(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133741
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】オンライン会議システム及びオンライン会議制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20220907BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20220907BHJP
G06Q 10/10 20120101ALI20220907BHJP
【FI】
H04N7/15
H04M3/56 C
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032605
(22)【出願日】2021-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】二見 恭平
(72)【発明者】
【氏名】森田 大作
【テーマコード(参考)】
5C164
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164VA10P
5C164VA21P
5K201BB09
5K201CB10
5K201CB13
5K201CC01
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED07
5K201EF01
5K201EF06
5K201FB01
5L049AA11
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】オンライン会議に手軽に参加可能なようにする。
【解決手段】座席ごとに対応して設置される情報処理装置と、映像と音声の少なくもいずれか一方のソース情報を伝送可能な伝送路により前記情報処理装置と接続され、前記伝送路を介して入力したソース情報を再生する再生装置と、前記情報処理装置と通信可能に接続されるサーバ装置とを備え、前記情報処理装置は、前記サーバ装置から受信したソース情報を、前記再生装置と接続された伝送路に出力させるソース情報伝送制御部を備え、
前記サーバ装置は、オンライン会議の参加者が使用するものとして指定された座席を会議登録情報に登録する登録管理部と、受信されたソース情報を、前記オンライン会議に対応して登録された座席に対応付けられた情報処理装置に送信させる送信制御部とを備えてオンライン会議システムを構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席ごとに対応して設置される情報処理装置と、
映像と音声の少なくもいずれか一方のソース情報を伝送可能な伝送路により前記情報処理装置と接続され、前記伝送路を介して入力したソース情報を再生する再生装置と、
前記情報処理装置と通信可能に接続されるサーバ装置とを備え、
前記情報処理装置は、
前記サーバ装置から受信したソース情報を、前記再生装置と接続された伝送路に出力させるソース情報伝送制御部を備え、
前記サーバ装置は、
オンライン会議の参加者が使用するものとして指定された座席を会議登録情報に登録する登録管理部と、
受信されたソース情報を、前記オンライン会議に対応して登録された座席に対応付けられた情報処理装置に送信させる送信制御部とを備える
オンライン会議システム。
【請求項2】
前記登録管理部は、
前記会議登録情報において、オンライン会議の参加者を登録し、登録された参加者に座席を対応付けて登録可能とされる
請求項1に記載のオンライン会議システム。
【請求項3】
前記ソース情報伝送制御部は、
映像と音声の少なくもいずれか一方のソース情報を伝送可能な伝送路により接続された端末から入力されたソース情報を、前記サーバ装置に送信させる
を備える請求項1または2に記載のオンライン会議システム。
【請求項4】
座席ごとに対応して設置される情報処理装置と、映像と音声の少なくもいずれか一方のソース情報を伝送可能な伝送路により前記情報処理装置と接続され、前記伝送路を介して入力したソース情報を再生する再生装置と、前記情報処理装置と通信可能に接続されるサーバ装置とを備えるオンライン会議システムにおけるオンライン会議制御方法であって、
前記情報処理装置において、
前記サーバ装置から受信したソース情報を、前記再生装置と接続された伝送路に出力させるステップを備え、
前記サーバ装置において、
オンライン会議の参加者が使用するものとして指定された座席を会議登録情報に登録するステップと、
受信されたソース情報を、前記オンライン会議に対応して登録された座席に対応付けられた情報処理装置に送信させるステップとを備える
オンライン会議制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン会議システム及びオンライン会議制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置をネットワークに接続し、端末装置間で画像を共有して表示可能なオンライン会議システムの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、オンライン会議を行うにあたり、会議参加者のそれぞれが、ネットワーク接続に対応する端末装置を使用する必要があり、手軽さに欠けるとの側面がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、手軽にオンライン会議に参加可能なようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、座席ごとに対応して設置される情報処理装置と、映像と音声の少なくもいずれか一方のソース情報を伝送可能な伝送路により前記情報処理装置と接続され、前記伝送路を介して入力したソース情報を再生する再生装置と、前記情報処理装置と通信可能に接続されるサーバ装置とを備え、前記情報処理装置は、前記サーバ装置から受信したソース情報を、前記再生装置と接続された伝送路に出力させるソース情報伝送制御部を備え、前記サーバ装置は、オンライン会議の参加者が使用するものとして指定された座席を会議登録情報に登録する登録管理部と、受信されたソース情報を、前記オンライン会議に対応して登録された座席に対応付けられた情報処理装置に送信させる送信制御部とを備えるオンライン会議システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、座席ごとに対応して設置される情報処理装置と、映像と音声の少なくもいずれか一方のソース情報を伝送可能な伝送路により前記情報処理装置と接続され、前記伝送路を介して入力したソース情報を再生する再生装置と、前記情報処理装置と通信可能に接続されるサーバ装置とを備えるオンライン会議システムにおけるオンライン会議制御方法であって、前記情報処理装置において、前記サーバ装置から受信したソース情報を、前記再生装置と接続された伝送路に出力させるステップを備え、前記サーバ装置において、オンライン会議の参加者が使用するものとして指定された座席を会議登録情報に登録するステップと、受信されたソース情報を、前記オンライン会議に対応して登録された座席に対応付けられた情報処理装置に送信させるステップとを備えるオンライン会議制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手軽にオンライン会議に参加可能となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るオンライン会議システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るボードコンピュータな構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る会議管理サーバの構成例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る座席・ボードコンピュータテーブルの一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る会議登録情報の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る会議管理サーバがオンライン会議の開催に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る会議管理サーバがオンライン会議でのビデオコンテンツの配信に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係るオンライン会議の形態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
[オンライン会議システムの構成例]
図1は、第1実施形態におけるオンライン会議システムの全体的な構成例を示す図である。
本実施形態のオンライン会議システムは、フリーアドレスによるオフィス環境にて用いられる場合を例に挙げる。フリーアドレスとは、従業員に対して個々に定まった座席を割り当てずに、例えば従業員が空いている任意の座席を使用して業務を行うようにされたオフィスの形態である。本実施形態のオンライン会議システムは、このようなフリーアドレスが採用されたオフィスにて従業員(社員)がオンライン会議を行うためのものである。
【0011】
同図においては、オフィスにて配置される座席のうち6つの座席St-1~St-6が示されている。同図では、座席St-1~St-6のうち、4つの座席St-1~St-4が寄せ合わされた状態で配置され、座席St-5、St-6は、それぞれ座席St-1~St-4に対して離れた位置に配置された例が示されている。なお、本実施形態においては、特に複数の座席Stが寄せ合わされている必要はないが、ここでは、座席St-1~St-4が寄せ合わされた例を示している。
以降の説明にあたり、座席St-1~St-6について特に区別しない場合には、座席Stと記載する。
【0012】
座席Stには、それぞれ、各1つのボードコンピュータ100(情報処理装置の一例)と表示装置200(再生装置の一例)とが設置される。これらのボードコンピュータ100と表示装置200とによる組は、それぞれ、座席Stごとに対応して固定的に設置されるものであってよい。
ボードコンピュータ100と表示装置200とは映像伝送路TMLにより接続される。映像伝送路TMLは、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)の規格に対応するものであってよい。また、映像伝送路TMLは、例えばケーブルを用いた有線によるものであってもよいし、無線によるものであってもよい。
表示装置200は、映像伝送路TMLを経由して入力された映像(ソース情報の一例)を表示する。
【0013】
会議管理サーバ300(サーバ装置の一例)は、例えばオフィスに対応して備えられ、オンライン会議を実現するための制御を実行する。
会議管理サーバ300は、ボードコンピュータ100のそれぞれと、オフィス内ネットワークINWを経由して通信可能に接続される。
同図の会議管理サーバ300は、オフィスにおいてオンライン会議に対応して設けられるエッジサーバとされた例を挙げている。なお、会議管理サーバ300は、例えばクラウド上に設けられるサーバとされてもよい。
【0014】
上記のように、1のボードコンピュータ100は、会議管理サーバ300とオフィス内ネットワークINW経由で接続されるとともに、同じ座席Stに設置された表示装置200と接続される。
ボードコンピュータ100は、会議管理サーバ300から受信した映像を映像伝送路TML経由で表示装置200に出力することで、会議管理サーバ300から送信された映像を表示装置200にて表示させることができる。
また、ボードコンピュータ100は、複数の映像伝送路TMLに対応するポートを備える。これにより、同図の座席St-1において示されるように、パーソナルコンピュータPC1などの映像出力が可能な装置とボードコンピュータ100とが映像伝送路TMLで接続された場合には、パーソナルコンピュータPC1から出力された映像が映像伝送路TMLで入力される。
ボードコンピュータ100は、入力された映像を、表示装置200と接続された映像伝送路TML経由で表示装置200に出力することで、表示装置200にて表示させることができる。また、ボードコンピュータ100は、入力された映像を、オフィス内ネットワークINW経由で会議管理サーバ300に送信することができる。会議管理サーバ300は、1のボードコンピュータ100から受信した映像を、オフィス内ネットワークINW経由で他のボードコンピュータ100に送信(転送)することができる。
【0015】
また、ボードコンピュータ100は、データインターフェース経由でのデータの入出力に対応する。ボードコンピュータ100が対応するデータインターフェースは、例えばUSB(Universal Serial Bus)等であってよい。あるいは、ボードコンピュータ100が対応するデータインターフェースは、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によるものであってもよい。
同図では、座席St-6のボードコンピュータ100がデータインターフェース対応のデータ伝送路IFLを介してカードリーダ400と接続された例が示されている。カードリーダ400は、例えば社員証等の身分証明証CDに記録された情報を読み取り、読み取った情報をデータ伝送路IFL経由でボードコンピュータ100に出力する。ボードコンピュータ100は、データ伝送路IFL経由で入力された情報を、オフィス内ネットワークINW経由で会議管理サーバ300に送信することができる。
【0016】
なお、カードリーダ400が身分証明証CDから読み取った情報は、後述のように会議管理サーバ300がユーザとしての個人を特定する情報として利用される。そこで、ボードコンピュータ100には、カードリーダ400以外でユーザとしての個人を特定(認証)可能な情報(ユーザ認証情報)を取得するためのデバイスが接続されもよい。
上記のようなユーザ認証情報を取得するデバイスとしては、例えば顔認証用のカメラ、指紋認証用のセンサ、網膜認証用のセンサ、静脈認証用のセンサ等のように生体情報を取得可能なデバイス挙げることができる。
会議管理サーバ300が上記のようなユーザ認証情報に対応してユーザを特定する場合、会議管理サーバ300は、デバイスに対応してユーザごとに登録された認証照合データと、ユーザとを対応付けた認証テーブルを記憶するようにされてよい。認証照合データは、例えば指紋認証用のセンサに対応する場合には、対応のユーザの指紋についての特徴量を示す情報であってよい。
デバイスにより取得されたユーザ認証情報は、ボードコンピュータ100からオフィス内ネットワークINW経由で会議管理サーバ300に対して送信される。会議管理サーバ300は、受信されたユーザ認証情報と認証テーブルにおける認証照合データとを照合することで、ユーザを特定することができる。
【0017】
[ボードコンピュータの構成例]
図2は、ボードコンピュータ100の構成例を示している。同図のボードコンピュータ100は、映像インターフェース部101、データインターフェース部102、ネットワーク通信部103、及び制御部104(ソース情報伝送制御部の一例)を備える。
【0018】
映像インターフェース部101は、映像伝送路TMLを介して映像の入力、出力を行う。同図においては、映像インターフェース部101が2つのポートを備えた例が示されているが、映像インターフェース部101のポート数は特に限定されない。
【0019】
データインターフェース部102は、所定のデータインターフェース規格に対応するデータ伝送路IFLを介してデータの入力、出力を行う。同図においては、データインターフェース部102が2つのポートを備えた例が示されているが、データインターフェース部102のポート数は特に限定されない。
【0020】
ネットワーク通信部103は、オフィス内ネットワークINWを介して通信を行う。なお、ネットワーク通信部103は、オフィス外部のネットワークと接続可能とされてもよい。
【0021】
制御部104は、ボードコンピュータ100における各種制御を実行する。制御部104は、映像インターフェース部101における映像の入力、出力に関する制御を実行する。また、制御部104は、データインターフェース部102におけるデータの入力、出力に関する制御を実行する。また、制御部104は、ネットワーク通信部103における通信に関する制御を実行する。
【0022】
[会議管理サーバの構成例]
図3は、会議管理サーバ300の構成例を示している。同図の会議管理サーバ300は、ネットワーク通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。
ネットワーク通信部301は、オフィス内ネットワークINW経由による通信を実行する。なお、ネットワーク通信部301は、オフィス外の外部ネットワークと接続されてもよい。
【0023】
制御部302は、会議管理サーバ300における各種制御を実行する。制御部302は、登録管理部321と送信制御部322とを備える。
登録管理部321は、会議登録情報を管理する。後述のように、登録管理部321は、会議の参加者が使用する座席Stが指定されたことに応じて、指定された座席Stをボードコンピュータ100と対応付けた会議登録情報を会議登録情報記憶部332に記憶させる。
送信制御部322は、オンライン会議におけるボードコンピュータ100間での映像の転送を制御する。後述のように、送信制御部322は、同じ会議に対応して登録された座席Stのそれぞれに対応付けられたボードコンピュータのうち、1のボードコンピュータ100から受信したビデオコンテンツ(ソース情報)を、他のボードコンピュータ100に対して送信させる。
【0024】
記憶部303は、会議管理サーバ300が対応する情報を記憶する。記憶部303は、座席・ボードコンピュータ(ボードPC)テーブル記憶部331と、会議登録情報記憶部332とを備える。
座席・ボードコンピュータテーブル記憶部331は、座席・ボードコンピュータテーブルを記憶する。座席・ボードコンピュータテーブルは、オフィスにおける座席Stごとに設置されたボードコンピュータ100を示す情報である。つまり、座席・ボードコンピュータテーブルは、座席Stごとに、設置されたボードコンピュータを対応付けたテーブルである。
【0025】
図4は、座席・ボードコンピュータテーブルの一例を示している。同図の座席・ボードコンピュータテーブルは、オフィスに配置される座席Stを一意に示す座席IDごとに、ボードコンピュータ100のアドレス(ボードコンピュータアドレス)を対応付けた構造である。同図において、S001~S006・・・の座席IDは、それぞれ、
図1の座席St-1~St-6に対応する。また、ボードコンピュータアドレスは、対応のボードコンピュータ100に割り当てられたネットワーク上のアドレスである。例えば会議管理サーバ300は、ボードコンピュータ100との通信において、ボードコンピュータアドレスを宛先としてボードコンピュータ100へのデータ送信を行うことができる。なお、ボードコンピュータアドレスは、例えばネットワーク上での宛先として使用可能であれば、例えばMAC(Media Access Control)アドレスなどであってもよい。
【0026】
会議登録情報記憶部332は、会議登録情報を記憶する。会議登録情報は、会議において参加者が使用する座席の登録状況を示す情報である。会議登録情報記憶部332は、設定された会議ごとの会議登録情報を記憶する。会議登録情報の具体例については、後述する。
【0027】
[オンライン会議の開催手順例]
以下に、本実施形態のオンライン会議の開催の手順について説明する。説明にあたり、再度、
図1を参照するとともに、
図5を参照する。
なお、以下の説明において、
図1のユーザU-1~U6について特に区別しない場合には、ユーザUと記載する。
また、以下に説明する本実施形態のオンライン会議は、会議に参加するユーザU間での会話は特に行わず、主催者であるユーザUが配信する映像(ビデオコンテンツ)を、参加者が一斉に視聴するというものになる。なお、ビデオコンテンツには、映像に同期した音声も含まれてよい。
【0028】
上記構成のオンライン会議システムによりオンライン会議を開催するにあたっては、開催前の段階にて、オンライン会議を登録することが行われる。オンライン会議の登録は、例えば会議に参加するユーザUのいずれもが権限を有するようにされてもよいが、以下の説明では、オンライン会議の主催者であるユーザUが権限を有するようにされている場合を例に挙げる。
【0029】
図1において、オンライン会議の主催者がユーザU-1である場合を例に挙げる。主催者であるユーザU-1は、オンライン会議の開催前において、ユーザU-2、U-3、U-4、U-5の4名の参加者に参加してもらうこととした。つまり、この場合においてオンライン会議の開催前に参加が決まっているユーザは、主催者であるユーザU-1と、4名のユーザU-2、U-3、U-4、U-5の計5名である。なお、ユーザU-6については、オンライン会議に途中参加するユーザであることから、ここでの説明は省略する。
主催者であるユーザU-1と、3名のユーザU-2、U-3、U-4との間で、オンライン会議が開催されているときに、4つの座席St-1、St-2、St-3、St-4を使用することで確認が得られた。一方、ユーザU-5については、オンライン会議に参加はするものの、開催のときにオフィス内のどこにいるのかを確定できないので、オンライン会議の際に使用する座席は未定の状態である。
【0030】
この場合、主催者であるユーザU-1は、以下のようにして座席登録を行う。ユーザU-Aは、例えば自分の所持するパーソナルコンピュータPC1をオフィス内ネットワークINWに接続して会議管理サーバ300にアクセスさせる。これにより、パーソナルコンピュータPC1には、会議登録画面が表示される。
ユーザU-1は、表示された会議登録画面に対して、まず、オンライン会議の新規登録を行う。この際、ユーザU-1は、開催されるオンライン会議の名称、時間帯(開始日時、終了日時)等を指定し、自分(ユーザU-1)が主催者であることを登録する操作を行う。
そのうえで、ユーザU-1は、新規登録したオンライン会議のもとで使用する座席Stについての座席登録として、座席St-1、St-2、St-3、St-4を登録する。この際、ユーザU-1は、座席St-1、St-2、St-3、St-4のそれぞれに、ユーザUを対応付けて登録する操作を行う。
ユーザU-5については、座席については未定(未登録)としたうえで、ユーザU-5を参加者として登録する操作を行うようにされる。
ここまでの段階のオンライン会議の登録については、第1登録段階という。
【0031】
図5においては、1つのオンライン会議に対応して作成される会議登録情報D10の一例を示している。会議登録情報D10は、会議ID、会議名称、開催期間及び座席登録情報の領域を含む。
会議IDの領域は、対応のオンライン会議を一意に識別する会議IDを格納する。
会議名称の領域は、対応のオンライン会議に付与された会議名称を格納する。
開催期間の領域は、対応のオンライン会議について設定された開催期間(開始日時、終了日時)を格納する。
座席登録情報の領域は、座席登録情報を格納する。座席登録情報は、対応のオンライン会議のもとで使用するために登録された座席についての情報である。
【0032】
図5においては、第1登録段階に対応する座席登録情報D11の内容例が示されている。
座席登録情報D11は、座席IDに対して、ユーザ情報と主催者フラグとが対応付けられた構造である。座席IDは対応の座席を一意に示す識別子である。ユーザ情報は、対応のユーザUを示す情報である、ユーザ情報は、具体的には、例えば名前などであってよい。主催者フラグは、対応のユーザ情報により示されるユーザUが主催者であるか否かを示す情報である。同図の例では、主催者フラグが「1」である場合に主催者であることを示し、主催者フラグが「0」である場合に主催者でないことを示す。
【0033】
座席登録情報D11においては、S001~S004の4つの座席IDが格納されている。S001~S004の座席IDは、それぞれ座席St-1~St-4を示す。S001~S004の座席IDのそれぞれに対しては、ユーザ情報U001~U004が対応付けられている。ユーザ情報U001~U004は、それぞれ、ユーザU-1~U-4に対応する。
また、座席登録情報D11においては、ユーザ情報U001~U004に加えて、ユーザ情報U005が格納されている。ユーザ情報U005は、ユーザU-5に対応する。ユーザ情報U005に対しては、有意な座席IDが対応付けられていない。このようなユーザ情報と座席IDとの対応により、ユーザU-5について、オンライン会議への参加は確定されているが、オンライン会議に際して使用する座席は未確定であることが示される。
また、座席登録情報D11において主催者フラグは、ユーザ情報U001に対応して「1」が格納され、残るユーザ情報U002~U005に対応しては「0」が格納されている。このような主催者フラグによって、オンライン会議の主催者はユーザU-1であることが示される。
第1登録段階までの登録が行われたことに応じて、会議登録情報記憶部332には、座席登録情報D11の内容を有する会議登録情報D10が記憶される。
【0034】
このように、本実施形態におけるオンライン会議の登録は、オンライン会議に参加するユーザUが使用する座席Stを事前に登録(予約)しておくためのものである。そのうえで、例えばユーザU-5のように、オンライン会議が開催されるまで使用する座席Stを確定できないような場合には、座席Stについては未登録としたうえで、参加するユーザを登録しておくこともできる。
【0035】
第1登録段階の後において、オンライン会議が開始される少し前の時間において、ユーザU-5は、オンライン会議の参加にあたり座席St-5を使用することが決まった。ユーザU-5は、オンライン会議で座席St-5を使用する旨を主催者であるユーザU-1に伝えた、そこで、ユーザU-1は、パーソナルコンピュータPC1にて第1登録段階の登録内容が反映された会議登録画面を表示させ、参加者として登録されているユーザU-5に座席St-5を対応付ける操作を行う。ここまでの段階のオンライン会議の登録については、第2登録段階という。
【0036】
第2登録段階の登録により、
図5における座席登録情報D11は、座席登録情報D12の内容に更新される。ユーザ情報U005が対応付けられた座席IDは、座席登録情報D11においては未登録の状態であったのに対して、座席登録情報D12においてはS005が登録されている。つまり、座席登録情報D12は、ユーザU-5が座席St-5に対応付けられたことが示されるようにして座席登録情報D11から更新されている。
【0037】
オンライン会議において、主催者であるユーザU-1は、オンライン会議に参加するユーザUのそれぞれに共通のビデオコンテンツを配信することしている。このために、ユーザU-1は、自分のパーソナルコンピュータPC1にて配信するビデオコンテンツが再生可能なようにしておく。そのうえで、ユーザU-1は、オンライン会議の開始時間より前において、自席である座席St-1に設置されているボードコンピュータ100とパーソナルコンピュータPC1とを映像伝送路TMLにより接続しておくようにする。
【0038】
このとき、パーソナルコンピュータPC1にて表示されているのと同じビデオコンテンツが、映像伝送路TMLを介して座席St-1のボードコンピュータ100に入力される。ボードコンピュータ100は、入力されたビデオコンテンツを、同じ座席St-1に設置された表示装置200に対して映像伝送路TML経由で出力する。これにより、座席St-1に設置された表示装置200には、パーソナルコンピュータPC1にて表示されているのと同じビデオコンテンツが表示される。また、例えば表示装置200がスピーカを備えるか、ボードコンピュータ100にスピーカが接続されている場合には、これらのスピーカにより、ビデオコンテンツにおいて映像に同期する音声を再生させることができる。
また、ボードコンピュータ100は、入力したビデオコンテンツを、オフィス内ネットワークINW経由で会議管理サーバ300に送信する。会議管理サーバ300は、オンライン会議の開始時刻に至るまでは、ボードコンピュータ100から送信されてくるビデオコンテンツについては特に処理をせずに破棄していてよい。
【0039】
また、オンライン会議に参加する残りのユーザU-2~U-4も、オンライン会議の開始時刻の少し前から、それぞれ自分の座席St-2~St-5にて、ボードコンピュータ100、表示装置200の電源をオンとしたうえで着座しているようにする。
【0040】
そして、会議登録情報D10における開催期間が示す開始時刻に至ると、会議管理サーバ300は、オンライン会議に応じたビデオコンテンツの配信を開始させる。
つまり、会議管理サーバ300は、会議登録情報D10が格納する座席登録情報において示される座席IDを取得する。会議管理サーバ300は、座席・ボードコンピュータテーブル記憶部331が記憶する座席・ボードコンピュータテーブルから、取得した座席IDのそれぞれと対応付けられたボードコンピュータアドレスを取得する。この場合、会議管理サーバ300は、5つのボードコンピュータアドレス「adr001」、「adr002」、「adr003」、「adr004」、「adr005」を取得する。
【0041】
会議管理サーバ300には、座席St-1のボードコンピュータ100からビデオコンテンツが送信されている。送信されるビデオコンテンツのパケットには、座席St-1のボードコンピュータ100のボードコンピュータアドレス「adr001」が送信元の情報として含まれる。この場合、ビデオコンテンツの送信元のボードコンピュータアドレスが対応する座席Stは、会議登録情報の座席登録情報において登録されている座席St-1が該当する。この場合、会議管理サーバ300は、座席・ボードコンピュータテーブルと会議登録情報を参照することで、ビデオコンテンツの送信元のボードコンピュータ100が、会議登録情報に登録されている座席St-1のものであることを特定できる。
このように会議登録情報に登録されている座席Stのボードコンピュータ100から送信されたビデオコンテンツが受信されている場合、会議管理サーバ300は、受信されているビデオコンテンツを、オンライン会議における配信用ビデオコンテンツとする。会議管理サーバ300は、配信用ビデオコンテンツを、会議登録情報において登録されている座席Stのうち、座席St-1以外の座席Stのそれぞれに対応付けられているボードコンピュータアドレスを送信先として指定してネットワーク通信部301から送信させる。
これにより、ボードコンピュータアドレス「adr002」~「adr005」に対応する、座席St-2~St-5のボードコンピュータ100のそれぞれに対して配信用ビデオコンテンツが送信される。
【0042】
会議管理サーバ300から送信された配信用ビデオコンテンツを受信した座席St-2~St-5のボードコンピュータ100は、それぞれ、映像伝送路TMLを介して接続されている表示装置200に配信用ビデオコンテンツを表示させる。また、座席St-1においては、前述のように、パーソナルコンピュータPC1からボードコンピュータ100に入力されたビデオコンテンツが表示装置200に出力されている。
この結果、パーソナルコンピュータPC1にて表示されているのと同じビデオコンテンツが、オンライン会議に参加している各ユーザが着座している座席Stの表示装置200にて表示される。
なお、会議管理サーバ300は、座席St-1のボードコンピュータ100にもビデオコンテンツを送信するようにしてよい。この場合、座席St-1のボードコンピュータ100は、パーソナルコンピュータPC1から入力されたビデオコンテンツを表示装置200に出力せずに、会議管理サーバ300から送信されるビデオコンテンツを表示装置200に出力するようにされてよい。
【0043】
このようにして、本実施形態のオンライン会議では、会議の参加者であるユーザUのそれぞれが着座している座席Stに設置された表示装置200にて、同じビデオコンテンツを同時に再生させることができる。これにより、会議の参加者であるユーザUは、同じビデオコンテンツを同時に視聴することができる。
【0044】
本実施形態において、ビデオコンテンツはユーザUが着座している座席Stに設置されている表示装置200にて再生されることから、ビデオコンテンツを配信する主催者以外のユーザUは、特に自分のパーソナルコンピュータなどのネットワーク端末を持ち込む必要がない。また、このことは、本実施形態のオンライン会議の実現にあたっては、ネットワーク端末にインストールされたアプリケーションを使用する必要がない(アプリケーションへの依存性がない)ことにもつながる。
また、本実施形態のオンライン会議では、ビデオコンテンツを視聴するために各ユーザUのネットワーク端末がビデオコンテンツの配信元のサーバ等にアクセスする必要がない。このため、例えば多数のネットワーク端末からサーバにアクセスが集中してビデオコンテンツの配信に障害が発生するようなことも回避される。
また、
図1の例では、オフィス内ネットワークINWの範囲内で完結してビデオコンテンツの配信を行えるので、外部ネットワークからの不正な侵入に対するセキュリティも得ることができる。
【0045】
また、本実施形態の会議システムでは、例えば以下のようにして、オンライン会議にユーザUが途中参加することができる。
上記のようにして、オンライン会議によりビデオコンテンツを配信している途中で、主催者であるユーザUの判断またはユーザU-6からの要望により、ユーザU-6がオンライン会議に途中参加することが決まった。
この場合において、ユーザU-6がオンライン会議に途中参加するにあたっては、以下の2つの方法がある。
【0046】
1つは、主催者であるユーザU-1が、パーソナルコンピュータPC1をオフィス内ネットワークINW経由で会議管理サーバ300にアクセスさせて、会議登録情報に、ユーザU-6がオンライン会議に使用する座席StとユーザU-6とを対応付けて追加登録するというものである。
【0047】
もう1つは、例えばユーザU-6の途中参加が決まった段階ではユーザU-6の使用する座席Stが決まっていなかったような場合に対応するものである。この場合には、まず、主催者であるユーザU-1が、パーソナルコンピュータPC1をオフィス内ネットワークINW経由で会議管理サーバ300にアクセスさせて、会議登録情報の座席登録情報に、座席Stを対応付けずにユーザU-6のみを追加登録しておくようにする。
図5の座席登録情報D13は、上記のようにユーザU-6を追加登録した結果が反映された座席登録情報の一例を示している。座席登録情報D13においては、ユーザU-6のユーザ情報「U006」が追加登録されているが、ユーザ情報「U006」には未だ座席IDが対応付けられていない。
この後、ユーザU-6が、座席St-6を使用するものと決めた。この場合、ユーザU-6は、
図1に示すように、座席St-6に設置されているボードコンピュータ100に対してデータ伝送路IFLを介してカードリーダ400を接続する。ユーザU-6は、ボードコンピュータ100と接続されたカードリーダ400に、自分の身分証明証CDを読み取らせるようにする。身分証明証CDには、社員としてのユーザU-6の情報(社員情報)が記憶されている。カードリーダ400は身分証明証CDから社員情報を読み取ってボードコンピュータ100に出力する。
【0048】
データ伝送路IFL経由で社員情報を入力した場合、ボードコンピュータ100は、入力した社員情報を含む会議参加要求を会議管理サーバ300に送信する。
会議管理サーバ300は、会議参加要求を受信すると、受信された会議参加要求に含まれる社員情報が示すのと同じユーザU-6のユーザ情報が登録された会議登録情報を検索する。検索された会議登録情報において、ユーザU-6に対応付けられる座席IDが未登録の状態となっている。
そこで、会議管理サーバ300は、受信された会議参加要求の送信元のボードコンピュータ100のボードコンピュータアドレスに対応付けられた座席に対応する「S006」の座席IDを、座席・ボードコンピュータテーブルから取得する。会議管理サーバ300は、
図5の座席登録情報D14に示すように、取得した「S006」の座席IDを、ユーザU-6のユーザ情報「U006」に対応付けるようにして登録する。
【0049】
このようにして、会議登録情報には、まずユーザ情報を登録しておいたうえで、ユーザ情報の登録後にボードコンピュータ100から送信された会議参加要求を受信したことに応じて、ユーザ情報に対応付けて座席IDを追加登録することができる。
【0050】
上記のようにして会議登録情報に座席IDが追加登録されたことに応じて、会議管理サーバ300は、座席St-1のボードコンピュータ100から送信されるビデオコンテンツを、座席St-2~St-5のボードコンピュータ100に加えて、さらに座席St-6のボードコンピュータ100にも送信する。
このように座席St-6のボードコンピュータ100にもビデオコンテンツが送信されることにより、オンライン会議に途中参加したユーザU-6は、座席St-6にて設置されている表示装置200により再生されるビデオコンテンツを視聴することができる。
【0051】
なお、上記のユーザU-6の事例のように、ボードコンピュータ100に接続されたカードリーダ400に身分証明証CDを読み取らせることにより、ユーザ情報が格納済みの座席登録情報に座席IDを格納させるという登録については、オンライン会議の開始前の段階でも可能とされてよい。
【0052】
[処理手順例]
以下に本実施形態の会議管理サーバ300がオンライン会議の開催に関して実行する処理手順例について説明する。
図6のフローチャートを参照して、会議管理サーバ300が会議登録情報の管理に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0053】
ステップS101:前述のように主催者であるユーザU-1は、オンライン会議を開催するにあたり、会議登録情報を作成するようにされる。会議登録情報の作成にあたり、主催者のユーザU-1は、ネットワーク端末を会議管理サーバ300にアクセスさせ、主催者が自分であることの指定、自分の座席(なお、座席が未定の場合には入力しなくともよい)、会議名称、開催期間等の基本情報を入力する。
会議管理サーバ300において登録管理部321は、基本情報が入力されるのを待機している。
【0054】
ステップS102:基本情報が入力されたことに応じて、登録管理部321は、入力された基本情報を含む会議登録情報を新規作成する。作成された会議登録情報は、会議登録情報記憶部332に記憶されてよい。
【0055】
ステップS103:前述のように、会議に参加するユーザUについて、事前に座席Stを決められる場合がある。この場合、主催者のユーザU-1は、前述のユーザU-2~U-4を登録した場合のように、会議管理サーバ300にアクセスさせたネットワーク端末に対する操作により、座席Stとユーザとを対応付けて登録を行うことができる。
そこで、ステップS102の処理の後、登録管理部321は、座席Stとユーザとを対応付けた登録操作が行われたか否かを判定する。
【0056】
ステップS104:ステップS103にて座席Stとユーザとを対応付けた登録操作が行われたと判定された場合、登録管理部321は、登録操作により指定された座席Stの座席IDと、登録操作により指定されたユーザのユーザ情報とを対応付けて格納した座席登録情報を、会議登録情報に追加する。
【0057】
ステップS105:また、主催者のユーザU-1は、前述のように、座席登録情報の登録として、前述のユーザU-5、U-6を登録した事例のように、座席Stを対応付けることなくユーザのみを登録することもできる。
そこで、ステップS103の登録操作が行われていないと判定された場合、あるいはステップS104の処理の後、登録管理部321は、ユーザのみを登録する操作が行われたか否かを判定する。
【0058】
ステップS106:ステップS105にてユーザのみを登録する操作が行われたと判定された場合、登録管理部321は、登録されたユーザのユーザ情報を格納し、対応の座席IDを格納しない座席登録情報を、会議登録情報に追加する。
【0059】
ステップS107:また、主催者のユーザU-1は、前述のユーザU-5を登録した事例のように、先にユーザ情報のみを格納する座席登録情報に登録した後において、対応の座席を登録することができる。
そこで、ステップS105の操作が行われないと判定された場合、あるいはステップS106の処理の後、登録管理部321は、ユーザ情報のみを格納する座席登録情報に対応して座席を登録する操作が行われたか否かを判定する。
【0060】
ステップS108:ステップS107によりユーザ情報のみを格納する座席登録情報に対応して座席Stを登録する操作が行われたことが判定された場合、登録管理部321は、対応の座席登録情報に対して、操作により登録された座席Stの座席IDを格納する。
【0061】
ステップS109:また、前述のユーザU-6の事例のように、既に会議登録情報にて参加者として登録されているユーザUが、オンライン会議に使用する座席が決まった段階で、ボードコンピュータ100に接続したカードリーダ400に身分証明証CDを読み取らせることで座席を登録することができる。前述のように、カードリーダ400に身分証明証CDを読み取らせたことに応じて、カードリーダ400と接続されているボードコンピュータ100は、身分証明証CDから読み取った社員情報を含む会議参加要求を会議管理サーバ300に送信する。
そこで、ステップS107の操作が行われていないと判定された場合、あるいはステップS108の処理の後、登録管理部321は、ボードコンピュータ100から送信された会議参加要求が受信されたか否かを判定する。会議参加要求が受信されないと判定された場合には、ステップS103に処理が戻される。
【0062】
ステップS110:ステップS109にて会議参加要求が受信されたと判定された場合、登録管理部321は、受信された会議参加要求の送信元のボードコンピュータ100のボードコンピュータアドレスが対応付けられた座席IDを、座席・ボードコンピュータテーブルから取得する。
【0063】
ステップS111:ステップS109に対応して受信された会議参加要求に含まれる社員情報が示すのと同じユーザのユーザ情報を格納する座席登録情報に対して、ステップS110により取得された座席IDを格納する。
【0064】
図7のフローチャートを参照して、本実施形態の会議管理サーバ300がオンライン会議でのビデオコンテンツの配信に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:同図において、会議管理サーバ300の送信制御部322は、会議登録情報における開催期間の情報によって示される、オンライン会議の開始時刻に至るのを待機している。
【0065】
ステップS202:ステップS201にて開始時刻に至ったことが判定されると、送信制御部322は、対応のオンライン会議に参加する各ユーザUのボードコンピュータ100のボードコンピュータアドレスを取得する。このために、送信制御部322は、会議登録情報における座席登録情報において格納されている座席IDを取得する。送信制御部322は、取得した座席IDに対応付けられたボードコンピュータアドレスを、座席・ボードコンピュータテーブルから取得する。このようにして、オンライン会議に参加する各ユーザUのボードコンピュータ100のボードコンピュータアドレスが取得される。
【0066】
ステップS203:送信制御部322は、オンライン会議に参加するユーザUの座席Stに設置されているボードコンピュータ100へのビデオコンテンツの送信を実行する。
オンライン会議が開始された状態では、例えば主催者としてのユーザUが、自分の座席StにてパーソナルコンピュータPC1にて再生させているビデオコンテンツをボードコンピュータ100に出力させている。
そこで、当該ステップS203において、送信制御部322は、現在においてネットワーク通信部301が受信しているビデオコンテンツのうちで、ステップS202により取得したボードコンピュータアドレスが送信元となっているビデオコンテンツを特定する。送信制御部322は、特定したビデオコンテンツを、配信用のビデオコンテンツとして入力する。
送信制御部322は、入力した配信用のビデオコンテンツを、ステップS202により取得したボードコンピュータアドレスのうちで、配信用のビデオコンテンツの送信元のボードコンピュータアドレスを除くボードコンピュータアドレスを宛先として送信する。
【0067】
ステップS204:送信制御部322は、オンライン会議が終了されたか否かを判定する。送信制御部322は、例えば会議登録情報における開催期間の情報によって示される終了日時に至ったことによりオンライン会議が終了されたと判定してよい。あるいは、主催者は、例えばパーソナルコンピュータPC1などのネットワーク端末をオフィス内ネットワークINW経由で会議管理サーバ300に接続したうえで、オンライン会議終了を指示する操作を行えるようにされてよい。送信制御部322は、オンライン会議終了を指示する操作に応じた会議終了コマンドが受信されたことに応じて、オンライン会議が終了されたと判定してよい。
オンライン会議が終了されていないと判定された場合には、ステップS202に処理が戻される。
【0068】
ステップS205:オンライン会議が終了されたと判定された場合、送信制御部322は、これまでのビデオコンテンツの送信を停止させる。
【0069】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態は、オンライン会議として、1のユーザUから他のユーザUにビデオコンテンツを配信する形態に対応するものであった。第2実施形態では、オンライン会議として、参加のユーザU間で会話をしながら会議を進めていく形態に対応する。
【0070】
図8は、本実施形態のオンライン会議の形態に対応するオンライン会議システムの構成例を示している。
図8において、
図1と同一部分には同一符号を付して、適宜説明を省略する。
本実施形態においても、主催者がユーザU-1である場合を例に挙げる。ユーザU-1は、自分と、ユーザU2~U4、U7との計5名によりオンライン会議を行うこととした。ユーザU-1は、オフィス内からオンライン会議に参加する。
主催者のユーザU-1は、ユーザU2~U4、U7にオンライン会議を開催することを通知した。通知に応じて、ユーザU2~U4の3名から主催者であるユーザU-1に対しては、オフィスにてオンライン会議に参加するとの回答が得られた。一方、ユーザU7は、例えばオフィス外の自宅にて参加するとの回答が得られた。
【0071】
上記の通知を受けた主催者のユーザU-1は、オンライン会議の際に、自分とユーザU2~U4との4名で、寄せ合わされている4つの座席St-1~St-4を使用することとした。
この場合、主催者のユーザU-1は、自分のパーソナルコンピュータPC1を会議管理サーバ300にアクセスさせて、以下の内容の会議登録情報を登録する。つまり、主催者のユーザU-1は、第1実施形態と同様の基本情報を入力する操作を行う。そのうえで、主催者のユーザU-1は、4つの座席St-1~St-4を指定するとともに、座席St-1~St-4のそれぞれにユーザU-1~U4を対応付けるようにして座席を登録する操作を行う。
このような登録の操作に応じて、会議管理サーバ300が作成し、会議登録情報記憶部332に記憶される会議登録情報は、
図5の座席登録情報D11からユーザU-6に対応する最下段の座席登録情報を削除したのと同じ内容となる。
【0072】
自宅からオンライン会議に参加するユーザU-7は、オフィス内の座席Stを使用しないことから、会議登録情報の座席登録情報には登録しなくともよい。本実施形態のオンライン会議に際しては、主催者のユーザU-1のパーソナルコンピュータPC1と、ユーザU-7のパーソナルコンピュータPC2とは、外部ネットワークONWを経由して接続されることで、例えば外部ネットワーク対応のオンライン会議アプリケーション(またはWebブラウザ経由でのオンライン会議サービスであってもよい)を利用して、双方での通信が行われる。なお、同図では、外部ネットワークONW上のオンライン会議のサーバの図示は省略している。
つまり、外部ネットワーク対応のオンライン会議アプリケーションが動作するパーソナルコンピュータPC1とパーソナルコンピュータPC2とは、それぞれ内蔵の(または接続された)マイクロフォンにより収音された音声を相手先に送信する。パーソナルコンピュータPC1とパーソナルコンピュータPC2とは、それぞれ、受信された音声を内蔵の(または接続された)スピーカ等から出力させる。
また、外部ネットワーク対応のオンライン会議アプリケーションが動作するパーソナルコンピュータPC1とパーソナルコンピュータPC2とは、それぞれ内蔵の(または接続された)カメラにより撮像して得られた撮像画像を相手先に送信する。パーソナルコンピュータPC1とパーソナルコンピュータPC2とは、それぞれ、受信された音声を表示部にて表示させる。
【0073】
オンライン会議の開始にあたり、ユーザU-1とユーザU-7とは、外部ネットワーク対応のオンライン会議アプリケーションによりパーソナルコンピュータPC1とパーソナルコンピュータPC2とを接続しておくようにする。
また、ユーザU-1は、パーソナルコンピュータPC1について会議モードを設定しておくようにする。会議モードは、オンライン会議にてパーソナルコンピュータPC1を複数のユーザで共有可能なようにするモードである。パーソナルコンピュータPC1は、折り畳みが可能な表示部を備えている。会議モードでは、パーソナルコンピュータPC1は、例えば筐体が180度に開かれることで、表示部が展開された状態で表示を行うことが可能となる。
この場合、パーソナルコンピュータPC1は、寄せ合わされた座席St-1~座席St-4の中央に置かれている。これにより、ユーザU-1~U-4の全員が、パーソナルコンピュータPC1から出力された音声を均等に聞き取ることができる。
また、パーソナルコンピュータPC1については、座席St-1に設置されたボードコンピュータ100と映像伝送路TMLにより接続しておくようにする。
【0074】
オンライン会議の開始時刻に至ると、ユーザU-1とユーザU-7は、パーソナルコンピュータPC1とパーソナルコンピュータPC2とによる外部ネットワーク対応のオンライン会議を開始させる。
パーソナルコンピュータPC1とパーソナルコンピュータPC2とのそれぞれの表示部においては、外部ネットワーク対応のオンライン会議の映像が表示される。また、パーソナルコンピュータPC1の表示部にて表示されている映像は、映像伝送路TMLを経由して座席St-1のボードコンピュータ100に対して出力される。
座席St-1のボードコンピュータ100は、パーソナルコンピュータPC1から入力された映像を、映像伝送路TMLを介して同じ座席St-1の表示装置200に出力する。また、座席St-1のボードコンピュータ100は、パーソナルコンピュータPC1から入力された映像を、配信用のビデオコンテンツとして、オフィス内ネットワークINWを経由して会議管理サーバ300に送信する。
【0075】
また、会議管理サーバ300は、会議登録情報の開催期間において示される開始時刻に至ると、会議登録情報における座席登録情報に基づいて、座席St-1のボードコンピュータ100から送信されてくる配信用のビデオコンテンツを、座席St-2~St-4のボードコンピュータ100のそれぞれに送信する。
座席St-2~St-4のボードコンピュータ100は、それぞれ、受信された配信用のビデオコンテンツを、映像伝送路TML経由で、同じ座席Stに設置されている表示装置200に出力する。
【0076】
上記のようにオンライン会議が開始されたことによっては、オフィスにてユーザU-1~U-4が着座している座席St-1~St-4の表示装置200にて、パーソナルコンピュータPC1と表示されているのと同じ映像が表示される。つまり、座席St-1~St-4の表示装置200のそれぞれにおいて、ユーザU-7と接続された外部ネットワーク対応のオンライン会議の映像が表示される。これにより、オフィスにてオンライン会議に参加しているユーザU-1~U-4のそれぞれが、自席の表示装置200により外部ネットワーク対応のオンライン会議の映像を視ることができる。
また、パーソナルコンピュータPC1のスピーカからはユーザU-7の発した音声が出力される。また、ユーザU-1~U-4が発した音声は、パーソナルコンピュータPC1のマイクロフォンにより収音され、外部ネットワーク対応のオンライン会議アプリケーションにより、パーソナルコンピュータPC2に送信される。
このようにして、オフィスにてオンライン会議に参加しているユーザU-1~U-4は、自宅から参加しているユーザU-7と会話しながらオンライン会議を進めていくことができる。
【0077】
なお、上記各実施形態におけるオンライン会議システムは、映像を配信するようにされていた。しかしながら、会議管理サーバ300は、映像に代えて音声を配信するようにされてよい。
この場合には、座席Stのボードコンピュータ100は、音声伝送路を介してアクティブスピーカ等の音声再生装置と接続される。
そのうえで、オンライン会議に参加するユーザUのうちの一名が、例えばパーソナルコンピュータやICレコーダ等の端末により出力させた音声を、音声伝送路を介して自席のボードコンピュータ100に入力させる。
音声を入力したボードコンピュータ100は、入力された音声を会議管理サーバ300に送信する。また、音声を入力したボードコンピュータ100は、音声伝送路を介して、同じ座席Stに設置された音声再生装置に対して、入力した音声を出力する。
会議管理サーバ300は、会議登録情報の座席登録情報に基づいて、オンライン会議に参加するユーザUに対応する座席Stのボードコンピュータ100に対して、受信された音声を送信(配信)する。音声を受信したボードコンピュータ100は、音声伝送路を介して同じ座席Stに設置された音声再生装置に受信された音声を出力する。
これにより、オンライン会議に参加しているユーザは、それぞれ、自席の音声再生装置により再生される配信用の音声を聴くことができる。
【0078】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上記の実施形態において説明した各構成は、矛盾しない限り任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0079】
100 ボードコンピュータ、101 映像インターフェース部、102 データインターフェース部、103 ネットワーク通信部、104 制御部、200 表示装置、300 会議管理サーバ、301 ネットワーク通信部、302 制御部、303 記憶部、321 登録管理部、322 送信制御部、331 座席・ボードコンピュータテーブル記憶部、332 会議登録情報記憶部、400 カードリーダ