(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134000
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033000
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 恭佑
(72)【発明者】
【氏名】池田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】廣内 大
(72)【発明者】
【氏名】大倉 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 賢一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 友哉
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182DA22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板につき、共通使用するメーカーが多数存在する場合等、予め表示しておく情報量を抑えつつ管理情報を表示する。
【解決手段】遊技機において、主制御基板25には、所定の部品が実装される部品実装領域R1と、所定の部品が実装されない部品非実装領域R2と、が含まれ、部品非実装領域R2には、複数の記号と、当該記号との対応関係が認識可能な状態で示される管理情報と、が表示されるとともに、前記記号をレーザーにより付与可能な複数の特定領域を区分するマトリクス表Mが表示され、前記複数の特定領域のうち、一の領域は当該遊技機に対応する前記記号が付与されて表示される態様となるように構成され、他の領域はいずれの記号も表示されていないことを示す特定態様となるように構成され、前記管理情報には、製造者に関する情報が含まれるようにしてある。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の実行に関連して動作可能な所定の部品が実装される基板を備える遊技機において、
前記基板には、前記所定の部品が実装される第1領域と、前記所定の部品が実装されない第2領域と、が含まれ、
前記第2領域には、
複数の記号と、当該記号との対応関係が認識可能な状態で示される管理情報と、が表示されるとともに、
前記記号を所定の方法により付与可能な複数の特定領域を区分するパターンが表示され、
前記複数の特定領域のうち、
一の領域は当該遊技機に対応する前記記号が付与されて表示される態様となるように構成され、
他の領域はいずれの記号も表示されていないことを示す特定態様となるように構成され、
前記管理情報には、製造者に関する情報が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定態様には、いずれかの記号に加え所定の情報が付与されることで、当該記号の視認性を低下させた態様が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記記号には、第1記号と第2記号とが含まれ、
前記第2領域には、
前記第1記号との対応関係が認識可能な状態で一の製造者に関する管理情報が表示され、
前記第2記号との対応関係が認識可能な状態で他の製造者に関する管理情報が表示される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記管理情報には、当該基板の型番に関する情報が含まれ、
前記記号には、第3記号と第4記号とが含まれ、
前記第2領域には、
前記第3記号との対応関係が認識可能な状態で一の型番に関する管理情報が表示され、
前記第4記号との対応関係が認識可能な状態で他の型番に関する管理情報が表示される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記記号には、第1記号と第2記号と第3記号と第4記号とが含まれ、
前記第2領域には、
前記第1記号との対応関係が認識可能な状態で一の製造者に関する管理情報が表示され、
前記第2記号との対応関係が認識可能な状態で他の製造者に関する管理情報が表示され、
前記第3記号との対応関係が認識可能な状態で一の型番に関する管理情報が表示され、
前記第4記号との対応関係が認識可能な状態で他の型番に関する管理情報が表示され、
前記複数の特定領域は、前記第1記号又は前記第2記号が表示される第1の列と、前記第3記号又は前記第4記号が表示される第2の列とが区分されるように構成され、
前記第1の列及び第2の列はそれぞれ複数の領域に区分されるように構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2領域は、離間した複数の領域から構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場等に設置される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機に用いられる制御基板には、遊技機の製造者名や所定の管理記号などの管理情報を刻印することが法的な規則又は業界団体が自主的に定める内規(以下、まとめて「規則」という)に定められ、この管理情報によって正規品か否かを確認し得るようになっている。
ここで、遊技機の機種に応じて制御基板を共通使用するため、管理情報における設置対象に適合しない不適合情報を削除すると共に、削除した不適合情報に対応した適合情報だけを基板面に表示することで、管理情報の書き換えを容易にした技術が提案されている(特許文献1)。
このような技術は、複数の製造業者が制御基板を共通使用する場合にも用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技の実行に関連して動作可能な所定の部品が実装される基板を備える遊技機において、前記基板には、前記所定の部品が実装される第1領域と、前記所定の部品が実装されない第2領域と、が含まれ、前記第2領域には、複数の記号と、当該記号との対応関係が認識可能な状態で示される管理情報と、が表示されるとともに、前記記号を所定の方法により付与可能な複数の特定領域を区分するパターンが表示され、前記複数の特定領域のうち、一の領域は当該遊技機に対応する前記記号が付与されて表示される態様となるように構成され、他の領域はいずれの記号も表示されていないことを示す特定態様となるように構成され、前記管理情報には、製造者に関する情報が含まれるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の遊技機を手前から見た図、内部構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の内部抽選テーブル、配当テーブルを示す図である。
【
図4】第1実施形態のボタン操作有無抽選テーブル、ボタン操作無し演出の種別抽選テーブル、ボタン操作有り演出の種別抽選テーブルを示す図である。
【
図5】第1実施形態のシナリオ-演出テーブル、シナリオ抽選テーブルを示す図である。
【
図6】第1実施形態の疑似ボーナス演出抽選テーブル、正解ボタン演出の実行タイミング抽選テーブルを示す図である。
【
図7】第1実施形態のRT状態の遷移を説明する図である。
【
図8】第1実施形態の通常区間、有利区間の遷移、ステージ間の遷移を説明する図である。
【
図9】第1実施形態の通常演出を説明する図である。
【
図10】第1実施形態のCZ告知演出を説明する図である。
【
図11】第1実施形態のAT演出を説明する図である。
【
図12】第1実施形態の疑似ボーナス演出を説明する図である。
【
図13】第2実施形態の通常区間、有利区間の遷移、ステージ間の遷移を説明する図である。
【
図14】第2実施形態のCZ告知演出を説明する図である。
【
図15】従来の基板管理方法を説明するための説明図である。(a)は、部品非実装領域において管理情報(製造者名と型番)が表示されている制御基板の基板面を示す図である。(b)は、(a)に示す制御基板においてメーカーを変更する場合の説明図である。(c)は、(a)に示す制御基板において実装部品を変更する場合の説明図である。
【
図16】従来の基板管理方法における問題を示す第1の説明図である。
【
図17】従来の基板管理方法における問題を示す第2の説明図である。
【
図18】本発明に係る基板管理方法を示す第1の説明図である。
【
図19】本発明に係る基板管理方法を示す第2の説明図である。
【
図20】本発明に係る基板管理方法を示す第3の説明図である。
【
図21】本発明に係る基板管理方法を示す第4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施形態)
図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
(第1実施形態)
[遊技機10の構成]
遊技機10は、遊技場等に設置されるスロットマシンである。
図1に示すように、遊技機10は、前面に開口部を有する筐体10bと、開口部を開閉可能に覆う前扉10aとを備える。
図1、
図2に示すように、遊技機10は、メダル投入口11、BETボタン12、スタートレバー13、演出ボタン14(操作手段)、停止ボタン15(15L,15C,15R)(停止操作手段)、有利区間ランプ16、主表示部17(出力手段、操作報知手段)、副表示部18(出力手段、操作報知手段)、ランプ19、スピーカ20(出力手段)、リール21(21L,21C,21R)(変動表示手段)、ドラムユニット21a、メダル払出装置22、設定ボタン24、主制御基板25、副制御基板26を備える。
【0008】
なお、遊技機10は、主制御基板25、副制御基板26にそれぞれ設けられた記憶部、制御部を備え、各種演算処理、各種制御が可能な装置である。遊技機10、主制御基板25、副制御基板26は、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、遊技機10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0009】
メダル投入口11は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口11の内部には、メダルセレクタ11a(メダル検出手段)が設けられている。メダルセレクタ11aは、メダル投入口11に投入されたメダルを検出するセンサ等であり、検出信号を主制御部25b(後述する)に出力する。
【0010】
BETボタン12、スタートレバー13、演出ボタン14、停止ボタン15L,15C,15Rは、遊技者が遊技をするために操作する操作部である。
BETボタン12は、掛け数の設定に係る遊技者の操作を受け付け可能な操作手段の一例である。BETボタン12が操作されることにより、それぞれ、掛け数1枚、2枚、3枚が設定される。1枚、2枚、3枚のメダル掛け数によるゲームを、それぞれ1BET遊技、2BET1遊技、3BET遊技ともいう。
スタートレバー13は、リール21を回転し、ゲームを開始するための傾動操作を遊技者から受け付ける。
演出ボタン14は、演出を実行するための操作を遊技者から受け付ける。演出ボタン14が操作されることにより、例えば、各種情報を示唆、出力等するための演出が実行される。
演出ボタン14の操作を受け付け可能な期間では、表示部17,18等に「演出ボタン操作してください」等の明示的な報知を行う。これにより、遊技機10は、演出を変更する処理、各種情報を報知する処理等の制御を行う。また、遊技機10は、このような明示的な報知に加えて、後述するように、演出ボタン14の操作を受け付け可能な期間であることを示唆する演出を行う。
【0011】
停止ボタン15L,15C,15Rは、リール21L,21C,21Rの停止操作を行うための操作手段の一例である。停止ボタン15L,15C,15Rは、各リール21L,21C,21Rに対応して設けられており、変動表示されている図柄を停止するための操作を受け付け可能である。停止ボタン15L,15C,15Rは、例えば、各ボタンに内蔵されたLED等の発光手段が点灯することにより、押下操作可能な状態となる。
【0012】
有利区間ランプ16は、有利区間(後述する)に滞在中において、点灯するように制御される。なお、遊技機10は、有利区間ランプ16に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
主表示部17、副表示部18、ランプ19、スピーカ20等は、各種情報を出力することにより、報知手段、演出手段等として利用できる。
主表示部17、副表示部18は、液晶表示装置等である。各表示部17,18は、画像による各種演出、遊技における各種情報の表示等を行う。また、主表示部17は、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順を、押し順ナビ30L,30C,30Rを表示することにより、ナビゲート(報知)する。
ランプ19、スピーカ20は、発光、音による演出等を行う。
また、スピーカ20は、主表示部17の押し順ナビ30L,30C,30Rと同様に、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順を音出力によりナビゲートする。
【0013】
リール21(21L,21C,21R)は、図柄(識別情報)を変動表示する可変表示手段の一例である。
各リール21L,21C,21Rの周面には、複数(例えば20個)の図柄が表されている。
図柄の種類は、例えば、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「青7(青文字の7)」、「白7(白抜き文字の7)」等である。
ドラムユニット21aは、リール21L,21C,21Rを回転駆動させる装置である。ドラムユニット21aは、筐体10b内部に設けられている。
上記形態により、回転駆動されるリール21L,21C,21Rの周面の一部の図柄が、前扉10aの前面の窓部で視認されることにより、図柄が変動表示される。
なお、可変表示手段の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。また、可変表示手段の形態は、機械的なリールではなく、図柄を液晶表示装置等に表示する形態でもよい。
メダル払出装置22は、ホッパ22aに貯留されたメダルを、メダル払出口22bに払い出す装置である。
【0014】
設定ボタン24は、遊技場の管理者等の選択操作を受け付けることにより、各当選役の当選確率の設定(つまり遊技の有利度合の設定)を、後述する複数段階の設定1~6(複数の確率値(設定値))のなかから選択し、設定するために用いられる。
【0015】
図2に示すように、主制御基板25と、メダルセレクタ11a、BETボタン12、スタートレバー13、停止ボタン15、有利区間ランプ16、ドラムユニット21a、メダル払出装置22及び設定ボタン24とは、通信ケーブルで接続されており通信可能である。
主制御基板25は、主記憶部25a(記憶手段)、主制御部25b(遊技状態制御手段)を備える。
主記憶部25aは、遊技に関する遊技プログラム、各種抽選を行うためのテーブル、設定ボタン24によって選択された設定値(選択設定値)等の各種情報等を記憶する。
【0016】
主制御部25bは、主記憶部25aのプログラムによって動作する。これにより、主制御部25bは、遊技機10の遊技の進行に関する処理等を行う。
また、主制御部25bは、スタートレバー13等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、主記憶部25aに記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置22等の装置を制御することにより、遊技機10の遊技を実現する。
主制御部25bの詳細な処理は、後述する。
【0017】
副制御基板26と、演出ボタン14、主表示部17、副表示部18、ランプ19及びスピーカ20との間は、通信ケーブルで接続されており通信可能である。
副制御基板26は、副記憶部26a、副制御部26b(制御手段、操作態様判定手段)を備える。
副記憶部26aは、遊技に関する遊技プログラム、各種抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
副制御部26bは、主制御基板25の主制御部25bから一方向で送信される情報に基づいて、遊技機10の遊技に同期した演出等の処理、制御を行う。副制御部26bは、主表示部17、副表示部18,ランプ19、スピーカ20等を制御することにより、映像出力、ランプ発光、ファンファーレ音出力等による演出を行う。これらの出力、演出は、例えば、遊技状態の移行を報知するもの、各遊技状態に対応したもの等である。
副制御部26bの詳細な処理は、後述する。
【0018】
(各種テーブル)
図3~
図6は、第1実施形態の各種テーブルを説明する図である。
テーブル30a,30bは、主制御基板25の主記憶部25aが記憶し、テーブル31a~31c,32a,32b,33a,33bは、副制御基板26の副記憶部26aが記憶しているが、これらの記憶場所は、適宜変更してもよい。
図3の内部抽選テーブル30a、配当テーブル30bは、各ゲーム実行時に参照される。なお、内部抽選テーブル30aは、3BET遊技に関するものである。説明は省略するが、主記憶部25aは、1BET、2BET遊技に関する内部抽選テーブル、配当テーブルも記憶している。
【0019】
内部抽選テーブル30aは、各ゲームにおける各当選役の当選確率を規定する。内部抽選テーブル30aは、各当選役と、当選確率とを対応付けて記憶する。内部抽選テーブル30aは、設定1~6に対応した情報を有する。
内部抽選テーブル30aに示すように、設定は、設定1が最も低設定であり、設定6が最も高設定である。設定は、高設定である程、遊技者にとって有利である。このように、主制御部25bは、主記憶部25aに記憶した設定値、内部抽選テーブル30aに基づいて抽選処理を行うことにより、遊技の有利度合いを制御可能である。
なお、設定は、5段階以下でも、7段階以上でもよく、また、各種当選役の振り分け率も一部又は全部について同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
配当テーブル30bは、各ゲームにおける停止図柄の組み合わせと、メダル払出枚数とを対応付けて記憶する。
【0020】
図4のボタン操作有無抽選テーブル31a、ボタン操作無し演出の演出種別抽選テーブル31b、ボタン操作有り演出の演出種別抽選テーブル31c、
図5のシナリオ-演出テーブル32a、シナリオ抽選テーブル32b、
図6の疑似ボーナス演出抽選テーブル33a、正解ボタン演出の実行タイミング抽選テーブル33bは、それぞれ演出に関する情報を記憶する。これらのテーブル31a~31c,32a,32b,33a,33bに関する情報は、必要に応じて、遊技者に対して、ホームページ等で公開されてもよい。
各テーブルを用いた遊技の詳細は、後述する。
【0021】
[遊技機10の基本動作]
主制御基板25の主制御部25b、副制御基板26の副制御部26bは、以下のように、ゲームの基本動作を行う。
各ゲーム(実施形態では今回ゲームともいう)の開始時には、メダル(クレジットメダルも含む)を用いて掛け数の設定を行う。
掛け数の設定は、メダル投入口11から直接メダルを投入して設定する方法、BETボタン12を押下操作して設定する方法等を有する。
【0022】
メダル投入口11からメダルを投入する方法では、投入分のメダル枚数に対応する所定数の掛け数(ただし、メダル3枚に対応する掛け数「3」が上限)が設定される。
BETボタン12を用いる方法では、BETボタン12が操作される毎に、クレジットメダルから、それぞれ、1枚、2枚、3枚のメダル数が減算され、減算された分が掛け数として設定される。クレジットメダルは、メダル投入口11からのメダル投入や入賞により加算され、内部データとして例えば50枚までクレジット(記憶)することができる。
【0023】
このように設定された掛け数は、主記憶部25aに記憶される。そして、掛け数が所定数になったときに、1回の遊技を実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0024】
上記ゲーム開始可能な状態では、スタートレバー13の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー13が傾動操作(ゲーム開始操作)をされると、ゲームが開始される。実施形態では、このようにスタートレバー13の操作が有効な状態で操作されることを、「レバー操作」ともいう。レバー操作に応じて、リール21L,21C,21Rが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役等の複数の当選役(ハズレ役を含む)のなかから今回ゲームの抽選結果をリール21L,21C,21Rの停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。これにより、主制御部25bは、遊技媒体を付与するか否かに関して、内部抽選による判定を行う。
内部抽選処理では、複数の当選役のなかから今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
なお、実施形態では、内部抽選処理は、リール21L,21C,21Rが定常回転に達する前に完了するものとするが、リール21L,21C,21Rが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
【0025】
各リール21L,21C,21Rは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。このような定常回転に達すると、各リール21L,21C,21Rに対応して設けられた停止ボタン15L,15C,15Rが押下操作可能な状態(停止ボタン操作の有効化)となる。
このような状態において各停止ボタン15L,15C,15Rが押下操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組み合わせで停止するように、各リール21L,21C,21Rが停止制御される。
【0026】
なお、実施形態では、3つのリール21を停止するために3つの停止ボタン15が1回ずつ計3回操作される場合において、操作されるボタンを操作順に第1停止ボタン、第2停止ボタン、第3停止ボタンともいい、第1停止ボタン、第2停止ボタン、第3停止ボタンによって停止されるリール21を、それぞれ第1リール、第2リール、第3リールともいう。また、第1リール、第2リール、第3リールを停止するために各停止ボタンを遊技者が停止操作することを、第1リール停止操作、第2リール停止操作、第3リール停止操作ともいう。さらに、第1リール、第2リール、第3リールを停止するために停止操作された停止ボタンから遊技者の指等が離れたことを検出した時点後のことを、それぞれ第1リール停止操作後、第2リール停止操作後、第3リール停止操作後ともいう。
【0027】
そして、第3リール停止操作後に、入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせを判定した結果、所定の図柄の組み合わせであるときに入賞と判定され、図柄の組み合わせに応じた遊技価値が付与される。
【0028】
遊技価値の一例として、小役に対応する図柄の組み合わせの停止により、小役入賞が判定され、メダル払出装置22が駆動制御されることにより、メダル払出口22bに所定数のメダルが払い出される(
図3の配当テーブル30b参照)。
なお、メダルの払出は、クレジットメダルの上限数を超える分のみが払い出されるように構成することもできるが、所定のボタン等を事前に操作することにより、入賞が発生するごとに、入賞に対応するメダルが払い出されるように構成することもできる。
【0029】
停止状態では、リール21L,21C,21Rそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が機外から視認可能に停止(「停止表示」ともいう)する。これにより、主制御部25bは、上記内部抽選による判定結果に基づく態様で、変動表示している図柄を停止表示可能に制御する。
そして、主制御部25bは、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無を判定する。
主制御部25bは、中段(上下方向に連続する3つの図柄のうち中央)の入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせに基づいて、入賞の判定を行う。なお、入賞ラインは、これに限定されず、例えば、上段、中段、下段3つのラインと斜め2つのラインの計5ラインにしてもよく、また、これら5ラインのうち1以上の任意のラインにしてもよい。
【0030】
(当選役)
当選役は、例えば、「小役」、「リプレイ役」、「ボーナス役」等を有する。
「小役」に対応する図柄の組み合わせは、例えば、ベル役、レア役、チャンス目役、ハズレ役等である。
「ベル役」に対応する図柄の組み合わせは、入賞ライン上の「リール21L(左)・リール21C(中)・リール21R(右)」の順に、「ベル・ベル・ベル」である。
さらに、「ベル役」は、「共通ベル役」、「押し順ベル役1~6」を有する。
「共通ベル役」に当選時には、押し順に関係なく図柄の組み合わせが揃う。「押し順ベル役1~6(後述する)」の何れかに当選時には、押し順に従うことにより図柄の組み合わせが揃う。
【0031】
レア役は、チェリー役、スイカ役を有する。チェリー役の図柄の組み合わせは、「チェリー・ANY・ANY」(ただしANYは任意の図柄)であり、スイカ役の図柄の組み合わせは、「スイカ・スイカ・スイカ」である。
副制御部26bは、レア役に当選した遊技では、これらに対応する図柄の画像、又はその図柄を示唆する画像を、主表示部17に表示する。遊技者は、この表示に従って目押しをともなう操作、つまり、主表示部17等に表示された図柄と同じ図柄が入賞ライン上に停止するタイミングで各リール21L,21C,21Rの停止操作をすればよい。主制御部25bは、この停止操作に応じて、当選役に対応する図柄の組み合わせを停止表示する。
「チャンス目役」の図柄の組み合わせは、「ベル・スイカ・スイカ」等である。
【0032】
「リプレイ役」に対応する図柄の組み合わせの停止により、リプレイ入賞が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、すなわち、メダルを費やすことなく遊技可能な状態となる。
「リプレイ役」に対応する図柄の組み合わせは、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」(通常リプレイ)等である。
ボーナス役(リプレイ役及びボーナス役の重複)は、ボーナス役を有する。
「ボーナス役」に対応する図柄の組み合わせは、「白7・チェリー・ブランク」等である。この図柄の組み合わせの停止に基づいて、遊技状態は、ボーナス状態に移行する。
【0033】
(押し順)
押し順とは、停止ボタン15L,15C,15Rに対する操作順序である。
実施形態では、押し順をともなう当選役として、押し順ベル役1~6を有する。
以下のように、主制御部25bは、内部抽選による判定結果が押し順ベル役1~6であり、且つ、停止ボタン15L,15C,15Rへの操作態様が押し順に従ったものである場合に、ベル役に対応した図柄の組み合わせである「ベル・ベル・ベル」で、図柄を停止表示させる制御を実行する。
【0034】
AT状態(後述する)において「押し順ベル役1~6」に当選した場合には、副制御部26bが、主表示部17、スピーカ20を制御することにより、押し順を報知する制御を行う。押し順の報知は、例えば当選役が「押し順ベル役1」であれば、「1」、「2」、「3」の押し順ナビ30L,30C,30Rを左から右に順に主表示部17に表示し(
図1(A)参照)、「左」、「中」、「右」の音声をスピーカ20から出力することにより、停止ボタン15の操作順「15L→15C→15R」を報知する。
このように、主表示部17、スピーカ20は、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順に関する情報を出力する。
なお、主表示部17、スピーカ20に加えて、又はこれらに代えて、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順に点灯するランプ等を設けてもよい。
【0035】
遊技者が、このナビゲートに応じて、停止ボタン15を操作することにより、「押し順ベル役1」に対応する図柄の組み合わせが停止表示され、遊技者に遊技価値(規定枚数のメダルの払い出し、遊技状態の移行等)が付与される。
一方、「押し順ベル役1~6」に当選した場合に、押し順に従わずに、停止ボタン15を操作したときには、「押し順ベル役1~6」に対応する図柄の組み合わせが停止されない。詳細な説明は省略するが、実施形態では、このようなベル取りこぼしの操作がされた場合には、所定の図柄の組み合わせが停止表示し、また、1枚のメダルを払い出すように制御される。
【0036】
[遊技機10の遊技の流れ]
図7は、第1実施形態のRT状態の遷移を説明する図である。
第1実施形態の遊技機10の遊技の流れの一例を説明する。
主制御基板25の主制御部25b、副制御基板26の副制御部26bは、遊技機10を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(実施形態では「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
【0037】
(RT状態、ボーナス状態)
図7に示すように、遊技状態は、RT0状態、RT1状態(ボーナス移行待機状態)、ボーナス状態の間で移行可能に制御される。なお、本実施形態のRT状態は、2つであるが、1つ又は3つ以上であってもよい。
RT状態、ボーナス状態は、遊技機10の基本的な遊技状態である。
RTは、リプレイタイムの略称である。本実施形態のRT状態は、リプレイ役の当選確率が定められたRT0状態、RT1状態を有する。
図3の内部抽選テーブル30aに示すように、RT0状態は、ボーナス役が当選可能である。ボーナス状態は、例えば、共通ベル役のみが当選する遊技状態である。
RT0には、設定リセット後、RAMクリア後等に制御される。
RT0状態からRT1状態へは、ボーナス役に当選したことに基づいて移行する。
このため、RT1状態は、ボーナス役に内部当選した状態である。
RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態において、3BET遊技することにより、ボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「白7・チェリー・ブランク」が停止すると(ボーナス役入賞)、これに基づいてボーナス状態に移行する。
【0038】
ボーナス状態からRT0状態へは、ボーナス状態滞在中において、ボーナス状態の終了条件が成立したことに基づいて移行する。ボーナス状態の終了条件は、メダルの払い出し枚数が40枚を超えることである。ボーナス状態滞在中には、3BET遊技で共通ベル役のみが当選する。このため、6回の3BET遊技が実行されるとメダルが48枚(8枚払出×6回)が払い出され、RT0状態に移行することになる。
【0039】
上記処理によって、遊技機10は、基本的に、RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態で遊技が行われる仕様になっている。
すなわち、仮に、ボーナス役に当選しても、その報知が行われないので、遊技者は、ボーナス役に対応した図柄を停止表示させることが困難である。また、ボーナス状態に移行しても、獲得メダルの増加の期待が低いので、通常、遊技者は、ボーナス状態への移行を狙った遊技を行わない。
また、遊技機10は、店舗の開店前等に、店員等がRT0状態に滞在中においてボーナス役に内部当選した状態で、準備されるといった運用を想定している。遊技者は、この状態でも、獲得メダルの増加の期待が低いボーナス役の入賞を狙わない。また、遊技機10は、後述するように、RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態で3BET遊技をすることにより、各ステージでの遊技が進行し、さらに、ステージ間を移行する仕様である。
このため、遊技機10は、基本的に、RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態で、ボーナス役には入賞させずに、遊技させる遊技性を有する。
【0040】
(通常区間、有利区間)
図8は、第1実施形態の通常区間、有利区間の遷移、遊技状態の遷移を説明する図である。
図8に示すように、遊技機10の遊技区間は、通常区間、有利区間を有する。なお、
図8に示す各ステージの詳細な説明は、後述する。
通常区間は、通常ステージ滞在中の遊技区間である。なお、この場合の通常ステージは、設定変更後、同一設定打ち直し後、RAMクリア後の遊技、ATステージの終了後の遊技である。
【0041】
有利区間は、通常区間から移行後の通常ステージ(つまり、遊技状態は、通常ステージに継続して滞在した状態で、通常区間から有利区間へ移行可能である)、通常ステージから移行後のAT状態に滞在中の遊技区間である。
通常区間から有利区間への移行条件は、通常区間滞在中において、RT1状態の滞在中に、ハズレ役以外の役に当選したことである。ハズレ役以外の役に当選した場合は、当該当選ゲームの第3リール停止操作後に、通常区間から有利区間に移行する。
有利区間から通常区間への移行条件は、ATステージから通常ステージへ移行したことである。
また、主制御部25bは、遊技状態がいずれの状態であっても有利区間リミッタに到達した場合、つまり、有利区間における差枚数が1500枚に到達、又は有利区間におけるゲーム回数が2400Gに到達した場合に、有利区間を強制的に終了する。
【0042】
(AT状態、非AT状態)
ATは、アシストタイムの略称である。AT状態は、ATに制御される状態であり、非AT状態は、非ATに制御される状態である。AT状態は、押し順ベル役1~6の当選時において、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順が報知されることにより、押順ベル役の入賞をアシストする遊技状態である。
非AT状態は、各ゲームの抽選結果が押し順ベル役1~6であっても、停止ボタン15L,15C,15Rの押し順が、報知されない。このため、遊技者は、基本的に押し順ベル役に対応した図柄の組み合せを、停止表示させることが困難である。
このため、AT状態中は、非AT状態中に比べて出玉スピードが速くなる。そのため、遊技機10の遊技性は、基本的に、遊技者がAT状態に長時間滞在するような遊技を狙って、出玉を増やすといったものになる。
【0043】
(遊技の流れ)
図8~
図12等を参照しながら、遊技の流れの詳細を説明する。
なお、実施形態では、ゲーム回数、ゲームが実行されること等を適宜「G」ともいう。
主制御部25bは、通常区間及び有利区間の移行制御と、前述したRT0状態、RT1状態及びボーナス状態間の移行制御と、
図8に示す各ステージ間の移行制御とを、独立して行うことができる。但し、前述したように、本実施形態の遊技は、基本的に、RT1状態で行われるため、各ステージの遊技は、基本的に、RT1状態に滞在した状態で行われる。
【0044】
図8に示すように、ステージ(遊技状態)は、通常ステージ(通常遊技状態)、前兆ステージ、CZ告知ゲーム、CZステージ、ATステージ(AT遊技状態、特別遊技状態)、疑似ボーナスに大きく分けられる。なお、実施形態では、CZ告知ゲーム等のように1Gのみ実行されるゲームであっても、ステージの概念に含む。
基本的な遊技の流れは、通常ステージから、前兆ステージ、CZ告知ゲーム、CZステージ、ATステージの順に移行後、ATステージから通常ステージに戻るといったものである。前兆ステージは、CZステージの前兆戦となるステージであり、前兆ステージに移行することにより、前兆ステージ、CZ告知ゲーム、CZステージの一連の遊技が実行されることが確定する。また、CZステージからは、ATステージに移行するか、又はCZステージから通常ステージに移行する。
【0045】
通常ステージ、前兆ステージ、CZ告知ゲーム、CZステージは、非AT状態である。このため、これらの遊技状態に滞在中には、獲得メダルが増加しにくい。
ATステージ、疑似ボーナスは、AT状態である。このため、遊技者は、ATステージ移行後にATステージに長く滞在すること、疑似ボーナスに多くの回数移行することによりメダルを大量獲得することができる。
そのため、遊技者は、通常ステージから遊技を開始して、まずは、CZステージに移行すること(詳細には、前兆ステージに移行することによりCZステージへの移行を確定させること)を狙う。その後、遊技者は、CZステージにおいて、通常ステージに移行せずかつATステージに移行することを狙い、さらに、移行後のATステージに、より長く滞在することを狙って遊技することになる。
【0046】
なお、遊技状態の移行制御は、
図8に示す態様に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、通常ステージに滞在中において、前兆ステージへの移行確率よりも、低確率でATステージへ移行するようにしてもよい。
【0047】
(各ステージ、及び各ステージの演出の詳細)
以下、各ステージの詳細を説明する。
なお、副制御部26bは、通常ステージ、CZ告知ゲーム、ATステージ、ボーナスステージでは、それぞれ通常演出、CZ告知演出、AT演出、疑似ボーナス演出を行う。これらの演出について、各ステージの説明とともに説明する。後述するように、これらの演出のうち、通常演出、AT演出、疑似ボーナス演出は、遊技機10の設定示唆をするものであり、また、CZ告知演出は、CZステージ移行前に、予め、CZステージの遊技情報を告知するものである。
【0048】
(通常ステージ)
通常ステージ滞在中は、有利区間移行後において、例えばベル役、レア役に当選時に前兆ステージへの移行抽選を行う。前兆ステージへの移行抽選の当選確率は、例えば、ベル役、レア役当選時の32/256等である。
通常ステージから前兆ステージへの、移行条件は、上記抽選に当選することであるが、これに加えて、有利区間消化ゲーム数が700Gに到達すること等の条件を加えてもよい。
【0049】
通常ステージの各ゲームでは、ベル役、レア役に当選した場合に、さらに、CZステージでのゲームで反映されるアイテム抽選(第1判定処理)が行われる。
アイテムの種別は、CZ継続アイテム(特別遊技状態の実行権利)である。
CZ継続アイテムは、CZステージの継続率を上乗せするアイテム、つまりCZステージの継続率を向上できる権利に対応したアイテムである。CZ継続アイテムの当選確率は、例えば、ベル役、レア役当選時において64/256等である。
【0050】
(通常演出)
副制御部26bは、レバー操作に応じて、通常演出を実行するか否かの抽選を行う。副制御部26bは、通常演出を実行することが当選した場合には、さらに、ボタン操作有無抽選テーブル31aを参照することにより、ボタン操作無し演出、ボタン操作有り演出のいずれを行うかの抽選を行う。
【0051】
図9に示すように、通常演出は、通常ステージにおいて、キャラクタの映像(動画等)を、主表示部17、副表示部18に表示するものである。
通常演出の継続期間は、レバー操作後のその1Gの期間内で実行されても、数G間に渡って実行されてもよい。
副制御部26bは、通常ステージ滞在中の各ゲームにおいて、通常演出を実行するか否かの抽選を行う。通常演出を実行する当選確率は、例えば1/10等である。
副制御部26bは、通常演出をすることに当選した場合には、さらに、ボタン操作有無抽選テーブル31aを参照することにより、ボタン操作無し演出、ボタン操作有り演出のいずれを行うかの抽選を行う。
ボタン操作有無抽選テーブル31aは、設定値が高くなる程、ボタン操作有り演出の当選確率が高くなるような情報を記憶している。
【0052】
後述するように、ボタン操作無し演出は、演出ボタン14のボタン操作(演出ボタン操作ともいう)がされても演出内容が変化しないものであり、一方、ボタン操作有り演出は、演出ボタン操作に応じて演出内容が変化するものである。
【0053】
テーブル31b,31cの詳細を説明する。
図4、
図9に示すように、ボタン操作有り演出、ボタン操作無し演出の両方とも、同様な演出A1~E1が実行される。
両テーブル31b,31cは、以下のような共通の性質を有する。
当選確率は、演出A1が最も高く、演出B1,C1,D1,E1の順に低くなっていく。このため、演出の希少度合いは、演出A1,B1,…,E1の順に高くなる。また、希少度合いが低い演出の当選確率は、低設定である程高く、また、希少度合いが高い演出の当選確率は、高設定である程高い。
【0054】
両テーブル31b,31cは、主に、以下の点が相違する。
例えば、演出A1の当選確率は、設定1~3において、ボタン操作有り演出の方が、ボタン操作無し演出よりも高い。このため、演出A1が当選して実行された場合には、ボタン操作有り演出の方が、ボタン操作無し演出よりも、低設定であることの信頼度が高い。
また、演出C1~E1の当選確率は、設定4~6において、ボタン操作有り演出の方が、ボタン操作無し演出よりも高い。このため、希少度合いが高い演出C1~E1が当選して実行された場合には、ボタン操作有り演出の方が、ボタン操作無し演出よりも、高設定であることの信頼度が高い。
このように、副制御部26bは、設定値が設定1~4(第1設定値)である場合よりも設定5,6(第2設定値)である場合の方が、ボタン操作有り演出によって設定値を示唆する確率が高くなるように制御可能である。
これにより、遊技機10は、ボタン操作有無抽選テーブル31aのボタン操作有り演出、ボタン操作無し演出の当選確率に基づいて、つまり、ボタン操作有り演出がどの程度当選したか等に基づいて、その遊技機10の設定値を遊技者に示唆することができる。
【0055】
なお、ボタン操作無し演出の演出E1(第1特別情報)と、ボタン操作有り演出の演出E1(第2特別情報)とは、両方とも、設定1~4(第1設定値)よりも高設定である設定5,6(第2設定値)のみが選択され、かつ、選択される確率が同じである。このため、ボタン操作無し演出で実行される演出E1によって設定値を示唆する場合と、ボタン操作有り演出で実行される演出E1によって設定値を示唆する場合とで、主記憶部25aに記憶されている設定が高設定であることを正しく示唆している割合が同一になるように制御可能である。
このように、遊技機10は、遊技者の関心が最も高く、高設定に直接的に関係する演出E1の選択率(最重要情報の選択率)を変えることなく、演出C1~E1全体の選択率の調整により信頼度の向上を実現している。
【0056】
図9(A)、
図9(B)に示すように、副制御部26bは、ボタン操作無し演出、ボタン操作有り演出の処理を、それぞれ以下の流れで行う。
(通常演出:ボタン操作無し演出)
(1)ボタン操作無し演出が当選した後、ボタン操作無し演出の演出種別抽選テーブル31bを参照することにより、演出A1~E1のなかから種別を抽選して決定する。
(2)決定した演出内容を、主表示部17に表示する。
図9(A1)に示すように、実施形態では、演出A1~E1に対応したキャラクタa1~e1(第1特別情報)の画像を表示する。
(3)その後、演出ボタン操作の有無に関わらず、つまり、演出ボタン操作された場合であっても、演出ボタン操作されなかった場合のいずれであっても、演出期間が終了するまで、同一のキャラクタの画像を、主表示部17に表示する。
図9(A)の例では、演出A1に対応した犬のキャラクタa1が、演出期間の間(演出開始から終了するまでの間)、主表示部17に継続して表示されている。
【0057】
(通常演出:ボタン操作有り演出)
(11)ボタン操作無し演出の上記(1)、(2)と同様に、ボタン操作無し演出の演出種別抽選テーブル31bを参照することにより、演出A1~E1のなかから種別を抽選して決定し、決定した演出に対応したキャラクタ(第1特定情報)を、主表示部17に表示する。
(12)主表示部17に表示していた演出を、副表示部18に表示する。これにより、副制御部26bは、キャラクタを、主表示部17から副表示部18に移動するように演出する。
図9(B2)の例では、副制御部26bは、(11)で決定した演出A1に対応した犬のキャラクタa1を、主表示部17から副表示部18に移動するように表示する。
副制御部26bは、キャラクタa1が副制御部26bに表示された時点から、演出ボタン操作を受け付け可能な状態に制御する。また、副制御部26bは、このようにキャラクタが表示部17,18間を移動するように表示することにより、演出ボタン操作を受け付け可能な状態であることを、遊技者に暗示的に示唆することができる。
(13)副制御部26bは、演出ボタン操作を受け付けたことに応じて、ボタン操作有り演出の演出種別抽選テーブル31cを参照することにより、演出A1~E1のなかから種別を抽選して決定する。そして、決定した演出に対応したキャラクタ(第2特定情報)を、副表示部18に再表示する。
図9(B2)、
図9(B3)の例では、副制御部26bは、副表示部18の表示を、犬のキャラクタa1から牛のキャラクタc1に変更して、再表示する。なお、牛のキャラクタc1は、副表示部18ではなく、主表示部17に再表示するようにしてもよい。
そして、演出ボタン操作に応じた再表示後の演出期間は、演出ボタン操作前の演出期間よりも、短い期間で終了するように制御される。つまり、
図9(B)の例では、牛のキャラクタc1の表示時間は、犬のキャラクタa1の表示時間よりも短くなるように制御される。
【0058】
副制御部26bは、この場合、演出ボタン操作されるまで、(12)の表示(
図9(B2)の犬のキャラクタa1参照)を継続し、演出ボタン操作されることなく操作を受け付け可能な期間が経過したときは、(12)の表示を終了する。この場合、遊技者は、(13)の表示(
図9(B3)の牛のキャラクタc1参照)を確認することはできない。
【0059】
なお、副制御部26bは、(11)で抽選決定された演出と、(13)で抽選決定された演出とが同一の場合には、演出を全く変化させなくてもよく、また、(13)の演出時において、同一の演出が再選されたことを分かるようにしてもよい。
同一の演出が再選されたことを分かるようにする手法として、例えば、両抽選において演出A1が当選した場合には、(13)の演出時にキャラクタの画像に加えて「再」等の文字を表示したり、再演出であることを示す効果音を出力する等してもよい。
【0060】
また、ボタン操作有り演出時の態様は、演出ボタン操作に応じて、
図9(B3)のように演出が切り替わったことが、遊技者が判別できる態様であれば、適宜変更することができる。
例えば、キャラクタの画像の大きさが、演出ボタン操作がされることにより、演出ボタン操作前よりも、大きさが変化するようにしてもよい。また、例えば、キャラクタを囲う背景の色が、演出ボタン操作がされることにより、期待度の高い色彩に変化するようにしてもよい。
【0061】
なお、上記ボタン操作無し演出の場合に、演出ボタン操作を促す表示をするかのように煽る演出(例えば、キャラクタが副表示部18に移動しようとするものの、主表示部17に滞在し続ける演出)を行ってもよい。この場合には、遊技者は、キャラクタが副表示部18に表示されないことにより、ボタン操作無し演出であることが、理解することができる。
このような変形は、後述する他ステージの演出においても、同様に行うことができる。
【0062】
上記処理により、遊技機10は、設定示唆の信頼度、つまり設定値を正しく示唆している割合を、ボタン操作有り演出の方がボタン操作無し演出よりも高くなるように制御可能である。
また、副制御部26bは、演出ボタン操作前のキャラクタ表示によって設定値を示唆する場合よりも、演出ボタン操作後のキャラクタ表示によって設定値を示唆する場合の方が、主記憶部25aに記憶されている設定値を正しく示唆している割合が高くなるように制御可能である。
【0063】
そのため、遊技者は、ボタン操作有り演出の際に、設定示唆の信頼度の高い演出を見るためには、演出ボタン操作をする必要がある。これにより、遊技者に対して、演出ボタン操作をするように、促すことができる。
この場合、遊技機10は、設定示唆の信頼度の高い演出を出力させるための操作を受け付け可能な期間において、演出ボタン操作を促す報知を行わない。つまり、演出ボタン操作を受け付け可能であることは、明示的な報知ではなく、
図9(B2)のようなキャラクタの表示部17,18間の移動等によって暗示的に示唆される。これにより、遊技機10は、興趣を向上できる。
さらに、表示部17,18は、ボタン操作有り演出時において、ボタン操作後のキャラクタの出力期間が、ボタン操作前のキャラクタの出力期間よりも短い期間となるように、キャラクタを表示可能である。このため、設定示唆を、この遊技機10の周辺に存在する人であって、この遊技機10の遊技者以外の人に、分かりにくい態様で行うことができる。
【0064】
なお、遊技機10は、ボタン操作有り演出、ボタン操作無し演出の当選確率にともなう設定示唆(つまりボタン操作有無抽選テーブル31aにともなう設定示唆)、演出ボタン操作の有無にともなう設定示唆(テーブル31b,31cにともなう設定示唆)の両方を実行するのではなく、いずれか一方を実行してもよい。
【0065】
また、通常演出のような演出は、通常ステージ中に関わらず、他のステージで行ってもよい。このような演出は、例えば、各種ボーナスの開始時、滞在中及び終了時、ATステージ開始時及び終了時等に、抽選で実行又は必ず実行してもよい。
【0066】
(前兆ステージ)
前兆ステージは、例えば、所定ゲーム数(例えば15G)行われる。
前兆ステージの各ゲームでは、CZステージでのゲームで反映されるアイテム抽選(第2判定処理)が行われる。この抽選は、ベル役、レア役に当選時等に行ってもよい。
アイテムの種別は、CZ突破アイテム(特別遊技状態の実行権利)であるが、これに加えて前述したCZ継続アイテムを抽選してもよい。
なお、これらのアイテムを獲得できたことに関する情報は、後述するように、CZ告知ゲームで報知され、前兆ステージでは報知されない。
CZ突破アイテムは、CZステージに移行後において、ATステージへの突破率を向上するアイテム、つまりATステージへの当選確率を向上できる権利のアイテムである。本実施形態では、CZ突破アイテムを獲得することにより、ATステージへの当選が確定する。このため、CZ突破アイテムは、遊技者にとっては、CZ継続アイテムよりも利益が大きい。CZ継続アイテムの当選確率は、例えば、ベル役、レア役当選時において1/256等である。
なお、CZ突破アイテムについても、通常ステージで抽選するようにしてもよい。
【0067】
また、アイテムとして以下のものを設けてもよい。
・復活アイテム
各対戦ステージで敵キャラクタに敗北することにより、本来、通常ステージへの移行が確定してしまう。このような場合でも、復活アイテムを消費することにより、各対戦ステージから次対戦ステージに継続可能である。つまり、復活アイテムは、CZステージの一部を突破可能とする権利である。
なお、復活アイテムは、CZステージの1つの対戦ステージを勝利できる権利(例えば1つのアイテムで第1戦に勝利でき、2つのアイテムで第2戦まで勝利できる等)のアイテム等でもよい。
また、復活アイテムを消費することにより、その対戦ステージが再度実行されるようにしてもよい。この場合には、敵キャラクタのHPが継続され、つまり、敵キャラクタは、受けたダメージが引き継がれる。このため、復活アイテムを消費した対戦ステージは、消費前よりも、遊技者が勝利する確率が高い。
このように、復活アイテムは、遊技者にとって、強力なサポートとなる。
【0068】
副制御部26bは、当選したこれらのアイテムの情報を、副記憶部26aに記憶する。
主制御部25bは、前兆ステージ終了後には、必ずCZ告知ゲームに移行する。
【0069】
(CZ告知ゲーム)
CZ告知ゲームは、CZステージに移行する直前のステージであり、1Gだけ実行される。
CZ告知ゲームでは、レバー操作に応じて、CZステージの基準継続率の抽選処理を行い、基準継続率を決定する。基準継続率は、例えば、50%、60%、70%である。当選確率は、例えば、50%が5/10、60%が3/10、70%が2/10等である。
主制御部25bは、CZ告知ゲームが終了することに応じて、CZステージへ移行する。
【0070】
(CZ告知演出)
図10に示すように、副制御部26bは、レバー操作に応じて、CZ告知ゲームで行われるCZ告知演出では、CZステージに移行後のゲームに関する情報として、CZステージの累計継続率(第1判定処理における当選確率)、付加情報(第2判定処理に関する情報)を主表示部17に告知する。
この場合、副制御部26bは、他の演出とは異なり、「演出ボタン操作をして下さい」等の文字を主表示部17等に表示することにより、演出ボタン操作を遊技者に対して明示的に促してもよい。
【0071】
CZステージの累計継続率は、CZ告知ゲームで決定した基準継続率の情報と、通常ステージで獲得したCZ継続アイテムの情報とを反映した情報である。すなわち、副制御部26bは、基準継続率と、CZ継続アイテムの1つあたり2%の継続率とを加算することにより、累計継続率を算出する。
後述するように、累計継続率は、CZステージに滞在中において、各対戦ステージから次対戦ステージへの基本的な移行確率、又は第3戦ステージからATステージへの基本的な移行確率を示す。
【0072】
図10(A)は、CZ告知ゲームで当選した基準継続率が60%であり、CZ継続アイテム及びCZ突破アイテムを獲得できなかった場合の例である。このため、CZ累計継続率は、基準継続率と同じ60%(60%+2%×0)となる。副制御部26bは、このCZ累計継続率を主表示部17に表示する。
図10(B)は、基準継続率が
図10(A)の例と同様に60%であり、前兆ステージで獲得したCZ継続アイテムが5つの例である。CZ累計継続率は、基準継続率60%と、CZ継続アイテム分の10%(2%×5つ)とを加算した70%となり、副制御部26bは、このCZ累計継続率を主表示部17に表示する。
【0073】
図10(C)は、基準継続率、継続アイテムの獲得数が
図10(B)の例と同様であり、さらに、CZ突破アイテムを獲得していた場合の例である。副制御部26bは、
図10(B)例と同様にCZ累計継続率70%と、これに並べて付加情報として「+α」という文字情報とを表示する。付加情報は、CZ突破アイテムと別に、何らかのアイテムを獲得できていたことを示唆する情報である。
遊技者は、CZ告知演出において、この付加情報を確認することにより、前兆ゲームにおいてCZ突破アイテムを獲得できていたことを推測できる。また、遊技者は、CZステージに移行後の遊技では、ATステージに移行できる確率が、基本的な移行確率である累計継続率よりも格段に向上しており、有利に遊技を進めることができるであろうと予測できる。
【0074】
なお、付加情報の表示態様は、限定されず、例えば、CZステージ継続率に並べて主表示部17に表示してもよく、副表示部18等に表示してもよい。
また、付加情報の報知方法は、上記算出したCZステージの継続率以外であって、継続率向上に関する情報を報知に関するものであれば、「+α」といった表示ではなくてもよい。例えば、付加情報の報知方法は、例えば、「別抽選有り」というような、明示的な文字情報を表示するものでもよく、また、上記算出したCZステージの継続率として、付加情報に関する継続率を反映して算出し、この算出結果を表示するようにしてもよい。
【0075】
さらに、後述するようにCZステージでは3回の継続抽選が行われるため、基準継続率70%(1つの対戦ステージあたりの勝率が70%)の場合、3回の対戦ステージの全てで勝利できる確率は、34.3%となる。付加情報は、この34.3%に、特別抽選による勝率と反映させた情報を表示してもよい。
【0076】
(CZステージ)
CZステージは、ATステージへの移行をかけて遊技を進行するステージである。
CZステージからATステージへの移行条件は、以下のいずれかである。
・3体の敵キャラクタと対戦し、これらに勝利すること
すなわち、CZステージは、第1対戦ステージから第3対戦ステージの3つのステージから構成されており、各対戦ステージで一体の敵キャラクタと対戦するような演出が行われる。この場合、例えば、ベル役に当選する毎に、敵キャラクタの体力を徐々に減少させるような演出をしてもよい。
各対戦ステージにおいて敵キャラクタに勝利することにより次対戦ステージに順次移行し、そして、第3対戦ステージで敵キャラクタに勝利することにより、ATステージに移行する。一方、各対戦ステージにおいて敵キャラクタに敗北すると、つまり、敵キャラクタに勝利できない状態で各対戦ステージが終了することに応じて、通常ステージに移行する。
前述したCZ告知演出で表示されるCZ累計継続率(例えば70%等)は、各対戦ステージから次対戦ステージへの移行確率、及び第3対戦ステージからATステージへの移行確率である。
【0077】
・ATステージへ直接移行の抽選に当選すること
すなわち、主制御部25bは、上記敵キャラクタとの対戦にかかる移行処理の他に、ATステージへ直接移行の抽選処理を行う。この直接移行抽選は、前兆ステージにおいて、CZ突破アイテムを獲得していた際に行われ、つまり、CZ告知演出において付加演出が実行された場合に行われる。
このため、遊技者は、CZ告知演出において付加演出が実行された場合には、CZステージ移行後の遊技において、この直接移行抽選が行われると推測できる。
【0078】
CZステージにおいて、上記AT記移行条件を満たした場合には、CZステージの最終ゲーム終了に応じてATステージに移行し、一方、上記移行条件を満たさなかった場合には、CZステージの最終ゲーム終了に応じて通常ステージに移行する。
【0079】
(ATステージ)
ATステージは、例えば、所定回数(例えば20G)のゲーム、所定差枚数の払い出し等を1セットとして、複数セット継続可能な遊技であり、最大10セットまで継続可能な遊技である。ATステージは、AT状態であるため、ATステージに長期間滞在する程、つまり、セットの継続回数が多い程、払い出しメダル数が多くなる。
なお、セットが継続する仕様は、10セット継続することに限定されず、適宜変更することができ、例えば、有利区間が終了するまでセットを継続すること等のようにしてもよい。
【0080】
ATステージからの移行先は、疑似ボーナス又は通常ステージである。
各セットに滞在中には、次セットへの継続抽選処理と、疑似ボーナスの抽選処理とが行われる。次セットへの継続抽選に当選した場合には、各セットの最終ゲーム終了後に、次セットの遊技が開始される。
【0081】
・疑似ボーナスの抽選処理
主制御部25bは、ATステージ滞在中において、疑似ボーナスへの移行抽選(当選確率が例えばレア役当選時の20%等)を行っている。主制御部25bは、疑似ボーナスへ移行することが当選した場合には、このゲームの第3停止操作後、遊技状態を疑似ボーナスに移行する。また、主制御部25bは、疑似ボーナスに移行することに応じて、ATステージの各種カウンタ(1セットにおける差枚数のカウンタ、1セットにおけるゲーム回数のカウンタ)を、疑似ボーナスに移行したセットに戻るまで、つまり、ATステージに戻るまで停止する。
【0082】
・通常ステージへの移行
主制御部25bは、以下の条件のいずれかを満たした場合には、ATステージから通常ステージに移行する。
・各セットにおいて次セットへの抽選が非当選であり、そのセットにおける遊技が終了したこと
・10セット目の遊技が終了したこと(つまりATステージを完走したこと)
通常ステージに移行する際には、リザルトステージ、つまり、ATステージの遊技結果(差枚数量等)を報知するステージ等を経由してもよい。
【0083】
(AT演出)
副制御部26bは、AT演出の処理を以下の流れで行う。
(31)副制御部26bは、ATステージへの移行時(例えば、ATステージに移行後の1G目のレバー操作時等)に、シナリオ抽選テーブル32bを参照して、シナリオ1~6のうち1つを抽選する。副制御部26bは、ATステージでは、当選したシナリオに対応した演出を行う。
図5に示すように、シナリオ抽選テーブル32bは、設定に応じて、シナリオの当選確率が異なっている。
シナリオ-演出テーブル32aに示すように、副記憶部26aは、6個のシナリオ1~6と、5つの演出A2~E2に関する情報とを記憶する。
シナリオ-演出テーブル32aは、各シナリオと、各セットで実行される演出とを対応付けて記憶する。例えば、シナリオ1と、シナリオ1の各セットで実行される演出(第1セットの演出B2、第2セットの演出B2、・・・・、第10セットの演出E2)とは、対応付いている。
なお、シナリオの抽選タイミングは、遊技機の機種、遊技の流れの仕様等に応じて、適宜変更してもよく、例えば、有利区間への移行時でもよい。
【0084】
図11(C)に示すように、各演出A2~E2と、次セットへの継続率とは、対応付いている。
つまり、各演出A2~E2と、継続率20%、40%、60%、80%、100%とが対応付いている。
このため、演出A2が実行されたセットは、次セットへの継続率が最も低く、また、演出E2が実行されたセットは、次セットへの継続率が最も高い。
【0085】
遊技者にとっては、継続率が高い演出を多く実行されるシナリオ程、有利である。
例えば、シナリオ6は、継続率が最も高い演出E2のみが実行されるので、遊技者にとって最も有利である。一方、シナリオ1は、演出A2~E2が順次実行され、かつ、1セット目では継続率が最も低い演出Aが実行されるので、遊技者にとって最も不利である。
このため、遊技者にとっては、シナリオ1,2,…,6の順に有利である。また、シナリオ抽選テーブル32bは、設定値が高い程、遊技者にとって有利なシナリオの当選確率が高い情報を記憶している。
【0086】
(32)
図11に示すように、副制御部26bは、AT演出では、通常演出と同様に、演出A2~E2に対応したキャラクタの画像a2~e2を表示する。なお、AT演出のキャラクタの画像は、通常演出のキャラクタの画像a1~e1を用いてもよい。
図11(A)、
図11(B)に示すように、AT演出のボタン操作無し演出の画面の遷移、ボタン操作有り演出の画面の遷移は、通常演出時(
図9(A)、
図9(B)参照)と同様である。また、ボタン操作有り演出は、通常演出時と同様に、演出ボタン操作後に再表示される期間が、演出ボタン操作前の表示期間よりも短くなるように制御される。
副制御部26bは、各セットに対応したAT演出を実行する場合には、
図4のボタン操作有無抽選テーブル31aと同様なテーブルに基づいて、ボタン操作有無抽選を行う。
演出を実行するタイミングは、各セットに滞在中に1回実行される形態であれば、適宜、仕様設定できる。このタイミングは、例えば、各セットの1ゲーム目のレバー操作時、各セットのうち任意の1ゲームのレバー操作時等の仕様にすることができる。
【0087】
但し、副制御部26bは、各セットにおいて、シナリオに対応した演出を行わずに、シナリオに対応した演出とは異なるガセ演出(偽演出)を行う場合がある。
つまり、例えば、シナリオ-演出テーブル32aでは、シナリオ1の1セット目と演出A2とが対応していても、実際の演出では、これとは異なる演出B2を行う場合がある。このため、副制御部26bは、ボタン有無抽選後、ガセ演出を行うか否かの抽選を行う。ガセ演出の当選確率は、ボタン操作有り演出の方がボタン操作無し演出の方よりも低く、例えば、ボタン操作無し演出のガセ演出の当選確率が40%、ボタン操作有り演出のガセ演出の当選確率が5%である。
【0088】
このように、AT演出は、各セットで実行される演出が異なる。遊技者は、各セットのAT演出の遷移を確認することにより、ATステージで実行されているシナリオを推測することができる。
【0089】
ここで、前述したように、ガセ演出の当選確率は、ボタン操作有り演出の方が、ボタン操作無し演出よりも低い。このため、ボタン操作有り演出は、ボタン操作無し演出よりも、シナリオに一致した演出を実行されやすく制御される。これにより、ATステージで実行されているシナリオと本来のシナリオと一致している信頼度は、ボタン操作有り演出は、ボタン操作無し演出よりも高い。
さらに、本来のシナリオと一致している信頼度が高い程、シナリオ抽選テーブル32bに基づく設定示唆の信頼度が高くなる。これにより、ボタン操作有り演出が多く実行されたステージでは、シナリオ抽選テーブル32bの設定示唆の信頼度が向上する。
【0090】
なお、AT演出では、
図11(B3)の再表示をする際に、演出ボタン操作をともなわない仕様にしてもよい。
【0091】
(疑似ボーナス)
疑似ボーナスの終了条件は、ベル役が規定回数当選すること、規定差枚数を超えること等である。
主制御部25bは、疑似ボーナスの終了条件を満たすことに応じて、遊技状態を、疑似ボーナス移行前のセットに戻す(移行する)。
【0092】
(疑似ボーナス演出)
図12に示すように、疑似ボーナス演出は、疑似ボーナス開始時、疑似ボーナスのゲーム中、疑似ボーナス終了画面表示時、及び疑似ボーナス終了後の1ゲーム目の4回のタイミングで実行される演出である。疑似ボーナス演出では、前述したボタン操作無し演出、ボタン操作有り演出に加えて、正解ボタン操作演出が実行される。なお、疑似ボーナス終了後の1ゲーム目は、疑似ボーナスと、疑似ボーナスから戻るセットとの間に実施されるゲームであってもよい。
副制御部26bは、各タイミングで実行する演出を、
図6の疑似ボーナス演出抽選テーブル33aを参照して抽選することにより決定する。
【0093】
正解ボタン演出は、4回のタイミングのうち1回のみに演出ボタン14の操作を受け付け、一方、他の3回には演出ボタン14の操作を受け付けない演出である。実施形態では、適宜、4回のタイミングのうち前者を正解のタイミング、後者を不正解のタイミング等ともいう。
【0094】
副制御部26bは、疑似ボーナスに移行後の1ゲーム目のレバー操作に応じて、正解ボタン演出の実行タイミング抽選テーブル33bを参照し抽選することにより、正解操作演出を実行するタイミングを4回のなから1つ決定する。
抽選処理で非当選であったタイミングにおける演出の態様(主表示部17への表示、BGM)等は、通常演出のボタン操作無し演出と同様である。
つまり、副制御部26bは、抽選処理で非当選であったタイミングでは、通常演出のボタン操作無し演出と同様な演出を行う。すなわち、副制御部26bは、非当選であったタイミングでは、レバー操作に応じてボタン操作無し演出の演出種別抽選テーブル31bを参照することにより、抽選により決定した演出を実行する。そして、演出ボタン14が操作された場合(不正解時)には、演出ボタン14の操作を受け付けず、つまり、演出ボタン14が操作されたか否かに関わらず、演出を維持して変更しない。
【0095】
一方、副制御部26bは、抽選処理で当選したタイミングでは、非当選であったタイミングと同様にボタン操作無し演出の演出種別抽選テーブル31bに基づいて決定した演出を実行する。そして、副制御部26bは、この演出の期間中に演出ボタン操作に応じてボタン操作有り演出の演出種別抽選テーブル31cを参照することにより、演出種別の再抽選処理を実行する。そして、副制御部26bは、先の主表示部17等の演出(ボタン操作無し演出の演出種別抽選テーブル31bに基づく演出)を、後の再抽選処理で当選した演出(ボタン操作有り演出の演出種別抽選テーブル31cに基づく演出)に切り替える。演出ボタン操作後の演出期間は、演出ボタン操作後の演出期間よりも短い。
【0096】
これにより、遊技機10は、4つのタイミングのうち適正なタイミングで演出ボタン操作を受け付けた場合(正解ボタン操作時)に、信頼度の高い演出を行うことができる。
また、正解のタイミング、不正解のタイミングであっても、テーブルに基づく演出が同様である。遊技者は、この演出が実行されても、正解、不正解の判別をすることはできない。
さらに、副制御部26bは、各演出タイミングで演出ボタン操作された後には、この後の演出タイミングには演出ボタン操作を受け付けない。例えば、疑似ボーナス終了後の1ゲーム目が当選していた場合において、疑似ボーナス開始時の演出時に演出ボタン操作されたときは、不正解となる。その後に、疑似ボーナス終了後の1ゲーム目において、演出時に演出ボタン操作されたとしても、副制御部26bは、演出を変更しない。
【0097】
上記処理によって、遊技者は、演出ボタン操作をするタイミングを、4回のタイミングのなかから1つを無作為に選択すること、つまり、4つの操作パターン(操作態様)のなかから1つを任意に選択することになる。そして、副制御部26bは、遊技者が選択し遊技者から操作を受け付けた実際の操作パターンと、内部抽選処理で決定した操作パターンとが一致していた場合に、設定示唆の信頼度を向上するような演出を行う。つまり、副制御部26bは、複数の操作パターンのうち正解の操作態様として内部的に選択されている操作態様と遊技者の行った操作態様が一致する場合に、キャラクタを再表示することによって選択設定値を示唆するように制御可能である。
このように、疑似ボーナス演出では、くじ引きのような遊びの要素を取り入れることにより、興趣を向上できる。
【0098】
なお、前述したように、疑似ボーナス演出では、ボタン操作無し演出、ボタン操作有り演出、正解ボタン操作のうち1つを実行する。
このため、遊技者は、これら3つの種別のうちどの演出が実行されているかを、予測する必要がある。これにより、さらに、正解ボタン操作を当てることの難易度を向上できる。
なお、副制御部26bは、疑似ボーナス演出のボタン操作有り演出では、演出ボタン操作されるまでの演出(第1演出)を、キャラクタが主表示部17に表示される状態を継続するようにしてもよい。つまり、疑似ボーナス演出のボタン操作有り演出では、
図9(B2)のような表示をせずに
図9(B1)のような表示を維持し、演出ボタン操作されたことに応じて、
図9(B3)の表示をしてもよい。この場合には、ボタン操作無し演出、ボタン操作有り演出、正解ボタン操作の3つの種別において、演出の前側部分が共通になるので、遊技者にとっては、これらの3つのうちいずれの演出が実行されているのが判別しにくい。これにより、遊技機10は、遊技者に対して、各タイミングにおいて演出ボタン操作するか否かを考えさせる要素を多くできるので、興趣を向上できる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態の遊技機10は、ボタン操作有り演出を実行すること等によって、設定示唆の信頼度を向上することができる。
これに対して、従来の遊技機は、設定示唆に関する演出を実行するものの、その信頼度が低く、疑問が多かった。
【0100】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同様な名称、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図13は、第2実施形態の通常区間、有利区間の遷移、ステージ間の遷移を説明する図である。
図14は、第2実施形態のCZ告知演出を説明する図である。
【0101】
図13に示すように、主制御部は、本実施形態のCZステージでは、各対戦ステージで敵キャラクタに敗北した場合でも、継続抽選、突破抽選(第2判定処理)を実行する。これらの当選確率は、設定値が高い程、高確率である。
第1戦、第2戦では、継続抽選、突破抽選を実行し、また、第3戦では、突破抽選を実行する。主制御部は、継続抽選に当選することにより次ステージへ移行するように制御し、また、突破抽選に当選することにより、ATステージへ移行するように制御する。一方、これらの抽選処理で非当選であった場合には、通常ステージへ移行するように制御する。これらの抽選処理を実行するタイミングは、限定されず、例えば、各対戦の1ゲーム目のレバー操作時、最終ゲームのレバー操作時等に行ってもよい。
また、主制御部は、CZステージにおいて突破抽選を行うので、前兆ステージでは、CZ突破アイテム抽選を実行しない。
つまり、本実施形態の遊技機は、CZステージでCZ突破アイテムを獲得する遊技性ではなく、CZステージで突破抽選を実行する遊技性を有する。
すなわち、継続抽選に当選することにより、CZステージの各対戦ステージにおいて敵キャラクタに敗北しても、次対戦ステージに移行可能とする権利が付与される。このため、継続抽選に当選することにより、第1実施形態の復活アイテムと同様な権利が付与される。継続抽選は、敵キャラクタとの敗北が確定した以降のゲームで行ってもよい。
また、突破抽選に当選することにより、ATステージへの移行が確定する権利が付与される。このため、突破抽選に当選することにより、第1実施形態のCZ突破アイテムと同様な権利が付与される。
【0102】
図14に示すように、CZ告知演出では、CZステージの累計継続率(第1判定処理における当選確率)、付加情報(第2判定処理に関する情報)を主表示部217に告知する。
累計継続率は、第1実施形態と同様に、基準継続率、CZ継続アイテムの情報とに基づいて算出される。
付加情報は、「+α」という表示であるが、第1実施形態のようなCZ突破アイテムを獲得している情報を示すのではなく、「CZステージでは、累計継続率に基づく抽選とは別の契機でCZステージを継続又は突破できること」を示唆する情報である。つまり、付加情報は、累計継続率に基づく抽選とは別に、継続抽選、突破抽選といった抽選が実行されることを示唆する。このため、付加情報は、CZステージからATステージする確率(特別遊技状態の実行権利が付与される確率)は、累計継続率よりも高いことを示唆可能である。
【0103】
以上説明したように、本実施形態の遊技機は、CZ告知演出では、CZステージの累計継続率に加えて、付加情報を主表示部217に表示する。これにより、例えば、累計継続率がCZステージを継続することが難しいと思われる程度に低いような場合であっても、遊技者に期待を持たせることができ、遊技意欲の低下を抑制できる。
【0104】
(基板管理方法)
次に、制御基板の管理方法について説明する。
主制御基板25や副制御基板26などの制御基板には、遊技の実行に関連して動作可能なCPU、半導体メモリ素子、LEDなどの部品が実装されている。
この種の制御基板は、遊技機の製造者名(以下、メーカー名とも称する)や制御基板の型番といった管理情報を表示することが規則に定められており、この管理情報によって正規品か否かを確認し得るようになっている。
制御基板は、複数のメーカーにより共通使用される場合や、一部の部品を仕様等の異なる他の部品に変更するなどして再利用される場合があり、このような場合、制御基板に表示されている管理情報を変更することが規則上求められる。
【0105】
従来の基板管理方法(管理情報の変更方法)について
図15を参照して説明する。
図15(a)は、制御基板の基板面を示す図である。
同図に示すように、制御基板の基板面は、部品が実装される領域(以下、「部品実装領域R1」という)と、部品が実装されない領域(以下、「部品非実装領域R2」という)とがあり、管理情報は、部品非実装領域R2において表示されるように形成される。
管理情報は、通常、基板製造時におけるパターン(銅箔)又はシルク印刷により形成される。
「AAA PB-S-1111」は、管理情報の一例である。
「AAA」は当該遊技機のメーカー名を示し、「PB-S-1111」は当該制御基板の型番を示す。
【0106】
ここで、メーカー(AAA)を、共通使用する他のメーカー(BBB)に変更する場合、
図15(b)に示すように、変更するメーカー名(BBB)を含む管理情報(BBB PB-Z-1111)を新たな領域にレーザーにより付与(印字)すると共に、元の管理情報をレーザーにより取消線を付与することで削除する。
また、実装している部品を仕様の異なる他の部品に変更することに伴い、型番を変更する場合、
図15(c)に示すように、対応する別の型番(PB-S-2222)を含む管理情報(AAA PB-S-2222)を新たな領域にレーザーにより付与すると共に、元の管理情報をレーザーにより取消線を付与することで削除する。なお、このようなケースは、PB-S-1111を大量生産してしまったことで当該制御基板を再利用する場合や当初からの予定で再利用する場合に生じ得る。
すなわち、従来の基板管理方法においては、メーカーや型番を変更する場合、元の管理情報を取り消して、変更後の管理情報を新たな領域に表示することが行われている。
しかしながら、この方法だと、管理情報の変更に際し、変更後の管理情報を印字するための領域(部品非実装領域R2)が必要になる。
特に、
図16に示すように、メーカーの変更が繰り返された場合(同図は当初の管理情報に対し6回の変更が行われたケースを示す)、変更のたびに、変更後の管理情報を新たな領域に追加することになるため、広い部品非実装領域R2が必要になる。
【0107】
「AAA」と「BBB」の2社で制御基板を共通使用する場合、
図17に示すように、メーカー名「AAA」を含む管理情報(AAA PB-S-1111)と、メーカー名「BBB」を含む管理情報(BBB PB-S-1111)の両方を予めパターン又はシルク印刷により形成しておき、一方の管理情報に対しレーザーにより取消線を付与することで、他方の管理情報を当初の管理情報として表示させる方法もある。
しかしながら、この方法においても、管理情報を変更する場合には、新たな領域(部品非実装領域R2)に管理情報を追加する必要があり、
図17に示すように、離間した狭い部品非実装領域R2しか残っていない場合は、管理情報を変更することすらできない。
このような観点からも、制御基板の面積(部品非実装領域R2の面積)を広くする必要がある。
特に、共通使用するメーカーが多数存在する場合や、再利用のために型番が多数存在する場合などは、予め表示しておく管理情報の数が多くなるため、基板の面積(部品非実装領域R2の面積)を広く確保しなければならず、そのことによって制御基板のコストが高くなる問題があった。
【0108】
このような従来の基板管理方法における問題に鑑み、本発明の遊技機10は、制御基板の部品非実装領域R2において、複数の記号と、当該記号との対応関係が認識可能な状態で示される管理情報(「記号・管理情報」)と、を表示するとともに、記号を所定の方法により付与可能な複数の特定領域を区分するパターン(マトリクス表M)を表示し、複数の特定領域のうち、一の領域は当該遊技機に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成し、他の領域はいずれの記号も表示されていないことを示す特定態様となるように構成した。
【0109】
図18は、本発明の基板の一例である主制御基板25の基板面を示す図である。
「基板」は、主制御基板25に限らず、副制御基板26等、管理情報を表示する必要のある各種制御基板を適用することができる。
図18に示すように、主制御基板25には、本発明の第1領域に相当する部品実装領域R1と、本発明の第2領域に相当する部品非実装領域R2とがあり、部品非実装領域R2において、「記号・管理情報」(記号と管理情報とを対応付けた情報)と、「マトリクス表M」とを表示する。
「記号・管理情報」及び「マトリクス表M」は、基板製造時におけるパターン又はシルク印刷により予め基板面に形成することができる。
【0110】
「AAA」、「BBB」、「PB-S-1111」、「PB-Z-1111」は、管理情報の一例である。
「AAA」及び「BBB」は、メーカー名(製造者に関する管理情報)の一例である。
つまり、共通使用するメーカーが2社であることを前提としている。
「PB-S-1111」及び「PB-Z-1111」は、型番(型番に関する情報)の一例である。
つまり、共通使用する型番が2つであることを前提としている。
(1)及び(2)は、「記号」の一例である。
「記号」には、「メーカー」の識別情報である第1記号(1)及び第2記号(2)と、「型番」の識別情報である第3記号(1)及び第4記号(2)とがある。
【0111】
「記号・管理情報」は、複数の記号と、管理情報との対応関係が認識可能な状態で示される情報である。
「(1)AAA」及び「(2)BBB」は、「メーカー」に関する「記号・管理情報」である。
つまり、「(1)AAA」は、第1記号(1)と一の製造者に関する管理情報(メーカー名:AAA)との対応関係が認識可能な状態で表示される「記号・管理情報」であり、「(2)BBB」は、第2記号(2)と他の製造者に関する管理情報(メーカー名:BBB)との対応関係が認識可能な状態で表示される「記号・管理情報」である。
「(1)PB-S-1111」及び「(2)PB-Z-1111」は、「型番」に関する「記号・管理情報」である。
つまり、「(1)PB-S-1111」は、第3記号(1)と一の型番に関する管理情報(PB-S-1111)との対応関係が認識可能な状態で表示される「記号・管理情報」であり、「(2)PB-Z-1111」は、第4記号(2)と他の型番に関する管理情報(PB-Z-1111)との対応関係が認識可能な状態で表示される「記号・管理情報」である。
なお、「記号」は、括弧付き番号に限らず、丸付き番号、マークなどの図形、英字などの文字、符号などを用いることができる。第3記号を(3)とし、第4記号を(4)とすることもできる。
【0112】
マトリクス表Mは、「記号」を付与可能な複数の特定領域を区分する罫線のパターンによって形成される。
マトリクス表Mは、
図18に示すように、「メーカー」に対応した1列目(第1の列)と、「型番」に対応した2列目(第2の列)とにより構成される。
なお、マトリクス表Mは、横型に限らず縦型などでもよく、区分数も「10」に限らず任意の複数に区分することができる。
【0113】
1列目の各特定領域は、第1記号(1)又は第2記号(2)がレーザーにより付与(印字)可能に構成され、2列目の各特定領域は、第3記号(1)又は第4記号(2)がレーザーにより付与(印字)可能に構成されている。
つまり、マトリクス表Mにおける複数の特定領域は、第1記号又は第2記号が表示される第1の列と、第3記号又は第4記号が表示される第2の列とが区分されるように構成され、第1の列及び第2の列はそれぞれ複数の領域に区分されるように構成される。
【0114】
例えば、主制御基板25を搭載する当該遊技機のメーカーが「AAA」で、型番が「PB-S-1111」の場合、1列目の最左欄(1番目)の特定領域にメーカー名「AAA」を示す第1記号(1)をレーザーにより付与すると共に、2列目の最左欄(1番目)の特定領域に型番「PB-S-1111」を示す第3記号(1)をレーザーにより付与する(
図18参照)。
なお、記号を付与する順番が分かるように、マトリクス表Mの各領域に対応する形で番号を付してもよい。または、矢印などで順番の方向を示すようにしてもよい。
すなわち、1列目においては、一の領域(1番目の特定領域)は当該遊技機に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成され、2列目においては、一の領域(1番目の特定領域)は当該基板の型番に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成される。
また、他の領域(2番目以降の特定領域)は、いずれの記号も表示されないことを示す空白(特定態様)としている。
【0115】
このような「記号・管理情報」及び「マトリクス表M」によれば、マトリクス表Mに表示されている「記号」(1)に基づき「記号・管理情報」を参照することで、当該遊技機のメーカー(AAA)や当該基板の型番(PB-S-1111)を特定することができる。
つまり、このような「記号・管理情報」及び「マトリクス表M」を施した制御基板によれば、当該遊技機のメーカーや当該基板の型番を適切に表示することができる。
【0116】
次に、「メーカー」を「AAA」から「BBB」に変更する場合であって、これに伴い、「型番」を「PB-S-1111」から「PB-Z-1111」に変更する場合について説明する。
この「1回目の変更」の場合、
図19に示すように、マトリクス表Mにおいて、1列目の2番目の特定領域にメーカー「BBB」を示す第2記号(2)をレーザーにより付与すると共に、2列目の2番目の特定領域に型番「PB-Z-1111」を示す第4記号(2)をレーザーにより付与する。
また、1列目の1番目の特定領域に付与されている記号(1)に対し、その上からレーザーにより取消線を付与すると共に、2列目の1番目の特定領域に付与されている記号(1)に対し、その上からレーザーにより取消線を付与する。
この結果、1列目においては、一の領域(2番目の特定領域)は当該遊技機に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成され、2列目においては、一の領域(2番目の特定領域)は当該基板の型番に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成される。
他の領域については、3番目以降の特定領域は空白に構成され、1番目の特定領域における記号(元の記号)に所定の情報(取消線)が加えられることで、当該記号の視認性を低下させた態様となり、これにより、当該特定領域は、いずれの記号も表示されていないことを示す特定態様となるように構成される。
元の記号に付与する情報は、取消線に限らず、例えば、×印、ハッチング、塗りつぶしなどでもよく、当該記号の視認性を低下させることが可能な情報であればよい。
【0117】
このような「記号・管理情報」及び「マトリクス表M」によれば、マトリクス表M(取消線が付与されていない2番目の特定領域)に表示されている「記号」(2)に基づき「記号・管理情報」を参照することで、当該遊技機のメーカー(BBB)や当該基板の型番(PB-Z-1111)を特定することができる。
つまり、「記号・管理情報」及び「マトリクス表M」を施した制御基板によれば、メーカーや型番の変更があった場合においても当該遊技機のメーカーや当該基板の型番を適切に表示することができる。
また、このような制御基板によれば、マトリクス表Mの中に情報(記号及び取消線)を追加するだけで管理情報の変更を適切に行うことができる。
【0118】
図20は、共通使用する2社のメーカー間で変更が繰り返された場合の主制御基板25の基板面を示す図である。
具体的には、メーカーの変更が6回(AAA→BBB→AAA→BBB→AAA→BBB→AAA)行われた場合を示している。
この場合も、前述した「1回目の変更」と同様の処理を変更の都度行う。すなわち、変更のたびに、次の特定領域に変更後の管理情報を示す記号を付与すると共に、元の記号に対し取消線を付与する。
この結果、1列目においては、一の領域(7番目の特定領域)は当該遊技機に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成され、2列目においては、一の領域(7番目の特定領域)は当該基板の型番に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成される。
他の領域については、8番目以降の特定領域は空白に構成され、1~6番目の特定領域における記号(元の記号)に所定の情報(取消線)が加えられることで、当該記号の視認性を低下させた態様となり、これにより、当該特定領域は、いずれの記号も表示されていないことを示す特定態様となるように構成される。
つまり、管理情報の変更回数が多い場合においても、新たな領域(部品非実装領域R2)に情報を追加することなく、マトリクス表Mの中で情報(記号や取消線)を追加するだけで、対応することができる。
このため、管理情報の変更回数が多数ある場合でも広い領域を必要としない。
図16と比較しても、上述した本発明に係る基板管理方法が、従来の基板管理方法に比べ、広い領域(部品非実装領域R2)を必要としないことを理解できる。
【0119】
また、このような「記号・管理情報」及び「マトリクス表M」を施した制御基板によれば、部品非実装領域R2が、離間した複数の領域から構成される場合であっても管理情報の変更に柔軟に対応することができる。
例えば、
図21に示すように、離間した狭い2つの領域しか空き領域がない場合でも、一方の領域に「記号・管理情報」を形成し、他方の領域に「マトリクス表M」を形成することが可能である。
この場合も、マトリクス表Mの中に情報(記号・取消線)を付与するだけで、相当回数の管理情報の変更に対応することができる。
図17と比較しても、本発明に係る基板管理方法が、従来の基板管理方法に比べ、離間した複数の領域を効果的に活用可能であることを理解できる。
【0120】
なお、上述の例は、共通使用するメーカーが2社の場合で、かつ、共通使用する型番が2つの場合だが、例えば、共通使用するメーカーが3社の場合は、メーカーに関する「記号・管理情報」を、「(1)AAA(2)BBB(3)CCC」のように構成すればよく、型番が3つの場合も同様である。
また、共通使用するメーカー数や型番数が異なる場合、それぞれの数に応じてメーカーに関する「記号・管理情報」や型番に関する「記号・管理情報」を構成すればよい。
【0121】
このように、本発明に係る基板管理方法によれば、共通使用するメーカーが多数の場合や、当該基板を再利用する場合などに、予めすべての管理情報を表示しておく必要がなく、予め表示しておく情報量を抑えることができる。
このため、基板(特に部品非実装領域R2)の面積を広く確保せずとも、多数の管理情報の変更に対応することができる
【0122】
以上のように、本発明の遊技機10は、制御基板の部品非実装領域R2において、複数の記号と、当該記号との対応関係が認識可能な状態で示される管理情報(「記号・管理情報」)と、を表示するとともに、記号を所定の方法により付与可能な複数の特定領域を区分するパターン(マトリクス表M)を表示し、複数の特定領域のうち、一の領域は当該遊技機に対応する記号が付与されて表示される態様となるように構成し、他の領域はいずれの記号も表示されていないことを示す特定態様となるように構成している。
これにより、管理情報の変更があった場合、マトリクス表Mの中に記号を付与するだけで適切に対応することができ、また、相当回数の変更に対応することができる。
このため、共通使用するメーカーが増えても確保すべき印字領域が増え過ぎることがなく、利用回数(変更回数)が多くなっても確保すべき印字領域が増え過ぎることがない。
従って、基板の面積を広くする必要がなく、コスト高になることを防ぐことができる。
【0123】
これに対し、従来の基板管理方法では、遊技機の機種に応じて制御基板を共通使用する場合や複数の製造業者が制御基板を共通使用する場合を考慮し、管理情報における設置対象に適合しない不適合情報を削除すると共に、削除した不適合情報に対応した適合情報だけを基板面に表示することが行われており、これにより管理情報の書き換えを容易にしている(特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来の基板管理方法だと、共通使用する製造業者が多数存在する場合や、当該基板を再利用する場合などに、予め表示しておく管理情報の数が多くなり、基板の面積(部品非実装領域)を広く確保しなければならなかった。
本発明によれば、このような従来の基板管理方法における問題の一部又は全部を解決することができる。
【0124】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
なお、前述した実施形態の各構成及び後述する変形形態の各構成は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0125】
(変形形態)
(1)実施形態において、ボタン操作有り演出は、演出ボタン操作の前後で、キャラクタの種別を変更する例を示したが、これに限定されない。ボタン操作有り演出は、演出ボタン操作の前後で、演出が切り替わったことを遊技者に報知できる態様であればよい。
例えば、演出ボタン操作後の演出(第2特定情報)は、演出ボタン操作前の演出(第1特定情報)に対して、特定のエフェクトを追加したものでもよい。この場合には、演出ボタン操作に応じて、例えば、演出ボタン操作前のキャラクタの背景を期待度の高い色彩に変化する、表示をそのままにして効果音を出力する、キャラクタの画像の大きさ変更する等してもよい。
【0126】
(2)実施形態において、設定示唆は、主に表示部の演出を利用する例を示したが、これに限定されない。出力手段としてランプ、スピーカ等を利用し、演出ボタン操作に応じて、光、音の演出を変化することにより、設定示唆を行ってもよい。この場合にも、演出ボタン操作後の演出期間を、演出ボタン操作前の演出期間よりも短くなるような制御を行えばよい。
【0127】
(3)実施形態において、疑似ボーナス演出の正解ボタン演出は、複数の操作タイミングから1つを選択する例を示したが、これに限定されない。
正解ボタン演出は、例えば、演出ボタンの連打回数が規定回数に満たした場合に、演出が変化するなどでもよい。また、複数のボタンの組み合わせなど、操作態様が正解していた場合に、演出が変化するなどでもよい。
また、正解ボタン演出は、操作タイミング自体は、ボーナス終了画面等で固定されていてもよい。さらに、演出ボタン操作後であって正解か不正解の確定前には、演出が変化することを煽る演出を行い、不正解が確定した時点でその煽りを終了させるような演出を行ってもよい。
【0128】
(4)実施形態において、疑似ボーナス演出は、各タイミングで、ボタン操作無し演出、ボタン操作有り演出、正解操作演出のいずれかを抽選する例を示したが、これに限定されない。疑似ボーナス演出は、全てのタイミングでボタン操作有り演出のみを実行するようにしてもよい。
【0129】
(5)実施形態において、通常演出等では、キャラクタが表示部間を移動すること等により、演出ボタン操作を受け付け可能であることを、暗示的に示唆する例を示したが、これに限定されない。演出ボタン操作を受け付け可能な期間において、このような示唆を行わずに、ボタン操作を受け付ける構成(いわゆる隠しボタン)としてもよい。
【0130】
(6)実施形態において、取得した各種アイテムに関する情報は、CZ告知演出のみにおいて、報知される例を示したが、これに限定されない。例えば、通常ステージ滞在中に獲得したCZ継続アイテムの個数に関する情報は、その通常ステージ滞在中に主表示部等に表示するようにしてもよい。
【0131】
(7)実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、これに限定されない。遊技機は、例えば、パチンコ、玉スロなどその他の遊技機でもよい。
また、遊技機は、メダルなどの現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆるメダルレス遊技機でもよい。さらに、遊技機は、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
(8)「基板管理方法」において、マトリクス表Mは、基板製造時にパターンやシルク印刷により形成することを説明したが、これに限るものではない。
例えば、マトリクス表Mに空きの特定領域がなくなった場合には、罫線をレーザーにより印字するなどして特定領域を追加すると共に、当該追加した特定領域に記号をレーザーにより付与してもよい。
この場合、連続する領域に特定領域を追加(延長)することが好ましいが、当該領域に空きがない場合など、離間した領域に特定領域を追加してもよい。
また、マトリクス表Mは、2列の構成に限らない。
例えば、「記号・管理情報」は、メーカーに関するものと型番に関するもののうち一方を適用することができ、この場合、マトリクス表Mは、適用した管理情報に対応するように1列で構成すれば足りる。この場合、適用しなかった管理情報は空き領域にレーザー印字してもよい。
また、管理情報の構成要素が「メーカー」及び「型番」以外にもある場合や増えた場合には、マトリクス表Mを3列以上に構成してもよい。
また、マトリクス表M(特定領域)における記号や取消線は、レーザー以外の方法(例えば、加圧による刻印やインクにより塗布・捺印等)により付与してもよい。
【符号の説明】
【0132】
10:遊技機
17,217:主表示部
18:副表示部
24:設定ボタン
25:主制御基板
25a:主記憶部
25b:主制御部
26:副制御基板
26a:副記憶部
26b:副制御部
R1:部品実装領域
R2:部品非実装領域
M:マトリクス表