(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134059
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】電子伝票の統合管理・運用システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220907BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021070017
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】592211231
【氏名又は名称】飯島 永和
(72)【発明者】
【氏名】堀内 信美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】業務全般を俯瞰し、事務運営・管理コストの大幅な削減と事務処理のスピードアップされた自動化からリモートによる、どこにいても、どこからでも伝票の確認や伝票作成・稟議決裁機能など統合的運営ができる電子伝票の統合管理・運用システムを提供する。
【解決手段】電子伝票の統合管理・運用システムは、自社オリジナルの伝票形式のままの伝票作成を支援し、伝票データ登録と同時に複数の先に同時配信し、送信先別に自動集計し、伝票の動きを管理し、保存する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子帳票保存法の改定などに伴い、業務用に活用される各種伝票の電子化と電子保存が可能になりました。電子請求書の発行業務に特化した仕様は存在しますが、全ての伝票の電子化が遅れています。
伝票は、自社だけで完結できないために、自社だけを電子化しても難しいと考える経営者が多くいます。単独でも発行できる機能が無かったためと想定します。「伝票の統合型運用・管理システム」として、伝票の簡易発行・配信・集計及び各種台帳への自動転記・自動メールでの報告・連絡業務の自動化など、伝票作成から発行や集計などでの業務の進捗状況が分析できる伝票の運用・管理機能までを盛り込みました。
【請求項2】
受け取った伝票は、自動的にヘッターとボディーとフッター情報に自動分解され、ボディー情報はアイテム別までの細分にまで分解されて保存されます。新規伝票は、ヘッタータイトルを変更するだけで新規伝票作成が可能になります。また、ボディー情報は、伝票タイトル別(見積書・納品書・請求書など)の保存ホルダーに格納されます。同時に、売掛や買掛台帳にも自動転記されるので、受け取り伝票を見ながらの台帳登録作業が一切不要となります。
ボディー情報を活用した、新規伝票には、起因となる伝票ナンバーがフッターに表記されるので、どの伝票から発生した伝票なのか、簡単検証が可能です。伝票検索画面から、コード入力するとバックナンバーの起伝票が表示できます。
【請求項3】
月次で締める請求書データは、ホストサーバに、取引先別の外部データとして格納されているデータを、双方から確認し、承認ボタンを双方が押すことで、請求金額の確定できます。買掛台帳や納品書などとつき合わせて、請求内容の検証業務が一切不要となります。もう、請求日前後の残業も一切なくなります。
【請求項4】
発行された、タイトル別の伝票を集計することで、実務型のSFA(セールス・フォース・オートメーション)の営業分析が可能になります。従来型の日報形式では見えない、金額目標や数量状況から値引き動向に至るまで具体的に集計・検証できます。紙伝票では絶対出来なかった、伝票別の伝票発行状況分析(今月の見込み・来月の予想など)が可能になります。
バックナンバーの紙伝票をデータベースに登録することで、過去歴との対比や時系列分析なども可能になります。
更に、ボディー情報活用のデータ集計は、支店・部門・個人別・商品別など伝票記載状況別にも集計でき、販売分析などが可能になります。
また、伝票別の進捗状況が集計することで、近日成約見込み状況なども予測できますので、営業支援にも活用できます。更に、重要顧客動向や商品別購入状況、定期購入品の顧客別売価設定などの販売分析も同時に行うことが出来ます。
顧客担当が変更になっても、顧客情報はデータ閲覧で完了しますので、引継ぎも容易になり、サービス低下を防ぐことが出来ます。
【請求項5】
請求書作成に当たり、1定期定額、2定期不定額、3不定期定額、4不定期不定額の4ブロックに分けて請求グループを分別管理します。請求書の発行の簡素化(定期定額の場合、金額変更は請求書の枚数関係なく1回修正すれば完了できる)や請求漏れをなくすためでもあります。
【請求項6】
請求書作成では、双方の売買状況自動的に検証し、「相殺決済」が自動的にできる仕様になっています。外部データと内部データを締め日でのデータつき合わせ、差額請求を自動化させました。
また、相殺電子領収書の発行まで自動処理が可能です。
【請求項7】
請求データの構築は、双方(取引先の納品数と受け取り確認での承認額が異なる場合=伝票記載日での集計と着荷日・検品後を入荷とする場合があります)が保持するデータ(外部データと自社の内部データ)を、締め期日に自動集計した、「今月の請求額のお知らせ」をホストサーバへ双方が見に来ることで確定する仕様となっています。つまり、請求書が来ると、納品書や買掛台帳と請求書に突合せ業務が一切不要になります。
さらに、請求伝票の中から一般税率と軽減税率の自動分別を同時に行い、預かり消費税集計も同時におこないます。
【請求項8】
相見積もりまで電子化します。見積もり依頼書を複数の事業者へ発信。見積もり返答を案件ごとのホルダーに自動集積できます。確定通知と、不採用通知も一斉発信が可能です。
もちろん、全見積書のバックナンバーも案件名にて保存可能です。
【請求項9】
伝票の中には、社員が会社に提出(休日出勤申請書・産休申請書・有給申請書・年末調整など)する各種伝票類約60種と、会社が社員に提示する伝票(給与明細や有給残数報告・社員貸与品管理報告書)、業務用に活用する伝票(会議室利用申請・会社備品の持ち出し申請書など)を含めると約100種近くあります。人手間と紙であるゆえに、提出・保存・管理まで考えると、必要コストとはいえない場合もあります。一部は電子化されていますが、ほとんど紙やメール対応での対応が大半です。社員にスマホは貸与していますので、スマホからこうした各種申請用紙の発行を電子化し、課目別の自動集計が簡単に出来る機能も併設します。
対象社員に一斉同報告知や、一斉社内伝票の回収・とりまとめが、遠隔でも可能になることで大幅なコスト削減が出来ると考えます。
また、社員からの意見投稿の公募やアンケートの配布などにも応用できます。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
販売の活性化を中心に、流通コンサルティング活動を40年近く携わってきました。PCによる業務改善提案とデータ分析において、大手データセンターの依頼を受け、販売データの分析支援なども行ってきました。販売分析に伴って改善点の提案を図るうえでのヒアリング項目で、伝票作成と管理について、多くの会社が課題としていることがわかりました。
伝票は自社だけが電子化しても、相手先の承認できないと運用することができません。大手企業なら、一方的に来月から電子化すると言われたら従うわけにはいきませんが、地方の中小企業からすると大変な負担でした。
電子帳票保存法やe文章法などの後押しもあり、請求書の電子化などが普及し始めてきていますが、断片的な業務だけが電子化しても、前後の業務がアナログである限り、真の業務改善には至らないと考えています。
【背景技術】
【0002】
中小企業向けのERP(エンタープライズ・リソース・プランニング=統合型運用管理システム)などの導入支援を10年近く実施してきました。そうした中で、日本の中小企業に適正なERPソフトがないこともわかりました。主に、会計ソフトを中心にした、社内充実型が大半を示しています。
中小企業の大半の電子化は、紙ベースの電子化が主な業務目的で、外部との連携までを想定したシステム連携や稼動を想定されていません。
そのため、外部と内部のデータ交信が必要な「伝票の電子化」の普及の妨げになっていることも分かりました。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-289081
【特許文献2】特開2006-172309
【特許文献3】特開2003-030571
【特許文献4】特開2002-011904
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2020年電子帳票保存法、2016年e文章法が改定され、各種伝票類や帳票類の電子化及び電子保存ができるようになりました。しかし、いまだに紙ベースでの各種伝票が主流で商業活動が行われています。電子化は取引する双方が同一機能を持つシステム導入が必要と思われてきたからです。
大企業の下請けがメインの会社は、大企業のシステムの一部を借用して稼動させていますが、中小の流通業などでは、複合的取引(大手商社から農家に至るまで)が行われている関係で商取引での紙ベースから開放されない環境となっています。そのことが、テレワークを含め業務の簡素化や省力化の妨げにもなっています。
【0005】
ERPなど、統合的運営システムを導入している会社は、簡単に伝票の電子化が可能ですが、中小企業ではここまでのシステム化がむつかしく、請求書など単一機能だけの電子化など進んでいますが、そうした断片的な電子化では、
1)請求書作成用のデータ入力(別途、同一データを売掛台帳用・入金後の消込処理など2度打ち・3度打ちが必要)の重複業務が発生する。
2)伝票データを確認しながら、別途入力をする=1入力エラーも発生する(責任者の確認業務もある)、2次の処理をする人は、前処理完了まで待たされる。3 集計時差が生じる。4締め日近くになると残業を強いられる、などの課題が潜んでいます。そのため、中堅ベテラン社員の温存され、若い人が育たない環境にもなっています。
3)紙伝票は社外から閲覧できないために、伝票確認のためだけの、休日出社や残業などが発生しています。
【0006】
伝票動向は、社外向け営業活動だけではなく、営業事務から経理業務から配送センターまで幅広くかかわってくる業務なので、断片的な電子化ではなく、業務を包括的な課題として取り込む体制が求められています。
しかし、紙資料の電子化が中心でシステム開発が行われ、運用支援策までソフト開発の視線が届いていないのが現状です。(
図2参照)
4)伝票運営のどの部分に時間を多く割いているか
5)同一業務(作業)がいくつあるのか=2度打ちや3度打ち
6)上長含め、担当責任者間での報告・連絡・相談から稟議決済まで、伝票発行や受入に関してどのようにかかわっているのか=留守のため稟議決裁が取れない=捺印がもらえない、捺印だけのために直帰できず帰社する。
7)業務の性質やサービス形態とのバランス=発行伝票の必要性や簡素化が可能なのか
8)社外伝票を受け、社内向け指示伝票(出荷指示・在庫確認書など)との連携業務なども、考慮した伝票発行機能が求められます。(
図3参照)
【課題を解決するための手段】
【0007】
事前準備として、発行先別に基本情報をデータベース登録し、
1)発行条件=納品書と同時に物品受領書の必要不要、請求書は合計で良いのか、明細書付が必要なのか、支払い条件、締め日と決済日など、事前契約にそって運用内容の登録行います。
2)伝票の2種(納品書と請求書など)・3種(納品書と請求書と領収証など)同時発行されている、現状と同様の対応を図ることが出来ます。
3)発行先宛名は、担当者名別の発行が必要なのか、法人宛名でよいのか
4)伝票発行時に、上長の稟議が必要な項目と不要な項目
5)伝票項目での数量呼称(個・ダース・箱など)の辞書機能を事前登録することで伝票発行を短時間処理を促進させます。
6)請求書発行時、1定期定額、2定期不定額、3不定期定額、4不定期不定額の4部門に請求特性を分けて分別自動集計できます。(
図12参照)
次に伝票発行・運用機能として、業務用伝票の発行属性は、(
図9参照)
1)見積書
2)発注書
3)受注確認書(受領書)
4)納品書
5)物品受領書
6)請求書
7)売(買)掛台帳
を様々な属性があります。現状活用中の全伝票を登録できます。
伝票の内容項目を分解してみると、どの伝票も3要素に分解できます。
a)ヘッター=宛名と発行元企業名・担当者・一部伝票条件と日時
b)ボディー=商品リストと売価や数量(単価と合計金額表記・消費税率)
c)フッター=メモや特記事項・メッセージ
の大きく3項目に分解できます。
その中で、ボディー情報は、見積書1)を受け取った段階の情報が、2)から7)まで、同一データが繰り返しデータ活用されます。この2度入力・3度入力の無駄を省くことで、大幅な事務コストと時間の削減に繋がります。
電子化された、伝票を受け取ると、伝票内容が自動的にa)b)c)に自動分解され保存されます。特にボディー情報は、アイテム単位まで細かく分解されて保存されます。受け取った伝票の、ヘッター要素を逆さの宛名会社を発行会社に、変更し、伝票タイトルを変換すれば、即新伝票が発行できます。もちろん、新しい常の追加も可能です。従来20分以上費やした伝票作成から発行業務がわずか1分で処理できることになります。(
図13参照)
紙伝票の場合も、スキャナで電子化し、OCR機能にて伝票データの分解を行えば、ほぼ完全電子化が実現できます。
また、データ化された伝票データは全て、コード体系(発行元会社・発行伝票・発行日時)で紐付けされているため、伝票発行起源がどの伝票から起伝したのかも簡単確認できます。=トレーサビリティ機能とダミー伝票の発行防止機能。
伝票発行には、導入企業別に自動配番されるコードNo.で運用されます。同一コードは永久欠番として、伝票暗号の再発行は一切出来ません。伝票上の発効日がパソコン上と異なる場合は、伝票管理は、PC日時が優先されます。未利用ナンバー付伝票は、自動的にフェイク伝票として認定し、受付け拒否されます。
過去データは、伝票ナンバーだけで、いつでも検索でき、表示が可能です。
集計及び補完機能として、
1)売(買)掛台帳登録の自動化(日計月計集計方式)消費税計算も同時対応
2)請求書データの自動作成(顧客別締日にあわせて、自動集計)
3)請求書の納品書等との突合せ閲覧は不要です。伝票検証機能の簡素化
4)支払いデータの自動集計
5)入金データの科目(現金振込み・手形・クレジットカード・電子決済=入金予定日が異なる)別スケジュール一覧表
6)入金・送金消し込み=入金登録と同時に電子領収証の発行が可能です。ただし、電子領収証の単独発行は出来ません。複数発行が出来ません。
7)会計データへのエクスポート機能(
図4参照)
までの伝票発行や受入に伴う様々な業務の半自動化を図ります。各種項目別の集計は、深夜のバッチ処理にて自動集計・合算されますので、翌朝には、見たい結果データの最新が閲覧できます。
ただし、データ閲覧には項目別に権限を付与し、部署や担当によって見えるエリアの制限を設けています。閲覧だけでなく、1印刷、2USBなど外部デバイスへのダウンロードなどにも制限を設けることが出来ます。
【0008】
伝票の発行と集計の簡素化機能が出来上がると、社内専用業務ではなくなり、外出先からスマホやタブレットから新伝票の受付や新規作成と発行も可能です。稟議が必要な場合は、担当者は登録と同時に、上長のスマホに稟議要請メールを送信させ、即座に決済返答がもらる体制ができます。メールでのオートリレーション機能なので、上長が離席中や重要会議中や外出であっても稟議決済が受けられます。いままで社内業務と社外業務が分別されていたが、スマホで社内情報が一体化できるので、社外活動にも積極的に時間集中できる体制が構築できます。
【0009】
伝票受信は新たな業務が発生すると考え、複数の関係者への報告や連絡業務として、メールでのリレーション機能は、稟議決済だけでなく、(
図5参照)
1)成果(受注)報告・・・出荷指示書・受注確認書・部署の成果集計
2)出荷報告・・・・・・・指定日発送荷物の発送済み報告を、発送と同時に出荷先や担当者にも同時に報告をする
3)出張先での仕入れ・・・入荷予定を配送センターや店舗に告知(いち早く予約受付の開始なども速やかに始められる)
4)営業が一番困る、出先での在庫情報の確認事項なども、いくら在庫管理のシステム化が出来ていても、入荷処理が遅れただけでも、営業にとっては致命傷にもなる場合が出てきます。速やかに、「**社から入荷完了」報告だけでも事前に分かっているか、いないかで、大きく営業支援策が異なります。社内で、ルール化されている、報・連・相業務のほとんどを自動連絡化が可能となります。
5)在庫の仮押さえや配送先の変更指示
など、社外伝票と社内向け指示書や報告書業務まで自動化が可能です。わざわざ、担当者に電話して、動向確認の業務が全てなくなります。
【0010】
社内向けの電子化は簡単だが、社外を巻き込むことが難しいと判断し、導入を躊躇されている中小企業経営者が多く存在しています。そうした危惧にもしっかり応えられるシステム構築を目指しました。
<伝票の通信プロセス>
1)伝票を作成する・・・クラウド上の登録する
2)伝票作成し、クラウド登録済みを、発行先にメールで伝える。
3)相手先は受信するとメール本文に表記のあるURLをクリックすると、伝票データの開示画面が出て、メールにあるワントライパスワード(一度利用すると使えなくなる)を利用し、伝票を開示。印刷又はデータダウンロードにて保存する。
●相手先も同一システムを契約していると、自社のPWDにて適時見ることができます。
4)データ開示=伝票受取情報として、発信元にも「開封情報」として自動告知されます。
5)メール受信と開示操作は、スマホでも可能
上記ワークフローでの実行であれば、中小企業が単独導入しても活用できる仕様となっています。(
図1参照)
また、過去の伝票データをスキャナで登録することで、自社のバックNo.伝票データベースが構築でき、ほしいデータの確認や検証がどこにいても、自在に可能となります。重要顧客のバックNo.伝票だけでも登録すると、利便性が良くなると考えます。また、顧客の担当者変更時の引継ぎも簡単に出来ます。
【0011】
システム構築は、メール告知機能だけでなく、(
図6・
図7参照)
1)オートリレーション機能[0009]が複数のシーンで設定が可能
2)集計機能は複数の機能および、RPA化(ロボット・プロセス・オートメーション)され、深夜バッチ処理にて自動集計化を図ります。
a各種伝票のタイトル単位の集計=担当者別・支店・営業所・商品別
b売(買)台帳の自動集計=販売属性別分類集計(販売分析を可能とする)
c伝票から営業活動分析(SFA=セール・スフォース・オートメーション)機能
d伝票の半自動作成機能
e請求データの自動作成と双方確認=月次請求データの自動集計データの双方認証するだけで、請求書の内容チェック業務が無用となります
f集金データの属性別(集金・振込み・クレジットカード・電子決済・手形などの分解集計)集計します。時差入金状況を明確にできます。
g電子領収証の自動発行(領収証の単独発行は出来ません)
h送金・入金消し込み処理の自動化
k会計ソフトへの集積データのエクスポート(CSVファイルにて吐出し)機能=外部データとの結合機能
3)クラウド内での外部データと内部データの、連結・集積・集計・比較・保存などが可能です。フェイク伝票の進入防止策にも活用します。
【0012】
社内向け伝票の電子化。(
図10参照)
1)社外伝票に紐つく伝票=発注書が来ると出荷指示書、在庫の仮押さえ指示書など、自動指示書の作成
2)営業=出張報告書、小口現金清算書、仮払い清算書、在庫仮押さえなど
3)総務=有給休暇申請書、産休申請書、会議室予約、社員貸与品など
4)経理=年末調整申請書、小口現金出納報告書、給与明細など
5)配送センター=入荷報告、出荷報告、検品報告など(
図11参照)
6)工場内=進捗報告書、部品・パーツの入荷報告や欠品報告
など、外部に関係なく、社内業務として必要とされる各種伝票が、平均100種以上存在します。社外向け伝票の電子化が完了すると、社内向け伝票も同時に電子化を推進させます。システム内で、新規伝票作成プログラムが準備されていますので、新規作成、部分修正なども自在に運用管理ができます。
【0013】
海外の事業者間での伝票往来も100%電子化へ
国内向けよりも早く、海外との事業での伝票交流は進んでいます。海外の異なる言語やサーバ環境とのデータリレーション機能にも活用できる仕様となっています。海外のデータセンターとデータ交流を図る場合でも、既存システムの機能を変更しないまま、新規サービス展開が可能となります。海外向けのデータ交流の既存ソフトは、ブロックチェーン技術を用いて、セキュリティも強化したシステム構成を目指します。(
図8参照)
【発明の効果】
【0014】
伝票の100%電子化は、事務業務の80%以上の時間削減と簡素化を可能にし、大幅なコスト削減を実現させます。
特に、伝票の郵送にかかわる現物コストは、1通100~120円必要といわれます。更に、運用管理費まで計算すると、1通当りいくらになるか分かりません。それ以上にかかわる人件費まで計算するととんでもない数値となります。
<伝票の電子化効果>
1)伝票新規発行にかかわる時間を1/100以下にします。
2)伝票の送付コストを1/1000以下にします
3)伝票集計にかかわる時間を、1/1000以下にします
4)伝票の保存にかかわる業務を1/1000以下にします
5)伝票の閲覧機能を、既存の100倍早くします。
6)請求書の集計チェックを、1/100以下にします
7)売掛・買掛台帳の作成を、1/1000以下にします
8)売掛・買掛リストの消し込み処理を、1/100以下にします
9)見積書から請求書までの発展プロセスの管理と監視が可能です。営業一人ひとりの伝票動向を把握することで、営業員の運用管理体系の捕らえ方が大きく変えることが可能です。
10)報告・連絡業務の大半が自動化でき、社内業務の風通しが良くなります。
11)追加設備投資は無用です。既存設備がそのまま活用できます。
12)伝票の月別の発行枚数・件数や金額から、法人別の自社への貢献度や重要度などを集計・把握できます。法人別の重要度なども意識した、営業体制の構築の基礎データにも活用できます。
13)伝票内容を分析することで、最近の販売商品傾向なども分析できますので、今後の営業方針への方向性を示すきっかけにも活用できます。
14)後日納税が必要になる、消費税の自動集計も行います。もちろん、軽減税率にも対応しております。
15)社内向け伝票まで電子化が出来ると、運用・管理コストの大幅な削減が見込めます。
16)海外の本・支社間や外部事業者など第三国を含めた伝票データのやり取りにも導入可能です。異なるサーバ間のデータ交信や収集・集計・分析なども同時に可能です。単なる、紙伝票を電子化にとどまらない、電子伝票の発行支援プログラムです。
17)伝票の電子化の中で、唯一電子化できないのは、商品と同時に梱包する、送付明細書(物品明細書)や送付案内書などの呼称がある伝票です。電子伝票として、送ることも可能ですが、検品する荷物とデータ開示するPCとに距離がある場合なども考慮して、アナログ対応を残しました。(
図14参照)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図13】伝票データの自動分解とコピー&ペイスト機能
【発明を実施するための形態】
【0016】
「集計機能付電子伝票ゼネレーター」は、クラウド上で運営・管理します。導入事業者は既存設備で即利用できる環境を提供します。また、システム稼動中のトラブルや操作不安・エラー対応へのサポート体制の構築も、クラウド上ならば、遠隔対応も可能と考えます。
また集積された、台帳データなども、月次単位でDVDなどへ保存場所を移転することで、クラウド利用料金も下げる効果もあります。
<利用手順>
1)利用申し込みを受付け、利用規約が了承されると、専用のID+PWDを発給します。管理者用と運営者用に分別したIDが付与されます。
・IDによって、閲覧範囲設定が異なります。
・社員が辞めると、強制休止とし、IDの使い回しは一切行いません。
2)会社情報や顧客情報や社員のメールアドレスなどの登録を行います。
顧客情報は、既存情報をCSV変換できると、そのままアップロードできます。また、顧客情報は利用ごとの登録でも構いません。
●伝票スタイルは記入ミスをなくすために、既存利用伝票と同等のスタイルにカスタマイズが可能です。数量(Kg、ダース、箱など)単位の辞書機能も事前登録できます。
3)社員別入室制限を設定登録します。制御画面から、ID単位で開示ボタン設定を行います。
4)社内向け利用説明会を実施します。
5)社外向け説明会も実施します。出来る会社から順次変更を行います。
●取引先も同一利用を促進させます。
6)テスト発信を繰り返し、本番業務に移行します。
7)新規顧客向けに、新たな利用規約などを準備します。
8)紙伝票用の専用スキャナを新設したほうが利用勝手は良くなります。
9)会計事務所とのデータ交信のルールも同時に協議します。
1案 クラウドからデータエクスポートを適時行う。
2案 会計ソフトと連動させ、外部データとして取り込み、クラウドで集計させる。=自動集計
3案 会計事務所側にも、関連IDを発給し、必要データのダウンロードをお願いし、業務分割を図る
【実施例0017】
請求書や給与明細など、単一機能の電子化はありますが、全伝票の完全電子化は一切ありません。2020年電子帳票保存法が改定され、伝票保存方法なども簡素化されましたので、更なる伝票の電子化が進むと考えています。
24時間、どこにいても、どこからでも、パソコンが無くてもスマホから、取引先からの伝票の受付けや訪問先で新規伝票の発行、伝票バックナンバーの検索・伝票内容の販売分析から、運用上の課題点発見など、伝票の電子化と共に導入事業者の活性化支援までが日常的に行われる時代が来ると考えます。全ての事業者に順次普及を期待します。