(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133938
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】ショーケースの排水口構造
(51)【国際特許分類】
A47F 3/04 20060101AFI20220907BHJP
F25D 21/14 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
A47F3/04 M
F25D21/14 A
F25D21/14 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032903
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤村 善紀
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幹生
【テーマコード(参考)】
3B110
3L048
【Fターム(参考)】
3B110AA12
3B110CA09
3L048AA01
3L048AA09
3L048CA02
3L048CB05
3L048CB07
3L048CB08
3L048CC01
3L048GA02
(57)【要約】
【課題】フィルタ詰まりが発生するまでの時間を長大化させること。
【解決手段】有底円筒状の形態を成し、側周部分412に複数の導入口412aが周方向に沿って所定間隔毎に形成されたフィルタ基部41と、フィルタ基部41の上端部より径方向外部に延在するフィルタフランジ部42とを備えたフィルタ部材40が、ショーケースの断熱底壁15に形成された排水口16aに設置されたドレン水受部材30に載置されてなり、フィルタ部材40は、フィルタフランジ部42の外周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第1堰部421と、フィルタフランジ部42の内周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第2堰部422とを備え、複数の第2堰部422は、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、互いに隣接する第1堰部421の相互間の間隔よりも小さい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底円筒状の形態を成し、かつ側周部分に軸方向に沿って延在する複数の導入口が周方向に沿って所定間隔毎に形成されたフィルタ基部と、
前記フィルタ基部の上端部より該フィルタ基部の径方向外部に延在するフィルタフランジ部と
を備えたフィルタ部材が、ショーケースの断熱底壁に形成された排水口においてドレン水の流出を許容する態様で設置されたドレン水受部材に載置されてなる排水口構造であって、
前記フィルタ部材は、
前記フィルタフランジ部の外周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に前記軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第1堰部と、
前記フィルタフランジ部の内周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に前記軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第2堰部と
を備え、
前記複数の第2堰部は、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、互いに隣接する第1堰部の相互間の間隔よりも小さいことを特徴とするショーケースの排水口構造。
【請求項2】
前記複数の導入口は、前記フィルタ基部の上端部に近接するにしたがって幅寸法が漸次大きく成る態様で形成され、
前記複数の第2堰部は、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、前記導入口の幅寸法の最大値と同程度であることを特徴とする請求項1に記載のショーケースの排水口構造。
【請求項3】
前記第2堰部は、前記フィルタフランジ部に一体的に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のショーケースの排水口構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースの排水口構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ショーケースの断熱底壁には、該ショーケースの収納室を冷却するために生じたドレン水を排出するための排水口が形成されており、この排水口を閉塞する態様でドレン水受部材が設置されている。
【0003】
このドレン水受部材は、底部にドレン水を一時的に貯留するトラップ部が形成されており、該トラップ部に貯留するドレン水の水位が所定の高さよりも高くなった場合に、流出口からドレン水を流出させるものである。
【0004】
ところで、排水口に向けて流れるドレン水には、塵や埃等の塵埃物が含まれているのが一般的であり、この塵埃物により排水口が詰まってしまうことを防止するために、ドレン水受部材にフィルタ部材を載置させている。
【0005】
フィルタ部材は、有底円筒状のフィルタ基部と、このフィルタ基部の上端部に該フィルタ基部の径方向外部に延在するフィルタフランジ部とを備えており、フィルタ基部の側周部分には、複数の導入口が周方向に沿って所定間隔毎に形成されている。
【0006】
かかるフィルタ部材により、ドレン水とともに流入する塵埃物をフィルタ基部の内部に溜めるようにし、ドレン水のみが導入口を通過するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に提案されているような排水口構造では、塵埃物がフィルタ基部の内部に貯留させることができるものの、貯留量が大きくなると導入口が閉塞されてフィルタ詰まりの発生を招来する虞れがあった。かかるフィルタ詰まりの発生を抑制するためには、フィルタ基部の内部に溜まった塵埃物を取り除く作業を行うことが必要となるが、この作業の頻度が高くなると、作業者にとっては煩わしいものとなる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて、フィルタ詰まりが発生するまでの時間を長大化させることができるショーケースの排水口構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るショーケースの排水口構造は、有底円筒状の形態を成し、かつ側周部分に軸方向に沿って延在する複数の導入口が周方向に沿って所定間隔毎に形成されたフィルタ基部と、前記フィルタ基部の上端部より該フィルタ基部の径方向外部に延在するフィルタフランジ部とを備えたフィルタ部材が、ショーケースの断熱底壁に形成された排水口においてドレン水の流出を許容する態様で設置されたドレン水受部材に載置されてなる排水口構造であって、前記フィルタ部材は、前記フィルタフランジ部の外周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に前記軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第1堰部と、前記フィルタフランジ部の内周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に前記軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第2堰部とを備え、前記複数の第2堰部は、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、互いに隣接する第1堰部の相互間の間隔よりも小さいことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記ショーケースの排水口構造において、前記複数の導入口は、前記フィルタ基部の上端部に近接するにしたがって幅寸法が漸次大きく成る態様で形成され、前記複数の第2堰部は、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、前記導入口の幅寸法の最大値と同程度であることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記ショーケースの排水口構造において、前記第2堰部は、前記フィルタフランジ部に一体的に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フィルタ部材は、フィルタフランジ部の外周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第1堰部と、フィルタフランジ部の内周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第2堰部とを備え、複数の第2堰部は、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、互いに隣接する第1堰部の相互間の間隔よりも小さいので、フィルタフランジ部に、複数の第1堰部と複数の第2堰部とで構成される領域に、ドレン水とともに誘導される塵埃物を貯留させることができ、フィルタ部材におけるフィルタ基部の内部に塵埃物が貯留するまでに要する時間を長期化させることができ、フィルタ詰まりが発生するまでの時間を長大化させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である排水口構造が適用されたショーケースの断面側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した排水口及びその周辺構造を上方から見た場合を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図2及び
図3に示したドレン水受部材とフィルタ部材との分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2及び
図3に示したドレン水受部材とフィルタ部材との分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図2~
図5に示したドレン水受部材とフィルタ部材とからなる排水口構造において、ドレン水の流れを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るショーケースの排水口構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態である排水口構造が適用されたショーケースの断面側面図である。ここで例示するショーケースは、ケース本体10を備えている。
【0017】
ケース本体10は、略直方状の筐体であり、断熱構造を有する収容室10aと、該収容室10aの下方域に設けられた機械室10bとが設けられている。収容室10aは、前面に開口(以下、前面開口ともいう)11が形成され、その内部には収納室12が画成されているとともに、空気循環手段20が設けられている。
【0018】
収納室12は、上記前面開口11を臨む態様で画成された室であり、複数の商品載置棚13が上下方向に沿って複数段並べて配設されている。
【0019】
空気循環手段20は、空気通路21と循環ファン22とを備えて構成されている。空気通路21は、吸込口23から吹出口24に至る空気の通路である。ここで吸込口23は、収納室12の内部の空気を吸い込むための開口であり、収納室12の左右方向に沿って延設されている。この吸込口23は、収納室12の下側前方縁部、すなわちケース本体10の前面開口11近傍の下部に配設されている。
【0020】
吹出口24は、収納室12の内部に空気を吹き出すための開口であり、収納室12の左右方向に沿って延設されている。この吹出口24は、収納室12の上側前方縁部、すなわちケース本体10の前面開口11近傍の上部に配設されており、細孔がハニカム状に構成されたハニカム構造を有する整流部材24aが取り付けられている。
【0021】
このような空気通路21は、収納室12の外部であってその下方にある下方ダクト21aと、収納室12の外部であってその背面側にある背面ダクト21bと、収納室12の外部であってその上方にある上方ダクト21cとを互いに連通した態様で構成されている。
【0022】
循環ファン22は、空気を循環させるものであり、下方ダクト21aの所定部位に配設されている。本実施の形態においては、循環ファン22は、下方ダクト21aの所定部位に配設されているが、本発明では、循環ファン22の配設部位は特に限定されるものではなく、循環ファン22の機能を発揮することができる個所であればどの部位に配設しても構わない。
【0023】
このような空気循環手段20においては、循環ファン22が駆動することにより吸込口23を通じて収納室12の内部にある空気を吸い込み、吸い込んだ空気が空気通路21を通過する態様で吹出口24まで送出し、吹出口24を通じて空気を収納室12の内部に吹き出させることにより、収納室12の内部と外部との間で空気を循環させるものである。
【0024】
上記空気通路21の背面ダクト21bには、蒸発器25が設けられている。蒸発器25は、機械室10bに配設された図示せぬ圧縮機や凝縮器等の冷凍機器とともに冷媒を循環させる冷媒循環手段を構成している。ここで圧縮機は、冷媒を圧縮するものであり、凝縮器は、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。この凝縮器で凝縮した冷媒は、膨張弁で断熱膨張されて低温低圧の状態にされる。
【0025】
蒸発器25は、循環ファン22が駆動することにより背面ダクト21bを下方から上方に向けて通過する空気と、膨張弁で断熱膨張された冷媒とを熱交換させるもの、より詳細には、冷媒を蒸発させることにより背面ダクト21b(空気通路21)を通過する空気を冷却するものである。この蒸発器25で蒸発した冷媒は、再び圧縮機に戻り圧縮されることになる。
【0026】
機械室10bは、収容室10aの下方域に設けられており、後方と左右が閉塞されている。この機械室10bの前面には機械室開口10cが形成されており、かかる機械室開口10cはキックプレート10dにより閉塞されている。
【0027】
上記機械室10bには、排出ダクト26が連通している。排出ダクト26は、空気通路21の背面ダクト21bの背面側において該背面ダクト21bとは区画されて設けられており、上下方向に沿って連通している。この排出ダクト26は、下部に排気導入口26aが形成されており、上部に排出口26bが形成されている。排気導入口26aは、機械室10bに連通する開口である。排出口26bは、排出ダクト26を通過した空気を外部に排出するための開口である。
【0028】
ケース本体10において、収納室12と機械室10bとを区画する断熱底壁15には、排水孔16が形成されている。排水孔16は、蒸発器25等で生じたドレン水を排出するための孔であり、断熱底壁15を上下に貫通する態様で形成されている。この排水孔16の上面開口は、下方ダクト21aを臨んでおり、排水口16aを構成している。
【0029】
図2は、
図1に示した排水口16a及びその周辺構造を上方から見た場合を示す平面図であり、
図3は、
図2におけるA-A線断面図である。
【0030】
これら
図2及び
図3にも示すように、排水口16aを閉塞する態様で、本発明の実施の形態である排水口構造を構成するドレン水受部材30とフィルタ部材40とが設置されている。尚、ドレン水受部材30及びフィルタ部材40の構成については、これらドレン水受部材30及びフィルタ部材40が排水口16aを閉塞する態様で設置された状態で説明する。
【0031】
ドレン水受部材30は、例えば樹脂材料により形成されており、
図4及び
図5にも示すように、有底円筒状の受本体部31と、この受本体部31の上端部より径方向外部に延在する受フランジ部32とが一体に成形されて構成されている。
【0032】
受本体部31は、外径が排水口16aの直径、すなわち排水孔16の内径よりも小さく形成されている。また受本体部31は、軸方向に沿った延在長さが、排水孔16の上下寸法よりも僅かに大きく形成されている。
【0033】
上記受本体部31の底部311の中心部分には、該受本体部31の軸方向に沿って延在する円筒状の流出管部312が形成されている。
【0034】
この流出管部312は、外径寸法が受本体部31の内径寸法よりも小さくなるように形成されており、上端部分が底部311より上方に突出するとともに、下端部分が底部311より下方に突出している。かかる流出管部312の上端には、ドレン水の流入を許容する流入口312aが形成されており、流出管部312の下端には、ドレン水を流出させる流出口312bが形成されている。受フランジ部32は、外径寸法が排水口16aの直径よりも大きく形成されている。
【0035】
そのようなドレン水受部材30は、排水孔16に上方から進入し、受フランジ部32が断熱底壁15における排水口16aの開口縁部に載置されることにより、該排水口16aを閉塞する態様で設けられている。
【0036】
このドレン水受部材30では、ドレン水が導入された場合に、ドレン水の水位が流入口312aに達するまでドレン水を底部311に一時的に貯留することができる。そして、ドレン水の水位が流入口312aよりも上方となる場合に、ドレン水受部材30は、底部311に貯留するドレン水の一部を流入口312aより流入させ、流出管部312の内部を通過させた後に、流出口312bより下方に向けて流出させるものである。
【0037】
つまり、ドレン水受部材30においては、底部311及び流出管部312により、ドレン水を一時的に貯留するトラップ部が形成されている。
【0038】
ところで、排水孔16の直下領域には、ドレン皿27が配設されており、ドレン水受部材30の流出口312bより下方に向けて流出されるドレン水は、ドレン皿27に貯留される。ドレン皿27には、ドレンシート271が立設されている。ドレンシート271は、ドレン皿27に貯留されたドレン水を毛管現象により吸引するものである。尚、ドレン皿27の後方側には送風ファン28が設けられている。
【0039】
フィルタ部材40は、例えば樹脂材料により形成されており、
図4及び
図5にも示すように、有底円筒状のフィルタ基部41と、フィルタ基部41の上端部より径方向外部に向けて延在するフィルタフランジ部42とが一体に成形されて構成されている。
【0040】
フィルタ基部41は、外径寸法が受本体部31の内径寸法よりも小さく、内径寸法が流出管部312の外径寸法よりも大きくなるように形成されている。
【0041】
このフィルタ基部41の底部分を成す底壁部411は、周縁部分から中心部分に向かうに連れて漸次上方に傾斜する態様で湾曲しており、その中心部分には、フィルタ基部41の上端開口を上方に向けて突出する態様で、ロッド状の摘み部411aが形成されている。
【0042】
フィルタ部材40の側周部分412は、底壁部411から上端に向けて延在するととともに、底壁部411から下方に向けても延在している。かかる側周部分412のうち、底壁部411から上端部に至る領域には、軸方向(上下方向)に沿って延在する複数の導入口412aが周方向に沿って所定間隔毎に形成されている。これら複数の導入口412aは、底壁部411から上端部に近接するにしたがって、幅寸法が漸次大きく成る態様で形成されている。
【0043】
フィルタフランジ部42は、外径寸法が受フランジ部32の内径寸法よりも大きくなるように形成された円環状を成すものである。このフィルタフランジ部42には、複数(図示の例では8つ)の第1堰部421及び複数(図示の例では30個)の第2堰部422が形成されている。
【0044】
第1堰部421は、フィルタフランジ部42の外周縁部において、周方向に沿って所定間隔毎にフィルタ部材40の軸方向(上下方向)に沿って延在する態様で該フィルタフランジ部42に一体的に設けられている。これら第1堰部421は、それぞれ円弧状に湾曲した板状体である。
【0045】
第2堰部422は、フィルタフランジ部42の内周縁部において、周方向に沿って所定間隔毎にフィルタ部材40の軸方向に沿って延在する態様で該フィルタフランジ部42に一体的に設けられている。これら第2堰部422は、上下方向が長手方向となる長尺ロッド状部材である。
【0046】
これら複数の第2堰部422においては、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、互いに隣接する第1堰部421の相互間の間隔よりも小さくなるように形成されており、より詳細には、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、導入口412aの幅寸法の最大値と同程度となるように形成されている。
【0047】
このようなフィルタ部材40は、フィルタフランジ部42が受フランジ部32に接するようにしてドレン水受部材30に載置されて排水口構造を構成している。
【0048】
ここでフィルタ部材40がドレン水受部材30に載置される場合、流出管部312と底壁部411との間には間隙が形成されて流入口312aが開放されており、フィルタ基部41の側周部分412のうち底壁部411から下方に向けて延在する部分の内面と、流出管部312の外面との間にも間隙が形成されている。
【0049】
以上のような構成を有する排水口構造においては、
図6に示すように、排水口16aに誘導されたドレン水は、第1堰部421の相互間を通過した後に第2堰部422の相互間を通過し、導入口412aから導入されてドレン水受部材30の底部311に貯留する。このドレン水受部材30の底部311に貯留するドレン水の水位が流出管部312の流入口312aより上方となる場合に、ドレン水の一部が流入口312aより流出管部312に流入し、この流出管部312の内部を下方に通過したドレン水が流出口312bより下方に流出して、ドレン皿27に貯留される。
【0050】
そして、上記排水口構造においては、フィルタ部材40は、フィルタフランジ部42の外周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第1堰部421と、フィルタフランジ部42の内周縁部に、周方向に沿って所定間隔毎に軸方向に沿って延在する態様で設けられた複数の第2堰部422とを備え、複数の第2堰部422は、互いに隣接するもの同士の相互間の間隔が、互いに隣接する第1堰部421の相互間の間隔よりも小さいので、
図2に示すように、フィルタフランジ部42の上部にて、複数の第1堰部421と複数の第2堰部422とで構成される円環状のキャッチエリアCEを形成することができ、ドレン水とともに誘導される塵埃物をキャッチエリアCEに貯留させることができる。このように塵埃物をキャッチエリアCEで貯留させることができるので、フィルタ部材40におけるフィルタ基部41の内部に塵埃物が貯留するまでに要する時間を長期化させることができる。よって、上記排水口構造によれば、フィルタ詰まりが発生するまでの時間を長大化させることができる。
【0051】
またキャッチエリアCEがフィルタフランジ部42の上部に形成されているので、フィルタ部材40をドレン水受部材30から離脱させて取り外した場合にも、該キャッチエリアCEに貯留された塵埃部を容易に除去することができる。
【0052】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0053】
上述した実施の形態では、互いに隣接する第2堰部422の相互間の間隔が、導入口412aの幅寸法の最大値と同程度であったが、本発明においては、互いに隣接する第2堰部の相互間の間隔が、互いに隣接する第1堰部の相互間の間隔よりも小さければ、その大きさは特に限定されるものではない。
【0054】
上述した実施の形態では、第1堰部421及び第2堰部422は、フィルタフランジ部42に一体的に設けられていたが、本発明においては、第1堰部及び第2堰部は、フィルタフランジ部に設けられていれば、該フィルタフランジ部と別体のものであってもよい。
【符号の説明】
【0055】
10…ケース本体、10a…収容室、10b…機械室、12…収納室、13…商品載置棚、15…断熱底壁、16…排水孔、16a…排水口、20…空気循環手段、21…空気通路、22…循環ファン、25…蒸発器、30…ドレン水受部材、31…受本体部、311…底部、312…流出管部、312a…流入口、312b…流出口、32…受フランジ部、40…フィルタ部材、41…フィルタ基部、411…底壁部、411a…摘み部、412…側周部分、412a…導入口、42…フィルタフランジ部、421…第1堰部、422…第2堰部、CE…キャッチエリア。