場合、凹部60に市販の収納ロッカーを配置すると、空きスペースが生じる。このような空きスペースに梱包材78が仮置きされる。梱包材78が整理して置かれたとしても、梱包材78が置かれた場所の外観はよくない。
【0043】
収納ボックス1は、収納部2に隣接する隣接空間SAを有効に利用する。隣接空間SAに物が置かれたときに、外から見えないように、隣接空間SAの前に第1扉4が配置される。隣接空間SAは、収納部2と、第1扉4と、収納ボックス1の近くの壁によって、囲まれる。これによって、収納部2に隣接する収納スペースSBが構成される。収納スペースSBは、少なくとも部分的に第1扉4によって他の空間から仕切られる。収納スペースSBに置かれる梱包材78は第1扉4によって隠される。このため、梱包材78が置かれた場所の外観は向上する。収納スペースSBは、少なくとも部分的に、第1扉4によって、他の空間から仕切られるため、収納スペースSBに置かれる物にカビが付着したり、埃が溜まったりする場合でも、カビまたは埃の拡散が抑制される。
【0044】
本実施形態の効果を説明する。
(1)収納ボックス1は、収納部2と、扉支持部3と、第1扉4とを備える。第1扉4は、扉支持部3に支持される。第1扉4は、収納部2に隣接する隣接空間SAの前に配置される。
【0045】
この構成によれば、収納部2に隣接する隣接空間SAを収納スペースSBとして利用できる。例えば、隣接空間SAに、梱包材78を置くことができる。この場合、梱包材78を収納部2に立て掛けることができるため、梱包材78をコンパクトに整頓し易い。隣接空間SAは、第1扉4で隠されるため、収納部2周辺の外観を改善できる。また、隣接空間SAは、第1扉4によって封鎖されているため、隣接空間SAに置かれた物にカビまたは埃が付いた場合であっても、カビまたは埃の拡散を抑制できる。
【0046】
隣接空間SAを利用する場合、その空間に収納棚を配置することも考えられる。しかし、この場合、収納棚の側板、背板、底板、および天板によって、隣接空間SAの容積が小さくなり、この空間を有効に活用できない。この点で、収納ボックス1は、隣接空間SAに配置されるような側板、背板、底板、および天板を有しないため、隣接空間SAを有効に活用できる。
【0047】
(2)収納ボックス1において、第1扉4と、第2扉5とを備える。第2扉5は、収納部2の開口部10を閉じる。この構成によれば、収納ボックス1を、全体として一体感のある設備または家具のように見せることができる。
【0048】
(3)第2扉5の高さは、第1扉4の高さと等しくてよい。
この構成によれば、第2扉5の高さが第1扉4の高さよりも低い場合に比べて、大型の物を収納できる。
【0049】
(4)建築物50は、収納ボックス1を備える。この構成によれば、収納部2に隣接する隣接空間SAを収納スペースSBとして利用できる。隣接空間SAは、第1扉4で隠されるため、収納部2周辺の外観を改善できる。また、隣接空間SAの前が第1扉4によって封鎖されているため、隣接空間SAに置かれた物にカビまたは埃が付いた場合であっても、カビまたは埃の拡散を抑制できる。
【0050】
(5)建築物50は、少なくとも1つの住戸52と、凹部60とを備える。凹部60は、住戸52の室外において住戸52の玄関扉55の近くに設けられる。収納ボックス1は、凹部60に配置される。収納ボックス1の第1扉4は、第2扉5よりも玄関扉55の近くに配置される。収納ボックス1の収納部2、凹部60、および、第1扉4によって、収納スペースSBが区画される。この構成によれば、第2扉5と玄関扉55とが干渉することを抑制できる。これによって、収納部2への物の出し入れを行い易くできる。
【0051】
(6)建築物50は、少なくとも1つの住戸52と、入隅66とを備える。入隅66は、住戸52の室外において住戸52の玄関扉55の近くに設けられる。収納ボックス1は、入隅66に配置される。収納ボックス1の第1扉4は、第2扉5よりも玄関扉55の近くに配置される。収納ボックス1の収納部2、入隅66、および、第1扉4によって、収納スペースSBが区画される。この構成によれば、第2扉5と玄関扉55とが干渉することを抑制できる。これによって、収納部2への物の出し入れを行い易くできる。
【0052】
(7)第1扉4は、施錠装置30を備えない。第2扉5は、施錠装置30を備える。この構成によれば、収納部2内に物を安全に保管できる。また、収納部2に隣接する隣接空間SAに置かれる物を簡単に取り出せる。
【0053】
<変形例>
上記実施形態は、収納ボックス1が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。収納ボックス1は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0054】
図10に示されるように、集合住宅51において、収納ボックス1は、エントランス80に置かれてもよい。例えば、複数の収納ボックス1は、壁81に沿うように配列される。収納スペースSBは、エントランス80の壁81と第1扉4と収納部2とによって区画される。
【0055】
図11に示されるように、収納ボックス1は、住戸52内に置かれてもよい。例えば、収納ボックス1は、玄関53の土間に置かれる。収納ボックス1は、玄関53の壁に沿うように配置される。収納スペースSBは、玄関53の壁56と第1扉4と収納部2とによって区画される。一例では、収納部2は、靴入れとして利用される。収納スペースSBは、梱包材78の置き場所として利用される。
【0056】
図12に示されるように、収納ボックス1は、追加の扉83をさらに備えてもよい。追加の扉83は、収納部2において、第1扉4が設けられる位置と反対側の位置に設けられる。具体的には、収納ボックス1は、収納部2と、扉支持部3と、追加の扉支持部84と、第1扉4と、第2扉5と、追加の扉83とを備える。扉支持部3は、収納部2の第1側壁11に設けられる。追加の扉支持部84は、収納部2の第2側壁12に設けられる。この構成によれば、収納部2の両側に収納スペースSBを設けることが出来る。
【0057】
図13に示されるように、収納ボックス1において、第1扉4は、収納部2の上に設けられてもよい。この例では、収納部2は、3個の開口部10を有する。3個の開口部10それぞれには、第2扉5が設けられる。この構成によれば、収納部2の上に収納スペースSBを設けることができる。
【0058】
図14に示されるように、収納ボックス1において、収納部2の開口部10を構成する枠部87と、扉支持部3とは、一体に構成されてもよい。具体的には、収納ボックス1は、収納ボックス1の正面に配置される枠体86を備える。枠体86の枠内には、枠内の領域を2つの開口部に仕切る仕切部材88が設けられる。2つの開口部の一方は、収納部2の開口部10に構成される。2つの開口部の他方は、第1扉4が取り付けられる開口部として構成される。
【0059】
図15に示されるように、収納ボックス1において、扉支持部3は、収納部2から分離可能に構成されてもよい。一例では、扉支持部3は、収納部2にブラケット89を介して固定される。ブラケット89は、収納部2および扉支持部3から取り外すことができる。この構成によれば、収納部2の隣に空きスペースが出来ないスペースに、収納部2を置くことができる。
【0060】
上記実施形態および変形例において、収納部2には、第2扉5が設けられている。これに対して、収納部2において、第2扉5を省略してもよい。収納部2の開口部10は、開放される。収納部2には、傘置きなどが置かれる。収納部2には、棚板が設けられてもよい。
【0061】
上記実施形態および変形例において、第1扉4を支持する扉支持部3は、枠状に構成されているが、扉支持部3は、これに限定されてない。扉支持部3は、第3枠部材23が省略された構造であってもよい。この場合、第1扉4は、第1枠部材21と、第2枠部材22とによって支持される。
【符号の説明】
【0062】
SB…収納スペース
1…収納ボックス
2…収納部
3…扉支持部
4…第1扉
5…第2扉
10…開口部
30…施錠装置
50…建築物
52…住戸
54…開口部
55…玄関扉
60…凹部
61…開口部
66…入隅