(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134086
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】車両およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220907BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20220907BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20220907BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20220907BHJP
【FI】
G01C21/34
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182524
(22)【出願日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0027321
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ソン、キョンス
【テーマコード(参考)】
2F129
5H125
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB03
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2F129FF14
2F129HH02
2F129HH12
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC08
5H125BC12
5H125CA18
5H125CC01
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE55
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両の運転者に効率的な充電戦略を提示する車両およびその制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の車両は、バッテリーと、ナビゲーション装置と、前記バッテリーおよび前記ナビゲーション装置と連結される制御装置と、を含み、前記制御装置は、前記車両の出発地、目的地、前記バッテリーの充電のための経由地での第1希望残存走行距離および前記車両の目的地での第2希望残存走行距離の情報を受信し、前記受信された情報に基づいて、前記ナビゲーション装置を通じて第1充電所を仮想経由地とする前記車両の仮想の走行経路を生成し、前記仮想の走行経路に対応する前記バッテリーの予想充電量に基づいて、前記仮想の走行経路を前記車両の推薦走行経路として出力することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
バッテリーと、
ナビゲーション装置と、
前記バッテリーおよび前記ナビゲーション装置と連結される制御装置と、を含み、
前記制御装置は、
前記車両の出発地、目的地、前記バッテリーの充電のための経由地での第1希望残存走行距離および前記車両の目的地での第2希望残存走行距離の情報を受信し、
前記受信された情報に基づいて、前記ナビゲーション装置を通じて第1充電所を仮想経由地とする前記車両の仮想の走行経路を生成し、
前記仮想の走行経路に対応する前記バッテリーの予想充電量に基づいて、前記仮想の走行経路を前記車両の推薦走行経路として出力する、車両。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離に対応する位置の前記第1充電所を前記仮想経由地として決定する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記受信された情報に基づいて、前記出発地および前記目的地を含む第1の仮想の走行経路を生成し、
前記第1の仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離情報と対応する第1位置を識別し、
前記第1位置を中心に仮想領域を生成し、
前記仮想領域内に含まれた前記第1充電所を識別する、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記仮想領域内に複数の充電所が含まれた場合、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路を生成し、
走行距離または交通情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路のうち一つを前記仮想の走行経路として決定し、
前記決定された仮想の走行経路に含まれた前記第1充電所を識別する、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記車両の現在の残存走行距離および前記車両の前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離を算出し、
前記予想される残存走行距離、前記第2希望残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地から前記目的地までの第1距離を算出し、
前記第1距離および前記車両の平均燃費に基づいて、前記車両の前記仮想の走行経路の走行に対応する第1充電量を算出し、
前記第1充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記予想充電量を算出する、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記予想充電量が予め定められた基準充電量以下であるかを識別し、
前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下であることに応答して、前記仮想の走行経路を前記車両の推薦走行経路として出力する、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記車両の前記目的地での前記第2希望残存走行距離を前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離として出力する、請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記予め定められた基準充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記第1充電所で前記バッテリーが前記予め定められた基準充電量となる追加充電量を算出することをさらに含む、請求項6に記載の車両。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下ではないことに応答して、前記追加充電量、前記車両の平均燃費、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離を算出し、
前記目的地での推薦される前記第3希望残存走行距離を出力する、請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離は、
前記車両の現在の残存走行距離および前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて算出される、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
車両の出発地、目的地、前記車両のバッテリーの充電のための経由地での第1希望残存走行距離および前記車両の目的地での第2希望残存走行距離の情報を受信し、
前記受信された情報に基づいて、第1充電所を仮想経由地とする前記車両の仮想の走行経路を生成し、
前記仮想の走行経路に対応する前記バッテリーの予想充電量に基づいて、前記仮想の走行経路を前記車両の推薦走行経路として出力することを含む、車両の制御方法。
【請求項12】
前記仮想の走行経路を生成することは、
前記仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離に対応する位置の前記第1充電所を前記仮想経由地として決定することを含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【請求項13】
前記仮想の走行経路を生成することは、
前記受信された情報に基づいて、前記出発地および前記目的地を含む第1の仮想の走行経路を生成し、
前記第1の仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離情報と対応する第1位置を識別し、
前記第1位置を中心に仮想領域を生成し、
前記仮想領域内に含まれた前記第1充電所を識別することを含む、請求項12に記載の車両の制御方法。
【請求項14】
前記第1充電所を識別することは、
前記仮想領域内に複数の充電所が含まれた場合、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路を生成し、
走行距離または交通情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路のうち一つを前記仮想の走行経路として決定し、
前記決定された仮想の走行経路に含まれた前記第1充電所を識別することを含む、請求項13に記載の車両の制御方法。
【請求項15】
前記制御方法は、
前記車両の現在の残存走行距離および前記車両の前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離を算出し、
前記予想される残存走行距離、前記第2希望残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地から前記目的地までの第1距離を算出し、
前記第1距離および前記車両の平均燃費に基づいて、前記車両の前記仮想の走行経路の走行に対応する第1充電量を算出し、
前記第1充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記予想充電量を算出することをさらに含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【請求項16】
前記仮想の走行経路を前記車両の前記推薦走行経路として出力することは、
前記予想充電量が予め定められた基準充電量以下であるかを識別し、
前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下であることに応答して、前記仮想の走行経路を前記車両の前記推薦走行経路として出力することを含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【請求項17】
前記制御方法は、
前記車両の前記目的地での前記第2希望残存走行距離を前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離として出力することをさらに含む、請求項16に記載の車両の制御方法。
【請求項18】
前記制御方法は、
前記予め定められた基準充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記第1充電所で前記バッテリーが前記予め定められた基準充電量となる追加充電量を算出することをさらに含む、請求項16に記載の車両の制御方法。
【請求項19】
前記制御方法は、
前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下ではないことに応答して、前記追加充電量、前記車両の平均燃費、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離を算出し、
前記目的地での推薦される前記第3希望残存走行距離を出力することをさらに含む、請求項18に記載の車両の制御方法。
【請求項20】
前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離は、
前記車両の現在の残存走行距離および前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて算出される、請求項19に記載の車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、内燃機関自動車と比べ、一充電走行距離が短く、充電に所要する時間が長い。これに伴い、電気自動車の残存走行距離(DTE;Distance To Empty)が目的地までの距離に未達の場合、効率的な充電の戦略が必要である。
【0003】
電気自動車の充電方法は、充電速度によって緩速充電と急速充電とに分類することができる。
【0004】
現在一般的に広く普及されている100kW級の急速充電器の場合、理論的には、64Khのバッテリーを具備した電気自動車を充電するとき、約40分でバッテリーの充電量(SOC;State Of Charge)が0パーセントから100パーセントにまでなるようにすることができる。
【0005】
しかし、電気自動車のバッテリーの保護の観点から、SOCが80パーセント以上であるときからは急速充電器が充電電力を低くし、これに伴い、電気自動車の充電所要時間が急激に増加することになる。特に、SOCが100パーセントに近づくほど充電電力がますます低くなり、SOCが0パーセントから80パーセントとなる充電時間はSOCが80パーセントから100パーセントとなる充電時間とほぼ同一である。
【0006】
電気自動車の運転者の立場では、望む目的地まで車両を走行するために適切な位置の急速充電所で適切なSOCとなるまで電気自動車を充電する必要がある。
【0007】
現在までは、運転者が自身の電気自動車のSOCを確認して必要な時に電気自動車を充電しており、電気自動車が運転者および車両の状況に合うように効率的に電気自動車の充電を案内する技術は開発されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
開示された発明の一側面によれば、車両の運転者に効率的な充電戦略を提示する車両およびその制御方法を提供することができる。
【0009】
例えば、車両およびその制御方法は、充電に長い時間が必要とされる車両、例えば、電気自動車の特性およびSOCが80%以上であるときから充電電力を低くして車両の充電所要時間が急激に増加するようにする急速充電器の特性を考慮し、車両のナビゲーションを活用して、車両の経路案内とともに車両の効率的な充電戦略を提示することができる。
【0010】
開示された発明の一側面によれば、ナビゲーション装置を活用した車両の走行時、車両の充電のために経由地として適切な充電所および充電所から目的地まで走行するための適切な充電量の情報を運転者に提示する車両およびその制御方法を提供することができる。
【0011】
例えば、車両およびその制御方法は、テレマティクスを通じて、運転者が出発地および目的地を入力し、追加で急速充電所が位置する経由地での希望残存走行距離(DTE;Distance To Empty)および目的地での希望DTEを設定すると、経由地として適切な急速充電所および適切な充電終了充電率(SOC;State Of charge)を使用者に提供することができる。これに伴い、運転者は車両の充電に対する心配を減らし効率的に車両を運転し充電することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一側面に係る車両は、バッテリーと、ナビゲーション装置と、前記バッテリーおよび前記ナビゲーション装置と連結される制御装置と、を含み、前記制御装置は、前記車両の出発地、目的地、前記バッテリーの充電のための経由地での第1希望残存走行距離(Distance To Empty)および前記車両の目的地での第2希望残存走行距離の情報を受信し、前記受信された情報に基づいて、前記ナビゲーション装置を通じて第1充電所を仮想経由地とする前記車両の仮想の走行経路を生成し、前記仮想の走行経路に対応する前記バッテリーの予想充電量に基づいて、前記仮想の走行経路を前記車両の推薦走行経路として出力することができる。
【0013】
前記制御装置は、前記仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離に対応する位置の前記第1充電所を前記仮想経由地として決定することができる。
【0014】
前記制御装置は、前記受信された情報に基づいて、前記出発地および前記目的地を含む第1の仮想の走行経路を生成し、前記第1の仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離情報と対応する第1位置を識別し、前記第1位置を中心に仮想領域を生成し、前記仮想領域内に含まれた前記第1充電所を識別することができる。
【0015】
前記制御装置は、前記仮想領域内に複数の充電所が含まれた場合、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路を生成し、走行距離または交通情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路のうち一つを前記仮想の走行経路として決定し、前記決定された仮想の走行経路に含まれた前記第1充電所を識別することができる。
【0016】
前記制御装置は、前記車両の現在の残存走行距離および前記車両の前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離を算出し、前記予想される残存走行距離、前記第2希望残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地から前記目的地までの第1距離を算出し、前記第1距離および前記車両の平均燃費に基づいて、前記車両の前記仮想の走行経路の走行に対応する第1充電量を算出し、前記第1充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記予想充電量を算出することができる。
【0017】
前記制御装置は、前記予想充電量が予め定められた基準充電量以下であるかを識別し、前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下であることに応答して、前記仮想の走行経路を前記車両の推薦走行経路として出力することができる。
【0018】
前記制御装置は、前記車両の前記目的地での前記第2希望残存走行距離を前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離として出力することができる。
【0019】
前記制御装置は、前記予め定められた基準充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記第1充電所で前記バッテリーが前記予め定められた基準充電量となる追加充電量を算出することをさらに含むことができる。
【0020】
前記制御装置は、前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下ではないことに応答して、前記追加充電量、前記車両の平均燃費、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離を算出し、前記目的地での推薦される前記第3希望残存走行距離を出力することができる。
【0021】
前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離は、前記車両の現在の残存走行距離および前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて算出され得る。
【0022】
一側面に係る車両の制御方法は、前記車両の出発地、目的地、前記車両のバッテリーの充電のための経由地での第1希望残存走行距離(Distance To Empty)および前記車両の目的地での第2希望残存走行距離の情報を受信し、前記受信された情報に基づいて、第1充電所を仮想経由地とする前記車両の仮想の走行経路を生成し、前記仮想の走行経路に対応する前記バッテリーの予想充電量に基づいて、前記仮想の走行経路を前記車両の推薦走行経路として出力することを含むことができる。
【0023】
前記仮想の走行経路を生成することは、前記仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離に対応する位置の前記第1充電所を前記仮想経由地として決定することを含むことができる。
【0024】
前記仮想の走行経路を生成することは、前記受信された情報に基づいて、前記出発地および前記目的地を含む第1の仮想の走行経路を生成し、前記第1の仮想の走行経路上で前記第1希望残存走行距離情報と対応する第1位置を識別し、前記第1位置を中心に仮想領域を生成し、前記仮想領域内に含まれた前記第1充電所を識別することを含むことができる。
【0025】
前記第1充電所を識別することは、前記仮想領域内に複数の充電所が含まれた場合、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路を生成し、走行距離または交通情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路のうち一つを前記仮想の走行経路として決定し、前記決定された仮想の走行経路に含まれた前記第1充電所を識別することを含むことができる。
【0026】
前記制御方法は、前記車両の現在の残存走行距離および前記車両の前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離を算出し、前記予想される残存走行距離、前記第2希望残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記仮想経由地から前記目的地までの第1距離を算出し、前記第1距離および前記車両の平均燃費に基づいて、前記車両の前記仮想の走行経路の走行に対応する第1充電量を算出し、前記第1充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記予想充電量を算出することをさらに含むことができる。
【0027】
前記仮想の走行経路を前記車両の前記推薦走行経路として出力することは、前記予想充電量が予め定められた基準充電量以下であるかを識別し、前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下であることに応答して、前記仮想の走行経路を前記車両の前記推薦走行経路として出力することを含むことができる。
【0028】
前記制御方法は、前記車両の前記目的地での前記第2希望残存走行距離を前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離として出力することをさらに含むことができる。
【0029】
前記制御方法は、前記予め定められた基準充電量、前記仮想経由地上で予想される前記バッテリーの残量および前記バッテリーの公称エネルギーに基づいて、前記第1充電所で前記バッテリーが前記予め定められた基準充電量となる追加充電量を算出することをさらに含むことができる。
【0030】
前記制御方法は、前記予想充電量が前記予め定められた基準充電量以下ではないことに応答して、前記追加充電量、前記車両の平均燃費、前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離および前記仮想経由地から前記車両の目的地までの走行距離に基づいて、前記目的地での推薦される第3希望残存走行距離を算出し、前記目的地での推薦される前記第3希望残存走行距離を出力することをさらに含むことができる。
【0031】
前記仮想経由地上での前記車両の予想される残存走行距離は、前記車両の現在の残存走行距離および前記出発地から前記仮想経由地までの走行距離に基づいて算出され得る。
【発明の効果】
【0032】
開示された発明の一側面に係る車両およびその制御方法は、車両が車両のバッテリー充電のために充電所、例えば、急速充電所を経由する最適の走行経路を提供することができる。また、車両およびその制御方法は、運転者の便宜性増進を通じての今後電気自動車市場での商品性を強化させることができる。
【0033】
例えば、車両およびその制御方法は、車両の現在DTEが出発地から目的地までの走行距離以下である場合、車両が目的地に到着できるように車両のバッテリーを充電できる最適の急速充電所をマッチングさせることができる。また、車両およびその制御方法は、急速充電の特性を考慮した最適の目的地希望DTEと、最適の走行経路を提供することができる。
【0034】
例えば、車両およびその制御方法は、車両の現在DTEが出発地から目的地までの走行距離より大きい場合、急速充電の特性を考慮した最適の目的地希望DTEおよび最適の経路を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図2】一実施例に係る車両の動作のフローチャートである。
【
図3】一実施例に係る車両の動作のフローチャートである。
【
図4】一実施例に係る車両の経由地での希望DTEが充足される充電所が存在するかどうかを識別する動作のフローチャートである。
【
図5】一実施例に係る車両の予想充電量が予め定められた基準充電量以下であるかを識別する動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。本明細書が実施例のすべての要素を説明するものではなく、本発明が属する技術分野で一般的な内容または実施例の間に重複する内容は省略する。明細書で使われる「部、モジュール、装置」という用語はソフトウェアまたはハードウェアで具現され得、実施例により複数の「部、モジュール、装置」が一つの構成要素で具現されたり、一つの「部、モジュール、装置」が複数の構成要素を含むことも可能である。
【0037】
明細書全体で、或る部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、間接的に連結されている場合を含み、間接的な連結は無線通信網を通じて連結されるものを含む。
【0038】
また、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0039】
第1、第2等の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別するために使われるものであって、構成要素が前述した用語によって制限されるものではない。
【0040】
単数の表現は文脈上明白に例外がない限り、複数の表現を含む。
【0041】
各段階において識別符号は説明の便宜のために使われるものであって、識別符号は各段階の順序を説明するものではなく、段階は文脈上明白に特定の順序を記載しない以上、明記された順序と異なって実施され得る。
【0042】
以下、添付された図面を参照して本発明の作用原理および実施例について説明する。
【0043】
【0044】
図1を参照すると、車両1は、バッテリー102、ナビゲーション装置104、通信装置106、入力装置108、出力装置110および/または保存装置112を含むことができる。
【0045】
バッテリー102は、エネルギーを貯蔵し、車両1に含まれた装置のうち少なくとも一つの構成要素(または装置ともいう)に電力を供給することができる。
【0046】
ナビゲーション装置104は、衛星信号を通じて識別された車両100の位置座標を保存装置112に予め保存された地図上にマッチングすることによって、車両100の位置情報および走行環境情報などを識別し、車両100の走行経路情報を生成することができる。例えば、ナビゲーション装置104は、衛星航法装置(GPS;Global Positioning System)を含み、GPSを通じてGPS衛星から伝播する衛星信号を受信することができる。衛星信号は、車両の位置座標を含むことができる。
【0047】
ナビゲーション装置104は、ナビゲーション情報を出力することができる。ナビゲーション情報は、車両100の運転者から入力を受けた情報に基づいて、目的地までの経路を提供する走行経路情報を含むことができる。
【0048】
例えば、ナビゲーション装置104は、車両100の運転者から目的地情報の入力を受けることができ、衛星信号を通じて識別された車両100の位置情報を出発地情報として決定することができる。またはナビゲーション装置104は、車両100の運転者から出発地情報および目的地情報の入力を受けることができる。
【0049】
ナビゲーション装置104は、出発地情報および目的地情報に基づいて、車両100の走行経路情報を提供することができる。
【0050】
通信装置106は、車両100と外部装置、例えば、外部サーバー(図示されず)間の無線および/または有線通信チャネルの樹立および樹立された通信チャネルを通じての通信の遂行を支援することができ、通信回路を含むことができる。例えば、通信装置106は、有線通信モジュール(例:電力線通信モジュール)および/または無線通信モジュール(例:GPS(global positioning system)モジュール、セルラー通信モジュール、ワイファイ通信モジュール、近距離無線通信モジュールおよび/またはブルートゥース通信モジュール)を含み、そのうち該当する通信モジュールを利用して外部装置と通信することができる。
【0051】
通信装置106は、車両用通信ネットワークを通じて、車両100の構成要素(装置とも言う)間の通信、例えば、CAN(controller area network)通信および/またはLIN(local interconnect network)通信ができる通信回路(またはトランシーバーともいう)および通信回路の動作を制御する制御回路を含むことができる。
【0052】
入力装置108は、マイクおよび/またはタッチスクリーンなどを含むことができる。
【0053】
マイクは、サウンド、例えば、車両100の使用者の音声を受信することができ、受信されたサウンドを電気信号に変更することができる。
【0054】
タッチスクリーンは、タッチ、ジェスチャー、近接、またはホバーリング入力を受信することができる。
【0055】
出力装置110は、スピーカーおよび/またはディスプレイ装置などを含むことができる。
【0056】
スピーカーは、電気信号をサウンドに変更して出力することができる。
【0057】
ディスプレイ装置は、各種コンテンツ、例えば、テキスト、イメージ、ビデオ、アイコンおよび/またはシンボルなどを表示することができる。ディスプレイ装置は、タッチスクリーンを含むことができる。
【0058】
前述したナビゲーション装置104、入力装置108および/または出力装置110は、車両100のAVN(Audio、Video、Navigation)装置(図示されず)に含まれ得る。AVN装置は、オーディオ、ビデオおよび/またはナビゲーションなどが一つに統合されたマルチメディア装置を意味する。AVN装置は、車両100のセンターフェイシアに設けられ得るが、これに限定されるものではない。
【0059】
AVN装置は、使用者操作を通じて出発地情報、目的地情報、経由地での希望残存走行距離(DTE;Distance To Empty)情報および/または目的地での希望DTE情報を受信することができ、後述する実施例により、車両の最適の走行経路情報および推薦充電量情報を出力することができる。
【0060】
保存装置112は、車両100の少なくとも一つの構成要素によって使われる多様なデータ、例えば、ソフトウェアプログラムおよびこれと関連した命令に対する入力データまたは出力データを保存することができる。保存装置112は、メモリ、例えば、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリを含むことができる。
【0061】
制御装置114は、車両100の少なくとも一つの他の構成要素(例:装置および/またはソフトウェア(ソフトウェアプログラム))を制御することができ、多様なデータ処理および演算を遂行できる。制御装置114はプロセッサとメモリを含むことができる。
【0062】
制御装置114は、車両100のバッテリー102の状況をモニタリングする制御器(BMS;Battery Management System)(図示されず)を含むことができる。
【0063】
制御装置114は、車両100のDTEを算出し、BMSおよびAVNと通信する統合制御器(VCU;Vehicle Control Unit)を含むことができる。
【0064】
制御装置114は、車両100の動力系統を制御する電子制御装置(ECU;electronic control unit)を含むことができる。
【0065】
制御装置114は、使用者の経由地での希望DTEに基づいて、バッテリー102を充電できる最適の充電所、例えば、急速充電所をマッチングすることができる。また、制御装置114は、急速充電所の急速充電特性を考慮した最適の目的地での希望DTEを出力することができる。
【0066】
例えば、制御装置114は、入力装置108を通じて使用者から必要な情報、出発地情報、目的地情報、車両100のバッテリー102の充電のための充電所が位置した経由地での第1希望DTE情報および/または車両100の目的地での第2希望DTE情報を受信することができる。制御装置114は、受信した情報に基づいて、車両100の最適の走行経路および車両が最適の走行経路で走行する場合、目的地到着時の予想DTEを提供することができる。
【0067】
制御装置114の細部動作の実施例は後述する
図2~
図5を参照して詳細に説明する。
【0068】
図2は、一実施例に係る車両100(および/または車両100の制御装置114)の動作のフローチャートである。
【0069】
車両100は、車両100の出発地、目的地、車両100のバッテリー102の充電のための経由地での第1希望残存走行距離(DTE;Distance To Empty)および車両100の目的地での第2希望残存走行距離の情報を受信することができる(201)。
【0070】
車両100は、前述した201動作で受信された情報に基づいて、ナビゲーション装置104を通じて、第1充電所を仮想経由地とする車両100の仮想の走行経路を生成することができる(203)。
【0071】
車両100は、仮想の走行経路上で第1希望残存走行距離に対応する位置の第1充電所を仮想経由地として決定することができる。
【0072】
例えば、車両100は、受信された情報に基づいて、ナビゲーション装置104を通じて出発地および目的地を含む第1の仮想の走行経路を生成することができる。車両100は、第1の仮想の走行経路上で第1希望残存走行距離情報と対応する第1位置を識別することができる。車両100は、第1位置を中心に仮想領域を生成し、仮想領域内に含まれた第1充電所を識別することができる。
【0073】
車両100は、仮想領域内に複数の充電所が含まれた場合、複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路を生成することができる。車両100は、走行距離または交通情報のうち少なくとも一つに基づいて、複数の充電所それぞれを経由地とする候補走行経路のうち一つを仮想の走行経路として決定することができる。車両100は、決定された仮想の走行経路に含まれた第1充電所を識別することができる。
【0074】
車両100は、仮想の走行経路に対応するバッテリー102の予想充電量を算出することができる(205)。
【0075】
車両100は、車両100の現在の残存走行距離および車両100の出発地から仮想経由地までの走行距離に基づいて、仮想経由地上での車両100の予想される残存走行距離を算出することができる。車両100は、予想される残存走行距離、第2希望残存走行距離および仮想経由地から車両100の目的地までの走行距離に基づいて、仮想経由地から目的地までの第1距離を算出することができる。車両100は、第1距離および車両100の平均燃費に基づいて、車両100の仮想の走行経路の走行に対応する第1充電量を算出することができる。車両100は、第1充電量、仮想経由地上で予想されるバッテリー102の残量およびバッテリー102の公称エネルギーに基づいて、予想充電量を算出することができる。例えば、平均燃費およびバッテリー102の公称エネルギーは予め定められたものであり得る。
【0076】
車両100は、バッテリー102の予想充電量に基づいて、仮想の走行経路を車両100の推薦走行経路として出力することができる(207)。
【0077】
車両100は、予想充電量が予め定められた基準充電量以下であるかを識別することができる。車両100は、予想充電量が予め定められた基準充電量以下であることに応答して、仮想の走行経路を車両100の推薦走行経路として出力することができる。
【0078】
前述した実施例に追加して、車両100は、予想充電量が予め定められた基準充電量以下ではないことに応答して、後述する追加充電量、車両100の平均燃費、仮想経由地上での車両100の予想される残存走行距離および仮想経由地から車両100の目的地までの走行距離に基づいて、目的地での推薦される第3希望残存走行距離を算出して出力することができる。また、車両100は、車両100の目的地での第2希望残存走行距離を目的地での推薦される第3希望残存走行距離として出力することができる。
【0079】
前述した追加充電量は、第1充電所でバッテリー102が予め定められた基準充電量となる追加充電量であり、予め定められた基準充電量、仮想経由地上で予想されるバッテリー102の残量およびバッテリー102の公称エネルギーに基づいて算出され得る。
【0080】
また、前述した仮想経由地上での車両100の予想される残存走行距離は、車両100の現在の残存走行距離および出発地から仮想経由地までの走行距離に基づいて算出され得る。
【0081】
図3は、一実施例に係る車両100(および/または車両100の制御装置114)の動作のフローチャートである。
図4は、一実施例に係る車両100(および/または車両100の制御装置114)の経由地での希望DTEが充足される充電所が存在するかどうかを識別する動作のフローチャートである。
図5は、一実施例に係る車両100(および/または車両100の制御装置114)のバッテリー102の予想充電量が、予め定められた基準充電量以下であるかを識別する動作のフローチャートである。
【0082】
車両100は、車両100の出発地情報および目的地情報を受信することができる(301)。
【0083】
車両100は、通信装置106を通じて外部の電子装置から車両100の出発地情報および目的地情報を受信することができる。または車両100は、入力装置108を通じての使用者入力に基づいて、車両100の出発地情報および目的地情報を受信することができる。
【0084】
車両100は、経由地での希望残存走行距離(DTE;Distance To Empty)情報(または第1希望残存走行距離情報ともいう)を受信することができる(303)。
【0085】
経由地での希望DTE情報は、車両100が経由地に到着した時に使用者の望む車両100のDTE情報を示す。
【0086】
車両100は、通信装置106を通じて外部の電子装置から車両100の経由地での希望DTE情報を受信することができる。または車両100は、入力装置108を通じての使用者入力に基づいて、車両100の経由地での希望DTE情報を受信することができる。
【0087】
車両100は、目的地での希望DTE情報(または第2希望残存走行距離情報ともいう)を受信することができる(305)。
【0088】
目的地での希望DTE情報は、車両100が目的地に到着した時に使用者の望む車両100のDTE情報を示す。
【0089】
車両100は、通信装置106を通じて外部の電子装置から車両100の目的地での希望DTE情報を受信することができる。または車両100は、入力装置108を通じての使用者入力に基づいて、車両100の目的地での希望DTE情報を受信することができる。または車両100は、後述する319動作による使用者入力に基づいて選択された車両100の目的地での希望DTE情報を受信することができる。
【0090】
車両100は、303動作で受信した経由地での希望DTE情報に基づいて、経由地での希望DTEが充足される充電所(または第1充電所ともいう)が存在するかどうかを識別することができる(307)。
【0091】
車両100は、ナビゲーション装置104を通じて経由地での希望DTE情報に基づいて、経由地での希望DTEが充足される充電所(または第1充電所とも言う)が存在するかどうかを識別できる。例えば、経由地での希望DTEが充足される充電所が存在するかどうかの識別は、下記の
図4のような車両100の動作によって遂行され得る。
【0092】
図4を参照すると、車両100は、301動作で受信した出発地情報および目的地情報に基づいて、ナビゲーション装置104を通じて仮想の走行経路を生成することができる(401)。
【0093】
車両100は、ノード連結方式を通じて仮想の走行経路を生成することができる。
【0094】
車両100は、仮想の走行経路上で、経由地での希望DTE情報とマッチングされる位置を識別することができる(403)。
【0095】
車両の現在DTEをAとし、経由地での希望DTEをBとし、401動作で生成した仮想の走行経路による走行距離をCとし、401動作で生成した仮想の走行経路上での経由地での希望DTE情報とマッチングされる位置Pまでの走行距離をdとする場合、403動作を説明すると次の通りである。
【0096】
車両100が目的地に到着した時、目的地での予想DTEはA-Cによって算出された値となり得る。
【0097】
車両100は、A-Cによって算出された値がB以下である場合、仮想の走行経路上で、A-Dによって算出された値がBのような値になる位置を、仮想の走行経路上での経由地での希望DTE情報とマッチングされる位置Pとして決定することができる。
【0098】
反面、車両100は、A-Cによって算出された値がBより大きい場合、「経由地での希望DTEを増加させてください」などのようなメッセージを出力することができる。このようなメッセージの出力により、車両100は、使用者が経由地での希望DTEを再び入力するようにして前述した303動作が再び遂行され、これに伴い、前述した403動作が再び遂行され得る。
【0099】
車両100は、仮想の走行経路上での経由地での希望DTE情報とマッチングされる位置を中心とする仮想の円を生成することができる(405)。
【0100】
車両100は、仮想の円の中に含まれた充電所を識別し、経由地での希望DTEが充足される充電所として決定することができる(407)。
【0101】
車両100は、経由地での希望DTEが充足される充電所が存在する場合には309動作を遂行し、そうでない場合は303動作を再び遂行できる。
【0102】
例えば、車両100は、仮想の円の中に充電所が含まれているかを識別することができる。
【0103】
仮想の円の中に含まれた充電所が一つの場合、車両100は一つの充電所を経由地での希望DTEが充足される充電所として決定することができる。
【0104】
仮想の円の中に含まれた充電所が複数個である場合、車両100は、ノード連結方式を通じて、複数個の充電所それぞれを経由地とする複数個の候補走行経路を生成することができる。車両100は、複数個の候補走行経路のいずれかを最適の候補走行経路として選択し、経由地での希望DTEが充足される充電所として決定することができる。例えば、最適の候補走行経路の選択は、走行距離および/または走行経路それぞれの交通情報などに基づいて選択され得る。
【0105】
反面、仮想の円の中に充電所がない場合、車両100は「経由地での希望DTEを増加させてください」などのようなメッセージを出力することができる。このようなメッセージの出力により、車両100は、使用者が経由地での希望DTEを再び入力するようにして前述した303動作が再び遂行され、これに伴い、前述した403動作が再び遂行され得る。
【0106】
車両100は、経由地での希望DTEが充足される充電所を仮想経由地とする、仮想の走行経路を生成することができる(309)。
【0107】
車両100は、309動作を通じて生成された仮想の走行経路および303動作を通じて受信された経由地での希望DTE情報に対応するバッテリー102の予想充電量(または充電終了時点の予想充電量ともいう)が、予め定められた基準充電量より大きいかを識別することができる(311)。
【0108】
例えば、バッテリー102の予想充電量は、車両100が仮想の走行経路で走行しながら、仮想経由地の充電所で経由地での希望DTEを充足するようにバッテリー102を充電し、充電を終了した時に予想されるバッテリー102の充電量を仮定したものであり得る。
【0109】
予め定められた基準充電量は80パーセントであり得る。
【0110】
車両100のバッテリー102の予想充電量が、予め定められた基準充電量以下であるかどうかの識別は、
図5のような車両100の動作によって遂行され得る。
【0111】
車両100は、仮想の走行経路の仮想経由地上での予想DTEを算出することができる(501)。
【0112】
例えば、車両の現在DTEをaとし、出発地から仮想の走行経路の経由地までの走行距離をbとする場合、仮想の走行経路の仮想経由地上での予想DTEはa-bによって算出された値となり得る。
【0113】
車両100は、前述した501動作により算出された仮想経由地上での予想DTEおよび前述した305動作により受信された目的地での希望DTEを充足するための仮想経由地上の充電所から目的地までの第1距離(必要充電距離ともいう)を算出することができる(503)。
【0114】
車両100は、前述した501動作により算出された仮想経由地上での予想DTE、前述した305動作により受信された目的地での希望DTEおよび/または仮想経由地から目的地までの走行距離に基づいて、第1距離を算出することができる。
【0115】
例えば、仮想経由地上での予想DTEをcとし、目的地での希望DTEをdとし、仮想経由地から目的地までの走行距離をeとする場合、仮想経由地上の充電所から目的地までの仮想距離はd+e-cによって算出された値となり得る。
【0116】
車両100は、前述した503動作で算出した第1距離および/または車両100の平均燃費に基づいて、車両100が仮想の走行経路を走行するのに必要な充電量を算出することができる(505)。
【0117】
例えば、第1距離(単位km)をfとし、車両100の平均燃費(単位km/kWh)をgとする場合、車両100が仮想の走行経路を走行するのに必要な充電量(単位kWh)はf÷gによって算出された値となり得る。例えば、車両100の平均燃費は、前述した301動作~305動作のうちいずれか一つの動作の遂行時に車両100によって学習されたものであり得る。
【0118】
車両100は、仮想経由地上での予想DTEおよび/または車両100の平均燃費に基づいて、仮想経由地での予想バッテリー残量を算出することができる(507)。
【0119】
例えば、仮想経由地上での予想DTEをcとし、車両100の平均燃費(単位km/kWh)をgとする場合、仮想経由地での予想バッテリー残量(単位kWh)はc÷gによって算出された値となり得る。
【0120】
車両100は、車両100が仮想の走行経路を走行するのに必要な充電量、仮想経由地上での予想バッテリー残量および/または車両100のバッテリー102の公称エネルギー(nominal energy)に基づいて、仮想の走行経路および受信された経由地での希望DTE情報に対応するバッテリー102の予想充電量を算出することができる(513)。
【0121】
バッテリー102の予想充電量は、車両100が仮想の走行経路で走行しながら、仮想経由地の充電所で車両100が経由地での希望DTEを充足するように充電する場合を仮定する時に予想される充電完了したバッテリー102の充電量と言える。
【0122】
例えば、車両100が仮想の走行経路を走行するのに必要な充電量をh、仮想経由地での予想バッテリー残量をi、バッテリー102の公称エネルギーをjとする場合、バッテリー102の予想充電量(単位%)は、(h+i)÷jによって算出された値となり得る。例えば、バッテリー102の公称エネルギーは予め指定されていてもよい。
【0123】
車両100は、車両100のバッテリー102の予想充電量が予め定められた基準充電量より大きい場合には313動作を遂行し、そうでない場合は317動作を遂行できる。
【0124】
車両100は、車両100の充電終了時点の予想充電量が予め定められた基準充電量より大きくないことに応答して、車両100の目的地での最適の希望DTE(または第3希望残存走行距離ともいう)を算出して出力することができる(313)。
【0125】
車両100は、仮想の走行経路および受信された経由地での希望DTE情報に対応するバッテリー102の予想充電量が、80パーセントとなるようにする充電所での充電量(h80)を算出することができる。
【0126】
例えば、仮想経由地での予想バッテリー残量をi、バッテリー102の公称エネルギーをjとする場合、h80(単位km)は、(0.8×j)-iによって算出された値となり得る。
【0127】
車両100は、仮想の走行経路および受信された経由地での希望DTE情報に対応するバッテリー102の予想充電量が、80パーセントとなるようにする目的地での希望DTE(d80)を目的地での最適の希望DTEとして算出することができる。
【0128】
例えば、車両100の平均燃費(単位km/kWh)をg、仮想経由地上での予想DTEをcとし、仮想経由地から目的地までの走行距離をeとする場合、d80(単位km)はh80×g+c-eによって算出された値となり得る。
【0129】
車両100は、使用者入力に基づいて、車両100の目的地での最適の希望DTEが選択されたかどうかを識別することができる(315)。
【0130】
車両100は、車両100の目的地での最適の希望DTEが選択された場合には305動作を再び遂行することができ、そうでない場合は321動作を遂行できる。
【0131】
車両100は、車両100の充電終了時点の予想充電量が予め定められた基準充電量より大きいことに応答して、推薦走行経路を決定することができる(317)。
【0132】
車両100は、前述した309動作により生成された仮想の走行経路を推薦走行経路として決定することができる。
【0133】
車両100は、推薦走行経路および車両100の目的地での予想DTEに対する情報を出力することができる(319)。
【0134】
目的地での予想DTEは前述した403動作のために算出された、車両の現在DTE値から仮想の走行経路による走行距離値を差し引いた値であり得る。
【0135】
一方、前述した実施例での311動作では、車両100の動作のための追加の条件がさらに含まれ得る。例えば、車両100は、バッテリー102の予想充電量が80%の基準充電量より大きくバッテリー102の公称エネルギー以下である場合、前述した313動作を遂行できる。すなわち、車両100が仮想の走行経路を走行するのに必要な充電量をh、仮想経由地での予想バッテリー残量をi、バッテリー102の公称エネルギーをjとするとき、車両100は、0.8×j<h+I≦jである場合、前述した313動作を遂行できる。
【0136】
例えば、車両100は、車両の予想充電量が80%の基準充電量より大きくバッテリー102の公称エネルギー以下である場合、「推薦する目的地希望DTEはd80です。このまま進めますか?はい/いいえ」のようなメッセージを出力することができる。使用者によって「はい」が選択された場合、車両100は後述する317動作を遂行できる。使用者によって「いいえ」が選択された場合、車両100は使用者が目的地での希望DTEを再び入力するようにして前述した305動作が再び遂行され得る。
【0137】
また、前述した実施例に追加で、前述した309動作後、車両100は仮想の走行経路および受信された経由地での希望DTE情報に対応するバッテリー102の予想充電量が、100パーセントとなるようにする充電所での充電量(h100)を算出することができる。
【0138】
例えば、仮想経由地での予想バッテリー残量をi、バッテリー102の公称エネルギーをjとする場合、h100(単位kWh)はj-iによって算出された値となり得る。
【0139】
車両100は、仮想の走行経路および受信された経由地での希望DTE情報に対応するバッテリー102の予想充電量が、100パーセントとなるようにする目的地での希望DTE(d100)を算出することができる。
【0140】
例えば、車両100の平均燃費(単位km/kWh)をg、仮想経由地上での予想DTEをcとし、仮想経由地から目的地までの走行距離をeとする場合、d100(単位km)はh100×g+c-eによって算出された値となり得る。
【0141】
車両100が仮想の走行経路を走行するのに必要な充電量をh、仮想経由地での予想バッテリー残量をi、バッテリー102の公称エネルギーをjとするとき、h+I>jである場合、車両100は「最大に可能な目的地での希望DTEはd100です。目的地での希望DTEをd100以下に下げてください。」のようなメッセージを出力することができる。このようなメッセージの出力により、車両100は、使用者が目的地での希望DTEを再び入力するようにして前述した305動作が再び遂行され得る。
【0142】
また、前述した
図3の実施例では出発地情報および目的地情報を受信したものとして説明した。しかし、他の実施例によると、車両100は、GPSモジュールを通じて受信したGPS信号に基づいて現在の車両100の位置を識別することができ、現在の車両100の位置を車両100の出発地情報として決定することができる。
【0143】
また、前述した実施例に追加して、車両100は、SOC区間による充電電力変化の推移を学習することができ、区間別充電時間を算出することができる。例えば、SOCが0~80パーセントである平均充電電力、SOCが80~90パーセントである平均充電電力およびSOCが90~100パーセントである平均充電電力を学習することができる。これを通じて車両100は各区間別バッテリー102の充電時間を算出することができる。
【0144】
また、前述した実施例に追加して、車両100は運、転者が選択する目的地での希望DTEによる充電所で必要とされる充電時間および充電後目的地到着予想時間を算出して使用者に提供することができる。
【0145】
一方、開示された実施例は、コンピュータによって実行可能な命令語を保存する記録媒体の形態で具現され得る。命令語は、プログラムコードの形態で保存され得、プロセッサによって実行されたとき、プログラムモジュールを生成して開示された実施例の動作を遂行できる。記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体で具現され得る。
【0146】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、コンピュータによって解読され得る命令語が保存されたすべての種類の記録媒体を含む。例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気テープ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光データ保存装置などがあり得る。
【0147】
以上の通り、添付された図面を参照して開示された実施例を説明した。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、開示された実施例と異なる形態で本発明が実施され得ることが理解できるであろう。開示された実施例は例示的なものであり、限定的に解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0148】
100:車両
102:バッテリー
104:ナビゲーション装置
106:通信装置
108:入力装置
110:出力装置
112:保存装置
114:制御装置