(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134108
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】スペーサ用支持要素、並びに、スペーサ用支持要素のセットおよびスペーサのセット
(51)【国際特許分類】
E04G 21/18 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
E04G21/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022025578
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】BE 2021/5149
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(71)【出願人】
【識別番号】522070271
【氏名又は名称】ブゾン ペデスタル インターナショナル エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブゾン ローラン
(72)【発明者】
【氏名】コジャンズ カルロ
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174DA32
2E174DA56
2E174DA65
2E174EA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】装着されるスラブの幾何学的形状の選択を拡大することを可能にするスペーサ用支持要素を提供する。
【解決手段】表面昇降台座上に配置されるべく設けられたベース(5)を備えたスペーサ用支持要素(1)であって、ベースには、湾曲形状を有する第1の窓(10-1)および第2の窓(10-2)が設けられ、各々の窓は、スペーサが装着された窓内で自由に移動すること、および移動されるときに窓によって案内されることができるように、スペーサのうちの1つを内部に装着するように設けられている。第1および第2の窓は、各々が開始セクションおよび最終セクションを有する。第1の窓の最終セクション(10-1b)および第2の窓の開始セクション(10-2a)は、ベースの中心から開始してベースの外側境界に向かう方向に延びる直線軸が第1の窓の最終セクションおよび第2の窓の開始セクションを連続的に横切るように、互いに並置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面昇降台座(2)またはジョイスト(6)上に配置されるべく設けられたベース(5)を備えたスペーサ(13)用支持要素(1)であって、
前記ベースには、各々が湾曲形状を有する第1の窓(10-1)および第2の窓(10-2)が少なくとも設けられ、各々の窓は、前記スペーサ(13)のうちの1つを内部に装着するように設けられ、前記第1および第2の窓は、各々が開始セクションおよび最終セクションを有し、前記窓は、前記スペーサが装着された窓内で自由に移動すること、および移動されるときに窓によって案内されることができるように設けられており、
前記第1の窓の最終セクション(10-1b)および前記第2の窓の開始セクション(10-2a)は、前記ベースの中心から開始して前記ベースの外側境界に向かう方向に延びる直線軸が前記第1の窓の最終セクションおよび前記第2の窓の開始セクションを連続的に横切るように、互いに並置されていることを特徴とする、スペーサ用支持要素。
【請求項2】
各窓が内側曲線(10-i)および外側曲線(10-e)を備え、前記内側曲線および前記外側曲線がそれらの全長にわたってそれらの間で等距離にあることを特徴とする、請求項1に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項3】
前記開始セクションの高さに位置する前記内側曲線の開始点が、前記最終セクションの高さに位置する前記内側曲線の最終点が前記中心に対して位置する距離よりも少なくとも25%高いところの、前記中心からの距離に位置することを特徴とする、請求項2に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項4】
前記内側および外側曲線が前記中心に向かって傾斜している、請求項2又は3に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項5】
前記第1の窓の最終セクションおよび前記第2の窓の開始セクションが、それらの長さの少なくとも15%にわたって互いに並置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項6】
円形状であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項7】
円形の開口部が、少なくとも1つの窓の最終セクションの延長部に離隔して設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項8】
前記ベースには前記中心の周りにおいて、少なくとも2つの長手方向開口部が設けられ、前記長手方向開口部は互いに平行に延びていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項9】
各窓が境界(16)で囲まれていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項10】
互いに直交する2つの線に沿って適用される穿孔(20)のセットを備えることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項11】
前記ベースが、前記中心に対してオフセットしたゾーンを示す表示(22)を備えることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のスペーサ用支持要素のセット、及び、スペーサのセットであって、
前記スペーサのセットが、カテゴリ(13-1,13-2,・・・)に応じて分かれた複数のスペーサを少なくとも備え、各スペーサが、該スペーサを窓に接続すべく設けられた取付部材(19)と、該スペーサが窓に接続されたときに前記ベースの上方に延びるヘッド(24)とを有しており、各カテゴリが所定のヘッド幅を有し、異なるカテゴリでのヘッドの厚さが互いに異なっていることを特徴とする、
スペーサ用支持要素のセット、及び、スペーサのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面昇降台座またはジョイスト(joist,根太)上に配置されるように設けられたベースを備えるスペーサ用支持要素に関し、ベースには、各々が湾曲形状を有する少なくとも第1および第2の窓が設けられ、各々の窓は、スペーサのうちの1つを内部に装着するように設けられ、第1および第2の窓は、各々が開始セクションおよび最終セクションを有し、窓は、スペーサが装着された窓内で自由に移動すること、および移動されるときにその窓によって案内されることができるように設けられている(ものである)。
【背景技術】
【0002】
このようなスペーサ用支持要素は、特許文献1から知られている。既知のスペーサ用支持要素は、ベースの外側境界付近の半円に従って装着される2つの窓を備えた円形ベースによって形成される。既知のスペーサ用支持要素は、台座のヘッドに配置されることを目的とする。これは、スペーサ支持要素上にまたはビームに沿って配置される2つの隣接するスラブ(slab,厚板または平板)間に延在することができるスペーサを装着するのに役立つ。これらのスペーサは、それによって、2つの隣接するスラブ間の距離を維持することを可能にする。
【0003】
既知のスペーサ用支持要素の欠点は、窓が存在するにもかかわらず、スペーサとスペーサの支持体の中心との間の距離が常に同じままであり、支持体上にスペーサを装着する可能性を制限することである。これは、結果として、既知のスペーサ用支持要素では、直線的で等しい寸法のスラブのみを使用することができ、配置されるスラブの選択を大幅に制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開DE102013113267号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、支持要素上にスペーサを装着するためのより大きな可能性を可能にし、したがって装着されるスラブの幾何学的形状の選択を拡大することを可能にするスペーサ用支持要素を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明によるスペーサ用支持要素は、第1の窓の最終セクションおよび第2の窓の開始セクションが、ベースの中心から開始してベースの外側境界に向かう方向にある直線軸が第1の窓の最終セクションおよび第2の窓の開始セクションを連続的に横切るように互いに並置されていることを特徴とする。第1の窓の最終セクションと第2の窓の開始セクションとが互いに並置されるようにさらに湾曲している各窓内のスペーサを自由に移動させることができることは、各窓内にスペーサを装着するための大きな可能性を提供する。各窓の曲率ならびに第1および第2の窓の配置は、スペーサをベースの中心に近づけることを可能にし、したがってスペーサの位置を中心からの固定距離に制限しない。したがって、2つの隣接するスラブの間にスペーサを装着するために窓内でスペーサを移動させれば十分であるので、スラブが直線形状または等しい寸法でなくても、スラブの形状の大きな選択が可能になる。
【0007】
国際公開WO2020/127397号は、第1の窓の最終セクションが第2の窓の開始セクションに並置されるスペーサ用支持要素を記載していることに留意されたい。それにもかかわらず、独国特許出願公開DE102013113267号と国際公開WO2020/127397号との組合せは、本発明をもたらさない。独国特許出願公開DE102013113267号明細書から出発して、当業者は、一定の半径を有する円形窓を適用する教示を得る。国際公開WO2020/127397号は、2つの直線形窓と組み合わせた単一の円形窓の使用を教示している。独国特許出願公開DE102013113267号明細書と国際公開WO2020/127397号との組合せは、独国特許出願公開DE102013113267号明細書の支持要素に2つの直線形窓を追加することにつながる。この解決策は、それを行うための場所が独国特許出願公開DE102013113267号明細書の要素上にないだけでなく、円形窓の寸法を縮小しなければならず、それによってスペーサの位置が制限されるため、当業者には考慮されない。さらに、前述の組合せは、第1の窓の最終セクションが第2の窓の開始セクションに並置される湾曲形状を有する2つの窓を依然として得ることができない。したがって、本発明の要旨(要点)は、湾曲形状を有する2つの窓を部分的に並置することにある。
【0008】
本発明によるスペーサ用支持要素の第1の好ましい実施形態は、各窓が内側曲線および外側曲線を備え、内側曲線および外側曲線がそれらの全長にわたってそれらの間で等距離にあることを特徴とする。このようにして、窓の開口幅は、窓の全長にわたって同じままであり、窓の全長にわたってスペーサを保持および案内することを可能にする。
【0009】
本発明によるスペーサ用支持要素の第2の好ましい実施形態は、開始セクションの高さに位置する内側曲線の開始点が、最終セクションの高さに位置する内側曲線の最終点が前述の中心に対して位置する距離よりも少なくとも25%高い(ところの)前述の中心からの距離に位置することを特徴とする。これにより、ベースの剛性を良好に維持しつつ、スペーサの位置を多くすることができる。
【0010】
本発明によるスペーサ用支持要素の第3の好ましい実施形態は、第1の窓の最終セクションおよび第2の窓の開始セクションが、それらの長さの少なくとも15%にわたって互いに並置されることを特徴とする。これにより、表面が減少しているにもかかわらず、スペーサを装着するための位置の多数の可能性が可能になる。
【0011】
好ましくは、前述の中心の周りのベースに少なくとも2つの長手方向開口部が想定され、当該開口部は互いに平行に延在する。それらは、スペーサ用支持要素を台座またはジョイストに接続するために設けられた取付要素と協働するために設けられている。
【0012】
好ましくは、円形の開口部が、少なくとも1つの窓の最終セクションの延長部に離隔して想定される。この円形の開口部は、スペーサのより多くの装着点を提供する。
【0013】
本発明はまた、スペーサ用支持要素のセット、及び、スペーサのセットに関する。そのようなセットは、スペーサのセットが、カテゴリに応じて分かれた少なくとも複数のスペーサを備え、各スペーサが、スペーサを窓に接続するために設けられた取付部材と、スペーサが窓に接続されたときにベースの上方に延びるヘッドとをそれぞれ有し、各カテゴリが所定のヘッド幅を有し、異なるカテゴリのヘッドの厚さが互いに異なることを特徴とする。これにより、スラブ間の距離を常に同じにする必要はないことが可能となる。
【0014】
次に、本発明によるスペーサ用支持要素の実施形態の一例を示す図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】表面昇降台座に装着された本発明によるスペーサ用支持要素を示す図である。
【
図2】ジョイストに装着された本発明によるスペーサ用支持要素を示す図である。
【
図3】本発明によるスペーサ用支持要素の上側の図である。
【
図4】窓がどのように湾曲されるかについての実施形態をより詳細に示す図である。
【
図5】本発明によるスペーサ用支持要素の上面図であり、台座に装着され、スペーサが設けられている状態の図。
【
図6】4つの隣接するスラブの間に位置する点が台座の中心に対してオフセットされている、本発明によるスペーサ用支持要素の上面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面では、同じ参照符号が同じ要素または対応する要素に割り当てられている。
【0017】
図1は、表面昇降台座2に装着された本発明によるスペーサ用の支持要素1の全体図を示す。台座は、地面から離隔してスラブまたは床に装着されるように、または傾斜した地面を補償するように地面に装着されるように機能する。スペーサ用支持要素は、その中心の周りのベースに想定される少なくとも2つの長手方向開口部3が設けられたベース5を備える。好ましくは、ベースは、互いに平行に2つずつ延在する2つの長手方向開口部を備える。スペーサ用の支持要素1は、長手方向開口部3の少なくとも1つを把持する取付要素4によって台座2に接続される。取付要素は、台座に対して回転可能であり、したがって台座に対するスペーサ用支持要素の回転を可能にするように台座に接続されている。好ましくは、ベースは、スペーサ用支持要素の回転に有利な円形である。
【0018】
図2は、スペーサ用の支持要素1がジョイスト6上に装着されることによって
図1とは区別される。スペーサ用支持要素はまた、取付要素によってジョイストに接続される。好ましくは、取付要素は、ジョイストに対して回転可能であり、したがってジョイストに対するスペーサ用支持要素の回転を可能にするようにジョイストに接続されている。
【0019】
図3は、本発明に従うスペーサ用の支持要素1の上側の図を示す。この支持要素は、好ましくは、例えばポリプロピレンなどのプラスチック材料で製造される。スペーサ用支持要素のベースには、湾曲形状を有する少なくとも第1の窓10-1および第2の窓10-2が設けられる。
図3に示す実施形態では、第3の窓10-3および第4の窓10-4も存在する。各窓10-1~10-4は、
図5および
図6に示すように、少なくとも1つのスペーサ13をその上に装着するために設けられている。各窓は、開始セクション10-1a、10-2a、10-3aおよび10-4a、ならびに最終セクション10-1b、10-2b、10-3bおよび10-4bを有する。スペーサ(単数または複数)13は、それらが装着される窓内で自由に移動することができ、移動されるときにその窓によって案内されることができる。窓は、第1の窓の最終セクション10-1bおよび第2の窓の開始セクション10-2aが、ベースの中心から開始してベースの外側境界に向かう方向にある直線軸lが第1の窓の最終セクション10-1bおよび第2の窓の開始セクション10-2aを連続的に横切るように、互いに並置されるように、適用される。最終セクション10-2b、10-3bおよび10-4bならびに開始セクション10-3a、10-4aおよび10-1aも、同様の方法で適用される。
【0020】
図4に示すように、好ましくは、各窓の開始セクションの開始点は、中心から同じ距離r
1に位置し、各窓の最終セクションの最終点は、中心から同じ距離r
2に位置しており、r
1はr
2よりも大きい。
【0021】
各窓は、内側曲線10-1i、10-2i、10-3iおよび10-4i、並びに、外側曲線10-1e、10-2e、10-3eおよび10-4eを有する。内側曲線および外側曲線は、それらの全長にわたってそれらの間で等距離である。この等距離は、窓内に導入されたスペーサが窓内のその経路全体にわたって案内され保持されることを可能にする。
【0022】
窓の湾曲形状は、開始セクションの高さに位置する内側曲線10-1i、10-2i、10-3iおよび10-4iの開始点が、最終セクションの高さにおける内側曲線の最終点が前述の中心に対して位置する距離よりも少なくとも25%高い(特に25~40%高い)ところの、前述のベースの中心からの距離に位置するような形状である。
したがって、窓の曲線は、ベースの中心に向かって連続的に傾斜し、曲線の半径が一定のままである円形経路をたどらない。したがって、内側曲線および外側曲線は、中心に向かって傾斜している。これにより、ベースの中心に対して同じ距離を有さない場所で窓にスペーサを装着することが可能になり、したがって、中心から異なる距離で連続的にスペーサを装着することが可能になる。
【0023】
好ましくは、第1の窓の最終セクションおよび第2の窓の開始セクションは、それらの長さの少なくとも15%にわたって(特に15~25%にわたって)互いに並置される。これは、第2の窓、第3の窓および第4の窓のそれぞれの最終セクション、ならびに第3の窓、第4の窓および第1の窓のそれぞれの開始セクションにも適用される。これにより、省スペースでスペーサの位置を増やすことができる。
【0024】
図4は、窓がどのように湾曲されるかについての実施形態をより詳細に示す。本発明が
図4に示す例に限定されず、他の湾曲形状を適用できることは明らかであろう。第1の窓10-1は、それぞれが所定の曲線半径r
aおよびr
bを有する2つのサブセクションで構成される。第1のサブセクションは開始セクション10-1aを含み、第2のサブセクションは最終セクション10-1bを含む。第1のサブセクションを形成する円部分は、ベースの中心Cに対応するその中心を有するが、第2のサブセクションを形成する円部分は、中心Cに対してオフセットされたその中心C’を有する。このオフセットは、中心Cに対する高さと同様に左に向かっている。左に向かうオフセットは、例えば、92.58mmの半径を有する円形ベースの場合、上に向かって12.89mmおよび16.39mmである。同じ例では、曲線の曲線半径r
aは72mmであり、r
bは51.352mmである。同じ窓に対して曲線の2つの異なる半径を使用し、各曲線に対して異なる中心を使用することにより、最終セクションが後続の窓の開始セクションの下に留まることを正確に得ることができる。第1のサブセクションは、窓の約4分の1にわたって延在する。
【0025】
好ましくは、円形開口部14(
図3参照)が、少なくとも1つの窓の最終セクションの延長部に離隔して想定される。
図3に示す実施形態では、各窓にそのような円形開口部が関連付けられるように、4つの円形開口部14がある。これらの円形開口部は、その中にスペーサ13を装着するのに役立ち、スペーサを装着する可能性を高める。円形開口部は、それらが関連付けられている窓によって形成された曲線の延長部に配置されている。円形開口部に関連付けられた窓がベースを剛性化するという利点も有する。実際、窓を拡大することができるが、その場合、ベースの構造を過度に弱くするリスクがあり、使用時に過度に容易な破損を引き起こす。したがって、円形開口部に関連する窓の使用は、一方ではスペーサを装着するのに十分な可能性と、他方では十分に剛性のあるベースとの間の良好な妥協を提供する。
【0026】
好ましくは、各窓は、ベースに想定される境界(ボーダー)16で囲まれている。これは、各円形開口部についても同様である。境界は、窓、円形開口部のそれぞれの周囲を形成し、ベースの上面に対して底部に向かってオフセットして位置している。この境界と上面との間の距離は、スペーサの支持ディスク23(
図7参照)の厚さに対応し、支持ディスクは、ヘッド24とスペーサの取付部材19との間の通路を形成する。したがって、スペーサが窓または円形開口に装着されると、取付部材は、窓、円形開口、およびその上方のヘッドの下にそれぞれ延在する。支持ディスク23は、境界16上に載置される。取付部材と支持ディスクと境界との間の協働は、スペーサが開口部の窓内に維持されること、それにもかかわらずその中を移動することを可能にする。すなわち、円形開口部内で回転し、窓内で回転し且つ摺動することを可能にする。このことは、スペーサのヘッドの位置決めおよび配向のための大きな自由度を提供する。
【0027】
位置決めされた後の台座またはジョイスト上のスペーサ用支持要素の固定を容易にするために、支持要素は、好ましくは、半径がベースのうちの1つよりも小さい円に沿って適用される穿孔20のセット(一群)を装備する。
【0028】
本発明に従うスペーサ用支持要素は、スペーサ13のセットをも含むセットの一部である。スペーサのセットは、複数のスペーサ13を含む。
図7に示すように、各スペーサ13は、取付部材19と、スペーサが窓に接続されたときに支持要素のベースの上方に延びるヘッド24とを有する。セットのスペーサはいくつかのカテゴリに分かれており、各カテゴリは明確な(規定の)ヘッド厚さを有する。したがって、スペーサの第1のカテゴリ13-1のヘッド厚さは、スペーサの第2のカテゴリ13-2のヘッドの厚さよりも小さい。好ましくは、セットは、スペーサの7つのカテゴリ13-1~13-7を含む。第1のカテゴリ13-1のスペーサのヘッドは、2mmに等しい厚さを有し、第2のカテゴリ13-2のスペーサのヘッドは、3mmに等しい厚さを有し、第3のカテゴリ13-3~第7のカテゴリ13-7のスペーサのヘッドは、それぞれ4mm、5mm、6mm、8mmおよび10mmに等しい厚さを有する。ヘッドが異なる厚さを有するスペーサのセットを使用することにより、配置される2つのスラブ間の距離に最もよく適合するスペーサを選択することが可能になる。
図5に見られるように、スラブは直線状ではない。スラブ21間の距離がより小さい場所では、第2のカテゴリ13-2のスペーサが使用される。スラブ間の距離が実質的により大きい場所では、第7のカテゴリ13-7のスペーサを使用し、そこでは第4のカテゴリ13-4のスペーサの間にある。したがって、スラブはそれらの間で十分にブロックされ、スラブが移動するリスクは実質的に低減される。
【0029】
図6に示すように、4つの隣接するスラブの端部角(エンドコーナー)が接合する点は、スペーサの支持要素の中心に対応する必要はない。
図6は、この点(接合点)が中心に対してオフセットされている状況を示す。これを可能にするのは、その幾何学的形状を有する窓の存在である。実際、窓は一定の曲線半径を有していないため、スペーサが常に中心から同じ距離にある必要はない。
図6において、スペーサ13-aはスペーサ13-bよりも中心に近く、それらはそれぞれの窓の同じ場所ではないことが分かる。したがって、これは、台座の中心が必ずしもスラブの角の間の前述の点に対応する必要がないため、スラブを装着する人に、より大きな自由度を提供する。したがって、例えば、障害物の存在に起因して前述の点の場所に台座を装着することが不可能である場合、窓内に、または場合によっては円形開口部に、スペーサを配置するように台座をオフセット配置し、スペーサの支持体を回転させるだけで十分である。
【0030】
好ましくは、本発明に従うスペーサ用支持要素は、台座、スペーサ用支持要素、およびその上に装着されるスラブの安定性を維持しながら中心に対して前述のオフセットを行うことができるゾーンを示す表示22を、例えば筋状または波形のプロファイルの適用によって含む。好ましくは、この表示は、中心を横切る線から開始し、その後スペーサ用支持要素の境界から進む方向に進むように、スペーサ用支持要素の表面の4分の1に等しい表面上に延在する。これにより、スラブを装着する人は、オフセットを行うことができる限界を容易に見ることができる。
【0031】
スラブを配置する場合には、スペーサ用支持要素を装着した後に、スラブが1つずつ装着され、スペーサは、それらを窓内で摺動させることによってスラブ間に装着される。
【符号の説明】
【0032】
1 支持要素
2 表面昇降台座
5 ベース
6 ジョイスト(根太)
10-1,2,3,4 窓
13 スペーサ
16 境界(ボーダー)
19 スペーサの取付部材
20 穿孔
22 表示
24 スペーサのヘッド
【外国語明細書】