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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133779
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】樹脂製容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/42 20060101AFI20220907BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
B65D1/42
B65D1/02 221
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032663
(22)【出願日】2021-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祐也
(72)【発明者】
【氏名】石川 将人
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA18
3E033CA05
3E033DA04
3E033DB01
3E033EA04
3E033FA03
3E033GA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、胴部の剛性を確保しつつ、美的外観に優れた樹脂製容器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の樹脂製容器1は、筒状の口部2、肩部4、および胴部5と、有底筒状の底部6と、が、上方から下方に向けてこの順に連ねられ、前記胴部5は、胴上部51と、前記胴上部51よりも下方に設けられ、前記胴部5の径方向外側に突出した複数の凸部を有する胴下部52と、を備え、前記胴上部51の最外径と、前記胴下部52の前記凸部の最外径とが一致することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の口部と、容器本体を形成する筒状の肩部、筒状の胴部、および有底筒状の底部と、が、上方から下方に向けてこの順に連ねられ、
前記胴部は、
胴上部と、
前記胴上部よりも下方に設けられ、前記容器本体の径方向外側に突出した複数の凸部を有する胴下部と、
を備え、
前記胴上部の最外径と、前記胴下部の前記凸部の最外径とが一致することを特徴とする樹脂製容器。
【請求項2】
前記凸部の最外径は、軸方向に沿う断面において、直線を含む請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項3】
前記凸部は、
前記容器本体の径方向から見て前記容器本体の中心軸と交差するとともに湾曲して延び、先端が先細る第1凸部と、
円状の第2凸部と、
を備える請求項1または請求項2に記載の樹脂製容器。
【請求項4】
前記第1凸部は、長手方向に延びる凹部を有する請求項3に記載の樹脂製容器。
【請求項5】
前記肩部は、
前記容器本体の径方向外側に向けて突出し、前記容器本体の軸方向から見て前記容器本体の中心軸周りに放射状に延び、先端が先細る第1加飾部と、
前記容器本体の径方向外側に向けて突出する円状の第2加飾部と、
を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の樹脂製容器。
【請求項6】
前記胴上部は、上下方向に等間隔を空けて周溝を設けられている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の樹脂製容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
胴部にリブや凹凸を設けた樹脂製容器が知られている。樹脂製容器は、リブや凹凸を設けた胴部の剛性が不足すると、内容物を充填した場合に胴部壁面が外側に撓み、それにより流通時の外箱への収納が困難となるという不都合が生じる場合がある。また、樹脂製容器は、リブや凹凸を設けた胴部の剛性が不足すると、ユーザが把持した際に胴部壁面が内側に凹んで、内容物が溢れたりするという不都合が生じる場合がある。そのため、樹脂製容器の剛性の確保は重要である。
【0003】
特許文献1に記載の樹脂製容器は、周方向に、胴部のうち最も縮径するリブが設けられている。ボトル内部の内圧が減少すると、上下方向でリブが折りたたまれることより、リブよりも上側部分において拡径する大径部が、リブよりも下側部分において大径部よりも縮径する小径部を覆う構成にできるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-042838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の樹脂製容器は、側面視において、大径部と小径部とで段差が生じている。そのため、製造時や流通時において、胴部のうち、最も拡径している部分で擦れが生じる可能性がある。また、大径部と小径部との段差により、樹脂製容器の美的外観を損なうおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、胴部の剛性を確保しつつ、美的外観に優れた樹脂製容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る樹脂製容器は、筒状の口部と、容器本体を形成する筒状の肩部、筒状の胴部、および有底筒状の底部と、が、上方から下方に向けてこの順に連ねられ、前記胴部は、胴上部と、前記胴上部よりも下方に設けられ、前記容器本体の径方向外側に突出した複数の凸部を有する胴下部と、を備え、前記胴上部の最外径と、前記胴下部の前記凸部の最外径とが一致することを特徴とする。
【0008】
製造時や流通時のラインにおいて、樹脂製容器の最外径となる部分には、例えば搬送時の樹脂製容器同士の接触当により応力が集中する場合がある。上記構成によれば、胴上部の最外径と、胴下部の凸部の最外径とが一致するため、応力が胴部の一部に集中することなく分散できるので、胴部の剛性を確保することができる。また、側面視において、胴上部の最外径と、胴下部の凸部の最外径とが一致するため、美的外観を向上することができる。
【0009】
上記態様の樹脂製容器において、前記凸部の最外径は、軸方向に沿う断面において、直線を含んでもよい。
【0010】
上記構成において、胴下部の凸部の最外径は、軸方向に沿う断面において、直線を有する。当該構成によれば、例えば、複数の樹脂製容器が陳列されている際に、凸部と、凸部とが、線接触するため、応力が胴下部の一部に集中することなく分散できる。よって、胴部の剛性を確保することができる。また、側面視において、胴下部は、軸方向に沿う直線を有するため、美的外観を向上することができる。
【0011】
上記態様の樹脂製容器において、前記凸部は、前記容器本体の径方向から見て前記容器本体の中心軸と交差するとともに湾曲して延び、先端が先細る第1凸部と、円状の第2凸部と、を備えてもよい。
【0012】
上記構成において、樹脂製容器は、形状の異なる複数の凸部として、第1凸部および第2凸部を有することにより、美的外観をより向上することができる。
【0013】
上記態様の樹脂製容器において、前記第1凸部は、長手方向に延びる凹部を有してもよい。
【0014】
上記構成において、胴下部の第1凸部が凹部を有することにより、凹部がリブのように機能し、特に胴下部の剛性を向上させることができる。具体的に、胴下部の強度や、圧力吸収機能を向上することができる。胴下部の第1凸部が凹部を有することにより、胴下部の外観にメリハリを設けることができ、美粧性を向上させることができる。また、凹部の凹み深さを調整することによって、樹脂製容器の容量調整が可能となる。
【0015】
上記態様の樹脂製容器において、前記肩部は、前記容器本体の径方向外側に向けて突出し、前記容器本体の軸方向から見て前記容器本体の中心軸周りに放射状に延び、先端が先細る第1加飾部と、前記容器本体の径方向外側に向けて突出する円状の第2加飾部と、を備えてもよい。
【0016】
上記構成において、肩部は、第1加飾部と、第2加飾部と、を有する。そのため、上記構成によれば、キャップの開閉時において、肩部を把持する場合、第1加飾部および第2加飾部が滑り止めとして機能する。また、第1加飾部と、第2加飾部とで凹凸を形成しているため、肩部の剛性を確保することができる。肩部の剛性を確保することができれば、キャップの開閉時において、胴部を把持する場合、キャップが装着されている口部から肩部を介して胴部までに生じる周方向のねじれによる、容器本体の変形を抑えることができる。
【0017】
上記態様の樹脂製容器において、前記胴上部は、上下方向に等間隔を空けて周溝を設けられてもよい。
【0018】
上記構成において、胴上部は、上下方向に等間隔を空けて周溝を設けている。そのため、上記構成によれば、胴上部に、例えば熱収縮するシュリンクラベルを装着した際に、周溝によってラベルが位置決めされるため、ラベルの上下方向への位置ずれを抑制することができる。また、周溝を有することにより、胴上部の強度を向上することができ、胴部が径方向に変形することを抑えることができる。胴上部の強度を向上することにより、胴上部に、例えば巻き付け型のロールラベルを貼り付ける際の適性を確保することができる。よって、樹脂製容器のライン搬送性を向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、胴部の剛性を確保しつつ、美的外観に優れた樹脂製容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る実施形態の樹脂製容器の正面斜視図である。
図2】本発明に係る実施形態の樹脂製容器の正面図である。
図3】本発明に係る実施形態の樹脂製容器の上面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0022】
以下、本発明に係る樹脂製容器の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。なお、本実施形態では、樹脂製容器の一例として、一例としてポリエチレン・テレフタレート(PET)製の飲料用ボトル(プラスチックボトル)を挙げて説明する。
【0023】
(樹脂製容器)
図1は、樹脂製容器1の正面斜視図である。図2は、図1に示す樹脂製容器1の正面図である。図3は、図1に示す樹脂製容器1の上面視図である。
中心軸Oに沿って口部2側を上側、底部6側を下側とする。樹脂製容器1の中心軸Oに沿う方向を「軸方向」、軸方向と直交する方向を「径方向」、中心軸Oの周りの方向を「周方向」とする。
【0024】
本実施形態の樹脂製容器1は、図1から図3に示すように、中心軸Oを中心として有底筒状に形成されたボトルである。
樹脂製容器1は、口部2と、容器本体3と、を備える。以下、樹脂製容器1を単に「容器」ということがある。
【0025】
<口部>
図1に示すように、口部2は、中心軸Oを中心とする筒状をなしている。口部2は、樹脂製容器1内に充填される図示しない内容物を注ぐ際の注ぎ口となる部分である。
口部2は、容器内に連通する開口部21を有する。開口部21は、軸方向の上方に向けて開口する円形状をなしている。開口部21は、容器内の飲料を流出可能な大きさに形成されている。
【0026】
口部2には、容器内を密封するための図示しないキャップが装着される。キャップは、開口部21を開閉可能とする。口部2の上端部側の外周面には、キャップが螺着される雄ねじ部が形成されている。但し、雄ねじ部に限定されるものではなく、キャップが嵌合する嵌合突起が外周面に形成されていてもよい。
【0027】
<容器本体>
容器本体3は、筒状をなしている。本実施形態において、容器本体3は、円筒形状である。容器本体3は、肩部4、胴部5及び底部6を有し、飲料を充填可能な大きさに形成されている。
図2に示すように、肩部4は、軸方向において口部2の下方に隣接して設けられている。肩部4は、径方向から見て、口部2の下端から下方に向かって漸次拡径する弧状となっている。
【0028】
肩部4は、肩基部40と、第1加飾部41と、第2加飾部42と、を有する。肩基部40は、口部2の下端から漸次拡径する筒状をなしている。第1加飾部41および第2加飾部42は、肩部4に沿って、肩基部40の外側に向けて突出している。肩部4において、肩基部40と、第1加飾部41と、第2加飾部42とは、凹凸を形成している。
【0029】
図3に示すように、第1加飾部41は、軸方向から見て中心軸O周りに放射状に延び、先端が先細る形状を有している。本実施形態において、第1加飾部41は、いわゆる広楕円形や狭楕円形の葉片を模している。
【0030】
図1および図2に示すように、第1加飾部41は、容器本体3の径方向外側から見て、上下方向に傾斜している。第1加飾部41は、加飾凸部43と、加飾凹部44と、を有する。
加飾凸部43は、一定の高さを有して樹脂製容器1の外方に向けて突出している。加飾凸部43の長手方向は、軸方向から見たとき、中心軸Oから肩部4の外側に向けて時計回りに流れるように設けられている。また、加飾凸部43は、中心軸O周りに不連続に設けられている。本実施形態において、加飾凸部43は、葉肉部分を模している。
加飾凹部44は、加飾凸部43の内側に設けられ、長手方向に延びている。加飾凹部44は、樹脂製容器1の内側に向けて凹んでいる。本実施形態において、加飾凹部44は、葉脈を模している。
【0031】
第2加飾部42は、円状に突出する。第2加飾部42は、軸方向から見て、表面積が第1加飾部41よりも小さい。また、第2加飾部42は、加飾凹部44のような凹みを有さなくてもよい。本実施形態において、第2加飾部42は、穀物等を模している。
【0032】
胴部5は、肩部4の下方に隣接して設けられている。胴部5は、軸方向に沿う筒状である。
胴部5は、第1環状補強リブ11と、胴上部51と、第2環状補強リブ12と、胴下部52と、第3環状補強リブ13と、を有する。
【0033】
第1環状補強リブ11は、肩部4と胴部5との間に形成されている。第1環状補強リブ11は、外周面に沿って一周に亘り凹み形成された溝である。
【0034】
胴上部51は、第1環状補強リブ11の下方に隣接して設けられている。胴上部51の外表面には、ラベルが巻かれる。胴上部51は、上下方向に等間隔を空けて周溝53が設けられている。本実施形態において、周溝53は、3本設けられているが、これに限られない。周溝53は、複数設けられていても、単数設けられていてもよい。
【0035】
第2環状補強リブ12は、胴上部51の下方に隣接して設けられている。第2環状補強リブ12は、外周面に沿って一周に亘り凹み形成された溝である。第2環状補強リブ12は、第1環状補強リブ11よりも凹んでいる。
【0036】
胴下部52は、第2環状補強リブ12の下方に隣接して設けられている。胴下部52は、胴下基部60と、複数の凸部と、を備える。胴下基部60は、胴上部51よりも縮径した筒状に設けられている。本実施形態において、複数の凸部は、第1凸部61と、第2凸部62と、を有する。第1凸部61および第2凸部62は、胴下基部60に沿って、外側に突出している。第1凸部61の最外径および第2凸部62の最外径は、軸方向に沿う断面において、直線を含んでいる。当該構成により、第1凸部61の最外径および第2凸部62の最外径は、胴下部52に隣り合う物品等に線接触することができる。
【0037】
胴上部51の最外径と、胴下部52の最外径とは、一致する。すなわち、胴上部51の最外径と、第1凸部61および第2凸部62の径方向外側における端部の最外径とは、一致する。
【0038】
第1凸部61は、径方向から見て胴部5の中心軸Oと交差するとともに湾曲して延び、先端が先細る形状を有している。本実施形態において、第1凸部61は、第1加飾部41と同様に、いわゆる広楕円形や狭楕円形の葉片を模している。
【0039】
第1凸部61は、凸部基部63と、凹部64と、を有する。
凸部基部63は、一定の高さを有して胴部5の径方向外側に向けて突出している。また、凸部基部63は、中心軸O周りに不連続に設けられている。本実施形態において、凸部基部63は、加飾凸部43と同様に、葉肉部分を模している。
凹部64は、凸部基部63の外表面に設けられ、凸部基部63の外表面中央部分に長手方向に延びている。凹部64は、胴部5の径方向内側に向けて漸次凹んでいる。本実施形態において、凹部64は、加飾凹部44と同様に、葉脈を模している。
【0040】
第2凸部62は、円状に突出する。第2凸部62は、表面積が第1凸部61よりも小さい。また、第2凸部62は、凹部64のような凹みを有さなくてもよい。本実施形態において、第2凸部62は、穀物等を模している。
【0041】
第3環状補強リブ13は、胴下部52の下方に隣接して設けられている。第3環状補強リブ13は、胴部5の下端に位置する。第3環状補強リブ13は、外周面に沿って一周に亘り凹み形成された溝である。第3環状補強リブ13は、第1環状補強リブ11と同程度に凹んでいる。
第1環状補強リブ11、第2環状補強リブ12および第3環状補強リブ13は、胴部5が径方向に変形することを抑えることができる。
【0042】
底部6は、胴部5の下方に隣接して設けられている。底部6の底面は、容器内側(軸方向内側)に向けて凹んでいる(不図示)。底部6の最外径は、樹脂製容器1の最外径を形成する。すなわち、軸方向から見て、底部6は、容器本体3のなかで最も拡径している。
【0043】
(作用効果)
製造時や流通時のラインにおいて、樹脂製容器1の最外径となる部分には、例えば搬送時の樹脂製容器同士の接触等により応力が集中する場合がある。上記実施形態によれば、胴上部51の最外径と、胴下部52の凸部の最外径とが一致するため、応力が胴部5の一部に集中することなく分散できるので、胴部5の剛性を確保することができる。また、側面視において、胴上部51の最外径と、胴下部52の凸部の最外径とが一致するため、美的外観を向上することができる。
【0044】
したがって、上記実施形態によれば、胴部5の剛性を確保しつつ、美的外観に優れた樹脂製容器1を提供することができる。
【0045】
上記実施形態において、胴下部52の凸部の最外径は、軸方向に沿う断面において、直線を有する。当該構成によれば、例えば、複数の樹脂製容器1が陳列されている際に、凸部と、凸部とが、線接触するため、応力が胴下部52の一部に集中することなく分散できる。よって、胴部5の剛性を確保することができる。また、側面視において、胴下部52は、軸方向に沿う直線を有するため、美的外観を向上することができる。
【0046】
上記実施形態は、形状の異なる複数の凸部として、第1凸部61と、第2凸部62と、を有するため、美的外観をより向上することができる。
本実施形態において、第1凸部61は、葉片を模しており、また、第2凸部62は、穀物を模しているため、購買者に自然を想起させ、美的外観をより向上することができる。
【0047】
上記実施形態において、第1凸部61は、長手方向に延びる凹部64を有する。上記実施形態によれば、凹部64がリブのように機能し、特に胴下部52の剛性を向上させることができる。具体的に、胴下部52の強度や、圧力吸収機能を向上することができる。胴下部52の第1凸部61が凹部64を有することにより、胴下部52の外観にメリハリを設けることができ、美粧性を向上させることができる。また、凹部64の凹み深さを調整することによって、樹脂製容器1の容量調整が可能となる。
また、本実施形態において、凹部64は、第1凸部61の形状に対して、葉脈をイメージさせるため、美的外観をより向上することができる。
【0048】
上記実施形態において、肩部4は、第1加飾部41と、第2加飾部42と、を有する。
そのため、上記実施形態によれば、キャップの開閉時において、肩部4を把持する場合、第1加飾部41および第2加飾部42が滑り止めとして機能する。
また、第1加飾部41の凸部基部63および凹部64と、第2加飾部42とで凹凸を形成しているため、肩部4が径方向に変形することを抑えることができ、肩部4の剛性を確保することができる。肩部4の剛性を確保することができれば、キャップの開閉時において、胴部5を把持する場合、キャップが装着されている口部2から肩部4を介して胴部5までに生じる周方向のねじれによる、容器本体3の変形を抑えることができる。
【0049】
上記実施形態において、胴上部51は、上下方向に等間隔を空けて周溝53を設けている。そのため、上記実施形態によれば、胴上部51に、例えば熱収縮するシュリンクラベルを装着した際に、周溝53によってラベルが位置決めされるため、ラベルの上下方向への位置ずれを抑制することができる。また、周溝53を有することにより、胴上部51の強度を向上することができ、胴部5が径方向に変形することを抑えることができる。胴上部51の強度を向上することにより、胴上部51に、例えば巻き付け型のロールラベルを貼り付ける際の適性を確保することができる。よって、樹脂製容器1のライン搬送性を向上することができる。
【0050】
上記実施形態が有する構成は、包装材料(樹脂製容器1)の殺菌と、包装材料に充填する食品や飲料等の滅菌とを別々に行い、無菌環境下で食品や飲料等を容器に充填、包装する長期保存可能な製品に用いられる、「アセプティック容器」に適用することが好ましい。
アセプティック容器は、耐熱性が低くてもよく、樹脂の厚みを薄くすることができるため、容器そのものを軽量化できる。そのため、アセプティック容器は、強度を確保するのが困難となるが、アセプティック容器に本実施形態を適用することにより、樹脂製容器1の強度を確保することができる。
【0051】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0052】
本実施形態において、容器本体3が円筒形状である構成について説明したが、これに限られない。容器本体3は、例えば、略四角筒形状でもよい。容器本体3の胴部5が略四角筒形状の場合、側面視において、胴上部51の外側面と、胴下部52の凸部のうち径方向で最も突出する端部とが、中心軸と平行な仮想線上で一致すればよい。つまり、側面視において、胴上部51の最外面と、胴下部52の凸部の最外面とが、中心軸と平行な仮想線と線接触すればよい。
【0053】
本実施形態において、胴下部52に第1凸部61および第2凸部62が設けられている構成について説明したが、これに限られない。図1および図2に示すように、胴下部52には、第1凸部61および第2凸部62以外に、胴下基部60から凹む曲線状の線凹部70を設けてもよい。線凹部70を設けることにより、胴下部52の断面係数を大きくできるため、胴下部52の剛性をより向上することができる。
【0054】
本実施形態において、第2加飾部42および第2凸部62は、円状である構成について説明したが、これに限られない。第2加飾部42は、第1加飾部41よりも小さい表面積で径方向外側に突出していればよい。また、第2凸部62は、第1凸部61よりも小さい表面積で径方向外側に突出していればよい。
【0055】
本実施形態において、胴上部51にラベルが巻かれる構成について説明したが、これに限られない。ラベルは、胴下部52に巻かれていてもよく、胴上部51から胴下部52に亘って巻かれていてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…樹脂製容器
2…口部
4…肩部
5…胴部
6…底部
40…肩基部
41…第1加飾部
42…第2加飾部
51…胴上部
52…胴下部
53…周溝
61…第1凸部
62…第2凸部
64…凹部
O…中心軸
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の口部と、容器本体を形成する筒状の肩部、筒状の胴部、および有底筒状の底部と、が、上方から下方に向けてこの順に連ねられたアセプティック容器に用いられる樹脂製容器であって
前記胴部は、
胴上部と、
前記胴上部よりも下方に設けられ、前記容器本体の径方向外側に突出した複数の凸部を有する胴下部と、
を備え、
前記胴上部の最外径と、前記胴下部の前記凸部の最外径とが一致し、
前記凸部の最外径は、軸方向に沿う断面において、直線を含み、
前記凸部は、
前記容器本体の径方向から見て前記容器本体の中心軸と交差するとともに湾曲して延び、先端が先細る第1凸部と、
円状の第2凸部と、
を備え、
前記第1凸部は、
一定の高さを有して前記胴部の径方向外側に向けて突出する凸部基部と、
前記凸部基部の外表面に設けられ、前記凸部基部の外表面中央部分に長手方向に延び、かつ、上記軸方向に向けて凹む凹部と、
を有し、
前記凸部基部は、不連続に設けられ、
前記胴上部は、上下方向に等間隔を空けて周溝が設けられていることを特徴とする樹脂製容器。
【請求項2】
前記肩部は、
前記容器本体の径方向外側に向けて突出し、前記容器本体の軸方向から見て前記容器本体の中心軸周りに放射状に延び、先端が先細る第1加飾部と、
前記容器本体の径方向外側に向けて突出する円状の第2加飾部と、
を備える請求項1に記載の樹脂製容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様に係る樹脂製容器は、筒状の口部と、容器本体を形成する筒状の肩部、筒状の胴部、および有底筒状の底部と、が、上方から下方に向けてこの順に連ねられたアセプティック容器に用いられる樹脂製容器であって、前記胴部は、胴上部と、前記胴上部よりも下方に設けられ、前記容器本体の径方向外側に突出した複数の凸部を有する胴下部と、を備え、前記胴上部の最外径と、前記胴下部の前記凸部の最外径とが一致し、前記凸部の最外径は、軸方向に沿う断面において、直線を含み、前記凸部は、前記容器本体の径方向から見て前記容器本体の中心軸と交差するとともに湾曲して延び、先端が先細る第1凸部と、円状の第2凸部と、を備え、前記第1凸部は、一定の高さを有して前記胴部の径方向外側に向けて突出する凸部基部と、前記凸部基部の外表面に設けられ、前記凸部基部の外表面中央部分に長手方向に延び、かつ、上記軸方向に向けて凹む凹部と、を有し、前記凸部基部は、不連続に設けられ、前記胴上部は、上下方向に等間隔を空けて周溝が設けられていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
製造時や流通時のラインにおいて、樹脂製容器の最外径となる部分には、例えば搬送時の樹脂製容器同士の接触当により応力が集中する場合がある。上記構成によれば、胴上部の最外径と、胴下部の凸部の最外径とが一致するため、応力が胴部の一部に集中することなく分散できるので、胴部の剛性を確保することができる。また、側面視において、胴上部の最外径と、胴下部の凸部の最外径とが一致するため、美的外観を向上することができる。
上記構成において、胴上部は、上下方向に等間隔を空けて周溝を設けている。そのため、上記構成によれば、胴上部に、例えば熱収縮するシュリンクラベルを装着した際に、周溝によってラベルが位置決めされるため、ラベルの上下方向への位置ずれを抑制することができる。また、周溝を有することにより、胴上部の強度を向上することができ、胴部が径方向に変形することを抑えることができる。胴上部の強度を向上することにより、胴上部に、例えば巻き付け型のロールラベルを貼り付ける際の適性を確保することができる。よって、樹脂製容器のライン搬送性を向上することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】