(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134113
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】リントブラシ
(51)【国際特許分類】
A47L 25/08 20060101AFI20220907BHJP
A47L 25/00 20060101ALN20220907BHJP
【FI】
A47L25/08
A47L25/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029073
(22)【出願日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】17/189,305
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518156163
【氏名又は名称】ヘレン オブ トロイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ジョン コナーズ
(72)【発明者】
【氏名】コナー パトリック マクナマラ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ベック
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス エー.マースデン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ドノバン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル マクダフィー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン マーク リストン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ シーグラム
(72)【発明者】
【氏名】マリーナ イーブズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハウジング及びリントツールを有するリントブラシの提供。
【解決手段】リントブラシ100は、ハウジング102と、リント除去材料を有するリントツールとを有する。リントツールは、リントツールがハウジング102内に収容される収容位置と、リントツールがハウジング102から延びる展開位置との間で、ハウジング102の長手軸に沿って移動可能である。リントツールは、展開位置から第1の回転位置まで、長手軸について回転可能である。ハウジング102及びリントツールの一方に、アクチュエータが取り付けられる。アクチュエータは、リントツールを第1の回転位置から展開位置に戻すように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
リント除去材料を有するリントツールであって、前記リントツールが前記ハウジング内に収容される収容位置と、前記リントツールが前記ハウジングから延びる展開位置との間で、前記ハウジングの長手軸に沿って移動可能であり、前記展開位置から第1の回転位置まで、前記長手軸について回転可能である、リントツールと、
前記ハウジング及び前記リントツールの一方に取り付けられるとともに、前記リントツールを前記第1の回転位置から前記展開位置に戻すように構成されるアクチュエータと、
を有するリントブラシ。
【請求項2】
前記ハウジング内に清掃パッドが取り付けられ、前記清掃パッドは前記リント除去材料に係合して前記リント除去材料から繊維材料を除去するように構成されている、請求項1に記載のリントブラシ。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記リント除去材料から除去された繊維材料を収集する収集領域を含む、請求項2に記載のリントブラシ。
【請求項4】
前記ハウジングにドアが取り付けられ、前記ドアは、前記収集領域を覆う閉位置から、前記収集領域からの繊維材料の除去を可能にする開位置まで移動可能である、請求項3に記載のリントブラシ。
【請求項5】
前記リントツールは、前記リント除去材料を支持するツール本体及びシャトルを含み、前記アクチュエータは前記シャトルと前記ツール本体との間に接続される、請求項1に記載のリントブラシ。
【請求項6】
前記シャトル及び前記ツール本体の一方はガイドトラックを有し、前記シャトル及び前記ツール本体の他方は、前記リントツールが前記展開位置と前記第1の回転位置との間を回転するときに前記ガイドトラック内で移動可能なガイドを有する、請求項5に記載のリントブラシ。
【請求項7】
前記シャトルは前記ガイドトラックを有し、前記ツール本体は前記ガイドを有し、前記アクチュエータは前記シャトルと前記ガイドとの間に接続された付勢部材である、請求項6に記載のリントブラシ。
【請求項8】
前記リントツールは、前記シャトルに脱着可能に取り付けられたハンドルを有し、前記ツール本体は前記シャトルと前記ハンドルとの間に固定される、請求項5に記載のリントブラシ。
【請求項9】
前記シャトル及び前記ハウジングの一方はガイドトラックを有し、前記シャトル及び前記ハウジングの他方は、前記リントツールが前記収容位置と前記展開位置との間を移動するときに前記ガイドトラック内で移動可能なガイドを有する、請求項5に記載のリントブラシ。
【請求項10】
前記リントツールは、前記長手軸について前記展開位置から前記第1の回転位置まで第1の方向に回転し、前記リントツールは、前記長手軸について第2の反対方向に、前記展開位置から第2の回転位置まで回転可能であり、
前記アクチュエータは、前記リントツールを前記第2の回転位置から前記展開位置に戻すように構成される、請求項1に記載のリントブラシ。
【請求項11】
前記リントツールは、前記リント除去材料を支持するツール本体及びシャトルを含み、前記シャトルはアーチ形状のガイドトラックを有し、前記ツール本体は、前記リントツールが前記展開位置と前記第1の回転位置及び前記第2の回転位置の一方との間を回転するときに前記ガイドトラック内で移動可能なガイドを有する、請求項10に記載のリントブラシ。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記シャトルと前記ツール本体との間に接続されたばねである、請求項11に記載のリントブラシ。
【請求項13】
前記リント除去材料は、互いに反対方向の指向性の繊維パイルを有する第1の布セクション及び第2の布セクションからなる連続ツール表面を含む、請求項10に記載のリントブラシ。
【請求項14】
ハウジングと、
リント除去材料が取り付けられたツール本体及びシャトルを有するリントツールであって、前記リントツールが前記ハウジング内に収容される収容位置と、前記リントツールが前記ハウジングから延びる展開位置との間で、前記ハウジングの長手軸に沿って移動可能であり、前記展開位置から第1の回転位置まで、前記長手軸について回転可能である、リントツールと、
前記リントツールの一部として前記シャトルと前記ツール本体との間に接続されるとともに、前記リントツールを前記第1の回転位置から前記展開位置に戻すように構成されるアクチュエータと、
を有するリントブラシ。
【請求項15】
前記リントツールは、前記長手軸について前記展開位置から前記第1の回転位置まで第1の方向に回転し、前記リントツールは、前記長手軸について第2の反対方向に、前記展開位置から第2の回転位置まで回転可能であり、
前記アクチュエータは、前記リントツールを前記第2の回転位置から前記展開位置に戻すように構成される、請求項14に記載のリントブラシ。
【請求項16】
前記シャトルはアーチ形状のガイドトラックを有し、前記ツール本体は、前記リントツールが前記展開位置と前記第1の回転位置及び前記第2の回転位置の一方との間を回転するときに前記ガイドトラック内で移動可能なガイドを有する、請求項15に記載のリントブラシ。
【請求項17】
前記ハウジング内に清掃パッドが取り付けられ、前記清掃パッドは前記リント除去材料に係合して前記リント除去材料から繊維材料を除去するように構成されており、
前記ハウジング内に、前記リント除去材料から除去された繊維材料を収集する収集領域が画定され、
前記ハウジングにドアが取り付けられ、前記ドアは、前記収集領域を覆う閉位置から、前記収集領域からの繊維材料の除去を可能にする開位置まで移動可能である、請求項14に記載のリントブラシ。
【請求項18】
前記リント除去材料は、互いに反対方向の指向性の繊維パイルを有する第1の布セクション及び第2の布セクションからなる連続ツール表面を含む、請求項14に記載のリントブラシ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一般的に使用されるリント(糸くず)ブラシは、ハンドルに取り付けられた、ブラシ部分のスピンドルに回転可能に取り付けられたリント除去接着剤担持材料のロールを有する。使用中、ユーザは、清掃すべき表面上又は該表面に沿ってスピンドル回りにリントブラシを転がし、該表面の繊維又はリントが、リント除去接着材料に付着する。別の一般的に使用されるリントブラシは、ハンドルに取り付けられた、ブラシ部分に固定されたリント除去ブラシ材料を有する。ブラシ材料は典型的には、指向性材料、すなわち、清掃すべき表面から繊維又はリントをピックアップするために、該表面を横切って第1の方向(ピックアップ方向)に引き摺ることができ、かつ、ブラシ材料から繊維又はリントをリリースするために、表面を横切る反対方向(リリース方向)に引き摺ることができる材料である。上記のリント除去材料の1つを有するブラシ部分が、ハンドルの内外に移動可能であるリントブラシを提供することも知られている。
【発明の概要】
【0002】
一態様によれば、リントブラシは、ハウジングと、リント除去材料を有するリントツールとを含む。リントツールは、リントツールがハウジング内に収容される収容位置と、リントツールがハウジングから延びる展開位置との間で、ハウジングの長手軸に沿って移動可能である。リントツールは、展開位置から第1の回転位置まで、長手軸について回転可能である。ハウジング及びリントツールの一方には、アクチュエータが取り付けられる。アクチュエータは、リントツールを第1の回転位置から展開位置に戻すように構成される。
【0003】
他の態様によれば、リントブラシは、ハウジング及びリントツールを含む。リントツールは、シャトルと、リント除去材料が取り付けられたツール本体とを含む。リントツールは、リントツールがハウジング内に収容される収容位置と、リントツールがハウジングから延びる展開位置との間で、ハウジングの長手軸に沿って移動可能である。リントツールは、展開位置から第1の回転位置まで、長手軸について回転可能である。リントツールの一部としてアクチュエータが提供され、シャトルとツール本体の間に結合される。アクチュエータは、リントツールを第1の回転位置から展開位置に戻すように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示に係るリントブラシの斜視図であり、リントブラシは、ハウジング及びリントツールを含み、リントツールはハウジングに対して収容位置にある。
【0005】
【
図2】リントブラシの斜視図であり、リントツールはハウジングに対して展開位置にある。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【
図7】リントツールのシャトルキャップの上面図である。
【0011】
【
図8】リントツールのバッキング部材の内部又は後面の図である。
【0012】
【
図9】リントブラシの斜視図であり、リントツールは第1の回転位置にある。
【0013】
【
図10】リントブラシの斜視図であり、リントツールは第2の回転位置にある。
【0014】
【0015】
【
図12】リントツールのツール本体の拡大部分側面図である。
【0016】
【
図13】ハウジング内に収容された清掃部のバッキング部材の内部又は後面の図である。
【0017】
【
図14】ハウジングのハウジング部の内部又は後面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
勿論、本明細書の説明及び図面は単なる例示であり、本開示から逸脱することなく、開示された構造は種々の修正及び変更が可能であることを理解すべきである。「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」等の空間的に相対的な用語は、図面に例示するように、ある要素及び/又は特徴と他の要素及び/又は特徴との関係を説明するために使用され得る。ここで、いくつかの図を通して同様の参照符号が同様の部品を示す図面を参照すると、
図1-3は、本開示に係るリントブラシ100を示す。リントブラシ100は、ハウジング102及びリントツール104を有し、リントツール104は、リントツール104がハウジング103内に収容される収容位置(
図1)と、リントツールがハウジングから延びる展開位置(
図2)との間で、ハウジング102の長手軸108に沿って移動可能である。後述するように、リントツール104はまた、長手軸108に関して、展開位置から少なくとも第1の回転位置まで回転可能である(
図9又は
図10)。リントツール104には、表面から繊維状材料を除去するように構成されたリント除去材料110が取り付けられる。本明細書で使用される「繊維」又は「繊維状材料」は、人間又はペットの毛、ほこり、糸くず、ひも、糸、表面に集まる他の材料等のデブリを含む。本明細書において清掃される表面を参照する場合、「表面」は布帛又は布帛で覆われた表面を含み、これらには衣類、室内装飾品、カーペット、毛布、カーテン、及び繊維が集まる傾向がある他の表面が含まれる。また「表面」は、タイル、リノリウム、木材等の硬質表面も含み得る。
【0019】
図4及び5に示す実施形態では、ハウジング102は、外面116及び内面118を有し、内面118は、リントツール104を収容位置に受容するサイズの内側チャンバ120を画定する。組み立てを容易にするために、ハウジング102は、第1のハウジング部分122と、第1のハウジング部分122に取り付けられる第2のハウジング部分124とを含む2ピースハウジングであり得る。第1のハウジング部分122はアーチ形状を有することができ、第2のハウジング部分は四角いU字形状を有することができ、これにより、リントツールが収容位置に移動するときに、リントツール104の適切な位置決めが可能になる。但し、他の形状も考えられる。内側チャンバ120は、リントツール104のリント除去材料110を受容するのに十分なサイズ及び形状を有し得る。例えば、
図4を参照すると、内側チャンバ120は、リント除去材料110の対応する長手方向寸法よりも大きい長手方向寸法を有し得、それにより、リント除去材料110全体が完全に内側チャンバ内に収容され得る。ハウジング102の内側チャンバ120は、遠位開口部126及び近位開口部128を有する。この文脈において、「遠位」は、展開されるリントツール104が通る領域を指し、「近位」は、展開されるリントツールが離れる領域を指す。ハウジング102の外面116は、例えばユーザによる容易な把持のために、機能的又は審美的な目的のために構成可能であることを理解されたい。
【0020】
図3-7を参照すると、リントツール104は、リント除去材料110を支持するように構成されたツール本体138及びシャトル136を含む。図示のように、シャトル136は、ベース140及びポスト142を有する。ベース140は、上壁148及び側壁150を有し、ポスト142は上壁148から外側に延びる。本開示によれば、リントツール104が収容位置と展開位置との間で移動すると、ベース140はハウジング102の長手方向寸法に沿って案内される。例えば、シャトル136及びハウジング102の一方はガイドトラック154を有し、シャトル136及びハウジング102の他方は、リントツールがハウジング102に対して移動するときにガイドトラック内で移動可能なガイド156を有する。図示の態様では、シャトル136の側壁150がガイドトラック154を有し、ハウジング102の第2のハウジング部分124がガイド156を有する。ガイドトラック154は、側壁150に取り付けられた延長部158上に形成可能であるが、これは必須ではない。ガイド156は、第2のハウジング部分124上に長手方向リブとして形成可能である。さらに、シャトルベース140の上壁148の反対側に、ベース140の開放端を閉じるためのシャトルキャップ166を設けることができる。キャップ166を取り付け可能とすべく、上壁148に設けられたボス168は、キャップ166上に設けられたステム172を受容するサイズのボアを画定する。キャップ166は、係合タブ178によって複数部分に分離された側壁174を有する。シャトル136のベース140内に配置されたキャップ166の側壁174とともに、係合タブ178は側壁150の開口180に受容される。
【0021】
引き続き
図3-5を参照すると、ツール本体138はシャトル136上に自由に支持されており、このことは、ツール本体138がシャトル136上の所定位置に固定されていないことを意味する。この目的のために、ツール本体138は支持壁190を有し、支持壁190は、互いに反対側の端部から延びる上フランジ192及び下フランジ194を有する。フランジ192、194は、シャトル136のポスト142を受容するサイズの開口196、198を有する。さらに支持壁190は、互いに離隔配置された細長い複数のリブ200を有することができ、これらのリブは支持壁とともに、ポスト142のためのチャネル202を画定する。図示の態様では、位置決めタブ210及び取り付けタブ214が、リント除去材料110のバッキング部材216と係合するために支持壁190から延びる。
図3及び8では、バッキング部材216は、外面222、内面224、側縁226、228、並びに上縁230及び下縁232を備えたC字形状の本体220を有する。内面224から延びる棚240は、位置決めタブ210を受容するノッチ242を備える。本体220はさらに、内面224上の取り付けフランジ248の側部に少なくとも部分的に位置する開口246を有する。開口246は、取り付けタブ214が取り付けフランジ248に係合したときに、取り付けタブ214を少なくとも部分的に受容する。本態様では、側縁226、228の各々は歯250を有することができ、上縁230及び下縁232の各々は歯252を有することができる。リント除去材料110の圧縮性パッド258(例えば発泡体パッド)は、バッキング部材216の外面222に固定可能であり、歯250、252は、外面222に対する圧縮性パッド258の固定を補助できる。
【0022】
リント除去材料110は、任意の適切な手段によって圧縮性パッド258に固定される。例えば、リント除去材料110は、接着剤、機械的接続又は化学結合によって、圧縮性パッド258の選択された部分に恒久的に取り付け可能である。他の実施形態では、リント除去材料110及び圧縮性パッド258の一方又は双方が無効になったとき等に除去・交換できるように、リント除去材料110を圧縮性パッド258に脱着可能に取り付けることができる。当技術分野で周知のように、リント除去材料110は、指向性ブラシ材料、すなわち、清掃すべき表面から繊維材料をピックアップするために、該表面を横切って第1の方向(ピックアップ方向)に引き摺ることができ、かつ、ブラシ材料から繊維材料をリリースするために、該表面を横切る反対方向(リリース方向)に引き摺ることができる材料である。例えばブラシ材料は、一方向に傾斜した複数の短繊維を有する指向性パイル織物であり得る。ブラシ材料は、洗浄すべき表面を横切って一方向に引き摺られると、表面から繊維材料をピックアップする。ブラシ材料を表面を横切って反対方向にドラッグすると、収集された繊維材料の一部又は全てがブラシ材料から除去される。本開示によれば、リント除去材料は、互いに反対方向の指向性のパイル織物を有する第1の布セクション272及び第2の布セクション274(
図3では隠線で区切られて示される)からなる連続ツール表面270を含む。この構成では、第1の布セクション272及び第2の布セクション274のピックアップ方向とリリース方向は互いに逆になる。
【0023】
上述したように、リントツール104は、ハウジング102の長手軸について、展開位置(
図2)から第1の回転位置(例えば
図9)まで回転可能である。より具体的には、シャトル136のポスト142上に配置されたときのツール本体138は、シャトル136に対して回転可能である。ツール本体138の回転運動を案内するために、シャトル136及びツール本体138の一方はガイドトラック278を有し、シャトル136及びツール本体138の他方は、リントツールが回転するときにガイドトラック278内で移動可能なガイド280を有する。
図4-6に図示された態様では、シャトル136がガイドトラック278を有し、ツール本体138がガイド280を有する。ガイドトラック278は、シャトル136の上壁148に形成されたアーチ状のスロット付き開口284によって画定される。ガイド280は、ツール本体138の下フランジ194に設けられたピン288によって画定され、ピン288は、スロット付き開口284を通って延びるサイズを有する。スロット付き開口284がシャトル136に対するツール本体138の回転範囲を規定し、スロット付き開口の端部がツール本体のハードストップを画定していることを理解されたい。
【0024】
本開示ではさらに、ハウジング102及びリントツール104の一方に取り付けられたアクチュエータ290が、ツール本体138を第1の回転位置から展開位置に戻すように構成される。「アクチュエータ」なる用語及びその変形例は、リントツールを展開位置に自動的に戻すように設計され、構成され、かつ/又は動作可能であるエレメント、コンポーネント、デバイス又は機構を意味し、展開位置とはリントツール104をハウジング102内の収容位置に戻すために要求される位置であることを理解されたい。本態様では、アクチュエータ290は、シャトル136とツール本体138、具体的にはガイド280との間に結合される。従ってアクチュエータ290は、リントツール104とともに移動し、ハウジング102をよりコンパクトにすることを可能にする。さらに本実施形態では、アクチュエータ290は、ばね292の形態の付勢部材であり、図示のように、ばね292はトーションばねである。但し、別のばね(例えば引張ばね)を使用して、ツール本体138を展開部分に戻すこともできる。
図3-5及び11では、ばね292は、シャトル136の上壁148に設けられたボス168上に配置され、シャトルキャップ166上のリブ又はフィン298によってボス上に保持される。ばね292の一方の脚部300は、ガイド280又はピン288に形成された開口部302内に固定される。ばね292の他方の脚部304は、例えば上壁148に設けられた、キャッチ308に固定される。この構成では、(例えば、清掃すべき表面を横切ってハウジング102の長手軸に交差する第1の方向にリント除去材料110の第1のセクション272を動かすことによって)ツール本体138をシャトル136上で第1の回転位置に向けて回転させると、ばね軸に沿ってばね脚部300、304が捩られる。これにより反対方向のトルクが生じ、該トルクは、リント除去材料110が表面から離れたときに、リントツール104を展開位置に戻す。さらに、スロット付き開口284がアーチ形状であることにより、(例えば、清掃すべき表面を横切ってハウジング102の長手軸に交差する第2の方向にリント除去材料110の第2のセクション274を動かすことによって)リントツール104はまた、ハウジング102の長手軸について第2の反対方向に、展開位置(
図2)から第2の回転位置(例えば
図10)まで回転可能である。そしてアクチュエータ290は、上記と同様のやり方で、リントツール104を第2の回転位置から展開位置に戻すように構成される。
図12は、ツール本体138の下フランジ194の拡大部分側面図である。支持壁190に向かって厚さが増加するくさび形の構造310が、下フランジ194に設けられる。構造310の引き込み(リードイン)面312は、ばね292の不正確さを修正するために支持壁190に向かって傾斜し又は角度が付けられており、それにより、本体138が回転して展開位置に戻ったときのツール本体138とハウジング102(及び/又はシャトル136)との間の僅かな位置ずれは、ツール本体138が収容位置に移動することを妨げない。
【0025】
ツール本体138をシャトル136上に保持するために、ポスト142にはハンドル320が脱着可能に取り付けられ、それによりツール本体はシャトルとハンドルとの間に固定される。ハンドル320を取り付けるために、ハンドルは、ポスト142のボア326内に受容可能なねじ山付き開口部を備えたボス322を有することができ、ボア326に形成されたワッシャ332を通って延びるファスナ330が、ボスの開口部内に螺着する。ハウジングの遠位開口部126には、審美的なリング形状のトリム部材336を取り付けることができ、リング部材336は、第1のハウジング部分122と第2のハウジング部分124とを接続するのに役立つ。
【0026】
図3-5、13及び14を参照すると、清掃パッド340がハウジング102内に取り付けられ、清掃パッドは、リント除去材料110と係合するとともに、リントツール104が収容位置と展開位置との間で移動するときに、リント除去材料から繊維材料を除去するように構成されている。図示の態様では、バッキング部材342が、清掃パッド340を第1のハウジング部分122に固定する。バッキング部材342は、側縁352、354、上縁356及び下縁358を備えた略C字形状の本体350を有する。本体350は、第1のハウジング部分122の内面366から延びる取り付けタブ364を受容するようなサイズの開口部360を有する。本態様では、側縁352、354の各々は歯370を有し得、上縁356及び下縁358の各々は歯372を有し得る。清掃パッド340は、バッキング部材の本体350の内面378に固定可能であり、歯370、372は、清掃パッド340をバッキング部材342に固定するのに役立つ。リント除去材料110と同様に、清掃パッド340は、任意の適切な手段によって、バッキング部材342に恒久的又は脱着可能に固定される。清掃パッド340は、ブラシ材料から繊維材料を除去するのに適した任意の材料で作製可能である。例えば、清掃パッド340は、上述のような、リント除去材料110に面する指向性の繊維パイルを有する指向性パイル布帛であり得る。当業者は、リントツール104のリント除去材料110から繊維材料を効果的に除去するために、清掃パッド340に使用可能な材料のタイプを理解するであろう。清掃パッド340に加えて、ハウジング102は、リント除去材料110から除去された繊維材料を収集するために、シャトルキャップ166の下方に配置された収集領域390を有する。ハウジング104の近位開口部128には、ドア392が取り付けられる。例えば、ドア392は、第2のハウジング部分124にヒンジで接続可能であり、ドア上に形成されたラッチ396が、第1のハウジング部分122上に形成された突起398に選択的に係合することができる。ドア392は、収集領域390(及びハウジング102の近位開口部128)を覆う閉位置から、収集領域390からの繊維材料の除去を可能にする開位置まで移動可能である。
【0027】
上記に開示された実施形態並びに他の特徴及び機能、又はそれらの代替例若しくは変形例は、望ましくは、他の多くの異なるシステム又は用途と組み合わせ可能であることが理解されよう。また、それらについて現在は予期若しくは予測されていない種々の代替、修正、変形又は改良は、後に当業者によって行われることができ、それらも添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。